第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において、当社が判断したものであります。
 

(1) 経営方針等

当社は、会社の基盤や想像力、技術の研鑽を主体とした「人」「力」「技術」を社是として、経営を致しております。また、当社のロゴマークは「人」という文字をあしらっており、左の赤は個々の社員の情熱と実力主義を表し、右の青は会社(組織)の包容力と和、そして天に向かって躍進する可能性を意味しております。二つが合わさり社員と会社がともに支えあって互いに伸び栄え、社業を通じて社会に貢献することを表現しております。

 


<社是>
 「人」 経営資源、会社の基盤は人、教育・訓練の充実
 「力」 創造力、若い力の結集、一致協力、職場の活力、新しい発想によるチャレンジ
 「技術」 技術の研鑽、品質の向上、新技術の研究

 

 

   また、当社の経営理念は「社員と会社が一体となって、人のために、次世代のために今できることを真剣に考え、社業を通じて社会に貢献する」としております。

   この、「社是」と「経営理念」のもと、当社は「より良いものを、より早く、より確実に造る。お客様に対し、信頼感、安心感、満足感を与える」をモットーとして経営を進めてまいります。

 

(2) 経営環境と中長期的な経営戦略

 建設業界全体の動向について、図1のとおり、2020年度はコロナ禍による民間投資の減少により、名目建設投資は前年度比2.5%の減少となる見込みですが、2021年度以降の見通しは、2021年度が前年度比1.2%の増加、2022年度が前年度比0.5%の増加となっており、コロナ禍が再拡大しなければ、中長期的には首都圏を中心とする大型再開発や自動化・省力化などの設備投資は継続するものと見込まれます。また、近年の自然災害に対応するための防災・減災、老朽インフラの維持・補修などインフラ整備が始動しており(国土強靭化のための5か年加速化対策)、公共投資への一定の増強が想定されます。そのため、コロナ禍が再拡大しない限り、市場環境は堅調に推移するものと見込んでおります。このような市場環境下、当社は、景気変動の影響が少ない公共工事を軸とした土木工事事業、及び、景気に左右されるものの投資額の多い民間工事を軸とした建築工事事業の二大セグメントを推進することにより、事業の安定化を図っております。

 また、「第1 企業の概況 3事業の内容」に記載のとおり、当社の特徴として、土木工事事業、建築工事事業ともに元請比率が高いこと及び監理技術者資格者証の保有者が多いことが挙げられます。元請比率が高いのは、元請会社として工事を受注することにより大規模案件の獲得と高い利益水準の実現に取り組んでいるためであります。監理技術者の多寡については、当社の請負う工事が基本的に1級国家資格を持つ監督員(監理技術者)を現場に常駐させる必要のある工事であるため、関与できる工事の数に影響し収益に直結します。当社は、資格取得を奨励するとともに、多く有している監理技術者を適正に配置することにより、エリア及び分野の拡大に取り組んでおります。さらに、今後は建物や橋梁などの「長命化」の増加が見込まれることから、コンクリート構造物の長命化分野の強化を推進してまいります。

 

 

図1 建設投資額の推移(年度)

(単位:億円)

年度

2016

2017

2018

2019

(見込み)

2020

(見込み)

2021

(見通し)

2022

(見通し)

名目建設投資

587,399

613,251

618,271

624,900

609,000

616,600

619,800

(対前年度伸び率)

3.7%

4.4%

0.8%

1.1%

△2.5%

1.2%

0.5%

 

政府建設投資

209,862

217,800

215,910

227,200

239,500

234,200

229,800

 

(対前年度伸び率)

3.9%

3.8%

△0.9%

5.2%

5.4%

△2.2%

△1.9%

 

民間住宅投資

164,626

169,422

167,366

162,700

151,200

157,400

155,000

 

(対前年度伸び率)

4.9%

2.9%

△1.2%

△2.8%

△7.1%

4.1%

△1.5%

 

民間非住宅建設投資

152,715

163,122

169,762

170,100

159,700

164,200

171,600

 

(対前年度伸び率)

5.0%

6.8%

4.1%

0.2%

△6.1%

2.8%

4.5%

 

民間建築補修

(改装・改修)投資

60,196

62,907

65,233

64,900

58,600

60,800

63,400

 

(対前年度伸び率)

△2.9%

4.5%

3.7%

△0.5%

△9.7%

3.8%

4.3%

 

