第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において、当社が判断したものであります。

 

(1) 経営方針

当社は、「教育と福祉の社会課題を解決し、より良い未来を創造する」を理念として事業を行っています。主に、「質の高い教育の提供」と「働きやすい環境づくり」を通して、よりよい未来の実現を目指しています。

 

(2) 経営戦略等

① 教育人材支援事業

教員の過重労働問題が深刻化しています。学校教育の質の向上を図るには教員の負担軽減が急務であり、当社では、学校における教員の働き方改革をサポートすべく、教員及び部活動指導員の紹介事業、並びにICT支援員の派遣事業を拡大してまいります。

 

② 福祉人材支援事業

保育園や学童保育施設の人材不足は年々深刻さを増しており、待機児童の問題や小学校入学後に親の働き方を変えざるを得なくなるいわゆる「小1の壁」の問題は、労働力人口の減少の要因のひとつになっています。

当社は、職場と求職者の相性を高めるため、ニーズごとに細分化された求人サイトを構築し、職場と求職者のミスマッチによる離職を防いでいます。登録求職者数のさらなる増加のため、インターネットプラットフォームを軸に、福祉分野における人材ソリューションサービスを展開します。

 

③ 個別指導教室事業

当社の個別指導教室は、設立以来、神奈川県を中心とした「ドミナント戦略」により地域密着型個別指導教室を展開しており、本書提出日現在、直営教室を26校舎展開しております。今後は、後発の利を活かしニュータウン等の人口増加エリアに集中した出店を全国に広げて展開します。

 

④ 家庭教師事業

当社は、今後進行すると予想される教育のデジタル化に向けたサービスを充実させてまいります。Webコミュニケーションツールを活用した「オンライン家庭教師サービス」は地方にも顧客が増加しており、地域による教育格差の解消に貢献しております。今後は、学習塾が比較的少ない離島や海外にもサービスの拡大を目指します。

 

(3) 経営環境

① 教育人材支援事業

学校業界においては、昨今、教員の長時間労働等の労務問題が課題となっており、年々教員志望者が減少しています。これは、部活動の顧問など本来教員の仕事以外の業務の増加が原因となっています。近年では教員の働き方改革が叫ばれるようになり、部活指導員やICT支援員などを外部に委託する流れが加速しています。このことは、長年教育の分野で人材サービスを展開していた当社にとって好機であると捉えております。

一方、学習塾業界においては、少子化の影響を受け、学習塾の合従連衡の動きが加速しています。中小の学習塾では、映像授業や個別指導への転換など、生き残りを賭けて業態変更が見受けられます。さらに、他の業界にアルバイト人材を奪われたことによる講師不足も深刻で、当社人材サービスへの需要は高まっております。

 

② 福祉人材支援事業

労働力人口の減少やワークライフバランスを重視するという大きな流れの中で、どの施設においても人材の確保が緊急の課題となっております。このような環境下、当社が提供する各施設の要望に応じたミスマッチの少ない人材サービスの需要はますます高まるものと考えております。

 

③ 個別指導教室事業

少子化とともに、大学入試改革など教育制度の変革期を迎えています。このような環境下、私立中学や大学への進学率は高水準で推移し、家計における子ども1人当たりの教育費は増加傾向を示すなど、教育への期待はさらに高まりを見せています。個別指導塾業界は、生徒や保護者の厳しい選別の目に晒されていますが、「質の高い教育の提供」といった創業時から守り続ける理念と、顧客ニーズの変化に対応する柔軟性をもって教室運営にあたります。

 

④ 家庭教師事業

教育の多様化により、一人ひとりにあった教育サービスのニーズが高まっています。家庭教師サービスは生徒一人ひとりに合った教育サービスを提供するものであるため、今後需要は増えていくものと考えております。

また、新型コロナウイルス感染症の影響により、リモート型サービスの市場は拡大しており、オンライン家庭教師サービスも今後需要が増加していくものと想定しております。

 

