文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものです。
当社は、在宅での看取りを増やしていくこと、利用者様の健康寿命を延伸すること、医療従事者がいきいき働ける職場環境を提供することが使命であると感じております。
「もう一人のあたたかい家族として在宅生活の安心を届け地域社会へ貢献」することを理念とし、利用者目線のサービスを追求すること及び自発的な相互扶助を推進することで主体的に社会課題へ挑戦することを基本的な価値観としております。
訪問看護は、病気や障がいを持った方が住み慣れた地域でその人らしく療養生活を送れるように看護師等が医師の指示の元、生活の場へ訪問し支援するサービスであり、高齢者を中心として病気や障がいのある方で訪問看護を必要としている方を対象に療養上の世話または必要な診療の補助を行うものです。
現在、我が国は、諸外国に例をみないスピードで高齢化が進行しております。厚生労働省によると、65歳以上の人口は、現在3,000万人を超えており(国民の約4人に1人)、2042年の約3,900万人でピークを迎え、その後も、75歳以上の人口割合は増加し続けることが予想されております。このような状況の中、団塊の世代(約800万人)が75歳以上となる2025年以降は、国民の医療や介護の需要がさらに増加することが見込まれております。(出所:厚生労働省ホームページ「地域包括ケアシステム_地域包括ケアシステムの実現へ向けて」)
2020年に内閣府が発表したところによれば、65~74歳と75歳以上の介護保険の被保険者について、それぞれ要支援、要介護の認定(注)を受けた人の割合をみると、65~74歳は要支援1.3%、要介護2.9%であるのに対して、75歳以上では要支援8.6%、要介護23.3%となっており、75歳以上になると要介護の認定割合が大きく上昇するため、当社は75歳以上の人口をエリアマーケティングの中心に置いております。(出所:内閣府「令和2年版_高齢社会白書」)
(注) 介護保険制度では、家事や身支度等の日常生活に支援が必要であり、特に介護予防サービスが効果的な状態(要支援状態)になった場合や、寝たきりや認知症等で常時介護を必要とする状態(要介護状態)になった場合に介護サービスを受けることができます。介護サービスの必要度を判定するのが要支援認定、要介護認定であり、要支援状態は2段階、要介護状態は5段階にその程度が区分されており、要支援よりも要介護の方がより介護サービスを必要としている状態です。この判定は介護サービス給付額と連動しています。
また、介護保険制度が定着し、サービス利用の大幅な伸びに伴い介護費用が急速に増大しております。介護保険制度開始当時の2000年度は3.6兆円だった介護費用は、2018年度には10.7兆円となっており、高齢化がさらに進展し団塊の世代が75歳以上となる2025年度には15.3兆円、高齢化率が3割を超えると予測される2040年度には25.8兆円になると推計されております。同様に、医療費は、2018年度は39.2兆円となっており、2025年度には47.4兆円、2040年には68.5兆円となり、医療・介護保険合計で94兆円になると推計されております。(出所:内閣官房・改革府・財務省・厚生労働省「2040年を見据えた社会保障の将来見通し」(計画ベース・経済ベースラインケース)(2018年5月公表))
1か月当たりの訪問看護の利用者数は、増加が続いており、2019年は医療保険と介護保険の利用者合計で約84万人と2010年と比べ2.65倍になっております。

(出所:厚生労働省「介護サービス施設・事業所調査」(平成 19 年~令和元年の各年9月) / 内閣府「高齢者白書」(平成 19 年~令和元年))
医療保険における訪問看護費は、2010年の約740億円から2019年には約2,727億円に増加し、国民医療費に対する割合も0.20%から0.61%に拡大しております。

(出所:厚生労働省「国民医療費」(平成 18 年~令和元年))
また、介護保険における訪問看護費は、2010年の約1,474億円から2020年には約3,428億円に増加し、国民介護費に対する割合も1.94%から3.18%に拡大しております。
従って、医療・介護両保険を合計した訪問看護費は、2019年で約5,824億円であり、2010年の約2,214億円から2.63倍に増加しており、訪問看護の利用者数と共に拡大傾向であります。

(出所:厚生労働省「介護給付費等実態調査」(平成18年~令和元年))
なお、厚生労働省が2018年5月21日に公表した「2040年を見据えた社会保障の将来見通し(議論の素材)」によれば、2040年の在宅医療市場は28兆円、在宅介護市場は8.2兆円となる見通しであり、両者の合計は36.2兆円であります。
上記見通しに加え、医療・介護両保険における訪問看護費及び利用者が増加傾向であることを踏まえると、当社では、訪問看護市場についても継続的に拡大していくものと考えております。

(注) 1.2040年の予測値(出所:厚生労働省「2040年を見据えた社会保障の将来見通し(議論の素材)2018年5月21日公表」
2.厚生労働省:「国民医療費」「介護サービス施設・事業所調査」掲載の令和元年(2019年)の数値を合算
② 訪問看護が注目される理由
以下の調査結果を踏まえ、当社では今後も高齢者数の増加に伴い、重度な要介護状態となっても住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けたいと願う高齢者が増加していくと考えております。
(ア) 60歳以上の男女に、現在住んでいる地域に住み続ける予定があるかどうかを聞いたところ、93.1%の人が「ある」と回答しております。
(イ) 60歳以上の人に、万一治る見込みがない病気になった場合、最期を迎えたい場所はどこか聞いたところ、51%の人が「自宅」と回答しております。なお、死亡した場所のうち「自宅」の割合は、日本は13.9%であり、国際的に見て低い水準です。(他国例:オランダ31%、フランス24.2%)
