第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。当該将来に関する事項については、その達成を保証するものではありません。

 

(1)経営方針

[企業理念] 子どもたちの 子どもたちの 子どもたちへ

[事業目的] ゲストに最高の笑顔と感動を届け続ける

社員一人ひとりの幸せの総和が企業価値

[経営方針] 持続可能な安定的成長

 

当社の企業理念には、今日におけるこの国の平和と繁栄を創り上げた先人たちへの感謝の気持ちを忘れずに受け継いでいかなければならないという想いが込められています。「子どもたちの 子どもたちの 子どもたちへ」の想いは、当社のゲスト(入居者)である日本の未来を担う若者たちに住まいの選択肢を広げ、「ゲストに最高の笑顔と感動を届け続ける」ことによって、若者たちがより素晴らしい未来を拓いていくこと、そしてそれが「アパート経営100年ドックVISION」に掲げるオーナーさまのアパート経営の成功につながり、3世代・4世代と安定した資産継承につながっていくという考えをあらわしたものです。ゲストの感動とオーナーさまの満足の結果として、社員一人ひとりの物心両面(報酬と時間)の幸せが実現できると考えており、この事業目的を達成するために、「持続可能な安定的成長」を果たしていくことが、当社の経営方針であります。

 

(2)経営環境

今後の我が国経済は、ウィズコロナへの移行、賃金上昇等による景気拡大が期待される一方、人財不足の深刻化、地政学的リスクに伴う資材不足、物価上昇に加え、金融引き締めによる海外経済の減速が懸念されるなど、依然として不透明な状況が続くものと想定されます。

当社の主要事業領域である賃貸住宅市場においては、全国の新設貸家着工数は、新型コロナウイルス感染症の影響により一時的に減少したものの、2022年2月期は325,692戸(前年同期比7.7%増)、2023年2月期は347,147戸(前年同期比6.6%増)と回復しております(出典:国土交通省HP「住宅経済関連データ」より)。一方、当社の主要事業エリアである東京都の新設貸家着工数は、2022年2月期は68,018戸(前年同期比4.6%増)、2023年2月期は69,908戸(前年同期比2.8%増)と各月の増減はあるものの堅調に推移しております(出典:東京都住宅政策本部HP「住宅着工統計」より)。

なお、当社の事業エリアである東京圏(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県)においては、特に若者や働く女性の転入超過が続いている状況です。

 

(3)経営戦略等

当社は、東京圏において生き方にこだわりを持つ25歳から35歳を中心とした若者に「最高の笑顔と感動を届け続ける」ことをモットーに、不安定な状況下であっても経営方針である「持続可能な安定的成長」を実現するため、確立された企業理念と事業目的の下、顧客・エリア・商品・構法など事業ドメインを選択と集中により絞り込み(ニッチ戦略)、いたずらに規模を追わず経営資源を集中させております。また、ゲスト(入居者)の多様な生活シーンに対応する平面に高さを加えた立体的な空間設計を主軸とした差別化商品を提供することによって、同じような間取りによる他社との価格競争を排し、事前のコンサルティングから、アパートの建築、完成後のオペレーションまで一貫して担う「アパート経営の専門店」として収益性の高い独自のビジネスモデルを確立していくことを戦略としております。

2022年2月期からの中期基本方針を「セグメントごとの収益力を強化する」と定め、技術開発、人財、デジタル化を軸に大胆な戦略投資を行っております。また、2021年2月期より導入した経営管理手法であるアメーバ経営を本格的に実践することによって小さな組織ごとに損益の見える化を図り、また、権限と責任の委譲を推進することにより、次世代の経営者を育成してまいります。

 

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各ビジネスモデルの事業戦略は下記のとおりです。

 

   賃貸住宅事業

 賃貸住宅事業におきましては、保有する土地の有効活用を検討しているオーナーさまに対し、赤煉瓦調の外壁とデザイン性のある門柱、オートロックや防犯カメラを標準装備し、各住戸を立体的に空間設計した当社基幹ブランド「My Style vintage」と、床下や天井のデッドスペースを活用しワークスペースや収納スペースなどのユーティリティスペースを設置するなど上下への三次元の発想で空間設計し、平面の「広さ」以上の空間的な広さを提供する「FUSION]を中心に、アパート経営の企画、設計、施工等を行ってまいります。また、営業面ではオーナーさまがアパート経営を通じて実現したいことは何かを顕在化し、目的達成に向けた課題解決のため、ファイナンシャルプランナー的手法にて総合的な資金計画を提案し、経済的側面から実現に導くことができるようコンサルティング力の強化を図ってまいります。

 これらに加えて、今後は、IOTスマートアパート(オートロックの共用インターホンとスマートフォンが連動し、不在時でも宅配便や来客対応が可能なほか、室内の照明器具やエアコンなどをスマートフォンで操作でき、セキュリティセンサーや防犯カメラとスマートフォンが連動できるアパート)の商品化によって競争力強化を図るほか、SDGsに賛同し、高断熱材、ペアガラスサッシ等により断熱性を高め、省エネエアコンや高効率給湯器、LED照明などの省エネ設備の導入により消費エネルギーを低減したアパートへの取り組みなど、アパート建築を通した社会貢献を行ってまいります。

 

   賃貸開発事業

2020年10月より事業を開始した賃貸開発事業におきましては、不動産購入資金に対する家賃収入といった投資利回りよりも、エリアや駅近など地価が下落しづらいことを物件選択において重視される土地を保有されていない富裕層に対して、豊かな資産承継に貢献できるようなアパート経営の提案を行うことで、当社の新たな収益基盤の構築に取り組んでまいります。

 また、新たな収益基盤を目指し、城南(品川区・目黒区・港区・大田区)・城西(渋谷区・新宿区・世田谷区・中野区・杉並区・練馬区)エリアに絞込み、駅からの距離・規模・形状などを基準に、将来にわたり価値を維持できるような土地を仕入れ、その土地の資産価値に相応する付加価値の高い「My Style vintage」などのアパートを建築し販売を行ってまいります。

 

