第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 会社の経営の基本方針

当社は、株式会社青森銀行と株式会社みちのく銀行(以下、「両行」という。)の完全親会社として2022年4月1日に設立され、グループとして新たな一歩を踏み出しました。「地域の未来を創る」「お客さまと歩み続ける」「一人ひとりの想いを実現する」を経営理念としております。

両行グループのノウハウや情報・ネットワークの融合を通じた金融仲介機能の強化や地域の優位性等を活かした事業領域の拡大によって地域・お客さまと共通価値を創造するとともに、経営の合理化・効率化を通じて健全な経営基盤の構築を図り、もって、金融システムの安定と金融サービスの提供の維持・向上、地域産業の更なる発展と地域住民の生活の向上に繋げることで、地域とともに持続的な成長を果たしてまいります。

 

(2) 中長期的な会社の経営戦略

当社は、「地域の未来を創る」、「お客さまと歩み続ける」、「一人ひとりの想いを実現する」を経営理念に掲げ、2022年4月から2025年3月までを計画期間とする第1次中期経営計画『挑戦と創造』をスタートさせました。

本計画では、「金融仲介機能の強化」、「事業領域の拡大」、「経営の合理化・効率化」、「グループ基盤の強化」を基本戦略とし、シナジーを早期に実現し、強固な経営基盤の構築に取り組んでまいります。

 

(3)目標とする経営指標

2022年4月よりスタートさせました第1次中期経営計画「挑戦と創造」における最終年度(2024年度)の経営指標の目標は以下のとおりです。

経営目標

算出方法

当該目標を掲げる理由

2025年3月期

(計画最終年度)

貸出金平残

(市場性除く)

貸出金平残―市場性貸出

金融仲介機能の更なる強化を図るため

3兆3,700億円

コア業務純益(※1)

(投信解約損益除く)

コア業務純益―投資信託解約損益

事業の収益性を追求するため

29億円

(※2) (69億円)

連結当期純利益 

連結財務諸表上の数値

事業の収益性を追求するため

13億円

(※2) (53億円)

 

※1.両行単体の単純合算です。
※2.( )は統合関連費用及び交付金等を除いた参考値です。
 

(4) 当社第1次中期経営計画の取組み内容

①「金融仲介機能の強化」

当社グループでは、お客さまのライフステージ・事業活動に寄り添い、課題やニーズへの対応を総合的に支援する「伴走型コンサルティング」支援の強化を重点施策の一つとしており、両行のノウハウの結集や専門人材の育成など体制の強化に取り組んでおります。

2023年度においては、両行のコンサルティングサービスの統一・強化を進めると共に、連結子会社であるあおもり創生パートナーズ株式会社(以下、「ACP」という。)に両行の本業支援機能や事業承継・M&Aコンサルティング機能を集約し、ノウハウを結集することで高度な専門性を発揮してお客さまの課題等に解決策を提供する体制を構築しました。ACPの担う高度なコンサルティング機能「コンサルティングファーム」は2024年4月より運営を開始しております。

また、同じく2024年4月より両手型の人材紹介事業へ参入し業務を開始しております。これまでの人材紹介機能をより強化し、地域事業者さまの求人ニーズだけでなく、求職者さまの求職・転職ニーズについても人材紹介会社を介さずに自社で直接対応する取り組みとなります。地域事業者さまのご要望に応じた最適な人材のマッチングを通じて、地域経済の底上げと地域産業の発展に貢献することを目指しております。

 

②「事業領域の拡大」

青森県は「農林水産」「ものづくり」「観光」「ライフ(医療・健康福祉)」「グリーン(環境・エネルギー)」といった地域経済活性化に資するさまざまな分野においてポテンシャルや強みを有しております。当社では地域の優位性やポテンシャルを活かし、グループの強みやノウハウ・ネットワークを結集することにより、従来の取り組みを、より面的・立体的な取り組みに発展させることで、地域に根差した産業の共創を目指しております。

当社が地域の中で総合商社的な役割として、従来からの取り組みである「つなげる・投資する」機能に加え、自らが新分野への挑戦を通じて「経営する」というビジネスモデルに深化させることで、事業領域の「深さ」(既存事業の「深化」としての領域拡大)と「広さ」(新分野への挑戦としての領域)を拡大する「地域バリューアップモデル」を2023年5月に策定し、取り組みを進めております。このうち事業領域の拡大への取り組みとして、「地域デザイン機能」「事業創造スタジオ機能」を強化した「地域バリューアップスタジオ」を2024年1月に立ち上げ、地域資源の付加価値向上や地域経済循環の確立につなげる複数のプロジェクトを開始しております。

 

③「経営の合理化・効率化」

2025年1月に実施予定の両行合併後に店舗統廃合の大宗を実施する予定としておりますが、店舗運営に係る各種コストの削減効果等のシナジー等を早期に実現するべく、合併前においても店舗統廃合を実施しております。2023年度においては2店舗の統廃合を実施し、2022年度に実施した7店舗と合わせ、合併までに実施を予定していた9店舗の統廃合を完了しております。また、合併後の店舗網の検討も進め、2025年度~2026年度の間に統廃合を行う予定の34カ店の店舗名の公表を実施しております。

 

④「グループ基盤の強化」

イ.組織融和・人材力の強化

近接する両行の営業店をパートナー店とし、営業店の交流や合併に向けた相互支援・協力体制を強化する「パートナー店制度」を2022年度より導入し、両行職員の人材交流を通じて、互いの組織・文化を理解することに努めております。また、2023年6月より両行合同でのキャリア形成支援研修を開始したほか、2023年10月より銀行合併に向けた預金や融資等の事務研修を開始するなど、人材力の強化にも取り組んでおります。

2024年3月より本部拠点の統合も開始しております。合併に先立ち両行の職員が同一の執務室で勤務する事前同居をスタートさせ、実質「ワンバンク」として業務を行っております。

ロ.サステナビリティ推進

当社では2022年4月に「サステナビリティ方針」を定め、ステークホルダーとの5つのお約束を掲げると同時に「TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言」への賛同を表明しております。

2024年2月には当社グループが地域課題の解決を目的として事業活動において優先的に取り組むべきマテリアリティ(重要課題)を特定しております。加えて、各マテリアリティに関連して当社グループの事業活動が地域に対しどのようなインパクトを与え得るのか整理するとともに、当社グループの主要な取り組み項目についてはKPI(目標までの達成度を示す指標)を設定しております。

また、当社グループとして初となる統合報告書を2024年2月に刊行しております。統合報告書では、当社グループの価値創造プロセスや中期経営計画、気候変動問題や人的資本などのサステナビリティに関する取り組みについてまとめております。

サステナビリティ推進に関する詳細については後述の「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組」に記載しております。

 

(5) 会社の対処すべき課題

新型コロナウイルスの5類移行により経済活動が正常化に向かう中、物価高騰や人手不足への対応など事業者を取り巻く環境は依然として厳しい状況にあります。また、当社グループが地盤としている青森県においては、少子高齢化や人口減少などの社会構造の変化に伴う影響が増大していくことが懸念されております。加えて、円安の進行や日本銀行におけるマイナス金利政策の解除など金融環境も大きく変化しております。

変化のスピードが速く先行きの不確実性が高い経営環境の下であっても、「地域の課題を解決し、地域の持続的な成長を実現する」という当社グループが果たすべき使命は不変であります。地域経済を持続的に支えていくためには当社グループを取り巻く環境変化に対応しつつ経営基盤を強化していくことが必要であり、足元では銀行合併・システム統合を着実に実行していくことが最優先課題であると認識しております。引き続き合併及びシステム事務統合に向けた準備を進めるとともに、両行役職員の融和に向けて取り組み、統合シナジーの発揮を目指してまいります。

また、2024年度は第1次中期経営計画(2022年4月~2025年3月)の最終年度となります。中期経営計画達成に向けて、伴走型コンサルティングの強化や事業領域の拡大、金融サービス・ソリューションの強化や業務・サービスのデジタル化など基本戦略に基づいた各種取り組みを着実に進めてまいります。

こうした取り組みを通じて、地域の金融機関としての社会的責任を果たし、地域社会の発展に尽力してまいりたいと考えております。

 

