(1)経営方針
当社グループは、「中期経営計画2022ローリングプラン」において、2022年度終了時点でのありたい姿を「根元から新芽まで健康に成長し続ける会社」として位置づけしました。

「根元」とは、当社の事業の根幹である、20年の実績がある既存事業(コンタクトセンター・BPOサービス)のことを表現しており、「新芽」とはビジネスの次世代化に向けた新規事業(Omnia LINK外販等)のことを表現しております。「根元」は更に深く、「新芽」は更なる広がりを持って、両面で「健康」に成長し続けていくこと、これが当社の経営ビジョンです。
また、この経営ビジョンを達成するために以下の「5つの取組方針」を定めております。
i. ビジネスの継続的価値向上(根元)
コンタクトセンター・BPOにおける、顧客業界ごとの営業方針の策定、顧客ポートフォリオの改善、既存顧客に向けた領域拡大提案等を行ないます。
ii. ビジネスの次世代化(新芽)
Omnia LINK外販強化や、コンタクトセンター・BPOにおけるデジタル活用による生産性の向上、顧客業界を理解し、コンタクトセンター・BPOの延長にとどまらない新たな事業展開の検討などを行ないます。
iii. 事業基盤の強化
ビジネスを支える、コーポレート基盤の強化を行ないます。
iv. ダイバーシティ&インクルージョン
女性活躍推進、障がい者雇用、外国人採用、若年層の育成などを通じて、多様性のある会社を目指します。
v. ESG経営の推進
SDGsの推進、コーポレートガバナンスの強化、地域貢献等を積極的に実行します。
当社の成長戦略は、経営ビジョンに「根元から新芽まで」とあるように、コンタクトセンター・BPOサービスとOmnia LINKを始めとするシステムソリューションの販売を両面で成長させることにあります。その成長の在り方として、コンタクトセンター・BPOサービスは事業規模及び売上高の成長、システムソリューション販売は利益額・利益率の成長のドライバとして位置づけております。
コンタクトセンター・BPOにおいては、重点戦略グループ(金融業界・小売流通業界・ライフライン業界・情報通信業界)を設定し、重点戦略グループにおける顧客の新規獲得や、取引開始済の顧客の深耕等を通じて、事業規模及び売上高の成長を牽引する方針です。
システムソリューション販売においては、Omnia LINKの外販拡大によるユーザー数の拡大、音声認識などのオプション販売の拡大によるユーザー当たりの売上高の拡大、また、オフィス向けのOmnia LINKの販売開始によるターゲットユーザーの拡大の他、新たなソリューション開発を行ないます。新たなソリューション開発として、現在はCXプラットフォームと滋賀大学との声の印象評価システムの研究開発を行なっております。CXプラットフォームは、保険や不動産契約等、本人確認を伴うために非対面化ができていない接客をオンラインで完結させるための顧客対応システムです。滋賀大学との研究開発は、Qua-cleですでに実現している電話応対品質の自動評価をさらに高度化するものです。
システムソリューション販売は、コンタクトセンター・BPOサービスと比較し、人件費などをはじめとした必ず発生する変動コストが少なく、販売数が増加することで固定費を回収し、利益が逓増する収益モデルとなっております。これらの取り組みを通じて、システムソリューション販売における売上高を拡大させるとともに、全社利益への貢献を図ります。
なお、上記の当社の今後の成長戦略を図示すると、以下のようなイメージとなります。

(3)目標とする経営指標
当社は堅実で持続的な成長の実現を通じて新たな事業創出を図り、豊かな社会づくりへの貢献を目指しています。当社が経営上の目標の達成状況を判断するための客観的指標は売上高成長率、営業利益成長率です。
「コールセンターサービス/コンタクトセンターソリューション市場の調査(2021年)」(㈱矢野総合研究所・2021年11月2日発表)によると、2020年度の広義のテレマーケティング市場規模(注1)は、前年度比5.2%増の1兆421億円と推計されております。同市場は、同研究所によると今後についても堅調に推移することが見込まれております。
その背景として、企業が昨今の労働力不足、人材不足を背景とした働き方改革やDX推進による自社内人的リソースの再構築を加速化させており、ノンコア業務をアウトソースする機運が高まっている点があげられ、また、改正労働契約法や改正労働者派遣法の2018年4月の適用開始に合わせて、自社雇用のパートや派遣スタッフからBPOに切り替えをする企業も増加していることで市場拡大が後押しされていると当社は考えております。
また、近年はAIやRPAなどのデジタル技術と人材によるオペレーションを組み合わせたサービスニーズが増加しており、当該市場へのプラス効果として働いております。特に、新型コロナウイルスの発生以降は、外出自粛に伴い企業のテレワークが急速に普及しており、各社で業務プロセス変革を余儀なくされていることが多いため、デジタル化やアウトソーシングニーズの増加につながっていると当社は考えております。合わせて、「顧客体験価値(注:商品やサービスの「価格」や「機能性」といった物理的な価値だけではなく、それらを通して得られる「満足感」や「喜び」というような感情や経験の価値も含めた概念)」を追求する企業が増加しており、顧客接点として重要な役割を持つコンタクトセンターにおいては、「窓口のマルチチャネル化による問い合わせ方法の多様化」や「ワンストップ化による問題解決力の向上」など、1つのセンターで対応しなければならない範囲の拡大と、問題解決力向上に向けた業務への深い理解が求められ、運営難易度が高まる傾向にあると考えております。そのため、専門業者の知見への期待から、アウトソーシングニーズの増加につながっております。
また、コンタクトセンターを自社運営している企業群は、上記の「広義のテレマーケティング市場規模」と別に1.3兆円超が存在すると見込んでおり、潜在市場として認識しております。(注2)
注1:㈱矢野総合研究所において、「テレマーケティング売上高及びその他関連サービスの合算」と定義。
注2:当社推定値。当社席数と「コールセンターサービス/コンタクトセンターソリューション市場の調査(2021年)」(㈱矢野総合研究所・2021年11月2日発表)における当社シェアにより、日本のコンタクトセンターアウトソーシング事業者席数を算出。コールセンターの運用形態(コールセンター白書2021 ㈱リックテレコム)より、自社運営コンタクトセンター席数を算出し、当社の1席あたり売上高を乗じて算出。
外部へ販売するシステムとしてのOmnia LINKの市場であるSaaS型サービス市場規模及びソフトウェア市場規模は合計で1,533億円(「コールセンター市場総覧 2021」㈱矢野総合研究所・発刊日2021年10月)となっております。特にSaaS型サービス市場は2020年度において、前年度比11.6%の成長率となっております。
また、現在のところOmnia LINKはコンタクトセンター向けの専門システムとなっておりますが、今後の展開としてオフィス内でのビジネスコラボレーションツールとしての機能を2023年5月期以降に展開する予定です。その場合、ビジネスコラボレーション市場規模1,264億円(「テレワーク/ニューノーマルを支えるコラボレーション・モバイル管理ソフトの市場規模 2020年度版」デロイト トーマツ ミック経済研究所㈱ 発刊日2020年10月5日)、非対面接客市場(WEB会議システム市場)197億円(㈱アイ・ティー・アール ITR Market Viewコラボレーション市場2020)も見据えることができ、その合計の顕在市場は0.3兆円と見込んでおります。
