第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において、当社が判断したものであります。

 

(1)経営方針

 当社は、「教育と福祉の社会課題を解決し、より良い未来を創造する」を理念として事業を行っています。主に、「質の高い教育の提供」と「働きやすい環境づくり」を通して、よりよい未来の実現を目指しています。

 

(2)経営戦略等

①教育人材支援事業

 国内の教育サービス市場は、少子化による学齢人口の減少、ICTの活用、入試改革等による変革期を迎えています。当社は、今後進行すると予想される教育のデジタル化に向けたサービスを充実させてまいります。Webコミュニケーションツールを活用した「オンライン家庭教師サービス」は地方にも顧客が増加し始めており、地域による教育格差の解消に貢献しております。今後は、学習塾が比較的少ない離島や海外にもサービスの拡大を目指します。

また、教員の過重労働問題が深刻化しています。学校教育の質の向上を図るには教員の負担軽減が急務であり、当社では、学校における教員の働き方改革をサポートすべく、教員及び部活動指導員の紹介事業、並びにICT支援員の派遣事業を拡大してまいります。

 

②福祉人材支援事業

 保育園、学童保育施設、介護施設の人材不足は年々深刻さを増しており、待機児童問題、介護離職問題は、労働力人口の減少の要因のひとつになっています。

 当社は、職場と求職者の相性を高めるため、ニーズごとに細分化された求人サイトを構築し、職場と求職者のミスマッチによる離職を防いでいます。登録求職者数のさらなる増加のため、インターネットプラットフォームを軸に、保育分野と介護分野における人材ソリューションサービスを展開します。

 

③個別指導教室事業

 当社の個別指導教室は、設立以来、神奈川県を中心とした「ドミナント戦略」により地域密着型個別指導教室を展開しており、本書提出日現在、直営教室を24校舎展開しております。今後は、後発の利を活かしニュータウン等の人口増加エリアに集中した出店を全国に広げて展開します。

 

(3)経営環境

①教育人材支援事業

 学校業界においては、昨今、教員の長時間労働等の労務問題が課題となっており、年々教員志望者が減少しています。これは、部活動の顧問など本来教員の仕事以外の業務の増加が原因となっています。近年では教員の働き方改革が叫ばれるようになり、部活指導員やICT支援員などを外部に委託する流れが加速しています。このことは、長年教育の分野で人材サービスを展開していた当社にとって好機であるととらえております。

 一方、学習塾業界においては、少子化の影響を受け、学習塾の合従連衡の動きが加速しています。中小の学習塾では、映像授業や個別指導への転換など、生き残りを賭けた業態変更が見受けられます。さらに、他の業界にアルバイト人材を奪われたことによる講師不足も深刻で、当社人材サービスへの需要は高まっております。新型コロナウイルス感染症の拡大により、一時的に他の業界から学習塾業界にアルバイト人材が流入していますが、新型コロナウイルス感染症の収束後の人材需要は以前の状況に戻ると予測しています。

 

②福祉人材支援事業

 労働力人口の減少やワークライフバランスを重視するという大きな流れの中で、どの施設においても人材の確保が緊急の課題となっております。このような環境下、当社が提供する各施設の要望に応じたミスマッチの少ない人材サービスの需要はますます高まるものと考えております。

 

③個別指導教室事業

 少子化とともに、大学入試改革など教育制度の変革期を迎えています。このような環境下、私立中学や大学への進学率は高水準で推移し、家計における子ども1人当たりの教育費は増加傾向を示すなど、教育への期待はさらに高まりを見せています。個別指導塾業界は、生徒や保護者の厳しい選別の目に晒されていますが、「質の高い教育の提供」といった創業時から守り続ける理念と、顧客ニーズの変化に対応する柔軟性をもって教室運営にあたります。

 

(4)優先的に対処すべき事業上および財務上の課題

①ブランドとサービスの認知度向上

 当社では、顧客の獲得および登録者数の増加のため、ブランドとサービスの認知度向上が重要であると認識しています。特に、介護業界や保育業界では慢性的な人材不足に陥っており、保育士や介護職員の奪い合いが激化しています。登録者数を増加させるためにはブランドとサービスの認知度向上を図る必要があり、WEBを中心に広告宣伝・募集活動を全国に拡大してまいります。