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)サステナビリティ

当社は2022年4月に「プロクレアホールディングス サステナビリティ方針」を策定し、持続可能な地域社会の実現に貢献することを目指しております。

2023年3月には、気候変動問題等の社会の不確実性が高まる環境下、企業の稼ぐ力と社会の持続可能性を同期化し、中長期的な企業価値を創造するための事業・経営改革であるサステナビリティ・トランスフォーメーション(SX)を推進するため、SX推進委員会およびSX推進室を設置し体制を強化いたしました。

2024年2月には当社グループが地域課題の解決を目的として、事業活動において優先的に取り組むべきマテリアリティ(重要課題)を特定しております。加えて、各マテリアリティに関連して当社グループの事業活動が地域に対しどのようなインパクトを与え得るのか整理するとともに、当社グループの主要な取り組み項目についてはKPIを設定しております。

今後も環境、社会、ガバナンスの観点から持続可能な事業活動を通じて地域社会に貢献してまいります。

 


 

 

<マテリアリティ一覧>


<各KPIの2023年度実績>

テーマ

項目

2023年度実績

地域経済

サステナブルファイナンス実行額

557億円

地域経済

創業・新事業支援件数

629件

地域経済

事業承継・M&A支援件数

483件

地域経済

人材紹介支援件数

45件

地域経済

新規事業シーズ発掘件数

3件

自然環境

サステナブルファイナンス(うち環境分野)実行額

138億円

自然環境

Scope1・2 削減割合

▲35.3%(2013年度比)

自然環境

サステナブルファイナンス(うち農林水産分野)実行額

40億円

人的資本

サステナビリティ関連資格取得者数

85名(2024年3月末現在)

人的資本

管理職以上に占める女性の割合

青森銀行13.4%、みちのく銀行30.7%(2024年3月末現在)

 

 

① ガバナンス

取締役会はSXに係る当社グループの取り組みに関して監督する役割を担っております。サステナビリティの実現のための戦略を含む経営上の重要事項について決定するほか、SX推進委員会における議論の状況をモニタリングし、必要に応じて指示を行うこととしております。

SX推進委員会は、取締役社長を議長とし、関連部門の担当役員から構成されます。四半期に1度開催され、SX推進に係る方針や戦略の策定に関する事項、SX推進施策の進捗状況に関する事項、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)対応の取り組み状況に関する事項などについて審議を行うこととしております。

2023年度はSX推進委員会を9回開催し、Scope1.2に係る削減目標の設定や人的資本に係る取り組み、マテリアリティ特定に向けた審議等を実施するとともに、その内容について取締役会へ報告しております。

 

② リスク管理

当社グループのリスク管理態勢では、リスク管理委員会において信用リスク、市場リスク、流動性リスク、オペレーショナルリスクなどを総合的に評価・管理しております。

サステナビリティに関するリスクについても、当社グループでは対応の重要性を認識しており、上記のような各種リスクに影響を与えるリスクドライバーであると認識しております。

SX推進委員会では、サステナビリティに対するガバナンス体制の中で、リスク管理委員会とも連携しながら、その重要性に応じた適切な対応が取られるよう、管理態勢の高度化に努めてまいります。

 

(2)個別重点項目の状況

① 気候変動

当社グループでは気候変動を含むサステナビリティの実現に向けた対応を経営上の重点課題と認識し、脱炭素社会の実現に向けて取り組んでおります。

さらに、当社グループは2022年4月にTCFD提言に賛同しており、今後も情報開示の充実化に努めてまいります。

 

イ.ガバナンス

ガバナンスについては、「(1)サステナビリティ」に記載している内容と同様のものとなります。

 

ロ. 戦略

気候変動を含むサステナビリティの実現に向けた戦略に反映していくため、当社グループでは、1.5℃/2℃シナリオおよび4℃シナリオを前提に、気候変動のリスクおよび機会を、短期(5年程度)、中期(2030年まで)、長期(2050年まで)の時間軸で評価しております。

 

リスク・機会の種類

事業へのインパクト

顕在時期

移行

リスク

政策・規制

市場

技術

脱炭素社会に向けた政策・規制等の変更への対応や市場の変化が投融資先の事業環境や業績を通じて当社グループの与信コスト等に及ぼす影響

中期~長期

評判

気候変動対応や情報開示が不十分と認識されることに伴う当社グループの風評への影響

短期

物理的

リスク

急性リスク

洪水等の自然災害の増加が投融資先の事業環境や業績、又は担保の価値毀損を通じて当社グループの与信コスト等に及ぼす影響

短期~長期

洪水等の自然災害の増加に伴う当社グループの資産への影響

短期~長期

慢性リスク

感染症や熱中症の増加が投融資先の事業環境や業績を通じて当社グループの与信コスト等に及ぼす影響

中期~長期

機会

商品・サービス

脱炭素社会に向けた商品・サービス開発に係る企業の資金需要の増加

短期~長期

資源効率化・エネルギー源

企業の資源効率化・使用エネルギー源変更等に伴う投資にかかる資金需要の増加

短期~長期

評判

脱炭素社会に向けた貢献が認知されることによる事業機会の拡大

中期~長期

 

 

●移行リスク

 IEA(国際エネルギー機関)の1.5℃シナリオに基づき、電力セクターに該当する与信先を対象として、日本国内で炭素税が導入された場合の財務への影響を計測いたしました。2050年までを対象とした分析の結果、与信費用が累計で最大109億円増加する見込みとなりました。今後は電力以外のセクターの分析も進めてまいります。

項目

内容

シナリオ

IEA(国際エネルギー機関)による「2050年ネットゼロ排出量シナリオ」を採用

※産業革命以降の世界の気温上昇を1.5℃までに抑えることを前提に、2050年に温室効果ガス排出量を実質ゼロにするため、システム移行に関するロードマップが示されている

対象セクター

電力(再生エネルギー事業を除く)

対象期間

2024年3月末を基準として2050年まで

指標

与信費用(債務者区分判定に基づく信用コスト)

分析結果

2050年までの累計で最大109億円の与信費用増加

 

 

●物理的リスク

 IPCC(気候変動に関する政府間パネル)4℃シナリオを基に、青森県全域及び北海道全域にて大規模水害が発生した場合の与信先の状況等を分析し、当社グループ財務への影響を計測いたしました。2050年までの気温上昇を考慮した分析の結果、与信費用は25億円の増加見込みとなりました。今後は与信先の売上減少店舗や担保毀損物件をハザードマップに反映させる所在地の精緻化に努めてまいります。

項目

内容

シナリオ

IPCC(気候変動に関する政府間パネル)による「RCP8.5シナリオ(4℃シナリオ)」を採用

※2050年までに「100年に一度規模の洪水が発生」

対象地域

青森県全域および北海道全域

対象先

事業性与信先(個人事業主を除く)

指標

与信費用

 ①与信先の営業停止による売上減少を踏まえた債務者区分の悪化

 ②与信先の担保毀損による保全減少

分析結果

25億円の与信費用増加

 

 

●炭素関連資産の割合

 TCFD提言において開示を推奨している炭素関連セクターへの与信が青森銀行・みちのく銀行合算の貸出金に占める割合は、2024年3月末時点で15.56%となっております。

 

ハ.リスク管理

当社グループでは、気候変動に関するリスクへの対応の重要性を認識しており、その管理態勢の構築に努めております。

SⅩ推進委員会では、サステナビリティに対するガバナンス体制の中で、リスク管理委員会とも連携しながら、その重要性に応じた適切な対応が取られるよう、管理態勢の高度化に努めてまいります。

気候変動やそれに伴う外部環境の変化については、シナリオ分析を通じて影響を評価するとともに、総合的なリスク管理の枠組みに反映していくことを検討してまいります。

認識した移行リスクに対しては、リスクの低減や地域の脱炭素社会への移行を促進する観点から、投融資先の課題を踏まえたエンゲージメントを強化していく方針です。

 

ニ. 指標及び目標

当社グループでは、気候変動関連リスク・機会を評価・管理するための指標として温室効果ガス排出量を設定しております。パリ協定の国際的な実施に向け、気候変動関連ファイナンスやエンゲージメント等を通じ、2050年までにScope1~3をネットゼロとすることを長期目標としております。また、自らの温室効果ガス排出量(Scope1、2)については、2030年度までに2013年度比で55%削減することを中期目標としております。

(GHG排出量単位:t-CO2)


Scope1:燃料消費を通じた自社グループの直接排出

Scope2:他社から供給された間接排出(電気・熱などの使用)

※CO2排出量の算定について

 ガソリンに係る排出量:給油量又は車両燃料費÷青森県ガソリン単価にて算出

 その他Scope1.2:「省エネ法定期報告書」をベースに算出

 