なお、新型コロナウイルス感染症の発生によって、当社を取り巻く環境は、官公庁案件の増加や、巣籠需要によるコンタクトセンターニーズの増加が見られ、需要が高まっている状況にあります。一方、コンタクトセンター・BPO事業は労働集約型ビジネスの性質も有しているため、就業中の従業員による感染拡大リスクの増加が懸念され、事業の継続と従業員の安全配慮の両軸での運営が求められております。そのような需要の拡大と従業員の安全性の確保の観点から、両課題を解消する手法として在宅コンタクトセンターが広まりつつあると考えており、当社においてもすでに全国1,000名以上(2021年11月現在)の在宅オペレーターが在籍しております。
上記経営環境において、当社が対処すべき課題は下記のとおりです。
① ビジネスの継続的価値向上(根元)
当社グループは売上の基盤を支えるコンタクトセンターBPOサービスの営業力強化に向けて、業界ごとに営業担当者を配置の上、業界動向に合わせた戦略策定を行なっております。顧客業界分析の上で、機会をとらえてリソースを集中させることで戦略的な営業活動を行ってまいります。また、売上高の成長とともに営業リソースの増強を図っておりますが、営業人材の育成が課題となっております。営業活動を可視化し、定型化することで営業組織全体の底上げを図るべく、取り組んでまいります。
Omnia LINKの販売開始前の当社グループにおける営業アプローチは、顧客企業に対してコンタクトセンター・BPOの提案、提供のみに留まっておりました。Omnia LINKの販売開始後は、顧客企業に対してコンタクトセンター・BPOでのアプローチだけでなく、システム販売のアプローチも可能になったことで、複合的な営業アプローチを実現しております。サービスとシステムの双方を販売している当社だからこその特徴であると認識しており、 今後は更にクロスセルを強化していきたい考えです。

② ビジネスの次世代化(新芽)
当社グループでは以下の図のようにDX戦略を3つのフェーズに分けて考えております。

「Bewith1.0」:これまで取り組んできたコンタクトセンター・BPOサービス
「Bewith2.0」:働き方改革を背景にしたコンタクトセンター・BPOサービスの一部プロセスをデジタルに置き換えることで人の生産性を高めたプロセスのDX
「Bewith3.0」:コンタクトセンター・BPOサービスの延長線上にない、顧客企業の市場変化への対応や経営課題を解決する価値創造型のDX (注:これまでの当社のコンタクトセンター・BPOサービスでは解決できないような、顧客ごとの市場環境に合わせた経営課題を、デジタルテクノロジーを用いて解消する新たなサービス開発の取り組み)
「Bewith2.0」では、「デジタル&オペレーションサービス」の販売強化を促進してまいります。特にRPAやAI-OCR、Omnia LINKを活用したコンタクトセンター・BPOサービスを強化し、各オペレーション組織においてはデジタル化による効率化時間を目標値として設定し、確実な実行を進めてまいります。
Omnia LINK外販サービスにおいては、音声認識ソリューションの強化を行ないます。既存顧客への音声認識ソリューションのアップセルの実施や、音声認識を活用したセンター機能の高度化を提案し、市場シェアを獲得していく方針です。また滋賀大学との共同研究による電話音声の印象の自動評価や、「オフィス版のOmnia LINK(スマートフォンで対応ができるOmnia LINK)」の拡販などを通じ、段階的にシステムプロダクトによる増益幅を拡張させていきたい考えです。
「Bewith3.0」においては、サービスリリース済みプロダクトの拡販に引き続き、検討中プロジェクトのリリース準備を進めてまいります。リリース済みプロダクトの拡販については、タスクフォースを組成し、SaaS型プロダクトに適したマーケティング・営業手法の確立に向けて取り組んでおります。
③ 事業基盤の整備
事業のデジタル化を推進する中で、デジタル開発等の対応が可能なデジタル人材の確保が課題となっております。従来の人事制度では、市場におけるデジタル人材が求める水準と合致しない部分があったため、新たに「DX人事制度」の策定を進める方針です。デジタル人材をターゲットにした柔軟な人事制度を構築することで、採用力を強化し優秀なデジタル人材の確保につなげていきます。また、高年齢者雇用安定法の改正に向けて、定年制度の延長を検討いたします。定年延長の検討と合わせ、個人の働き方に合わせた報酬制度の検討を進めてまいります。拠点については、「Bewith Digital Work Place(在宅コンタクトセンターソリューション)」を活用し、在宅オペレーター採用要件や、在宅教育制度、在宅オペレーター向けの規程整備等の仕組みを整えることで、拠点増設規模を抑えながら、効率的なオペレーションリソースの拡大を進め、将来的には在宅オペレーター10,000名体制を目指してまいります。
④ ダイバーシティ&インクルージョン
当社はダイバーシティ&インクルージョンを(1)ジェンダーフリー(女性活躍)、(2)マルチカルチャー(多様な国籍の人材の活躍)、(3)ディスアビリティ(障がい者の活躍)、(4)ジェネレーションフリー(すべての年代の活躍)、の4つの視点でとらえております。働き方や教育面、やりがいの醸成などの環境の整備を進めていくことで、性別や年齢・国籍・文化・価値観など、さまざまなバックグラウンドを持つ人材を活用し、多様なニーズに対応することで新たな価値を創造、提供できるよう努めてまいります。
⑤ ESG経営の推進
当社は、社会の一員として、地域や環境との共生に貢献する取組みも進めてまいります。
具体的にはSDGsの達成に向けて、「SDGs推進委員会」を設置しており、活動をさらに加速させていきます。合わせて、ガバナンスの強化、コンプライアンス強化については、これまでに定めた運用ルールの更なる定着と確実な実行に向けて取り組んでまいります。
⑥ 流動性の確保及び企業価値の拡大
本書提出日現在の当社の株主構成は㈱パソナグループ1社となっておりますが、当社が上場に伴い実施する公募及び売出しによって当社の流通株式比率は取引所が定める形式要件を充足する見込みであります。当社株式の流通株式数は投資家による売買を通じて変動することとなりますが、今後においても取引所が定める形式要件を充足し続けるために、当面の間、㈱パソナグループとの連結関係を維持できる範囲において実施可能な資本政策を検討し、大株主(親会社等)と連携の上、流動性確保に努める方針としております。なお、今後決定される発行価格及び売出価格の水準に関わらず当社は東京証券取引所市場第一部へ上場する予定ですが、2022年2月10日現在において想定する、当社の上場時の流通株式時価総額は取引所が定める市場第一部の新規上場の形式要件を満たしておりません。当社は、当社グループの経営方針・経営戦略に沿い、事業規模・売上高ならびに利益額・利益の成長を通じて企業価値を継続的に向上させることで流通株式時価総額の拡大にも努める方針としております。
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、提出日現在において当社グループが判断したものであります。
① 顧客企業の環境変化に関するリスク
当社グループが受託するコンタクトセンター・BPOのビジネス性質上、顧客企業における競争環境や営業状況等の変化等に起因し、当社グループの受託業務量が大きく変動する可能性があり、その場合は少なからず当社グループの業績への影響が生じる可能性があります。当社グループは、200社以上の顧客企業と取引があり、当該リスクは常に発生する可能性があると認識しております。顧客ポートフォリオの多様化や顧客企業に対するクロスセルによる受託領域拡大、また、社会情勢や時流に合ったサービスやソリューションを迅速に開発・提供し、新たな顧客企業との取引を増やすことでリスク低減を図ってまいります。