(4) 優先的に対処すべき事業上および財務上の課題

① 既存事業の収益の拡大と新規分野への早期参入

教育人材支援事業及び福祉人材支援事業の安定的な成長を確保するためには、新規案件の獲得が重要であると認識しております。そのためには、公的案件の入札やプロポーザルへの参加や他企業との業務提携を積極的に図ってまいります。また、個別指導教室事業及び家庭教師事業の安定的な成長を確保するためには、商圏の拡大が重要であると認識しております。そのためには、現在の商圏での顧客の増加はもちろんのこと、新たな地域への商圏拡大も図ってまいります。さらに、収益の拡大を図るためには、成長性の高い新規分野への早期参入が重要と認識しております。そのためには、社会の動向を適時に把握し、経営資源の選択と集中をスピーディーに行ってまいります。

 

② ブランド価値の向上

当社では、更なる成長を続けていくために、ブランドとサービスの知名度を向上させ、顧客の拡大につなげていくことが重要であると認識しております。そのために、これまでのWEB中心であった広告宣伝・募集活動に加えて、SNS等を活用したマーケティングにも力を入れ、認知度の向上と顧客の拡大を図ってまいります。

 

③ 人材の採用と育成

当社の今後の継続成長を支えるためには、優秀な人材の確保が重要であり、当社の企業文化に合致した人材の採用と既存社員も含めた全社員の能力及び意欲向上が重要と認識しております。そのためには、積極的な採用活動のみならず、社員が継続して働ける人事制度の確立や昇給による賃金の改定等を図ってまいります。

 

④ 株主還元

当社では、財務基盤の安定性を維持しながら投資資金を確保し、新たな事業創出のための投資を実行できるよう、内部留保の確保と株主還元の適切なバランスを模索していくことが、財務上の課題であると認識しております。

 

(5) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社の経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標は、売上高及び売上高対前年増減率、並びに営業利益及び営業利益対前年増減率であります。また、売上の前提としての生徒数、紹介人数、派遣人数、受託件数についても、当該指標を利用し、目標の達成状況を判断しております。

 

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社のサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

(1)ガバナンス

当社は、持続可能性の観点から、企業価値の向上や継続的成長を図り、ステークホルダーの皆様との信頼関係を築くために重要な役割を果たすものがコーポレート・ガバナンスであると認識しております。当社では、コンプライアンス・リスク管理委員会においてリスクの抽出及びリスク発生時の対応を検討し、経営会議において実行計画の立案及び管理を行い、取締役会において報告を行っております。

 

(2)戦略

当社の競争力の源泉は人材であるという認識のもと、人材育成を行ってまいります。獲得した人材に必要なスキルを身につけさせ能力を最大化させるため、事業部ごとに求められる能力や専門知識の習得を目的とした研修のみならず、従業員一人ひとりの自律的なキャリア構築を支援する、資格取得支援制度を実施しております。また、従業員のスキルや専門性の獲得を促すに当たって、毎月の事業部の報奨制度だけでなく、半期に一度全社員を対象とした報奨制度を実施しております。さらに、従業員が健康で個々の能力を十分に発揮できるよう、職場環境の改善を図るべく職場満足度調査を実施しております。

 

(3)リスク管理

当社において、全社的なリスク管理はコンプライアンス・リスク管理委員会で行っておりますが、優先的に対応すべきリスクの洗い出しについては、当社に与える財務的影響、当社の活動が環境・社会に与える影響、発生可能性を踏まえ行われます。具体的には、各事業部において事業部長を中心に具体的なリスクの洗い出しを行い、コンプライアンス・リスク管理委員会において共有、対応策の検討を行うとともに、経営会議において計画の立案や進捗の管理を行っております。

 

(4)指標及び目標

当社では、上記「(2)戦略」において記載した、人材の育成に関する方針について、次の指標を用いております。当該指標に関する目標及び実績は、次のとおりであります。

指標

目標

実績(当事業年度)

有給取得率

100%

64%

平均勤続年数

5.0年

4.2年

資格取得支援制度の利用件数

10件

3件

 

 

 

 

3 【事業等のリスク】

本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下の通りであります。

なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。

 