出典:一般財団法人建設経済研究所(2022年4月13日付発表)

 

(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

  当社は、営業利益率を経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標としており、目標値として8%

 以上を設定しております。持続的な発展のため売上高の拡大及び原価及び経費の適正管理を両輪で実施し、高い

 利益率の達成に向けて取り組んでまいります。

 

(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 2022年度の我が国の経済につきましては、社会全体に景気後退感があり、建設業界にも影響を及ぼす可能性は否定できません。当社において、2021年度はこのような景気後退感の影響は見られませんでしたが、2022年度は影響の対策を検討する必要があると考えております。それに対処するため、景気変動の影響が少ない公共工事の受注拡大や、従来からの顧客を大切にすることにより受注機会を保つこと、また、利益の向上が期待できる好物件を受注するとともに、会社一体となり、原価管理及び販売管理等の適正化を一層追求し、高収益体制の維持を図るため、以下の対策を検討しております。

 

① ウクライナ情勢や新型コロナウイルス感染症による景気悪化懸念

(土木工事事業)

・土木工事発注が多い首都圏、関西圏を中心に人材投入を行い、受注の拡大を図る。

・昨今頻発している自然災害が発生した地域の災害復旧工事の受注及び災害を予防する対策工事の受注拡大を

 図る。

・構造物の長命化、補強工事等今後の市場環境において伸長が見込まれる分野へ進出する。

・受注環境が激化する中で、競争に勝ち抜く技術提案力の強化を図る。

 

(建築工事事業)

・リニューアル、耐震補強等既設建物の改修等の分野へ進出する。

・住宅分野以外の多分野工事の受注拡大を図る。

・3大都市圏(首都圏・関西圏・中部圏)以外の商圏を拡大する。

・設計施工物件を手掛け、設計段階から一貫した受注獲得を目指す。

 また、ウクライナ情勢や新型コロナウイルス感染症の影響による資材価格の高騰や不足については予断を許さない状況と考えております。当社においては市場環境を見極め、早期の発注を行うこと、価格が高騰した場合には請負金額に適正に反映されるよう発注者様との交渉を行う等の対応を図ります。

 

 

② 働き方改革の推進

 建設業界は少子高齢化による若年層の減少に加え、就労者が少なくなる傾向があります。人材を確保していく上で、働き方改革の推進は重要な課題であると認識しております。当社は現在、システム投資やICT技術の活用等による業務の効率化及び施工の効率化、省力化の推進による労働時間の短縮に取り組んでおります。今後も更なる労働環境の改善に向けて取り組んでまいります。

 

③ コーポレート・ガバナンスの強化

 株主をはじめとするステークホルダーに対して社会的責任を果たすこと、また持続的な成長及び企業価値の向上を図る観点から、コンプライアンスの遵守体制、意思決定・業務執行体制、及び適正な監督・監視体制を構築することを通じて、コーポレート・ガバナンス強化の重要性を認識し、継続的に企業価値の向上に取り組んでまいります。

 

2 【事業等のリスク】

本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において、当社が判断したものであります。

 

(1)  建設市場の動向

 民間景気の減速や建設市場が縮小した場合等による受注環境が悪化した場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 このリスクの低減を図るための対応については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」の記載をご参照下さい。

(2)  労務単価及び資材価格の高騰

 労務単価や原材料の価格が高騰した際、請負金額に反映することが困難な場合には、当社の業績に影響を与える可能性があります。

 当社は、地域の主要単価を統計的に把握するとともに価格高騰を予見し早めの発注を行うことや、既存の取引先にとらわれず新規取引先の開拓に努めることにより、価格変動の影響を抑制し、リスクの低減に努めております。

(3)  取引先の信用リスク

 建設業界においては、1件当たりの請負金額が多額であり、また支払条件によっては工事代金の回収に期間を要する場合があります。万一、発注者、協力会社、共同施工会社等の取引先に信用不安が顕在化し、資金の回収不能や工期の遅延等が発生した場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 当社は、与信管理規程及び債権管理規程に基づき、取引先の状況把握を定期的に実施し、回収懸念の早期把握や軽減を図り、リスクの低減に努めております。

(4)  人材確保

 建設業界においては、建設技術者・技術労働者の高齢化が進み、計画的な人員確保の重要性が高まってきております。当社では、計画的な人員確保に向けて採用の強化に努めておりますが、需給関係の急激な逼迫により人員確保が困難となった場合には、受注機会の喪失や納期遅延等の問題が発生する恐れがあり、当社の業績に影響を与える可能性があります。

