文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
当社グループは、「テクノロジーに想像力を載せる」という経営理念の下、テクノロジーと想像力との融合によるイノベーションの追求によって新たな時代の新たなスタンダードの構築を目指しております。
(2) 経営戦略
当社グループは、AI実装を加速する基盤として独自開発のAIプラットフォームを保有し、これに加え、現場で培われた開発力、設計力、実装力や、計算資源であるGPUサーバーをデータセンターとして保有すること、これらの3つを掛け合わせていることを強みとしております。

<当社グループ戦略>
当社グループはAI社会実装の実現のため、2023年9月にゼロフィールドのグループインにより広範なGPUサーバー活用で、よりAIテクノロジーの実装を推進できる体制となっております。さらにレガシー産業のAI実装を加速させる目的で、2024年7月に主として自動車設計技術に強みを持ち、大手自動車メーカーを主な顧客とするBEXのグループインにより、AIを活用した次世代の自動車設計技術の革新にも取り組んでいます。グループとして固有の優位性を掛け合わせ、AI社会実装の実現の確度を高めていきます。
当社グループは、3つのAI実装戦略と、M&Aや資本業務提携の推進により独自性を発揮してまいります。
① AIプラットフォームの展開
・世界大会有数の実績を誇る囲碁AIの研究開発から生まれた10万IDの運用実績があり、自社AIプロダクトとしてはトップクラスの運用実績(例:世田谷区非常勤勤怠管理システムに当社プロダクトが採用)
・当社のシステム開発力を活かし、他社SaaSサービスと連携し、他社勤怠管理システムへバンドル提供、レベニューシェアで拡大(例:LINE WORKS様、Teamspirit様、ASPIT様など)
・AI自社プロダクトは月額利用料(MRR)が高粗利で長期継続
・AIラボサービス及びオーダーメイドAI開発リード顧客からの大型システム開発受注、基幹システム開発受注
② レガシー産業へのAI実装
・AI実装は黎明期であり、各業種業界へのアプローチ(横展開)
・直近のM&Aではトヨタグループ各社との顧客網を築く株式会社BEXがグループインし、自動車業界(設計、製造)のAI実装を推進
・遊技業界プリペイドカードシステム最大手のゲームカード・ジョイコホールディングス社との資本業務提携も実施し、遊技業界のAIによるデジタル化を推進
・上記以外においても、レガシー産業にリーチするリーディングプレイヤーとのM&Aや資本業務提携をテコに当該産業へのAI実装
・イノテック社と共同開発したエッジAIプロダクトによるAI需要の取り込み
③ GPUサーバーセグメントの推進
・独自開発したソフトウエアを搭載した暗号資産マイニング用途及びAI開発用途GPUサーバーマシン、モジュール型/コンテナ型のデータセンターの販売
・大量電力消費時代における電力発電事業者や土地保有者との余剰電力等の活用推進
・電力料金の低くクリーンエネルギー活用可能な海外データセンターの拡張
これら3つの戦略をさらに推進するため、M&Aを実施し、また、M&A後のベクトル合わせのためのファウンダーへの第三者割当増資も組み合わせていきます。
(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な経営指標等
当社グループは、主な成長性・収益性の指標として、売上高成長率を重視しております。また、M&Aによる非連続の成長による利益の伸長の指標として、経常利益及びEBITDA(利払前・税引前・償却前利益:経常利益+減価償却費+敷金償却+のれん償却費+支払利息)をそれぞれ重視しております。なお、2026年8月期より国際財務報告基準(IFRS)を任意適用するにあたり、営業利益を指標といたします。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
①優秀人材の確保
ChatGPTを代表とする生成系AIが注目を浴びており、新しいテクノロジーの利用に積極的な企業はすでに活用のフェーズに突入しております。当社グループでも、VUCAといわれる先行きが不透明な時代における社会ニーズに応えることが求められております。そのため、成長の源泉であるエンジニア陣の技術力の底上げ、個々の意欲、能力向上にも注力し、急変する現代にふさわしい人材の育成を進めることが最大の課題として挙げられます。人材育成は、先端テクノロジー研究開発のキャッチアップ、市場開拓といった課題を解決する糸口ともなります。AIエンジニアといった専門人材の採用と優秀人材の育成は、AIサービスに関する問い合わせが増加する当社グループにとって急務です。他社との開発競争が激化する中でも、人材の確保は重要な意味をもっております。教育機関との連携や採用活動を活性化しております。採用・育成にかかる資金は欠かせざるコストとなっております。
②営業マーケティングの効率化
流動性の高いIT市場を的確に分析し顧客ニーズにマッチしたサービス提供を図るため、営業マーケティングの仕組み化、効率化を推進しております。受注までのパイプラインをフロー化、標準化するために、各種のマーケティングツールは必須であり、これもまた欠かせざるコストです。
③財務の健全化
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきまして、当社グループでは事業の維持拡大に必要なレベルの流動性の確保と財務の健全性・安全性維持を資金調達の基本方針としております。
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、各種サービス提供にかかわる原価、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。運転資金については営業キャッシュ・フロー及び借入金で賄い、新サービスの開発や企業買収等による大規模な資金需要が発生する場合は、借入金及び株式発行による資金調達で賄うことを基本とする方針です。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは、中長期的な企業価値の向上のため、今後、サステナビリティに関する取組みを拡充・充実させていく必要があると認識しております。サステナビリティに関する基本方針やその実効性、施策の推進等については取締役会、監査等委員会、経営会議及びその他社内会議で検証し、改善を図りつつ実行する経営体制を構築しております。具体的な当社のコーポレート・ガバナンス体制は、
(2)戦略