●GHG排出量Scope3カテゴリー15の算出

 投融資先が排出する温室効果ガスの排出量であるScope3カテゴリー15は、金融機関におけるScopeの中でも大きなウェイトを占めることから、PCAF(※1)スタンダードの計測手法に基づき、当社グループの投融資ポートフォリオにおけるファイナンスドエミッション(金融機関持ち分のCO2排出量)を試算した結果、4,704,981 t-CO2 (2024年3月末基準)となりました。

 

セクター

ファイナンスドエミッション

(t-CO2)

エネルギー

石油・ガス

132,376

石炭

電力会社

373,073

運輸

航空貨物輸送

航空旅客輸送

45,160

海運

51,812

鉄道輸送

6,651

トラックサービス

248,222

自動車・部品

33,133

素材・構築物

金属、鉱業

73,784

化学品

148,869

建材

416,593

資本財(建物等)

734,378

不動産管理、開発

48,012

農業、食料、林産品

飲料

12,865

農業

201,507

包装食品、肉

392,369

紙、林産品

77,041

その他

その他

1,709,137

合計

4,704,981

 

<計算式>

PCAFに基づき以下の計算を行っています。

 ファイナンスドエミッション=Σアトリビューション・ファクターi×排出量i

 アトリビューション・ファクターi=投融資額i/資金調達総額i(iは各融資先)

なお、排出量は各融資先の開示情報から得られたデータに基づきますが、開示情報がない場合は売上高あたりの排出係数に基づき推計値を算出しております。

<対象時点>

 融資残高:2024年3月末時点

 融資先売上高等財務指標:算定を行った2024年3月末時点で当社の保有する各融資先の最新決算情報

<補足事項>

 ・Scope3カテゴリー15の計測項目は投融資ポートフォリオのGHG排出量が対象となりますが、2023年度は融資先国内事業法人のScope1及びScope2を算定しております。

 ・排出係数は「サプライチェーンを通じた組織の温室効果ガス排出等の算定のための排出原単位データベースVer3.4(環境省2024年3月)」を使用しております。

 ・算定方法については、PCAFスタンダードのメソドロジー変更や高度化等により、将来変更する可能性があります。その場合には、変更点を明らかにした上で計測結果を開示してまいります。

 

   ※1 Partnership for Carbon Accounting Financials 金融機関の投融資ポートフォリオにおける温室効果ガス排出量を計測・開示する方法を開発する国際的なイニシアティブ

 

② 人的資本

イ.ガバナンス

ガバナンスについては、「(1)サステナビリティ」に記載している内容と同様のものとなります。

 

ロ. 戦略

 当社にとって最大の経営資源は「人」であり、いかなる環境においても、「人」と「組織」の持続的成長が重要であると考えております。

 当社は人材を資本と捉え、投資を通じて、職員一人ひとりがプロフェッショナルとしての専門性や強みを磨くとともに、自ら考え行動し、自身の能力を最大限発揮できる自律人材を育て、活躍を全力で後押ししてまいります。また、多様な価値観や能力を有する職員と当社とが、自律した対等な関係のもと、互いに成長し続けることを目指してまいります。

 これらのことを具現化していくため、「自律を促す」「多様性を活かす」「エンゲージメントを高める」を人材戦略のフレームワークとし、戦略の実践と開示を循環させ、人と組織の持続的成長を促すことにより、経営理念である“地域の未来を創る”の実現に取り組んでまいります。

 

(人材育成方針)

職員一人ひとりがプロフェッショナルとしての専門性や強みを磨くとともに、自ら考え、行動し、自身の能力を最大限に発揮できる「自律人材」を育成してまいります。

 

(社内環境整備の方針)

職員一人ひとりがジェンダー等の属性や多様な価値観を認め合い、尊重できる組織風土づくりを広く浸透させるとともに、職員と当社とが、自律した対等な関係のもと、互いに成長し合える取り組みを行い、全ての職員が活躍できる組織を創ってまいります。

 

●自律を促す

 職員が自身の「ありたい姿」を描くことによる成長マインドの醸成と、一人ひとりのありたい姿の具現化に必要となる学びの機会、成長の機会を広く提供しております。また、職員自身がキャリアを振り返る機会を定期的に提供することにより、一人ひとりの「自律」を後押ししてまいります。

 

(成長マインドの醸成)

 自律的キャリア形成の第一歩として、キャリアプランを明確にしていくためのキャリア育成等を実施し、自発的な成長マインドを醸成しております。

 2025年1月に設立予定の新銀行の人事制度では、自律的なキャリア形成を推し進めるために「Will Can Must」フレームワークの導入を予定しています。自身が実現したいこと「Will」、活かしたい強みや克服したい課題「Can」、業務目標や能力開発につながるミッション「Must」により構成されるフレームワークを用いて、現在の担当業務において挑戦、実現したいことを具体的に目標に結びつけ、半年ごとのサイクルにより、職員の自発的な取り組み、成長を支援してまいります。

取り組み施策:年代別キャリア研修、階層別研修、1on1ミーティング

 

(主体性・専門性の向上)

 お客さまの課題を的確に把握し、適切で価値の高いソリューションを提供していくには、高度な知識やスキルを備えた提案力、実行力が求められます。職員が有する知識・スキルのレベルに応じた各種研修の開催、資格取得のサポート等を行うことにより、地域の未来を創るプロフェッショナル人材の育成に努めております。

取り組み施策:公募型研修、公募型セミナー、業務別研修(公募制)、高難易度資格取得支援

 

(能力発揮)

 職員一人ひとりの主体性や専門性の向上、自身が描くありたい姿や実現したいことなどの自律的なキャリア形成をサポートするため、自らの意思で希望する職務にチャレンジできる公募制度を実施しております。

 また、社内のみならず、社外において多様な経験に触れることにより、スキルやノウハウの蓄積、視野の拡大等の自己成長につなげる機会として副業制度を導入しております。新たな気づきを得て、自身のありたい姿を再考する契機とすることで、キャリア自律を推し進めるとともに、幅広い地域活動への参加を通じて地域に貢献しております。また、地域企業と豊富な経験・スキル・知見を有する当社の人材とを出向等で結びつける人材の循環を通じて、地域の未来づくりをリードしていきたいと考えております。

取り組み施策:公募制度(研修派遣)、副業制度、出向制度

 

<取組実績>                         (2024年3月末現在)

項目

青森銀行

みちのく銀行

FP1級

51名

28名

中小企業診断士

13名

10名

外部での協業人数

21名

26名

 

副業人数

7名

13名

 

外部出向人数

14名

13名

 

 

●多様性を活かす

 「ダイバーシティ&インクルージョン推進チーム(D&I推進チーム)」の活動を通じて、「個性を認め合い、尊重できる組織風土づくり」を広く浸透させるとともに、働く環境の整備から働き方の拡充、そして成長機会・活躍機会の提供へと多様な人材が自身の能力を最大限発揮できる取り組みを行い、全ての職員が活躍できる組織を創ってまいります。

 

(働きやすい環境)

 職員一人ひとりの多様性を主体的な能力発揮に変えていくためには、全ての職員が安心して働ける環境であることが大切であります。両行では、仕事と育児・介護とを両立できる職場づくりの一環として、育児・介護休業制度、育児短時間勤務制度の活用を促すなど、働きやすい環境を整備しております。

取り組み施策:育児・介護休暇制度、育児短時間勤務制度

 

(柔軟な働き方)

 職員一人ひとりが自身の能力を最大限発揮できるよう、上記に加え、両行では、労働時間管理や法定を上回る年次有給休暇の付与と取得促進、フレックスタイム制、テレワーク制度など、一人ひとりが柔軟に働くことができる環境を整備しております。

取り組み施策:時間外労働削減・年次有給休暇取得促進、フレックスタイム制、テレワーク制度

 

 

(多様な人材の活躍)

 性別にかかわらず一人ひとりの多様性を主体的な能力発揮に変えていくために、ジェンダー平等を掲げて女性の活躍をサポートしております。その中でも、マネジメントを担う女性の育成、登用を重要課題と位置付け、十分な成長機会を提供することにより、女性管理職比率の向上に取り組んでおります。

 また、両行では、障がいのある方が成長と働きがいを実感することができるよう、活躍のフィールドを拡げるなどの職場環境づくりに取り組んでおります。

取り組み施策:D&I推進チームの活動、両行障がい者雇用体制の整備

 