(出所:内閣府「令和元年高齢者白書_高齢期の生活に関する意識」、厚生労働省_医療と介護の連携に関する意見交換_看取り)
また、これに伴い、今後も質の高い在宅医療・訪問看護の確保の重要性が高まっていくものと考えております。厚生労働省は、2025年を目途に、高齢者の尊厳の保持と自立生活の支援の目的のもとで、可能な限り住み慣れた地域で、自分らしい暮らしを人生の最期まで続けることができるよう、地域の包括的な支援・サービス提供体制(「地域包括ケアシステム」)の構築を推進しております。医療機関(病院)は機能分化され、大学病院や総合病院は高度医療に特化し、慢性疾患患者や軽症患者は地域のクリニックへ移され、病院(入院)看護から在宅看護へと移行が進められております。地域のクリニックから大学病院や総合病院への紹介が一般的でありましたが、今後は大学病院や総合病院から地域のクリニックへと“逆紹介”の多い医療機関は診療報酬にて評価されることが予測されるため、入院から在宅への流れは加速し、在宅医療の需要は今まで以上に高まることになります。この「地域包括ケアシステム」において、地域に点在する様々なサービスが包括的に連携し、1人の利用者様を支えるために、中心的存在として期待されているのが訪問看護サービスです。
このような中、訪問看護が注目される一方で、現状の訪問看護業界には課題があり、当社では以下のように認識しております。
1事業所当たりの平均従業員数が常勤換算で4.6人であり(出所:矢野経済研究所_2020年度版 在宅医療市場の展望と戦略)、小規模零細で運営していることが非常に多い現状があります。小規模であるため、事業所が所在している地域からの認知度が低く、当該地域における信頼関係の構築に課題があります。
医療業界は紙文化が浸透しており、訪問看護業界においても病院で経験を積んだ医療職者が運営しているケースが多く、また、許認可の手続きは紙面で行う必要があるため、情報のクラウド化が進んでおらず、ペーパーレス化が進んでいない現状があります。そのため、情報管理・伝達・処理がITを駆使した場合と比較し、相対的に非効率であるという課題があります。
厚生労働省「介護サービス施設・事業所調査の概況」によると、訪問看護師の数は2019年10月時点で約8万人であり、日本看護協会「訪問看護 アクションプラン2025」による在宅死の割合をオランダやフランスなどの水準に引き上げる場合に必要な人数である15万人から大きく不足しております。そのため、訪問看護師不足が課題であります。
訪問看護ステーションの数は年々増加傾向にある一方、資金繰りの悪化や人員不足等が原因で閉鎖するステーションも多いのが現状であり(出所:一般社団法人全国訪問看護事業協会「訪問看護ステーション数調査」(2020年6月公表))、また、下表の通り地域によって偏在が見られ、人口10万人当たりの訪問看護ステーション数は最大3倍程度の格差があります。

(出所:公益社団法人日本看護協会、公益財団法人日本訪問看護財団、一般社団法人全国訪問看護事業協会「訪問看護アクションプラン2025~2025年を目指した訪問看護~」(2014年公表))
現在、東京都を中心に訪問看護の拠点を多数展開する大規模事業者は複数ある一方で、地方へ積極な進出は、看護師等の人材確保や移動時間等の面から難しいのが現状と考えております。
上記の訪問看護業界における課題認識の下、これまでに当社が取り組んでまいりました主な事項は以下のとおりです。
当社では、事業所が所在する地域での認知度向上と信頼を獲得するため、事業所当たり看護師6名及び理学療法士等のリハビリ職5名の合計11名体制を基本とし、各事業所をドミナント戦略で地理的に隣接するよう拠点展開することで、事業展開する地域の中で小規模零細に陥らないよう取り組んでまいりました。また、看護師、准看護師のみならず、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士も配置することで、特定の疾患に限らず、様々な疾患の利用者様を幅広く受け入れることができ、地域からの信頼獲得に努めております。
前述「第1 企業の概況 3 事業の内容」で記載のとおり、IT活用により訪問エリアを定義し、新規の利用依頼を訪問エリア内に堅持することで、当社の事業所同士で新規利用者様の獲得を競争する状況が生じることなく、事業所を展開してまいりました。その結果、複数の事業所間で「競争」ではなく「協力」して1人の利用者様を診る体制を整備し、看護師等の退職による利用者様への影響を軽減することができました。また、看護師等の休暇取得も容易になる等、働きやすさの観点でもドミナント戦略のメリットを最大限享受できるよう取り組んでおります。
訪問看護人材の不足に対処するため、当社は訪問看護未経験者の積極採用を行っております。当社に入社する看護師等の従前は病院勤務者であることが多く、9割以上が訪問看護未経験者となっております。このため、当社では、早期に1人で利用者様を診ることができるよう、早期育成プログラムを整備しております。未経験者であっても概ね3ヵ月で主担当として、1人で訪問看護ができるレベルまで引き上げる育成プログラムを整備し、看護師等の早期戦力化を図っております。
上記訪問看護ステーションの偏在という課題への対応として、東京以外の地域(兵庫県、高知県、沖縄県)へ拠点展開しております。
当社は、安全・安心を届ける利用者目線の追求を前提としたうえで、対処すべき重点課題として以下の取り組みを推進する方針です。
訪問看護サービスの認知度向上という課題に対して、当社では営業の専門職を雇わず、医療専門職である訪問看護師自らが、地域の医療機関、居宅介護支援事業所、施設サービス事業所等の地域連携先とタイムリーな情報共有を行っており、この取り組みを通じて、訪問看護サービスと当社の認知度向上を図り、信頼関係を構築することで新規利用者様の増加に繋げる活動を継続的に実施してまいります。
