第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針

当社グループは「Make Every Business Borderless」をミッションとし、国境や産業、オンラインやオフラインなどの制約に捉われず、テクノロジーの力で誰もが簡単にビジネスをできる世界を実現するビジネスインフラとなり、社会に貢献していくことを目指します。

 

(2)経営戦略等

当社グループはミッションである「Make Every Business Borderless」の実現のため、ブランドコマース及びパートナーグロース領域における様々なソリューションをグローバルに提供しております。インターネットの普及により、顧客である法人及びクリエイターの抱える課題は国境や業界を超えてより複雑になっております。それらの顧客のニーズに応えるべく以下の事項を中長期的な成長戦略としております。

 

① プラットフォーム開発を通じた既存事業の更なる成長

当社グループは東南アジア、日本、中華圏、インド等においてブランド、クリエイター、パブリッシャーへのサービス提供を行っております。成長が続く市場において、絶えず変化するクライアントのニーズに対応するために、既存サービスにおいて新規プロダクト開発やオペレーション改善を図り、プラットフォームを更に進化させ続けることで顧客基盤の拡大を目指します。

 

② ブランドコマース領域におけるワンストップソリューションの強化

当社グループはブランド構築や運営を目指すクリエイターや法人向けに商品企画・生産管理を行う「AnyFactory」、EC構築・運営を中心とした「AnyShop」、マーケティング支援を行う「AnyTag」「AnyDigital」、複数ECチャネルの一元管理・運営できるプラットフォーム「AnyX」、会話型コマースを支援する「AnyChat」、物流管理を行う「AnyLogi」等の提供を行っており、ブランドの企画・生産・販売・マーケティング・物流を通じた一気通貫でのソリューションを提供しております。国内におけるEC・D2Cブランドの支援だけでなく、海外クリエイターや法人クライアントに対するソリューションの提供やクライアントの海外展開のローカルパートナーとしての支援も行っており、グローバルにおけるブランドコマースプラットフォームとしての優位性を確立し同事業の成長を目指してまいります。また、複数のプラットフォームを顧客が同時利用(顧客が当社グループのプラットフォームを複数利用し、当社グループとして複数の収益機会を得ることを「クロスセル」と言います)することにより、顧客とより深く効率的に関係を強化することができております。

 

③ 海外展開地域の拡大

当社グループは創業以来アジアを中心としてグローバルに事業展開地域を拡大しており、現在は13ヵ国・地域での事業展開を行っております。新地域への展開については市場環境や競争環境を考慮して、自社での進出やM&Aによる人材・事業基盤の獲得、又はその双方の組み合わせ等、展開アプローチを柔軟に検討しております。過去の事業拡大や経営統合の中で培った経験やノウハウは更なる事業地域展開においても活用可能と考えており、今後も積極的に成長市場への進出を検討していく方針です。

 

(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、事業拡大及び企業価値向上を示す指標として、売上収益及び売上総利益を重要な経営指標と位置づけ、各経営課題に取り組んでおります。

 

 

(4)当社グループの強み

① 成長が見込まれるアジア市場における成長実績と事業基盤

当社グループは創業当初よりアジア市場に注力しており、2022年度における地域別売上収益比率(注)は日本が47%、東南アジアが37%、その他地域(インド・中華圏等)が16%となっております。当社グループが事業を行う各業界においてもアジア市場は中長期的な成長が期待されており、当社グループが各国に有する人材、インフラ、ノウハウを積極的に活用し継続的な成長の実現を目指します。当社グループは2017年以降の売上収益の推移は「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」をご参照下さい

(注)地域別売上収益比率は、子会社の所在地における内部取引消去前の売上収益に基づいて算定しております。

 

② ローカライズされたパートナーネットワーク

当社グループの展開する事業において各国のクリエイターやパブリッシャーのネットワークが重要になります。特にアジアにおいては各国が異なる言語や文化を有しており、現地のクリエイターやパブリッシャーが強い影響力を有しております。当社グループは2022年12月末時点で、540,000人以上のインフルエンサー、1,300チャンネル以上のYouTuber、1,300社以上のパブリッシャー、200社以上の製造工場とのネットワークを有しております。当社グループの各国のローカルチームは継続的にネットワークの深耕を推進しており、当社グループがワンストッププラットフォームとしてソリューションを提供する上でローカライズされた各種ネットワークは重要な経営資産と考えております。

 

③ ブランドの成長を加速する統合型データマネジメント

当社グループは運営する各プラットフォームを相互に活用しながらブランドコマースの一連のバリューチェーンにおいてワンストップでのソリューション提供を行っております。パートナーグロース領域のプラットフォームも含め、それぞれのプラットフォームの持つデータやインサイトを活用してプロセス全体でより付加価値の高い提案を行っております。

 

