第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 会社の経営の基本方針

当社は、株式会社青森銀行と株式会社みちのく銀行(以下、「両行」という。)の完全親会社として2022年4月1日に設立いたしました。当社グループは、「地域の未来を創る」「お客さまと歩み続ける」「一人ひとりの想いを実現する」を経営理念としております。

両行グループのノウハウや情報・ネットワークの融合を通じた金融仲介機能の強化や地域の優位性等を活かした事業領域の拡大によって地域・お客さまと共通価値を創造するとともに、経営の合理化・効率化を通じて健全な経営基盤の構築を図り、もって、金融システムの安定と金融サービスの提供の維持・向上、地域産業の更なる発展と地域住民の生活の向上に繋げることで、地域とともに持続的な成長を果たしてまいります。

 

(2) 中長期的な会社の経営戦略

当社は、「地域の未来を創る」、「お客さまと歩み続ける」、「一人ひとりの想いを実現する」の経営理念のもと、2025年4月から2028年3月までを計画期間とする第2次中期経営計画『挑戦と創造 2nd stage』~地域の好循環を目指して~をスタートさせました。

本計画は、Vision~10年後の目指す姿~を、「ずっと住みたい、帰ってきたい地域のために『豊かさ』を生み出す未来創造グループ」とし、そこに至るまでに今後10年間で取り組むべき課題がマテリアリティであるとの認識のもと、足元3年間で取り組むべき課題を本計画のテーマとして整理し策定いたしました。

本計画では、「地域課題の解決」、「収益力の強化」、「経営基盤の強化」、「人的資本経営の実践」、「株主価値の向上」の5つの基本戦略と15の重点施策を掲げ、計画期間を統合シナジーの本格発揮期間と位置付け、当社グループが地域とともに持続的に成長するための好循環を創出する仕組みの構築に取り組んでまいります。

 

 


 

 

(3)目標とする経営指標

2025年4月よりスタートさせました第2次中期経営計画「挑戦と創造 2nd stage」における経営目標は以下のとおりです。

 

 

2027年度

(計画最終年度)

財務目標

連結当期純利益

80億円以上

連結ROE

4.0%以上

連結自己資本比率

8.0%程度

 

 

 

 

10年後の姿

社会的インパクト

青森県の一人あたりGDP

継続的増加

青森県の人口の社会増減率

減少率の改善

青森県のGHG排出量

2013年度比▲51.1%

※2030年度に目指す水準

 

 

(4) 当社第1次中期経営計画の取組み内容

当社は、2022年4月から2025年3月までを計画期間とする第1次中期経営計画に取り組んでまいりました。本計画では、「金融仲介機能の強化」、「事業領域の拡大」、「経営の合理化・効率化」、「グループ基盤の強化」を基本戦略とし、シナジーを早期に実現し、強固な経営基盤を構築するため、各種施策に取り組んでまいりました。

 

①「金融仲介機能の強化」

当社グループでは、お客さまのライフステージ・事業活動に寄り添い、課題やニーズへの対応を総合的に支援する「伴走型コンサルティング」支援の強化を重点施策の一つとしており、両行のノウハウの結集や専門人材の育成など体制の強化に取り組んでおります。

2024年度においては、両行のコンサルティングサービスの統一・強化を進めると共に、連結子会社であるあおもり創生パートナーズ株式会社(以下、「ACP」という。)に両行の本業支援機能や事業承継・M&Aコンサルティング機能を集約し、ノウハウを結集することで高度な専門性を発揮してお客さまの課題等に解決策を提供する体制を構築しました。ACPの担う高度なコンサルティング機能「コンサルティングファーム」は2024年4月より運営を開始しており、グループ一体となって地域課題の解決に向けて取り組んでおります。

また、個人のお客さまに向けた取り組みとして、金融商品の販売や資産運用コンサルティングによる提案を行うウェルスマネジメントチームに両行の専門人材を集約し、個人分野におけるコンサルティング機能の高度化に取り組んでおります。

 

②「事業領域の拡大」

青森県は「農林水産」「ものづくり」「観光」「ライフ(医療・健康福祉)」「グリーン(環境・エネルギー)」といった地域経済活性化に資するさまざまな分野においてポテンシャルや強みを有しております。当社では地域の優位性やポテンシャルを活かし、グループの強みやノウハウ・ネットワークを結集することにより、従来の取り組みを、より面的・立体的な取り組みに発展させることで、地域に根差した産業の共創を目指しております。

当社が地域の中で総合商社的な役割として、従来からの取り組みである「つなげる・投資する」機能に加え、自らが新分野への挑戦を通じて「経営する」というビジネスモデルに深化させることで、事業領域の「深さ」(既存事業の「深化」としての領域拡大)と「広さ」(新分野への挑戦としての領域)を拡大する「地域バリューアップモデル」を2023年5月に策定し、取り組みを進めております。

2024年度における取り組みとして、「海外展開支援」「投資専門子会社の設立」について検討チームを設置し、具体的な検討を進めております。

 

③「経営の合理化・効率化」

2025年1月に両行の合併を完了し、新銀行としての営業を開始しております。これまで子銀行の合併に集中的に取り組んできた銀行本部人員は、合併完了以降、順次営業店に再配置を行い、人材配置の最適化を行っております。

また、既に公表しております2025年度~2026年度の間に実施予定の34カ店の店舗統廃合については、2025年9月以降順次実施していく予定であります。なお、店舗統廃合が決定している店舗間では、2025年4月より一部、職員が双方の店舗を兼務可能とするユニット営業を実施し、円滑な営業継続を図っております。

 

 

④「グループ基盤の強化」

イ.組織融和・人材力の強化

近接する両行の営業店をパートナー店とし、営業店の交流や相互支援・協力体制を強化する「パートナー店制度」や、両行合同でのキャリア形成支援研修・各種事務研修を継続し、組織融和と人材力の強化に取り組んでまいりました。

ロ.サステナビリティ推進

当社では2022年4月に「サステナビリティ方針」を定め、ステークホルダーとの5つのお約束を掲げると同時に「TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言」への賛同を表明しております。

2024年2月には当社グループが地域課題の解決を目的として事業活動において優先的に取り組むべきマテリアリティ(重要課題)を特定しております。加えて、各マテリアリティに関連して当社グループの事業活動が地域に対しどのようなインパクトを与え得るのか整理するとともに、当社グループの主要な取り組み項目についてはKPI(目標までの達成度を示す指標)を設定しております。

また、第2次中期経営計画においては、今後10年間で取り組むべき課題をマテリアリティと位置付け、足元3か年で対処すべき課題を経営計画のテーマとして取り込むことでサステナビリティ方針と整合する計画を策定いたしました。

サステナビリティ推進に関する詳細については後述の「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組」に記載しております。

 

(5) 会社の対処すべき課題

当社グループが営業基盤としている青森県においては、少子高齢化や人口減少などの社会構造の変化に伴う影響が増大していくことが懸念される一方で、豊かな自然環境や観光資源など、地域経済活性化に資する様々な分野においてポテンシャルや強みを有しております。また、デジタル技術の発展により新たなビジネスの創出や経済成長の実現に期待が寄せられております。金融環境においては、日本銀行におけるマイナス金利政策の解除後の金利上昇が続くほか、足元では米国による相互関税を発端として株式市況が変動するなど、先行きは不透明であります。

そうしたなか、当社グループは「ふるさとの地域課題を解決し 彩り豊かな未来を創造する」というミッションのもと、地域経済を持続的に支えていくために、子銀行の合併を果たしました。2025年4月からスタートした第2次中期経営計画は、統合シナジーの本格発揮期間と位置づけ、地域課題の解決と当社グループの成長の両立を目指してまいります。

当社グループが特定したマテリアリティは10年間で取り組むべき課題であるとの認識のもと、10年後に目指す姿を「ずっと住みたい、帰ってきたい地域のために『豊かさ』を生み出す未来創造グループ」と掲げ、そうした姿に向かうために足元3か年で対処すべき課題として、第2次中期経営計画『挑戦と創造2nd stage』~地域の好循環を目指して~を策定いたしました。

「地域課題の解決」「収益力の強化」「経営基盤の強化」をはじめとする5つの基本戦略と15の重点施策を掲げ、当社グループが地域とともに持続的に成長するための好循環を創出する仕組みの構築に取り組んでまいります。

こうした取り組みを通じて、地域の金融機関としての社会的責任を果たし、地域社会の発展に尽力してまいりたいと考えております。

 

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取り組みは、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)サステナビリティ