(1) 事業環境に関するリスクについて

① 経済状況の変動に関するリスク

当社の経営成績は、一般的に国内の経済状況に影響されます。教育人材支援事業及び福祉人材支援事業においては、将来的に景気が停滞し、企業が人材の採用を抑制する場合には、求人の減少に伴い有効求人倍率が低下する可能性が考えられます。昨今では、ウクライナ情勢の長期化や物価上昇などの影響が景気全体に波及し、景気後退の要因となった場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。当社の教育人材支援事業及び福祉人材支援事業においては、教育業界および福祉業界に特化した専門性の高い求職者を多く抱えることから、一般の人材紹介会社と比較すると、その影響は緩やかではありますが、当社の想定を超えた経済状況の変化が生じた場合には、経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。また、個別指導教室事業においては、経済状況の悪化により家計における教育費支出が抑制され、学習塾へ通う生徒が減少し、当社の経営成績に影響を与える可能性があります。同リスクの対策として、既存の事業の枠に捉われず、新たなビジネスを創出・推進することで経済状況が変動した場合であっても新たなビジネスチャンスを捉えることができるよう、努めてまいります。

 

② 少子化に関するリスク

当社は、教育分野において事業を展開しておりますが、少子化による児童数・生徒数の絶対的な減少という問題に直面しております。子ども1人当たりの教育費は増加傾向にあり、中学受験率も年々増加していることから、教育業界の市場規模は拡大していますが、家庭教師の会員数の減少や、学習塾や学校法人の減少が当社の経営成績および財政状態に影響を与える可能性があります。また、個別指導教室事業においては、新規教室の出店と展開エリアの拡大を目指しており、少子化により既存教室の生徒数や出店計画が想定通り推移しなかった場合、当社の経営成績および財政状態に影響を与える可能性があります。また、福祉人材支援事業においても、少子化による保育園や学童施設の減少により、当社の経営成績および財政状態に影響を与える可能性があります。

 

③ 教育制度の変更に関するリスク

当社の事業のうち教育分野である教育人材支援事業及び個別指導教室事業においては、教育制度の変更に影響を受けます。学習指導要領の改訂や就学支援金制度、教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置、大阪市塾代助成事業、構造改革特区並びに国家戦略特区等、行政による教育に係る制度変更は度々発生しております。このような制度変更に対して早期の察知及び、適切な対応ができなかった場合は、ビジネスチャンスの逸失や集客の低下等により、当社の経営成績および財政状態に影響を与える可能性があります。

 

④ 法的規制に関するリスク
a.人材紹介事業について

当社の人材紹介事業は、職業安定法に基づき、有料職業紹介事業として厚生労働大臣の許可を必要とします。当社は、2020年6月1日から2025年5月31日の間での許可を受けており、適宜更新をしております。教育人材支援事業及び福祉人材支援事業において、事業の運営に関して、現在は同許可の継続に支障を来す要因は発生しておりませんが、将来的に職業安定法第32条の9に定められた欠格事項等が判明した場合には、許可の取り消し、業務停止命令または業務改善命令の対象となるおそれがあり、それが当社の事業運営に大きな支障をきたす結果、経営成績及び財政状態に大きな影響を与える可能性があります。同リスクの対策としては、リスクマネジメントシステムの中で把握されたリスクに対してコンプライアンス・リスク管理委員会において、そのリスク対応策を決定し、その運用を継続することでリスクが低減された状態が維持されるよう、引き続き努めてまいります。

 

b.人材派遣事業について

当社では、労働者派遣法に基づき、厚生労働大臣の許可を受け労働者派遣事業を行っております。当社は、2020年6月1日から2025年5月31日の間での許可を受けており、適宜更新をしております。教育人材支援事業及び福祉人材支援事業において、事業の運営に関して、現在は同許可の継続に支障を来す要因は発生しておりませんが、将来的に更新が必要となった際に第7条の許可の基準に適合せず非継続となった場合、また、関係法令違反や、第6条に定められた許可の欠格事由に該当した場合及び第14条に定められた許可の取消事由に該当した場合には、許可の取消、事業廃止命令または事業停止命令を受けることがあります。同リスクの対策としては、リスクマネジメントシステムの中で把握されたリスクに対してコンプライアンス・リスク管理委員会において、そのリスク対応策を決定し、その運用を継続することでリスクが低減された状態が維持されるよう、引き続き努めてまいります。