② 特定の取引先への依存度について
当社グループの東京電力エナジーパートナー社への売上高の当連結会計年度末における総売上高実績に対する割合は、18.2%となっております。合わせて売上高上位5社で約40%の売上高となっており、当該顧客における取引動向が当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
これに対して、策定済みの営業戦略に則り、新規顧客の獲得と既存顧客へのDX提案やクロスセルを通じた取引拡大によって、事業ポートフォリオにおける上位顧客への偏りの低減を図るとともに、Omnia LINKをはじめとする社会の変化に適応する新たなソリューションの開発を通じて、魅力的なサービス提供を行うことでリスク低減を図ってまいります。
③ スポット案件による売上高および利益の著しい変動
当社グループは各業界の優良企業との中長期的な契約締結を前提に営業活動を進めておりますが、社会情勢およびクライアント企業からの要望によって、期間が限定されたスポット案件の受託が例年発生しております。スポット案件の規模が大型であった場合、当社グループのスペースや人員の稼働率が高まることで当該会計年度において売上高や利益に著しくプラスとなることがあります。またこのような大型のスポット案件受託の翌連結会計年度においては、当該売上高の剥離の他、稼働率が通常に戻ることによって収益性の低下が生じる可能性があります。
スポット案件は、お客様の要望や社会情勢、社会の制度変化等によって生じるため、予測するのは困難でありますが、当社グループとしては、上記のようなリスクを認識し、継続業務の受託の推進や既存案件での採算性の確保を通じて、大型のスポット案件の影響によって経営成績が大きく変動しないよう努めてまいります。
④ 人的資源の確保における人材の獲得費用の増加
当社グループではコンタクトセンター・BPOサービスの運営のために多数のオペレーターの確保が必要となります。そのためWEBマーケティングを活用した採用や、地方拠点の活用、従業員表彰等、人材の獲得および定着のための取り組みを実施し、優秀な人材の確保に取り組んでおります。しかしながら、労働力人口の低下や景気の好転などにより、十分な労働力の確保ができない可能性や、採用費や人件費が高騰する可能性があります。合わせて労働関係の法令改正による従業員へ支払う費用が増加し、当社グループの収益性に影響を及ぼす可能性があります。
これらに備え、適切な労働力の確保に向けて、在宅オペレーションの実施による採用母数の拡大や働きやすい環境の提供を実現するとともに、デジタル化による生産性の向上を進めてまいります。合わせて、採用費や人件費の高騰に対しては、顧客との契約交渉を通じ、収益性の維持・確保に努めてまいります。
⑤ 従業員の労働安全衛生や雇用関係等に関する紛争
当社グループではオペレーターを含め、約8,000人を超える従業員を雇用しており、また毎年多数の従業員を採用しております。このため、労働安全衛生や雇用関係等に関して従業員との間で紛争が発生する可能性が常時生じており、紛争が発生した場合には、当社グループの事業運営及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、採用時における人材品質の確保、コンプライアンスを重視した労務管理を含む従業員管理の充実、教育研修体制の強化を通じて就業上のトラブルの可能性を低減させております。合わせて本社相談窓口や社外通報窓口の設置を行ない、就業上のトラブルが生じた場合も即座に把握できる体制を整えております。
⑥ 内部管理体制について
当社グループの事業の急激な事業拡大等の変化により内部管理体制の構築の遅滞や不備が生じた場合や、構築した内部統制システムに重大な欠陥等が認められた場合、およびこれを逸脱するような事態に至った場合、当社グループの適正な業務運営に支障をきたし、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。その結果、当社グループの社会的評価が毀損する恐れがあり、欠陥の重大性や原因等の程度に応じて様々な法的責任が課せられ、金融市場における資金調達力が制限されることによって当社グループの財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
これに対して当社グループでは、金融商品取引法に基づく財務報告に係る内部統制に関する要件に則り、2021年10月1日付けにて「財務報告に係る内部統制評価の基本規程」を制定し、基本的な方針の設定・展開、内部統制の整備・運用および評価における全社的な管理体制、手順、ならびに手続きに関する人員およびその編成等を定め、内部統制やコーポレート・ガバナンスの体制を構築するとともに、当該体制が有効に機能するよう取り組んでおります。
⑦ 機密情報等の漏洩
当社グループはその事業の特性上、クライアント企業の営業上および技術上の機密に該当する情報のほか、当該クライアント企業が保有するエンドユーザー等の個人情報を含む情報資産をお預かりしたうえで業務運営に活用しております。万が一当社グループにおいて、これらの情報漏洩事故を発生させた場合、当該顧客との間における取引関係の終了、および顧客やエンドユーザーに発生した損害に関する賠償請求等によって、当社グループに損失が発生する可能性があります。当社グループは、2003年12月に制定した「情報セキュリティ宣言」およびこれに付随する「セキュリティポリシー」に基づき、情報管理体制の構築・維持に努めるとともに、各種セキュリティ研修の実施や、セキュリティ設備の設置等による、様々な人的および物理的な機密漏洩防止策を講じております。
一方、サイバー攻撃は年々高度化、巧妙化しており、サイバーセキュリティリスクは重要な経営課題となっています。このような事業環境を踏まえ、当社グループでは情報セキュリティ基本方針においてサイバー攻撃を重大な経営リスクとして位置づけ、当社グループ全体の情報セキュリティマネジメントを統括するセキュリティ委員会のもとに、サイバーセキュリティリスクに対応するための戦略を策定し推進するプロジェクト体制を構築しています。また、万が一の予期せぬ事態による情報流出に対応するため、一定額までの保険を付保しております。
⑧ システム障害の発生
当社グループは、当社グループが受託運営しているコンタクトセンターサービスにおいて、先進的な機能を持つクラウドPBX Omnia LINKを多数利用しているだけでなく、Omnia LINKをクライアント企業にも販売しております。当該サービスが、各種障害、故障並びに重大な欠陥、または外部事業者により運営される通信インフラにおける障害の発生等によって正常に稼働しない状態が継続した場合、コンタクトセンター業務の遂行に支障をきたすほか、クライアント企業に発生した逸失利益等にかかる損害の賠償請求等によって、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす恐れがあります。
このため、当社グループでは、各種の契約締結において損害賠償上限を定めるなど、損害の最大化防止を行うとともに、システム開発時の品質保証レビューや稼働前後のシステム点検等によって、機密性・障害許容性・回復性・安定性といった品質特性の向上に努めております。また、システム障害が発生した際の障害報告フローを明確化し、迅速に対応することで早期復旧に努めております。
⑨ クレーム、訴訟等について
