第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当事業年度末において当社が判断したものであります。

 

 トランクルームは、海外では「セルフストレージ」と呼ばれ、最も普及が進んでいるアメリカでは1970年代にその数が一気に増え、トランクルームを利用する世帯普及率が現在では、10%となっています。

 また、トランクルームの世界市場規模は、約380億ドル(約5兆円)となっています。

(出典: Self-storage:How warehouses for personal junk become a $38billion industry-Curbed)

 一方、日本は年々認知度が向上、収納サービス利用者が増加傾向ではありますが、全国で1世帯あたりのレンタル収納スペース数は0.0044室(2022年1月1日時点での「住民基本台帳に基づく人口」の総世帯数で換算)であり、約230世帯に1室とも言えます(2021年調査時点は約256世帯に1室レベル)。世帯数の伸び率は鈍化する中、東京圏(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県)の人口は3,670万6,866人(前年比7万3,650人減)で、全国人口に占める割合は29.15%(前年比0.11ポイント増)となり、依然として東京圏集中の構図となっています。また、東京圏の部屋数は増加が続いており、1世帯当たりのレンタル収納スペース数は今後も拡大傾向を見込むことができます。

2021年度の収納ビジネスの市場規模(レンタル収納+コンテナ収納)は、765.8億円(前期比4.1%増)、2022年度の同市場規模は797.0億円(前期比4.1%増)、2023年度は825.8億円(前期比3.6%増)と予想されています。2023年度以降は、大手事業者を中心に新規出店のペースが加速していくとみられ、これまで以上の供給状況になるとみられます。(出典:矢野経済研究所「拡大する収納ビジネス市場の徹底調査2023年版」)

 日本におけるサービスの認知度・世帯普及率はまだ高いとは言えず、今後のさらなる市場拡大を見込むことができると考えています。また近年においては不動産価格が右肩上がりで上昇してきたため、ライフステージの変化に伴う住居(特にマンション)の買い替えを行うことができましたが、今後の不動産価格の大幅な上昇が期待できなくなったため、住居の買い替えが進まず一つの物件に長く住むケースが増えてきています。このため、それぞれのライフステージにおいて必要な荷物・家財等を外部のトランクルームを利用することにより、住まいの限られたスペースを調整することが増えてきています。新型コロナウイルス感染症による在宅勤務の増加に対応して室内を広くすることや、いわゆる巣ごもり消費の増加により家庭内に食品などの在庫が増えたことなどもトランクルーム業界にとっては追い風となってきていると考えています。

 

 またトランクルームを不動産投資物件として考えた場合、トランクルームは水回り等がないため、建築費を通常の建物と比べて低く抑えることができるとともに、大規模修繕の頻度も低くなります。さらにアパート・マンションと比較しても経年による賃料の減少幅が小さいため投資物件としては優位性を持っています。これらのトランクルームの特性を活かして事業を発展、強化させるため、当社では以下の事項を重要な課題と認識し、その対応に引き続き取り組んでまいります。

 

(1)会社の経営の基本方針

 当社は、「顧客資産の持続的な価値向上を通じて、人々の暮らしや社会の未来を共創する」を経営理念に掲げ、「不動産所有者の資産価値の向上と、トランクルーム利用者の利便性の向上と満足感を通じて、人々の暮らしや社会の未来を豊かにする」を経営理念に基づくミッションとして、セルフストレージ方式のトランクルームの企画、開発、運営及び管理を行う事業を展開しております。

上記の経営理念・ミッションを達成するために下記の戦略を推し進めてまいります。

① 旺盛な需要があるエリアへ、不動産物件開発力、建築企画力を通じて優良な収益不動産を建設する。また並行して対象地域でのトランクルーム利用者の利便性を高めるサービスを提供する。