   賃貸経営事業

賃貸経営事業におきましては、自社施工物件に限らず、他社の施工物件や他社の管理物件について、管理受託営業を積極的に行い、管理受託物件の拡大に注力してまいります。

また、「My Style vintage」の入居希望者の会員組織「My Style Room Club」(2022年2月末の会員数1,870名)の会員に対し、My Style Room Club専用サイトを活用したゲストの囲い込み等の施策により、入居希望者である「My Style Room Club」会員の増加を目指してまいります。

 さらに、管理アパートの入居者募集などを行う賃貸仲介協力業者の組織であるセレリーシングパートナーズ(2022年2月末で16社)、日常の建物点検、清掃や維持管理業務などを委託するメンテナンス協力業者の組織であるセレメンテナンスパートナーズ(2022年2月末で8社)により業者間との連携強化に努め、ゲストに対する課題を共有することにより、機動的かつきめ細やかなサービスの提供に努めてまいります。

 

 

(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

事業目的を達成するための長期的な経営課題として生産性の向上と収益力の改善を全社員が共有しております。

付加価値の提供による粗利益率の引上げだけではなく、本業における収益力の改善課題の早期発見のため、営業利益率を収益力の指標とし、営業利益率6.0%以上の確保が必要であると考えております。また、継続企業としての安全性の観点から、自己資本比率60.0%以上を維持することが必要であると考えております。

 

(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当社は、アパート経営において、コンサルティングから賃貸経営までワンストップでオーナーさまの人生設計における課題解決に向けた選択肢を提供し、フルサポートできる体制づくりを目指しております。

アパート経営に特化し、若者のニーズに合った空間設計とモノづくりによる差別化により付加価値を提供し、経営方針である「持続可能な安定的成長」を実現するために優先的に対処すべき課題は以下のとおりであります。

 

① コンサルティング力の強化

お客様(オーナーさま)と共有したアパート経営による課題解決の仮説を竣工後の管理、運営を通じて検証、サポートをし続け、大切な資産を3世代、4世代、そのまた先の世代まで毀損させることなく維持し、承継していくためには、オーナーさまとの信頼関係の構築が重要と考えております。

その実現のため、オーナーさまの会員組織として設立した「セレ パートナーズクラブ」のサービスを充実することで、当社の想いに共感していただけるようオーナーさまとの関係性の強化を図り、定期的な経営診断や収支・承継などの経営コンサルティングといった更なるサービスの向上を目指してまいります。

 

② プロパティマネジメント力の強化

アパート賃貸運営のオペレーションを担うプロパティマネジメントにおいては、ゲスト(入居者)とのプラットフォームづくりによりリレーションシップの強化を図り、若者の住まいに対するニーズを先取りし、より満足していただけるサービスとサポートの提供を目指しております。

ゲストに対しては、「My Style」ブランドアパートのコアなファンによる会員組織「My Style Room Club」において、従来の先着順形式ではなく新築物件の公開入居抽選会により公平に機会提供することでファンづくりを強化し、入居率を確保してまいります。また、オーナーさまに向けては、事前に立てた綿密な経営計画の実践により、中長期にわたる安定収入の確保と資産価値の維持向上を図るための長期修繕計画の提案、レポーティングなど、サポート体制の充実と保険・ライフサイクルサポートなどを提供し、信頼関係の強化に努めてまいります。

 

③ 技術力の強化

日本製鉄株式会社(旧:新日鐵住金株式会社)との共同開発により主要鋼材の軽量化と耐久性強化を実現した“新型式構法:セレZ”の活用により、敷地対応への更なる自在性の向上を図るとともに、生産性の向上とコスト低減を目指してまいります。

また、2020年10月に国土交通大臣より型式部材等製造者認証を千葉工場で取得し、生産品質のさらなる均一化を図るほか、千葉工業大学及び東京理科大学と遮音性能向上の共同研究を行うなど、新たな部材の開発と効率的な施工方法の研究を進めてまいります。

 

④ 将来を見据えた新規事業の展開

当社は、いたずらに規模の拡大を目指すのではなく、着実かつ安定的な成長を目指しております。

その実現のためには、賃貸住宅事業、賃貸開発事業並びに賃貸経営事業を通じて構築されるオーナーさま及びゲストとのネットワークをリソースとする派生ビジネスを主軸とした新たな事業の組成によってシナジー効果を得ることで収益の拡大を図り、東京圏(1都3県)に強い事業基盤を創り上げ、持続可能な安定的成長を加速してまいります。

 

⑤ 内部管理体制の強化

当社グループの継続的な発展のためには、コーポレート・ガバナンス機能の強化が重要な課題であると考えており、財務報告の信頼性を確保するため、内部統制システムの適切な運用が重要であると認識しております。コーポレート・ガバナンスに関しては、ステークホルダーに対して経営の適正化や健全性を確保しつつ、より一層効率化された組織体制の構築に向けて内部管理体制の強化に取り組んでまいります。

 

 

⑥ 人財の確保と育成

上記の課題を克服するためには、優秀な人財を継続的に確保し、育成することが最も重要であると認識しております。そのため当社では、全ての従業員に対し、自己研鑚を重ね、高い専門性を身に着けること、自律的に行動していくことを求めております。これにより、従業員個々の能力の向上を図り、当社の人財レベルの向上、ひいてはサービスの質の向上、維持に繋げていきたいと考えております。その実現には、人財に対する投資が必要不可欠であると考え、毎年策定する人員計画に教育研修を盛り込み、人財のレベルアップに取り組んでおります。また併せて、経営理念やコンプライアンスに基づいた業務運営体制の徹底のため、従業員に対し各種研修を実施しております。

 

⑦ 当社株式の流動性の向上

当社は、本公募及び売出しによって当社株式の流動性の確保に努めることとしておりますが、株式会社東京証券取引所が定める流通株式比率は当社の上場するスタンダード市場において25%以上と定められております。

当社の流通株式数は投資家の売買を通じて変動いたしますが、当社はその動向を注視し、必要に応じて主要な株主に保有株式の売出し等にご協力をいただくなど、当社株式の流動性向上に努めてまいる方針です。

 

⑧ 中国子会社の譲渡資金の活用について

2021年12月20日付で当社の連結子会社である賽力(中国)有限公司の全持分を寧波市北侖区現代服務業発展有限公司に譲渡したことにより、2022年2月期の連結損益計算書において、「関係会社出資金譲渡益」として特別利益を165億円計上しております。なお、譲渡により得た資金については、一部を運転資金として活用し、その他は成長資金として適切な投資機会等を見極めた上で活用していく方針であります。