当社グループは、AIをはじめとする先端テクノロジーの社会実装を推進すべく事業を展開しております。先端テクノロジーと社会、人が健全で持続可能な関係を構築していくために、その根幹となるフィロソフィー醸成にむけ、当社グループのオウンドメディアである「IT批評」を中心に各方面の知見者からヒアリングを重ね、テクノロジーの社会性を考察、探究しております。人新世といわれるなかで、社会や人のみならず地球環境までを視野にいれたフィロソフィー醸成と事業ビジョンの創出に取り組んでおります。オウンドメディアにおける考察は当社グループ内に積極的に配信し、個々の業務における持続可能性への関心喚起と考えの深化を図っております。
SDGsにつきましても、コーポレートサイトに専用ページを設け当社グループの取り組みと考えを発信しております。当社グループではSDGsの「持続可能な開発目標」に沿って事業を展開するのではなく、当初から取り組んでおります事業の進捗において、どのような「持続可能な開発目標」を実現できるかという考えに基づき活動しております。具体的には、「社会インフラとなるアーキテクチャの提供」「イノベーションによる経済成長への貢献」「テクノロジー教育による次世代人材の育成」という3つの領域を通じて「持続可能な開発目標」の実現を目指しております。
IEA(国際エネルギー機関)が2024年1月に発表した電力に関するレポートでは、世界の多くのデータセンターでは、生成AIなどの影響で電力需要が伸びており、2022年には消費電力量が世界全体で約460TWh(テラワット時)であったのに対し、2026年にはその倍以上の約1,000TWhに達する可能性があるとしています。世界的な生成AI需要の拡大に伴う消費電力量の増加から、CO2排出量などの環境問題が懸念されます。ゼロフィールドは、2022年10月に福井県敦賀市に100%再エネ電力を利用し、独自の吸排気システム(特許申請中)を搭載した冷房設備不要の省エネ設計でもあるモジュール型データセンターを開設しました。また、同年11月と2020年12月にもアメリカ・ワシントン州において100%再エネ電力を利用したデータセンターを開設しており、国内外で再エネ活用、省エネ設計に注力したGPUサーバーセグメントの事業を積極的に推進し、環境に配慮したサービス展開を行っています。
また、人材の育成及び確保に関する取組みにつきましては、経営上においても重要であると考えております。当社グループは、人材育成において「トリプルアイズ15の約束」という価値観を重視しており、従業員は事業の成長を支える重要な存在であるとの認識のもと、多様な人材が仕事と家庭を両立し、最大限の能力を発揮できる職場環境や企業風土の醸成に取り組んでおります。具体的な取り組みとして、働きがいのある環境づくりのため、在宅勤務の導入や休暇取得の促進、時差出勤の制度化等、従業員の意向を踏まえた快適な労働環境を提供しており、研修や定期的な勉強会を実施する等自己研鑽の機会を設け、従業員が個性を発揮しながら創造力を働かせて挑戦し続けることができる環境を提供しております。

また、コーポレート、営業、エンジニア問わず、年齢、国籍、ジェンダー平等に配慮した採用を進めており、さらに社員一人一人の自己能力を高めることができる業務体制、意欲と能力のある従業員が評価され、平等に管理職への登用の機会等が得られるような人事登用制度や人事評価制度を整えてまいります。
当社は、代表取締役が委員長を務め、全取締役で構成されるリスクコンプライアンス委員会を設置しております。当委員会は四半期に1回開催しており、「リスクコンプライアンス規程」に従い、リスク管理体制、法令遵守に関する協議を行っております。また、必要に応じて弁護士、公認会計士、税理士、社会保険労務士等の外部専門家からアドバイスを受けられる体制を構築するとともに、内部監査及び監査等委員による監査を通じて、潜在的なリスクの早期発見に努めております。そのほか、サステナビリティ関連の課題について今後取締役会等で検討し、適切な対応を行っていく予定であります。
当社グループでは、人材の育成方針及び社内環境整備に関する方針に関する数値目標等は定めておりませんが、一人ひとりが個々の能力を最大限に発揮し多様な人材が活躍できる職場環境の整備を進めております。
なお、多様性に関する指標のうち、女性管理職比率、男性育児休業取得率、男女賃金格差については、
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクが顕在化した場合に当社グループ事業、業績及び財政状態に与える影響につきましては、合理的に予見することが困難であるため記載しておりません。
(1) 事業内容に関するリスクについて
当社グループが事業展開を行っているAIソリューションセグメント及びGPUサーバーセグメントは、技術革新や顧客からのニーズについてその変化のスピードが非常に早く、当社グループもそれに対して迅速かつ柔軟に対応する必要があると考えております。当社グループでも、定例で商品開発会議の開催や外部有識者へのヒアリングなどを通じて最新の技術動向や市場環境の変化を把握できる体制を構築し、経営会議で業務整理を行いつつ担当ごとに迅速に対応できるよう努めておりますが、当社グループが技術革新や顧客ニーズの変化に適時に対応できない場合、あるいは、その対応のために人件費やシステム投資等、想定以上に多額の費用を要する場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループのAIソリューションセグメントにおいては、ソフトウエア開発費用を投じ、画像認識プラットフォーム・AIZE等の自社プロダクトの機能開発を推進しておりますが、今後も画像認証等にかかる先端技術開発や既存技術の更新開発を継続してまいります。競争の激しい市場環境の中、自社プロダクトの機能開発が想定通りに進まない場合、あるいは、機能に優れる競合他社に市場を奪われるなどによって収益の獲得ができなかった場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③ 画像認識プラットフォーム・AIZEの事業展開について