当社は2022年4月に「プロクレアホールディングス サステナビリティ方針」を策定し、持続可能な地域社会の実現に貢献することを目指しております。

2023年3月には、気候変動問題等の社会の不確実性が高まる環境下、企業の稼ぐ力と社会の持続可能性を同期化し、中長期的な企業価値を創造するための事業・経営改革であるサステナビリティ・トランスフォーメーション(SX)を推進するため、SX推進委員会およびSX推進室を設置し体制を強化いたしました。

2024年2月には当社グループが地域課題の解決を目的として、事業活動において優先的に取り組むべきマテリアリティ(重要課題)を特定しております。加えて、各マテリアリティに関連して当社グループの事業活動が地域に対しどのようなインパクトを与え得るのか整理するとともに、当社グループの主要な取り組み項目についてはKPIを設定しております。

今後も環境、社会、ガバナンスの観点から持続可能な事業活動を通じて地域社会に貢献してまいります。

 


 

 

<地域課題を踏まえたマテリアリティ>


<各KPIの2024年度実績>

テーマ

項目

2023年度実績

2024年度実績

地域経済

サステナブルファイナンス実行額

557億円

709億円

地域経済

創業・新事業支援件数

629件

578件

地域経済

事業承継・M&A支援件数

483件

556件

地域経済

人材紹介支援件数

45件

33件

地域経済

新規事業シーズ発掘件数

3件

3件

自然環境

サステナブルファイナンス

(うち環境分野)実行額

138億円

265億円

自然環境

Scope1・2 削減割合(2013年度比)

▲35.6%

▲43.0%

自然環境

サステナブルファイナンス

(うち農林水産分野)実行額

40億円

66億円

人的資本

サステナビリティ関連資格取得者数

85名

180名

人的資本

管理職以上に占める女性の割合

青森銀行13.4%

みちのく銀行30.7%

(2024年3月末現在)

21.8%

(2025年3月末現在)

 

 

① ガバナンス

取締役会はSXに係る当社グループの取り組みに関して監督する役割を担っております。サステナビリティの実現のための戦略を含む経営上の重要事項について決定するほか、SX推進委員会における議論の状況をモニタリングし、必要に応じて指示を行うこととしております。

SX推進委員会は、取締役社長を議長とし、関連部門の担当役員から構成されます。四半期に1度開催され、SX推進に係る方針や戦略の策定に関する事項、SX推進施策の進捗状況に関する事項、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)対応の取り組み状況に関する事項などについて審議を行うこととしております。

2024年度はSX推進委員会を4回開催し、有価証券報告書や統合報告書でのサステナビリティ関連開示内容やマテリアリティを見据えた取り組み、KPI進捗状況等に係る審議・報告を実施するとともに、その内容について取締役会へ報告しております。

 

② リスク管理

当社グループのリスク管理態勢では、リスク管理委員会において信用リスク、市場リスク、流動性リスク、オペレーショナルリスクなどを総合的に評価・管理しております。

サステナビリティに関するリスクについても、当社グループでは対応の重要性を認識しており、上記のような各種リスクに影響を与えるリスクドライバーであると認識しております。

SX推進委員会では、サステナビリティに対するガバナンス体制の中で、リスク管理委員会とも連携しながら、その重要性に応じた適切な対応が取られるよう、管理態勢の高度化に努めてまいります。

 

<環境や社会に配慮した投融資方針>

   当社グループは、環境や社会に影響を与える可能性のある特定の事業・セクターへの投融資に関し、以下の方針に基づき適切に対応することで、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。

① ポジティブ・インパクトの拡大に向けた投融資方針

 イ.地域社会の課題解決、産業活性化、雇用創出など、持続可能な地域社会の実現に向けた事業への投融資には、積極的に取り組んでまいります。

 ロ.豊かな自然環境を次の世代に受け継いでいくために必要な、森林や水資源、生物多様性の保全に向けた事業への投融資には、積極的に取り組んでまいります。

 ハ.再生可能エネルギーへの取り組み等、気候変動リスクの低減を目指す事業への投融資には、積極的に取り組んでまいります。

② ネガティブ・インパクトの抑制・回避に向けた投融資方針(セクター横断的な考え方)

 イ.ラムサール条約指定湿地やユネスコ世界遺産に重大な負の影響を及ぼす事業、ワシントン条約に違反する事業への投融資には取り組みません。

 ロ.国際的な人権基準(世界人権宣言、ビジネスと人権に関する指導原則等)の主旨に反する児童労働や強制労働など、人権侵害が行われている事業への投融資には取り組みません。

③ ネガティブ・インパクトの抑制・回避に向けた投融資方針(特定セクター)

 イ.石炭火力発電事業への投融資

    石炭火力発電所の「新設」「既存発電所の拡張」を資金使途とする新規の投融資には取り組みません。

      ただし、国のエネルギー政策に沿った案件や例外的な取り組みを検討する場合は、効率的な発電技術の採用状況、環境・地域社会への影響等を十分に考慮し、慎重に対応いたします。

 ロ.非人道的兵器開発・製造事業への投融資

    クラスター弾、核兵器、対人地雷、生物・化学兵器等の非人道的な兵器の開発・製造に関与する事業等に対する投融資には、資金使途に係わらず、取り組みません。

 ハ.大規模森林伐採事業やパーム油農園開発事業への投融資

     違法な森林伐採や環境・生物多様性の毀損が疑われる事業、地域住民の理解を得られない事業への投融資には取り組みません。

 

(2)個別重点項目の状況

① 気候変動

当社グループでは気候変動を含むサステナビリティの実現に向けた対応を経営上の重点課題と認識し、脱炭素社会の実現に向けて取り組んでおります。

さらに、当社グループは2022年4月にTCFD提言に賛同しており、今後も情報開示の充実化に努めてまいります。

 

イ.ガバナンス

ガバナンスについては、「(1)サステナビリティ」に記載している内容と同様のものとなります。

 

 

ロ. 戦略

気候変動を含むサステナビリティの実現に向けた戦略に反映していくため、当社グループでは、1.5℃/2℃シナリオおよび4℃シナリオを前提に、気候変動のリスクおよび機会を、短期(5年程度)、中期(2030年まで)、長期(2050年まで)の時間軸で評価しております。

 

リスク・機会の種類

事業へのインパクト

顕在時期

移行

リスク

政策・規制

市場

技術

脱炭素社会に向けた政策・規制等の変更への対応や市場の変化が投融資先の事業環境や業績を通じて当社グループの与信コスト等に及ぼす影響

中期~長期

評判

気候変動対応や情報開示が不十分と認識されることに伴う当社グループの風評への影響

短期

物理的

リスク

急性リスク

洪水等の自然災害の増加が投融資先の事業環境や業績、又は担保の価値毀損を通じて当社グループの与信コスト等に及ぼす影響

短期~長期

洪水等の自然災害の増加に伴う当社グループの資産への影響

短期~長期

慢性リスク

感染症や熱中症の増加が投融資先の事業環境や業績を通じて当社グループの与信コスト等に及ぼす影響

中期~長期

機会

商品・サービス

脱炭素社会に向けた商品・サービス開発に係る企業の資金需要の増加

短期~長期

資源効率化・エネルギー源

企業の資源効率化・使用エネルギー源変更等に伴う投資にかかる資金需要の増加

短期~長期

評判

脱炭素社会に向けた貢献が認知されることによる事業機会の拡大

中期~長期

 

 

●リスクと機会に対する取り組み

 リスクと機会の分析結果を基に、リスクに対するレジリエンスを高め、気候変動を事業機会と捉え、取り組みを推進いたします。

 

●移行リスク

 IEA(国際エネルギー機関)の1.5℃シナリオに基づき、電力セクターに該当する与信先を対象として、日本国内で炭素税が導入された場合の財務への影響を計測いたしました。2050年までを対象とした分析の結果、与信費用が累計で最大120億円増加する見込みとなりました。今後は電力以外のセクターの分析も進めてまいります。

項目

内容

シナリオ

IEA(国際エネルギー機関)による「2050年ネットゼロ排出量シナリオ」を採用

※産業革命以降の世界の気温上昇を1.5℃までに抑えることを前提に、2050年に温室効果ガス排出量を実質ゼロにするため、システム移行に関するロードマップが示されている

対象セクター

電力(再生エネルギー事業を除く)

対象期間

2025年3月末を基準として2050年まで

指標

与信費用(債務者区分判定に基づく信用コスト)

分析結果

2050年までの累計で最大120億円の与信費用増加

 