 

2【事業等のリスク】

 当社は、当社グループの事業活動に関する主要リスクについて、所管部門によるリスクマネジメントの取り組みを通じて継続的に見直しを行っております。

 本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャ

ッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりでありま

す。

 また、必ずしもリスク要因には該当しない事項につきましても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下に記載しておりますが、当社グループに関する全てのリスクを網羅するものではございません。

 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであり、将来において発生の可能性がある全てのリスクを網羅するものではありません。

 

(1)気候変動について(発生可能性:小、発生する時期:特定無し、影響度:中)

当社グループは、東京圏(1都3県)に限定して展開しておりますが、東京圏において大規模な地震や台風等の自然災害が発生した場合、被災した当社グループの建築現場・事業所・情報設備等の修復や、オーナーさまの建物の点検、被災したオーナーさま及びゲストへの支援活動などにより、多額の費用が発生する可能性があります。また、被災地域において、社会インフラが大規模に損壊し、相当期間にわたり生産・流通活動が停止することで建築資材・部材の供給が一時的に途絶えたり、多数の社員が被災し勤務に支障をきたすことにより、契約締結・工事着工・工事進捗が滞り、また、管理物件の被害等が発生することにより、リーシング活動に支障が生じ、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)法的規制等について(発生可能性:中、発生する時期:特定無し、影響度:中)

当社グループは、建設業法、建築基準法、宅地建物取引業法、下請代金支払遅延等防止法、建築士法、特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律、都市計画法、住宅の品質確保の促進等に関する法律、建設工事に係る資材再資源化等に関する法律、水質汚濁防止法、騒音防止法、振動規制法、大気汚染防止法、借地借家法、賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律、改正民法(賃貸借)、保険業法、不動産の表示に関する公正競争規約、労働安全衛生法、犯罪収益移転防止法、暴力団排除条例、建設業許可等に則り事業活動を行っております。

これらの法令等を遵守するために、内部統制委員会による継続的な法令遵守の取り組みを実行しており、コーポレートガバナンス及びコンプライアンス推進体制を強化しておりますが、法改正や新たな法令等への対応に不備が生じた場合や、想定できない法令違反が生じた場合には、事業活動が制限され、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

なお、当社が事業に関し取得している許認可等は以下のとおりであります。本書提出日現在、これらの許認可等が取消となる事由は発生しておりませんが、今後、何らかの理由により許認可等の取消等があった場合、当社の事業の活動に支障をきたすとともに当社の業績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。

許認可等の名称

許認可(登録)番号

有効期間

法令違反の要件及び主な許認可取消事由

建設業許可[建築工事業]

 (特定建設業許可)

東京都知事許可 (特-1)第142525号

2024年11月18日

(5年ごとの更新)

建設業法第29条

建設業許可[とび・土工工事業]

 (特定建設業許可)

東京都知事許可 (特-1)第142525号

2024年11月18日

(5年ごとの更新)

建設業法第29条

建設業許可[解体工事業]

 (特定建設業許可)

東京都知事許可 (特-1)第142525号

2024年11月18日

(5年ごとの更新)

建設業法第29条

一級建築士事務所登録

東京都知事登録 第47997号

2027年10月9日

(5年ごとの更新)

建築士法第26条

宅地建物取引業免許

東京都知事免許 (2)第97390号

2025年1月23日

(5年ごとの更新)

宅建業法第66条、第67条

賃貸住宅管理業者登録

国土交通大臣登録 (02)第000333号

2026年7月30日

(5年ごとの更新)

賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律

第23条

 

(3)品質管理について(発生可能性:小、発生する時期:特定無し、影響度:中)

当社グループの製品に関する品質基準は、設計、施工及び検査等、全てマニュアルで定められております。品質検査にあたっては、施工業者が行う自主検査の他に、工程内検査(現場担当者の検査)、外部施工検査機関(検査会社の検査)、発注者検査、行政検査(第三者機関を含む)の各検査を実施することにより品質の向上を図っております。

当社グループは品質には万全を期しておりますが、想定範囲を超える契約不適合責任等が発生した場合には、多額の費用発生や当社グループの評価を大きく毀損することとなり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)レピュテーションに関するリスク(発生可能性:小、発生する時期:特定無し、影響度:小)

当社グループの属するアパート建築業界では、2018年から2019年にかけて、他社において顧客の融資資料改ざんや建物の屋根裏、壁の内側等の施工未実施が発覚する等の不祥事が発生しました。当社グループにおいては、全社的なコンプライアンス意識の醸成や内部統制の整備、品質検査の充実等の内部管理体制強化を通じて、これらの未然防止に努めております。

しかしながら、これらの取り組みの範囲を超えた不測の事象が発生した場合や、当社グループに直接関係がない場合においても、アパート建築業界全体に対する批判的な風評が発生し、顧客による買い控え等が生じた場合は、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)人財の確保、育成について(発生可能性:小、発生する時期:中長期、影響度:中)

当社グループの持続可能な安定的成長に向けて、優秀な人財の確保が必要不可欠であると認識しております。そのため、優秀な人財を採用するとともに、育成にも注力しております。しかしながら、適切かつ十分な人員を採用できなかった場合や退職や休職等により人財が減少した場合、または育成が想定していたとおりに進まなかった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)安全・環境に関するリスク(発生可能性:中、発生する時期:特定無し、影響度:中)

当社グループは、事業を行うに際し、多数の建設現場や工場を有しているため、特に安全、環境面を最優先に配慮し、対策した上で事業を行っております。しかしながら、これらの配慮、対策にもかかわらず、現場での事故、環境汚染等の事故等が発生した場合には、人的・物的な被害等により業績等に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(7)情報セキュリティに関するリスク(発生可能性:小、発生する時期:特定無し、影響度:小)

当社グループは、個人情報・機密情報の保護には特に配慮し、対策を進め事業活動を行っておりますが、コンピュータウイルスの侵入やサイバー攻撃等により、個人情報・機密情報の漏洩・改ざん、システム停止等が生じるリスクがあります。このような事態が発生した場合、顧客からの損害賠償請求や社会的信用が大きく毀損されることにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8)訴訟のリスク(発生可能性:中、発生する時期:特定無し、影響度:中)