④ ローカル市場への深い知見を有するグローバルなマネジメント

当社グループはアジア市場に焦点を置いて事業展開をしてきており、マネジメント体制も事業のグローバル展開に最適化された多国籍なチームとなっております。各経営陣がそれぞれの市場や事業領域において深い専門性を有しているだけでなく、自身で過去に事業を立上げて成長させてきた経営経験の豊富なメンバーが揃っております。

 

⑤ M&Aを通じた成長加速と確立された買収後の統合戦略

当社グループは創業以来、経営メンバーや事業リソースの獲得を目的として7件の企業買収を国内外で行っております。事業戦略や地域展開戦略に沿って、当社グループのソリューションや企業文化に沿うターゲットを特定し、事前に適切なデューディリジェンスや統合戦略の検討を行った上で買収を行ってきており、また買収後に対象企業の経営陣、組織、システム、ソリューションを当社グループに融合させ、統合後短期間でシナジーを実現してきた実績を有しております。今後も適切な機会があれば企業買収も選択肢として、柔軟に事業拡大を実現していきたいと考えております。

 

(5)経営環境

当社グループが事業運営を行うデジタルマーケティング市場及びインフルエンサーマーケティング市場、EC市場規模は日本及びアジア各国におけるスマートフォンやインターネットの普及、市場参加者の増加、SNSによる情報流通量の増加等を背景に安定成長が見込まれております。 2022年12月にS&P Global Market Intelligence発表の「Global Advertising Expenditure Forecast」によると、アジア地域のデジタルマーケティング市場規模は2021年の1,548億米ドルから2025年には2,143億米ドルに、グローバルでのデジタルマーケティング市場規模は2021年の4,714億ドルから2025年には6,524億ドルに成長すると推計されております。グローバルにおけるインフルエンサーマーケティング市場規模は、Influencer Marketing Hub発表の「The State of Influencer  Marketing 2022」によると、2021年の138億米ドルから2022年に164億米ドルに成長すると見込まれております。また、グローバルにおけるEC市場規模は2022年7月にeMarketer発表の「Worldwide Ecommerce Forecast Update 2022」によると、2021年の5兆2,115億米ドルから2025年には7兆5,278億米ドルに成長すると推計されております。

 

当社グループが事業運営を行うパートナーグロース領域はディスプレイ広告市場及びビデオ(動画)広告市場の動向に影響を受けると想定しており、対象市場はS&P Global Market Intelligence発表の「Global Advertising Expenditure Forecast」によると、2021年にグローバル全体で864億ドルの市場規模(ディスプレイ広告市場と動画広告市場の合計)を有しており、2025年には1,165億ドルまで成長すると見込まれております。

 

個別市場における需要の高まりに加えて、顧客企業の事業領域の拡大に伴いインバウンド需要も含めてクロスボーダーでのサービス(海外市場向けマーケティング、越境EC等)に対する需要が高まっております。この傾向は新型コロナウイルスの影響が沈静化しつつある足元において強くなっており当社にとって追い風になっていくと想定しております。当社グループはアジア各国に拠点と現地市場環境に精通したプロフェッショナルを有しているため、クロスボーダーでのサービス提供や海外市場でのローカライズした顧客支援が可能となっております。また、当社グループはプロダクト開発への投資を継続して行っており、アジア各国で活用できるプラットフォームを顧客に提供しております。特にアジア各国において多くのインフルエンサー、パブリッシャーのデータを有しており、当社プラットフォーム上でのデータ活用や創業以来支援してきた案件実績から得られるノウハウを活かし、先行優位性を有してグローバルで提供価値の向上を行っていけると考えております。

 

(6)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

① 新サービス・事業の開発体制の構築

当社グループは技術革新や市場環境の変化が早い業界にて事業運営を行っており、競争優位性の確保のために、継続的に新規サービスや事業を開発していくことが重要と考えております。当該開発に際しては、プラットフォーム開発のための体制強化が重要となるため、迅速な開発が行える体制整備や優秀な人材の確保を行ってまいります。

 

② 当社グループ事業及びサービスの認知度向上

当社グループが今後も高い成長率を維持していくためには、当社グループが運営する各事業及びサービスの認知度を向上させ、ブランド主、クリエイター、パブリッシャー等のパートナーやクライアントを獲得していくことが必要不可欠であると考えております。当社グループの活動を通じて業界における認知は広がっているものの、グローバルで更なる認知向上を達成すべく、マーケティングや広報活動などを一層強化・推進してまいります。

 

③ 優秀な人材の確保

グローバル市場での競争力を確保し中長期的に成長を続けていくために、優秀な人材を採用し育成していくことが重要な課題と認識しており、採用力の強化と従業員のモチベーションの向上に向けた体制整備、仕組み作りを続けております。今後も継続的に人材採用と育成について投資を続けていく方針です。

当社グループでは、役員及び従業員のモチベーション向上を目的に、新株予約権の付与を行っております。また取締役である小堤音彦は、保有する普通株式の一部に対して当社グループの役職員等を受益候補者とする譲渡予約権を締結しており、評価委員会の決定に従い、当社グループに対する貢献度に基づき、小堤音彦の保有する株式の一部を上場後にあらかじめ定めた価格で役職員が取得することができる制度を設けております。