 

c.労働関係法令における規制等について

当社は、人材紹介サービス、人材派遣サービス、委託・請負等を行っており、多数の有期・無期雇用労働者が就労し、労働関係法令における規制を受けます。法改正により労働環境が変化した場合、原価率や販管費の上昇や、必要な人材の確保が十分にできなくなる恐れがあり、その場合、当社の経営成績および財政状態に影響を与える可能性があります。

 

⑤ 競合に関するリスク

当社が各事業を展開する各市場では、多数の競合他社が存在しております。これらの競合他社が当社より低い価格で同水準のサービスを展開した場合や斬新なサービスを提供した場合、当社のシェアが下がり、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(2) 事業内容に関するリスクについて

① 新規事業に関するリスク

当社は、事業規模の拡大と収益源の多様化を実現するために、新規事業を開拓していく方針であります。実施にあたってはリスクを軽減するために必要な情報収集及び分析を行っておりますが、不確定要素が多く存在し新規事業の展開が予想通りに進まない場合、また、新規事業への取り組みに付随したシステム投資・研究開発費・広告宣伝費・人件費等の追加的な支出が発生した場合は、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

② 人材紹介サービスに特有の取引慣行に基づく返金制度に関するリスク

人材紹介サービスにおいては、当社の紹介した求職者が、求人先に入社した日付を基準に売上高を計上しております。当該サービスにおいては、人材紹介業界での取引慣行に基づき、求職者が入社した日から3ヵ月未満で自己都合により退職した場合は、その退職までの期間に応じて紹介料を返金する旨を求人先との契約に定めております。

教育人材支援事業及び福祉人材支援事業において、当社は求人先と求職者双方のニーズを十分に斟酌した上で人材紹介を進めており、過去の返金実績に基づき返金引当金を計上しておりますが、当社の想定した返金率を上回る返金が生じた場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

③ 情報セキュリティに関するリスク

当社は、顧客および登録者等の個人情報、その他業務上必要な情報を保有しています。セキュリティ対策には万全の措置を講じておりますが、万が一これらの情報が漏洩した場合、当社の信用やブランド価値が毀損され、業績および財政状態に影響を与える可能性があります。

 

 

④ 検索エンジンへの対応に関するリスク

インターネットユーザーの多くは、検索サイトを利用して必要な情報を入手しており、当社の各サービスにおいても、これら検索サイトから多くの利用者を集客しております。当社では、担当部署を設け検索エンジンの仕様変更等に対応できる体制を整えております。しかしながら、今後、検索エンジン運営者における上位表示方針の変更やシステムトラブル等、何らかの要因によって検索結果の表示が当社にとって不利に働いた場合には、当社の集客効果は減退し、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

⑤ 広告宣伝活動に関するリスク

広告宣伝活動は、一般に効果を予測することが困難であり、過大な広告宣伝費の支出は、当社の業績に影響を与える可能性があります。当社の事業拡大には、当社のブランド認知度を向上させることが重要であり、専門部署による適切な管理のもと、既存媒体を含めた広告宣伝活動を積極的に展開しております。しかしながら、広告宣伝活動の内容によっては費用の増大に繋がるリスクがあります。

 

⑥ 取引先の信用リスク

当社では、取引先との契約において、当社独自の与信管理や調査等の結果をふまえ取引等の可否判断を行っております。また、債権の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しております。しかしながら、取引先が経営状況の急激な変化等により資金繰りの悪化や倒産に至り、万一多額な貸倒損失が発生した場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

