第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

 当中間連結会計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。

 

(継続企業の前提に関する重要事象等)

 当社グループは、前連結会計年度において、大幅な減収となり、重要な営業損失、経常損失、親会社株主に帰属する当期純損失を計上し、また、3期連続となるマイナスの営業キャッシュ・フローを計上いたしました。例年、当社グループの売上計上は連結会計年度末の3月に偏重する傾向にあることから、当中間連結会計期間においても中間純損失を計上しており、結果として、継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しております。

 財務状況及び事業基盤の早期健全化を図るべく、当社グループでは、①プロダクトの安定供給、②コスト構造の最適化、③人的資本の強化と組織力の向上、④財務基盤の強化に重点的に取り組んでおります。

 これらの取り組みについては順調に進捗しており、当連結会計年度の資金繰り計画についても予定通り推移しております。加えて、金融機関からの借入を実行したことにより、現時点において当面の資金繰りに重大な懸念はないものと判断しております。以上により、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断しております。

 

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1)財政状態の状況

(資産)

 当中間連結会計期間末における資産は、前連結会計年度末と比較し79,081千円増加し、847,928千円となりました。これは主に、受取手形及び売掛金が34,970千円減少したものの、現金及び預金が87,606千円、投資有価証券が20,612千円増加したことによるものです。

 

(負債)

 当中間連結会計期間末における負債は、前連結会計年度末と比較し113,412千円増加し、177,442千円となりました。これは主に、前受金が94,384千円、長期借入金が24,000千円増加したことによるものです。

 

(純資産)

 当中間連結会計期間末における純資産は、前連結会計年度末と比較し34,331千円減少し、670,486千円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する中間純損失の計上により利益剰余金が35,321千円減少したことによるものです。

 

(2)経営成績の状況

 当中間連結会計期間における我が国経済は、企業収益が高水準を維持していることもあり、ゆるやかな回復基調ではあるものの、米国の関税政策や海外景気の成長鈍化もあり、製造業を中心に足踏み感がありました。一方で、AI市場の拡大の見方は強気を増し、国内企業の人的資本投資は堅調、さらには米国のステーブルコインを含む暗号資産に対する積極政策というように、分野によっては成長が加速するといった二極化の流れとなりました。

 当社グループは、「分断なき持続可能な社会を実現するための手段を提供する」をパーパスとし、個人の能力を科学的に「見える化」し、その成長を支援するサービスを提供しています。具体的には、能力データを活用した学習教材や研修プログラムを学校・企業・自治体等に展開するとともに、個人が自身の能力データを安全に管理・活用できる次世代プラットフォームの構築にも注力しており、Web3技術を通じて、個人と組織の可能性を広げることを目指しております。

 人的資本投資については、有価証券報告書での情報開示が定着する一方、政府が本年6月に示した新たな方針では、開示情報の「比較可能性の向上」や、形式的な開示から脱却し、経営戦略と連動した実践を企業に求める動きが加速しています。これにより、単に情報を開示するだけでなく、投資対効果(ROI)を最大化し、企業価値向上へどう貢献するかを具体的に示すことが、市場から一層強く求められる段階に移行しました。当社グループはこうした市場動向を踏まえ、人材評価・育成サービスにおけるテクノロジー活用を着実に進めています。

 教育市場においては、新学習指導要領を履修した第一期生が2025年度に卒業期を迎え、大学入学共通テストで「情報Ⅰ」が課されたことに加え、大学入試全体で総合型選抜の枠が拡大していることから、探究力や主体性といった非認知能力の重要性が一層高まっています。こうした中、政府は「GIGAスクール構想」の次なる段階として、学習履歴などの教育データを標準化し、利活用を促進する方針を明確にしました。特に、生成AIの教育活用も本格化しており、個別最適な学びを高度化する次世代教育モデルへの関心から、具体的な導入検討へと移っています。当社グループはこうした市場環境の変化に迅速に対応し、学校・自治体・教育関連事業者との連携を強化し、データドリブンな教育支援の拡大を目指しています。

 暗号資産市場では、2024年に米国において現物ETFが承認されたことを契機に、機関投資家の資金流入が本格化し、市場の基盤が大きく変化しました。特に本年7月には、包括的な事業者ルールを定めた「FIT21」に続き、個人のデジタル資産の自己管理権を保護する「GENIUS法」が米国で成立しました。こうした流れの中、日本でも日本円のステーブルコインが承認され、世界的に暗号資産は単なる投機的対象から、ユーザーが安心して主権を持つことができる実用的な技術基盤としての信頼性を増しており、新たなビジネス創出の土壌が急速に整いつつあります。当社グループはこうした好機を捉え、ブロックチェーン技術を活用した新規事業開発に注力しております。

 売上高におきましては、HR事業において既存の「GROW360」、「人的資本理論の実証化研究会」を引き続き推進させるとともに、「DX研修」を再開しデジタルリスキリングに係るコンサルティングサービスの提供を行ったこと、教育事業において基幹商材である「Ai GROW」の売上が着実に伸長し、今年度においても経済産業省の「探究・校務改革支援補助金2025」の交付が決定したことにより、前年同期比で増収となりました。