 当社は、働き方改革を推進した労働環境の構築や、採用後の資格取得への積極的な支援、及び左記に基づく採用活動の実施により、リスクの低減に努めております。

(5)  施工物の瑕疵

 継続的な社員教育の実施や、ISOなどの品質管理手法を活用した施工管理の徹底により、品質管理には万全を期しておりますが、万一施工物に重大な瑕疵(契約不適合)があった場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 当社は、品質安全部を設置し、ISO規格に基づく徹底した品質管理を実施するとともに、社員教育の充実による施工技術の更なる向上を図り、リスクの低減に努めております。

 

(6)  建設活動に伴う事故

 建設業界は、作業環境や作業方法の特性より危険性を伴うことが多く、他の産業と比べると事故発生率が高くなっております。万一、人身や施工物などに関わる重大な事故が発生した場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 当社は、工事着手に際し、施工計画を策定し、安全な作業環境を整え施工しております。また、徹底した安全教育の実施、危険予知活動や安全パトロールなどを実施し事故を撲滅するための活動を実施することで、リスクの低減に努めております。

(7)  法的規制等

 当社の事業運営上、建設業法、建築基準法、建築士法、宅地建物取引業法、独占禁止法他多数の法的規制を受けております。当社では、特定建設業許可、一級建築士事務所登録、宅地建物取引業の許認可を受けております。将来、何らかの理由により法令違反の発生、許認可等の取消又は更新が認められない場合、若しくはこれらの法律等の改廃又新たな法的規制の新設、適用基準の変更によっては、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 当社が取得している許認可等は、下表のとおりであります。

法令等

許認可等

有効期限

取消事由

建設業法

特定建設業許可

国土交通大臣許可

(特2)第4947号

2025年9月1日

建設業法第29条に定められております。

建築士法

一級建築士事務所登録

兵庫県知事許可

第01A03206号

2024年3月29日

建築士法第26条に定められております。

宅地建物取引業法

宅地建物取引業者免許

国土交通大臣許可

(4)第6975号

2024年12月14日

宅地建物取引業法第66条に定められております。

 

 当社は、上記許認可等の諸条件や各法令の遵守に努めております。法改正については国土交通省、その他関係各所から発信されている情報にアクセスし、早期に対応を検討し対策することで、リスクの低減に努めており、継続に支障を来す要因は発生しておりません。

(8)  訴訟等に関するリスク

 当社の事業等に関連して予期せぬ問題や紛争が生じて、これによる訴訟等を提起、あるいは提訴された際に当社の主張や予測と相違する結果となった場合は、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 当社は、訴訟等について、顧問弁護士等外部の専門家と緊密に連携し対応できる体制を構築することで、リスクの低減に努めております。

(9)  外壁タイル剥離に係るクレーム等発生リスク

 建物の外壁タイルに剥離が生じたとして、建物の所有者が施工者に対して不法行為に基づく損害金の支払を求める訴訟は、近時、建築関係訴訟の中で多くみられる類型の一つといわれております。当社は建築工事事業においてマンションを施工しており、発注者から指定された仕様書を遵守した施工は当然として、(5)に記載したとおり品質管理を徹底するとともに、タイルの接着効果を増大させる方法を取り入れて対策しております。ただし、外壁タイルの剥離現象の発生原因を解明するのは困難であり、クレームの発生や訴訟を提起された場合には、当社の施工に起因する剥離ではなかったとしても、風評への影響や経済的な負担等が発生し、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 なお、本書提出日現在、訴訟中の事案は1件であります。

 当社において、クレームの発生や訴訟を提起された場合には、個別に誠実かつ適正に対応する方針であります。クレームの発生等を事前に把握することは困難でありますが、完成後2年経過後の自社点検を実施するとともに、その後も竣工後5年目の自主的調査を行うこととし、所有者においても3年、6年の検査と10年目の打診調査が行われます。当社点検調査の結果、剥離の可能性を検知した場合には、所有者、管理者に報告し適切な保全を促す等の対応をとることで、自社で行い得るクレーム等発生の抑止を図り、リスクの低減に努めております。

 

(10) 災害リスク

 地震等の天災、人災等が発生したことにより、事業継続に深刻な支障をきたした場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 当社は、事業継続計画を定め、大規模災害発生時の役職員の安否の早期確認や、適正な初動活動が行えるように準備することで、リスクの低減に努めております。