  <取組実績>                                  (2023年度)

項目

青森銀行

みちのく銀行

育児休業取得率

 

 

 

男性

111.8%

105.6%

 

女性

133.3%

100.0%

育児のための短時間勤務取得者数

25名

35名

2022年度において出産した女性のうち、2023年度に在職している又は在職していた女性の割合

95.8%

96.2%

時間外労働時間数(月平均/人)

12.2時間/人

19.9時間/人

有給休暇取得率

71.7%

80.5%

障がい者雇用率

2.36%

2.59%

 

 

●エンゲージメントを高める

 多様な価値観や能力を有する職員と当社とが、自律した対等な関係のもと、互いに成長し続けられるよう、職員間のコミュニケーションを通じた相互理解、共感、自律的な行動意欲を高めるための取り組みを行ってまいります。なお、取り組みについては、新銀行において実践と開示ができるよう検討を進めてまいります。

 

ハ. 指標及び目標

当社では、人材育成方針や社内環境の整備を通じて、多様な人材の総活躍を推進していく観点から、マネジメントを担う女性の育成、登用を重要課題と位置付け、管理職以上に占める女性労働者の割合について、以下の目標を掲げ十分な成長機会を提供することにより、女性の管理職比率の向上に取り組んでおります。

なお、外国人については母数が限定的であることから数値目標は設定しておりません。

「管理職以上に占める女性労働者の割合」

 目標  2030年3月末において、30%以上(青森みちのく銀行として)

 実績  2024年3月末 青森銀行13.4%、みちのく銀行30.7%

※管理職とは、青森銀行では、支店長代理・プランナー以上の職位者、みちのく銀行では、課長以上の職位者となっております。

 

3 【事業等のリスク】

当社グループの事業その他に関するリスクについて、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、以下の記載における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。

 

 (重要なリスク)

(1) 経営統合に関するリスク

当社は2022年4月1日、株式会社青森銀行と株式会社みちのく銀行との共同株式移転により設立されました。

しかしながら、当初期待した統合の相乗効果を十分に発揮できないことにより、結果として当社グループの財政状態及び業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。統合の相乗効果の十分な発揮を妨げる要因として以下のものが考えられますが、これらに限定されるものではありません。

①サービス・商品開発の遅れ、顧客との関係悪化、対外的信用の低下、効果的な人員・営業拠点配置の遅延、営業戦略の不統一を含む様々な要因により、収益面における統合効果が実現できない可能性があります。

②経営統合に伴うサービス、商品、業務及び情報システム、営業拠点並びに従業員の再配置等により想定外の追加費用が発生する可能性があります。

③両行の資産及び貸出債権等に関する会計基準、引当金計上方針、内部統制、並びに情報開示の方針及び手続その他の基準を統一することによって、追加の与信関連費用その他の費用や損失が発生する可能性があります。

 

(2) 信用リスク

 ①概 要

当社グループの不良債権は、地盤とする青森県の景気動向、融資先の経営状況の変化及び不動産価格の下落等によって増加するおそれがあり、これに伴い不良債権処理費用が発生し、当社グループの業績及び財務内容に悪影響を及ぼす可能性があります。

具体的には、当社グループは、貸出先の状況、差入れを受けた担保の価値及び諸状況を勘案した前提・見積りに基づき、貸倒引当金を計上しておりますが、経済状態全般の悪化により、担保価値が下落した場合や、引当の前提及び見積りを変更する必要性が生じた場合には、実際の貸倒損失等が貸倒引当金計上時点における前提及び見積りと乖離し、貸倒引当金を超えるおそれがあります。こうした場合には、追加的な与信費用が発生し、当社グループの業績を悪化させる可能性があります。

 

②主な取組み

 当社グループは、当社のクレジットポリシー及び信用リスク管理規程等に従い、貸出金について、個別案件ごとの与信審査や与信限度額の設定、信用情報管理、内部格付、保証や担保の設定及び問題債権への対応など与信管理に関する規程や体制を整備し運営しております。これらの与信管理は、銀行子会社の各営業店及び審査部において実施し、必要に応じて経営会議や取締役会において、審議・報告を行っております。

また、経営改善支援が必要なお客さまにつきましては、お客さまの経営改善に必要な対応を適時的確に行うことで、業況の悪化を未然に防止する体制を構築しております。個社に固有の事業状況及び今後の見通しを踏まえ状況に即した支援方針・支援策を検討するなど、取引先支援について組織的な対応を行っております。

一方、グループ全体としての信用リスクガバナンス体制を強化することを目的として、当社内に審査企画部を設置し、両行の与信管理体制及び審査に関する各種基準とその運用の統一化を進めております。

 

(3) 市場関連リスク

 ①概 要

銀行の業務運営は、経済動向、金利、為替などの金融経済環境の変化から大きな影響を受ける可能性があります。主要なリスクとして以下の3つが挙げられます。

イ.価格リスク

当社グループは市場性のある有価証券を保有しており、大幅な取引価格の下落があった場合には、保有有価証券に評価損が発生し、減損処理による損失の計上等、当社グループの業績に悪影響を与えるとともに、自己資本比率の低下を招くおそれがあります。

ロ.金利リスク

金利が変動した場合、債券相場の変動等により、当社グループの保有する国債をはじめとする債券ポートフォリオの価値等に悪影響を及ぼします。

 

ハ.為替リスク

円高となった場合に、当社グループの保有する外貨建て投資の財務諸表上の価値が減少します。

 

②主な取組み

 当社グループは、ALMによって金利の変動リスクを管理しております。市場リスク管理規程等において、リスク管理方法や手続き等の詳細を明記しており、日常的にはリスク統括部において金融資産及び負債の金利の期間を総合的に把握し、ギャップ分析や金利感応度分析、VaR(バリュー・アット・リスク)等の手法を用いてモニタリングを行っております。また月次でALM・収益管理委員会において、実施状況の把握・確認、今後の対応等の協議を行い、その結果を経営会議に報告し、必要に応じて取締役会に報告しております。

 有価証券投資に係る価格変動リスクについては、市場リスク管理規程に基づき、一定の保有期間と信頼区間に基づくVaRを計測し、そのリスク量が自己資本の一定額に収まっているかを把握し管理しております。

 

(その他のリスク)

(4) 感染症拡大のリスク

新型コロナウイルス等の感染症が流行した場合、当社グループの役職員の出勤困難者の増加等により業務縮小の可能性があるほか、経済活動への悪影響による取引先の業績悪化により信用リスクが増加するなど、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 流動性リスク

金融システムが不安定になるなど市場環境が大きく変化したり、当社の信用状況が悪化した場合には、必要な資金の確保が困難になり、通常よりも著しく高い金利での資金調達により当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 事務リスク

故意または過失により正確な事務を怠ったり、事務事故あるいは不正等を起こした場合、損害賠償等の経済的損失や信用失墜等をもたらす可能性があります。また当社グループが保有する顧客情報等の重要情報を外部に漏洩した場合には、当社グループの社会的信用が低下し、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(7)システムリスク

当社グループが業務上運用しているコンピュータシステムに対して、安定稼動を前提として障害の発生防止に努めておりますが、災害や停電によるものも含め、システムの停止または誤作動等によるシステム障害が発生した場合には、当社グループの業績並びに業務遂行に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(8) 情報資産リスク

当社グループは、顧客情報を多く保有しており、情報資産に関する規程や体制の整備により、情報資産の厳正な管理に努めております。しかしながら、情報資産の漏洩、紛失、改ざん、不正利用等が発生した場合、当社グループに対する信用低下が生じ、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(9) コンプライアンスリスク

当社グループは、各種法令・規則等に従って業務を遂行しておりますが、当社グループの役職員による違法行為等が発生した場合、各種法令・規則等に基づく処分等を受けることになる他、当社グループに対する訴訟等が提起された場合、業績及び財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(10)法令・規制等変更リスク

当社グループは現時点の法令・規制等に従い業務を運営しておりますが、将来において法律、規則、政策、実務慣行、解釈等の変更が行われた場合には、当社グループの業務運営及び業績等に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(11)人的リスク

人事運営上の不公平・不公正・差別的行為等があった場合、職員の士気の低下や人材の流出を招き、当社グループの業務運営及び業績等に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(12)風評リスク

当社グループはディスクロージャー誌等の発刊物や積極的な広報・IR活動等を通じて、経営情報等について広く提供し、風説・風評の発生防止に努めております。しかしながら、市場や顧客の間において、評判の悪化や事実と異なる風説の流布等により信用低下が生じた場合、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(13)経営リスク