訪問看護師の不足という課題に対して、人材紹介会社との連携を深め、看護師等の安定した雇用数を確保するとともに、当社のオウンドメディアである「ナーステート」等によるWebマーケティングを促進し、紹介料の負担が無い直接雇用の割合も増やしてまいります。
訪問看護ステーションの偏在という課題に対して、今後のドミナント展開、新たな地域への拠点設置を見据え、従業員の管理能力、業務処理能力の向上を図り、マネジメント層の育成に努めてまいります。
高齢化社会の進展に伴い、当社では訪問看護市場は継続的に拡大すると推測しており、当社の特長である利用者獲得力、オペレーションの効率化、人材開発力を活かして継続的に拠点を展開してまいります。
今後も事業所ごとに看護師6人、リハビリ職5人の合計11名体制という業界内でも比較的規模の大きい人員数を基本とした運営を推進し、これらの事業所を数多く展開することで訪問看護サービス事業の規模の拡大を図る方針です。なお、当社の拠点数の2021年12月期までの推移及び2022年12月期と2023年12月期に計画している拠点数は以下のとおりです。

(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は重要なKPIを「延べ訪問件数」(注1)とし、経営陣のみならず役職者全員がこの指標を意識した事業所運営を行っております。訪問看護サービス事業の売上は「延べ訪問件数×訪問1件当たりの単価」にて算出されるため、その母数となる「介入利用者数」(注2)の増加も重視しております。また、訪問看護サービス事業は労働集約型事業であるため、当社がさらに成長していくためには、延べ訪問件数の増加は当然のことながら、その前提として訪問看護師等となる従業員を継続的に採用、育成し、事業所規模拡大及び拠点展開による事業所数拡大を継続していくことが必要と考えております。
第7期事業年度、第8期事業年度及び第9期第3四半期累計期間における延べ訪問件数、延べ介入利用者数、訪問看護要員数の推移は次のとおりです。
(注) 1.延べ訪問件数は、従業員1人当たり訪問件数の総和です。
2.延べ介入利用者数は、月間介入者数の総数です。「介入」とは、看護師等が訪問看護契約に基づき訪問することを言います。
以下に、当社の事業展開上のリスク要因になる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、当社として必ずしも事業上のリスクとは考えていない事項についても、投資判断上あるいは当社の事業活動を理解するうえで重要と考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から記載しております。当社は、これらのリスクの発生可能性を認識したうえで、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針であり、当社株式等に関する投資判断は本項及び本項以外の記載内容も合わせて慎重に判断したうえで行われる必要があると考えております。
文中における将来に係る事項は、本書提出日現在において当社が判断したものです。
なお、当社の事業等のリスクの把握及び管理体制については、「第4 提出会社の状況」の「4 コーポレート・ガバナンスの状況等」をご参照ください。
当社は訪問看護サービス事業を展開するにあたり、事業所数の拡大に伴い看護師及びリハビリ職を積極的に採用して組織体制を強化し、事業所等が所在する地域周辺のコミュニケーションを強化し、地域に根差した訪問看護サービスを展開していく方針です。
労働集約型産業である訪問看護サービス事業の業容の維持と拡大には人材確保、及び適正な要員配置と労働環境整備により従業員の定着を図ることが重要です。しかしながら、求職している看護師及びリハビリ職の中で、訪問看護へ転職しようとする看護師を見出すことには限界があると考えられます。当社は、人材紹介会社を通じて効果的な採用活動を展開するとともに、当社固有のドメインで展開する看護師向けのメディア「ナーステート」を活用する等、人材獲得のための方法を常に模索しております。また、訪問看護が初めての看護師及びリハビリ職でも安心して働けるようにチューターを配置しOJTによりきめ細かい指導を行うとともに、従業員を適切に育成、フォローできるよう役職者にマネジメント研修を実施する等、社内教育体制等を整備することで、人員の定着に努めております。
しかしながら、万が一、安定した人材確保を行うことができない場合、また、マネジメント人材の輩出ができず、人員計画と実際の人員配置に大幅な乖離が生じた場合には、新規利用者の獲得が計画どおりに進捗せず、財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
なお、当社は、人材確保及び人材定着の観点のみならず、医療従事者がいきいき働ける職場環境を提供することを使命のひとつとしており、月間の平均時間外勤務時間が概ね10時間前後に収まるようにワークライフバランスを確保できる環境の整備に努めております。
当社は、「医療保険制度」及び「介護保険制度」のそれぞれに基づく訪問看護サービスを行っております。医療保険制度に基づく診療報酬は、2年に1回、介護保険制度に基づく介護報酬は、3年に1回改定が行われます。
2020年度の診療報酬改定では、より質の高い在宅医療・訪問看護の確保を実現するための改定が実施されました。
2021年4月に行われた介護報酬改定は、新型コロナウイルス感染症や大規模災害が発生する中で「感染症や災害への対応力強化」を図るとともに、団塊の世代の全てが75歳以上となる2025年に向けて、2040年も見据えながら、「地域包括ケアシステムの推進」、「自立支援・重度化防止の取組の推進」、「制度の安定性・持続可能性の確保」を図るものとなりましたが、当社の事業は地域包括ケアシステムの一環として機能しており、当該改定の大きな影響はありませんでした。