 

 

④ コーポレート・ガバナンスの強化

当社はグループ企業価値を高めるため、純粋持株会社としてグループ経営戦略を立案し、子会社間でのシナジー効果の追求、事業運営の効率化、子会社に対する管理・監督機能を適正かつ有効に発揮すべく、今後もグループの業務や組織運営、事業ポートフォリオの最適化に取り組んでまいります。そして企業の社会的責任の高まりに継続的にこたえ、意思決定の透明性・公正性確保と企業経営の効率性向上に注力していくために、コンプライアンス体制の強化と内部統制システムの充実を図ってまいります。

 

⑤ 運転資金の最適化

当社グループは複数国で事業を展開しており現地通貨建ての債権債務が生じるため各国で一定の資金を維持する必要があります。その様な事業構造の中で、ブランドコマース領域において法人クライアントとの取引における売掛金回転期間やクリエイターとのD2Cブランド運営における在庫回転期間等の長期化が発生した場合に、営業キャッシュ・フローの悪化につながるため、継続的に改善を行っていくことが課題と認識しております。取引先の与信管理と売掛金回収遅延時の対応の迅速化、また在庫については受注生産型のアプローチを活用することで在庫リスクを低減していくことにより各国の資金管理を強化するなどの施策を講じてまいります。

 

⑥ 財務基盤の強化

当社グループは2019年12月期から2021年12月期まで営業損失を計上しておりますが、顧客基盤の拡大や製品開発のためのエンジニア人材の採用、事業領域や展開市場の拡大を重視しているため、今後も投資を続けていく方針を維持しつつ収益性の向上も重視していきます。資本市場と今後の事業方針や計画についてコミュニケーションを深め理解を得た上で、直接金融及び間接金融を活用して、事業規模や投資方針に合わせて財務基盤の強化を図ってまいります。

 

 

2 【事業等のリスク】

本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には下記のようなものがあります。なお、これらは、当社グループが事業を遂行する上で発生しうるすべてのリスクを網羅しているものではありません。また、文中における将来に関する事項につきましては別段の記載のない限り、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)事業環境にかかわるリスク

① 参入市場について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:長期)

当社グループが事業を展開しているEC市場、インフルエンサーマーケティング市場、デジタルマーケティング市場、オンライン動画市場では、スマートフォン市場の成長やブロードバンドの普及、新しいテクノロジーの活用により拡大傾向にあります。当社グループはこの成長は継続するものと見込んでおり、現在展開市場を軸に多角的に事業を展開する計画であります。しかしながら、今後国内外の経済情勢や景気動向等の理由により市場成長が鈍化、若しくは市場環境が変化するような場合には、当社グループ財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 技術革新等について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:長期)

当社グループが事業を展開しているEC市場、インフルエンサーマーケティング市場、デジタルマーケティング市場、オンライン動画市場では、技術革新や顧客ニーズの変化のスピードが非常に早く、事業者はその変化に柔軟に対応する必要があります。当社グループにおいても、最新の技術や市場環境の変化を迅速に対応できるよう努めております。しかしながら、当社グループが技術革新や顧客ニーズの変化に対応できない場合、また変化の対応のためのシステムや人件費に多くの投資を要する場合、当社グループの財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 他社との競合について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:中期)

当社グループが事業を展開しているEC市場、インフルエンサーマーケティング市場、デジタルマーケティング市場、オンライン動画市場においては、多くの企業が事業展開しております。当社グループは展開領域において技術力や事業展開力を活かして高付加価値のサービスを提供することで市場における優位性を確立し、競争力を向上させてまいりました。今後もクライアント目線に立ってサービスをより充実させていくとともに、知名度向上に向けた取り組みも行ってまいりますが、他に優れたビジネスモデルの競合他社が現れた場合、既存事業者や新規参入事業者も含めた各市場での競争の激化により、当社グループの財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ システムトラブルについて(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:中期)

当社グループの事業は、すべてインターネットを活用して行われており、そのサービス基盤はインターネットに接続する通信ネットワークに依存しております。安定的なサービス運営を行うために、サーバー設備等の体制強化を継続的に行っておりますが、地震等の自然災害や事故等により予期せぬトラブルが発生し、大規模なシステム障害が起こった場合には、当社グループの財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループが構築しているコンピュータ・システムは、適切なセキュリティや保護手段を講じておりますが、自然災害や不正アクセス等による通信ネットワークの切断や障害が発生した場合、当社グループの事業及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

⑤ マーケティング市場の季節変動性について(顕在化の可能性:高、顕在化の時期:短期)