② オペレーション能力の向上を通じて、管理受託物件の拡大を図る。

③ セルフストレージ専用ポータルサイト・Web決済システム等の開発・連携を図り、業務効率向上と販売機会の促進により、当社の認知度を向上させる。

④ 複数の大型案件の投資家に加え、小規模案件の投資家開拓も行い、多様な売却先を確保することにより安定的に投資資金が回収できるようにする。

 

(2)目標とする経営指標

 当社は、下記の指標を重要な経営指標と考えております。

① 各物件開業後の稼働率
 トランクルームは一般的に、開設当初は稼働率が高くはありませんが、そのマーケットでの認知度の向上等により時間を経るごとに徐々に稼働率が高まっていく特性があります。当社では、稼働率と経過年数に注目して物件ごとの管理を行っています。経過年数のわりに稼働率が上がっていない物件に対しては、稼働率を向上させる対策をとっています。
② 管理する物件の物件数と部屋数
 当社は、当社が管理する物件数とその部屋数を特に意識しております。物件数と部屋数が増加することにより、ユーザー顧客に対する信頼感が獲得できると同時に、トランクルーム業界内での当社の地位向上に役立つものと考えております。
③ 物件への問合せ数と契約の成約率
 物件に対する問合せがなければトランクルームの新規契約は進まないことから、問合せ数とその推移に注目しておりますが、それと同時にこれらの問合せが実際の契約に至る成約率も重要な指標と考えております。
(注)稼働率は、稼働室数÷総室数で算出しております。経過年数は建築2年以上経過物件を既存稼働率、2年未満を新規稼働率として区別しております。

 
(今後の戦略)
 収益力強化、事業拡大のためには、トランクルーム利用者獲得、不動産物件開発力強化、運営力の強化と効率化が必要となります。

 トランクルーム利用者獲得のためには、店舗内覧会の開催やチラシ、看板などにより店舗そのものの認知度を上げることに加え、新規にトランクルームを利用するお客様にトランクルームの利便性についてご理解頂くことが重要となります。そのため、ホームページを活用したトランクルームの利便性、利用方法の説明や問い合わせを頂いた際に、実際に施設を見学頂くご案内などにより新たなお客様の獲得に努めてまいります。

 また、トランクルーム利用者の利便性を高めるため、清潔な環境の維持、温度・湿度管理などの通常の家財保管のための設備管理に加え、宅配ボックスの設置や荷物運搬サービスの提供などお客様がトランクルームをより利用しやすいサービスに努めてまいります。

 不動産物件開発力強化のためには、不動産会社、金融機関などからの情報獲得を強化していくとともに、マンション用地を購入後、開発を見合わせている住宅系開発会社からの情報取得にも努めてまいります。また、2023年1月に提携したクリアル株式会社との協業により、新規物件開発の強化に加え、既存の事務所ビルなどの改装案件開拓にも努めてまいります。同時に物件開発に伴う資金調達力強化のため、金融機関との関係を強化してまいります。 

 また、安定的に物件開発を進めるため、従来の建築工事の実績を踏まえ設計・施工を工夫することによりコスト抑制を図るとともに、ゼネコン、設計事務所との協力関係構築により工事体制を強化してまいります。

 運営力の強化、効率化については、2022年11月に提携した株式会社パルマとの協業により、お客様との契約手続きの効率化、内覧会開催の充実などを図り、店舗数、部屋数の増加に対し、運営コストが比例して増加しないように工夫し、安定的、効率的な運営体制を整備してまいります。

 
 

(3)中期的な経営戦略と会社の対処すべき課題

 当社が対処すべき課題と致しましては次の7項目であると認識しており、主なものとしては、新規出店による事業規模の拡大と経営基盤の強化、サービス向上による競争力、収益力の強化が挙げられます。
① コーポレート・ガバナンスの整備・強化と人員体制の拡充

 当社は、コーポレート・ガバナンスの整備・強化を最も重要な経営課題のひとつと位置付けております。ガバナンスを強化するため、社外役員の招聘、各種規程の整備などを行い、上場後は管理実務機能を高めるため管理部従業員の教育を行いました。