⑦ 訴訟に関するリスク

当社は人材紹介サービスおよび人材派遣サービスを営んでおりますが、その事業活動の運営の中で、取引先企業及び求職者並びに競合他社その他の関係者から、当社が提供するサービスの不備、個人情報の漏洩、知的財産の侵害等に関する訴訟等の法的手続を提起されるリスクがあります。その結果、当局による捜査や処分等の対象となり、これらの法的手続に関連して多額の費用を支出する可能性があり、当社の経営成績や財政状態に大きな影響を与える可能性があります。同リスクに対する対策としては、リスクマネジメントシステムを構築し、関連法規に対するリスクを網羅的に可視化し、各リスクを適切に評価したうえでコンプライアンス・リスク管理委員会にて各リスクに対する対策を検討し、実行したうえでモニタリングする体制を整備・運用致します。

 

(3) 事業体制(会社組織)に関するリスクについて

① 代表取締役への依存に関するリスク

当社の代表取締役社長である高木毅は、当社の経営方針や事業戦略全般の策定等、多方面において重要な役割を果たしております。当社は、同氏に過度に依存しない経営体質の構築を進めておりますが、何らかの理由により同氏に不測の事態が生じた場合には、当社の経営成績に影響を与える可能性があります。

 

② コンプライアンスに関するリスク

当社においては、「コンプライアンス・リスク管理規程」のもと、統括責任者を明確化し、コンプライアンス・リスク管理委員会を設置し、取締役及び従業員に対して法令遵守意識を浸透させ、その強化、充実を図っております。その結果、現時点では特段のリスクは顕在化しておりませんが、万が一当社の取締役及び従業員がコンプライアンスに違反する行為を行った場合には、当社の信用並びに経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。同リスクに対する対策としては、リスクマネジメントシステムを構築し、関連法規に対するリスクを網羅的に可視化し、各リスクを適切に評価したうえでコンプライアンス・リスク管理委員会にて各リスクに対する対策を検討し、実行したうえでモニタリングする体制を整備・運用致します。

 

 

③ システム障害に関するリスク

当社では請求業務や勤怠管理等の様々な事業活動にITシステムを多用していることから、大規模なシステム障害が発生した場合には、業務に支障が生じ業績に影響を及ぼす可能性があります。そのため、当社では、情報セキュリティ管理規程及びネットワーク管理規程を定め、情報セキュリティインシデントの管理を行うとともに、日頃から情報セキュリティ強化やデータ破損等の事故に備えたバックアップ強化に努めております。また、基幹系業務システムは社内のサーバーに置かず、より安全性と信頼性の高いクラウドサービスを利用しています。

 

④ 運営教室における事故に関するリスク

当社では、教室の運営において事故が起こらないように万全の体制で臨んでおりますが、万が一重大な事故が発生した場合には、信用やブランド価値の毀損や生徒の流出等により、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(4) その他

① 地震・風水害等の大災害発生に関するリスク

教育人材支援事業及び福祉人材支援事業においては、本社に人員を集中して配置しております。また、個別指導教室事業においては、運営教室を神奈川県に集中して設置しております。首都直下型地震・南海トラフ地震等の大災害が発生し、施設の損壊や営業の中止を余儀なくされた場合、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

② 感染症等のパンデミックに関するリスク

当社の個別指導教室事業において、多数の教室を運営しており、感染症のパンデミックによる営業自粛等の要請がなされた場合、経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。また、感染症対策には万全を期しておりますが、教室スタッフや生徒が多数感染した場合には風評の影響を受ける可能性があります。教育人材支援事業及び福祉人材支援事業においても、学校向け、学習塾向け、保育施設向けサービスの一部停止を余儀なくされた場合、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

③ 減損会計への対応に関するリスク

当社の個別指導教室事業においては、校舎・教室等設備の有形固定資産を計上しております。当社が保有する固定資産については、「固定資産の減損に係る会計基準」を適用しております。同会計基準では、減損の兆候が認められる資産又は資産グループについては、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回った場合に、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、その減額した当該金額を減損損失として計上することとなります。これらの固定資産の資産価値につきましては、業績悪化、投資の回収懸念、事業環境の変化等、収益性の悪化により減損損失を計上する可能性があり、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