当社グループは法令遵守を重視した事業活動を行っておりますが、クライアント企業等を相手方とする各種クレームの発生、訴訟、係争、またこれらに起因する損害賠償請求の当事者となる可能性があります。これらの法的手続に関連して多額の費用を支出し、また、事業活動に支障をきたす恐れがあり、万が一、当社グループに不利な司法判断等がなされた場合には、当社グループの経営成績および社会的信用に悪影響を与える恐れがあります。
このため、当社グループは内部統制システムの基本方針及びリスク管理基本規程を制定し、取締役会、監査等委員会、コンプライアンス委員会を中心として、コンプライアンス体制の強化・推進と各種クレームの発生、訴訟、係争等の発生可能性の低減に取り組んでおります。また各種契約の締結においては法務部門による確認を行っているほか、弁護士と顧問契約を締結し、必要に応じて迅速に相談できる体制を整備しております。
⑩ 法規制等に係るリスク
当社グループは、自己の事業活動およびクライアント企業からの業務を受託する過程において、個人情報保護や消費者保護関連法のほか、各種労働関係法、税法、特定商取引法等、様々な法令の適用を受けております。当社グループが、これらの適用法令等に違反した場合、当社グループの事業運営、経営成績および社会的信用に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。また、一定の事業を行う上で取得する許認可等については、行政当局の監督を受けておりますが、当社グループがかかる許認可等の維持要件に違反し、当局から業務停止命令、罰金、その他の処分を受けた場合には、対象事業を行うことができなくなる可能性があります。更に、将来当社グループに適用される法令等の新設又は改正、司法・行政解釈等の変更がある場合において、複雑化する法規制への対応の遅れにより当社グループが事業機会を逸する可能性や、当社グループの事業運営や業績、社会的信用に悪影響を与える可能性があります。
このため、当社グループでは、事業上遵守が必要となる法令の改定について常に情報収集を行い、法規制への対応の遅れが出ないよう取り組んでおります。また、法令の新設や改正等に伴い規程類の改定を行う時には必要に応じて専門家のレビューを受け、解釈に齟齬が出ないように留意しております。
⑪ 株式会社パソナグループとの関係について
(a)株式会社パソナグループとの資本関係等
当社の親会社である㈱パソナグループは、本書提出日現在において当社の発行済株式数(普通株式)の100%を保有しており、また、当社株式上場後においても当社の総議決権数の過半数を保有する予定です。よって、㈱パソナグループが、当社の役員の選任・解任、他社との合併等の組織再編、更には定款変更などの当社の株主総会決議の結果に重大な影響力を有することになります。当社は、過半数の独立社外取締役で構成され、独立社外取締役が議長を務める指名報酬委員会を任意に設け、独立性の担保を図っております。しかしそれでもなお、株主総会の承認を必要とする事項に関して㈱パソナグループが影響を及ぼす可能性があります。
なお、親会社による事前承認事項等は存在しておりません。
(b)株式会社パソナグループにおける当社グループの位置付け
親会社となる㈱パソナグループを頂点とする企業グループは、連結子会社の「㈱パソナ(人材派遣、委託・請負、人材紹介、再就職支援)」を中核とし、その他の連結子会社61社、非連結子会社13社、持分法適用会社10社、ならびに持分法を適用しない非連結子会社及び関連会社9社(2021年5月現在)で構成されており、「エキスパートサービス(人材派遣)、BPOサービス(委託・請負)、キャリアソリューション(人材紹介、再就職支援)、福利厚生アウトソーシング」等の人材関連事業や地方創生事業等を行っております。
当社グループの「コンタクトセンター・BPO事業」は、㈱パソナグループの連結グループの事業セグメントにおいては「HRソリューション:エキスパートサービス、BPOサービス他」に属しております。当社は親会社グループの中では「コンタクトセンターサービス」を専門的に提供している唯一の事業会社であり、あわせて「アウトソーシング形態(自社事業所にて運営する業務)を中心としたBPOサービス」を提供しておりますが、「派遣法に基づく人材派遣業務(人材の供給)」を主軸とした事業の変遷としてBPOサービスを提供している親会社グループとは異なり、創業・事業開始時点から「カスタマーサービス及びBPOサービスの専門家集団としての業務設計等のノウハウによるBPOサービス(業務の運営)」を主軸として事業を展開しております。
なお、親会社グループの中には「総務系のBPOサービス(文書・車両・携帯・複合機・社宅・固定資産管理から名刺/封筒印刷・転勤引越手配などの総務部門が担う雑多な作業のアウトソーシングサービス)」を担うパソナ・パナソニックビジネスサービス㈱や「福利厚生代行サービス(顧客企業に代わってその従業員等に福利厚生メニューを提供するサービス)」を担う㈱ベネフィットワンが存在しておりますが、当社グループのBPOサービスでは、これらはサービス対象外となっております。
事業展開の変遷は異なりますが「コンタクトセンターサービスが含まれず、かつ、業務設計等のノウハウが必要とならないBPOサービス」に関しては親会社グループ(㈱パソナ)でも一部提供しているケースがあり、その点について事業競合が生じている又は生じる可能性を有しております。この事業競合が生じている又は生じる可能性を有している部分の当社の連結売上高に占める割合は、各会計年度で変動するものの、概ね10%前後となっております。当社グループのサービスにおいて親会社グループ内での事業競合が一部生じているものの、当社は、親会社グループ内においては「コンタクトセンターサービスを専門的に提供する唯一の事業会社」として明確な棲み分けがなされており、自社開発クラウドPBX Omnia LINK を強みとした、国内でも特徴のあるコンタクトセンターサービスを展開するとともに、これまでに培ってきた「業務の運営」を主軸としたBPOサービスの経験・ノウハウ等により、親会社グループ内外にかかわらず、独立性と競争優位性を持って事業を展開しており、親会社グループ内での事業競合によって当社グループの経営の独立性を損なうような状況はございません。
当社グループが上場を行うこととした目的・意義は以下のとおりです。成長フェーズにある当社グループにおいて、今後もさらなる企業価値の拡大を目指すために、信用力や知名度の向上や資金調達手段の多様化を行うことが最適と判断したことにあります。加えて、上場企業としての経営の独立性を維持しながら、親会社グループと事業競合するサービスを含めて、親会社グループ各社と時には競い合い、時には連携することで当社グループの事業拡大を目指すことが、当社グループ及び親会社グループの双方の企業価値向上を高めることにつながると判断し、親会社を有する形での上場を選択しております。
(c)株式会社パソナグループとの人的関係
本書提出日現在、当社の取締役である若本博隆は、親会社である㈱パソナグループの取締役副社長執行役員を兼務しております。同氏は、同氏の豊富な経営経験に基づく知見を当社グループの経営へ活用すること等を目的として、当社が招聘したものであり、親会社からの独立性は確保されている状況にあります。なお、本書提出日現在、同氏のほか、当社グループにおいて、㈱パソナグループおよび当社グループを除く同社のグループ会社からの人材受入れはありません。
(d)パソナグループ各社との取引関係
当社グループと㈱パソナグループを頂点とするパソナグループ各社は、独立第三者間取引で適用される取引条件又は社会通念上合理的な見積りによる公正妥当な取引条件により、営業取引等を行っております。