物件開発力の強化
 既存事業拡大のためには、出店用地の確保、建設コストの抑制、集客力の強化が必要となります。出店用地の確保については、不動産業界における住宅系の新規開発が一部消極的になる中、既存の住宅系開発会社や仲介会社との連携などを密にしてまいります。建設コスト抑制については、設計・施工を工夫することで検討・推進してまいります。

また、新規物件獲得、開発力強化に向けて開発部の人員増員も行いました。

 ③ 既存物件、新規物件の稼働率向上策
  各物件の集客力の強化については、新規開業時に建設時の現地看板・チラシ等での販促、内覧会の開催等により、物件周辺での認知度を高める策を講じております。開店後期間が経過した案件であっても、稼働率が不十分な案件については、利用料や手数料を一定期間に限り割り引くキャンペーン等を行い集客の強化を推進し、稼働率向上に努めます。また、物件全般にホームページの活用やWEB上の広告掲載もしくは仲介サイト等を活用して認知度を向上させてまいります。また、法人向け営業の強化も含めリーシング要員の増員も行う予定であります。

 ④ 財務体質の改善と資金調達力の強化

 当社が新規物件を開発する際には、必要な資金を安定的に調達することが重要となります。そのため複数の金融機関と親密な取引関係を維持し、資金調達を安定性と財務基盤の安全性を高めるように努めております。

なお、今後は、資金調達の多様化を図り、収益不動産であるトランクルーム開発に長期的に対応できる資金調達を行うことで企業としての財務体質強化を目指してまいります。

⑤ 新規事業(サービス)の拡大
 新事業、新サービスとしては、2022年12月に栃木県栃木市にトランクルームに併設して1階がガレージ、2階がオフィスのメゾネットで構成された「R9 OFFICE GARAGE藤岡」を開業いたしました。本案件は、地方における新たな起業やリモートワークなどに対応した新たなオフィス需要を取り込むものであり、今後多店舗展開を検討しております。また、本案件は、1億円前後の小規模案件として投資家の幅を広げる案件となります。2022年4月に千葉県ユーカリが丘の商業施設内に開業したトランクルームは当社初の商業施設内店舗となりますが、買物のついでに日用品の在庫を出し入れするなど、従来のトランクルームとは異なる利便性をお客様に提供できるものと思料しております。

⑥ 収益用不動産としてのトランクルーム投資市場における当社地位の確立と新規投資家層拡大
 収益用不動産としてのトランクルーム投資市場における当社地位の確立施策としては、前述の新規出店やホームページによる一般消費者に対する認知度の向上策に加え、トランクルーム投資を行う投資家やその投資家に対し融資を行う金融機関へのアプローチも重要となります。経年による商品劣化が少なく、水回り機能が無いため、設備の維持費用も住宅に比べて安価であるトランクルームの特性をご理解いただくことで、投資商品としてのトランクルームの評価向上に向けて活動して参ります。
 当社物件を購入する新規投資家層については、当社への問い合わせからの商談、トランクルームの取得を検討しているという情報からの投資家へのダイレクトなアプローチ等新規開拓に努めて参ります。
  また、当社としましても、トランクルームを不動産流動化の対象資産として位置づける活動を展開して、投資家に対し、トランクルーム事業の収益用不動産市場での位置づけを高めていきたいと考えております。

新規参入者・同業他社に対する施策
 当社ビジネスモデルは特許権等により法的に他社を排除できる参入障壁を持っておらず、ビジネスモデル自体もシンプルなものであるため、新規参入者・同業他社による競争激化が起こる可能性があります。これに対し、当社としては、これまで作り上げた不動産仲介業者や各種金融機関との情報連携を基に物件情報に対する迅速な投資判断を行うことにより開発力を強化してまいります。