 個別指導教室事業においては、中学受験層など、少子化においても拡大しているマーケットに対するサービスの種類を増やす必要があります。高校受験や大学受験の塾という当社のイメージを脱却すべく、WEBを中心にプロモーションを展開してまいります。また、当社は教育人材支援事業を社内に有する企業という優位性を生かし、募集費を抑えながらクオリティの高い講師の確保に努めてまいります。

 

②デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進

学校や学習塾業界で急速に進むDXへの対応が急務です。新型コロナウイルス感染症の拡大以降、ICT支援員をはじめデジタル人材の確保が課題となっており、全国的に不足するデジタル人材の登録数を増やすため、インターネットを中心に広告宣伝・募集活動を強化します。そのため、今後当社ではWEB制作に係わる部署の人員を増強する予定です。

「オンライン家庭教師サービス」では、類似したサービスを提供する競合他社が増加しており、コンテンツやコミュニケーションツールのクオリティを差別化する必要があります。今後は、教材会社や動画コンテンツを制作する会社等との提携も検討してまいります。

 

③新規出店

当社では、個別指導教室事業において、企業価値向上のために出店を拡大していく必要があると認識しております。現在は神奈川県を中心として出店していますが、今後全国各地への出店拡大を図るためには、好立地の物件確保が課題となります。出店候補地を検討・調査する人員を増強するとともに、各地の仲介業者との情報ネットワークの構築を図ってまいります。

 

④株主還元

当社では、財務基盤の安定性を維持しながら投資資金を確保し、新たな事業創出のための投資を実行できるよう、内部留保の確保と株主還元の適切なバランスを模索していくことが、財務上の課題であると認識しております。

 

(5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社の経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標は、売上高及び売上高対前年増減率、並びに営業利益及び営業利益対前年増減率であります。また、売上の前提としての生徒数、紹介人数、派遣人数、受託件数についても、当該指標を利用し、目標の達成状況を判断しております。

 

2【事業等のリスク】

 本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下の通りであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。

 

(1)事業環境に関するリスクについて

①経済状況の変動に関するリスク

 当社の経営成績は、一般的に国内の経済状況に影響されます。教育人材支援事業及び福祉人材支援事業においては、将来的に景気が停滞し、企業が人材の採用を抑制する場合には、求人の減少に伴い有効求人倍率が低下する可能性が考えられます。昨今では、新型コロナウイルス感染症の拡大の影響が懸念されておりますが、同感染症が当社の事業に与える直接的な影響は限定的なものの、その影響が景気全体に波及し、景気後退の要因となった場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。当社の教育人材支援事業及び福祉人材支援事業においては、教育業界および福祉業界に特化した専門性の高い求職者を多く抱えることから、一般の人材紹介会社と比較すると、その影響は緩やかではありますが、当社の想定を超えた経済状況の変化が生じた場合には、経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。また、個別指導教室事業においては、経済状況の悪化により家計における教育費支出が抑制され、学習塾へ通う生徒が減少し、当社の経営成績に影響を与える可能性があります。同リスクの対策として、既存の事業の枠に捉われず、新たなビジネスを創出・推進することで経済状況が変動した場合であっても新たなビジネスチャンスを捉えることができるよう、努めてまいります。

 

②少子化に関するリスク

 当社は、教育分野において事業を展開しておりますが、少子化による児童数・生徒数の絶対的な減少という問題に直面しております。子ども1人当たりの教育費は増加傾向にあり、中学受験率も年々増加していることから、教育業界の市場規模は拡大していますが、家庭教師の会員数の減少や、学習塾や学校法人の減少が当社の経営成績および財政状態に影響を与える可能性があります。また、個別指導教室事業においては、新規教室の出店と展開エリアの拡大を目指しており、少子化により既存教室の生徒数や出店計画が想定通り推移しなかった場合、当社の経営成績および財政状態に影響を与える可能性があります。また、福祉人材支援事業においても、少子化による保育園や学童施設の減少により、当社の経営成績および財政状態に影響を与える可能性があります。

 

③教育制度の変更に関するリスク

 当社の事業のうち教育分野である教育人材支援事業及び個別指導教室事業においては、教育制度の変更に影響を受けます。学習指導要領の改訂や就学支援金制度、教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置、大阪市塾代助成事業、構造改革特区並びに国家戦略特区等、行政による教育に係る制度変更は度々発生しております。このような制度変更に対して早期の察知及び、適切な対応ができなかった場合は、ビジネスチャンスの逸失や集客の低下等により、当社の経営成績および財政状態に影響を与える可能性があります。

