第一部 【企業情報】

 

第1 【企業の概況】

 

1 【主要な経営指標等の推移】

 

 

回次

第56期

第57期

第58期

第59期

第60期

決算年月

2020年4月

2021年4月

2022年4月

2023年4月

2024年4月

売上高

(千円)

27,613,771

30,551,846

35,370,330

31,948,341

34,431,032

経常利益

(千円)

1,821,950

2,504,180

2,905,362

2,585,710

662,127

当期純利益

(千円)

1,219,633

1,712,613

2,106,505

2,054,563

287,399

持分法を適用した
場合の投資利益

(千円)

資本金

(千円)

465,000

465,000

1,227,864

1,227,864

1,227,864

発行済株式総数

(株)

4,650,000

4,650,000

5,202,800

5,202,800

5,202,800

純資産額

(千円)

12,375,188

14,030,397

17,569,508

18,809,376

18,375,631

総資産額

(千円)

21,896,203

23,126,193

28,978,010

28,202,497

29,489,981

1株当たり純資産額

(円)

2,691.53

3,051.53

3,411.14

3,651.89

3,567.69

1株当たり配当額

(円)

15

20

100

120

160

(1株当たり中間配当額)

(-)

(-)

(-)

(60)

(80)

1株当たり当期純利益金額

(円)

265.17

372.48

453.89

398.90

55.80

潜在株式調整後
1株当たり当期純利益金額

(円)

自己資本比率

(%)

56.5

60.7

60.6

66.7

62.3

自己資本利益率

(%)

10.3

13.0

13.3

11.3

1.5

株価収益率

(倍)

5.3

6.6

54.5

配当性向

(%)

5.7

5.4

22.0

30.1

286.7

営業活動による
キャッシュ・フロー

(千円)

9,160,213

5,723,747

894,449

5,053,802

9,962,722

投資活動による
キャッシュ・フロー

(千円)

104,063

89,747

417,698

1,583,901

87,276

財務活動による
キャッシュ・フロー

(千円)

104,782

81,499

1,423,263

830,616

1,075,809

現金及び現金同等物
の期末残高

(千円)

3,519,837

9,072,337

11,807,749

14,447,034

5,472,844

従業員数

(名)

282

290

284

288

274

[ほか、平均臨時雇用人員]

[10]

[22]

[42]

[48]

[47]

株主総利回り

(%)

118.3

141.6

 (比較指標:配当込みTOPIX)

(-)

(-)

(-)

(111.3)

(151.8)

最高株価

(円)

2,897

2,860

3,830

最低株価

(円)

2,415

1,945

2,475

 

(注) 1.当社は連結財務諸表を作成しておりませんので、連結会計年度に係る主要な経営指標等の推移については記載しておりません。

 

2.持分法を適用した場合の投資利益については、関連会社がないため、記載しておりません。

3.第60期の1株当たり配当額には、記念配当40円を含んでおります。

4.潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額については、潜在株式が存在しないため、記載しておりません。

5.第56期及び第57期の株価収益率については、当社株式は非上場であるため、記載しておりません。

6.56期から第60期の財務諸表については、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和38年大蔵省令第59号)に基づき作成しており、金融商品取引法第193条の項の規定に基づき、有限責任 あずさ監査法人により監査を受けております。

7.第56期から第58期の株主総利回り及び比較指標は、2022年3月31日に東京証券取引所市場第二部に上場したため、記載しておりません。第59期及び第60期の株主総利回り及び比較指標は、2022年4月期末を基準として算定しております。

8.最高・最低株価は、2022年4月3日以前は東京証券取引所市場第二部におけるものであり、2022年4月4日以降は東京証券取引所スタンダード市場におけるものであります。
ただし、当社株式は、2022年3月31日から東京証券取引所市場第二部に上場されており、それ以前の株価については該当事項がありません。

 

 

2 【沿革】

 

年月

概要

1965年4月

 