不動産投資家のニーズへの対応としては、トランクルーム以外の不動産をも投資対象とする不動産投資家も当社の取引先に多くみられることから、トランクルーム以外の不動産カテゴリーについても投資家のニーズに合わせた不動産の販売、仲介を行っていくことを目指しております。また、若者の車離れや高齢者の利用に備え、運送業者との連携による荷物の集配サービスの強化などお客様の利便性を高める取組みを強化してまいります。

 

 

2 【事業等のリスク】

本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、本項の記載内容は当社株式の投資に関するすべてのリスクを網羅しているものではありません。当社は、これらのリスクの発生可能性を認識したうえで、発生の回避及び発生した場合の迅速な対応に最大限の努力をする方針であります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

(1)顧客ニーズや不動産市況等事業を取り巻く経営環境リスクについて
 当社が属する不動産業界は、景気動向、金利水準、地価の水準等のマクロ経済要因の変動と企業業績が強く関連しております。こうした経済状況の変化は、当社が貸し出すトランクルームの賃料及び稼働率、土地の購入代金、建築費等の変動要因となり、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当社は、当該リスクへの対応策として、定期的に景気動向・不動産市況等のモニタリングを行うとともにエリア・規模・用途・物件特性に応じたマーケット状況の把握、投資判断力・リーシング力の強化等により、リスクの低減を図ります。

 

(2)開発用地仕入れリスクについて

当社は、不動産市況の動向により、開発用地の価格が変動することで取得が計画どおりに進まない場合や様々な調査を行い開発用地取得の意思決定をしたものの予想がつかない土壌汚染や地中埋設物等の瑕疵の発見による追加費用が発生した場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当社は、当該リスクへの対応策として、開発用地の仕入れに際して立地条件、面積、地盤、周辺環境及び仕入れ価格等について事前に十分調査し、それらを勘案のうえ用地仕入れを行ってまいります。

また、用地の仕入れに際し、他社と競合し、価格が上がった場合には、当社売却時の利益が減少することとなりますが、トランクルーム用地は鉄道の駅からの距離よりも自動車によるアクセスを重要視致しますので、可能な限りマンション開発業者と競合の少ない物件を探し、購入価格を抑える工夫をして参ります。さらに、信託銀行などから、不動産所有者により近い情報を入手することにより競合の少ない段階での用地開発を行うことで価格上昇リスクを低減いたします。

 

(3)販売用不動産が売却できないあるいは売却が遅延するリスクについて

当社は、開発分譲事業で利益の8割程度を確保しておりますので、開発分譲事業において、販売用不動産が売却できない、あるいは売却が遅延した場合には、経常赤字となる可能性があります。

開発分譲事業において、当社のマーケティングが不十分で、結果として想定の利用料や稼働率が確保できない場合、外部環境が変化し需要が減少する場合、あるいは周辺の賃料相場及び不動産価格相場が大きく変動した場合等は、想定した価格で売却できず、当社で保有する等により、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当社は、当該リスクへの対応策として、建築確認申請が完了した時点で、納期が制約を受けやすい建築資材の先行手配や、建築会社と綿密なスケジュールの打ち合わせを行うなどの対策を行い、建築工事を発注して、物件完成の目途が立った段階から当該物件の販売活動を開始致します。加えて、複数の買主候補に対し、並行して商談を行うことで、より当社に有利な売却条件を模索するなど、物件が売却できないリスクを低減して参ります。

 

(4)マスターリース契約のリスクについて

当社が開発したトランクルームは、完成後に投資家へ売却した際に、当社と物件取得先との間でマスターリース契約を締結することがあります。この場合当社には、物件についてリース債務が発生いたします。

このマスターリース契約を締結した物件について、当初の計画より稼働率が低迷しマスターリース期間内で投資回収を見込めない場合には引当金を計上する可能性があります。その結果、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。(マスターリース契約に基づくリース取引残高については、第5「経理の状況」に記載した注記(リース取引関係)をご参照下さい。)

 

(5)建築費の高騰、建築資材の供給不足のリスクについて
 建築費の高騰、建築資材の供給不足も利益の減少あるいは売却遅延リスクとなり、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