2022年4月にスタートしたプロクレアホールディングス第1次中期経営計画に基づき展開する経営戦略等が奏功しない場合、当初想定した結果が得られない可能性があります。

 

(14)競争激化リスク

当社グループが主要な営業基盤とする青森県において、地域金融機関、メガバンク、ノンバンク等との間で競争関係にあります。また、規制緩和を通じた競争環境の激化もあり、当社グループが競争優位を得られない場合、調達コストの上昇、運用利回りの低下等が想定され、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(15)業務範囲拡大に伴うリスク

当社グループは、法令等の規制緩和に伴い伝統的な銀行業務以外の分野に業務範囲を広げております。しかしながら、当該業務の拡大が予想通りに進展せず、収益性が悪化した場合、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(16)自己資本比率に関わるリスク

当社の連結自己資本比率及び銀行子会社の連結及び単体自己資本比率は、「銀行法第52条の25の規定に基づき、銀行持株会社が銀行持株会社及びその子会社の保有する資産等に照らしそれらの自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断する基準」(2006年金融庁告示第20号)に定められた算式に基づき算出しており、国内基準を採用しております。

当社及び銀行子会社の自己資本比率が要求される基準である4%を下回った場合には、金融庁長官から、業務の全部又は一部の停止等の命令を受けることとなります。当社の自己資本比率は以下のような要因により影響を受ける可能性があります。

① 融資先の経営状況の悪化等に伴う不良債権処理費用の増加

② 有価証券ポートフォリオの価値の低下

③ 自己資本比率の基準及び算出方法の変更

④ 繰延税金資産の回収可能性の低下による減額

⑤ その他不利益な展開

 

(17)繰延税金資産に関わるリスク

現時点の会計基準では、過去の業績及び将来の収益力等に基づき回収可能性があると判断された将来減算一時差異に関して、繰延税金資産を計上することが認められております。また、現時点の自己資本比率規制においては、その大部分が自己資本の額に含まれます。当社グループの繰延税金資産の計算は、将来の課税所得の見込み等、様々な予測・仮定に基づいており、実際の結果がかかる予測・仮定とは異なる可能性があります。その結果、繰延税金資産の回収可能性に疑義が生じた場合、当社グループの繰延税金資産の減額による税金調整費用の発生により業績に悪影響を与えるとともに、自己資本比率が低下するおそれがあります。

 

(18)退職給付債務に関わるリスク

金利環境の変化その他の要因により、当社グループの年金資産の時価が下落したり、運用利回りが低下した場合、損失が発生する可能性があります。また、予定給付債務を計算する保険数理上の前提・仮定に変更があった場合には、年金の未積立債務及び年間積立額が増加し追加費用が発生する等、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(19)固定資産の減損会計に関わるリスク

当社グループは「固定資産の減損に係る会計基準」を適用しており、当連結会計年度においても必要額を減損損失として計上しております。しかしながら今後、収益状況や地価の動向など外部環境等の変化によっては、さらなる減損損失を計上する可能性があります。

 

 

(20)外部格付に関わるリスク

当社は外部格付機関による格付を取得しております。外部格付機関が当社の格付を引き下げた場合、資本や資金調達に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(21)災害等のリスク

地震等の自然災害の発生、停電等の社会インフラ障害及び犯罪等の被害を受けることにより、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(22)持株会社のリスク

当社は銀行持株会社であるため、その収入の大部分を傘下の銀行子会社から受領する配当金等に依存しております。一定の状況下で、様々な規制上または契約上の制限等により、その金額が制限される場合があります。また、銀行子会社が十分な利益を計上することができず、当社に対して配当を支払えない状況が生じた場合には、当社株主に対する配当の支払が不可能となる可能性があります。

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次の通りであります。

なお、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(会計方針の変更)」に記載のとおり、当連結会計年度より割賦販売取引の売上高及び売上原価の計上基準を変更しており、前連結会計年度については遡及適用後の数値で比較・分析を行っております。

 

・業績

2023年度における国内経済は、新型コロナウイルスの5類移行により経済活動の制約が解消され、緩やかな回復基調を取り戻しました。しかし、コロナ禍明けに順調に回復していた宿泊や飲食サービス、旅客輸送、レジャーなどの対面型サービスの内需が一巡し停滞の動きがみられ、2024年1~3月期の実質GDP成長率はマイナスに転じております。

日経平均株価の最高値更新や賃上げ、日本銀行による金融政策の枠組みの見直しなど、日本経済のデフレ脱却につながる重要な変化があった一方で、実態面では物価高およびエネルギー価格の高止まりによる節約志向の継続や能登半島地震の影響もあり、2024年度も個人消費を中心とした国内経済は足踏み状態が続く可能性があります。

この間、青森県でも青森ねぶた祭を始めとした各地のイベントが4年ぶりに通常開催されるなど、広い範囲でコロナ禍からの脱却が進みました。インバウンド需要増加により観光を含むサービス消費が回復した一方、長引く物価高騰により家計の消費マインドは依然として伸び悩んでいます。また一部の業種においては、価格転嫁や賃上げに苦慮する状況もみられ、総体として県内景気は緩やかな回復にとどまっています。

以上のような経営環境の中で、当社及び連結子会社11社は、役職員が一体となって経営基盤の拡充・強化に努めてまいりました結果、次のような事業成績となりました。

主要勘定につきましては、預金等(譲渡性預金を含む。)は個人預金及び法人預金並びに公金預金が順調に推移したことから、前連結会計年度末比832億円増加し5兆3,310億円となりました。貸出金は個人ローン及び公共貸出が増加したことから、前連結会計年度末比601億円増加し3兆8,345億円となりました。有価証券は、国内債券の償還等により、前連結会計年度末比1,204億円減少し7,449億円となりました。

損益状況につきましては、有価証券利息配当金の減少や役務取引等利益の減少により、連結経常利益は前連結会計年度比10億12百万円減益の40億94百万円となりました。また、前期計上した企業結合による負ののれん発生益471億40百万円の剥落等により、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度比461億40百万円減益の28億17百万円となりました。

なお、連結自己資本比率は、前連結会計年度末比0.66%低下し8.22%となりました。

セグメントごとの業績は、「(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容」に記載しております。

 

・キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の期末残高は期中829億15百万円増加し1兆2,014億45百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動による資金収支は、借用金の減少額が減少したこと等により、前連結会計年度に比べ5,090億83百万円増加の6億37百万円の増加となりました。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動による資金収支は、有価証券の取得による支出が減少したこと等により、前連結会計年度に比べ317億3百万円増加の1,043億25百万円の増加となりました。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動による資金収支は、自己株式の取得等により、前連結会計年度に比べ191億83百万円減少の220億49百万円の減少となりました。

 

 

(参考)

(1) 国内・国際業務部門別収支

当連結会計年度の資金運用収支は、国内業務部門で前連結会計年度比12億66百万円減益の394億94百万円、国際業務部門で前連結会計年度比9億67百万円減益の14億56百万円となり、合計では前連結会計年度比22億33百万円減益の409億51百万円となりました。

役務取引等収支は、国内業務部門で前連結会計年度比9億80百万円減益の66億80百万円、国際業務部門で前連結会計年度比11百万円増益の25百万円となり、合計では前連結会計年度比9億69百万円減益の67億5百万円となりました。

その他の業務収支は、国内業務部門で前連結会計年度比55億91百万円減益の△60億72百万円となり、国際業務部門で前連結会計年度比25億67百万円増益の△1億44百万円となり、合計では前連結会計年度比30億23百万円減益の△62億16百万円となりました。

 

種類

期別

国内業務部門

国際業務部門

合計

金額(百万円)

金額(百万円)

金額(百万円)

資金運用収支

前連結会計年度

40,760

2,423

43,184

当連結会計年度

39,494

1,456

40,951

うち資金運用収益

前連結会計年度

41,224

3,008

0

44,232

当連結会計年度

39,740

1,659

0

41,399

うち資金調達費用

前連結会計年度

463

584

0

1,048

当連結会計年度

246

202

0

448

役務取引等収支

前連結会計年度

7,660

14

7,674

当連結会計年度

6,680

25

6,705

うち役務取引等収益

前連結会計年度

14,122

35

14,157

当連結会計年度

13,301

37

13,338

うち役務取引等費用

前連結会計年度

6,462

21

6,483

当連結会計年度

6,621

12

6,633

その他業務収支

前連結会計年度

△481

△2,711

△3,193

当連結会計年度

△6,072

△144

△6,216

うちその他業務収益

前連結会計年度

3,343

279

3,622

当連結会計年度

1,730

147

1,877

うちその他業務費用

前連結会計年度

3,825

2,990

6,816

当連結会計年度

7,802

291

8,094

 