 コスト面におきましては、今年度より全社的にコスト構造を見直し、前年同期比で15%のコスト削減を達成すべくコスト最適化に努めております。こうした業務効率化や既存コストの見直し等によって創出される経営資源を、「GROW360」からより使いやすさを重視し機能拡充した「GROW360+」のソフトウエア開発及び研究開発活動や、サービス向上のためのマーケティング活動、人的資本(能力)の最大化に向けた人財戦略投資に、継続して投入しております。

 

 この結果、当中間連結会計期間の売上高は319,263千円(前年同期比21.5%増)、営業損失46,631千円(前年同期は営業損失183,537千円)、経常損失34,175千円(前年同期は経常損失185,267千円)、親会社株主に帰属する中間純損失35,321千円(前年同期は親会社株主に帰属する中間純損失186,412千円)となりました。

 

 セグメント別の経営成績を示すと、次のとおりであります。

① HR事業

 HR事業では、人的資本の情報開示が「投資対効果(ROI)」を問う段階へと移行する中、企業の価値向上に直結するサービスを展開しております。主力サービス「GROW360」で得られたデータを基に、戦略的なスキルマップの策定から人的資本投資のROI測定までを一気通貫で支援するコンサルティングを提供しています。こうしたサービスの理論的基盤となっているのが、当社が4年連続で運営を支援する産学協働の「人的資本理論の実証化研究会」であり、「DX研修」などのリスキリングサービスと組み合わせることで、測定から育成まで一貫した価値提供を実現しています。

 この結果、当セグメントの売上高は133,865千円(前年同期比39.9%増)、セグメント利益は18,974千円(前年同期はセグメント損失42,335千円)となりました。

 

② 教育事業

 教育事業では、教育効果の可視化を核心に据え、主力サービスである評価システム「Ai GROW」を軸に事業を展開しております。生徒の多様な能力を多角的に測定・分析するため、「探究力測定パッケージ」や動画コンテンツ「GROW Academy」といったツール群を提供。また、株式会社JTBとの「J’s GROW」や株式会社内田洋行との「Ai GROW Lite」など、有力パートナーとの共同開発を通じて、サービス提供範囲を拡大しております。こうした取り組みは、経済産業省の「探究・校務改革支援補助金」に本年も含め複数年にわたり採択されています。これは、補助金導入をきっかけに当社のサービスをご利用いただいた学校の多くが、その価値を実感され、次年度以降、有償で契約を継続されている実績が評価されたものと考えております。この国内での確かな事業基盤を足掛かりに、アジア地域での共同研究や、ヤマハ株式会社との連携、インド市場などへのグローバル展開を加速させています。

 この結果、当セグメントの売上高は166,182千円(前年同期比19.5%増)、セグメント利益は64,043千円(前年同期比76.4%増)となりました。

 

③ プラットフォーム/Web3事業

 プラットフォーム/Web3事業では、世界的なブロックチェーン市場の拡大を追い風に、2027年3月期でのIEO実現を目標とした「成長への再構築期間」となりました。当初展開していた転職支援サービス「ONGAESHIプロジェクト」は、国内市場のレッドオーシャン化を踏まえ国内においての戦略的撤退を決断した一方で、ゼロ知識証明や秘密計算といった先端技術を中核とするブロックチェーン事業が拡大しており、当該分野への経営資源の集中を進めています。これにより短期的な売上減はあったものの、コスト構造の最適化と中長期的な収益反転への基盤整備が進みました。

 この結果、当セグメントの売上高は19,214千円(前年同期比31.2%減)、セグメント損失は14,288千円(前年同期はセグメント損失60,612千円)となりました。

 

 

(3)当期のキャッシュ・フローの概況

 当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べて87,606千円増加し、409,204千円となりました。

 当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの変動要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動により獲得した資金は、91,141千円(前年同期は71,549千円の使用)となりました。これは主に、税金等調整前中間純損失の計上34,175千円、暗号資産評価益の計上11,420千円、未払金の減少額13,968千円が発生したものの、売上債権の回収に伴う売上債権の減少額34,970千円、未収入金の減少額18,006千円、前受金の増加額94,384千円が発生したこと等によるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動により使用した資金は、34,549千円(前年同期は14,770千円の獲得)となりました。これはソフトウエア開発に伴う固定資産の取得による支出13,963千円、投資有価証券の取得による支出20,585千円が発生したことによるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動により獲得した資金は、30,962千円(前年同期は197千円の使用)となりました。これは主に、長期借入による収入30,000千円が発生したことによるものです。

 

(4)経営方針・経営戦略等

 当中間連結会計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(6)研究開発活動

 当中間連結会計期間における研究開発活動の金額は、18,708千円であります。

 なお、当中間連結会計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

 

3【重要な契約等】

 該当事項はありません。