当第1四半期連結累計期間において、本四半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項の発生、又は、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。
2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析は以下の通りであります。なお、文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)連結経営成績に関する定性的情報
当社グループの当第1四半期連結累計期間における経営成績は、売上収益は29,893千米ドル(4,526百万円)と前年同期に比べ2,032千米ドル(308百万円、7.3%)の増収となりました。営業利益は1,862千米ドル(282百万円)と前年同期比と比べ8千米ドル(1百万円、0.4%)の増益、親会社の所有者に帰属する四半期利益は1,111千米ドル(168百万円)と前年同期と比べ55千米ドル(8百万円、5.2%)の増益となりました。四半期包括利益については、税引後その他の四半期包括損失1,641千米ドル(248百万円)を計上したことにより、465千米ドル(70百万円)の損失となりました。
当第1四半期連結累計期間における報告セグメントごとの業績は、以下の通りです。
(マネジメントサービス事業)
マネジメントサービス事業は、当社グループの中核事業であり、2024年3月31日現在、アジアを中心とする世界17拠点にて約400名のプロフェッショナルが「YCP Solidiance」「YCP Auctus」の2ブランドのもと、M&Aや企業変革の実現に向けた現場常駐型(PMO型)の経営支援サービスを国内外で展開しております。
当事業においては、主要な地域の中で、経済成長が続くインド地域で325千米ドル(49百万円、10.4%)の増収となったものの、更なる円安に加え、デジタルトランスフォーメーション領域及びインタラクティブソリューション領域を新たな報告セグメントであるソリューション事業に移管した影響が大きかった日本地域で売上収益が2,862千米ドル(433百万円、53.5%)の減収、不動産市況の悪化に端を発する景気減速の影響を受けたグレーターチャイナ地域で242千米ドル(37百万円、19.3%)の減収になりました。その結果、当第1四半期連結累計期間のセグメント売上収益は8,963千米ドル(1,357百万円、前年同期は12,302千米ドル(1,863百万円))(セグメント間収益含む)で減収、セグメント利益は1,547千米ドル(234百万円、前年同期は2,291千米ドル(347百万円))で減益になりました。
マネジメントサービス事業における、当第1四半期連結累計期間及び前年同期の地域別売上収益の内訳は以下の通りです。
|
(地域別売上収益の内訳) |
当第1四半期連結累計期間 |
前第1四半期連結累計期間 |
||
|
千米ドル |
百万円 |
千米ドル |
百万円 |
|
|
日本 |
2,483 |
376 |
5,345 |
809 |
|
東南アジア |
2,422 |
367 |
2,436 |
369 |
|
グレーターチャイナ |
1,010 |
153 |
1,252 |
190 |
|
インド |
3,446 |
522 |
3,121 |
473 |
|
欧州 |
344 |
52 |
231 |
35 |
|
北米 |
374 |
57 |
235 |
36 |
|
グループ間取引消去 |
△1,369 |
△207 |
△671 |
△102 |
|
合計 |
8,710 |
1,319 |
11,949 |
1,809 |
|
(参考:現地通貨の売上推移) |
当第1四半期連結累計期間 |
前第1四半期連結累計期間 |
|
日本(百万円) |
540 |
739 |
|
グレーターチャイナ(千人民元) |
8,995 |
10,799 |
|
インド(百万インドルピー) |
284 |
257 |
(注)その他の地域については、原則として米ドルで計上しているか、少額のため割愛しております。
(ソリューション事業)
ソリューション事業は、マネジメントサービス事業を通じて集積した知見やネットワークを活用し、特定の領域に特化した専門的なサービスを提供しております。現在は、デジタルトランスフォーメーション(DX)、インタラクティブソリューション及びサプライチェーンソリューションの3領域でサービスを展開しております。
前第1四半期連結会計期間においては、各領域ともマネジメントサービスと連携して事業の立ち上げを進めていたことから、3領域ともマネジメントサービス事業に含めて報告を行っておりました。