④ 配当政策について

当社は、株主の皆様への利益還元を行うことを経営上の重要課題と捉え、将来の事業展開と経営基盤の強化を図るための内部留保資金を確保しつつ、配当を行うことを基本方針としております。こうした方針により、内部留保の充実を図るため、設立以来現在に至るまで利益配当を実施しておりません。

現段階においては、配当による株主の皆様への利益還元も検討しつつ、事業拡大のための設備及び人材投資への再投資を実施していく方針であります。

 

⑤ 潜在株式の行使による当社株式価値の希薄化について

当社は、当社取締役、従業員に対するインセンティブを目的として、新株予約権を付与しております。本書提出日現在、新株予約権による潜在株式数は129,400株であり、潜在株式を含む株式総数3,631,250株に対し3.56%に相当します。これらの新株予約権が権利行使された場合、当社株式が新たに発行され、当社株式の1株当たりの価値が希薄化する可能性があります。

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態の状況
 (資産)

当事業年度末における流動資産合計は2,255,127千円となり、前事業年度末に比べ234,735千円増加いたしました。

これは主に現金及び預金が220,203千円、売掛金が21,861千円増加したこと等によるものであります。

固定資産合計は206,802千円となり、28,176千円増加いたしました。これは主に建物が29,987千円、敷金が16,390千円増加した一方、保険積立金が20,781千円減少したこと等によるものであります。

この結果、資産合計は2,461,929千円となり、前事業年度末に比べ262,912千円増加いたしました。

 

(負債)

当事業年度末における流動負債合計は440,617千円となり、前事業年度末に比べ14,133千円減少いたしました。

これは主に未払金が22,846千円、契約負債が11,326千円増加した一方、未払法人税等が46,267千円減少したこと等によるものであります。

固定負債合計は43,301千円となり、前事業年度末に比べ5,958千円増加いたしました。これは資産除去債務が5,958千円増加したことによるものであります。

この結果、負債合計は483,918千円となり、前事業年度末に比べ8,175千円減少いたしました。

 

(純資産)

当事業年度末における純資産合計は1,978,011千円となり、前事業年度末に比べ271,088千円増加いたしました。

これは主に当期純利益の計上により利益剰余金が269,088千円増加したこと等によるものであります。

 

② 経営成績の状況

当事業年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の行動制限の緩和により、経済活動は正常化へ向かい緩やかな回復傾向にあります。一方、ウクライナ情勢の長期化や日米金利差拡大等による物価の上昇など先行きについては依然として不透明な状況が続いております。

教育業界におきましては、教育現場での教員の長時間労働の実態が浮き彫りになり、部活動の地域移行や外部人材の活用が注目を集めています。また、ICT支援員におきましても、文部科学省が掲げている教育のICT化に向けた環境整備5か年計画(2018~2022年度)で目標とする水準「4校1人配置」に届いていない状況であり、今後も必要な配置が求められている状況です。学習塾業界におきましても、2022年の学習塾業界の売上規模は前年比約0.9%拡大(経済産業省「特定サービス産業動態統計調査19表」)しており、コロナ禍からの順調な回復が見られます。

福祉業界におきましては、共働き世帯の増加に伴い保育需要も増加しておりますが、保育施設が増えたことによる保育士不足や保育の質の低下が懸念されております。また、保育施設の待機児童問題は解消しつつある一方、小学校入学後に親の働き方を変えざるを得なくなるいわゆる「小1の壁」の問題が深刻さを増しており、学童保育の需要の高まりを見せる中、定員数を超えた生徒の受け入れ、支援員不足など様々な課題を抱えており、子育て支援事業者の社会的役割は一段と重要性を増しております。

以上のような外部環境のもと、当社は「教育や福祉の分野における社会課題を解決し、より良い未来を創造する」ことをミッションに掲げており、教育と福祉を事業領域に挙げておりますが、どの分野も企業の人手不足が高い水準で続いており、当社の成長を後押しする要因となっております。一方、個別指導教室や学童施設の出店に対する設備投資や人的投資、営業規模拡大に伴う広告費の増加など、必要な投資を積極的に進めてまいりました。