個人住宅用地造成及び建築・レジャー施設用地造成などを目的とし、兵庫県姫路市十二所前町1番地に資本金150万円にて大谷建設株式会社を設立

1965年7月

建設業兵庫県知事登録(ぬ)第4852号(土木、建築)

1972年3月

一級建築士事務所登録(兵庫県知事登録(ト)第359号)

1972年3月

大阪営業所(現大阪支店)開設

1973年5月

建設業兵庫県知事許可(特-48)第6447号(土木、建築、舗装、造園、水道施設)

1973年9月

宅地建物取引業免許(兵庫県知事(1)第6267号取得)

1974年9月

建設大臣許可(特-49)第4947号(土木、建築、舗装、造園、水道施設)

1978年3月

姫路市砥堀90番地に本社移転

1986年10月

 

神戸市での小中規模の官庁土木工事受注を図るため、子会社のシンダイ建設株式会社を資本金2,000万円にて神戸市に設立

1987年10月

姫路市北条71番地(現住所:北条一丁目92番地)に本社移転

1990年9月

福山支店(現広島支店)開設

1994年2月

京都営業所(現京都支店)開設

1996年5月

名古屋支店開設

1997年12月

品質管理及び品質保証に関する国際規格ISO9002(現ISO9001)認証取得

2000年9月

建設大臣許可(特-12)第4947号(とび・土工、しゅんせつ)追加取得

2003年8月

株式会社ノバックに社名変更

2003年9月

 

 

丸紅建設株式会社から土木及び建築事業に関する営業の譲渡を受け、北海道支店(2009年9月閉鎖)、東北支店、新潟支店(2010年5月閉鎖)、東京本店、横浜支店、四国営業所(現四国支店)、九州支店を開設。北海道エリアで建設資材のリサイクル事業及び除雪事業を引き継ぎ

2003年12月

国土交通大臣許可(特-15)第4947号(鋼構造物)追加取得

2004年12月

 

 

国土交通大臣許可(特-16)第4947号(管、機械器具設置)追加取得

宅地建物取引業者(国土交通大臣免許第6975号取得)

北海道エリアで建設資材のリサイクル事業及び除雪事業を廃止

2005年10月

シンダイ建設株式会社の全株式を譲渡し、非子会社化

2010年11月

環境に関する国際規格ISO14001認証取得

2018年12月

経済産業省「地域未来牽引企業」に選定

2019年3月

国土交通大臣許可(特-30)第4947号(解体)追加取得

2019年10月

国土交通大臣許可(特-1)第4947号(電気)追加取得

2022年3月

東京証券取引所市場第二部に上場

2022年4月

東京証券取引所の市場再編に伴い、スタンダード市場に移行

 

 

 

3 【事業の内容】

当社は、土木工事、建築工事を主な事業として取り組んでおります。当社の事業とセグメントとの関連は、次のとおりであります。なお、以下に示す区分は、セグメント情報に記載された区分と同一の区分であります。

 

(1) 土木工事事業

 当社の土木工事事業は、国土交通省各地方整備局中心の中央官庁、東京都・姫路市を含む地方自治体、西日本高速道路㈱を含む高速道路会社の官公庁発注工事を中心とした社会インフラストラクチャー建設工事(道路工事、河川工事、上下水道工事、土地造成工事等)を展開しております。

 昨今頻発する台風や集中豪雨による河川の氾濫・洪水などの自然災害の増加に伴う災害復旧工事や堤防の強化及び予測されている南海トラフ地震に備えての道路ネットワーク整備事業等での国土交通省各地方整備局・各地方自治体・各高速道路会社の工事を受注展開、拡大することで事業を進めております。当社は、本社(姫路)以外に、東京本店、支店8拠点(東北支店、横浜支店、名古屋支店、京都支店、大阪支店、広島支店、四国支店、九州支店)を開設し、年間15件前後の工事を首都圏・関西圏を中心に東北地方・中部地方・中国地方・四国地方・九州地方等の各方面で受注し施工しております。その中で主な施工実績は、首都圏・関西圏・中部地方では洪水対策事業のシールド工事(注1)や高速道路の新設及び4車線化整備事業のための橋梁下部工事・遮音壁工事や長命化事業の耐震補強工事を数多く手掛け、本社のある兵庫県では沿川を洪水から守る(治水)と農業用水の確保(利水)や河川環境の保全(環境)を目的としたダム工事を施工しております。また、東北地方・中国地方では東日本大震災や広島豪雨災害など自然災害に伴う災害復旧工事や河川堤防の強化としての築堤護岸工事や堰堤工事(注2)及び北海道新幹線のトンネル工事にも積極的に取り組んでおります。