当社グループが提供する画像認識プラットフォーム・AIZEについては、既存システムに画像認識および顔認証の機能を搭載したいとの強い引き合いを頂いており、当社グループにおいては、今後、当該事業が大きく伸長するものと考え、事業計画及び経営方針を策定しております。しかし、顔認証技術を利用したサービスについては、新規参入する企業も数多く存在し、市場が急速に形成されている段階であり、当該事業の見通しについて、高い精度にて見積ることは困難であります。当該サービスの事業展開の規模、速度及び収益性が当社グループの見通しに達しない場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループが提供する画像認識プラットフォーム・AIZEにおいては、カメラ画像を利活用するサービスを提供しており、その過程において取得するデータの取り扱いについては、単に個人情報保護法等の法令を遵守するのみならず、プライバシー保護の観点より考慮する必要があります。当社グループにおいては、2018年3月に総務省・経済産業省より公表された「カメラ画像利活用ガイドブック」および、2021年5月の「カメラ画像利活用ガイドブック 事前告知・通知に関する参考事例集」を参照し、一次取得者となる顧客企業への事前告知等の徹底に取り組んでおりますが、関連する法令等が改正され、あるいは社会的な要請が大きく変化した場合には、当該サービスの継続提供が困難になる、あるいはサービスの提供範囲を縮小するといった事態が生じ、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、自社で開発したサービスとして画像認識プラットフォーム・AIZEを提供しており、「個人情報の保護に関する法律」が定める個人情報取扱事業者としての義務を課されているのみでなく、プライバシー保護の観点から、より広範な配慮が必要な情報を事業にて取り扱っていると認識しております。当社グループにおいては、これらの情報の漏洩防止はもちろん、不適切な利用等の防止のため、情報管理を経営上の重要事項と考え、当社グループ内においても開発エンジニアをリスト管理しシステム上のアクセス権限も制限、「情報セキュリティ管理規程」「個人情報取扱規程」等を制定し、全従業員に対する社内教育を実施する等、法令及び関連するガイドラインの遵守体制を整えております。しかしながら、当社グループが保有するこれらの情報について漏洩、改ざん、不正利用等が生じる可能性は全く存在しないとはいえず、これらの事態が生じた場合には、適切な対応のためのコスト負担や当社グループへの信用低下、損害賠償請求等が生じることにより、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 労働者派遣法等について
当社グループが行う事業に関しては、「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律」(以下「労働者派遣法」という。) 、「下請代金支払遅延等防止法」、及びその他関連法令の規制を受けております。当社グループにおいては、所定の免許を取得し顧客先に従業員を派遣しているため、労働者派遣法の遵守に努めておりますが、労働者派遣法に定める派遣元事業主としての欠格事由に該当した場合、関係法令に違反した場合には当該事業の停止、許可の取り消しを命じられる可能性があります。
また、これらの法的規制は、社会状況の変化等に応じて、今後も適宜改正ないし解釈の変更等がなされる可能性があり、これらへの対応に関する管理体制の変更、コスト等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑦ 暗号資産の市場価格の変動について
株式会社ゼロフィールドは、暗号資産のマイニングマシンの販売を事業としております。暗号資産の市場価格はボラティリティがあるため、当該価格が低迷する場合、マイニング報酬が減少するため、同社の顧客層のマイニングに対するインセンティブが損なわれ、販売活動に影響を及ぼす可能性があります。
⑧ 競合について
当社グループにおいては、囲碁AI等の先端技術開発によって蓄積した技術力を競争力の源泉として、事業を展開しております。一方で、AI等の先端技術に対する社会的な注目が高まるのに伴い、当社グループが営む事業への競合他社の投資の拡大、あるいは新規の参入事業者の増加により、相対的な当社グループの技術的優位性が後退する可能性があります。当社グループがこれらの競合に対して相対的な優位性を維持できない場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 事業運営・組織体制に関するリスクについて
当社グループは、事業の持続的な成長のためには当社グループの経営理念に共感する優秀な人材の確保が必要であるとの認識のもと、SNSでのソーシャルマーケティング、メディアを活用したプロモーション企画を通じて当社グループの認知度向上に努めるとともに、優秀な人材の確保及び育成のための取り組みを積極的に行っております。しかしながら、当社グループが求める人材を必要な時期に確保あるいは育成できない場合、人材の流出が進んだ場合には、事業の拡大に支障が生じ、または経常的な業務運営のための費用が増加すること等により、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
② ビジネスパートナーについて
当社グループは業務を遂行する際、開発の効率的な遂行や固定費の削減等のメリットを享受するため、ビジネスパートナーの支援を受けております。今後も安定的に事業を拡大するために、定期的接点を維持するなど関係強化を行ってまいりますが、万が一適切な時期にビジネスパートナーからの支援が受けられない場合等には、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの提供するサービスが第三者の特許権、著作権、肖像権等の知的財産権を侵害する可能性については、弁理士および当社の顧問弁護士といった外部専門家を通じて調査を行っておりますが、当社グループが提供するサービスに関連する第三者の知的財産権の完全な把握は困難であるため、当社グループが意図せずに第三者の知的財産権を侵害する可能性は否定できません。その場合、当社グループに対する訴訟等によって、当社グループが提供するサービスへの影響があるほか、訴訟等への対応、賠償等に必要となるコストの発生によって、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
④ 広告宣伝活動等の先行投資について
当社グループは競合と認識する他社と比較し小規模な企業グループであり、また顧客からの認知度も低いことから、今後の事業展開上、展示会への出展、ウェブ広告、メディアへの露出といった積極的な広報・広告宣伝活動によって認知度の向上を図る必要があると考えております。これらの投資はその投資が生み出す収益に先立って行われるため、投資の実施時においてはキャッシュ・フローが悪化します。これらの先行投資については、プロモーション企画ごとの効果を測定しつつ慎重に行っていく方針ではありますが、これらの投資が予期した収益を生まない場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、業容の拡大及び従業員の増加に合わせ、内部管理体制の構築を進めており、セールスフォースなどのITシステムの活用、業務フローの見直しなどを予定しておりますが、事業の拡大に対し必要な人的・組織的な内部管理体制の整備が追いつかない場合、事業の拡大に支障が生じ、あるいは経常的な業務運営のための費用が増加すること等により、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 新株予約権の行使による株式価値の希薄化について