当社グループは事業を遂行していく上で、各種関係法令を遵守し、また、社員がコンプライアンスを理解し、実践することに最善の努力をしております。しかしながら、国内外を問わず訴訟を提起されるリスクを抱えております。万一、提訴された場合、または訴訟の結果によっては、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

なお、当社は本書提出日現在において、重大な訴訟を提起されている事実はありません。

 

(9)知的財産に関するリスク(発生可能性:小、発生する時期:特定無し、影響度:小)

商標権をはじめとする知的財産権については、当社グループが有する知的財産権に侵害の疑いが生じた場合には、顧問弁護士及び弁理士に依頼し、必要な処置を講ずることとしております。また、他社の知的財産権を侵害することは、当社グループの主たる事業活動に重大な悪影響を及ぼすものと認識しており、その防止に努めております。しかしながら、予期せず第三者との間で、知的財産権等の帰属・侵害に関する主張及び請求を受けた場合や、損害賠償請求及び使用差止請求等を受けた場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(10)賃貸等不動産における空室及び賃下げに関するリスク

   (発生可能性:中、発生する時期:特定無し、影響度:中)

当社グループの賃貸経営事業は、アパートのプロパティマネジメント業務を行っております。オーナーさまが家賃保証システム(一括借上システム)を採用した場合、当社がアパートを借上げ、ゲストに転貸いたします。当社は、「ゲストに最高の笑顔と感動を届け続ける」空間設計を提供することにより、ゲスト確保に努めてまいりますが、外部環境の変化、ゲスト獲得の競争の激化等により、ゲストや賃料が計画どおりに確保できなくなる可能性があります。その場合、ゲスト確保のため賃料水準を下げる施策などにより、当社グループの業績等に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(11)競合の激化等に関わるリスク(発生可能性:小、発生する時期:特定無し、影響度:中)

当社グループの戦略として、当社のアパートブランド「My Style」の「圧倒的な差別化による付加価値の提供」を掲げており、コンサルティング内容、デザイン性等において、他社との差別化を図ってまいりますが、競合先による類似商品・サービスの投入等により当社グループの競争力を確保できない場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(12)需要動向に関するリスク(発生可能性:小、発生する時期:特定無し、影響度:小)

当社グループの主要なお客様であるアパートのオーナーについて、日本経済の情勢や税制などの法制度、金融市場動向・金利動向、人口動態がアパート経営の収益性に影響を及ぼすことから、これらの変動によってオーナーさまの需要動向に変化があった場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

特に、当社グループは賃貸住宅事業において、土地を所有するオーナーさまに対して、土地の有効活用法としてアパートの建設を提案するコンサルティング営業を行い建設受注を獲得しており、また賃貸開発事業において、富裕層における豊かな資産承継の一助として、当社にて取得した土地を販売することによる建設受注の獲得、あるいは、当社で建築したアパートの販売(建売販売)も行っております。現在においてアパート経営は土地活用の有効な手段の一つとされておりますが、税制改正により、アパート経営に関連する税負担等に変動があった場合、建設案件の受注獲得及び建売販売に影響し、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

また、オーナーさまがアパート経営を行う際、建物の建築代金を金融機関からの借入れにて調達することがあるため、金利の急激な上昇及びアパートローンに対する金融機関の融資姿勢に変化が生じた場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。アパートローンを利用する顧客に対しては資金計画上2~3割程度の自己資金負担の提案による過度なローンへの依存の回避、及び融資斡旋部署を設置して金融機関との連携強化を図っております。

 

(13)販売用土地仕入について(発生可能性:小、発生する時期:特定無し、影響度:小)

当社グループは賃貸開発事業において、アパート経営を希望するオーナーさまが土地を所有していない場合、高い入居率が見込める土地(整形地のみならず、路地状敷地や不整形地、借地活用への対応といったところも当社の強みとしております。)を厳選してオーナーさまに提案・販売しております。しかしながら、地価の上昇や他社との競合等により、従来どおりの良質の物件を獲得することが困難になった場合、建設案件の受注獲得に影響し、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(14)原材料価格、資材価格の高騰について(発生可能性:中、発生する時期:特定無し、影響度:小)

当社グループは、新規取引先の開拓、使用材料の汎用品促進、新構法の導入等によって、工事原価の抑制に努めてまいりますが、原材料・資材価格・人件費等の高騰による仕入価格や工事原価の上昇を売上価格に転嫁できない場合は、当社グループの業績等に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(15)研究開発や技術革新に関するリスク(発生可能性:小、発生する時期:中長期、影響度:中)

当社グループでは、空間設計を重視した設計を基に、自社製造の鋼材と自社施工によるアパートの建築を行っており、技術改革課において新商品の開発、型式管理課において新技術や新構法の研究開発に取り組んでおりますが、競争力のある新商品、新技術、新構法が開発されないまたは開発に遅れが生じるなどにより、原価低減が計画どおりに行えない場合は、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(16)資産の価値下落に関するリスク(発生可能性:小、発生する時期:特定無し、影響度:小)

当社グループが保有している有価証券、販売用不動産、固定資産及びその他の資産について、時価の下落等による減損または評価損の計上によって、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

販売用不動産については、アパート経営のための用地仕入に際して、立地条件、競合物件の動向、地中埋設物の有無、仕入価格変動等について、十分な調査を行い、その結果を踏まえて仕入を行っております。しかしながら、不動産価格の急激な変動による販売価格の引き下げ、土壌汚染や地中埋設物の瑕疵が発見されることによる事業中止、延期が発生した場合には、事業計画の遂行に重大な問題が生じ、販売用不動産の評価損が発生する恐れがあります。その結果、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(17)当社グループ経営に関わるリスク(発生可能性:小、発生する時期:特定無し、影響度:小)

当社グループは、関係会社の経営の自主性を尊重しながら、当社グループの企業集団として一体性を有することを基本方針としてグループ経営を行っております。事業戦略上、企業の買収、組織再編等を行った場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(18)感染症に関するリスク(発生可能性:中、発生する時期:特定無し、影響度:小)

当社グループは、在宅勤務や時差出勤の実施並びにWEB会議システムを利用した社内会議や商談を推奨する等の働き方の変化を進めており、感染症の予防につながっております。今後、感染症が流行した場合には、事業活動の制約が大きくなり、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(19)代表取締役への依存について(発生可能性:小、発生する時期:特定無し、影響度:小)