 工事においては、「優良工事等施工者(工事)局長・事務所長表彰」をいただいており、品質向上に特化した技術力の向上に努めております。また、当社の元請比率は、直近5期で100%(当社規定による5,000万円以上の工事を対象)であり、全国平均60.9%(2023年度)(注3)と比較して高い水準であり、高水準を維持することで大規模案件及び高い利益率の獲得に取り組んでおります。さらに、当社の従業員数に占める監理技術者資格者証の保有者数の割合は50.7%(2024年4月末時点)(注4)であり、25%程度である全国平均(2024年4月末時点)(注5)と比較して高い水準であり、最適な人員配置や施工効率化による品質確保、向上に努め、全国的な施工体制を構築しております。

 

(注1)シールド工事

地中にトンネルを作るため、シールドマシン(トンネル掘削で用いる強固な鉄製円筒状の機械)を使用して行われる工事。トンネルの主な用途は、共同溝(上下水道、ガス管、電気・通信ケーブルなど複数の埋設物を一緒に収める地下施設)、雨水幹線(洪水対策等のための雨水の排水路)等であります。

(注2)堰堤(えんてい)工事

河川、渓谷を横断して水流や土砂をせきとめるための堤防を設置する工事。

(注3)2024年3月29日に国土交通省 総合政策局 情報政策課 建設経済統計調査室から公表されている「建設工事

施工統計調査報告」における元請比率(元請完成工事高(825,167億円)÷完成工事高(1,355,213億円)であります。なお、当社の元請比率算定においては当社規定による5,000万円以上の工事を対象としておりますが、全国平均の算定において当該条件は考慮しておりません。

(注4)当社の従業員数274名(2024年4月末時点)に対する監理技術者資格者証の保有者数139名(2024年4月末

時点)の割合として算定しております。

(注5)総務省統計局が公表している労働力調査 長期時系列データ 表6「職業別就業者数」の「建設・採掘従事

者」総数277万人(2023年次)に対する、一般財団法人建設業技術者センターが公表している「監理技術者資格者証の保有者数」692,621名(2024年4月末時点)の割合として算定しております。

 

 

土木工事事業

■ 道路・橋梁、河川・ダム、ケーソン、トンネル・シールド、上下水道、造成工事等の社会インフラストラクチャ

  ー建設工事。

■ 国の直轄工事をはじめ公共工事又は民間土木工事において、安全で快適な都市環境づくりに貢献しておりま

  す。

 


 

 


 

 


 

ダム工事

道路・橋梁工事

シールド工事

 


 

 


 

 


 

堰堤工事

道路整備工事

スポーツ・レジャー施設工事

 

 

 

(2) 建築工事事業

 当社の建築工事事業は、民間企業発注の共同住宅工事を主として、学校・福祉施設・庁舎、事務所・高速道路のサービスエリア工事などの官公庁発注工事を手掛けております。

 民間企業発注の共同住宅工事について、本社、東京本店及び大阪支店において、年間15件前後の工事を首都圏・関西圏・中部圏を中心に受注しております。様々な事業主物件の実績があることから、長期にわたって培われた技術力及び経験、ノウハウを生かして、事業主に応じた要望への対応が可能であり、品質向上と事業主に喜ばれる対応に努めております。例えば、顧客の事業の立ち上げ時から参画し、現地調査、概算見積書の早期提出、コスト低減提案など、顧客のニーズを的確に捉えた営業活動に取り組んでおります。共同住宅工事以外の施工実績として、高速道路での西日本最大級サービスエリアの休憩施設新設工事、小・中・高等学校の新設工事や耐震補強工事、特別養護老人ホームなどの高齢者福祉施設、庁舎の建替工事、医療施設関係や物流倉庫、商業施設などを手掛けております。非住宅分野の建築物にも積極的に取り組むとともに、リニューアル・耐震補強等既設建物の改修等の分野も視野に事業展開をしております。