 

●物理的リスク

 IPCC(気候変動に関する政府間パネル)4℃シナリオを基に、青森県全域及び北海道全域にて大規模水害が発生した場合の与信先の状況等を分析し、当社グループ財務への影響を計測いたしました。2050年までの気温上昇を考慮した分析の結果、与信費用は34億円の増加見込みとなりました。今後は与信先の売上減少店舗や担保毀損物件をハザードマップに反映させる所在地の精緻化に努めてまいります。

項目

内容

シナリオ

IPCC(気候変動に関する政府間パネル)による「RCP8.5シナリオ(4℃シナリオ)」を採用

※2050年までに「100年に一度規模の洪水が発生」

対象地域

青森県全域および北海道全域

対象先

事業性与信先(個人事業主を除く)

指標

与信費用

 ①与信先の営業停止による売上減少を踏まえた債務者区分の悪化

 ②与信先の担保毀損による保全減少

分析結果

34億円の与信費用増加

 

 

●炭素関連資産の割合

 TCFD提言において開示を推奨している炭素関連セクターへの与信が青森みちのく銀行の貸出金に占める割合は、2025年3月末時点で16.25%となっております。

 

ハ.リスク管理

当社グループでは、気候変動に関するリスクへの対応の重要性を認識しており、その管理態勢の構築に努めております。

SⅩ推進委員会では、サステナビリティに対するガバナンス体制の中で、リスク管理委員会とも連携しながら、その重要性に応じた適切な対応が取られるよう、管理態勢の高度化に努めてまいります。

気候変動やそれに伴う外部環境の変化については、シナリオ分析を通じて影響を評価するとともに、総合的なリスク管理の枠組みに反映していくことを検討してまいります。

認識した移行リスクに対しては、リスクの低減や地域の脱炭素社会への移行を促進する観点から、投融資先の課題を踏まえたエンゲージメントを強化していく方針です。

 

ニ. 指標及び目標

当社グループでは、気候変動関連リスク・機会を評価・管理するための指標として温室効果ガス排出量を設定しております。パリ協定の国際的な実施に向け、気候変動関連ファイナンスやエンゲージメント等を通じ、2050年までにScope1~3をネットゼロとすることを長期目標としております。また、自らの温室効果ガス排出量(Scope1、2)については、2030年度までに2013年度比で55%削減することを中期目標としております。

(GHG排出量単位:t-CO2)


Scope1:燃料消費を通じた自社グループの直接排出

Scope2:他社から供給された間接排出(電気・熱などの使用)

※CO2排出量の算定について

 ガソリンに係る排出量:給油量又は車両燃料費÷青森県ガソリン単価にて算出

 その他Scope1.2:「省エネ法定期報告書」をベースに算出

 

●GHG排出量Scope3カテゴリー15の算出

 投融資先が排出する温室効果ガスの排出量であるScope3カテゴリー15は、金融機関におけるScopeの中でも大きなウェイトを占めることから、PCAF(※1)スタンダードの計測手法に基づき、当社グループの投融資ポートフォリオにおけるファイナンスドエミッション(金融機関持ち分のCO2排出量)を試算した結果、3,942,060 t-CO2 (2025年3月末基準)となりました。

 

セクター

ファイナンスドエミッション

(t-CO2)

2024年3月末基準

2025年3月末基準

エネルギー

石油・ガス

132,376

119,414

石炭

電力会社

373,073

375,664

運輸

航空貨物輸送

航空旅客輸送

45,160

5,838

海運

51,812

39,375

鉄道輸送

6,651

7,314

トラックサービス

248,222

244,303

自動車・部品

33,133

51,517

素材・構築物

金属、鉱業

73,784

102,672

化学品

148,869

97,167

建材

416,593

197,200

資本財(建物等)

734,378

582,078

不動産管理、開発

48,012

47,211

農業、食料、林産品

飲料

12,865

21,612

農業

201,507

201,874

包装食品、肉

392,369

339,458

紙、林産品

77,041

72,797

その他

その他

1,709,137

1,436,564

合計

4,704,981

3,942,060

 

<計算式>

PCAFに基づき以下の計算を行っています。

 ファイナンスドエミッション=Σアトリビューション・ファクターi×排出量i

 アトリビューション・ファクターi=投融資額i/資金調達総額i(iは各融資先)

なお、排出量は各融資先の開示情報から得られたデータに基づきますが、開示情報がない場合は売上高あたりの排出係数に基づき推計値を算出しております。

<対象時点>

 融資残高:2025年3月末時点

 融資先売上高等財務指標:算定を行った2025年3月末時点で当社の保有する各融資先の最新決算情報

<補足事項>

 ・Scope3カテゴリー15の計測項目は投融資ポートフォリオのGHG排出量が対象となりますが、2024年度は融資先国内事業法人のScope1及びScope2を算定しております。

 ・排出係数は「サプライチェーンを通じた組織の温室効果ガス排出等の算定のための排出原単位データベースVer3.5(環境省2025年3月)」を使用しております。

 ・算定方法については、PCAFスタンダードのメソドロジー変更や高度化等により、将来変更する可能性があります。その場合には、変更点を明らかにした上で計測結果を開示してまいります。

 

   ※1 Partnership for Carbon Accounting Financials 金融機関の投融資ポートフォリオにおける温室効果ガス排出量を計測・開示する方法を開発する国際的なイニシアティブ

 

② 人的資本

イ.ガバナンス

ガバナンスについては、「(1)サステナビリティ」に記載している内容と同様のものとなります。

 

ロ. 戦略

 当社にとって最大の経営資源は「人」であり、いかなる環境においても、「人」と「組織」の持続的成長が重要であると考えております。

 当社は人材を資本と捉え、投資を通じて、職員一人ひとりがプロフェッショナルとしての専門性や強みを磨くとともに、自ら考え行動し、自身の能力を最大限発揮できる自律人材を育て、活躍を全力で後押ししてまいります。また、多様な価値観や能力を有する職員と当社とが、自律した対等な関係のもと、互いに成長し続けることを目指してまいります。

 これらのことを具現化していくため、「自律を促す」「多様性を活かす」「エンゲージメントを高める」を人材戦略のフレームワークとし、戦略の実践と開示を循環させ、人と組織の持続的成長を促すことにより、経営理念である“地域の未来を創る”の実現に取り組んでまいります。

 

(人材育成方針)

職員一人ひとりがプロフェッショナルとしての専門性や強みを磨くとともに、自ら考え、行動し、自身の能力を最大限に発揮できる「自律人材」を育成してまいります。

 

(社内環境整備の方針)

職員一人ひとりがジェンダー等の属性や多様な価値観を認め合い、尊重できる組織風土づくりを広く浸透させるとともに、職員と当社とが、自律した対等な関係のもと、互いに成長し合える取り組みを行い、全ての職員が活躍できる組織を創ってまいります。


 

●自律を促す

 職員が自身の「ありたい姿」を描くことによる成長マインドの醸成と、一人ひとりのありたい姿の具現化に必要となる学びの機会、成長の機会を広く提供しております。また、職員自身がキャリアを振り返る機会を定期的に提供することにより、一人ひとりの「自律」を後押ししてまいります。

 

(成長マインドの醸成)

 自律的キャリア形成の第一歩として、キャリアプランを明確にしていくためのキャリア育成等を実施し、自発的な成長マインドを醸成しております。

 2025年1月に発足した新銀行の人事制度では、自律的なキャリア形成を推し進めるために「Will Can Must」フレームワークを導入しております。自身が実現したいこと「Will」、活かしたい強みや克服したい課題「Can」、業務目標や能力開発につながるミッション「Must」により構成されるフレームワークを用いて、現在の担当業務において挑戦、実現したいことを具体的に目標に結びつけ、半年ごとのサイクルにより、職員の自発的な取り組み、成長を支援してまいります。

  取り組み施策:年代別キャリア研修、階層別研修、1on1ミーティング

 

(主体性・専門性の向上)

 お客さまの課題を的確に把握し、適切で価値の高いソリューションを提供していくには、高度な知識やスキルを備えた提案力、実行力が求められております。職員が有する知識・スキルのレベルに応じた各種研修の開催、資格取得のサポート等を行うことにより、地域の未来を創るプロフェッショナル人材の育成に努めております。

  取り組み施策:公募型研修、公募型セミナー、業務別研修(公募制)、高難易度資格取得支援

 

(能力発揮)