また、当社グループの連結売上高にはパソナグループ各社からの紹介案件によるものが一部含まれますが、当社グループの新規案件獲得の商流の概ね90%程度が既存顧客からの紹介や開催セミナー・インターネット広告・自社WEBサイト経由での顧客からの打診によるものとなっておりその依存度は小さく、また、パソナグループ各社からの紹介案件かどうかにかかわらず、個別案件における取引開始可否判断や取引条件交渉は当社グループが独立した立場で実施しております。
当連結会計年度における当社グループと当社グループを除く㈱パソナグループのグループ会社との主な取引は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表 関連当事者情報」に記載したものであり、それ以外の重要性の低い取引としては、研修費用支払、システム利用料支払等があります。
なお、パソナグループ各社との間で取引を行う場合は、一般株主との間に利益相反関係が発生するリスクが存在することを踏まえ、取引条件の適切性を確保するため、当社グループが定める関連当事者等管理規程に基づき、取引開始前に取引の相手方が関連当事者等に該当しないかを関連当事者等管理部門である総務部が確認します。さらに、取引の合理性(事実上の必要性)及び取引条件の妥当性等について経営会議にて審議・検討し、監査等委員会での見解を踏まえた上で、取締役会で決議するものとしております。また、継続的に発生する取引についても過去の取引実績から予め取引金額等を定め、新規取引と同様に合理性、妥当性等の審議及び監査等委員会での見解伺いを行い、取締役会にて実施可否を決議しておりますが、取引の開始後においても定期的なモニタリングを実施のうえ、次年度以降の更新、及び年度内における取引内容又は条件等が変更もしくは超過等が見込まれる場合、あらためて取締役会にて決議するものとしております。
(e)親会社が存在していることを踏まえたガバナンス強化の取組み
当社グループの独立性を継続的に確保していくための取り組みとして、常勤監査等委員と監査部による関連当事者等取引申請書類の査閲や独立性監査等の実施等を通じて、内部監査部門及び監査等委員会におけるモニタリングを強化しております。モニタリングにおいては、関連当事者等取引や不当な事業調整の有無をはじめとした独立性を毀損するような実態が生じていないかどうかを、定期的および随時に確認を行うことで、ガバナンスの確保を行うとともに、株式市場・投資家によるモニタリングも可能となるように親会社グループとの各関係内容等を丁寧に開示してまいります。
⑫ 災害等について
当社グループでは、自然災害、火災、伝染病等の疾病、テロ行為等が発生した場合に備え、緊急時の復旧手順や行動要領をまとめた事業継続計画を策定しておりますが、大規模な地震をはじめとする自然災害など不可避な事態が発生した場合、一部または全部の事業活動の停止や保有設備・資産の復旧に多大な支障をきたす可能性があります。また、大規模かつ広域的な自然災害等の発生により、電気、通信などのインフラ復旧に長期支障をきたす事態が発生した場合、当社の財政状態および経営成績に影響を及ぼす恐れがあります。
⑬ 新型コロナウイルス感染症の影響
(a)クライアント企業
新型コロナウイルス感染症の流行に伴う、巣籠需要によって大きな恩恵をうける業界がある一方で、飲食業界、旅行業界のように、外出制限・自粛によって収益に大幅な減少が発生している業界も存在しています。当社グループと契約するクライアント企業は様々な業界に分布しているものの、新型コロナウイルス感染症の流行長期化によって、業績が著しく悪化しているクライアント企業もあり、こうしたクライアント企業がアウトソーシング費用の縮減のため、当社グループとの契約解除や契約更新の中止を決定した場合、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(b)コンタクトセンター運営現場
当社グループは行政機関の要請や指示にしたがい、テレワークの推進、職場での感染予防の啓蒙、飛沫防止パネルの設置、ウェブ会議の活用、不要不急の外出・出張・会食等の中止等によって感染防止・予防対策を徹底し、リスクの極小化を図ると同時に、感染者発生時(もしくはその疑いがある場合)の対応手順を明確にした上で従業員への感染拡大を最小限に食い止める策を講じられるよう努めております。しかしながら、コンタクトセンター内で新型コロナウイルス感染症の集団感染(いわゆる「クラスター感染」)が発生し、コンタクトセンター業務の一部または全部の停止が発生する事態になった場合、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要ならびに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものです
当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
第22期連結会計年度(自 2020年6月1日 至 2021年5月31日)
当期におけるわが国経済は、2021年1月の新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言の再発出後、個人消費を中心に一時的に需要が落ち込みました。その結果、2020年度の実質GDP成長率は前年比△4.6%と2年連続でマイナスになると同時に、リーマンショックが発生した2008年度の実質GDP成長率△3.6%を上回る戦後最大の落ち込みを記録しました。春先に入り消費活動の回復傾向が見られますが、3度目の緊急事態宣言の発出に伴う経済活動抑制によって、1月以降の需要の落ち込みを回復するには至っておりません。
医療従事者や高齢者を中心にワクチン接種が開始されておりますが、国民の大半の接種が完了するタイミングはまだ見通せない状況であり、集団免疫の獲得による経済活動正常化にはまだ時間を要するものと考えられます。
当社の所属するアウトソーシング業界は、官公庁や自治体が主導して行う新型コロナウイルスに対応する取り組みに関するスポット案件の増加や、店舗の非対面化ニーズによる企業のコンタクトセンターの増強によって、一時的な活況となりました。
かかる状況下、当社においても、持続化給付金案件、Go To Travel案件などの新型コロナウイルス関連のスポット案件を複数受託することで、社会からの要請に対応する一方、「従業員の安心安全」の両立を目指しました。
具体的には、Omnia LINK(オムニアリンク)を活用した在宅コンタクトセンターサービスである「Bewith Digital Work Place(在宅コンタクトセンターソリューション)」の積極的推進を行ない、感染リスクを抑えるべく人との接触機会を低減しながら事業の継続を実現いたしました。コンタクトセンターにおける感染拡大によるクラスター発生は顧客にとっても最大のリスクであることから、多くの企業でBCP対策として導入を検討していただき、現在では、約1,000名の従業員の在宅勤務が可能となっております。合わせて、採用面接や研修のオンライン化、営業活動における展示会の自粛、代替策としてのウェビナーによるリード獲得等、制約のある中でもサービス品質の向上と企業としての成長の両立を模索した1年となりました。
上記の結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高においては28,845,675千円(前期比15.8%増)となりました。利益状況においては、営業利益2,131,532千円(前期比54.3%増)、経常利益2,167,283千円(前期比49.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,655,401千円(前期比78.4%増)となりました。