今後診療報酬及び介護報酬の見直しにより大幅な下方改定が行われた場合には、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、以下のとおり訪問看護サービス事業を行ううえで必要な指定を都道府県知事あるいは地方厚生局長から受けております。それぞれの指定には、従業者の資格要件、人員要件、設備要件及び運営要件等が規定されており、また、療養費算定や加算請求においてもそれぞれの要件規定があり、訪問看護サービス事業はこれらの規定に従って事業を運営し、各種申請を適切に行うことが非常に重要です。
当社は常に上記指定に基づく従業者の資格要件、人員要件、設備要件及び運営要件等、定められた基準に従って管理運営を行っております。看護師及びリハビリ職の入退職、及び事業所の開設・移転時には、必要な変更届や更新手続きに漏れがないよう社内の手続きやフローを整備した管理体制を構築し、細心の注意を払って運営しております。また、毎年、内部監査において、これらの手続きに不備がないか、重点的に監査を実施しております。
しかし、何らかの手違いにより、万が一、これらの指定要件を満たさなくなった場合、また報酬を不正に請求していることが発覚した場合等においては、指定の取消または停止処分を受ける可能性があります。当社では、保険適用サービスに係る売上高は全社売上の98.5%を占めており(第8事業年度)、指定の取消または停止処分を受ける場合、財政状態及び経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
なお、現時点において、指定の取消事由、更新欠落に該当する事実はありません。
(参考)保険適用サービスに係る売上高と保険適用外サービスに係る売上高の構成割合の推移
当社が提供する訪問看護サービスは、ほとんどの従業員が自動車または自転車を使用して利用者様の自宅へ訪問し提供しており、訪問移動中に交通事故に遭ってしまった場合はサービスを提供することが困難となる可能性があります。
当社は、訪問看護サービスを提供する看護師及びリハビリ職に対して、交通事故防止のための教育研修を実施しており、事故発生時にもサービスへの影響を最小限に抑えるための多様な状況に対応できるマニュアルを整備する等により、事故の発生防止や事故発生後の事態に対応できるよう備えております。
しかし、災害等なんらかの事情により交通事故が多発し、当社の従業員の多くに被害があった場合には、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社の従業員が加害者となる重大交通事故を起こしてしまった場合には、社会的信用が低下し、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社の看護師及びリハビリ職は、主治医の指示書を遵守することを大前提として訪問看護サービスを提供しております。当社は訪問看護サービスを提供する看護師及びリハビリ職に対して、社内及び外部機関を利用した教育研修を実施し、また、事業所等で発生したインシデント事案と再発防止策の共有、利用者様の多様な状況に対応できるマニュアルを整備する等、サービス提供に係る事故の発生防止や利用者様の容態悪化等の緊急事態に対応できるように備え、事業における最重要事項として取り組んでおります。
しかしながら、サービス提供に係る重大なトラブル・クレームの発生、過失による医療事故の発生、あるいは当社のサービスとの因果関係が認められない場合であっても利用者様の病状悪化等による訴訟等で過失責任が問われるような事態が生じ、損害賠償金の支払いや、それに伴う社会的信用の低下等があった場合には、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
なお、「注記事項(貸借対照表関係) 2.偶発債務」に記載のとおり、当社及び代表取締役社長である大河原峻は、2019年4月に、訪問看護契約先であったA氏(故人)の親族(以下、原告)より、当社に対しては訪問看護契約の債務不履行、大河原に対しては不法行為を理由として、死亡したA氏の損害賠償金及び慰謝料の合計110百万円超の支払いを求めて、東京地方裁判所に提訴され、本書提出日現在も係属しております。
当社は、A氏との訪問看護契約に基づき、看護師の資格を有する大河原が定期的な訪問看護を行っておりましたが、大河原が食事介助を行っていた際、A氏が誤嚥による窒息を起こし、大河原は救急救命措置を施したものの、救急車で搬送された病院にて死亡したことに対する訴訟であります。
事故当時、A氏は100歳を超え、要介護認定及び認知症を患っており、それまでも食事中に頻繁に誤嚥を起こし、訪問看護を受託するリスクが高い状況でありましたが、終末期医療と正面から向き合うことは当社の経営方針であり、社長である大河原自らが訪問看護を担当することとした経緯があります。
当社としては、大河原は事故当時も速やかに適切な救急救命措置を施しており、過失責任はなく、原告が主張するような債務不履行や不法行為はないものと判断しており、医療事故に知見のある弁護士を代理人として、裁判上で請求の棄却を求めて引き続き争う方針であります。
当社の主張が認められず、原告の主張に従って、裁判にて損害賠償が認定された場合であっても、当社は賠償責任保険(支払限度額150百万円)に加入しており、損害賠償金が当該保険の保険給付の対象となることについて、当社の代理人弁護士より保険会社へ確認済であります。
本書提出日現在において、敗訴した場合の具体的な賠償額(判決容認額)を算定するのは困難でありますが、当社では万が一敗訴したとしても、賠償額が保険会社による保険給付額を超える可能性は低く、当社の財政状態及び経営成績への影響は限定的と判断しております。
当社では、訪問看護サービス事業の特性上、利用者様の氏名(ご家族も含む)、住所、生年月日、病歴等の重要な個人情報を取り扱っております。