 

④法的規制に関するリスク

a.人材紹介事業について

 当社の人材紹介事業は、職業安定法に基づき、有料職業紹介事業として厚生労働大臣の許可を必要とします。当社は、2020年6月1日から2025年5月31日の間での許可を受けており、適宜更新をしております。教育人材支援事業及び福祉人材支援事業において、事業の運営に関して、現在は同許可の継続に支障を来す要因は発生しておりませんが、将来的に職業安定法第32条の9に定められた欠格事項等が判明した場合には、許可の取り消し、業務停止命令または業務改善命令の対象となるおそれがあり、それが当社の事業運営に大きな支障をきたす結果、経営成績及び財政状態に大きな影響を与える可能性があります。同リスクの対策としては、リスクマネジメントシステムの中で把握されたリスクに対してコンプライアンス・リスク管理委員会において、そのリスクの性質と、対応策の実行を策定し、運用を徹底することでリスクが低減された状態が維持されるよう、引き続き努めてまいります。

 

b.人材派遣事業について

 当社では、労働者派遣法に基づき、厚生労働大臣の許可を受け労働者派遣事業を行っております。当社は、2020年6月1日から2025年5月31日の間での許可を受けており、適宜更新をしております。教育人材支援事業及び福祉人材支援事業において、事業の運営に関して、現在は同許可の継続に支障を来す要因は発生しておりませんが、将来的に更新が必要となった際に第7条の許可の基準に適合せず非継続となった場合、また、関係法令違反や、第6条に定められた許可の欠格事由に該当した場合及び第14条に定められた許可の取消事由に該当した場合には、許可の取消、事業廃止命令または事業停止命令を受けることがあります。同リスクの対策としては、リスクマネジメントシステムの中で把握されたリスクに対してコンプライアンス・リスク管理委員会において、そのリスクの性質と、対応策の実行を策定し、運用を徹底することでリスクが低減された状態が維持されるよう、引き続き努めてまいります。

 

c.労働関係法令における規制等について

 当社は、人材紹介サービス、人材派遣サービス、委託・請負等を行っており、多数の有期・無期雇用労働者が就労し、労働関係法令における規制を受けます。法改正により労働環境が変化した場合、原価率や販管費の上昇や、必要な人材の確保が十分にできなくなる恐れがあり、その場合、当社の経営成績および財政状態に影響を与える可能性があります。

 

⑤競合に関するリスク

 当社が各事業を展開する各市場では、多数の競合他社が存在しております。これらの競合他社が当社より低い価格で同水準のサービスを展開した場合や斬新なサービスを提供した場合、当社のシェアが下がり、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(2)事業内容に関するリスクについて

①新規事業に関するリスク

 当社は、事業規模の拡大と収益源の多様化を実現するために、新規事業を開拓していく方針であります。実施にあたってはリスクを軽減するために必要な情報収集及び分析を行っておりますが、不確定要素が多く存在し新規事業の展開が予想通りに進まない場合、また、新規事業への取り組みに付随したシステム投資・研究開発費・広告宣伝費・人件費等の追加的な支出が発生した場合は、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

②人材紹介サービスに特有の取引慣行に基づく返金制度に関するリスク

 人材紹介サービスにおいては、当社の紹介した求職者が、求人先に入社した日付を基準に売上高を計上しております。当該サービスにおいては、人材紹介業界での取引慣行に基づき、求職者が入社した日から3ヵ月未満で自己都合により退職した場合は、その退職までの期間に応じて紹介料を返金する旨を求人先との契約に定めております。

 教育人材支援事業及び福祉人材支援事業において、当社は求人先と求職者双方のニーズを十分に斟酌した上で人材紹介を進めており、過去の返金実績に基づき返金引当金を計上しておりますが、当社の想定した返金率を上回る返金が生じた場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

③情報セキュリティに関するリスク

 当社は、顧客および登録者等の個人情報、その他業務上必要な情報を保有しています。セキュリティ対策には万全の措置を講じておりますが、万が一これらの情報が漏洩した場合、当社の信用やブランド価値が毀損され、業績および財政状態に影響を与える可能性があります。

 