なお、当社グループは、コンタクトセンター・BPO事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。
第23期第2四半期連結累計期間(自 2021年6月1日 至 2021年11月30日)
当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は、10月の緊急事態宣言解除後も新型コロナウイルスの新規感染者数が低水準で推移しており、飲食や宿泊などの外出関連業種を含め経済活動の再開が進みつつあります。一方、新型コロナウイルスの変異株の感染拡大に対する懸念等もあり、先行きについては不透明な状況が継続しております。
当社グループが属するコンタクトセンター・BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)業界においては、新型コロナウイルスの感染拡大状況下における企業の働き方の変化、消費者行動の変化、生活様式の変化等の社会変容を背景に、業務のデジタル化や業務体制の見直し等の業務再構築ニーズや在宅でのオペレーションの拡大、BCP対策の強化などの複数のニーズの拡大により、市場規模は堅調に推移しております。
このような経営環境の下、当社グループは2023年5月期までの「中期経営計画2022~ローリングプラン2021」において、「根元から新芽まで健康に成長し続ける会社」をビジョンとし、既存(根元)事業である「コンタクトセンター・BPOサービス」と、新規(新芽)事業である「クラウドPBX Omnia LINK(オムニアリンク)をはじめとするシステム開発・販売」の両面での成長を掲げております。そのビジョンの達成に向けて、①ビジネスの継続的価値向上(根元)②ビジネスの次世代化(新芽)③事業基盤の強化④ダイバーシティ&インクルージョン⑤ESG経営の推進の5つの取組方針を設定し、継続的に取り組んでまいりました。
当第2四半期連結累計期間においては、当社の既存(根元)事業であるコンタクトセンターサービスと新規(新芽)サービスであるOmnia LINKの融合によるクロスセル型の受注が目立ちました。コンタクトセンターサービスをご発注いただいているお客様企業へのOmnia LINKの導入や、Omnia LINKにお問い合わせいただいたお客様企業に対し、コンタクトセンターのアウトソーシングをご提案し受注に至るケース等が該当します。コンタクトセンターで導入されるシステムのクラウド化が進み初期投資が小さくなっていることから、従来ではシステム部門が導入検討していた基幹システムであるPBX(Private Branch eXchange)においても、コンタクトセンター企画部門が主導して選定に関わるケースが増えております。そのため、当社の強みであるコンタクトセンターサービスとPBXを組み合わせた提案機会が増加しております。引き続き、AIによる音声認識技術を用いた電話応対のリアルタイムテキスト化やRPA(Robotic Process Automation)によるプロセスの自動化など、デジタルテクノロジーと人を融合させることで「顧客接点としての顧客体験価値の最大化」や「生産性向上」を実現し、お客様企業への提供価値を高めてまいります。
また、在宅コンタクトセンターサービス「Bewith Digital Work Place(ビーウィズデジタルワークプレイス)」のさらなる拡大を見据え、業務実施場所に関係なく優秀な人材を獲得する「ロケーションフリー」採用に向けた課題の整理を行ない、在宅オペレーター採用のための人材要件、採用手法、必要なIT要件をまとめております。第3四半期に向けて、ロケーションフリー採用の実行に向けて取り組みました。
以上の取り組みの結果、当第2四半期末におけるOmnia LINKのライセンス数は、内部利用で2,584ライセンス、占有率(コンタクトセンター・BPOサービスでの利用PBXのうち、Omnia LINKが占める割合)は73.8%となりました。またシステムソリューション販売としての外販ライセンス数は930ライセンス、音声認識などのオプション付帯率は48%となり、Omnia LINK外販における第2四半期末におけるARR(年次経常収益。毎月継続して生じる収益×12か月)は2.1億円となっております。また第2四半期末におけるオペレーションブース数は、全国15拠点、5,867ブースとなりました。
また、SDGsで掲げられている「持続可能な開発目標」の達成に向けて、「デジタルを活用した社会課題解決と新たな価値の創造」「働きがいの創出と多様性を尊重しあう社会の実現」「持続可能な地域・社会づくりへの貢献」の3つを当社が取り組むべき重点テーマとして設定を行ない、SDGs推進委員会の主導の元、重点テーマの達成に向けた取り組みを開始いたしました。
上記の結果、売上高は、15,790,038千円、営業利益は、1,280,840千円、経常利益は、1,298,631千円、親会社株主に帰属する四半期純利益は、848,946千円となりました。
なお、当社グループは、コンタクトセンター・BPO事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。
第22期連結会計年度(自 2020年6月1日 至 2021年5月31日)
(単位:千円)
(資産)
当連結会計期間末における総資産額は、8,487,223千円となり、前連結会計年度末比1,040,239千円増加となりました。これは主に、営業活動による収入に伴う現金及び預金の増加460,193千円、売上高増加に伴う売掛金の増加251,196千円、コンタクトセンター拠点の新設及び増床に伴う有形固定資産の増加147,351千円、コンタクトセンター拠点の新設及び増床に伴う敷金及び保証金の増加95,332千円によるものであります。
(負債)
当連結会計期間末における総負債額は、4,273,139千円となり、前連結会計年度末比147,880千円減少となりました。これは主に、借入金の返済239,780千円によるものです。
(純資産)
当連結会計期間末における純資産額は、4,214,084千円となり、前連結会計年度末比1,188,119千円増加となりました。これは主に、配当金の支払460,800千円があり、一方で親会社株主に帰属する当期純利益1,655,401千円を計上したことにより利益剰余金が増加したためです。
第23期第2四半期連結累計期間(自 2021年6月1日 至 2021年11月30日)
(単位:千円)
(資産)
当第2四半期連結会計期間末における総資産額は、8,343,031千円となり、前連結会計年度末比144,192千円減少となりました。これは主に、売上高増加に伴う売掛金の回収はあるものの、配当金の支払及び法人税等の納付に伴う現金及び預金の減少578,350千円、売上高増加に伴う売掛金の増加470,473千円によるものであります。
(負債)
当第2四半期連結会計期間末における総負債額は、3,849,602千円となり、前連結会計年度末比423,537千円減少となりました。これは主に、コンタクトセンター拠点の新設及び増床に伴う設備関連費用の支払に伴う未払金の減少387,563千円、未払費用の増加186,312千円、消費税の納付による未払消費税等の減少190,774千円によるものです。
(純資産)
当第2四半期連結会計期間末における純資産額は、4,493,429千円となり、前連結会計年度末比279,345千円増加となりました。これは主に、配当金の支払569,600千円があり、一方で親会社株主に帰属する四半期純利益848,946千円を計上したことにより利益剰余金が増加したためです。