この結果、当事業年度の売上高は2,939,250千円(前年同期比13.4%増)、営業利益は382,895千円(同9.8%減)、経常利益は399,723千円(同5.2%減)、当期純利益は269,088千円(同4.1%減)となりました。

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりとなります。

なお、第1四半期会計期間より報告セグメントの区分を変更しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項」に記載のとおりであります。

 

(教育人材支援事業)

ICT支援員派遣サービスについては、教育現場のDXという環境のもとで、地方自治体向けサービスの受注が増加いたしました。また、部活動の運営受託サービスについても、新規顧客の開拓が進み、売上は増加いたしました。一方、今後成長が期待される分野に対する積極的な人的投資による人件費の増加や、新規登録者獲得のための募集費の増加が利益を圧迫いたしました。

その結果、売上高は852,412千円(同30.7%増)、セグメント利益は120,261千円(同15.2%減)となりました。

 

(福祉人材支援事業)

福祉人材サービスにおいては、人材紹介サービス及び人材派遣サービスの売上が順調に伸び、売上及び利益は増加いたしました。特に、学童施設むけ及び障がい児施設むけサービスの売上が前事業年度に比べ増加いたしました。一方、収益性の低い介護向け人材サービスについては、撤退により他事業へリソースをシフトしたため、利益率は改善いたしました。

その結果、売上高は395,360千円(同10.2%増)、セグメント利益は93,764千円(同78.2%増)となりました。

 

(個別指導教室事業)

個別指導教室においては、2022年3月に「つきみ野校」及び「弥生台校」、7月に「中川校」、10月に「湘南台校」、2023年2月に「ペンタスkidsセンター北校」を開校し、新規校舎の入塾者数が順調に増加するとともに、既存の校舎においても期首の在籍生徒数が前事業年度を上回ることにより授業の受講数が増加し、売上は増加いたしました。一方、利益に関しては、出店費用の増加を受け前事業年度に比べ微増での着地となりました。

その結果、売上高は1,114,756千円(同10.2%増)、セグメント利益は265,740千円(同0.9%増)となりました。

 

(家庭教師事業)

家庭教師サービスにおいては、市場拡大に伴うオンライン型家庭教師サービスの会員数の増加により、家庭教師サービス全体の会員数は増加し、売上は増加いたしました。一方、オンライン型家庭教師サービスの需要の増加に伴い、従来は首都圏や関西圏に限られていたプロモーションを全国へ拡大したことにより広告宣伝費は増加し、前事業年度と比べ利益は減少いたしました。

その結果、売上高は576,720千円(同1.4%増)、セグメント利益は118,229千円(同9.9%減)となりました。

 

③ キャッシュ・フローの状況

当事業年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、2,064,221千円と前年同期と比べ220,203千円(11.9%)の増加となりました。

当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は224,336千円(前年同期比35.1%減)となりました。

これは主な増加の要因として、税引前当期純利益399,723千円、未払金の増減額19,134千円、減価償却費11,814千円、契約負債の増減額11,326千円、主な減少の要因として、法人税等の支払額169,583千円、売上債権の増減額21,861千円、保険解約返戻金18,013千円等によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果支出した資金は6,133千円(前年同期は28,600千円資金の収入)となりました。

これは主な増加要因として、保険積立金の解約による収入38,794千円、主な減少要因として有形固定資産の取得による支出28,537千円、敷金及び保証金の差入による支出16,643千円等によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果得られた資金は2,000千円(前年同期比99.6%減)となりました。

これは主な増加要因として、株式の発行による収入2,000千円によるものであります。

 

④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績

当社は生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。

 

b.受注実績

当社は受注生産を行っておりませんので、該当事項はありません。

 

c.販売実績

当事業年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当事業年度

(自 2022年4月1日

  至 2023年3月31日)

前年同期比(%)

教育人材支援事業(千円)

852,412

130.7

福祉人材支援事業(千円)

395,360

110.2

個別指導教室事業(千円)

1,114,756

110.2

家庭教師事業(千円)

576,720

101.4

合計(千円)

2,939,250

113.4

 

 