当社は、個人情報保護の理念を明確にしたうえで個人情報保護方針を定めるとともに、これを適切に管理運用するために「個人情報保護管理規程」を制定しております。また、「情報システム管理規程」を定め、組織全体の情報セキュリティ・リスクを識別のうえ、情報セキュリティの適切な確保に努めております。情報システム部門は、情報システムのセキュリティ状況についてモニタリングを実施しており、内部監査において、情報セキュリティの適切な確保について、監査を行っております。また、介護ビジネスを中心に展開しているIT企業が提供する請求システムを使用することで、適切な情報セキュリティの確保に努めております。
このように、当社は、情報管理につきまして情報漏洩防止の厳重な対策を講じておりますが、万が一システム等からの情報流出等が発生し、当社の社会的信用が低下した場合には、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
訪問看護サービス事業は、利用者様やそのご家族のみならず地域住民や行政・医療機関に係る方々からの信頼のもとに成り立つものと認識しております。当社の従業員には企業理念である「もう一人のあたたかい家族」、「在宅生活の安心を届ける」、「地域社会へ貢献」を浸透させ、安定的かつ質の高い訪問看護を提供するよう指導、教育を行っております。しかしながら利用者様にご満足いただけなかった場合、従業員の不祥事等何らかの事象の発生等により、当社に対して不利益な情報や風評が流れた場合には、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、東京都では新宿区にステーションを設置し、以西にサテライト事業所を置くドミナント展開を基本としておりますが、これとは別に地方進出に挑戦し、全国的な事業所展開を推進しております。しかしながら、当社が拠点展開している地域において、大規模な地震、台風、洪水等災害の発生により、事業所あるいは看護師やリハビリ職の従業員並びに利用者様が被災した場合、また、全国的なインフルエンザ等の感染症の流行等により訪問看護サービスの提供ができなくなった場合には財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
新型コロナウイルス感染症の流行による2020年4月の緊急事態宣言は当社の事業に影響を及ぼし、発出された当時は訪問看護サービスの中止・キャンセルが相次ぎ、当初の計画に比して訪問件数が伸び悩む結果となりました。しかしながら、利用者様のADL(注1)が低下する等、利用者様やそのご家族の日常生活に影響を及ぼすことになるため、訪問看護サービスの利用を控える状況は長く続かず、2020年5月の緊急事態宣言解除以後の訪問看護サービスご利用状況は順調に回復・伸長し、第8期事業年度を通して経営成績に与えた影響は限定的でした。その後、2021年1月以降に緊急事態宣言が再発令された際にも同様に訪問看護サービスの中止・キャンセルがありましたが、初回の発令ほどの影響はなかったものの、今後も緊急事態宣言が発令された場合は訪問件数が減少し、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性は否定できません。
なお、当社では、緊急事態宣言下においては、社内や訪問先での換気等のルール付け、従業員の「密閉、密集、密接」の環境回避の徹底、訪問看護サービスの際は必要に応じてN95マスク(注2)の着用等の感染リスク低減の措置を講じ、また、役職員の移動や密集を避けるため、本社・拠点間の連絡・指示・情報共有にはリモート会議を活用しております。しかしながら、これらの対策に拘らず、訪問看護師等に罹患者が多数発生した場合には、訪問計画に支障が生じ、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(注) 1.ADL(Activities of Daily Living)とは日常生活動作の指標であり、「運動ADL」の13項目と「認知ADL」5項目で構成され、食事・更衣等のセルフケア、排尿・排便等の排泄、椅子・ベッド・トイレ・浴槽等への移乗、歩行・階段等の移動、視覚・聴覚等による理解、音声・非音声による表出等のコミュニケーション、社会的交流・問題解決・記憶等の社会認識の状況を評価したものです。
2.N95とはNIOSH(米国労働安全衛生研究所)が制定した呼吸器防護具の規格基準であり、5μm以下の飛沫核に付着した病原体を捕集し、着用者の肺への病原体進入リスクを低減することから医療従事者等に使用されているマスクです。
当社が属する訪問看護業界は、人員基準、初期投資額の観点から参入障壁が低いうえに、高齢化社会の一層の進展や医療機関における病床数の減少等により在宅医療ニーズのさらなる増加が見込まれるという社会的背景により、異業種からの新規参入や同業他社の事業規模の拡大が予想されます。
当社では、前述の重点課題(「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)経営方針、中長期的な会社の経営戦略及び対処すべき課題等 ⑤今後当社が対処すべき重点課題」をご参照)の遂行により、事業を成長させることに努める所存ですが、他の事業者との競争の激化が生じた場合、当社の財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
当社は拠点別採算を勘案した出退店基準に基づき事業所展開を調整しリスクの低減を図っておりますが、看護師等の採用や新規利用者獲得数が計画通りに進捗せず、開設後の採算悪化が続いた場合や、拠点閉鎖に至った場合には、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社の代表取締役社長である大河原 峻は、当社の創業者であり、創業以来、経営者として当社の経営方針や経営戦略を決定するとともに、経営者として訪問看護サービス事業の責任者として全従業員に対してリーダーシップを発揮する等重要な役割を担っております。