(11) 情報セキュリティ

 事業活動を通して得た取引先の情報や、営業上・技術上の機密情報等に対して、サイバー攻撃、不正アクセス、コンピューターウイルスの侵入等による情報流出、重要データの破壊、改ざん、システム停止等が生じた場合には、信用が低下し、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 当社は、情報の取扱い等に関する情報管理規程を整備・充実し役職員への周知・徹底を図るとともに、適正な情報セキュリティ強化を図ることで、リスクの低減に努めております。

(12) レピュテーションリスク

 ソーシャルメディアの普及に伴い、インターネット上の書き込み等で事実とは異なった情報や誹謗中傷による風評被害が発生・拡散した場合には、社会的信用が毀損し、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 当社は、風評被害の恐れのある情報を監視するとともに、リスクが認識された場合に迅速な対応を行う体制を構築することで、リスクの低減に努めております。

(13) 履行義務を充足するにつれて一定の期間にわたり収益を認識する方法による収益認識

 当社は、工事契約に係る収益認識について、少額又は期間がごく短い工事等を除いて、履行義務を充足するにつれて一定の期間にわたり収益を認識する方法を適用しております。当該方法は、工事の進捗率に応じて収益を計上する方法であり、具体的には見積総工事原価に対する発生原価の割合をもって完成工事高を計上しております。工事ごとに継続的に見積総工事原価の見直しを実施する等適切な原価管理に取り組んでおりますが、想定していなかった状況の変化が生じて見直しが必要になった場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 当社は、工事原価の見積りの精度向上を図り、適宜決算に反映することで、リスクの低減に努めております。

(14) 新型コロナウイルス感染症の影響による材料仕入、納品等に遅れが生じるリスク

 新型コロナウイルス感染症の影響により、材料生産及び供給が制約され、当社の材料仕入や納品に遅れが発生した場合には、工事進捗に遅れが生じ当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 また、当社では役職員に対して、感染対策の徹底を図っておりますが、施工現場において感染者が発生した場合には、施工が一時中断するなど工事進捗に遅れが生じ当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 当社は、特定の取引先に依存せず、複数の仕入先を確保することによりリスクの低減に努めるとともに、役職員に感染症が発生しないように感染予防を徹底し、適切な行動抑制策や安全対策を実施しリスクの低減に努めております。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

 当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。

① 財政状態及び経営成績の状況

 a. 経営成績

当事業年度における我が国の経済動向は、新型コロナウイルスの蔓延による影響を受け、一般財団法人建設経済研究所発表によると、建設業においても、2021年度の名目建設投資は616,600億円となり、対2020年度比は1.2%増の見込みとなっております。2022年度の見通しは619,800億円となっており、対2021年度比0.5%増の見通しとなっております。

このような状況のもと、当事業年度の受注高は32,987,069千円(前年同期比4.1%増)となりました。売上高は、過年度から当事業年度への繰越工事高が過去最高額であったこと、土木工事事業において、大型の追加変更工事があったこと、翌事業年度に見込んでいた追加工事発生が前倒しになったこと、及び発注者の要望等により工程が想定より早まった工事があったことから、35,370,330千円(前年同期比15.8%増)となりました。また、売上高の増加及び大型で高い採算が見込める工事を選別受注することに注力したことにより、営業利益は2,952,765千円(前年同期比10.4%増)、経常利益は2,905,362千円(前年同期比16.0%増)、当期純利益は2,106,505千円(前年同期比23.0%増)となりました。営業利益率は、前事業年度が8.8%に対して当事業年度は8.3%となり、0.5pt低下しました。

 

セグメントの経営成績を示すと、次のとおりであります。

(土木工事事業)

受注高は17,360,527千円(前年同期比64.0%増)、売上高は16,278,553千円(前年同期比25.8%増)、セグメント利益(営業利益)は1,798,215千円(前年同期比0.8%増)となりました。営業利益率は、前事業年度が13.8%に対して当事業年度は11.0%となり、2.7pt低下しました。

 

(建築工事事業)

受注高は15,626,542千円(前年同期比25.9%減)、売上高は19,079,887千円(前年同期比8.4%増)、セグメント利益(営業利益)は1,148,263千円(前年同期比30.0%増)となりました。営業利益率は、前事業年度が5.0%に対して当事業年度は6.0%となり、1.0pt上昇しました。