(注) 1.国内業務部門とは当社及び連結子会社の円建取引、国際業務部門とは当社及び連結子会社の外貨建取引であります。ただし、円建対非居住者取引、特別国際金融取引勘定分等は国際業務部門に含めております。

2.資金調達費用は金銭の信託運用見合費用(前連結会計年度0百万円、当連結会計年度0百万円)を控除して表示しております。

3.資金運用収益及び資金調達費用の合計欄の上段の計数は、国内業務部門と国際業務部門の間の資金貸借の利息であります。

 

 

(2) 国内・国際業務部門別資金運用/調達の状況

 

①  国内業務部門

当連結会計年度の国内業務部門の資金運用勘定の平均残高は、前連結会計年度比730億39百万円増加の5兆5,713億42百万円、受取利息は前連結会計年度比14億99百万円減少の397億47百万円、利回りは前年度比0.04%低下の0.71%となりました。

資金調達勘定の平均残高は、前連結会計年度比101億2百万円減少の5兆7,975億69百万円、支払利息は前連結会計年度比2億17百万円減少の2億46百万円、利回りは前連結会計年度と同水準の0.00%となりました。

 

種類

期別

平均残高

利息

利回り

金額(百万円)

金額(百万円)

(%)

資金運用勘定

前連結会計年度

(90,751)

5,498,303

(0)

41,246

0.75

当連結会計年度

(87,706)

5,571,342

(0)

39,747

0.71

うち貸出金

前連結会計年度

3,591,366

33,699

0.93

当連結会計年度

3,771,306

34,290

0.90

うち商品有価証券

前連結会計年度

5

0

2.79

当連結会計年度

2

0

0.33

うち有価証券

前連結会計年度

797,815

6,553

0.82

当連結会計年度

773,188

4,494

0.58

うちコールローン及び
買入手形

前連結会計年度

226,284

△26

△0.01

当連結会計年度

133,989

△4

△0.00

うち買現先勘定

前連結会計年度

当連結会計年度

うち預け金

前連結会計年度

882,830

1,018

0.11

当連結会計年度

892,856

965

0.10

資金調達勘定

前連結会計年度

5,807,671

463

0.00

当連結会計年度

5,797,569

246

0.00

うち預金

前連結会計年度

5,006,112

132

0.00

当連結会計年度

5,034,804

126

0.00

うち譲渡性預金

前連結会計年度

263,384

26

0.01

当連結会計年度

290,747

29

0.01

うちコールマネー及び
売渡手形

前連結会計年度

29,745

△5

△0.01

当連結会計年度

38,935

△8

△0.02

うち債券貸借取引
受入担保金

前連結会計年度

13,249

1

0.01

当連結会計年度

2,676

0

0.01

うち借用金

前連結会計年度

514,013

35

0.00

当連結会計年度

447,772

29

0.00

 

(注) 1.平均残高は、原則として日々の残高の平均に基づいて算出しておりますが、金融業以外の連結子会社については、半年毎の残高に基づく平均残高を利用しております。

2.資金運用勘定は無利息預け金の平均残高(前連結会計年度242,284百万円、当連結会計年度153,575百万円)を、資金調達勘定は金銭の信託運用見合額の平均残高(前連結会計年度21,831百万円、当連結会計年度19,713百万円)及び利息(前連結会計年度0百万円、当連結会計年度0百万円)を控除して表示しております。

3.(  )内は国内業務部門と国際業務部門の間の資金貸借の平均残高及び利息(内書き)であります。

 

 

②  国際業務部門

当連結会計年度の国際業務部門の資金運用勘定の平均残高は、前連結会計年度比189億3百万円減少の904億18百万円、受取利息は前連結会計年度比13億34百万円減益の16億52百万円、利回りは前連結会計年度比0.91%低下の1.82%となりました。

資金調達勘定の平均残高は、前連結会計年度比189億54百万円減少の931億99百万円、支払利息は前連結会計年度比3億82百万円減少の2億2百万円、利回りは前連結会計年度比0.31%低下の0.21%となりました。

 

種類

期別

平均残高

利息

利回り

金額(百万円)

金額(百万円)

(%)

資金運用勘定

前連結会計年度

109,321

2,986

2.73

当連結会計年度

90,418

1,652

1.82

うち貸出金

前連結会計年度

当連結会計年度

うち商品有価証券

前連結会計年度

当連結会計年度

うち有価証券

前連結会計年度

108,590

2,966

2.73

当連結会計年度

89,479

1,597

1.78

うちコールローン及び
買入手形

前連結会計年度

730

17

2.41

当連結会計年度

938

45

4.87

うち買現先勘定

前連結会計年度

当連結会計年度

うち預け金

前連結会計年度

当連結会計年度

資金調達勘定

前連結会計年度

(90,751)

112,153

(0)

584

0.52

当連結会計年度

(87,706)

93,199

(0)

202

0.21

うち預金

前連結会計年度

2,321

0

0.03

当連結会計年度

1,621

2

0.17

うち譲渡性預金

前連結会計年度

当連結会計年度

うちコールマネー及び
売渡手形

前連結会計年度

16,734

448

2.68

当連結会計年度

3,739

195

5.21

うち債券貸借取引
受入担保金

前連結会計年度

2,285

83

3.63

当連結会計年度

85

4

5.03

うち借用金

前連結会計年度

当連結会計年度

 

(注) 1.資金運用勘定は無利息預け金の平均残高(前連結会計年度5百万円、当連結会計年度3百万円)を控除して表示しております。

2.(  )内は国内業務部門と国際業務部門の間の資金貸借の平均残高及び利息(内書き)であります。

3.国際業務部門の国内店外貨建取引の平均残高は月次カレント方式(前月末TT仲値を当該月のノンエクスチェンジ取引に適用する方式)により算出しております。

 

 

③  合計

 

種類

期別

平均残高

利息

利回り

金額(百万円)

金額(百万円)

(%)

資金運用勘定

前連結会計年度

5,615,866

44,232

0.78

当連結会計年度

5,669,340

41,399

0.73

うち貸出金

前連結会計年度

3,591,366

33,699

0.93

当連結会計年度

3,771,306

34,290

0.90

うち商品有価証券

前連結会計年度

5

0

2.79

当連結会計年度

2

0

0.33

うち有価証券

前連結会計年度

906,993

9,519

1.05

当連結会計年度

862,667

6,092

0.70

うちコールローン及び
買入手形

前連結会計年度

227,015

△8

△0.00

当連結会計年度

134,927

41

0.03

うち買現先勘定

前連結会計年度

当連結会計年度

うち預け金

前連結会計年度

882,830

1,018

0.11

当連結会計年度

892,856

965

0.10

資金調達勘定

前連結会計年度

5,829,073

1,047

0.01

当連結会計年度

5,803,062

448

0.00

うち預金

前連結会計年度

5,008,433

133

0.00

当連結会計年度

5,036,425

129

0.00

うち譲渡性預金

前連結会計年度

263,384

26

0.01

当連結会計年度

290,747

29

0.01

うちコールマネー及び
売渡手形

前連結会計年度

46,479

443

0.95

当連結会計年度

42,674

186

0.43

うち債券貸借取引
受入担保金

前連結会計年度

15,534

84

0.54

当連結会計年度

2,762

4

0.16

うち借用金

前連結会計年度

514,013

35

0.00

当連結会計年度

447,772

29

0.00

 

(注) 1.平均残高は、原則として日々の残高の平均に基づいて算出しておりますが、金融業以外の連結子会社については、半年毎の残高に基づく平均残高を利用しております。

2.資金運用勘定は無利息預け金の平均残高(前連結会計年度242,290百万円、当連結会計年度153,579百万円)を、資金調達勘定は金銭の信託運用見合額の平均残高(前連結会計年度21,831百万円、当連結会計年度19,713百万円)及び利息(前連結会計年度0百万円、当連結会計年度0百万円)を控除して表示しております。

3.国内業務部門と国際業務部門の間の資金貸借の平均残高及び利息は、相殺して記載しております。

 

 