 職員一人ひとりの主体性や専門性の向上、自身が描くありたい姿や実現したいことなどの自律的なキャリア形成をサポートするため、自らの意思で希望する職務にチャレンジできる公募制度を実施しております。

 また、社内のみならず、社外において多様な経験に触れることにより、スキルやノウハウの蓄積、視野の拡大等の自己成長につなげる機会として副業制度を導入しております。新たな気づきを得て、自身のありたい姿を再考する契機とすることで、キャリア自律を推し進めるとともに、幅広い地域活動への参加を通じて地域に貢献しております。また、地域企業と豊富な経験・スキル・知見を有する当社の人材とを出向等で結びつける人材の循環を通じて、地域の未来づくりをリードしていきたいと考えております。

  取り組み施策:公募制度(研修派遣)、副業制度、出向制度

 

     <取り組み実績>                         

項目

2024年3月末現在

2025年3月末現在

青森銀行

みちのく銀行

FP1級

51名

28名

89名

中小企業診断士

13名

10名

23名

外部での協業人数

21名

26名

48名

 

副業人数

7名

13名

20名

 

外部出向人数

14名

13名

28名

 

 

●多様性を活かす

 「ダイバーシティ&インクルージョン推進チーム(D&I推進チーム)」の活動を通じて、「個性を認め合い、尊重できる組織風土づくり」を広く浸透させるとともに、働く環境の整備から働き方の拡充、そして成長機会・活躍機会の提供へと多様な人材が自身の能力を最大限発揮できる取り組みを行い、全ての職員が活躍できる組織を創ってまいります。

 

(働きやすい環境)

 職員一人ひとりの多様性を主体的な能力発揮に変えていくためには、全ての職員が安心して働ける環境であることが大切となります。仕事と育児・介護とを両立できる職場づくりの一環として、育児・介護休業制度、育児短時間勤務制度の活用を促すなど、働きやすい環境を整備しております。

  取り組み施策:育児・介護休暇制度、育児短時間勤務制度

 

(柔軟な働き方)

 職員一人ひとりが自身の能力を最大限発揮できるよう、上記に加え、労働時間管理や法定を上回る年次有給休暇の付与と取得促進、フレックスタイム制、テレワーク制度など、一人ひとりが柔軟に働くことができる環境を整備しております。

  取り組み施策:時間外労働削減・年次有給休暇取得促進、フレックスタイム制、テレワーク制度

 

 

(多様な人材の活躍)

 性別にかかわらず一人ひとりの多様性を主体的な能力発揮に変えていくために、ジェンダー平等を掲げて女性の活躍をサポートしております。その中でも、マネジメントを担う女性の育成、登用を重要課題と位置付け、十分な成長機会を提供することにより、女性管理職比率の向上に取り組んでおります。

 また、障がいのある方が成長と働きがいを実感することができるよう、活躍のフィールドを拡げるなどの職場環境づくりに取り組んでおります。

  取り組み施策:D&I推進チームの活動、障がい者雇用体制の整備

 

   <取り組み実績>                                  

項目

2023年度実績

2024年度実績

青森銀行

みちのく銀行

育児休業取得率

 

 

 

 

男性

111.8%

105.6%

105.7%

 

女性

133.3%

100.0%

107.0%

育児のための短時間勤務取得者数

25名

35名

59名

2022年度において出産した女性のうち、2023年度に在職している又は在職していた女性の割合

95.8%

96.2%

2023年度において出産した女性のうち、2024年度に在職している又は在職していた女性の割合

97.7%

時間外労働時間数(月平均/人)

12.2時間/人

19.9時間/人

20.2時間/人

有給休暇取得率

71.7%

80.5%

68.5%

障がい者雇用率

2.36%

2.59%

2.46%

 

 

●エンゲージメントを高める

 多様な価値観や能力を有する職員と当社とが、自律した対等な関係のもと、互いに成長し続けられるよう、職員間のコミュニケーションを通じた相互理解、共感、自律的な行動意欲を高めるための取り組みを行ってまいります。なお、取り組みについては、今後実践と開示ができるよう検討を進めてまいります。

 

ハ. 指標及び目標

当社では、人材育成方針や社内環境の整備を通じて、多様な人材の総活躍を推進していく観点から、マネジメントを担う女性の育成、登用を重要課題と位置付け、管理職以上に占める女性労働者の割合について、以下の目標を掲げ十分な成長機会を提供することにより、女性の管理職比率の向上に取り組んでおります。

なお、外国人については母数が限定的であることから数値目標は設定しておりません。

「管理職以上に占める女性労働者の割合」

 目標  2030年3月末において、30%以上(青森みちのく銀行として)

 実績  2025年3月末 21.8%

※管理職とは、支店長代理・プランナー以上の職位者となっております。

 

3 【事業等のリスク】

当社グループの事業その他に関するリスクについて、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、以下の記載における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。

 

 (重要なリスク)

(1) 経営統合に関するリスク

当社は2022年4月1日、株式会社青森銀行と株式会社みちのく銀行との共同株式移転により設立されました。

しかしながら、当初期待した統合の相乗効果を十分に発揮できないことにより、結果として当社グループの財政状態及び業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。統合の相乗効果の十分な発揮を妨げる要因として以下のものが考えられますが、これらに限定されるものではありません。

 店舗統廃合および効果的な人員配置の遅延、顧客との関係悪化、対外的信用の低下を含む様々な要因により、収益面における統合効果が実現できない可能性があります。

 

(2) 信用リスク

 ①概 要

当社グループの不良債権は、地盤とする青森県の景気動向、融資先の経営状況の変化及び不動産価格の下落等によって増加するおそれがあり、これに伴い不良債権処理費用が発生し、当社グループの業績及び財務内容に悪影響を及ぼす可能性があります。

具体的には、当社グループは、貸出先の状況、差入れを受けた担保の価値及び諸状況を勘案した前提・見積りに基づき、貸倒引当金を計上しておりますが、経済状態全般の悪化により、担保価値が下落した場合や、引当の前提及び見積りを変更する必要性が生じた場合には、実際の貸倒損失等が貸倒引当金計上時点における前提及び見積りと乖離し、貸倒引当金を超えるおそれがあります。こうした場合には、追加的な与信費用が発生し、当社グループの業績を悪化させる可能性があります。

 

②主な取組み

 当社グループは、当社のクレジットポリシー及び信用リスク管理規程等に従い、貸出金について、個別案件ごとの与信審査や与信限度額の設定、信用情報管理、内部格付、保証や担保の設定及び問題債権への対応など与信管理に関する規程や体制を整備し運営しております。これらの与信管理は、銀行子会社の各営業店及び審査部において実施し、必要に応じて経営会議や取締役会において、審議・報告を行っております。

また、経営改善支援が必要なお客さまにつきましては、お客さまの経営改善に必要な対応を適時的確に行うことで、業況の悪化を未然に防止する体制を構築しております。個社に固有の事業状況及び今後の見通しを踏まえ状況に即した支援方針・支援策を検討するなど、取引先支援について組織的な対応を行っております。

 

(3) 市場関連リスク

 ①概 要

銀行の業務運営は、経済動向、金利、為替などの金融経済環境の変化から大きな影響を受ける可能性があります。主要なリスクとして以下の3つが挙げられます。

イ.価格リスク

当社グループは市場性のある有価証券を保有しており、大幅な取引価格の下落があった場合には、保有有価証券に評価損が発生し、減損処理による損失の計上等、当社グループの業績に悪影響を与えるとともに、自己資本比率の低下を招くおそれがあります。

ロ.金利リスク

金利が変動した場合、債券相場の変動等により、当社グループの保有する国債をはじめとする債券ポートフォリオの価値等に悪影響を及ぼします。

 

ハ.為替リスク

円高となった場合に、当社グループの保有する外貨建て投資の財務諸表上の価値が減少します。

 

②主な取組み

 当社グループは、ALMによって金利の変動リスクを管理しております。市場リスク管理規程等において、リスク管理方法や手続き等の詳細を明記しており、日常的にはリスク統括部において金融資産及び負債の金利の期間を総合的に把握し、ギャップ分析や金利感応度分析、VaR(バリュー・アット・リスク)等の手法を用いてモニタリングを行っております。また月次でALM・収益管理委員会において、実施状況の把握・確認、今後の対応等の協議を行い、その結果を経営会議に報告し、必要に応じて取締役会に報告しております。

 有価証券投資に係る価格変動リスクについては、市場リスク管理規程に基づき、一定の保有期間と信頼区間に基づくVaRを計測し、そのリスク量が自己資本の一定額に収まっているかを把握し管理しております。