④検索エンジンへの対応に関するリスク

 インターネットユーザーの多くは、検索サイトを利用して必要な情報を入手しており、当社の各サービスにおいても、これら検索サイトから多くの利用者を集客しております。当社では、担当部署を設け検索エンジンの仕様変更等に対応できる体制を整えております。しかしながら、今後、検索エンジン運営者における上位表示方針の変更やシステムトラブル等、何らかの要因によって検索結果の表示が当社にとって不利に働いた場合には、当社の集客効果は減退し、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

⑤広告宣伝活動に関するリスク

 広告宣伝活動は、一般に効果を予測することが困難であり、過大な広告宣伝費の支出は、当社の業績に影響を与える可能性があります。当社の事業拡大には、当社のブランド認知度を向上させることが重要であり、専門部署による適切な管理のもと、既存媒体を含めた広告宣伝活動を積極的に展開しております。しかしながら、広告宣伝活動の内容によっては費用の増大に繋がるリスクがあります。

 

⑥取引先の信用リスク

 当社では、取引先との契約において、当社独自の与信管理や調査等の結果をふまえ取引等の可否判断を行っております。また、債権の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しております。しかしながら、取引先が経営状況の急激な変化等により資金繰りの悪化や倒産に至り、万一多額な貸倒損失が発生した場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

⑦訴訟に関するリスク

 当社は人材紹介サービスおよび人材派遣サービスを営んでおりますが、その事業活動の運営の中で、取引先企業及び求職者並びに競合他社その他の関係者から、当社が提供するサービスの不備、個人情報の漏洩、知的財産の侵害等に関する訴訟等の法的手続を提起されるリスクがあります。その結果、当局による捜査や処分等の対象となり、これらの法的手続に関連して多額の費用を支出する可能性があり、当社の経営成績や財政状態に大きな影響を与える可能性があります。同リスクに対する対策としては、リスクマネジメントシステムを構築し、関連法規に対するリスクを網羅的に可視化し、各リスクを適切に評価したうえでコンプライアンス・リスク管理委員会にて各リスクに対する対策を検討し、実行したうえでモニタリングする体制を整備・運用致します。

 

(3)事業体制(会社組織)に関するリスクについて

①代表取締役への依存に関するリスク

 当社の代表取締役社長である高木毅は、当社の経営方針や事業戦略全般の策定等、多方面において重要な役割を果たしております。当社は、同氏に過度に依存しない経営体質の構築を進めておりますが、何らかの理由により同氏に不測の事態が生じた場合には、当社の経営成績に影響を与える可能性があります。

 

②コンプライアンスに関するリスク

 当社においては、「コンプライアンス・リスク管理規程」のもと、統括責任者を明確化し、コンプライアンス・リスク管理委員会を設置し、取締役及び従業員に対して法令遵守意識を浸透させ、その強化、充実を図っております。その結果、現時点では特段のリスクは顕在化しておりませんが、万が一当社の取締役及び従業員がコンプライアンスに違反する行為を行った場合には、当社の信用並びに経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。同リスクに対する対策としては、リスクマネジメントシステムを構築し、関連法規に対するリスクを網羅的に可視化し、各リスクを適切に評価したうえでコンプライアンス・リスク管理委員会にて各リスクに対する対策を検討し、実行したうえでモニタリングする体制を整備・運用致します。

 

③システム障害に関するリスク

 当社では請求業務や勤怠管理等の様々な事業活動にITシステムを多用していることから、大規模なシステム障害が発生した場合には、業務に支障が生じ業績に影響を及ぼす可能性があります。そのため、当社では、情報セキュリティ管理規程及びネットワーク管理規程を定め、情報セキュリティインシデントの管理を行うとともに、日頃から情報セキュリティ強化やデータ破損等の事故に備えたバックアップ強化に努めております。また、基幹系業務システムは社内のサーバーに置かず、より安全性と信頼性の高いクラウドサービスを利用しています。

 

④運営教室における事故に関するリスク

 当社では、教室の運営において事故が起こらないように万全の体制で臨んでおりますが、万が一重大な事故が発生した場合には、信用やブランド価値の毀損や生徒の流出等により、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(4)その他

①地震・風水害等の大災害発生に関するリスク

 教育人材支援事業及び福祉人材支援事業においては、本社に人員を集中して配置しております。また、個別指導教室事業においては、運営教室を神奈川県に集中して設置しております。首都直下型地震・南海トラフ地震等の大災害が発生し、施設の損壊や営業の中止を余儀なくされた場合、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