当社グループは、役職員に対するインセンティブの付与を目的として新株予約権を付与しており、当連結会計年度末において、新株予約権による潜在株式は1,400,100株であり、発行済株式総数の16.7%に相当しております。これらの新株予約権が行使された場合には、当社株式が発行され、既存の株主が有する株式の価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。
(3) その他
① 固定資産の減損について
これまでに実施したM&Aに伴い、のれんをはじめとした固定資産が増加しております。事業環境の変化に伴い、それぞれの事業が計画通りに進捗せず、将来キャッシュ・フローの低下が見込まれる場合等には、減損損失を認識する必要が生じます。多額の減損損失を認識した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、IFRSでは、日本において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準と異なり、のれん及び耐用年数の確定できない無形資産の償却を行いません。そのため、当該のれん及びその他の無形資産について減損損失を計上した場合は、日本基準に比べて当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。
② M&A、資本業務提携について
当社グループは、M&Aや資本業務提携を実施することにより事業領域を補完・強化していくことも、事業規模拡大のための有効な手段の一つであると位置づけております。M&A等の実行に際しては、対象企業に対して財務・税務・法務・ビジネス等に関する詳細なデューデリジェンスを行い、各種リスク低減に努める方針であります。但し、これらの調査で確認・想定されなかった事象が実行後に判明あるいは発生した場合や、買収後の事業環境の急変や想定外の事態の発生等により、当初期待していた投資効果が得られない場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響が及ぶ可能性があります。また、M&A等の結果、事業領域が変化することによって、当社グループの収益構造が変化する可能性があります。
③ 税務上の繰越欠損金について
当社グループには、当連結会計年度末現在において多額の税務上の繰越欠損金が存在しております。そのため欠損金の繰越控除の期限が切れた場合には、課税所得の控除が受けられなくなります。
そうした場合、法人税、住民税及び事業税が想定より多額に計上されることとなり、当社グループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。
④ 大株主との関係について
当社の大株主である福原聖子は、当社の創業者であり代表取締役を務めた福原智の配偶者であり、2021年3月に福原智が急逝した事に伴い、所有していた当社株式を福原聖子が相続した結果、当連結会計年度末において、福原聖子が代表取締役を務める資産管理会社である株式会社コスモウエアが保有する当社株式と併せて発行済株式総数の48.7%を所有しております。また、福原聖子は他の従業員と同等の雇用条件にて当社従業員として労務業務に従事しており、当社と良好な関係にあり、雇用関係以外に当社との取引関係はありません。
福原聖子は、安定株主として引き続き一定の議決権を保有し、その議決権行使にあたっては株主共同の利益を追求すると共に、少数株主の利益にも配慮する方針を有しておりますが、何らかの事情により福原聖子が保有する当社株式が売却され、持ち分比率が低下した場合には、当社株式の市場価格及び議決権行使の状況等に影響を及ぼす可能性があります。
1. 経営成績等の状況の概要
当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
なお、2024年7月1日に行われた株式会社BEXとの企業結合について、前連結会計年度において暫定的な会計処理を行っておりましたが、当連結会計年度に確定しております。当該暫定的な会計処理の確定に伴い、当連結会計年度の連結財務諸表に含まれる比較情報において取得原価の配分の見直しが反映されており、前連結会計年度との比較・分析にあたっては、暫定的な会計処理の確定による取得原価の当初配分額の見直しが反映された後の金額を用いております。
(資産)
当連結会計年度末における資産の合計は、4,845,099千円と前連結会計年度末と比較して73,067千円減少しております。
流動資産は3,056,397千円(前期末比28,192千円増)となり、主な要因としては、現金及び預金が300,256千円、売掛金が51,488千円それぞれ増加したことおよび商品及び製品が312,196千円減少したことであります。
固定資産は1,788,702千円(前期末比101,260千円減)となり、主な要因としては、のれんが96,896千円、顧客関連資産が32,814千円それぞれ減少したことであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債の合計は、3,179,689千円と前連結会計年度末と比較して887,822千円減少しております。
流動負債は1,819,067千円(前期末比527,451千円減)となり、主な要因としては、短期借入金が300,000千円、契約負債が197,507千円、賞与引当金が30,614千円それぞれ減少したことであります。
固定負債は1,360,622千円(前期末比360,370千円減)となり、主な要因としては、長期借入金が364,644千円減少したことであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は、1,665,409千円と前連結会計年度末と比較して814,754千円増加し、純資産比率が17.3%(前連結会計年度末)から34.4%(当連結会計年度末)となり財務状況が改善しております。主な要因としては、2024年10月に完了した株式会社ゲームカード・ジョイコホールディングスへの第三者割当増資等により1,121,453千円増加した一方で、親会社株主に帰属する当期純損失の計上により343,999千円減少したことであります。