当社グループが事業を展開しているインフルエンサーマーケティング市場、デジタルマーケティング市場、オンライン動画市場は、広告主の広告予算により構成されるため、広告主の予算の月ごとの配分の影響を受けます。特に年度末に多めに予算の配分を行う広告主が多く、年度末(日本国内及びインドにおいては主に3月、その他海外においては12月が中心となります。)に売上収益が集中する傾向があります。したがって、安定的に月次業績が推移する業種に比し売上収益及び利益の変動が起こりやすいほか、繁忙時に業務が継続するよう人員を確保しておく必要があるため、変動が大きく下振れ幅が顕著な場合には当社グループの財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥ 新型コロナウイルス感染症長期化に関するリスク(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:短期)

 2020年から全世界的に新型コロナウイルス感染症の拡大が起こり、当社グループも国内外でその影響を受けてまいりました。断続的に緊急事態宣言が発出されるなど、新型コロナウイルス感染症拡大は、完全な終息時期がいまだ不透明な状況にあります。新型コロナウイルス感染症の拡大に対して、時差出勤や在宅勤務(テレワーク)の実施に加え、Web会議の開催や不要不急の出張を制限する等の慎重な対応を行う等の対策を講じております。今後、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化し、経済活動が停滞した場合、当社グループの提供するサービスへの需要の減少を招く事態となり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)事業体制にかかわるリスク

① 特定人物への依存について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:中期)

当社の代表取締役である十河宏輔は当社グループが事業運営を行う全ての市場において豊富な知識と経験を有すると認識しており、新規事業の推進や経営戦略の構築等についての役割を担っております。当社は、特定の人物に依存しない体制を構築すべく、経営戦略の実行については各国経営陣に権限を委譲するなど組織体制の強化を図り、同氏に過度に依存しない経営体制の整備を進めておりますが、何らかの理由により同氏の当社グループにおける業務執行が困難になった場合、当社グループの財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 社歴が浅いことについて(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:短期)

当社グループは2016年4月に創業されており社歴が浅いため、期間業績比較を行うために十分な期間の財務情報を得られず、過年度の業績のみでは今後の業績を判断する情報としては不十分な可能性があります。

 

③ 優秀な人材の獲得・育成について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:中期)

当社グループは今後の企業規模の拡大に伴い、当社グループのミッションや事業に対して共感した優秀な人材を継続的に採用し、強固な組織を構築していくことが重要であると考えております。今後、積極的な採用活動を行っていく予定でありますが、当社グループの求める人材が十分に確保・育成できなかった場合や人材流出が進んだ場合には、当社グループの財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 内部管理体制の構築について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:中期)

当社グループの継続的な成長のためには、コーポレート・ガバナンスが適切に機能することが必要不可欠であると認識しております。業務の適正性及び財務報告の信頼性の確保、各社内規定及び法令遵守を徹底してまいりますが、事業が急速に成長することによりコーポレート・ガバナンスが適切に機能しなかった場合には、業務運用体制に問題が生じ、当社グループの財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

⑤ Googleグループとの契約について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:中期)

当社グループはパートナーグロース領域において、Googleグループとの契約に基づき、同社との取引を行っております。クリエイターグロースプラットフォームにおいては、当社グループが管理する動画コンテンツの利用許諾を同社に対して行い、当該コンテンツから生じる広告収益の一定料率分を報酬として受領しております。パブリッシャーグロースプラットフォームにおいては、当社グループが管理するメディア広告在庫を同社ネットワークを通じて販売することでその販売代金を同社より受領しております。当該契約が解除された場合、当社グループの財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥ リコール発生などの品質問題に関するリスクについて(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:中期)

当社グループはブランドコマース領域において継続的に新規ブランド及び商品を企画しております。当社グループは、商品の品質、安全性を重視しており、商品開発や製造委託事業者の選定においても常に品質を重視しております。しかしながら、意図しない商品不良等により大規模なリコールが発生した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑦ 在庫に関するリスクについて(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:短期)

 当社グループは、在庫の保有状況をモニタリングしながら生産数量と発注数量の調整を毎月実施し、滞留が予測される商品について販売施策を追加で立案することで在庫リスクの最小化を図っております。しかしながら、需要動向を見誤ったことによる欠品機会損失、ないし滞留在庫が生じた場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑧ 新規事業開発について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:中期)

当社グループの今後の事業展開としまして、事業規模の更なる拡大を目指して、新事業開発に引き続き積極的に取り組んでいく方針でありますが、新規事業の立ち上げは既存事業よりリスクが高いことを認識しております。市場理解や事業計画分析が十分であった場合でも、予測とは異なる状況となり計画どおりに進まない場合に投資資金の回収が困難になり、当社グループの財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑨ 海外事業展開について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:中期)

当社グループは海外で創業がなされ創業当時より海外での事業活動が中心であり、今後も成長戦略の軸としてもグローバル展開を積極的に行うことで中長期的な成長の実現を目指してまいります。特定地域への依存を避けることでリスク低減を図っているものの、国際情勢や各国特有の政治経済、売掛金の回収リスク等の状況により当社グループの事業の運営に影響が発生し、当社グループの財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