  当社は、これらのリスクを回避するために、複数の建設業者、コンテナ製造者との付き合い、取引先を拡大すること等で対処してまいります。また、工事遅延その他の要因により販売遅延となった場合には、金融機関に対し、融資期間の延長などを事前に打診することによりリスクの軽減を図ります。

 

 

(6)資金調達について

当社は、物件の取得及び建築等の事業資金のため、金融機関から短期及び長期の有利子負債を調達しています。今後は、市場金利が上昇する局面において支払利息等の増加により、経営成績及び財政状態に営業を及ぼす可能性があります。

資金調達に当たっては、現地取得の商談が始まった時点から金融機関と協議し、必要な資金の確保に努めてまいります。また、手元資金の活用による十分な日程調整を踏まえて、調達活動により十分な流通性を確保し、安全資金の確保に努めてまいります。

 

(7)小規模組織であるリスクについて

当社は、少数の人員体制であり、効率性を重視した運営組織となっております。今後、急速な事業の拡大、新規事業への進出等があった場合や、突発的な事故や退職等による従業員の減少があった場合は、すみやかに適切かつ十分な組織的対応ができず、当社の事業の展開速度や社会的信用、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8)自然災害・不測の事故・感染症のリスクについて

火災、落雷、水災、地震、津波、その他偶然不測の事故並びに暴動、騒乱、テロ等の災害により、当社が保有又は運営する物件が滅失、劣化又は毀損し、トランクルームの事業運営に支障をきたした場合、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、新型コロナウイルス感染症を含め感染症などで経済活動が停滞した場合も当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9)個人情報の管理について
 当社では、見込み客情報、取引顧客情報、事業を通して取得した個人情報を保有しており、個人情報の保護に関する法律等による規制を受けております。これらの個人情報については、当社にて細心の注意を払って管理しておりますが、万が一、外部漏洩等の事態が発生した場合、損害賠償や社会的信用の失墜等により、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10)競合激化のリスクについて
 トランクルームの開発、運営等に関する事業は、特許権等により法的に他社を排除できる参入障壁を持っているものではなく、また事業自体も比較的シンプルなものであり参入障壁が高いとは言えませんので、他業種からの参入或いは同業他社間の競合激化により当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

  一方、トランクルーム事業は地域に密着した事業であり、顧客が利用する商圏も物件から半径2キロメートル程度と狭く、飲食店や一般消費財のような競争関係には通常なりません。当社としては、可能な範囲で近隣の他社物件の価格帯を下回る水準で価格設定ができるように、物件確保に係るコストの圧縮、空調、セキュリティなどで他の競合に勝る環境の提供を行うことでリスク回避に努めております。

 

(11)システムトラブルについて

当社は、ホームページを通じた店舗紹介、問合せ管理、決済サービスを行っております。またトランクルームの契約についてもシステムを利用して管理しております。当社ではセキュリティ対策やシステムの安定性確保に取り組んでおりますが、何らかの原因でシステムトラブルが発生した場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(12)保有株式に関するリスクについて
 当社は、中長期的な企業価値の向上に資すると判断される他社株式を純投資目的以外の株式(政策保有株式)として保有しております。個別の政策保有株式については、「コーポレートガバナンス・コード(原則1-4)に則り、取締役会へ定期的に報告し保有意義の適否を検証するなど、適切に管理しておりますが、株式の市場価格が下落するなど、保有する株式の価値が大幅に下落した場合には、当社の経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(13) その他の関係会社との関係について

 ① 特定の法人への依存について

当社は、2022年4月27日付で東京証券取引所グロース市場に上場以前は、現在、その他の関係会社に該当する株式会社デベロップの子会社でありました。当社と同社及び同社グループとは主力事業が異なり、事業の棲み分けがなされており、現在競合となりうる状況は発生しておらず、今後発生する見込みも現時点ではありません。しかしながら、今後、同社及び同社グループ各社の事業ならびに取引形態の見直しによっては、当社の事業に影響を及ぼす可能性があります。