当社の代表取締役である神農雅嗣は、当社の創業者であり、創業以来、経営者として経営方針や経営戦略を決定すると共に、新規事業の事業化に至るまでの重要な役割を担っております。

当社では、役員及び幹部社員の情報共有や経営組織の強化を図り、代表取締役に過度に依存しない経営体制の整備を進めておりますが、何らかの理由により代表取締役の業務執行が困難になった場合には、当社グループの業績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

  当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態の状況

(資産)

 当連結会計年度末における流動資産は19,781百万円であり、前連結会計年度末に比べて4,742百万円減少しました。これは主に未収還付法人税等が2,694百万円増加したものの、法人税等の納付を主要因として現金及び預金が5,263百万円減少したこと、賃貸開発事業において販売活動が順調に推移したことにより販売用不動産及び仕掛販売用不動産が合計で2,189百万円減少したこと等によるものです。

 固定資産は2,638百万円であり、前連結会計年度末に比べて264百万円減少しました。これは主に有形固定資産は78百万円増加したものの、繰延税金資産が344百万円減少したこと等によるものです。

 

(負債)

 当連結会計年度末における流動負債は3,176百万円であり、前連結会計年度末に比べて6,020百万円減少しました。これは主に前連結会計年度末に計上した未払法人税等が納付により5,293百万円減少したこと等によるものです。

 固定負債は453百万円であり、前連結会計年度末に比べて4百万円減少しました。

 

(純資産)

 当連結会計年度末における純資産は18,789百万円であり、前連結会計年度末に比べて1,018百万円増加しました。これは、上場に伴う自己株式の処分により自己株式が261百万円減少し、自己株式処分差益(資本剰余金)を100百万円計上したこと、オーバーアロットメントによる第三者割当増資により資本金及び資本準備金がそれぞれ28百万円増加したこと、親会社株主に帰属する当期純利益853百万円を計上したこと、及び配当金の支払258百万円等によるものです。

 この結果、自己資本比率は83.8%(前連結会計年度末は64.8%)となりました。

 

②経営成績の状況

当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症のワクチン接種や各種感染対策の効果により行動制限が徐々に緩和され、景気は緩やかに持ち直しましたが、感染再拡大への懸念に加え、世界的な半導体等の部品不足、原油価格をはじめとする原材料価格の高騰、金融資本市場の変動、長期化するウクライナ情勢などの地政学的リスクによる世界経済への影響も不安視され、先行きは不透明な状況が続いております。

当社の主要事業である賃貸住宅市場においては、エネルギー資源や建築資材高騰などの影響を受けているものの、全国の新設貸家着工戸数は一年を通じて前年を上回り、また当社の事業エリアとなる東京都の新設貸家着工戸数は、月により増減はあるものの堅調に推移しました(出典:国土交通省「建築着工統計調査」)。

・全国の新設貸家着工戸数

 

2022年

2023年

3月

4月

5月

6月

7月

8月

9月

10月

11月

12月

1月

2月

戸数(戸)

32,305

29,526

25,963

30,294

29,686

31,303

30,623

31,996

29,873

26,845

24,041

24,692

前年

同月比

+18.6%

+2.4%

+3.5%

+1.7%

+1.6%

+8.9%

+8.4%

+7.3%

+11.4%

+6.4%

+4.2%

+4.7%

 

・東京都の新設貸家着工戸数

 

2022年

2023年

3月

4月

5月

6月

7月

8月

9月

10月

11月

12月

1月

2月

戸数

(戸)

8,166

5,928

5,746

5,652

5,512

5,618

5,746

6,589

6,003

4,901

5,086

4,961

前年

同月比

+24.6%

+1.9%

+1.6%

△1.7%

+0.8%

+3.1%

+3.6%

△8.4%

+21.7%

+2.9%

△2.0%

△12.9%

 

このような環境の中、当社は、2022年3月11日に東京証券取引所市場第二部(2022年4月4日、東京証券取引所の市場見直しにより、東京証券取引所スタンダード市場に移行)に新規上場いたしました。

当社グループでは、今後も“子どもたちの 子どもたちの 子どもたちへ”の企業理念のもと、日本の未来を担う若者に住まいの選択肢を増やし、若者たちのより素晴らしい未来を拓く一翼を担うことで社会に貢献してまいります。

また、東京圏・若者・鉄骨造アパートに絞り込み経営資源を集中するニッチ戦略を基本に、“アパート経営の専門店”を掲げるアパートメーカーとして、土地有効活用のコンサルティングから、自社開発物件の組成、建物の設計・施工、自社工場での構造部材の製造、入居者の募集、建物のメンテナンスといった賃貸経営までワンストップで行うニッチトップ企業として、持続可能な安定的成長を目指してまいります。

 

以上のような結果、当社グループの当連結会計年度における売上高は21,375百万円(前年同期比16.0%増)、営業利益は1,233百万円(前年同期比35.3%増)、経常利益は1,254百万円(前年同期比28.0%増)となりましたが、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に中国賃貸事業の譲渡益を計上したことにより、853百万円(前年同期比92.0%減)となりました。

また、当社は、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当連結会計年度の期首から適用しております。詳細は、「第5経理の状況 1連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(収益認識関係)」をご参照ください。

 

各セグメントの経営成績は、次のとおりであります。

 

(賃貸住宅事業)

賃貸住宅事業におきましては、東京圏において生活にこだわりを持つ25歳から35歳の若者を中心に「最高の笑顔 と感動を届け続ける」をテーマに、旗艦ブランドである「My Style vintage」を軸としたアパートの企画、設計、施工等の請負事業を行い、未だ確立されていない「住まいの選択肢」を増やすことに注力してまいりました。

当連結会計年度における営業活動につきましては、上場を契機に競合の少ない優良紹介先の開拓(金融機関、コンサルタント士業、優良不動産業者等)に努めたほか、人財採用の推進、ロールプレイングや専門研修の導入によりコンサルティングを中心とする営業力の強化に取り組み、新規受注に注力してまいりました。

また、新型コロナウイルス感染症及び資源高の影響による原価高騰への対策として、工法の改善や工程の調整、工場の効率改善による生産性向上に努めたほか、仕入面の多角化などの原価低減にも注力してまいりました。