 

(その他のリスク)

(4) 感染症拡大のリスク

新型コロナウイルス等の感染症が流行した場合、当社グループの役職員の出勤困難者の増加等により業務縮小の可能性があるほか、経済活動への悪影響による取引先の業績悪化により信用リスクが増加するなど、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 流動性リスク

金融システムが不安定になるなど市場環境が大きく変化したり、当社の信用状況が悪化した場合には、必要な資金の確保が困難になり、通常よりも著しく高い金利での資金調達により当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 事務リスク

故意または過失により正確な事務を怠ったり、事務事故あるいは不正等を起こした場合、損害賠償等の経済的損失や信用失墜等をもたらす可能性があります。また当社グループが保有する顧客情報等の重要情報を外部に漏洩した場合には、当社グループの社会的信用が低下し、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(7)システムリスク

当社グループが業務上運用しているコンピュータシステムに対して、安定稼動を前提として障害の発生防止に努めておりますが、災害や停電によるものも含め、システムの停止または誤作動等によるシステム障害が発生した場合には、当社グループの業績並びに業務遂行に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(8) 情報資産リスク

当社グループは、顧客情報を多く保有しており、情報資産に関する規程や体制の整備により、情報資産の厳正な管理に努めております。しかしながら、情報資産の漏洩、紛失、改ざん、不正利用等が発生した場合、当社グループに対する信用低下が生じ、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(9) コンプライアンスリスク

当社グループは、各種法令・規則等に従って業務を遂行しておりますが、当社グループの役職員による違法行為等が発生した場合、各種法令・規則等に基づく処分等を受けることになる他、当社グループに対する訴訟等が提起された場合、業績及び財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(10)法令・規制等変更リスク

当社グループは現時点の法令・規制等に従い業務を運営しておりますが、将来において法律、規則、政策、実務慣行、解釈等の変更が行われた場合には、当社グループの業務運営及び業績等に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(11)人的リスク

人事運営上の不公平・不公正・差別的行為等があった場合、職員の士気の低下や人材の流出を招き、当社グループの業務運営及び業績等に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(12)風評リスク

当社グループはディスクロージャー誌等の発刊物や積極的な広報・IR活動等を通じて、経営情報等について広く提供し、風説・風評の発生防止に努めております。しかしながら、市場や顧客の間において、評判の悪化や事実と異なる風説の流布等により信用低下が生じた場合、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(13)経営リスク

2025年4月にスタートしたプロクレアホールディングス第2次中期経営計画に基づき展開する経営戦略等が奏功しない場合、当初想定した結果が得られない可能性があります。

 

(14)競争激化リスク

当社グループが主要な営業基盤とする青森県において、地域金融機関、メガバンク、ノンバンク等との間で競争関係にあります。また、規制緩和を通じた競争環境の激化もあり、当社グループが競争優位を得られない場合、調達コストの上昇、運用利回りの低下等が想定され、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(15)業務範囲拡大に伴うリスク

当社グループは、法令等の規制緩和に伴い伝統的な銀行業務以外の分野に業務範囲を広げております。しかしながら、当該業務の拡大が予想通りに進展せず、収益性が悪化した場合、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(16)自己資本比率に関わるリスク

当社の連結自己資本比率及び銀行子会社の連結及び単体自己資本比率は、「銀行法第52条の25の規定に基づき、銀行持株会社が銀行持株会社及びその子会社の保有する資産等に照らしそれらの自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断する基準」(2006年金融庁告示第20号)に定められた算式に基づき算出しており、国内基準を採用しております。

当社及び銀行子会社の自己資本比率が要求される基準である4%を下回った場合には、金融庁長官から、業務の全部又は一部の停止等の命令を受けることとなります。当社の自己資本比率は以下のような要因により影響を受ける可能性があります。

① 融資先の経営状況の悪化等に伴う不良債権処理費用の増加

② 有価証券ポートフォリオの価値の低下

③ 自己資本比率の基準及び算出方法の変更

④ 繰延税金資産の回収可能性の低下による減額

⑤ その他不利益な展開

 

(17)繰延税金資産に関わるリスク

現時点の会計基準では、過去の業績及び将来の収益力等に基づき回収可能性があると判断された将来減算一時差異に関して、繰延税金資産を計上することが認められております。また、現時点の自己資本比率規制においては、その大部分が自己資本の額に含まれます。当社グループの繰延税金資産の計算は、将来の課税所得の見込み等、様々な予測・仮定に基づいており、実際の結果がかかる予測・仮定とは異なる可能性があります。その結果、繰延税金資産の回収可能性に疑義が生じた場合、当社グループの繰延税金資産の減額による税金調整費用の発生により業績に悪影響を与えるとともに、自己資本比率が低下するおそれがあります。

 

(18)退職給付債務に関わるリスク

金利環境の変化その他の要因により、当社グループの年金資産の時価が下落したり、運用利回りが低下した場合、損失が発生する可能性があります。また、予定給付債務を計算する保険数理上の前提・仮定に変更があった場合には、年金の未積立債務及び年間積立額が増加し追加費用が発生する等、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(19)固定資産の減損会計に関わるリスク

当社グループは「固定資産の減損に係る会計基準」を適用しており、当連結会計年度においても必要額を減損損失として計上しております。しかしながら今後、収益状況や地価の動向など外部環境等の変化によっては、さらなる減損損失を計上する可能性があります。

 

 

(20)外部格付に関わるリスク

当社は外部格付機関による格付を取得しております。外部格付機関が当社の格付を引き下げた場合、資本や資金調達に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(21)災害等のリスク

地震等の自然災害の発生、停電等の社会インフラ障害及び犯罪等の被害を受けることにより、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(22)持株会社のリスク

当社は銀行持株会社であるため、その収入の大部分を傘下の銀行子会社から受領する配当金等に依存しております。一定の状況下で、様々な規制上または契約上の制限等により、その金額が制限される場合があります。また、銀行子会社が十分な利益を計上することができず、当社に対して配当を支払えない状況が生じた場合には、当社株主に対する配当の支払が不可能となる可能性があります。

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次の通りであります。

 

・業績

2024年度における国内経済は、緩やかな持ち直し基調が続きました。大企業を中心とした好業績や人手不足を背景とした企業の設備投資意欲が高まっていることに加え、半導体需要の回復やインバウンド需要の継続も国内景気を底支えしました。2025年1月には日銀の金融政策決定会合で政策金利が0.5%程度へ引き上げられました。さらに今後も賃金と物価の持続的上昇を確認しつつ段階的な利上げが続くものと予想されており、それに伴い長期金利も政策金利引き上げや国内景気の回復などを受けて、緩やかに上昇していく見通しです。

また、2025年の春闘では高い賃上げ率が実現し、個人消費の増加基調は当面維持される見通しです。一方で、トランプ政権の政策や地政学リスクの高まりによる輸出や生産などの下振れや、天候不順、物流コスト増加などの物価上昇圧力が続いた場合は、賃金上昇の局面においても国内景気は失速するリスクを内包しています。

青森県内においては「弘前さくらまつり」や「青森ねぶた祭」を始めとした各地のイベント集客がコロナ禍前の水準に迫るなど、観光・宿泊・飲食を中心としたサービス消費が回復しました。大雪による個人消費の下押しも一部みられましたが、足元ではその影響も和らぎ、県内経済は基調として緩やかに回復しています。

以上のような経営環境の中で、当社及び連結子会社10社は、役職員が一体となって経営基盤の拡充・強化に努めてまいりました結果、次のような事業成績となりました。

主要勘定につきましては、預金等(譲渡性預金を含む。)は法人預金が減少したことから、前連結会計年度末比681億円減少し5兆2,629億円となりました。貸出金は事業性貸出及び公共貸出が減少したことから、前連結会計年度末比3,268億円減少し3兆5,077億円となりました。有価証券は、前連結会計年度末比1,845億円増加し9,295億円となりました。

損益状況につきましては、貸出金利息や有価証券利息配当金の増加により資金利益は増加したものの、子銀行の合併に伴う経費の増加や役務取引等利益の減少により、経常利益は前連結会計年度比16億62百万円減益の24億32百万円となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度比15億90百万円減益の12億27百万円となりました。

なお、連結自己資本比率は、前連結会計年度末比0.72%上昇し8.94%となりました。

セグメントごとの業績は、「(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容」に記載しております。

 

・キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の期末残高は期中2,782億72百万円増加し1兆4,797億17百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動による資金収支は、貸出金が減少したこと等から、前連結会計年度に比べ4,696億22百万円増加の4,702億59百万円の増加となりました。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動による資金収支は、有価証券の取得による支出が増加したことから、前連結会計年度に比べ2,948億75百万円減少の1,905億50百万円の減少となりました。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動による資金収支は、自己株式の取得による支出が減少したことから、前連結会計年度に比べ206億13百万円増加の14億36百万円の減少となりました。

 

 

(参考)

(1) 国内・国際業務部門別収支

当連結会計年度の資金運用収支は、国内業務部門で前連結会計年度比40億18百万円増益の435億12百万円、国際業務部門で前連結会計年度比14億31百万円減益の25百万円となり、合計では前連結会計年度比25億86百万円増益の435億37百万円となりました。

役務取引等収支は、国内業務部門で前連結会計年度比10億61百万円減益の56億19百万円、国際業務部門で前連結会計年度比2百万円増益の27百万円となり、合計では前連結会計年度比10億59百万円減益の56億46百万円となりました。

その他の業務収支は、国内業務部門で前連結会計年度比50億66百万円減益の△111億38百万円、国際業務部門で前連結会計年度比1億94百万円増益の50百万円となり、合計では前連結会計年度比48億72百万円減益の△110億88百万円となりました。

 

種類

期別

国内業務部門

国際業務部門

合計

金額(百万円)

金額(百万円)

金額(百万円)

資金運用収支

前連結会計年度

39,494

1,456

40,951

当連結会計年度

43,512

25

43,537

うち資金運用収益

前連結会計年度

39,740

1,659

0

41,399

当連結会計年度

47,124

319

9

47,434

うち資金調達費用

前連結会計年度

246

202

0

448

当連結会計年度

3,611

294

9

3,896

役務取引等収支

前連結会計年度

6,680

25

6,705

当連結会計年度

5,619

27

5,646

うち役務取引等収益

前連結会計年度

13,301

37

13,338

当連結会計年度

12,611

37

12,649

うち役務取引等費用

前連結会計年度

6,621

12

6,633

当連結会計年度

6,992

9

7,002

その他業務収支

前連結会計年度

△6,072

△144

△6,216

当連結会計年度

△11,138

50

△11,088

うちその他業務収益

前連結会計年度

1,730

147

1,877

当連結会計年度

155

50

205

うちその他業務費用

前連結会計年度

7,802

291

8,094

当連結会計年度

11,293

11,293

 

(注) 1.国内業務部門とは当社及び連結子会社の円建取引、国際業務部門とは当社及び連結子会社の外貨建取引であります。ただし、円建対非居住者取引、特別国際金融取引勘定分等は国際業務部門に含めております。

2.資金調達費用は金銭の信託運用見合費用(前連結会計年度0百万円、当連結会計年度1百万円)を控除して表示しております。

3.資金運用収益及び資金調達費用の合計欄の上段の計数は、国内業務部門と国際業務部門の間の資金貸借の利息であります。

 

 

(2) 国内・国際業務部門別資金運用/調達の状況

 

①  国内業務部門

当連結会計年度の国内業務部門の資金運用勘定の平均残高は、前連結会計年度比2,227億83百万円増加の5兆7,941億25百万円、受取利息は前連結会計年度比73億77百万円増加の471億24百万円、利回りは前連結会計年度比0.10%上昇の0.81%となりました。

資金調達勘定の平均残高は、前連結会計年度比295億42百万円増加の5兆8,271億11百万円、支払利息は前連結会計年度比33億65百万円増加の36億11百万円、利回りは前連結会計年度比0.06%上昇の0.06%となりました。

 

種類

期別

平均残高

利息

利回り

金額(百万円)

金額(百万円)

(%)

資金運用勘定

前連結会計年度

(87,706)

5,571,342

(0)

39,747

0.71

当連結会計年度

(16,457)

5,794,125

(9)

47,124

0.81

うち貸出金

前連結会計年度

3,771,306

34,290

0.90

当連結会計年度

3,567,621

36,606

1.02

うち商品有価証券

前連結会計年度

2

0

0.33

当連結会計年度

3

0

0.19

うち有価証券

前連結会計年度

773,188

4,494

0.58

当連結会計年度

1,025,214

6,650

0.64

うちコールローン及び
買入手形

前連結会計年度

133,989

△4

△0.00

当連結会計年度

73,342

214

0.29

うち買現先勘定

前連結会計年度

当連結会計年度

うち預け金

前連結会計年度

892,856

965

0.10

当連結会計年度

1,127,943

3,642

0.32

資金調達勘定

前連結会計年度

5,797,569

246

0.00

当連結会計年度

5,827,111

3,611

0.06

うち預金

前連結会計年度

5,034,804

126

0.00

当連結会計年度

5,023,038

2,872

0.05

うち譲渡性預金

前連結会計年度

290,747

29

0.01

当連結会計年度

291,781

185

0.06

うちコールマネー及び
売渡手形

前連結会計年度

38,935

△8

△0.02

当連結会計年度

1,804

3

0.17

うち債券貸借取引
受入担保金

前連結会計年度

2,676

0

0.01

当連結会計年度

92,322

254

0.27

うち借用金

前連結会計年度

447,772

29

0.00

当連結会計年度

419,638

166

0.04

 

(注) 1.平均残高は、原則として日々の残高の平均に基づいて算出しておりますが、金融業以外の連結子会社については、半年毎の残高に基づく平均残高を利用しております。

2.資金運用勘定は無利息預け金の平均残高(前連結会計年度153,575百万円、当連結会計年度27,347百万円)を、資金調達勘定は金銭の信託運用見合額の平均残高(前連結会計年度19,713百万円、当連結会計年度2,506百万円)及び利息(前連結会計年度0百万円、当連結会計年度1百万円)を控除して表示しております。

3.(  )内は国内業務部門と国際業務部門の間の資金貸借の平均残高及び利息(内書き)であります。

 

 

②  国際業務部門

当連結会計年度の国際業務部門の資金運用勘定の平均残高は、前連結会計年度比726億69百万円減少の177億49百万円、受取利息は前連結会計年度比13億33百万円減益の3億19百万円、利回りは前連結会計年度比0.02%低下の1.80%となりました。

資金調達勘定の平均残高は、前連結会計年度比724億33百万円減少の207億66百万円、支払利息は前連結会計年度比92百万円増加の2億94百万円、利回りは前連結会計年度比1.20%上昇の1.41%となりました。

 

種類

期別

平均残高

利息

利回り

金額(百万円)

金額(百万円)

(%)

資金運用勘定

前連結会計年度

90,418

1,652

1.82

当連結会計年度

17,749

319

1.80

うち貸出金

前連結会計年度

当連結会計年度

うち商品有価証券

前連結会計年度

当連結会計年度

うち有価証券

前連結会計年度

89,479

1,597

1.78

当連結会計年度

14,153

141

1.00

うちコールローン及び
買入手形

前連結会計年度

938

45

4.87

当連結会計年度

3,595

168

4.69

うち買現先勘定

前連結会計年度

当連結会計年度

うち預け金

前連結会計年度

当連結会計年度

資金調達勘定

前連結会計年度

(87,706)

93,199

(0)

202

0.21

当連結会計年度

(16,457)

20,766

(9)

294

1.41

うち預金

前連結会計年度

1,621

2

0.17

当連結会計年度

1,508

7

0.48

うち譲渡性預金

前連結会計年度

当連結会計年度

うちコールマネー及び
売渡手形

前連結会計年度

3,739

195

5.21

当連結会計年度

2,762

134

4.88

うち債券貸借取引
受入担保金

前連結会計年度

85

4

5.03

当連結会計年度

うち借用金

前連結会計年度

当連結会計年度

 

(注) 1.資金運用勘定は無利息預け金の平均残高(前連結会計年度3百万円、当連結会計年度3百万円)を控除して表示しております。

2.(  )内は国内業務部門と国際業務部門の間の資金貸借の平均残高及び利息(内書き)であります。

3.国際業務部門の国内店外貨建取引の平均残高は月次カレント方式(前月末TT仲値を当該月のノンエクスチェンジ取引に適用する方式)により算出しております。

 

 

③  合計

 

種類

期別

平均残高

利息

利回り

金額(百万円)

金額(百万円)

(%)