なお、当該シンガポール子会社は当社の重要子会社である中間持株会社であり、当社グループの連結子会社の27社のうち、16社を傘下に置いております。シンガポールの現地法制度において、同国での会社の設立にあたってシンガポール居住者である取締役を1名以上選任すること等の定めがございますが、いずれも適切に対応しております。その他、株主総会での議決権行使や配当の実施、役員の派遣など、子会社管理に必要な会社制度における特段の規制・制約は認識しておりませんが、今後も法制度の改正等の動向に留意してまいります。

 

⑩ 業務提携や買収について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:中期)

当社グループは他社との業務提携や企業買収等が、将来の成長性、収益性等を確保するために必要不可欠な要素であると認識しております。しかしながら、当初想定した成果を得ることができず、のれんの減損や、事業再編等に伴う事業売却損、事業清算損その他これに伴う費用が発生した場合、当社グループの財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

⑪ 配当政策について(顕在化の可能性:高、顕在化の時期:短期)

当社グループは、株主に対する利益還元と同時に、財務体質の強化及び競争力の確保を経営の重要課題と位置付けております。現時点では、当社グループは成長過程にあると考えており、内部留保の充実を図り、事業拡大と事業の効率化のための投資に充当していくことが株主に対する最大の利益還元につながると考えております。このことから創業以来配当は実施しておらず、今後においても当面の間は内部留保の充実を図る方針であります。将来的には各事業年度の経営成績を勘案しながら株主への利益還元を検討していく方針ですが、現時点において配当実施の可能性及びその実施時期等については未定であります。

 

(3)法的規制に関するリスク

① 訴訟等について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:長期)

当社グループは、法令及び契約等の遵守のため、各種規定を定めて社内教育やコンプライアンス体制の充実に努めております。しかしながら、当社グループが事業活動を行う中で、顧客、取引先又はその他第三者との間で予期せぬトラブルが発生し、訴訟に発展する可能性があります。かかる訴訟の内容及び結果によっては当社グループの財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 個人情報の管理について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:中期)

当社グループは、クリエイターや消費者(D2Cブランドの商品購入者)等の個人情報を保有しています。個人情報漏洩による企業経営・信用への影響を十分認識し、各種規程・マニュアルの整備、社員への周知徹底など、個人情報の管理体制の整備を行っておりますが、万が一情報が漏洩した場合は、損害賠償費用の発生、社会的信用の失墜などにより、当社グループの財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ インターネット及び広告業界に関連する法的規制について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:中期)

当社グループの主要な事業領域であるマーケティング関連市場においては、当社グループの事業遂行に関連して、著作権法のほか、特定商取引に関する法律、景品表示法、個人情報の保護に関する法律、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律などを遵守する必要があります。各種規程・マニュアルの整備、社員への周知徹底などにより法令遵守の体制強化を徹底してまいりますが、現行の法令及び権利内容の解釈適用上での論点などが生じた場合、また既存法令の強化等が行われ当社グループが運営する事業が規制の対象となる等制約を受ける場合には、当社グループの財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 知的財産権について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:長期)

当社グループは、当社グループが運営する事業に関する知的財産権の取得に努め、当社グループが使用する商標、技術・コンテンツ等についての保護を図っておりますが、当社グループの知的財産権が第三者の侵害から保護されない場合、又は知的財産権の保護のために多額の費用が発生する場合には、当社グループの財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)その他

① 代表取締役個人の訴訟等について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:中期)

当社の代表取締役である十河宏輔は、インターネット及び広告業界内で事業を営む他企業(以下、「対象企業」という。)及びその関係会社で構成されるグループ(以下、「対象企業グループ」という。なお、訴訟提起時には対象企業グループに属していたものの現時点では対象企業グループに属さない法人も含む。)との間で日本国外において2020年以前に訴訟が存在しておりました。対象企業グループと十河宏輔の間に現在係属している係争は無く、対象企業との和解も成立しておりますが、今後も事業推進上、訴訟や訴訟に至らない請求を十河宏輔が受ける可能性はあり、その場合には風評等により当社の信用や企業イメージに影響を及ぼす可能性があります。

 

② ストック・オプション行使による株式の希薄化について(顕在化の可能性:高、顕在化の時期:短期)

当社グループでは、取締役、従業員等のインセンティブを目的としたストック・オプション制度を採用しております。本書提出日現在における新株予約権による潜在株式数は6,763,200株であり、発行済株式総数及び潜在株式数の合計62,864,100株の10.8%に相当します。また、今後においてもストック・オプション制度を活用していくことを検討しており、現在付与している新株予約権に加え、今後付与される新株予約権について行使が行われた場合には、保有株式の価値が希薄化する可能性があります。

 

③ 為替変動の影響について(顕在化の可能性:高、顕在化の時期:短期)

当社グループは13ヵ国・地域において事業を運営しており、各国においては現地通貨で資産・負債を保有しております。連結財務諸表を作成するにあたっては現地通貨を円換算する必要があり、換算時に使用する為替レートによっては当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、為替相場の変動は中長期的には平準化されるものと考え、為替予約等は行っていません。