新商品販売に向けた取り組みとしては、新たな空間設計による付加価値アパートの開発・研究を推進したほか、“若者の暮らしを豊かにする”という当社テーマの実現に向け、若者の思考・居住性・多様性や利便性について共立女子大学とアパートの暮らしをテーマとした共同研究、千葉工業大学及び東京理科大学と遮音性能向上について共同研究を行ってまいりました。さらに、SDGsの持続可能な開発目標に賛同し、脱炭素社会に貢献できるよう、省エネルギー性能を強化したアパートの商品開発にも継続して注力してまいりました。

加えて、品質向上への取り組みとして、2022年11月、千葉工場において、品質マネジメントシステム(Quality Management System)の国際規格である「ISO9001」の認証を取得いたしました。この千葉工場の認証取得を契機に更なる品質向上と付加価値の創造に努めてまいります。

以上の活動の結果、当連結会計年度における引き渡し実績は91棟(累計2,703棟)、売上高は9,830百万円(前年同期比16.3%増)、セグメント利益は718百万円(前年同期比57.8%増)となりました。

 

(賃貸開発事業)

賃貸開発事業におきましては、『土地の資産価値』に重きを置いた新たな収益不動産の選択肢を提供することで、富裕層における豊かな資産承継の一助となるよう取り組んでおります。

生き方にこだわりを持つ当社のゲスト(入居者)が住みたい街であり、かつ資産価値の高い城南・城西にエリアを絞り込み、駅からの距離・規模・見栄えを合わせた4つの要素にこだわった土地の選定を行っております。その土地に『ワンルームを1LDKへ』という発想で設計された「Feel」に収納量の増大とリモートワークを可能とする書斎機能を追加した「Feel+1」や、設備仕様のすみずみまでこだわったパワーカップル向け商品「Fwin」を中心とした独創的な空間設計と、基幹ブランドである「My Style vintage」に門柱門扉等の高級感あふれる外装を施した最上級グレード『EXシリーズ』を企画・設計・施工して販売を行ってまいりました。

 当連結会計年度においては販売活動に注力し、主に金融機関における富裕層部門(プライベートバンキング室やウェルスアドバイザリー部)並びに当該部門と密接に関わる大手仲介会社の開拓、また独立系金融アドバイザー(IFA)や地方の大規模地主を抱える不動産系コンサルタントとの関係強化に努めた結果、リピート受注の獲得、計画を上回る販売など、概ね好調に推移しました。また翌連結会計年度以降の販売に向け、これまでの販売実績を踏まえ、より希少性の高い土地仕入活動の強化にも取り組んでまいりました。

以上の活動の結果、当連結会計年度における売上高は3,925百万円(前年同期比100.3%増)、セグメント利益は418百万円(前年同期はセグメント損失3百万円)となりました。

 

(賃貸経営事業)

賃貸経営事業におきましては、ストック管理戸数増加を目的とした管理物件の受託営業活動を積極展開するほか、管理オーナーさまに対しては、会員組織「セレパートナーズ倶楽部」によるサポートサービスを提供しております。併せて一括借上や家賃集金代行等によるゲスト(入居者)の募集、入退去管理、家賃回収、レポーティングといった賃貸管理業務、日常の建物点検、清掃等の建物管理業務といった賃貸オペレーションを担うプロパティマネジメント業務を行っております。

当連結会計年度におきましては、人員増による組織力の強化と実践型ロールプレイング研修等による営業力のレベルアップに注力し、管理受託営業の強化に取り組んだ結果、当連結会計年度末の管理戸数は12,043戸(前連結会計年度末比815戸増)となりました。

また、新たな管理メニューの開発に着手したほか、オーナーさま目線での資産価値向上の積極的な提案を行う等、オーナーさまとの対話を通して信頼関係の構築に努め、リピート受注や賃貸管理のリプレースによる管理戸数の増加を目指してまいりました。

加えて、引き続き専任の賃貸仲介協力業者の組織セレリーシングパートナーズ(当連結会計年度末で16社)及びメンテナンス協力業者の組織セレメンテナンスパートナーズ(当連結会計年度末で10社)との連携を強化し、ゲスト(入居者)及びオーナーさまの満足度につながるサービス面の維持・向上に努めた結果、高水準の入居率(当連結会計年度末で98.4%、前連結会計年度末比0.5%増)を維持することができました。

以上の活動の結果、当連結会計年度における売上高は8,741百万円(前年同期比7.0%増)となりましたが、セグメント利益は人件費等の増加により954百万円(前年同期比4.7%減)となりました。

 

③キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は前連結会計年度末に比べて5,263百万円減少し、14,221百万円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果使用した資金は4,181百万円となりました。これは主に賃貸開発事業において保有物件の売却が進み、販売用不動産及び仕掛販売用不動産が減少したことにより2,180百万円の資金の獲得となったものの、法人税等の確定納付及び中間納付により法人税等の支払額として8,037百万円の資金の使用となったこと等によるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は261百万円となりました。これは主に有形固定資産及び無形固定資産を取得したこと等によるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果使用した資金は820百万円となりました。上場時に新株の発行及び自己株式の処分により417百万円の資金を獲得し、この獲得した資金を原資の一部として借入金980百万円を返済したこと、及び配当金258百万円の支払い等によるものです。

 

④ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

当連結会計年度(自 2022年3月1日 至 2023年2月28日)

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

生産高(千円)

前年同期比(%)

賃貸住宅事業

7,489,540

109.6

合計

7,489,540

109.6

 (注)当社グループの生産機能は請負事業に含められるため、賃貸開発事業及び賃貸経営事業については記載しておりません。

 

 

b.受注実績

当連結会計年度(自 2022年3月1日 至 2023年2月28日)

当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

賃貸住宅事業

8,151,085

88.5

5,522,439

91.3

賃貸開発事業

-

-

-

-

合計

8,151,085

88.5

5,522,439

91.3

 (注)1.金額は販売価格によっております。

2.受注高及び受注残高は建築請負契約を締結した取引を集計しており、土地の売却取引は含んでおりません。

3.賃貸経営事業は、受注という概念が馴染まないため記載しておりません。

 

c.販売実績

当連結会計年度(自 2022年3月1日 至 2023年2月28日)