(3) 国内・国際業務部門別役務取引の状況

当連結会計年度の役務取引等収益は、主に代理業務の減少により、合計で前連結会計年度比8億19百万円減少の133億38百万円となりました。

役務取引等費用は、合計で前連結会計年度比1億50百万円増加の66億33百万円となりました。

この結果、役務取引等収支は前連結会計年度比9億69百万円減益の67億5百万円となりました。

 

種類

期別

国内業務部門

国際業務部門

合計

金額(百万円)

金額(百万円)

金額(百万円)

役務取引等収益

前連結会計年度

14,122

35

14,157

当連結会計年度

13,301

37

13,338

うち預金・貸出業務

前連結会計年度

7,199

7,199

当連結会計年度

7,106

7,106

うち為替業務

前連結会計年度

2,170

35

2,206

当連結会計年度

2,061

37

2,099

うち証券関連業務

前連結会計年度

207

207

当連結会計年度

147

147

うち代理業務

前連結会計年度

3,546

3,546

当連結会計年度

3,019

3,019

うち保護預り・
貸金庫業務

前連結会計年度

89

89

当連結会計年度

84

84

うち保証業務

前連結会計年度

907

907

当連結会計年度

882

882

役務取引等費用

前連結会計年度

6,462

21

6,483

当連結会計年度

6,621

12

6,633

うち為替業務

前連結会計年度

291

21

312

当連結会計年度

304

12

316

 

(注)  国内業務部門とは当社及び連結子会社の円建取引であり、国際業務部門とは当社及び連結子会社の外貨建取引であります。

 

(4) 国内・国際業務部門別預金残高の状況

○  預金の種類別残高(末残)

 

種類

期別

国内業務部門

国際業務部門

合計

金額(百万円)

金額(百万円)

金額(百万円)

預金合計

前連結会計年度

5,022,310

2,064

5,024,375

当連結会計年度

5,045,387

1,537

5,046,924

うち流動性預金

前連結会計年度

3,488,895

3,488,895

当連結会計年度

3,641,036

3,641,036

うち定期性預金

前連結会計年度

1,440,217

1,440,217

当連結会計年度

1,351,388

1,351,388

うちその他

前連結会計年度

93,197

2,064

95,261

当連結会計年度

52,962

1,537

54,499

譲渡性預金

前連結会計年度

223,458

223,458

当連結会計年度

284,140

284,140

総合計

前連結会計年度

5,245,769

2,064

5,247,833

当連結会計年度

5,329,528

1,537

5,331,065

 

(注) 1.流動性預金=当座預金+普通預金+貯蓄預金+通知預金

2.定期性預金=定期預金+定期積金

3.国内業務部門とは当社及び連結子会社の円建取引であり、国際業務部門とは当社及び連結子会社の外貨建取引であります。ただし、円建対非居住者取引は国際業務部門に含めております。

 

(5) 国内・国際業務部門別貸出金残高の状況

①  業種別貸出状況(末残・構成比)

 

業種別

前連結会計年度

当連結会計年度

金 額(百万円)

構成比(%)

金 額(百万円)

構成比(%)

国内(除く特別国際金融取引勘定分)

3,774,454

100.00

3,834,598

100.00

製造業

151,115

4.00

142,056

3.71

農業、林業

21,097

0.56

20,870

0.54

漁業

4,080

0.11

3,478

0.09

鉱業、採石業、砂利採取業

4,985

0.13

5,463

0.14

建設業

107,263

2.84

100,606

2.62

電気・ガス・熱供給・水道業

132,031

3.50

127,977

3.34

情報通信業

10,073

0.27

9,805

0.26

運輸業、郵便業

79,127

2.10

77,187

2.01

卸売業、小売業

226,128

5.99

218,033

5.69

金融業、保険業

108,205

2.87

133,479

3.48

不動産業、物品賃貸業

267,410

7.08

256,070

6.68

各種サービス業

258,449

6.85

247,439

6.45

政府・地方公共団体

1,216,685

32.23

1,289,253

33.62

その他

1,187,799

31.47

1,202,876

31.37

特別国際金融取引勘定分

政府等

金融機関

その他

合計

3,774,454

100.00

3,834,598

100.00

 

 

②  外国政府等向け債権残高(国別)

該当ありません。

 

(6) 国内・国際業務部門別有価証券の状況

○  有価証券残高(末残)

 

種類

期別

国内業務部門

国際業務部門

合計

金額(百万円)

金額(百万円)

金額(百万円)

国債

前連結会計年度

88,073

88,073

当連結会計年度

85,736

85,736

地方債

前連結会計年度

412,951

412,951

当連結会計年度

326,998

326,998

社債

前連結会計年度

121,903

121,903

当連結会計年度

104,678

104,678

株式

前連結会計年度

23,432

23,432

当連結会計年度

30,809

30,809

その他の証券

前連結会計年度

131,666

87,439

219,106

当連結会計年度

129,371

67,399

196,770

合計

前連結会計年度

778,026

87,439

865,466

当連結会計年度

677,593

67,399

744,993

 

(注) 1.国内業務部門とは当社及び連結子会社の円建取引であり、国際業務部門とは当社及び連結子会社の外貨建取引であります。

2.「その他の証券」には、外国債券及び外国株式を含んでおります。

 

 

 (自己資本比率等の状況)

 

 (参考)

 自己資本比率は、銀行法第52条の25の規定に基づき、銀行持株会社が銀行持株会社及びその子会社の保有する資産等に照らしそれらの自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準(2006年金融庁告示第20号)に定められた算式に基づき、連結ベースについて算出しております。

 なお、当社は、国内基準を適用のうえ、信用リスク・アセットの算出においては標準的手法を採用しております。

 

 連結自己資本比率(国内基準) 

                            (単位:億円、%)

 

2024年3月31日

1.連結自己資本比率 (2/3)

8.22

2.連結における自己資本の額

1,653

3.リスク・アセットの額

20,091

4.連結総所要自己資本額

803

 

 

 (資産の査定)

 

 (参考)

 資産の査定は、「金融機能の再生のための緊急措置に関する法律」(1998年法律第132号)第6条に基づき、株式会社青森銀行及び株式会社みちのく銀行の貸借対照表の有価証券中の社債(当該社債を有する金融機関がその元本の償還及び利息の支払の全部又は一部について保証しているものであって、当該社債の発行が金融商品取引法(1948年法律第25号)第2条第3項に規定する有価証券の私募によるものに限る。)、貸出金、外国為替、その他資産中の未収利息及び仮払金、支払承諾見返の各勘定に計上されるものについて債務者の財政状態及び経営成績等を基礎として次のとおり区分するものであります。

 

 1.破産更生債権及びこれらに準ずる債権

 破産更生債権及びこれらに準ずる債権とは、破産手続開始、更生手続開始、再生手続開始の申立て等の事由により経営破綻に陥っている債務者に対する債権及びこれらに準ずる債権をいう。

 

 2.危険債権

 危険債権とは、債務者が経営破綻の状態には至っていないが、財政状態及び経営成績が悪化し、契約に従った債権の元本の回収及び利息の受取りができない可能性の高い債権をいう。

 

 3.要管理債権

 要管理債権とは、三月以上延滞債権及び貸出条件緩和債権をいう。

 

 4.正常債権

 正常債権とは、債務者の財政状態及び経営成績に特に問題がないものとして、上記1から3までに掲げる債権以外のものに区分される債権をいう。

 

 株式会社青森銀行(単体)の資産の査定の額

債権の区分

2023年3月31日

2024年3月31日

金額(億円)

金額(億円)

破産更生債権及びこれらに準ずる債権

47

62

危険債権

198

167

要管理債権

40

35

正常債権

20,564

21,788

 

 

 

 株式会社みちのく銀行(単体)の資産の査定の額

債権の区分

2023年3月31日

2024年3月31日

金額(億円)

金額(億円)

破産更生債権及びこれらに準ずる債権

84

102

危険債権

218

204

要管理債権

74

39

正常債権

17,653

17,090

 

 

 (生産、受注及び販売の状況)

 「生産、受注及び販売の状況」は、銀行持株会社としての業務の特殊性のため、該当する情報がないので記載しておりません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、以下の記載における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 経営成績の分析