資金運用勘定

前連結会計年度

5,669,340

41,399

0.73

当連結会計年度

5,821,844

47,434

0.81

うち貸出金

前連結会計年度

3,771,306

34,290

0.90

当連結会計年度

3,567,621

36,606

1.02

うち商品有価証券

前連結会計年度

2

0

0.33

当連結会計年度

3

0

0.19

うち有価証券

前連結会計年度

862,667

6,092

0.70

当連結会計年度

1,039,368

6,791

0.65

うちコールローン及び
買入手形

前連結会計年度

134,927

41

0.03

当連結会計年度

76,938

382

0.49

うち買現先勘定

前連結会計年度

当連結会計年度

 ―

うち預け金

前連結会計年度

892,856

965

0.10

当連結会計年度

1,127,943

3,642

0.32

資金調達勘定

前連結会計年度

5,803,062

448

0.00

当連結会計年度

5,831,420

3,896

0.06

うち預金

前連結会計年度

5,036,425

129

0.00

当連結会計年度

5,024,547

2,879

0.05

うち譲渡性預金

前連結会計年度

290,747

29

0.01

当連結会計年度

291,781

185

0.06

うちコールマネー及び
売渡手形

前連結会計年度

42,674

186

0.43

当連結会計年度

4,566

138

3.02

うち債券貸借取引
受入担保金

前連結会計年度

2,762

4

0.16

当連結会計年度

92,322

254

0.27

うち借用金

前連結会計年度

447,772

29

0.00

当連結会計年度

419,638

166

0.04

 

(注) 1.平均残高は、原則として日々の残高の平均に基づいて算出しておりますが、金融業以外の連結子会社については、半年毎の残高に基づく平均残高を利用しております。

2.資金運用勘定は無利息預け金の平均残高(前連結会計年度153,579百万円、当連結会計年度27,351百万円)を、資金調達勘定は金銭の信託運用見合額の平均残高(前連結会計年度19,713百万円、当連結会計年度2,506百万円)及び利息(前連結会計年度0百万円、当連結会計年度1百万円)を控除して表示しております。

3.国内業務部門と国際業務部門の間の資金貸借の平均残高及び利息は、相殺して記載しております。

 

 

(3) 国内・国際業務部門別役務取引の状況

当連結会計年度の役務取引等収益は、主に代理業務の減少により、合計で前連結会計年度比6億89百万円減少の126億49百万円となりました。

役務取引等費用は、合計で前連結会計年度比3億69百万円増加の70億2百万円となりました。

この結果、役務取引等収支は前連結会計年度比10億59百万円減益の56億46百万円となりました。

 

種類

期別

国内業務部門

国際業務部門

合計

金額(百万円)

金額(百万円)

金額(百万円)

役務取引等収益

前連結会計年度

13,301

37

13,338

当連結会計年度

12,611

37

12,649

うち預金・貸出業務

前連結会計年度

7,106

7,106

当連結会計年度

7,084

7,084

うち為替業務

前連結会計年度

2,061

37

2,099

当連結会計年度

1,868

37

1,905

うち証券関連業務

前連結会計年度

147

147

当連結会計年度

128

128

うち代理業務

前連結会計年度

3,019

3,019

当連結会計年度

2,610

2,610

うち保護預り・
貸金庫業務

前連結会計年度

84

84

当連結会計年度

74

74

うち保証業務

前連結会計年度

882

882

当連結会計年度

845

845

役務取引等費用

前連結会計年度

6,621

12

6,633

当連結会計年度

6,992

9

7,002

うち為替業務

前連結会計年度

304

12

316

当連結会計年度

329

9

339

 

(注)  国内業務部門とは当社及び連結子会社の円建取引であり、国際業務部門とは当社及び連結子会社の外貨建取引であります。

 

(4) 国内・国際業務部門別預金残高の状況

○  預金の種類別残高(末残)

 

種類

期別

国内業務部門

国際業務部門

合計

金額(百万円)

金額(百万円)

金額(百万円)

預金合計

前連結会計年度

5,045,387

1,537

5,046,924

当連結会計年度

5,022,594

1,638

5,024,233

うち流動性預金

前連結会計年度

3,641,036

3,641,036

当連結会計年度

3,619,022

3,619,022

うち定期性預金

前連結会計年度

1,351,388

1,351,388

当連結会計年度

1,304,819

1,304,819

うちその他

前連結会計年度

52,962

1,537

54,499

当連結会計年度

98,752

1,638

100,391

譲渡性預金

前連結会計年度

284,140

284,140

当連結会計年度

238,706

238,706

総合計

前連結会計年度

5,329,528

1,537

5,331,065

当連結会計年度

5,261,301

1,638

5,262,939

 

(注) 1.流動性預金=当座預金+普通預金+貯蓄預金+通知預金

2.定期性預金=定期預金+定期積金

3.国内業務部門とは当社及び連結子会社の円建取引であり、国際業務部門とは当社及び連結子会社の外貨建取引であります。ただし、円建対非居住者取引は国際業務部門に含めております。

 

(5) 国内・国際業務部門別貸出金残高の状況

①  業種別貸出状況(末残・構成比)

 

業種別

前連結会計年度

当連結会計年度

金 額(百万円)

構成比(%)

金 額(百万円)

構成比(%)

国内(除く特別国際金融取引勘定分)

3,834,598

100.00

3,507,783

100.00

製造業

142,056

3.71

143,409

4.10

農業、林業

20,870

0.54

19,035

0.54

漁業

3,478

0.09

4,352

0.12

鉱業、採石業、砂利採取業

5,463

0.14

4,585

0.13

建設業

100,606

2.62

93,603

2.67

電気・ガス・熱供給・水道業

127,977

3.34

130,554

3.72

情報通信業

9,805

0.26

10,794

0.31

運輸業、郵便業

77,187

2.01

72,114

2.06

卸売業、小売業

218,033

5.69

197,737

5.64

金融業、保険業

133,479

3.48

149,243

4.25

不動産業、物品賃貸業

256,070

6.68

252,617

7.20

各種サービス業

247,439

6.45

229,471

6.54

政府・地方公共団体

1,289,253

33.62

994,488

28.35

その他

1,202,876

31.37

1,205,774

34.37

特別国際金融取引勘定分

政府等

金融機関

その他

合計

3,834,598

100.00

3,507,783

100.00

 

 

②  外国政府等向け債権残高(国別)

該当ありません。

 

(6) 国内・国際業務部門別有価証券の状況

○  有価証券残高(末残)

 

種類

期別

国内業務部門

国際業務部門

合計

金額(百万円)

金額(百万円)

金額(百万円)

国債

前連結会計年度

85,736

85,736

当連結会計年度

343,013

343,013

地方債

前連結会計年度

326,998

326,998

当連結会計年度

309,165

309,165

社債

前連結会計年度

104,678

104,678

当連結会計年度

107,732

107,732

株式

前連結会計年度

30,809

30,809

当連結会計年度

16,685

16,685

その他の証券

前連結会計年度

129,371

67,399

196,770

当連結会計年度

141,598

11,332

152,930

合計

前連結会計年度

677,593

67,399

744,993

当連結会計年度

918,195

11,332

929,528

 

(注) 1.国内業務部門とは当社及び連結子会社の円建取引であり、国際業務部門とは当社及び連結子会社の外貨建取引であります。

2.「その他の証券」には、外国債券及び外国株式を含んでおります。

 

 

 (自己資本比率等の状況)

 

 (参考)

 自己資本比率は、銀行法第52条の25の規定に基づき、銀行持株会社が銀行持株会社及びその子会社の保有する資産等に照らしそれらの自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準(2006年金融庁告示第20号)に定められた算式に基づき、連結ベースについて算出しております。

 なお、当社は、国内基準を適用のうえ、信用リスク・アセットの算出においては標準的手法を、オペレーショナル・リスク相当額の算出においては標準的手法を採用しております。また、当社はマーケット・リスク規制を導入しておりません。

 

 連結自己資本比率(国内基準) 

                            (単位:億円、%)

 

2025年3月31日

1.連結自己資本比率 (2/3)

8.94

2.連結における自己資本の額

1,610

3.リスク・アセットの額

18,005

4.連結総所要自己資本額

720

 

 

 (資産の査定)

 

 (参考)

 資産の査定は、「金融機能の再生のための緊急措置に関する法律」(1998年法律第132号)第6条に基づき、株式会社青森みちのく銀行の貸借対照表の有価証券中の社債(当該社債を有する金融機関がその元本の償還及び利息の支払の全部又は一部について保証しているものであって、当該社債の発行が金融商品取引法(1948年法律第25号)第2条第3項に規定する有価証券の私募によるものに限る。)、貸出金、外国為替、その他資産中の未収利息及び仮払金、支払承諾見返の各勘定に計上されるものについて債務者の財政状態及び経営成績等を基礎として次のとおり区分するものであります。