第22期連結会計年度(自 2020年6月1日 至 2021年5月31日)
(単位:千円)
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、2,628,614千円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、1,476,453千円(前年同期は1,553,024千円の資金の獲得)となりました。主な増加要因として税金等調整前当期純利益2,164,291千円(前年同期1,445,600千円)、売上原価の増加に伴う営業債務の増加331,266千円(前年同期243,321千円)等があった一方で、減少要因として売上債権の増加251,056千円(前年同期598,412千円)、法人税等の支払額607,545千円(前年同期416,272千円)があったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果支出した資金は、302,396千円(前年同期は387,534千円の支出)となりました。主な減少要因としてコンタクトセンター拠点の新設及び増床に伴う有形固定資産の取得による支出174,167千円(前年同期213,368千円)、無形固定資産の取得による支出31,556千円(前年同期62,957千円)、敷金及び保証金の差入による支出96,251千円(前年同期116,216千円)があったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果支出した資金は、713,864千円(前年同期は567,988千円の支出)となりました。主な減少要因として、借入金の返済による支出239,780千円(前年同期222,388千円)、配当金の支払額460,800千円(前年同期345,600千円)があったことによるものです。
第23期第2四半期連結累計期間(自 2021年6月1日 至 2021年11月30日)
(単位:千円)
当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物は、2,050,264千円になりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、146,608千円となりました。主な増加要因として税金等調整前四半期純利益1,298,224千円等があった一方で、減少要因として売上高増加に伴う売上債権の増加471,298千円、未払消費税等の減少198,075千円、法人税等の支払額499,132千円があったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果支出した資金は、155,358千円となりました。主な減少要因としてコンタクトセンター拠点の新設及び増床に伴う有形固定資産の取得による支出116,226千円、無形固定資産の取得による支出32,988千円があったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果支出した資金は、569,600千円となりました。主な減少要因として配当金の支払額569,600千円があったことによるものです。
当社グループは、生産に該当する事項がないため、生産実績に関する記載はしておりません。
当社グループは、受注生産をしておりませんので、受注実績に関する記載はしておりません。
当社グループは、コンタクトセンター・BPO事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載をしておりません。
(注)なお、主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は以下のとおりです。
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。
第22期連結会計年度(自 2020年6月1日 至 2021年5月31日)
a.売上高
当連結会計年度における総売上高は28,845,675千円となっており、売上高成長率は、15.8%となり、5年連続の2桁成長を実現しました。高い成長率を維持できている要因としては、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、各企業でビジネス環境が大きく変化する中、当社においては、自社開発のクラウドPBX Omnia LINKを保有していることによって、顧客の要望に応じた柔軟な拠点戦略を実行できたことにより、機会を逃さずに確実な受注につなげたことにあります。具体的には、琴似センター(臨時拠点)の開設や、新宿パークタワーにおける営業オフィスのコンタクトセンター化、顧客要望による長崎センターのフロア増床などの実行がなされ、案件の取り込みに成功しております。
また、当連結会計年度における総売上高の約80%がコンタクトセンターサービスの提供となっており、残り約20%がBPOサービスとなっております。BPOサービスの中には、コンタクトセンターサービスとの複合で成立しているものも多くあり、これらの運営をワンストップで担うことが出来るのが当社の強みでもあります。当社では、一つの受託業務の中に含まれるコンタクトセンター機能とBPO機能を比較し、コンタクトセンター機能の割合が大きいものをコンタクトセンターサービス、BPO機能の割合が大きいものをBPOサービスとして分類しております。
第2 事業の状況 2 事業等のリスク で記載の通り当社はその事業の一部において、親会社グループと競合している、もしくは競合している可能性があります。BPOサービスの内、親会社グループと競合していると言えるのは、コンタクトセンター機能がほぼ含まれない構成のBPOサービス、かつ業務設計等のノウハウを要さないものでありますが、その割合はBPOサービスの中でもおよそ半分程度の構成比であり、当連結会計年度における総売上高から見れば概ね10%前後の比率に留まります。
b.売上原価、売上総利益
当連結会計年度の売上原価は24,073,506千円(前期比113.8%)となりました。今期は、オペレーターの派遣比率の低減に取り組み、人材派遣費用を抑えることができました。結果、当連結会計年度における売上原価率は83.5%となり、前連結会計年度の売上原価率85.0%より1.5ポイント減少しております。以上の結果、当連結会計年度における売上総利益は4,772,169千円(前期比127.5%)となりました。
c.販売費及び一般管理費、営業利益
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は2,640,637千円(前期比111.8%)となりました。増加の主な要因は事業拡大により従業員が増加したことによる人件費の増加になります。ただし、売上高に対する割合は9.2%となり、前連結会計年度の9.5%より0.3ポイントの減少となりました。事業拡大による人件費の増加はあるものの、コーポレート部門の業務の効率化やデジタル化に取り組み、事業の拡大に対する人件費の増加を一定程度抑えることができました。以上の結果、当連結会計年度における営業利益は2,131,532千円(前期比154.3%)となりました。
d.営業外損益、経常利益
当連結会計年度において主に新型コロナウィルス感染症に関する補助金収入37,041千円(前期比53.7%)等により営業外収益は39,915千円(前期比55.2%)、支払手数料2,250千円(前年同期比2,250千円の増加)、子会社株式取得関連費用1,000千円(前年同期比1,000千円の増加)等により営業外費用は4,164千円(前期比92.9%)となりました。結果、経常利益は2,167,283千円(前期比149.5%)となりました。