当社グループの連結経営成績の状況につきましては、連結業務粗利益は有価証券利息配当金の減少による資金運用収支の減少や、国債等債券損益の減少によるその他業務収支の減少により、前連結会計年度比62億25百万円減益の414億40百万円となりました。経常利益は、与信費用が減少し、株式等関係損益が増加したものの、連結業務粗利益の減少が大きく、前連結会計年度比10億12百万円減益の40億94百万円となりました。また、前年度計上した企業結合による負ののれん発生益471億40百万円の剥落等により、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度比461億40百万円減益の28億17百万円となりました。

 

 

前連結会計年度(百万円)

当連結会計年度(百万円)

増減(百万円)

連結業務粗利益

47,665

41,440

△6,225

 

資金運用収支

43,184

40,951

△2,233

 

役務取引等収支

7,674

6,705

△969

 

その他業務収支

△3,193

△6,216

△3,023

営業経費

41,656

41,878

222

与信費用(貸倒償却費用等)

3,763

1,591

△2,172

株式等関係損益

1,963

4,811

2,848

その他

898

1,312

414

経常利益

5,106

4,094

△1,012

特別損益

45,047

△593

△45,640

 

負ののれん発生益

47,140

△47,140

税金等調整前当期純利益

50,153

3,501

△46,652

法人税、住民税及び事業税

1,310

1,231

△79

法人税等調整額

△130

△547

△417

法人税等合計

1,180

683

△497

当期純利益

48,973

2,817

△46,156

非支配株主に帰属する当期純利益

16

△16

親会社株主に帰属する当期純利益

48,957

2,817

△46,140

 

(注)連結業務粗利益=(資金運用収益-資金調達費用)+(役務取引等収益-役務取引等費用)

+(その他業務収益-その他業務費用)

 

 

セグメントごとの業績は、次のとおりであります。

(銀行業)

経常収益は前連結会計年度比58億85百万円減少の622億87百万円、セグメント利益は前連結会計年度比34億69百万円減少の35億98百万円となりました。

(リース業)

経常収益は前連結会計年度比7億78百万円増加の144億15百万円、セグメント利益は前連結会計年度比4億69百万円減少の7億61百万円となりました。

(その他)

経常収益は前連結会計年度比11億13百万円減少の25億38百万円、セグメント利益は前連結会計年度比12億74百万円減少の7億36百万円となりました。

 

② 子会社の経営成績の分析

当社グループの中核である株式会社青森銀行(以下、青森銀行)及び株式会社みちのく銀行(以下、みちのく銀行)の経営成績については、以下の通りであります。

(単位:百万円)

 

青森銀行

みちのく銀行

 

前年度比

 

前年度比

経常収益

34,512

△3,482

27,887

△2,386

業務粗利益

19,276

△6,408

21,686

△2,105

 

資金利益

20,648

△3,435

21,551

△2,460

 

役務取引等利益

3,515

△226

1,586

△722

 

その他業務利益

△4,887

△2,746

△1,451

1,078

 

(うち国債等債券損益)

△4,950

△2,753

△1,448

1,073

経費(除く臨時処理分)

20,544

84

18,845

73

実質業務純益

△1,268

△6,491

2,840

△2,179

コア業務純益

3,681

△3,740

4,289

△3,251

 

除く投資信託解約損益

2,985

△2,349

3,336

△2,202

一般貸倒引当金繰入額 ①

△455

483

△500

1,738

業務純益

△812

△6,974

3,341

△3,916

 

うち国債等債券損益 A

△4,950

△2,753

△1,448

1,073

臨時損益

3,895

2,983

△1,866

4,472

 

不良債権処理額 ②

834

△280

1,596

△4,273

 

(与信費用 ①+②)

379

203

1,095

△2,535

 

株式等損益 B

4,611

2,656

239

241

 

(有価証券関係損益 A+B)

△338

△97

△1,209

1,315

 

その他臨時損益

119

48

△510

△43

経常利益

3,082

△3,992

1,474

556

特別損益

△180

841

△514

592

 

うち減損損失

52

△854

389

△623

税引前当期純利益

2,902

△3,151

960

1,147

法人税、住民税及び事業税

799

△61

192

24

法人税等調整額

42

3

△531

△169

法人税等合計

841

△58

△339

△146

当期純利益

2,060

△3,093

1,299

1,293

 

 

 

(青森銀行)

経常利益は、連結子会社からの受取配当金や投信解約益の減少による資金利益の減少を要因としてコア業務純益が減少し、与信費用も増加したことから、前年度比39億92百万円減益の30億82百万円となりました。また、当期純利益についても前年度比30億93百万円減益の20億60百万円となりました。

 

(みちのく銀行)

経常利益は、連結子会社からの受取配当金や投信解約益の減少による資金利益の減少に加え、役務取引等利益も減少したことからコア業務純益が減少したものの、与信費用や有価証券関係損益の改善により、前年度比5億56百万円増益の14億74百万円となりました。また、当期純利益についても、経常利益の増益に加え、減損損失の減少により前年度比12億93百万円増益の12億99百万円となりました。

 

③ 財政状態の分析

(主要勘定の残高)

預金につきましては、個人預金及び法人預金並びに公金預金が順調に推移し、前連結会計年度末比225億円増加し、5兆469億円となりました。また、譲渡性預金は前連結会計年度末比606億円増加し、2,841億円となりました。

貸出金につきましては、個人ローン及び公共貸出が増加したことにより、前連結会計年度末比601億円増加し3兆8,345億円となりました。

有価証券につきましては、株式は増加したものの、国内債券の償還等を要因として、前連結会計年度末比1,204億円減少し7,449億円となりました。

 

(末残)

前連結会計年度末(百万円)

当連結会計年度末(百万円)

増減(百万円)

預金

5,024,375

5,046,924

22,549

 

うち個人預金

3,530,829

3,548,945

18,116

譲渡性預金

223,458

284,140

60,682

貸出金

3,774,454

3,834,598

60,144

有価証券

865,466

744,993

△120,473

純資産

184,439

167,348

△17,091

 

 

④ 連結自己資本比率(国内基準)

 

 

前連結会計年度末(億円)

当連結会計年度末(億円)

差異

1.連結自己資本比率

8.88%

8.22%

△0.66%

2.連結における自己資本の額

1,874

1,653

△221

3.リスク・アセットの額

21,087

20,091

△996

4.連結総所要自己資本額

843

803

△40

 

(注)自己資本比率は、銀行法第52条の25の規定に基づき、銀行持株会社が銀行持株会社及びその子会社が保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準(2006年金融庁告示第20号)に定められた算式に基づき算出しております。

 

 

⑤ 経営目標の達成状況

 

経営目標

2025年3月期

(計画最終年度)

2024年3月期

計画

実績

貸出金平残

(市場性除く)

3兆3,700億円

3兆3,531億円

3兆2,341億円

コア業務純益(※1)

(投信解約損益除く)

29億円

(※2) (69億円)

68億円

(78億円)

63億円

(60億円)

連結当期純利益 

13億円

(※2) (53億円)

41億円

(55億円)

28億円

(27億円)

 

※1.両行単体の単純合算です。
 ※2.( )は統合関連費用及び交付金等を除いた参考値です。

貸出金平残については、コロナ関連融資の反動により新規実行が計画比低水準で推移したことから、2024年3月期計画比では1,189億円の減少となりました。

コア業務純益(投信解約損益除き)では、債券の償還等による有価証券利息の減少に加え、役務取引等利益の減少により、2024年3月期計画比では5億円の減少となりました。

連結当期純利益は、コア業務純益の減少に加え、投信解約益を含む有価証券関係損益の下振れにより、2024年3月期計画比では13億円の減益となりました。

 

⑥  キャッシュ・フローの状況の分析

(概要)

キャッシュ・フローの状況の概要については、「(1)経営成績等の状況の概要」に記載しております。

 

(資本の財源及び資金の流動性についての分析)

当社グループは事業活動のための適切な資金確保、流動性の維持、並びに健全な財政状態を常に目指しております。貸出金や有価証券の運用に関しては、大宗を顧客からの預金にて調達しております。また必要に応じ日銀借入金やコールマネー等により資金調達を行っております。また資金調達の状況等については、月次でALM・収益管理委員会や経営会議に報告し、必要に応じて妥当性や今後の対応を協議しております。

なお、当面の設備投資等については自己資金で対応する予定であります。

 

⑦  重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の金額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

5 【経営上の重要な契約等】

当社は、当社の完全子会社である株式会社青森銀行と株式会社みちのく銀行との間で、当社が両行に対して行う経営管理について、「経営管理契約」を締結しております。

 

6 【研究開発活動】

該当事項はありません。