②感染症等のパンデミックに関するリスク

 当社の個別指導教室事業において、多数の教室を運営しており、感染症のパンデミックによる営業自粛等の要請がなされた場合、経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。また、感染症対策には万全を期しておりますが、教室スタッフや生徒が多数感染した場合には風評の影響を受ける可能性があります。教育人材支援事業及び福祉人材支援事業においても、学校向け、学習塾向け、介護施設向けサービスの一部停止を余儀なくされた場合、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

③減損会計への対応に関するリスク

 当社の個別指導教室事業においては、校舎・教室等設備の有形固定資産を計上しております。当社が保有する固定資産については、「固定資産の減損に係る会計基準」を適用しております。同会計基準では、減損の兆候が認められる資産又は資産グループについては、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回った場合に、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、その減額した当該金額を減損損失として計上することとなります。これらの固定資産の資産価値につきましては、業績悪化、投資の回収懸念、事業環境の変化等、収益性の悪化により減損損失を計上する可能性があり、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

④配当政策について

 当社は、株主の皆様への利益還元を行うことを経営上の重要課題と捉え、将来の事業展開と経営基盤の強化を図るための内部留保資金を確保しつつ、配当を行うことを基本方針としております。こうした方針により、内部留保の充実を図るため、設立以来現在に至るまで利益配当を実施しておりません。

 現段階においては、事業拡大のための再投資を行うことが株主の皆様の将来の利益につながるとの判断から、事業拡大のための設備及び人材投資を実施していく方針であります。

 

⑤潜在株式の行使による当社株式価値の希薄化について

 当社は、当社取締役、従業員に対するインセンティブを目的として、新株予約権を付与しております。本書提出日現在、新株予約権による潜在株式数は157,500株であり、潜在株式を含む株式総数3,632,500株に対し4.34%に相当します。これらの新株予約権が権利行使された場合、当社株式が新たに発行され、当社株式の1株当たりの価値が希薄化する可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態の状況

(資産)

 当事業年度末における流動資産合計は2,020,391千円となり、前事業年度末に比べ947,658千円増加いたしました。これは主に現金及び預金が893,747千円、売掛金52,031千円増加したこと等によるものであります。

 固定資産合計は178,625千円となり、19,102千円減少いたしました。これは主に保険積立金が14,779千円、ソフトウエアが3,351千円減少したこと等によるものであります。

 この結果、資産合計は2,199,017千円となり、前事業年度末に比べ928,555千円増加いたしました。

 

(負債)

 当事業年度末における流動負債合計は454,750千円となり、前事業年度末に比べ109,162千円増加いたしました。これは主に未払法人税等が48,065千円、未払金が35,657千円、未払消費税等が20,387千円増加したこと等によるものであります。

 固定負債合計は37,343千円となり、前事業年度末に比べ430千円増加いたしました。これは主に資産除去債務が4,039千円増加した一方、長期未払金が3,358千円減少したこと等によるものであります。

 この結果、負債合計は492,094千円となり、前事業年度末に比べ109,592千円増加いたしました。

 

(純資産)

 当事業年度末における純資産合計は1,706,922千円となり、前事業年度末に比べ818,963千円増加いたしました。これは東京証券取引所マザーズへの上場にともなう新株発行により資本金及び資本準備金がそれぞれ269,100千円、当期純利益の計上により利益剰余金が280,544千円増加したこと等によるものであります。

 

② 経営成績の状況

 当事業年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症のワクチン接種の普及にともなう重症者数の減少や各種政策の効果等により、緩やかな回復傾向にある時期もありましたが、新たな変異株の急速な感染拡大により国内の感染者数が過去最多となったり、リバウンド傾向が鮮明になったりするなど、先行きについては依然として警戒が必要な状況が続いていくものと考えております。

 教育業界におきましては、従来より課題となっている少子化に加え、文部科学省のGIGAスクール構想による学校へのICT導入の前倒し、新型コロナウイルス感染拡大をきっかけとするオンライン教育サービスに対するニーズの高まりなど、取り巻く環境が大きな変革の時期を迎えております。