 

(その他)

売上高は11,889千円(前年同期比4.4%減)、セグメント利益(営業利益)は6,286千円(前年同期比0.5%増)となりました。営業利益率は、前事業年度が50.3%に対して当事業年度は52.9%となり、2.6pt上昇しました。

 

 b. 財政状態

(資産)

当事業年度末の資産合計は、28,978,010千円と前事業年度末と比べ5,851,817千円25.3%)の増加となりました。主な要因は、未成工事支出金が1,909,669千円減少したものの、現金預金が2,735,411千円、完成工事未収入金及び契約資産が5,170,098千円増加したことによるものです。

 

(負債)

当事業年度末の負債合計は、11,408,502千円と前事業年度末と比べ2,312,706千円25.4%)の増加となりました。主な要因は、工事未払金が957,043千円、未成工事受入金が560,372千円増加したことによるものです。

 

(純資産)

当事業年度末の純資産合計は、17,569,508千円と前事業年度末と比べ3,539,110千円25.2%)の増加となりました。主な要因は、当期純利益の計上2,106,505千円、及び新規上場に伴う新株発行により資本金が762,864千円、資本準備金が762,864千円増加したことによるものです。

 

② キャッシュ・フローの状況

当事業年度末における現金及び現金同等物は、2,735,411千円増加し、11,807,749千円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、894,449千円の収入となりました。主な要因は、売上債権及び契約資産の増加5,482,926千円があったものの、税引前当期純利益3,090,470千円の計上、未成工事支出金の減少1,909,724千円、仕入債務の増加980,943千円、未成工事受入金の増加560,372千円があったことによるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、417,698千円の収入となりました。主な要因は、保険積立金の解約による収入が416,690千円あったことによるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、1,423,263千円の収入となりました。主な要因は、新規上場に伴う株式の発行による収入が1,525,728千円あったことによるものです。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

a. 受注実績

受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

金額(千円)

前期比(%)

土木工事事業

17,360,527

64.0

建築工事事業

15,626,542

△25.9

合計

32,987,069

4.1

 

 

b. 売上実績

売上実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

金額(千円)

前期比(%)

土木工事事業

16,278,553

25.8

建築工事事業

19,079,887

8.4

その他事業

11,889

△4.4

合計

35,370,330

15.8

 

(注) 生産実績を定義することが困難であるため、記載しておりません。

 

なお、土木工事事業及び建築工事事業の受注高及び売上高の実績は次のとおりであります。

a) 受注高、売上高及び繰越高

(単位:千円)

期別

区分

期首繰越高

当期受注高

当期売上高

期末繰越高

第57期事業年度

(自 2020年5月1日

 至 2021年4月30日)

土木工事事業

17,594,787

10,587,673

28,182,460

12,940,156

15,242,304

建築工事事業

22,184,305

21,085,834

43,270,139

17,599,251

25,670,887

39,779,092

31,673,507

71,452,599

30,539,408

40,913,191

第58期事業年度

(自 2021年5月1日

 至 2022年4月30日)

土木工事事業

15,242,304

17,360,527

32,602,831

16,278,553

16,324,277

建築工事事業

25,670,887

15,626,542

41,297,429

19,079,887

22,217,542

40,913,191

32,987,069

73,900,260

35,358,441

38,541,819

 

(注) 1.前事業年度以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額の増減がある場合は、当期受注高にその増減額を含めております。したがって、当期売上高にも係る増減額が含まれております。

2.期末繰越高は、(期首繰越高+当期受注高-当期売上高)であります。

3.工事規模別の受注件数は次のとおりであります。

(単位:件)

期別

区分

1~10億円

10~20億円

20億円以上

合計

第57期事業年度

(自 2020年5月1日

 至 2021年4月30日)

土木工事事業

13

14

建築工事事業

14

19

28

第58期事業年度

(自 2021年5月1日

 至 2022年4月30日)

土木工事事業

19

21

建築工事事業

11

25

32

 

 

b) 受注工事高の受注方法別比率

工事受注方法は、特命と競争に大別されます。

(単位:%)

期別

区分

特命(注)2.

競争(注)3.