当連結会計年度における我が国経済は、足元の景気が底堅く推移していることから、雇用・所得環境に改善の動きが見られました。アメリカの政権交代による為替リスクを孕みつつも、生成AI及び生成AI向け半導体への大型投資が加速している点が特筆され、各企業では中長期視点から、特にAIを中心としたデジタル投資への意欲が依然として高い状態にあります。
当社グループの属する業界においては、2020年代に入り各企業のAI(人口知能)やデジタルトランスフォーメーション(DX)関連投資は増加傾向を強めております。直近では、これまでAI導入やDXが進んでいなかった業種、業界からも生成AIやAIエージェントに対する関心が非常に高まっており、導入と定着は拡大一方であるものと見込んでおります。世界経済を牽引する技術として注目を浴びる生成AIやAIエージェントですが、そのインフラであるGPUサーバー及び半導体に対する需要も世界的に高まっており、これまでにない大型投資プロジェクトが国内外で進行中です。
一方、直近の米国による関税強化が世界経済に与える影響は計り知れず、慎重かつ柔軟に対応していく必要を深く認識しております。当社グループとしては自動車設計に係る事業が直接的な影響を受ける可能性があります。足元は開発人材ニーズが強く、業績は好調に進んでいくと想定しますが、中長期的な自動車生産台数に波及する可能性については注視してまいります。そのような中、当社グループは、「テクノロジーに想像力を載せる」という経営理念の下、人にやさしいICTサービスの提供を目指し、当社グループ独自のテクノロジーで新たな時代への橋渡しとなるイノベーションを追求し、AIの社会実装を実現していきます。
当社グループは、2024年7月にレガシー産業領域のAI実装をより加速させることを目的に自動車分野における機械設計開発事業、ITシステムの設計開発事業を展開する株式会社BEXをM&Aによりグループに迎え入れました。同社は、トヨタ自動車グループとの安定的な取引基盤を有し、設立以来、安定的に成長を続けてきた企業です。株式会社BEXを当社グループに迎えることにより、同社において設計業務の標準化やルーチンタスクの自動化等のAIによる業務支援、ナレッジデータ学習による専門タスクのAI化や設計の自動生成等のAIによる業務代替、生産工程のDX化等のAIによる業務拡張によるAI自動車設計領域におけるAIの活用が見込まれることに加え、当社グループ全体として顧客層の拡大や多様なキャリアの提示によるエンジニア採用力の強化等、事業上のシナジー効果による更なる成長が見込まれます。当連結会計年度では、株式会社BEXの12か月分の業績が連結に取り込まれており、売上高及び経常利益が大きく増加したものの、期中では人員数の減少が発生しております。
また、当社においては商流改善や単価上昇、ゲームカードホールディングスとの業務提携の深化、AIラボの受注拡大を図るとともに、人員確保目的に臨時昇給を実施いたしました。
なお、当社の連結子会社である株式会社ゼロフィールドにおいて、令和7年度税制改正によりGPUを用いた暗号資産マイニングマシンの販売が低迷したことに伴いGPUマシンの販売を終了したため、売上高は減少し、第3四半期に保有している棚卸資産の評価損278百万円を計上しております。
これらの結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高は5,714,030千円(前年同期比29.6%増)、営業損失は61,846千円(前年同期は営業利益38,539千円)、経常利益は59,774千円(前年同期比25.9%増)、親会社株主に帰属する当期純損失は343,999千円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純利益76,956千円)となりました。
セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。
(AIソリューション事業)
当セグメントは、AI/システム開発を行うAIインテグレーション、AI搭載の自社プロダクトサービスを行うAIプロダクト、自動車設計を行うエンジニアリングの3つのサブセグメントにより構成されています。
・AIインテグレーションに関しては、商流改善や単価上昇による社員1人当たり月平均売上の増加(前期4Q 1,262千円に対し当期4Q 1,478千円)、ビジネスパートナー粗利率(前期4Q平均13.2%に対し当期4Q平均15.3%)が改善しました。また、2024年9月に遊技業界へAI技術を利用したソリューションを提供することを目的に資本業務提携したゲームカード・ジョイコホールディングス社より、DX/AI案件開発/保守業務の受注が拡大し、業務提携が順調に進行中であります。さらに、生成AI関連の開発需要増に伴い、AI導入を要件定義からサポートする月額制のAI開発サービス「AIラボ」が、引き続き安定的に受注を拡大しており、これまでDXで出遅れていた建設・製造・飲食業界を中心に拡がっております。AIラボ案件からAI請負案件に繋がる事例が増加しており、当社AI技術へのニーズは高く、RAG開発、LLMO開発、行動分析AIなど幅広く対応しているのが特徴です。また2026年8月期に向けてAI開発案件、各種請負案件など新規受注が順調に進捗しております。
・AIプロダクトに関しては、当社はLINE WORKSの1次代理店となり営業活動を開始しました。「アルろくfor LINE WORKS」 「きんろくfor LINE WORKS」の営業活動を強化し新規受注が順調に進捗しております。大手自動車メーカー工場にて、AI顔認証勤怠管理システムを追加設置開始し、また2026年8月期に向けて太陽光発電事業所向けAI監視カメラサービスの新規受注が順調に進捗しております。
・エンジニアリングに関しては、高稼働率を維持し、単価は向上しているものの、5月に臨時賞与32百万円を支給し、また、人数減が当初の想定を上回ったため、第3四半期連結会計期間は利益水準が低下しておりますが、当第4四半期連結会計期間以降は案件増により請負工数が増加したため、営業損益は黒字に回復し、今後も黒字継続見込みです。当社と共同で自動車設計業務効率化のためのAIソフト開発のプロジェクトチームを組成し、複数の設計効率化ソフトを試作開発中であります。グループ全体として顧客層の拡大や多様なキャリアの提示によるエンジニア採用力の強化等、事業上のシナジー効果による更なる成長が見込まれます。