 

 2023年1月期における株式会社デベロップとの主な取引は、[関連当事者情報]に記載の通りです。株式会社保育王及び鶴亀不動産株式会社との主な取引は、下記の通りであります。なお、銀行借入に対する債務の被保証および当社不動産賃借に対する債務の被保証についてはありません。

種類

会社等の名称又氏名

所在地

資本金又は

出資金

(千円)

事業の内容又は職業

議決権等の所有

(被所有)割合(%))

関連当事者との関係

取引の内容

取引金額

(千円)

科目

期末残高

(千円)

その他の関係会社の子会社

株式会社

保育王

千葉県市川市 

10,000

保育園運営

トランクルーム貸出

トランクルーム利用者

64

 

その他の関係会社の大株主(50%)

鶴亀不動産

株式会社

千葉県市川市 

3,000

不動産業

トランクルーム貸出

トランクルーム利用者

36

 

 

 

(14) 当社株式の流動性に関するリスク

 上場後、初回の上場維持基準に係る審査は、2023年1月末の基準日をもって行われました。当社の上場維持基準への適合状況は、株主数、流通株式数、流通株式比率については適合しておりましたが、流通株式時価総額については適合しておりませんでした。当社は、2024年1月末までに上場維持基準に適合しなければ上場廃止基準に該当いたします。

当社は、上場維持基準を充たすために、2024年1月末までを対象期間とする計画を策定し、その期間に上場維持基準に適合する取り組みを進めてまいります。「流通株式時価総額の向上」を基本方針として、流通株式時価総額の構成要素が「株価(企業価値)」と「流通株式数」であることから、「企業価値の向上」と「流通株式数の改善」に取り組みます。特に、流通株式数の改善については、大株主に対して保有株式の売却について協力を要請してまいります。また、その他の事業法人等に対しては、保有目的や保有方針等を確認し、政策保有目的で所有している株主に対しては全部又は一部の売却、純投資目的で保有している株主に対しては、保有株式の全部又は一部の売却や「保有状況報告書」の記載について協力要請を進めてまいります。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

 

① 財政状態及び経営成績の状況

当事業年度(2022年2月1日~2023年1月31日)における我が国経済は、Withコロナに向けた新たな段階への移行、ウクライナ情勢の長期化、海外における金融環境のタイト化、インフレ圧力、円安基調の継続など、国際情勢や金融情勢に重大な影響を及ぼす事象が多く存在し、景気の先行きは依然として不透明な状況であります。

このような環境下において、当社は2022年4月に東証グロース市場に上場しました。事業においては、都心部におけるトランクルーム需要は引き続き堅調であること、不動産投資家も、ホテル物件などの購入検討が難しくなる状況下で、ボラティリティの少ないトランクルーム案件への投資が積極的であることから物件の開発を進めて参りました。

こうしたなか、当社は2022年2月に埼玉県八潮市に「八潮大曽根」、同年3月に山口県宇部市に「宇部昭和町」、茨城県猿島郡に「境町」、熊本県八代市に「八代西片」、同年4月に茨城県石岡市に「石岡北府中」、千葉県佐倉市に「ユーカリが丘」、同年7月に岡山県津山市に「津山院庄」、同年11月に岡山県倉敷市に「倉敷亀島」、同年12月に栃木県栃木市に「栃木藤岡」、「R9 OFFICE GARAGE藤岡」、岡山県倉敷市に「倉敷平田」、2023年1月に東京都新宿区に「江戸川橋」、世田谷区に「尾山台」、千葉県市川市に「本八幡」の各トランクルームを開業致しました。このうち、「宇部昭和町」、「境町」、「八代西片」、「石岡北府中」については、その他の関係会社である株式会社デベロップが運営するレスキューホテル「R9ザ・ヤード」に隣接する出店となります。また、「ユーカリが丘」は初の商業施設内出店であり、「R9 OFFICE GARAGE藤岡」は1階がガレージ、2階がオフィスのメゾネットタイプの賃貸ガレージ付きオフィスであります。