当社は、事業規模の拡大に応じた権限の委譲や人員の拡充等を通じて、大河原 峻に過度に依存しない経営体制の構築を進めておりますが、万一、大河原 峻による職務の執行が困難となるような事態が生じた場合、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
本書提出日現在、当社の発行済株式総数は1,316,000株(潜在株式を除く)であり、そのうちベンチャーキャピタルが組成した投資事業組合等(以下、「VC等」という。)が所有する株式数は329,000株であり、25%を占めております。
一般的に、VC等が未公開株式に投資を行う目的は、公開後に当該株式を売却することによるキャピタルゲインの獲得であることから、当社の株式公開後においてもVC等による所有株式の売却が想定されます。当該株式売却により、一時的に需給のバランスの悪化が生じる可能性があり、当社株式の市場価格が低下する可能性があります。
当社がさらに成長していくためには、利用者数の増加は当然のことながら、その前提として当社が求める資格、経験を有する優秀な人材を確保し、事業所規模拡大及び拠点展開による事業所数拡大を継続していくことが必要です。そのため、株式上場時における公募増資の資金使途については、人材確保のための資金に充当する予定です。
しかしながら、当社を取り巻く経営環境の変化に対応するため、調達資金を計画以外の使途に充当する可能性があります。上記資金使途とは異なる使途に充当する必要が生じた場合には、速やかに開示致します。また、計画どおりに資金を使用した場合であっても、期待どおりの効果をあげられない可能性もあります。これらの場合、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、売上債権管理や各利用者様の請求管理に関してシステムを利用しており、また、高収益を実現する重要な要素のひとつであるIT推進のために、システム管理の専門部署を設置するとともに、社内規程やマニュアルを整備し施策を講じております。
しかしながら、何らかの事情によりシステム障害が発生した場合、適切な売上請求等を行うことができず、売上債権の回収ができなくなる恐れがあります。この場合、資金繰りの悪化やIT推進施策の遅延等が生じ、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものです。
また、当社は訪問看護サービス事業の単一セグメントのため、セグメント情報は記載しておりません。
第8期事業年度(自 2020年1月1日 至 2020年12月31日)
当事業年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により緊急事態宣言が出される等、経済活動が抑制され、景気は厳しい状況となりました。世界経済につきましても、新型コロナウイルス感染症の影響により、先行きの不透明感が極めて強い状況となっております。
我が国の医療環境については、2020年4月の診療報酬改定において、より質の高い在宅医療・訪問看護の確保を実現するための改定が実施されました。利用者様のニーズにきめ細やかに対応し、医療機関や居宅介護支援事業所等の地域連携機関との連携を強め、適切な訪問看護を提供できる体制を強化すること、また、利用者様を安定的に支えるためのステーションの規模の大きさを確保することの重要性が高まっております。また、新型コロナウイルス感染症の発生以降も行政及び地域連携機関より、利用者様に対する支援継続のため、感染予防を徹底し、事業継続を行うことが求められております。
このような状況のもと、当社は収益性の向上、人材確保に注力するとともに第9期事業年度に開設予定である新規拠点の準備を進めてまいりました。収益性の向上については、ドミナント戦略による収益最大化を目指し、自社競合にならないための管理の仕組み、エリアマーケティングを導入致しました。人材確保については、人材紹介会社とのタイアップ企画等により人材紹介会社との連携を深め、要員計画に沿った人材獲得を進めました。
以上の結果、当事業年度の売上高は766,637千円(前期比109.6%)、営業利益は17,472千円(同90.3%)、経常利益は20,712千円(同99.9%)、当期純利益は27,537千円(同198.6%)となりました。
第9期第3四半期累計期間(自 2021年1月1日 至 2021年9月30日)
当第3四半期累計期間におけるわが国の経済は、新型コロナウイルス感染症の拡大はワクチン接種が進みながらも緊急事態宣言及びまん延防止等重点措置に伴う行動制限の影響により個人消費の戻りが限定的な水準にとどまるなど、本格的な回復には至りませんでした。
当社が属する医療業界における訪問看護マーケットは大きく落ち込むことはなく、比較的安定した推移を見せております。しかしながら、感染症拡大の防止策を講じつつ、社会経済活動のレベルを引き上げていくなかで、感染の動向が国内外経済及び訪問看護市場に与える影響を予測することが極めて困難な状況にあります。
このような状況のもと、当社は「もう一人のあたたかい家族として在宅生活の安心を届け地域社会へ貢献します」という企業理念のもと、利用者様に寄り添った訪問看護をより多くの方に享受いただけるよう、人材確保と出店に取り組んでおります。収益性の向上、人材確保に注力するとともに2021年3月に東京都小平市、8月に東京都練馬区並びに9月に東京都中野区に新規拠点を開設しました。
以上の結果、当第3四半期累計期間における売上高は810,547千円となりました。利益面では、事業所従業員の採用による、採用費負担や人件費負担の増加などの影響はありましたが、一方で月間訪問件数の増加により営業利益は85,859千円となりました。経常利益についてはテレワークの助成金、中山間地域へのサービス提供に係る補助金等の助成金収入を計上したこと等により90,607千円となり、四半期純利益は55,366千円となりました。