以上の結果、当連結会計年度において、売上高は4,626,410千円(前年同期比51.1%増)となり、セグメント利益は59,940千円(前年同期比112.9%増)、EBITDAは153,507千円となりました。
(GPUサーバー事業)
グループ会社である株式会社ゼロフィールドは、GPUサーバー事業を担っておりますが、マイニングマシンの販売台数・顧客数・自社データセンター稼働顧客数において、4年連続で国内No.1(東京商工リサーチ調べ)を達成しました。生成AIを開発するITベンダーやAI開発者向けに特化したGPUサーバーである「GPU Server for AI」及びデータセンターに関する研究開発を拡大しており、データセンターではコンテナ型データセンターの販売に向けて、AI企業や計算力販売会社との提携に向けて、研究開発の実施や実証実験の準備を進めており、販売強化のための専用LPを公開いたしました。クラウドサービス上に情報保存することにリスクを感じている企業や公的セクターに対して、機密データをローカルで処理し管理するシステムや当社従来のクラウドプラットフォームを活用することにより柔軟性の高いハイブリッドクラウドシステムも提供しております。当社のAIシステムと株式会社ゼロフィールドのGPUサーバーを併用することで、さらに競争優位性のあるサービスを実現していきます。また、アーカンソー州には海外3拠点目となるデータセンターを新設しました。テモナ株式会社のグループ会社であるサブスクソリューションズ株式会社が提供するサブスク型ファイナンスサービスの取り扱いを開始し、初期費用を抑えた暗号資産マイニング機器やGPUサーバーの購入が可能となりました。今後は、データセンター向けのAI開発用途GPUマシン及びASICを用いた暗号資産マイニングマシンの販売、暗号資産トレジャリー事業支援に注力いたします。
当第4四半期連結会計期間においては、AI開発用途向けGPUサーバーの販売が本格化し、8月単月で105百万円の粗利が計上されたものの、令和7年度税制改正の影響によりマイニングマシンの販売が減少し、また、暗号資産相場が堅調に推移したため、暗号資産評価益14百万円を営業外収益に計上しましたが、経常損失は41百万円で着地しました。
以上の結果、当連結会計年度において、売上高は1,101,001千円(前年同期比20.3%減)となり、セグメント損失は165千円(前年同期は19,324千円のセグメント利益)、EBITDAは144,947千円となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、1,754,139千円と前連結会計年度末と比べ300,222千円の増加となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、68,735千円の支出(前年同期は2,576千円の収入)となりました。主な要因は、税金等調整前当期純損失の計上249,679千円(前年同期は106,450千円)、棚卸資産評価損の計上286,298千円(前年同期はなし)、契約負債の減少197,507千円(前年同期は33,983千円の増加)、減価償却費の計上102,521千円(前年同期は57,964千円)、のれん償却費の計上101,896千円(前年同期は94,227千円)、保険解約返戻金の計上76,692千円(前年同期はなし)、暗号資産評価益の計上48,297千円(前年同期は87千円)、売上債権の増加38,886千円(前年同期は75,834千円の増加)、棚卸資産の減少37,710千円(前年同期は45,519千円の増加)、賞与引当金の減少30,614千円(前年同期は56,304千円の減少)、仕入債務の増加28,543千円(前年同期は24,076千円の減少)、暗号資産売却益の計上11,976千円(前年同期はなし)、投資有価証券評価損の計上10,259千円(前年同期は38,847千円)等であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、78,229千円の支出(前年同期は1,074,806千円の支出)となりました。主な要因は、保険積立金の解約による収入133,108千円(前年同期はなし)、長期貸付けによる支出121,835千円(前年同期は200千円)、無形固定資産の取得による支出66,225千円(前年同期はなし)であります。また、前年同期は子会社株式の取得による支出1,092,763千円等がございました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、447,187千円の収入(前年同期は771,579千円の収入)となりました。主な要因は、株式の発行による収入1,101,319千円(前年同期は299,949千円の収入)、短期借入金の純減額300,000千円(前年同期は132,714千円の純増加)、長期借入金の返済による支出394,764千円(前年同期は380,143千円の支出)等であります。
a 生産実績
当社グループで行う事業は、提供するサービスの性質上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
当社グループで行う事業は、提供するサービスの性質上、受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合
(注)最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績については、前連結会計年度において総販売実績に対する割合が100分の10以上の相手先がいないため、記載を省略しております。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであり、将来生じる実際の結果と異なる可能性がありますのでご留意ください。
① 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(売上高)
当連結会計年度の売上高は、2024年7月に連結子会社化した株式会社BEXの業績が通期で取り込まれたこと等により大きく増加し、5,714,030千円(前年同期比29.6%増)となりました。
(売上原価、売上総利益)
当連結会計年度の売上原価は、2024年7月に連結子会社化した株式会社BEXの業績が通期で取り込まれたこと等により大きく増加し、3,982,085千円(前年同期比35.6%増)となりました。売上高及び売上原価の増加の結果、売上総利益は1,731,945千円(前年同期比17.5%増)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業損失)