 保育業界におきましては、共働き世帯の増加にともない保育需要も増加しておりますが、「新子育て安心プラン」や「幼児教育・保育の無償化」など国をあげての子育て支援施策によって保育施設が増加していることで保育園児の受け入れ数が増加したこと、また、新型コロナウイルスの感染への不安から保育所の利用を控える保護者が相次いだことで待機児童が過去最少となったこともあり、待機児童問題の解消への道筋が見えてきております。一方で、保育施設が増えたことによる保育士不足や保育の質の低下が懸念されており、子育て支援事業者の社会的役割は一段と重要性を増しております。

 介護業界におきましては、団塊の世代が後期高齢者となる2025年問題や、それにともなう認知症高齢者の急速な増加が見込まれ、より一層介護のニーズが高まっております。しかしながら、社会的な問題になっている少子高齢化の影響が介護業界の人材不足に与える影響は特に深刻で、有効求人倍率は依然として高い水準で推移しており、介護人材の確保・育成は喫緊の課題となっております。

 以上のような外部環境のもと、当社は「教育と福祉の社会課題を解決し、より良い未来を創造する」ことをミッションに掲げており、教育、保育、介護を事業領域に挙げておりますが、どの分野も企業の人手不足が高い水準で続いており、当社の成長を後押しする要因となっております。

 この結果、当事業年度の売上高は2,591,171千円(前年同期比30.1%増)、営業利益は424,661千円(同61.5%増)、経常利益は421,437千円(同58.7%増)、当期純利益は280,544千円(同61.8%増)となりました。

 

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりとなります。

 

(教育人材支援事業)

 家庭教師サービスにおいては、オンライン型家庭教師サービスの需要が増加したことにより、会員数が飛躍的に増加いたしました。また、当期から開始したICT支援員派遣サービスについては、GIGAスクール構想の前倒しによる教育現場のDXという環境のもとで、地方自治体の需要を取り込むことにより大きく売上に貢献する結果となりました。さらに、教員紹介サービスについても学校教員の人材不足が追い風となり、サービスを拡大いたしました。

 その結果、売上高は1,221,154千円(同50.9%増)、セグメント利益は273,178千円(同70.8%増)となりました。

 

(福祉人材支援事業)

 保育サービスにおいては、人材派遣サービスの売上が順調に伸び、当期の売上に貢献する一方、利益率の高い人材紹介サービスの売上高が減少したことから利益率を下げる要因となりました。介護サービスにおいては、新型コロナウイルス感染症の拡大により、介護施設における採用面接が中止された影響で、新規紹介数は減少いたしました。

 その結果、売上高は358,693千円(同0.1%減)、セグメント利益は52,622千円(同60.4%減)となりました。

 

(個別指導教室事業)

 個別指導教室においては、問合せ数の増加により入塾者数が順調に増加するとともに、退会率の減少も在籍生徒数の増加につながり、当期の売上に貢献する結果となりました。また、新型コロナウイルス感染症の拡大により、新規出店を控えたことも当期の利益に貢献いたしました。2022年3月に新規開校を再開し、つきみ野校及び弥生台校を開校いたしました。今後は新型コロナウイルスの感染状況を注視しつつ、新規出店を加速してまいります。

 その結果、売上高は1,011,323千円(同22.8%増)、セグメント利益は263,373千円(同135.5%増)となりました。

 

③ キャッシュ・フローの状況

 当事業年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、税引前当期純利益が423,201千円(前年同期比59.4%増)と増加したこと等により、前事業年度末に比べて893,747千円増加し、1,844,018千円となりました。

 当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果得られた資金は345,647千円(同58.9%増)となりました。

 これは主な増加の要因として、税引前当期純利益423,201千円、未払金の増加額28,893千円、未払消費税等の増加額20,387千円、主な減少の要因として、法人税等の支払額111,041千円、売上債権の増加額52,031千円等によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果得られた資金は28,600千円(前年同期は11,109千円資金の支出)となりました。

 これは主な増加要因として、保険積立金の解約による収入30,908千円、主な減少要因として、敷金及び保証金の差入による支出3,629千円によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果得られた資金は519,499千円(前年同期は3,727千円資金の支出)となりました。

 これは主な増加要因として、株式の発行による収入538,200千円、主な減少要因として、上場関連費用の支出17,882千円によるものであります。

 

④ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当社は生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。

 

b.受注実績

 当社は受注生産を行っておりませんので、該当事項はありません。

 

c.販売実績

 当事業年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当事業年度

(自2021年4月1日

至2022年3月31日)