第8期事業年度(自 2020年1月1日 至 2020年12月31日)
当事業年度末における財政状態については次のとおりです。
当事業年度末における資産合計は337,776千円となり、前事業年度末から20,964千円増加しました。これは主に、現金及び預金は35,212千円減少したものの、売上高増加に伴い売掛金が36,761千円、前払費用が7,349千円、未収入金が441千円、繰越欠損金に対する繰延税金資産の計上で投資その他の資産が11,433千円増加したことによるものです。
当事業年度末における負債合計は229,194千円となり、前事業年度末から6,573千円減少しました。これは主に、人員数の増加により、未払費用12,543千円、未払金18,080千円、預り金2,130千円及び退職給付引当金が4,635千円等の増加がありましたが、借入金の返済が進み、長期借入金(1年内返済予定の長期借入金含む)が43,548千円減少したことによるものです。
当事業年度末における純資産は108,582千円となり、前事業年度末から27,537千円増加しました。その要因は、当期純利益の計上により、利益剰余金が27,537千円増加したことによるものです。
第9期第3四半期累計期間(自 2021年1月1日 至 2021年9月30日)
当第3四半期会計期間末における財政状態については次のとおりです。
当第3四半期会計期間末における資産合計は398,688千円となり、前事業年度末から60,912千円増加しました。これは主に、前払いしていた人材紹介料に係る前払費用が4,354千円、給与年末調整還付金に係る未収入金が4,237千円、繰越欠損金に対する繰延税金資産の取崩しで投資その他の資産が4,474千円減少したものの、売上高増加に伴い売掛金が54,014千円、現金及び預金が19,555千円増加したことによるものです。
当第3四半期会計期間末における負債合計は234,739千円となり、前事業年度末から5,545千円増加しました。これは主に、返済が進んだことにより長期借入金(1年内返済予定の長期借入金含む)が30,012千円減少したこと、その他、賞与支給に伴い未払費用3,297千円、未払金14,406千円及び預り金6,019千円が減少したものの、繰越欠損金の解消に伴い、未払法人税等が26,916千円増加したこと、また、12月支給の賞与に対する引当金が25,725千円増加したことによるものです。
当第3四半期会計期間末における純資産は163,949千円となり、前事業年度末から55,366千円増加しました。その要因は、当期純利益の計上により、利益剰余金が55,366千円増加したことによるものです。
第8期事業年度(自 2020年1月1日 至 2020年12月31日)
当事業年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という)は124,575千円となり、前事業年度末に比べて35,212千円減少致しました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
営業活動によるキャッシュ・フローは、12,331千円の資金増加(前事業年度は21,027千円の資金増加)となりました。これは法人税等の支払額が2,779千円であった他、売上高増加に伴う売上債権の増加額が36,761千円となったものの、税引前当期純利益を20,116千円計上した他、従業員数増加に伴う退職給付引当金の増加額が4,635千円となったことによるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは、3,996千円の資金減少(前事業年度は1,581千円の資金減少)となりました。これは新拠点の事業所等に係る社用車の購入等による固定資産の取得による支出3,362千円、基幹システムに係る無形固定資産の取得による支出を300千円行ったこと等によるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローは、43,548千円の資金減少(前事業年度は44,624千円の資金増加)となりました。これは長期借入金の返済による支出によるものです。
該当事項はありません。
該当事項はありません。
当事業年度における販売実績は次のとおりです。
(注) 1.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りを行うにあたり、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる結果をもたらす場合があります。なお、当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は、「5.経理の状況 1財務諸表等(1)財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載しております。
第8期事業年度及び第9期第3四半期累計期間の財政状態の分析については、「(2)財政状態の状況」に記載のとおりであります。
第8期事業年度(自 2020年1月1日 至 2020年12月31日)
(売上高)
当社は、医療機関や居宅介護支援事業所等の地域連携機関に積極的に働きかけを行い、新規利用者の獲得に注力してまいりました。その結果、当事業年度における売上高は766,637千円(前期比109.6%)となりました。また、第9期事業年度に開設予定である新規拠点の準備を進めてまいりました。収益性の向上については、ドミナント戦略による収益最大化を目指し、自社競合にならないための管理の仕組み、エリアマーケティングを導入致しました。人材確保については、人材紹介会社とのタイアップ企画等により人材紹介会社との連携を深め、要員計画に沿った人材獲得が進んでおります。