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、給料手当が107,105千円、役員報酬が59,082千円、研究開発費が51,729千円、採用教育費が49,094千円、支払手数料が33,622千円それぞれ増加したこと等により、1,793,791千円(前年同期比24.9%増)となりました。その結果、営業損失は61,846千円(前年同期は営業利益38,539千円)となりました。
(営業外収益、営業外費用、経常損失)
当連結会計年度の営業外収益については、主に保険解約返戻金76,692千円、暗号資産評価益48,297千円を計上したため、167,895千円(前年同期比372.0%増)となりました。当連結会計年度の営業外費用については、支払利息が6,922千円、支払手数料が5,766千円、第三者割当増資に伴う株式交付費が4,612千円それぞれ増加したこと等により、46,274千円(前年同期比73.7%増)となりました。
その結果、経常利益は59,774千円(前年同期比25.9%増)となりました。
(特別利益、特別損失、法人税等合計及び親会社株主に帰属する当期純損失)
当連結会計年度においては、特別利益で主に固定資産売却益1,295千円を計上したため、1,365千円(前年同期比251.9%増)となりました。当連結会計年度の特別損失については、主に棚卸資産評価損286,298千円、減損損失14,178千円等を計上した結果、310,819千円(前年同期比101.4%増)となりました。なお、前連結会計年度においては、貸倒引当金繰入額109,194千円等を計上しておりました。
当連結会計年度の法人税等合計は、グループ通算制度の適用に伴い繰延税金資産の回収可能性を見直した結果、法人税等調整額43,384千円を計上し、94,320千円(前年同期は△183,407千円)となりました。
その結果、親会社株主に帰属する当期純損失は、343,999千円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純利益76,956千円)となりました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「1.経営成績等の状況の概要 (3)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの事業活動における運転資金需要のうち主なものは、サービス提供のための人件費、外注費、販売費及び一般管理費等の営業費用であり、投資を目的とした資金需要は主にAIソリューションセグメントにおける無形固定資産の取得です。
当社グループは、これらの資金需要に対して、事業上必要な資金の流動性と財源を安定的に確保することを基本方針とし、資金使途や金額に応じて自己資金又は金融機関からの借入といった資金調達を柔軟に検討し、確保しております。
③ 重要な会計方針及び見積りに用いた仮定
当社の連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたりましては、当連結会計年度における資産、負債の報告金額及び収益、費用の報告金額に影響を与える見積り、判断及び仮定を過去の経験や状況に応じ合理的と判断される入手可能な情報により継続的に検証し、意思決定を行っております。しかしながら、これらの見積り、判断及び仮定は不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。
連結財務諸表作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりです。
④ 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の分析・検討内容
「1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、当社グループは達成状況を判断するための経営上の指標として、財務指標として売上高成長率、M&Aによる非連続の成長による利益の伸長の指標として経常利益及びEBITDA(利払前・税引前・償却前利益:経常利益+減価償却費+敷金償却+のれん償却費+支払利息)をそれぞれ重視しておりました。なお、当連結会計年度において、売上高成長率は29.6%、経常利益は59,774千円、EBITDAは298,454千円で着地し、当社の期初予想の経常利益98,928千円、EBITDA318,575千円についてはいずれも下回りました。これは主に、GPUサーバー事業において、AI開発用途向けGPUサーバーの販売の本格化が遅れたこと、自動車設計のエンジニアリングについて人員減が生じ、当初の想定を下回る実績となったこと等によるものです。なお、それらの影響については前期に解消しております。今期については、売上高がこの数年で2倍超に大きく伸長したことから、規模拡大をしつつ確実に既存事業で利益が伸長していくことと、さらに事業シナジーにより利益が上乗せされることが重要と考え、売上増より利益増を重視しております。また、2026年8月期より国際財務報告基準(IFRS)を任意適用することにより、経常利益が無くなるため、事業の収益性を測る「営業利益」を経営上の最も重要な指標とすることといたします。
(資本業務提携及び第三者割当による新株式の発行)
当社は、2024年9月17日開催の取締役会において、株式会社ゲームカード・ジョイコホールディングス(以下、「GCジョイコ」といいます。)との間で資本業務提携(以下、「本資本業務提携」といいます。)を行うこと、及びGCジョイコを割当予定先とする第三者割当による新株式の発行(以下、「本第三者割当増資」といいます。)を行うことを決議し、2024年10月9日に払込が完了いたしました。
(1) 本資本業務提携の目的及び理由
当社グループは、「テクノロジーに想像力を載せる」という経営理念の下、テクノロジーと想像力との融合によるイノベーションの追求によって、テクノロジーと人が共存する社会の創生を目指しております。当社グループのAIソリューション事業においては、独自に開発したAIエンジンによる画像認証等のサービス「AIZE」・アルコール検知システムの「AIZE Breath」等を展開し、ディープラーニングに代表される機械学習を用いたAIの研究開発に取り組んできており、とくに顔認証においては世界最大級、500次元以上の顔の特徴量によって認証率を高め、正面画像であれば99%の認証率を実現しております。2022年5月の上場を経て既存事業の業績向上に邁進し、上場後のM&Aによりグループ会社2社が加わり規模が拡大し、新たな成長ステージを迎えているという状況です。