2022年11月には、トランクルーム開発、運営、保証事業を行う株式会社パルマと業務提携を締結しました。同社とはトランクルームの開発及び運営において連携して参ります。2023年1月には不動産ファンドオンラインマーケット「クリアル」を運営するクリアル株式会社と業務提携を締結しました。同社とはトランクルーム開発やファンド化で連携して参ります。

 

 以上の結果、当事業年度の売上高3,065,728千円(前年同期比99.9%)、営業利益は153,239千円(前年同期比99.7%)、経常利益は148,879千円(前年同期比94.0%)となりました。当期純利益は102,922千円(前年同期比83.1%)となりました。なお、当社はトランクルーム事業のみの単一セグメントであるため、セグメント別の業績の記載をしておりません。

 

(資産)

 流動資産は、前事業年度末に比べて24.9%増加し、1,350,233千円となりました。これは、現金及び預金が831,508千円と前事業年度末に比べて113.5%増加したことによるものです。開発分譲事業の販売用不動産は、454,437千円と前事業年度末に比べて30.5%減少となりました。これは開発物件完成により売却したことによるものです。固定資産は、前事業年度末に比べて8.8%増加し469,499千円となりました。これは建物(純額)が20,341千円と前事業年度末に比べて7.7%増加したことによるものです。敷金及び保証金が228,312千円と前事業年度末に比べて15.0%増加、また、投資有価証券30,800千円を計上したことによるものです。この結果、資産合計は前事業年度末に比べて20.3%増加し、1,819,733千円となりました。

 

(負債)

 流動負債は、前事業年度末に比べて50.6%減少し、206,896千円となりました。これは、開発物件完成売却に伴い短期借入金を完済したことなどによるものです。固定負債は、前事業年度末に比べて56.2%増加694,381千円となりました。これは、長期借入金が613,011千円と前事業年度末から75.5%増加したことなどによるものです。この結果、負債合計は前事業年度末に比べて4.5%増加し、901,277千円となりました。

 

(純資産)

 純資産合計は、前事業年度末に比べて41.4%増加し、918,455千円となりました。これは、上場時の公募及び第三者割当増資により資本金が260,928千円、資本剰余金が208,368千円とそれぞれ前事業年度末に比べて90,928千円増加し、利益剰余金が465,096千円と前事業年度末に比べて102,922千円増加、その他有価証券評価差額金△15,937千円を計上したことなどによるものです。

 

② キャッシュ・フローの状況

当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は、831,508千円となりました。

 当事業年度における各キャッシュ・フローの状況及びこれらの要因は以下のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度における営業活動の結果、得た資金は268,782千円の収入となりました。これは主に税引前当期純利益148,879千円、棚卸資産の減少197,726千円、法人税等の支払い△86,359千円等によるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度における投資活動の結果、使用した資金は102,359千円の支出となりました。これは有形固定資産の取得による支出△12,625千円、無形固定資産の取得による支出△6,200千円、投資有価証券取得による支出△53,630千円等によるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度における財務活動の結果、得た資金は275,632千円の収入となりました。これは長期借入れによる収入380,000千円、株式の発行による収入181,856千円等によるものです。

 

③ 生産、受注及び販売の実績
a 生産実績

当社は生産を行っていないため、生産実績の記載はしておりません。

 

b 受注実績

当社は受注生産を行っていないため、受注実績の記載はしておりません。

 

c 販売実績

当社の事業セグメントはトランクルーム事業のみの単一セグメントでありますが、トランクルームの運営管理事業及び開発分譲事業別の売上高は以下の通りです

 

 

前事業年度

当事業年度

事業区分

販売高(千円)

前期比(%)

販売高(千円)

前期比(%)

トランクルーム運営管理事業(千円)