その後、サプライチェーンソリューション領域で、2023年8月にインドなど世界7拠点でサプライチェーン構築や調達・購買に関するコンサルティングサービスを提供しているConsus Global Pvt. Ltd. 及びSB Invest Pte. Ltd.(以下、「コンサスグループ」といいます。)の完全子会社化を実施したこと、また、デジタルトランスフォーメーション領域及びインタラクティブソリューション領域で、事業立ち上げが順調に進捗し、一定の収益が見込まれるようになったことから、これら3領域をソリューション事業として当第1四半期連結会計期間より報告を開始しております。
当事業においては、サプライチェーンソリューション領域で収益力強化のための組織再編を実施した一方で、デジタルトランスフォーメーション領域及びインタラクティブソリューション領域が堅調に推移し、それぞれ1,978千米ドル(300百万円)、186千米ドル(28百万円)、104千米ドル(16百万円)の増収となったことから、当第1四半期連結累計期間のセグメント売上収益は3,462千米ドル(524百万円)、セグメント利益は448千米ドル(68百万円)となりました。
|
(ソリューション事業における 領域別売上収益の内訳) |
当第1四半期連結累計期間 |
前第1四半期連結累計期間 |
||
|
千米ドル |
百万円 |
千米ドル |
百万円 |
|
|
デジタルトランスフォーメーション |
900 |
136 |
- |
- |
|
インタラクティブソリューション |
625 |
95 |
- |
- |
|
サプライチェーンソリューション |
1,978 |
300 |
- |
- |
|
グループ間取引消去 |
△42 |
△6 |
- |
- |
|
合計 |
3,462 |
524 |
- |
- |
(プリンシパル投資事業)
プリンシパル投資事業は、マネジメントサービス事業を通じて培った経営人材のプラットフォームを活用し、中小/新興企業に対して当社グループ自らの資金を投下する他、ゼロから事業立ち上げを伴うインキュベーションにも積極的に取り組んでおります。これまでの投資活動の結果、現在では、パーソナルケア領域及びペットケア領域を重点領域と定め長期的な投資を継続しております。また、将来の重点領域となるべきビジネスシーズに対する投資も、戦略投資領域として積極的に投資を行っております。
パーソナルケア領域は、主要な連結子会社である株式会社SOLIAを通じて、「ALOBABY(アロベビー)」、「HALENA(ハレナ)」、「AMBiQUE(アンビーク)」及び「MELCE(メルス)」などのパーソナルケア商材をアジア全域に展開しております。当領域においては、主力ブランドである「ALOBABY(アロベビー)」及び「AMBiQUE(アンビーク)」の販売が堅調に推移し、円建て決算ベースの売上収益は前年同期比で379百万円の増収となりました。一方で、更なる円安の影響により、米ドル建て決算ベースの売上収益は前年同期比で1,729千米ドル(262百万円)の増収にとどまっております。その結果、当第1四半期連結累計期間のセグメント売上収益は8,981千米ドル(1,360百万円、前年同期は7,252千米ドル(1,098百万円))、セグメント損益は790千米ドル(120百万円)の利益(前年同期は650千米ドル(98百万円)の利益)となりました。
ペットケア領域は、主要な連結子会社である株式会社LVGを通じて、動物病院運営を中心に事業を展開しています。当領域においては、2023年1月に北海道江別市で、2023年4月に茨城県つくば市でそれぞれ新たに動物病院事業を運営する会社を取得したことにより、円建て決算ベースの売上収益は前年同期比で138百万円の増収となりました。一方で、更なる円安の影響により、米ドル建て決算ベースの売上収益は前年同期比で474千米ドル(72百万円)の増収にとどまっております。その結果、当第1四半期連結累計期間のセグメント売上収益は4,545千米ドル(688百万円、前年同期は4,071千米ドル(616百万円))、セグメント損益は251千米ドル(38百万円)の利益(前年同期は48千米ドル(7百万円)の損失)となりました。
戦略投資領域は、将来の重点領域となるべきビジネスシーズに対する投資として、主にアジア各国における飲食事業やシニア向けサービスといった事業に投資を行っております。
当領域においては、中国の景気減速の影響により中国及びシンガポールでの飲食事業が軟調に推移したことから、前年同期比で389千米ドル(58百万円)の減収となりました。その結果、当第1四半期連結累計期間のセグメント売上収益は4,317千米ドル(654百万円、前年同期は4,706千米ドル(712百万円))、セグメント損益は14千米ドル(2百万円)の利益(前年同期は167千米ドル(25百万円)の利益)となりました。
以上の当社グループの売上収益をまとめると以下の通りです。