前年同期比(%)

教育人材支援事業(千円)

1,221,154

150.9

福祉人材支援事業(千円)

358,693

99.9

個別指導教室事業(千円)

1,011,323

122.8

合計(千円)

2,591,171

130.1

 

 (注)1.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、総販売実績の10%以上の相手先がないため、記載を省略しております。

2.セグメント間の内部振替はありません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。

 

①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたり、会計基準の範囲内で、一定の見積りが行われている部分があり、資産・負債、収益・費用の金額に反映されております。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。

 

(固定資産の減損)

 当社は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載の通り、個別指導教室事業については教室を、教育人材支援事業や福祉人材支援事業については当該事業を、資産のグルーピングの最小単位としております。減損の兆候が把握された資産グループについては、割引前将来キャッシュ・フローの総額を見積り、減損損失の認識の要否を判定しております。資産グループの割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、将来キャッシュ・フローの現在価値を回収可能価額として、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上することとしております。

 当社は、教室及び各事業等の営業活動から生ずる損益が継続してマイナスとなった場合や、教室の移転及び閉鎖が決定された場合、生徒数や顧客数の大幅な減少等による経営環境の著しい悪化が生じた場合等の様々な状況を勘案し、減損の兆候を把握しております。

 減損損失の認識及び測定に際して策定される将来キャッシュ・フローは将来の事業計画を基礎としております。当社は、将来の事業計画の策定にあたり、過年度の実績等の内部情報に加え、売上計画は各地域の人口動態等の外部情報、原価及び費用計画は人件費相場や賃料相場の動向を基に算定しております。

 

②財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

(売上高)

 当事業年度の売上高は、2,591,171千円(前期比30.1%増)となりました。これは主に、新規顧客の獲得によるものであります。

 

(売上原価、売上総利益)

 当事業年度の売上原価は、1,973,728千円(前期比25.9%増)となりました。これは主に、売上高の増加に伴う講師給与等の人件費及び業務委託料の増加によるものであります。この結果、当事業年度の売上総利益は、617,442千円(前期比45.6%増)となりました。

 

(販売費及び一般管理費、営業利益)

 当事業年度の販売費及び一般管理費は、192,781千円(前期比19.5%増)となりました。これは主に、人件費の増加及び租税公課の増加等によるものであります。この結果、当事業年度の営業利益は、424,661千円(前期比61.5%増)となりました。

 

(営業外収益、営業外費用及び経常利益)

 当事業年度の営業外収益は、14,657千円(前事業年度は2,595千円)となりました。これは主に、保険の解約に伴う返戻金によるものであります。また、当事業年度の営業外費用は、17,882千円(前事業年度は発生しておりません)となりました。これは、上場関連費用の発生によるものであります。この結果、当事業年度の経常利益は、421,437千円(前期比58.7%増)となりました。

 

(特別利益、特別損失及び当期純利益)

 当事業年度の特別利益は、1,764千円(前事業年度は発生しておりません)となりました。これは、固定資産の売却益によるものであります。なお、当事業年度の特別損失は発生しておりません(前事業年度は発生しておりません)。この結果、当事業年度の税引前当期純利益は、423,201千円(前期比59.4%増)となり、法人税等を142,656千円(前期比54.9%増)計上したことにより、当期純利益は、280,544千円(前期比61.8%増)となりました。

 

③キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 当社の運転資金需要のうち主なものは、従業員の給与手当の他、販売費及び一般管理費の営業費用であります。これらの資金につきましては、営業活動によって得られる資金及び自己資金でまかなうことを基本方針としております。

 なお、キャッシュ・フローの詳細な状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

④経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 売上高及び売上高対前年増減率、並びに営業利益及び営業利益対前年増減率を重要指標としており、当事業年度の売上高は2,591,171千円となり、前事業年度比30.1%増となりました。これは顧客の増加によるものであります。

 また、当事業年度の営業利益は424,661千円となり、前事業年度比61.5%増となりました。これは売上高の増加によるものであります。

 今後は効率的な企業経営の観点から、営業利益率についても目標を設定し、達成状況を判断する方針です。

 

⑤経営成績に重要な要因を与える要因について

 経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。また、今後の経営成績に影響を与える課題につきましては、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。

 

4【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5【研究開発活動】

該当事項はありません。