 

④ 調達資金の使途について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:短期)

公募増資による調達資金の使途につきましては、事業拡大に伴い増加する人件費に充当する予定であります。しかしながら、経営環境の急激な変化等により、上記の資金使途へ予定どおり資金を投入したとしても、想定どおりの投資効果を上げられない可能性があります。また、市場環境の変化が激しく、計画変更を迫られ調達資金を上記以外の目的で使用する可能性がありますが、その場合は速やかに資金使途の変更について開示を行う予定であります。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は以下のとおりであります。

 

① 財政状態の状況

(資産)

当連結会計年度末の資産は、前連結会計年度末に比べて、5,419,350千円増加し、18,822,015千円となりました。これは主に、新株発行による収入及び売上規模の拡大による債権の増加によるものです。主要な増減は、現金及び現金同等物が2,670,101千円、営業債権及びその他の債権が1,431,516千円、契約資産が929,363千円増加いたしました。

 

(負債)

当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べて、1,122,701千円増加し、7,306,303千円となりました。これは主に、営業債務及びその他の債務が1,340,738千円、契約負債が173,371千円増加する一方、前年度末において計上されていた法人税等の納付等により未払法人所得税が308,764千円減少したことによるものであります。

 

(資本)

当連結会計年度末の資本は、前連結会計年度末に比べて、4,296,649千円増加し、11,515,711千円となりました。これは主に、新株発行による増資3,992,627千円によるものです。また、2,058,444千円の減資及び1,164,644千円の欠損填補を行った結果、資本金は52,990千円の減少、資本剰余金は2,880,973千円の増加、利益剰余金は1,403,871千円の増加となりました。また、主に当連結会計年度において新株予約権費用等を81,281千円計上したことなどから、その他の資本の構成要素が63,858千円増加いたしました。

 

② 経営成績の状況

当連結会計年度におけるマクロ環境は、新型コロナウイルス感染症のワクチン接種の進展に伴う行動制限の緩和や各種政策の効果等により持ち直しの動きが見られた一方で、ウクライナ情勢の影響によるエネルギー価格の高騰を背景としたインフレ圧力の高まり等により、景気減速への懸念が強まり、先行きは依然として不透明な状況が続いていると認識しております。

 

当社グループにおいては、新型コロナウイルス感染症拡大による経済活動の停滞の影響を一部受けたものの、当社グループが事業展開している国・地域において新型コロナウイルス感染症の沈静化により、広告需要が緩やかに回復基調へ転じております。また、第2期連結会計年度から継続してきた営業体制の強化やインフルエンサーマーケティングプラットフォーム「AnyTag」とパブリッシャーグロースプラットフォーム「AnyManager」に関して事業が伸長したことに加え、D2Cプラットフォームからの収益拡大も寄与しました。さらに、各プラットフォームの収益モデルの分散が進んでいることも収益全体の拡大に寄与しております。以上のことから、売上収益は好調に推移いたしました。

 

これらの結果、当連結会計年度の売上収益は24,790,478千円(前連結会計年度比128.8%)、営業利益は30,467千円(前連結会計年度は213,644千円の営業損失)、税引前利益は326,718千円(前連結会計年度は538,591千円の税引前損失)、当期利益は245,509千円(前連結会計年度は791,158千円の当期損失)、親会社の所有者に帰属する当期利益は239,227千円(前連結会計年度は809,952千円の親会社の所有者に帰属する当期損失)となりました。

 

なお、当社グループは、インターネット関連事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載を省略しております。

 

 

(参考)当社グループの売上収益の推移

当社グループは2017年12月期以降、安定した成長を実現しており2021年12月期までの売上収益の年平均成長率は62%となっております。2017年12月期の東南アジアにおけるマーケティングプラットフォーム「AnyTag」、「AnyDigital」中心の収益構造から、2018年12月期は日本及び中華圏においてパブリッシャーグロースプラットフォーム「AnyManager」を積極的に展開し、2019年12月期にはクリエイターグロースプラットフォーム「AnyCreator」をグローバルに展開開始したことに加え日本における「AnyTag」の事業の強化を行っております。

2020年12月期にはインド及び中東において企業買収を経て事業展開したことに加えて、D2Cプラットフォームのソリューション展開を積極的に行うことで事業拡大を実現してまいりました。企業買収も活かして短期間で既存事業の周辺領域へ事業展開していくこと、東南アジアを中心とした安定した市場成長が期待できる市場に事業基盤を持っていること、エンジニアによりプラットフォーム開発や機能拡大をタイムリーに行えていることが足元までの高い成長性を支えていると考えております。