第57期事業年度

(自 2020年5月1日

 至 2021年4月30日)

土木工事事業

0.0

100.0

100.0

建築工事事業

58.3

41.7

100.0

第58期事業年度

(自 2021年5月1日

 至 2022年4月30日)

土木工事事業

0.0

100.0

100.0

建築工事事業

30.4

69.6

100.0

 

 (注) 1.百分比は請負金額比であります。

    2.特命は、民間工事の契約締結までの過程において、発注者が特定の業者に契約交渉の優先権を与える方法

であります。

3.競争は、発注者が入札情報を公告・提示し、入札に参加した複数の業者の中から選定された業者が契約締

結に至る方法であります。

 

 

c) 完成工事高

(単位:千円)

期別

区分

官公庁

民間

第57期事業年度

(自 2020年5月1日

 至 2021年4月30日)

土木工事事業

12,940,156

12,940,156

建築工事事業

904,913

16,694,337

17,599,251

13,845,070

16,694,337

30,539,408

第58期事業年度

(自 2021年5月1日

 至 2022年4月30日)

土木工事事業

16,276,203

2,350

16,278,553

建築工事事業

1,440,763

17,639,124

19,079,887

17,716,966

17,641,474

35,358,441

 

(注) 1.完成工事のうち主なものは、次のとおりであります。

第57期事業年度 請負金額20億円以上の工事

RW尼崎特定目的会社      ESR尼崎DC計画

西日本高速道路㈱       阪和自動車道みなべ高架橋他2橋(下部工)工事

国土交通省          横浜湘南道路栄IC・JCT下部(その1)工事

 

第58期事業年度 請負金額20億円以上の工事

西日本高速道路㈱       湯浅御坊道路 水尻高架橋南(下部工)工事

㈱ミライト          (仮称)浪速区幸町ビル計画新築工事

東京都下水道局        蛇崩川増強幹線工事

 

2.売上高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の売上高及びその割合は、次のとおりであります。

第57期事業年度

国土交通省       5,664,364千円  18.5%

 

第58期事業年度

国土交通省       5,152,387千円  14.6%

西日本高速道路㈱    4,163,451千円  11.8%

 

d) 期末繰越高(2022年4月30日現在)

(単位:千円)

区分

官公庁

民間

土木工事事業

16,324,277

16,324,277

建築工事事業

8,048,341

14,169,201

22,217,542

24,372,618

14,169,201

38,541,819

 

(注) 期末繰越高のうち請負金額30億円以上の主なものは、次のとおりであります。

ひめじ手柄山PFI㈱           手柄山スポーツ施設整備運営事業
東京都財務局        都営住宅30H-102東(足立区新田一丁目)工事
㈱日本ネットワークサポート 高砂臨海工場建設工事に関する建物工事契約並びに機械装置基礎他

              工事契約について

和田興産㈱         (仮称)ワコーレ神戸市中央区下山手通8丁目計画

東京都下水道局       蛇崩川増強幹線その3工事     

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において、当社が判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

 財政状態及び経営成績の状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。なお、営業活動によるキャッシュ・フローが、前事業年度は5,723,747千円の収入、当事業年度は894,449千円の収入となり乖離が大きくなっております。これは、前事業年度は工事の竣工等に伴う請負代金の入金が多くありましたが、当事業年度においては大型工事及び追加工事に係る材料費、外注費等の支払が先行したことによるものです。

 このように、手持ち工事の規模、進捗度や追加工事の発生状況等がキャッシュ・フローに重要な影響を及ぼしております。当社は、各部署からの報告に基づき経理部が月次で資金繰計画を作成・更新するとともに、月末支払後の現金預金残高として、月間支払相当額の1ヶ月以上の残高を維持する方針とし、流動性リスクを管理しております。なお、運転資金の効率的な調達を行うため、取引銀行10行と極度額60億円のコミットメントライン契約を締結しております。

 資金の配分について、自己資金で上述の残高を超える部分が、成長投資、株主還元等への原資となります。

 成長投資について、設備投資は「第3 設備の状況 3設備の新設、除却等の計画 (1)重要な設備の新設等」をご参照下さい。また、「第2 事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)経営環境と中長期的な経営戦略」に記載のとおり、構造物の長命化、補強工事等今後伸張が見込まれる分野の強化を検討いたします。株主還元について、当社は継続的かつ安定的な配当を行うことを基本方針としており、配当政策については「第4 提出会社の状況 3配当政策」をご確認下さい。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

 財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

 

4 【経営上の重要な契約等】

  該当事項はありません。

 

 

5 【研究開発活動】

該当事項はありません。