(注) 1.セグメント間の内部振替はありません。

2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前事業年度

当事業年度

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

大日本印刷株式会社

346,877

11.8

 

3.前事業年度の主な相手先別の販売実績については損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先がないため、記載を省略しております。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたり、会計基準の範囲内で、一定の見積りが行われている部分があり、資産・負債、収益・費用の金額に反映されております。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。

 

(固定資産の減損)

当社は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載の通り、個別指導教室事業については教室を、教育人材支援事業や福祉人材支援事業については当該事業を、資産のグルーピングの最小単位としております。減損の兆候が把握された資産グループについては、割引前将来キャッシュ・フローの総額を見積り、減損損失の認識の要否を判定しております。資産グループの割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、将来キャッシュ・フローの現在価値を回収可能価額として、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上することとしております。

当社は、教室及び各事業等の営業活動から生ずる損益が継続してマイナスとなった場合や、教室の移転及び閉鎖が決定された場合、生徒数や顧客数の大幅な減少等による経営環境の著しい悪化が生じた場合等の様々な状況を勘案し、減損の兆候を把握しております。

減損損失の認識及び測定に際して策定される将来キャッシュ・フローは将来の事業計画を基礎としております。当社は、将来の事業計画の策定にあたり、過年度の実績等の内部情報に加え、売上計画は各地域の人口動態等の外部情報、原価及び費用計画は人件費相場や賃料相場の動向を基に算定しております。

 

② 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(売上高)

当事業年度の売上高は、2,939,250千円(前期比13.4%増)となりました。これは主に、新規顧客の獲得によるものであります。

 

(売上原価、売上総利益)

当事業年度の売上原価は、2,314,378千円(前期比17.3%増)となりました。これは主に、売上高の増加に伴う講師給与等の人件費及び業務委託料の増加等によるものであります。この結果、当事業年度の売上総利益は、624,871千円(前期比1.2%増)となりました。

 

(販売費及び一般管理費、営業利益)

当事業年度の販売費及び一般管理費は、241,975千円(前期比25.5%増)となりました。これは主に、人件費の増加及び支払手数料の増加等によるものであります。この結果、当事業年度の営業利益は、382,895千円(前期比9.8%減)となりました。

 

(営業外収益、営業外費用及び経常利益)

当事業年度の営業外収益は、18,321千円(前事業年度は14,657千円)となりました。これは主に、保険の解約に伴う返戻金によるものであります。また、当事業年度の営業外費用は、1,493千円(前事業年度は17,882千円)となりました。これは、解決金の発生によるものであります。この結果、当事業年度の経常利益は、399,723千円(前期比5.2%減)となりました。

 

(特別利益、特別損失及び当期純利益)

当事業年度の特別利益は発生しておりません(前事業年度は1,764千円)。また、当事業年度の特別損失は発生しておりません(前事業年度は発生しておりません)。この結果、当事業年度の税引前当期純利益は、399,723千円(前期比5.6%減)となり、法人税等を130,635千円(前期比8.4%減)計上したことにより、当期純利益は、269,088千円(前期比4.1%減)となりました。

 

③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社の運転資金需要のうち主なものは、従業員の給与手当の他、販売費及び一般管理費の営業費用であります。これらの資金につきましては、営業活動によって得られる資金及び自己資金でまかなうことを基本方針としております。

なお、キャッシュ・フローの詳細な状況につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

④ 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

売上高及び売上高対前年増減率、並びに営業利益及び営業利益対前年増減率を重要指標としており、当事業年度の売上高は2,939,250千円となり、前事業年度比13.4%増となりました。これは顧客の増加によるものであります。

また、当事業年度の営業利益は382,895千円となり、前事業年度比9.8%減となりました。これは売上高の増加により売上総利益も増加したものの、それ以上に販売費及び一般管理費が増加したことによるものであります。

今後は効率的な企業経営の観点から、営業利益率についても目標を設定し、達成状況を判断する方針です。

 

⑤ 経営成績に重要な要因を与える要因について

経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。また、今後の経営成績に影響を与える課題につきましては、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

該当事項はありません。