 なお、土木工事事業と同様に、当社の元請比率は直近5期で100%(当社規定による5,000万円以上の工事を対象)であり、全国平均と比較して高い水準であり、高水準を維持し大型案件の獲得及び高収益体制の確立に取り組んでおります。また、当社の従業員数に占める監理技術者資格者証の保有者数の割合は、全国平均と比較して高い水準であり、最適な人員配置や施工効率化による品質確保、向上に努め、施工体制を構築しております。

 

 

建築工事事業

■ 公共施設、マンション、工場・倉庫、病院等の建築工事。

■ 首都圏・関西圏・中部圏の三大都市圏を中心とした事業拡大に努めており、品質向上及び多様な条件・ニーズに

  的確に応えております。

 


 

 


 

 


 

サービスエリア施設工事

マンション工事

庁舎・事務所工事

 


 

 


 

 


 

医療施設関係工事

工場・物流倉庫工事

リニューアル工事

 

 

 

(3) その他

 当社が保有する不動産の賃貸事業を法人顧客に対して行っております。

 

  事業の系統図は次のとおりであります。

 


 

4 【関係会社の状況】

    該当事項はありません。

 

 

5 【従業員の状況】

(1) 提出会社の状況 

 

 

 

2024年4月30日現在

従業員数(名)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

274

44.3

15.8

7,341

47

 

 

セグメントの名称

従業員数(名)

土木工事事業

86

19

建築工事事業

118

24

全社(共通)

70

4

合計

274

47

 

(注) 1.従業員は就業人員数であります。

   2.従業員数には、契約社員を含み、派遣社員は除いております。

   3.従業員数欄の(外書)は、臨時従業員の年間平均雇用人員であります。

   4.臨時従業員は、派遣社員であります。

   5.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

   6.全社(共通)は、特定のセグメントに区分できない管理部門等の従業員であります。

 

(2) 労働組合の状況

 労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円滑に推移しております。

 

(3) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

当事業年度

管理職に

占める

女性労働者

の割合(%)

(注)

男性労働者の育児休業取得率(%)(注)

労働者の男女の

賃金差異(%)(注)

うち正規雇用労働者

うち非正規雇用労働者

全労働者

うち正規雇用

労働者

うち非正規雇用

労働者

2.3

50.0

50.4

50.6

36.3

 

(注)「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したもの   であります(2024年4月30日時点)。

 

(男女賃金差異についての補足説明)

 全労働者のうち非正規雇用労働者の割合は7.7%となっています。非正規雇用労働者において、男性は正社員からの継続雇用労働者が約7割を占めているのに対して、女性は地域限定の短期雇用労働者のみであることから、男女差異指標を押し下げる要因となっております。

 男女雇用機会均等法等の改正に伴い、女性正規労働者の採用を拡大しておりますが、女性正社員の平均勤続年数が男性正社員との比較で約2倍の隔たりがあり、多くの女性正社員が管理職層に達しておらず、賃金差異に繋がっております。

 労働者に占める女性の割合が建設業では他業種に比べ少なく、当社も同様となっております。また、当社においては女性労働者の多くが事務補助に従事していることにより、男女間賃金差異が生じております。

今後、当社においては女性総合職の採用に積極的に取り組むことにより、将来的には差異は縮小してゆくと考えております。

 また、技術系正規雇用労働者(施工管理)従事者の同一世代間賃金の男女差異はありません。