2022年12月期においてはD2Cプラットフォームからの収益貢献の拡大もあり、収益モデルの分散が更に進んでおり、広告主からのマーケティング報酬(マーケティング支出)に加えて、D2Cプラットフォームにおいて、商品販売収益、法人クライアントとの売上シェア(レベニューシェア)、月額固定報酬(サブスクリプション)、利用料に応じた従量課金等の重要性が高まっております。また、パートナーグロースプラットフォームにおいてもパブリッシャーやクリエイターとの広告収益に基づいた売上シェアだけでなく、各種サービス提供による月額固定報酬を受ける収益形態もございます。

 

 

2017年

12月期

2018年

12月期

2019年

12月期

2020年

12月期

2021年

12月期

2022年

12月期

年平均

成長率

売上収益

(百万円)

2,820

5,285

6,502

11,080

19,252

24,790

54%

 

(注)2019年12月期の売上収益については、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に準じて、PwCあらた有限責任監査法人により監査を受けております。また、2020年12月期、2021年12月期及び2022年12月期の売上収益については、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、PwCあらた有限責任監査法人により監査を受けております。

 

③ キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における「現金及び現金同等物」の残高は、前連結会計年度末比2,670,101千円増加し6,141,201千円となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度末において、営業活動によるキャッシュ・フローは702,431千円の支出となりました(前年同期比では449,702千円の支出の増加)。これは、税引前利益326,718千円および非現金支出費用である減価償却費及び償却費893,714千円を計上した一方で、運転資金の増加により手許資金が863,515千円減少したことに加え、法人所得税の支払514,277千円などがあったことによるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度末において、投資活動によるキャッシュ・フローは102,004千円の支出となりました(前年同期比では16,035千円の支出の減少)。これは主に、本社オフィス拡張に伴う固定資産の取得により156,260千円の支払があったことによるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度末において、財務活動によるキャッシュ・フローは3,324,488千円の収入となりました(前年同期比では4,065,794千円の収入の増加)。これは主に、株式の発行により3,992,627千円の収入があった一方で、オフィスに係るリース負債の返済により633,537千円の支払があったことによるものです。

 

 

④ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

当社グループは、提供するサービスの性格上、生産活動を行っておりませんので、記載しておりません。

 

b.受注実績

当社グループは、受注から役務提供の開始までの期間が短いため、受注実績に関する記載はしておりません。

 

c.販売実績

第3期連結会計年度及び第4期連結会計年度の主要なプラットフォームごとにおける販売実績は、次のとおりであります。なお、当社グループはインターネット関連事業の単一セグメントであります。

 

第3期連結会計年度

(自 2021年1月1日

至 2021年12月31日)

第4期連結会計年度

(自 2022年1月1日

  至 2022年12月31日)

金額(千円)

前期比(%)

金額(千円)

前期比(%)

マーケティングプラットフォーム

9,513,987

+71.5

13,115,836

+37.9

パートナーグロースプラットフォーム

8,057,386

+60.0

8,612,863

+6.9

D2Cプラットフォーム

1,552,124

+248.0

2,898,962

+86 8

その他

129,099

+161.0

162,815

+26.1

合計

19,252,597

+73.8

24,790,478

+28.8

 

 

(注)1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は以下のとおりであります

 

第3期連結会計年度

(自 2021年1月1日

至 2021年12月31日)

第4期連結会計年度

(自 2022年1月1日

至 2022年12月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

Google Asia Pacific Pte. Ltd.

4,836,605

25.1

3,286,956

13.3

Google LLC

1,505,854

7.8

1,626,297

6.6

 

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、国際会計基準審議会によって公表されたIFRSに基づき作成しております。この連結財務諸表の作成に当たっては、決算日における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような経営者の見積り及び予測を必要としております。当社グループは、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、見積り及び予測を行っておりますが、前提条件やその後の環境等に変化がある場合には、実際の結果がこれら見積りと異なる可能性があります。

なお、当社グループの連結財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針」に記載しております

また、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 4.重要な会計上の見積り及び判断」に記載のとおりであります。

 

 

② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当連結会計年度においては、クリエイターグロースプラットフォームが国内外で成長したこと、マーケティングプラットフォームが国内のインフルエンサーマーケティングソリューションを中心に成長いたしました。加えて、昨年度に立ち上げたD2Cプラットフォームの成長により事業が拡大いたしました。

 

経営成績等の分析・検討内容は以下のとおりであります。

a.売上収益

売上収益は、全事業において取引社数が増加し24,790,478千円(前連結会計年度比5,537,881千円増)となりました。2022年12月期における地域別売上収益比率(注)は、日本が47%、東南アジアが37%、インド・中華圏等のその他地域が16%(前連結会計年度は、日本が43%、東南アジアが41%、インド・中華圏等のその他地域が16%)となっております。前連結会計年度との比較では、主に日本においてインフルエンサーマーケティングとD2Cプラットフォームの事業が拡大したことにより4ポイント上昇しております。