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(グループの売上収益の内訳) |
当第1四半期連結累計期間 |
前第1四半期連結累計期間 |
||
|
千米ドル |
百万円 |
千米ドル |
百万円 |
|
|
マネジメントサービス事業 |
8,963 |
1,357 |
12,302 |
1,863 |
|
ソリューション事業 |
3,504 |
531 |
- |
- |
|
プリンシパル投資事業 |
17,843 |
2,701 |
16,029 |
2,427 |
|
(内訳) |
||||
|
パーソナルケア領域 |
8,981 |
1,360 |
7,252 |
1,098 |
|
ペットケア領域 |
4,545 |
688 |
4,071 |
616 |
|
戦略投資領域 |
4,317 |
654 |
4,706 |
712 |
|
グループ間取引消去 |
△417 |
△63 |
△470 |
△71 |
|
合計 |
29,893 |
4,526 |
27,861 |
4,218 |
(2)連結財政状態に関する定性的情報
(資産)
当第1四半期連結会計期間末の資産合計は125,751千米ドル(19,039百万円、前連結会計年度末は131,868千米ドル(19,965百万円))となり、前連結会計年度比6,117千米ドル(926百万円)減少となりました。これは主に、子会社の取得における現金対価の支出及び借入金の返済等により現金及び預金が4,798千米ドル(726百万円)減少したことによるものであります。
(負債)
当第1四半期連結会計期間末の負債合計は53,941千米ドル(8,167百万円、前連結会計年度末は59,749千米ドル(9,046百万円))となり5,808千米ドル(879百万円)減少となりました。これは主に、営業債務以外の短期債務が3,386千米ドル(512百万円)減少したことによるものであります。
(資本)
当第1四半期連結会計期間末の純資産合計は71,810千米ドル(10,872百万円、前連結会計年度末は72,119千米ドル(10,919百万円))となり、前連結会計年度末比309千米ドル(47百万円)減少となりました。これは主に、在外営業体の換算差額1,630千米ドル(247百万円)を計上したことによるものであります。
(3)キャッシュ・フローの状況
当第1四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末より4,798千米ドル(726百万円)減少し、21,395千米ドル(3,239百万円)となりました。
当第1四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況と要因は以下の通りであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当第1四半期連結累計期間における営業活動による資金の増加は、381千米ドル(58百万円、前第1四半期連結累計期間は3,689千米ドル(559百万円)の減少)となりました。これは主に、各セグメントの事業が堅調に推移したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当第1四半期連結累計期間における投資活動による資金の減少は、2,968千米ドル(449百万円、前第1四半期連結累計期間は7,378千米ドル(1,117百万円)の増加)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出1,273千米ドル(193百万円)及び子会社の取得による支出1,700千米ドル(257百万円)によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当第1四半期連結累計期間における財務活動による資金の減少は、460千米ドル(70百万円、前第1四半期連結累計期間は2,551千米ドル(386百万円)の増加)となりました。これは主に、借入金の返済による支出1,061千米ドル(161百万円)によるものであります。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
特記すべき事項はありません。
当社は、2024年3月4日開催の取締役会決議に基づき、Shenkuo Business Partners Limitedの発行する全ての株式を取得し、完全子会社化する契約を同日付で締結いたしました。本件取引は2024年4月1日に完了し、当社はShenkuo Business Partners Limitedの株式の取得対価として、現金及び当社普通株式を交付しております。詳細は「第5 経理の状況 1 四半期財務書類 要約四半期連結財務諸表注記」の「12.後発事象」をご参照ください。