556,823

118.6

644,680

115.8

トランクルーム開発分譲事業(千円)

2,512,904

377.7

2,421,047

96.3

 

 

(注)1.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、以下のとおりであります。

相手先

前事業年度

当事業年度

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

ルートエス・ジェイ合同会社

1,575,000

51.4

メットライフ生命保険株式会社

1,511,000

49.2

655,307

21.4

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。

 

重要な会計方針及び見積り

 当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたって、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる場合があります。

 財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・結果内容

(売上高、売上原価)

当事業年度における売上高は、3,065,728千円となりました。

 その主な要因は、新大塚トランクルーム、江戸川橋トランクルーム、本八幡トランクルーム及び尾山台トランクルームの完成、売却等によるものです。

 また、売上原価2,563,668千円となりました。これは、売上高同様開発事業の順調な開発によるものです。

 その結果、売上総利益は、502,060千円となりました。

 

(販売費及び一般管理費)

 当事業年度における販売費及び一般管理費は、348,820千円となりました。

 その主な要因は、開発部、営業部共に従業員増加による人件費の増加によるものです。

 その結果、営業利益は、153,239千円となりました。

 

(営業外損益)

当事業年度における営業外収益は、31,168千円となりました。これは、主に太陽光売電収入による収益28,812千円を計上したことによります。営業外費用は、35,529千円となりました。これは、主に太陽光売電原価による費用23,478千円を計上したことによります。

 その結果、経常利益は、148,879千円となりました。

 

(特別損益及び当期純利益)

当事業年度における特別損益はありません。

 

以上の結果、税引前当期純利益は、148,879千円、当期純利益は、102,922千円となりました。

 

③経営成績に重要な影響を与える要因について

 経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「2 事業等のリスク 」に記載のとおりであります。

 

④資金の財源及び資金の流動性

a.キャッシュフローの状況

 「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

b.資金の需要

当社における資金需要は、主として売上原価となります販売用不動産の仕入れ資金であります。これらは、短期

借入れ資金として銀行等の金融機関から調達を行っております。

今後も事業活動を支える資金調達については、低コストかつ安定的、機動的な資金の確保を主眼として多様な資金調達方法に取り組んでまいります。

なお、事業拡大に伴う多額の先行投資が見込まれる場合は、これらの資金需要に対応するため自己資金、金融機関からの借入れ及びエクイティファイナンス等で調達することを予定しております。

 

⑤経営方針・経営戦略・経営上の目標の達成状況を判断するための客観的指標

a.当社の経営目標

当社は、個人及び企業がユーザーとなるトランクルームの企画、開発、運営をしております。そのため下記の指標を経営上の管理目標としております。

  ・トランクルーム利用者の成約、解約の状況及び現在稼働している室数、全体室数に対する稼働室数(稼働率)

  ・トランクルーム開発及び売却時の、不動産としての物件の仕入れ高と完成後の売却金額による物件売却利益率

b.当社の4つ経営方針

  イ.トランクルーム開発後の完売による利益率の確保及び向上を図る

  ロ.既存物件及び大型マスターリース案件の稼働率アップによる収益拡大を図る

  ハ.コンプライアンスの徹底による管理・運営体制の強化を図る

 ニ.既存ビルへの出店や商業施設等への出店等への新たな営業戦略を推進する

 

4 【経営上の重要な契約等】

相手方の名称

契約内容

備考

契約期間

㈱パルマ

業務提携契約

経営資源、経営ノウハウの有効活用、事業効率向上等

契約日2022年11月11日から2024年11月10日以後1か年の自動延長

クリアル㈱

業務提携契約

首都圏を中心とするセルフストレージ等物件開発用地のソーシング、事業計画の策定、建築確認の取得、ゼネコンの見積もり取得及び建築工事の発注等、並びに、投資判断のための情報提供等

契約日2023年1月17日から2023年12月31日以後1か年の自動延長

 

 

5 【研究開発活動】

該当事項はありません。