当中間連結会計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。
(1)経営成績等の状況の概要
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
当社グループは「Make Every Business Borderless」というミッションのもと、ブランド構築、生産管理、メディア運営、ECサイト構築・運営、マーケティング、ライブコマース、物流管理等のソリューションをワンストップで支援するプラットフォームを提供しており、アジア・中東を中心に世界15ヵ国・地域にて事業を展開しております。
① 財政状態の状況
(資産)
当中間連結会計期間末の資産は、前連結会計年度末に比べて、1,764百万円増加し、35,926百万円となりました。これは主に、日本法人のオフィスの拡張に伴う使用権資産の増加が2,797百万円あったこと及びAnyReach社の買収に伴うのれんが715百万円増加したことによるものです。一方、運転資金の増加に伴い現金及び現金同等物が2,410百万円減少したことによるものです。
(負債)
当中間連結会計期間末の負債は、前連結会計年度末に比べて、2,161百万円増加し、19,608百万円となりました。これは主に、日本法人のオフィス拡張に伴うリース負債の増加が2,665百万円増加したこと及び営業債務及びその他の負債が718百万円減少したことによるものです。
(資本)
当中間連結会計期間末の資本は、前連結会計年度末に比べて396百万円減少し,16,318百万円となりました。これは主に、中間利益の計上により194百万円増加した一方、自己株式の取得318百万円及び在外営業活動体の換算差額が376百万円減少したことによるものです。
② 経営成績の状況
当中間連結会計期間のアジア各国の経済は前年から引き続き経済活動の回復基調を維持しているものの、関税政策の不確実性等による外需の鈍化や地政学リスクの影響から、成長の勢いは鈍化する兆しが見られました。一方で、情報通信産業分野では活発な投資が継続しており、インドネシアではAI・クラウド基盤に対する大規模投資が発表され、マレーシアではデータセンターや半導体関連分野で外資系企業の進出が進んでおります。ASEAN諸国全体での情報通信産業への投資も引き続き拡大傾向にあり、デジタル経済は成長の下支え要因となっております。
このような事業環境のもと、当中間連結会計期間において当社グループは、AI活用による業務自動化ソリューション「AnyAI Workflow」のローンチや、AIがSNSから消費者の本音を抽出することで分析業務の標準化・効率化を実現する新機能「AnyTag Insight」の実装など、プラットフォームの付加価値向上と企業の生産性向上に貢献する取り組みを加速させました。
パートナーグロース事業における市場環境の変化にも関わらず、マーケティング事業及びD2C/EC事業の法人向け支援領域が高い成長率を維持することで、中間連結会計期間の全社売上収益は前年同期比で成長を実現いたしました。
また、日本市場におけるTikTok Shopの展開に先駆け、AIライブコマースプラットフォーム「AnyLive」では日本語対応を実装し、EC管理プラットフォーム「AnyX」および物流プラットフォーム「AnyLogi」ではTikTok Shopとの連携も実現いたしました。これに加えて、TikTok Shop Japanの運用支援体制を構築し、日本国内で数少ない「トリプル認定パートナー」としての地位を確立いたしました。東南アジア主要国におけるShopee・Lazada・TikTok Shopの公認支援実績に加え、日本市場でのプレゼンス強化により、当社のEC支援エコシステムは一層拡張しております。また、「AnyLive」にライブ配信分析機能およびAIによるスクリプト最適化機能を追加し、人とAIの両軸によるライブコマース運用の最適化を進めております。
パートナーグロース事業では、収益基盤の多角化とグローバル展開を加速させております。日本での自社ゲームアプリ開発やクリエイターの活動支援に加え、東南アジアでは「YouTube ショッピング アフィリエイト プログラム」を活用した収益化などを推進しております。さらに、MENA地域でのクリエイターネットワークを拡充し、新興市場でのブランド連携を強化しております。
加えて、デジタルコマース領域の強化を目的とし、2025年3月には、日本を拠点とするeギフト企業であるAnyReach社を完全子会社化いたしました。また、ベトナムにおいてライブコマースを専門とする支援会社「Vibula」の子会社化も発表しております。この戦略的な株式取得により、東南アジア市場におけるライブコマース支援体制が大幅に強化され、企業およびクリエイターに対する高付加価値サービスの提供が可能となります。
当社グループは、AIによるプラットフォーム強化やM&Aの推進により、ライブコマースなどの成長分野と既存事業双方の成長を加速させることで収益基盤を強化しており、アジアにおける「デジタル成長支援のトップ企業」としてのポジションをさらに強化してまいります。
以上のことから、売上収益はマーケティングプラットフォームで2,637百万円増加し(前中間連結会計期間比+28.7%)、パートナーグロースプラットフォームで857百万円減少し(前中間連結会計期間比△9.6%)、D2C/ECプラットフォームで1,481百万円増加しました(前中間連結会計期間比+34.4%)。また、当中間連結会計期間における地域別売上収益比率(注)は東南アジアが50%(前年同期:49%)、日本・韓国が40%(前年同期:37%)、インド・中華圏等のその他地域が10%(前年同期:14%)となっております。
(注)地域別売上高比率は、子会社の所在地における内部取引消去前の売上収益に基づいて算定しております。
中間連結会計期間
これらの結果、当前中間連結会計期間の売上収益は25,846百万円(前中間連結会計期間比+14.7%)、売上総利益は10,002百万円(前中間連結会計期間比+19.6%)、営業利益は744百万円(前中間連結会計期間比△23.3%)、税引前中間利益は305百万円(前中間連結会計期間比△66.2%)、中間利益は194百万円(前中間連結会計期間比△73.2%)、親会社の所有者に帰属する中間利益は159百万円(前中間連結会計期間比△77.7%)となりました。
なお、当社グループは、インターネット関連事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載を省略しております。
③ キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間末における「現金及び現金同等物」の残高は、前連結会計年度末比2,410百万円減少し、7,254百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間において、営業活動によるキャッシュ・フローは302百万円の支出となりました(前中間連結会計期間比では2,014百万円の収入の減少)。これは、税引前中間利益305百万円及び減価償却費及び償却費を920百万円計上した一方、法人税等の支払を406百万円計上したこと及び運転資金の増加に伴う支出により1,277百万円等があったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間において、投資活動によるキャッシュ・フローは921百万円の支出となりました(前中間連結会計期間比では546百万円の支出の増加)。これは主に、有形固定資産の取得による支出が331百万円、貸付けによる支出が220百万円、子会社株式の取得による支出が321百万円があったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間において、財務活動によるキャッシュ・フローは806百万円の支出となりました(前中間連結会計期間比では3,600百万円の収入の減少)。これは主に、短期借入金の増加に伴う収入が296百万円、自己株式の取得に伴う支出が318百万円及びリース負債の返済により652百万円の支出があったことによるものです。
(2)経営方針・経営戦略等
当中間連結会計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等については重要な変更はありません。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当中間連結会計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(4)研究開発活動
当社グループにおいては、当社グループが掲げる「Make Every Business Borderless」というミッションのもとに法人クライアントや個人の事業課題の解決を目指しており、当社グループ事業領域の各種プラットフォームに関する研究開発に取り組んでおります。ブランドコマース領域においては、特に「AnyTag」の追加機能開発のための研究開発に力をいれている他、D2C/ECプラットフォームである「AnyX」「AnyLogi」「AnyAI」等の開発に注力しております。パートナーグロース領域においては主にパブリッシャーグロースプラットフォームである「AnyManager」の研究開発活動を行っております。
該当事項はありません。