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

売上高(千円)

前年同期比(%)

賃貸住宅事業

8,830,658

117.2

賃貸開発事業

3,802,484

198.8

賃貸経営事業

8,741,956

107.0

合計

21,375,099

116.0

 (注)最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、10%未満のため記載を省略しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。当該将来に関する事項については、その達成を保証するものではありません。

 

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

 a.財政状態

 「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態の状況」に記載しております。

 

 b.経営成績

(売上高・売上原価・売上総利益)

当連結会計年度の売上高は21,375百万円と前連結会計年度の途中まで当社グループで営んでいた中国賃貸事業の売上がなくなったにもかかわらず、前連結会計年度と比較して2,950百万円増加(前年同期比16.0%増)しました。

賃貸開発事業において、前連結会計年度までに仕入れた物件について、完成物件の見学会等を積極的に実施し、当社物件の認知度向上を目指した結果、翌連結会計年度に販売予定の物件も含め、物件売却が好調に推移したことから、売上が前連結会計年度と比較して1,889百万円増加し3,802百万円となりました。また、賃貸住宅事業においても、金融機関をはじめとする優良な紹介先の開拓や顧客の事業性に配慮した適正な価格転嫁を行ったことにより、売上が前連結会計年度と比較して1,295百万円増加し8,830百万円となりました。

売上原価は17,963百万円と前連結会計年度と比較して2,553百万円増加(前年同期比16.6%増)しました。賃貸開発事業における販売物件の増加及び賃貸住宅事業における着工棟数の増加に伴う売上原価の増加であり、当連結会計年度の売上総利益率は16.0%と、前連結会計年度の16.4%と前連結会計年度からわずかに低下しました。当連結会計年度においては、木材や鉄骨の高騰や半導体不足による一部部材の供給減といった不確定要素はあったものの、賃貸住宅事業を中心に顧客のアパート経営の事業性を考慮して原価高騰の影響を販売価格へ転嫁したことにより、売上総利益率の減少幅は0.4%程度となりました。

上記の結果、当連結会計年度の売上総利益は3,411百万円と前連結会計年度と比較して397百万円増加(前年同期比13.2%増)となりました。

 

(販売費及び一般管理費・営業利益)

当連結会計年度の販売費及び一般管理費は2,178百万円と前連結会計年度と比較して75百万円増加(対前年同期比3.6%増)しました。人員増による人件費の増加等の要因はあったものの、前連結会計年度において中国賃貸事業の譲渡に伴う法人事業税186百万円の負担が当連結会計年度はなくなったことにより、販売費及び一般管理費全体で小幅な増加となりました。

上記の結果、当連結会計年度の営業利益は1,233百万円と前連結会計年度と比較して321百万円増加(前年同期比35.3%増)しました。

 

(営業外収益・営業外費用・経常利益)

当連結会計年度の営業外収益は26百万円であり、前連結会計年度と比較して234百万円減少(前年同期比89.7%減)となりました。前連結会計年度は中国賃貸事業の売却に関して発生した為替差益、中国子会社の連結時に発生する負ののれん償額が計上されていましたが、前連結会計年度の途中で中国子会社を売却したことにより、当連結会計年度はこれらの計上がないことによる影響です。

営業外費用は5百万円であり、前連結会計年度と比較して186百万円(前年同期比97.2%減)となりました。前連結会計年度は中国賃貸事業の譲渡に伴い譲渡代金入金時に発生する支払手数料が計上されておりましたが当期は発生がないこと、及び上場時に獲得した資金を原資の一部として借入金の返済を行ったことにより、利息負担が減少したことによるものです。

上記の結果、当連結会計年度の経常利益は1,254百万円と前連結会計年度と比較して274百万円増加(前年同期比28.0%増)となりました。

 

(特別損益・法人税等・親会社株主に帰属する当期純利益)

当連結会計年度において、特別損益の計上はありません。なお、前連結会計年度は中国賃貸事業の売却に伴い関係会社出資金譲渡益16,583百万円を特別利益として計上しておりました。

法人税等は前連結会計年度は中国賃貸事業の譲渡に伴い課税所得が増加し法人税等6,884百万円を計上しておりましたが、当連結会計年度は401百万円を計上しております。

以上の結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は853百万円と前連結会計年度と比較して9,826百万円減少しました。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 a.キャッシュ・フローの状況の分析

 「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

 当連結会計年度の営業キャッシュ・フローは4,181百万円の資金流出となりました。税金等調整前当期純利益1,254百万円、賃貸開発事業における物件売却が進んだことを主要因として棚卸資産が減少し2,180百万円の資金獲得要因となったものの、前連結会計年度の法人税等の確定納付及び中間納税により法人税等の支払額が8,037百万円となったことによるものです。

 投資活動によるキャッシュ・フローは261百万円の資金流出となりました。これは主に有形固定資産及び無形固定資産への投資によるものです。

 財務活動によるキャッシュ・フローは820百万円の資金流出となりました。これは主に、上場時に新株の発行及び自己株式の処分により417百万円の資金を獲得し、この獲得した資金を原資の一部として借入金980百万円を返済したこと、及び配当金258百万円の支払い等によるものです。

 以上の結果、期末における現金及び現金同等物の残高は14,221百万円となりました。

 

b.資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社グループの運転資金需要のうち主なものは、賃貸開発事業における土地の仕入代金、材料費、労務費、外注費及び経費等の製造経費、人件費や賃借料等の販売費及び一般管理費によるものであります。当社の方針として運転資金については自己資本で賄うことを原則としております。

当社グループは当連結会計年度において、東京証券取引所市場第二部(提出日現在、スタンダード市場)へ株式上場しました。その際、新株の発行及び自己株式の処分により417百万円の資金調達を行いました。この調達した資金を原資の一部として、短期借入金の返済を行ったことにより当連結会計年度末における短期借入金の残高は200百万円となっております。なお、前連結会計年度末において、中長期の安定的な資金の確保のため金融機関との間で当座貸越契約及びコミットメントライン契約を締結しておりましたが、当座貸越契約については借入金の返済により、コミットメントライン契約については期間満了により、当該契約は終了しております。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しており、連結財務諸表の作成に当たり、資産、負債、収益及び費用の報告に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いております。これらの見積り及び仮定に基づく会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しておりますが、次の会計方針は、連結財務諸表における重要な見積りの判断に影響を及ぼすものと考えております。
 なお、新型コロナウイルス感染症拡大の影響につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1) 連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載しております。