e.特別損益、親会社株主に帰属する当期純利益
当連結会計年度において固定資産除却損2,992千円(前期比82.3%)、法人税等合計は502,088千円(前期比97.9%)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は1,655,401千円(前期比178.3%)となりました。
第23期第2四半期連結累計期間(自 2021年6月1日 至 2021年11月30日)
a.売上高
当第2四半期連結累計期間における売上高は15,790,038千円となりました。新型コロナウイルス感染症の影響による顧客のビジネス環境の変化や要望に対し、自社開発のクラウドPBX Omnia LINK等により柔軟な対応ができたことで、既存顧客の案件拡大及び新規案件の獲得に伴うコンタクトセンターサービスの売上高が増加したことが主な要因になります。
b.売上原価、売上総利益
当第2四半期連結累計期間における売上原価は13,208,921千円、売上総利益は2,581,117千円となりました。緊急を要する高利益案件の獲得、運営するものの、売上高の増加に伴い、売上原価は増加しております。引き続きオペレーターの派遣比率の低減に取り組んでおります。
c.販売費及び一般管理費、営業利益
当第2四半期連結累計期間における販売費及び一般管理費は1,300,277千円となりました。事業拡大による人件費の増加により販売費及び一般管理費が増加しており、営業利益は1,280,840千円となっております。
d.営業外損益、経常利益
当第2四半期連結累計期間において補助金による収入21,608千円等により営業外収益は22,574千円、上場関連費用4,000千円等により営業外費用は4,783千円となりました。結果、経常利益は1,298,631千円となりました。
e.特別損益、親会社株主に帰属する当期純利益
当第2四半期連結累計期間において固定資産除却損407千円、法人税等合計は449,278千円となり、親会社株主に帰属する四半期純利益は848,946千円となりました。
② 財政状態に関する認識及び分析・検討内容
財政状態の分析については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② 財政状態の状況に含めて記載しております。
③経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の進捗について
当社グループは堅実で持続的な成長の実現を通じて新たな事業創出を図り、豊かな社会づくりへの貢献を目指しており、売上高成長率及び営業利益成長率を経営上の目標の達成状況を判断するための客観的指標としております。
第22期連結会計年度において売上高は28,845,675千円となり前年同期比からの成長率は15.8%となっております。その要因は新型コロナウイルス感染症の影響で先行きが不透明な中で、自社開発のクラウドPBX Omnia LINK等の活用による柔軟な対応を通じて新規大型案件の獲得が進んだこと、また既存案件の価格交渉によるものです。引き続き新規大型案件の獲得に取り組み成長率の向上を図ります。
営業利益は2,131,532千円で前年同期比の成長率は54.3%となっております。売上原価を低減させるため人材派遣の起用を縮小させる取り組みを行うとともに、コーポレート部門の業務の効率化及びデジタル化を通じた販売費及び一般管理費の抑制によるものです。
④ キャッシュ・フローの状況分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る内容
a.キャッシュ・フローの状況分析
キャッシュ・フローの状況の詳細は「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.資本の財源及び流動性に係る内容
当社グループの主な資金需要は運転資金と設備投資資金になります。運転資金は、「営業活動によるキャッシュ・フロー」および銀行借入金にて賄う方針であります。具体的には、手元流動性資金、国内金融機関2行と締結している特殊当座貸越枠のフレキシブルな資金調達手段を確保し、流動性リスクを適切にコントロールしてまいります。また、設備投資資金に関しては、内部留保及び資金計画に基づき、長期借入による調達を行い、財務の安定性を確保してまいります。
⑤ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっての会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりです。
新型コロナウイルス感染症の影響については「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載しております。
また、この連結財務諸表の作成にあたり、決算日における資産・負債の報告数値及び報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積りや判断を行う必要があります。過去の実績や現在の状況に応じ、合理的と考えられる様々な要因に基づき見積り及び判断を行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。
当社グループは顧客とすり合わせをしながら、顧客課題に合わせたサービス展開を行なうことを前提として、特定の研究開発部門を持たず、顧客対応部門にて研究開発に取り組んでおります。各部門が新たに研究開発するべきテーマを持ちサービス企画をするための枠組みとして「新規事業開発プログラム」を実施しております。新規事業開発プログラムは顧客ニーズを十分に理解した営業部門やオペレーション部門の部長を中心に取り組んでおり、事務局は経営企画部となっております。
Omnia LINKについては、当社と子会社の双方が参加する月に1回の「Omnia LINK成長戦略会議」において、新たな機能拡充の方針について協議し、研究開発の方針や方向性、優先順位を決定しております。参加者は、当社取締役、子会社取締役(当社との兼務者含む)、子会社監査役(当社との兼務者含む)、当社営業部門管掌執行役員、当社オペレーション部門管掌執行役員、当社Omnia LINK外販の営業責任者、当社マーケティング責任者、事務局である当社経営企画部となっております。
第22期連結会計年度(自 2020年6月1日 至 2021年5月31日)
当社グループは、既存事業である「コンタクトセンターBPOサービス」の高度化を図り、顧客の環境に合わせた新たな価値創造型DXをご提供する「Bewith3.0」の実現に向けた研究に取り組んでおります。
顧客のニーズの変化や要望、顧客が直面する問題点や課題をきめ細かに把握した上で、新たなビジネスモデルを構築するため、顧客業界を熟知する営業部門やオペレーション部門の管理職がビジネスを検討する「新規事業開発プログラム」を通じて、事業の研究開発を行なっております。2021年度の5月期の研究開発費は、
第23期第2四半期連結累計期間(自 2021年6月1日 至 2021年11月30日)
当社グループは、既存事業である「コンタクトセンターBPOサービス」の高度化を図り、顧客の環境に合わせた新たな価値創造型DXをご提供する「Bewith3.0」の実現に向けた研究に取り組んでおります。
顧客のニーズの変化や要望、顧客が直面する問題点や課題をきめ細かに把握した上で、新たなビジネスモデルを構築するため、顧客業界を熟知する営業部門やオペレーション部門の管理職がビジネスを検討する「新規事業開発プログラム」を通じて、事業の研究開発を行なっております。当第2四半期連結累計期間における研究開発費は、