(売上原価、売上総利益)
売上高の増加に応じて、積極的に訪問看護師等の人材確保に注力してまいりました。
以上の結果、当事業年度における売上原価は474,321千円(前期比103.7%)となりました。主なものは、訪問看護サービス事業の人件費461,777千円(同103.9%)であり、売上原価率は61.8%となりました。この結果、売上総利益は292,315千円(同120.7%)、売上総利益率は38.1%となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当社の販売費及び一般管理費は、主に間接部門の人件費、採用関係費、地代家賃及びその他の経費で構成されております。事業拡大に応じて看護師等の採用を強化したため、採用関係費が増加しました。
以上の結果、当事業年度における営業利益は17,472千円(前期比90.3%)となりました。
(営業外収益、営業外費用及び経常利益)
主な営業外収益として新型コロナウイルス感染症に係る助成金を含む助成金収入3,806千円が発生致しました。主な営業外費用としてITを推進するためのデジタル機器リース解約損944千円が発生いたしました。
以上の結果、当事業年度における経常利益は20,712千円(前期比99.9%)となりました。
(特別利益、特別損失及び当期純利益)
当事業年度の特別損失は596千円となりました。これはソフトウェアの減損損失511千円及び固定資産売却損85千円によるものです。また、法人税等合計に関しては7,421千円となりました。
以上の結果、当期純利益は27,537千円(前期比198.6%)となりました。
第9期第3四半期累計期間(自 2021年1月1日 至 2021年9月30日)
(売上高)
2021年3月に東京都小平市へ新たに拠点を開設し、8月に東京都練馬区並びに9月に東京都中野区に新規拠点を開設しました。既存拠点においては積極的に地域へ働きかけを行い、新規利用者の獲得に注力してまいりました。その結果、当第3四半期累計期間における売上高は810,547千円となりました。
(売上原価、売上総利益)
売上高の増加に応じて、積極的に看護師等の人材確保に注力してまいりました。
以上の結果、当第3四半期累計期間における売上原価は492,654千円となりました。主なものは、訪問看護サービス事業の人件費479,744千円であり、売上原価率は60.8%となりました。この結果、売上総利益は317,893千円、売上総利益率は39.2%となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当社の販売費及び一般管理費は、主に間接部門の人件費、採用関係費、地代家賃及びその他の経費で構成されております。事業拡大に応じて看護師等の採用を強化したため、採用関係費が増加しました。
以上の結果、当第3四半期累計期間における営業利益は85,859千円となりました。
(営業外収益、営業外費用及び経常利益)
主な営業外収益として新型コロナウイルス感染症に係る助成金を含む助成金収入5,552千円が発生しました。主な営業外費用として借入金に係る支払利息946千円が発生しました。
以上の結果、当第3四半期累計期間における経常利益は90,607千円となりました。
(特別利益、特別損失及び当期純利益)
当第3四半期累計期間において、特別利益及び特別損失は発生しておりません。法人税等合計に関しては35,241千円となりました。
以上の結果、四半期純利益は55,366千円となりました。
当社は重要なKPIを延べ訪問件数とし、経営陣のみならず役職者全員がこの指標を意識した事業所運営を行っております。訪問件数を増加させるために、当社は営業担当を置かず、看護師及びリハビリ職が医療の専門性を活かした地域連携活動を行うことにより、新規利用者の獲得を行う方針であります。また、訪問看護サービス事業は労働集約型事業であるため、当社がさらに成長していくためには、利用者数の増加は当然のことながら、その前提として看護師等訪問看護要員となる従業員を継続的に採用、育成し、事業所規模拡大及び拠点展開による事業所数拡大を継続していくことが必要です。
当事業年度における各指標の推移は以下のとおりです。
(注) 1.延べ訪問件数は、従業員1人当たり訪問件数の総和です。
2.延べ介入利用者数は、月間介入者数の総数です。「介入」とは、看護師等が訪問看護契約に基づき訪問することを言います。
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「2 事業等のリスク」をご参照ください。
当事業年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、12,331千円の資金増加(前事業年度は21,027千円の資金増加)、投資活動によるキャッシュ・フローは、3,996千円の資金減少(前事業年度は1,581千円の資金減少)、財務活動によるキャッシュ・フローは、43,548千円の資金減少(前事業年度は44,624千円の資金増加)となり、その結果、当事業年度の現金及び現金同等物は、前年同期に比べ35,212千円減少し、124,575千円となりました。
上記の他、当事業年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、「(3) キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
当社における資金需要は、主として運転資金及び新規拠点開設時の設備投資資金です。これらの財源については、自己資金の効率的な運用に加え、金融機関からの資金調達を基本としております。なお、事業活動を円滑に実行できるよう適正な水準の資金の流動性の維持及び確保を最優先しております。
該当事項はありません。
該当事項はありません。