 

 (販売用不動産)

 通常の販売目的で保有する販売用不動産等は、取得原価をもって貸借対照表価額とし、収益性の低下により正味売却価額が取得原価よりも下落している場合は、正味売却価額をもって貸借対照表価額とし、差額を簿価切下額として売上原価に計上しております。

 正味売却価額の見積りにあたっては、近隣地域における市場価格や当該不動産の想定利回り等に基づいて算定された将来の販売見込額に販売に係る費用を踏まえ算定しておりますが、経済情勢や不動産市況の悪化等により正味売却価額が想定以上に下落した場合には、評価損を計上する必要があります。

 

 (請負工事に係る収益)

 当社グループの請負工事に係る収益は、一定の期間にわたり履行義務の充足が認められる工事について、履行義務の充足に係る進捗度を見積り、当該進捗度に基づき一定の期間にわたり収益を認識しております。履行義務の充足に係る進捗度の見積りの方法は、見積総原価に対する発生原価の割合(インプット法)で算出しております。その他の工事については、それぞれ履行義務を充足した時点で収益を計上しております。

 工事の基本的な仕様や作業内容は顧客の指図に基づいて行われることから、工事原価総額の見積りにあたっては、工事に対する専門的な知識と施工経験を有する工事現場責任者による一定の仮定と判断を伴い不確実性を伴うものとなります。具体的には、工事は契約から完成まで一般に長期にわたることから工事の進行途上における工事契約の変更、悪天候による施工の遅延、建設資材単価や労務単価等の変動が生じる場合があり、工事原価総額の適時・適切な見直しには複雑性が伴います。このため、仮定した個別の工事契約ごとの諸条件と異なる事象が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 (繰延税金資産の回収可能性)

 当社グループの繰延税金資産については、将来の利益計画に基づいて課税所得を見積り、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、経営環境の悪化等によりその見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ、将来の課税所得の見積りが減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。

 

 (固定資産の減損)

 当社グループは、「固定資産の減損に係る会計基準」に基づき、減損の要否を検討しております。当社グループは、固定資産の減損に係る回収可能性の評価にあたり、資産のグルーピングを行い、当該資産または資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減損し、当該減少額を減損損失として計上することになります。固定資産の回収可能価額については、将来キャッシュ・フロー等の前提条件に基づき、算出しているため、当初見込んでいた収益が得られなかった場合や、将来キャッシュ・フロー等の前提条件に変更があった場合、固定資産の減損を実施し、当社の業績を悪化させる可能性があります。

 

④ 経営成績に重要な影響を与える要因

 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであり、事業環境の変化をはじめ様々なリスク要因が当社グループの成長及び経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。

 

⑤ 経営者の問題意識と今後の対応について

 経営者の問題意識と今後の対応については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の課題に対処し、当社グループが今後も持続可能な安定的成長を果たしていく必要があると認識しております。

 当社グループの主力事業であるアパート経営は、オーナーさまに長期的な資産形成に資するものであることから、当社が安定的に成長し持続し続けることが、オーナーさまの安定的な資産形成を確実なものとし、ステークホルダー全ての安心につながると考えています。

 

⑥ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社の事業目的を達成するための長期的な経営の課題として、生産性の向上、収益力の改善を掲げております。その評価のための指標としては営業利益率6.0%以上を定めております。また会社の安定的な成長が、オーナーさまの安定的な資産形成を確実なものとし、ステークホルダー全ての安心につながると考え、継続企業としての安全性の観点から自己資本比率60.0%以上を維持することを目標として定めております。

 当社が定めた各種当社が定めた各種指標の目標及び当連結会計年度末の状況は以下のとおりであります。営業利益率については、5.8%と目標に対し0.2ポイント下回りました。当連結会計年度は、賃貸開発事業において物件の売却が順調に進んだものの、新型コロナウイルス感染症及び資源高の影響による原価高騰を受け、工法の改善や工場の効率改善による生産性向上、オーナーさまの事業性を配慮した適正な価格転嫁など利益確保に努めましたが、わずかに未達となりました。

 原価高騰による部材の値上げへの対応としては、前連結会計年度に引き続き、集中仕入れなどの購買方法の見直しによる仕入原価の抑制に努めるほか、引き続き業務効率の見直しなど生産性向上による販売費及び一般管理費の低減に努め、目標達成を目指してまいります。

 自己資本比率につきましては、83.8%と目標を達成しておりますが、今後も引き続き、販売用不動産の効率的な仕入と販売体制のさらなる強化に努めてまいります。

指標

目標

実績

差異

営業利益率

6.0%

5.8%

△0.2pt

自己資本比率

60.0%

83.8%

23.8pt

 

4【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5【研究開発活動】

当社グループでは、賃貸住宅事業において、ゲスト(入居者)の住空間の充実とオーナーさまの安定的な資産形成を実現するため自社のものづくりにこだわり、新技術、新構法の開発及び実用化等のための研究開発活動を行っております。

具体的には多様化、高度化し、広汎な範囲にわたる顧客ニーズに応えられるような住空間を提供する商品や、新たな構法に対応した製品、長寿命化により長期安定した資産価値を提供しながら環境保全に貢献できるような製品を研究、開発し、提供することを基本方針とし、社内に新商品の開発を行う専門部署として技術改革課、新技術や新構法の研究開発を行う型式管理課を設け、以下に掲げるような取り組みを実施しております。

 

  ①施工性の高い製品の研究、開発(狭小地やアクセスの悪い現場で効率的かつ精度の高い施工を行うため、工場で製作する鉄骨部材の改善、改良、開発を行なっております)

 

  ②高品質の製品の研究、開発(空気音遮音試験、気密試験、室内汚染物質試験、劣化試験等を行い、より長寿命で高品質な製品、構法の開発を行なっております)

 

  ③顧客ニーズに合致した製品の研究、開発(お客さまアンケート等により得られた顧客ニーズ分析により、商品の改善,他社と差別化したデザインや居住空間を提供する新商品の開発を行なっております)

 

 当連結会計年度における研究開発費は53百万円であります。