 

 1.破産更生債権及びこれらに準ずる債権

 破産更生債権及びこれらに準ずる債権とは、破産手続開始、更生手続開始、再生手続開始の申立て等の事由により経営破綻に陥っている債務者に対する債権及びこれらに準ずる債権をいう。

 

 2.危険債権

 危険債権とは、債務者が経営破綻の状態には至っていないが、財政状態及び経営成績が悪化し、契約に従った債権の元本の回収及び利息の受取りができない可能性の高い債権をいう。

 

 3.要管理債権

 要管理債権とは、三月以上延滞債権及び貸出条件緩和債権をいう。

 

 4.正常債権

 正常債権とは、債務者の財政状態及び経営成績に特に問題がないものとして、上記1から3までに掲げる債権以外のものに区分される債権をいう。

 

 株式会社青森みちのく銀行(単体)の資産の査定の額

債権の区分

2024年3月31日

2025年3月31日

金額(億円)

金額(億円)

破産更生債権及びこれらに準ずる債権

193

危険債権

365

要管理債権

87

正常債権

35,515

 

 

   なお、2025年1月1日付で、株式会社青森銀行及び株式会社みちのく銀行は、株式会社青森銀行を存続会社、株式会社みちのく銀行を消滅会社とする吸収合併を行い、株式会社青森銀行の商号を株式会社青森みちのく銀行へ変更していることから、2024年3月31日の資産の査定の額は旧行ごとに記載しております。

 

 株式会社青森銀行(単体)の資産の査定の額

債権の区分

2024年3月31日

2025年3月31日

金額(億円)

金額(億円)

破産更生債権及びこれらに準ずる債権

62

危険債権

167

要管理債権

35

正常債権

21,788

 

 株式会社みちのく銀行(単体)の資産の査定の額

債権の区分

2024年3月31日

2025年3月31日

金額(億円)

金額(億円)

破産更生債権及びこれらに準ずる債権

102

危険債権

204

要管理債権

39

正常債権

17,090

 

 

 (生産、受注及び販売の状況)

 「生産、受注及び販売の状況」は、銀行持株会社としての業務の特殊性のため、該当する情報がないので記載しておりません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、以下の記載における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 経営成績の分析

当社グループの連結経営成績の状況につきましては、連結業務粗利益は貸出金利息や有価証券利息配当金の増加により資金利益が増加したものの、国債等債券損益の減少によりその他業務利益が減少したことから、前連結会計年度比33億46百万円減益の380億94百万円となりました。経常利益は、株式等関係損益は増加したものの、業務粗利益の減益に加え、子銀行の合併に伴う営業経費の増加等により、前連結会計年度比16億62百万円減益の24億32百万円となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度比15億90百万円減益の12億27百万円となりました。

 

 

前連結会計年度(百万円)

当連結会計年度(百万円)

増減(百万円)

連結業務粗利益

41,440

38,094

△3,346

 

資金運用収支

40,951

43,536

2,585

 

役務取引等収支

6,705

5,646

△1,059

 

その他業務収支

△6,216

△11,088

△4,872

営業経費

41,878

45,047

3,169

与信費用(貸倒償却費用等)

1,591

1,554

△37

株式等関係損益

4,811

8,097

3,286

その他

1,312

2,841

1,529

経常利益

4,094

2,432

△1,662

特別損益

△593

301

894

税金等調整前当期純利益

3,501

2,733

△768

法人税、住民税及び事業税

1,231

1,104

△127

法人税等調整額

△547

401

948

法人税等合計

683

1,506

823

当期純利益

2,817

1,227

△1,590

非支配株主に帰属する当期純利益

親会社株主に帰属する当期純利益

2,817

1,227

△1,590

 

(注)連結業務粗利益=(資金運用収益-資金調達費用)+(役務取引等収益-役務取引等費用)

+(その他業務収益-その他業務費用)

 

セグメントごとの業績は、次のとおりであります。

(銀行業)

経常収益は前連結会計年度比86億11百万円増加の708億98百万円、セグメント利益は前連結会計年度比11億77百万円減少の24億21百万円となりました。

(リース業)

経常収益は前連結会計年度比8億61百万円減少の135億54百万円、セグメント利益は前連結会計年度比2億25百万円減少の5億36百万円となりました。

(その他)

経常収益は前連結会計年度2億54百万円増加の27億92百万円、セグメント利益は前連結会計年度比26百万円減少の7億10百万円となりました。

 

② 財政状態の分析

(主要勘定の残高)

預金につきましては、法人預金が減少したこと等から、前連結会計年度末比226億円減少し、5兆242億円となりました。また、譲渡性預金は前連結会計年度末比454億円減少し、2,387億円となりました。

貸出金につきましては、事業性貸出及び公共貸出が減少したことにより、前連結会計年度末比3,268億円減少し3兆5,077億円となりました。

有価証券につきましては、国債等を中心に増加し、前連結会計年度末比1,845億円増加し9,295億円となりました。

 

(末残)

前連結会計年度末(百万円)

当連結会計年度末(百万円)

増減(百万円)

預金

5,046,924

5,024,233

△22,691

 

うち個人預金

3,548,945

3,545,291

△3,654

譲渡性預金

284,140

238,706

△45,434

貸出金

3,834,598

3,507,783

△326,815

有価証券

744,993

929,528

184,535

純資産

167,348

158,303

△9,045

 

 

③ 連結自己資本比率(国内基準)

 

 

前連結会計年度末(億円)

当連結会計年度末(億円)

差異

1.連結自己資本比率

8.22%

8.94%

0.72%

2.連結における自己資本の額

1,653

1,610

△43

3.リスク・アセットの額

20,091

18,005

△2,086

4.連結総所要自己資本額

803

720

△83

 

(注)1.自己資本比率は、銀行法第52条の25の規定に基づき、銀行持株会社が銀行持株会社及びその子会社が保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準(2006年金融庁告示第20号)に定められた算式に基づき算出しております。

   2.当連結会計年度末よりバーゼルⅢ最終化を適用したことにより、リスク・アセットの額が減少しております。

 

 

④ 経営目標の達成状況

 

経営目標

2025年3月期

(計画最終年度)

2025年3月期

(実績)

貸出金平残

(市場性除く)

3兆3,700億円

3兆2,401億円

コア業務純益(※1)

(投信解約損益除く)

29億円

(※2) (69億円)

50億円

(69億円)

連結当期純利益 

13億円

(※2) (53億円)

12億円

(26億円)

 

※1.両行単体の単純合算です。
 ※2.( )は統合関連費用及び交付金等を除いた参考値です。

貸出金平残については、コロナ関連融資の残高減少に加え、合併対応に多くの人的リソースを費やした影響から法人営業担当者の活動量が減少したことも要因となり、2025年3月期計画比では1,299億円下回る結果となりました。

コア業務純益(投信解約損益除き)では、市場金利の上昇により貸出金利回りが上昇し、また統合関連費用も計画比で減少したことから、2025年3月期計画比では21億円上回る結果となりました。

連結当期純利益は、コア業務純益は増加したものの、有価証券関係損益の下振れにより、概ね2025年3月期計画と同水準となりました。

 

⑤  キャッシュ・フローの状況の分析

(概要)

キャッシュ・フローの状況の概要については、「(1)経営成績等の状況の概要」に記載しております。

 

(資本の財源及び資金の流動性についての分析)

当社グループは事業活動のための適切な資金確保、流動性の維持、並びに健全な財政状態を常に目指しております。貸出金や有価証券の運用に関しては、大宗を顧客からの預金にて調達しております。また必要に応じ日銀借入金やコールマネー等により資金調達を行っております。また資金調達の状況等については、月次でALM・収益管理委員会や経営会議に報告し、必要に応じて妥当性や今後の対応を協議しております。

なお、当面の設備投資等については自己資金で対応する予定であります。

 

⑥  重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の金額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

5 【重要な契約等】

 (1)子銀行の合併契約

  当社の完全子会社である株式会社青森銀行と株式会社みちのく銀行は、2024年9月27日付にて合併契約を締結いたしました。詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(企業結合等関係)」に記載のとおりであります。

 

 (2)経営管理契約

  当社は、当社の完全子会社である株式会社青森みちのく銀行との間で、当社が子銀行に対して行う経営管理について、「経営管理契約」を締結しております。

 

6 【研究開発活動】

該当事項はありません。