(注)地域別売上収益比率は、子会社の所在地における内部取引消去前の売上収益に基づいて算定しております。

 

b.売上原価、売上総利益

売上原価は、主に売上収益増加に伴うマーケティング原価、パブリッシャー及びクリエイターへの支払の増加等により15,498,945千円(前連結会計年度比2,519,308千円増)となりました。この結果、当連結会計年度の売上総利益は9,291,533千円(前連結会計年度比3,018,572千円増)となりました。また、当連結会計年度の売上総利益率は、37.5%(前連結会計年度は32.6%)となりました。

 

c.販売費及び一般管理費、営業利益

販売費及び一般管理費は、主に事業拡大に伴う人件費、業務委託料及び販売促進費等の増加により9,300,373千円(前連結会計年度比2,807,519千円増)となりました。この結果、当連結会計年度の営業利益は30,467千円(前連結会計年度は213,644千円の営業損失)となりました。

 

d.金融収益・金融費用、税引前利益

金融費用は、主にオフィスリースに係る利息の支払により、37,584千円となりました。金融収益は、主に為替差益の影響により333,835千円となりました。この結果、税引前利益は326,718千円(前連結会計年度は538,591千円の税引前損失)となりました。

 

e.親会社の所有者に帰属する当期利益

法人所得税費用81,209千円及び非支配株主持分6,282千円を計上した結果、親会社の所有者に帰属する当期利益は239,227千円(前連結会計年度は809,952千円の親会社の所有者に帰属する当期損失)となりました。

 

 

③ 資本の財源及び資金の流動性の分析

当社グループの運転資金需要のうち主なものは、当社グループの業容拡大のための運転資金と人件費等の営業費用であります。当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。運転資金の調達は自己資金及び金融機関からの借入を基本としております。なお、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、6,141,201千円であり、十分な流動性を確保しております。当社グループはM&Aを行う場合等に投資活動によるキャッシュ・フローが支出超過となる場合がありますが、投資からの想定回収期間が中長期に亘る場合、当該タイミングにおける金利及び資本コスト、資金需要の額を考慮した上でエクイティファイナンスを行う場合があります。

 

 

④ 経営成績に重要な影響を与える要因について

経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおり、様々なリスク要因が当社グループの経営成績に影響を与えるおそれがあることを認識しております。そのため、当社グループは常に外部環境の変化に留意しつつ、内部管理体制の強化、優秀な人材の確保及び育成等により、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分散・低減し、適切に対応を行ってまいります。

 

⑤ 経営者の問題意識と今後の方針について

経営者の問題意識と今後の方針については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照下さい。売上収益及び売上総利益は市場成長も背景に堅調に成長が続く中、「優秀な人材の確保」が足元の事業成長を継続するために重要と考えており、当社グループの知名度向上による採用力の強化とグループ内の従業員に対する育成について優先的に対応を行っていく予定です。

 

 

(参考情報)

当社グループは、経営成績を評価するために売上収益及び売上総利益に加えて、調整後EBITDAを重要な経営指標と考えております。売上収益及び売上総利益の伸長の背景については「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」をご参照ください。その事業規模の拡大に伴い調整後EBITDAについては継続的に改善しております。

 

① 売上収益及び売上総利益

(単位:千円)

決算期

国際会計基準

第2期

(2020年12月期)

第3期

(2021年12月期)

第4期

(2022年12月期)

 売上収益

11,080,345

19,252,597

24,790,478

 売上総利益

3,860,275

6,272,960

9,291,533

 

 

② 調整後EBITDA

(単位:千円)

決算期

国際会計基準

第2期

(2020年12月期)

第3期

(2021年12月期)

第4期

(2022年12月期)

 営業利益又は営業損失(△)

△524,377

△213,644

30,467

+減価償却費及び償却費

620,444

766,903

893,714

+株式報酬費用

8,485

1,739

81,281

 調整後EBITDA

104,552

554,999

1,005,463

 

(注)1.調整後EBITDA=営業利益又は営業損失(△)+減価償却費及び償却費+株式報酬費用

2.調整後EBITDAはIFRSにより規定された指標ではなく、当社グループが、投資家にとって当社グループの業績を評価するために有用であると考える財務指標です。当社グループにおける調整後EBITDAは、同業他社の同指標あるいは類似の指標とは算定方法が異なるために、他社における指標とは比較可能でない場合があり、その結果、有用性が減少する可能性があります。

 

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

当社グループにおいては、当社グループが掲げる「Make Every Business Borderless」というミッションのもとに法人クライアントや個人の事業課題の解決を目指しており、当社グループ事業領域の各種プラットフォームに関する研究開発に取り組んでおります。

ブランドコマース領域においては、特に「AnyTag」の追加機能開発のための研究開発に力をいれている他、D2Cプラットフォームである「AnyFactory」「AnyX」「AnyLogi」等の開発に注力しております。パートナーグロース領域においては主にパブリッシャーグロースプラットフォームである「AnyManager」の研究開発活動を行っております。

当社グループにおいて研究開発費として計上している項目は限定的であり、当連結会計年度において計上された研究開発費の総額は2,388千円であります。