GCジョイコは、東京証券取引所スタンダード市場に株式を上場しており、経営理念に「①、次世代に通用する最高の商品・サービスを提供し、社会に貢献します。②、常に挑戦を続け、新しい価値の創造を目指します。③、全社員が最高のパフォーマンスを発揮できる環境を整え、継続的な成長を目指します。」を掲げ、長年に渡り遊技場向けプリペイドカードシステム業界において、基幹システムやその周辺システムを中心に様々なサービス提供を行ってきた実績を有しています。また、GCジョイコは、幅広い産業におけるパートナーと共に社会課題の解決に貢献する、新たなビジネスやサービス創造に取り組んでおります。
当社はGCジョイコとの間で2024年3月~8月にかけて本資本業務提携に向けた協議を続けてまいりました。AI技術を用いた遊技業界のデジタル化を目指すことで顧客体験価値の向上を狙うことによりシナジー効果が期待できることや、業務提携の各業務及び事業を進めるにあたり、当社が優先的にエンジニアリソースを確保することで、GCジョイコから当社への開発発注を行うことに合意し、当社グループの業績への寄与が期待できることから本資本業務提携を実施することといたしました。
また、今般、同社との中長期的な関係強化と資本面における提携関係を構築することが当社グループの企業価値及び株主価値を向上することが期待できることから、同社に対する第三者割当増資により新株式を発行することといたしました。
(2) 業務提携の内容
当社及びGCジョイコの事業資産を有効活用することによってシナジー効果を発揮し、両社の事業基盤の強化拡大を図ることを目的としており、現時点において合意している業務提携の概要は以下のとおりです。
① システムリプレイス・リファクタリング
当社が長年培ってきたシステム開発の知見を活かし、GCジョイコの(ⅰ)既存システムのアーキテクチャやプログラムの刷新によるシステム性能強化や機能追加、(ⅱ)内製化できていなかった開発プロセス標準を整備することによる全体システムの一貫性の確保、(ⅲ)煩雑となっていたシステム受入試験の自動化による品質向上と工数削減、(ⅳ)インフラのクラウド化、ローコードツールの導入と基幹システムの円滑な更改に向けた取り組みを行ってまいります。
② AIを用いた遊技業界のデジタル化
当社及びGCジョイコは、顧客動向や売上等、各種データ分析におけるAIの活用、デジタル端末による新しい顧客体験の提供に向けたAIの活用、イベント・プロモーション戦略へのAIの活用等の幅広い領域で、当社AI技術による遊技業界の課題解決、顧客体験価値のさらなる向上に向けた取り組みを行ってまいります。
また、業務提携の各業務及び事業を進めるにあたり、当社は、優先的にエンジニアリソースを確保すること、GCジョイコは、当社に2024年9月~2027年8月の3年間で、500,000,000円程度(今後サービス内容の変化等に応じてGCジョイコと協議の上、金額は変化する可能性があります)の開発発注を行うことに合意しております。さらに、当社は、本資本業務提携の契約有効期間中、遊技業界において、GCジョイコ及びその100%子会社以外の会社と協業する場合は、事前に同社の承諾を得ることに合意をしております。
(3) 資本提携の内容
本第三者割当増資の概要は次の通りであります。
(有償新株予約権の発行)
当社は、2025年2月28日開催の取締役会において、会社法第236条、第238条及び第240条の規定に基づき、当社の取締役及び従業員並びにグループ会社の取締役及び従業員に対し、第7回新株予約権を発行することを決議し、2025年3月26日に発行いたしました。詳細は「第4 提出会社の状況 1 株式等の状況 (2) 新株予約権等の状況 ① ストックオプション制度の内容」に記載のとおりであります。
(ローン契約に付される財務上の特約)
当社が金融機関と締結している金銭消費貸借契約の一部には財務制限条項が付されています。詳細は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (連結貸借対照表関係)」に記載のとおりであります。
当社グループは、経営理念として掲げる「テクノロジーに想像力を載せる」に基づき、新しい技術への探求を継続しております。
なお、当連結会計年度における研究開発費の総額は
AIソリューションセグメントにおいては、深層学習技術を代表とした機械学習技術をもとに、画像処理技術及びアルゴリズムを用いたAI・ソフトウエアの研究開発を継続的に取り組んでいます。2014年より、囲碁AI開発プロジェクトへ参画し一定の成績をおさめるとともに、AI・ディープラーニングの知見を得ましたが、その蓄積が現在のAIソリューションセグメントの事業のノウハウの核となり、またこれらを応用した画像認識技術が、現在の自社プロダクトである画像認識プラットフォーム・AIZEの顔認証技術の根幹となっています。
2024年4月にユーザー数が10万IDを突破したAIZEは、国内にとどまらずフィリピンをはじめとする東南アジア地域でも利用が始まっています。急増するユーザー数に対して、顔認証のスピードが低速化しないようベクトルデータベース導入やSQL拡張、AI推論スピード高速化など、さまざまな角度から検索速度向上のための施策を検討・研究し、高速かつ高精度な顔認証システムを実現しています。
また、顔情報の解析・それを用いたサービスだけではなく、人物動作検知、行動予測部分における領域にもリソースを注いでいます。太陽光発電所の銅線ケーブル盗難対策として、侵入検知AIシステムを開発しており、警備範囲内に人物が侵入した際にカメラが捉え、侵入検知の発報が行われ、クラウドを通じて、IoTサイレンでの発報及び管理者・警備会社への通知を行うシステムもリリースいたしました。
他にも、生成AIの活用を進めており、RAG(Retrieval-Augmented Generation)を用いた製造業向けのナレッジデータベース構築や他にもStableDiffusionを活用して画像修正補正の自動化や新築物件の部屋レイアウトを自動生成する機能の研究等を実施しています。
なお、当連結会計年度における当事業セグメントの研究開発費は
GPUサーバーセグメントにおいては、暗号資産のマイニングマシンの研究開発が起源となりますが、その技術を応用した、生成AIに適した柔軟で高性能なサーバーソリューションの提供を狙い、ハードウェアを含めた研究開発を実施しております。当連結会計年度においては、生成AIを開発するITベンダーやAI開発者向けに特化したGPUサーバーである「GPU Server for AI」の提供を開始しております。また、コンテナ型の小規模データセンターであるDINO REXの開発を行い、リリースしております。
なお、当連結会計年度における当事業セグメントの研究開発費は