当中間会計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」について重要な変更があった事項は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当半期報告書提出日現在において判断したものであります。また、以下の見出しに付された項目番号は、前事業年度の有価証券報告書における「第一部 企業情報 第2 事業の状況 3 事業等のリスク」の項目番号に対応したものであり、変更箇所は下線で示しております。
(6)法的規制について
当社は介護保険法に基づく介護サービスの提供にあたり、事業所ごとに指定業者として指定を受けており、同指定を取得するにあたり、厚生労働省令「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準」(1999年3月31日厚生省令第37号)及び各自治体条例介護保険法で定める基準を満たしております。
該当する根拠法で許認可取消事由がそれぞれ定められておりますが、主な内容は以下のとおりであります。
・不正請求 …実体のないサービス提供に対する請求、実体のない加算請求
・人員基準違反…人員不足での運営、無資格者によるサービス提供、実在しないスタッフによる記録作成、勤務時間の虚偽
・運営基準違反…記録の未整備、計画未作成、重要事項や計画の説明未実施
・虚偽報告 …自治体への届出や報告、実地指導対応における事実とは違う書類提出や答弁
当社は、これらの基準を遵守できなかった場合や不正請求が認められた場合には、指定の取消し等の処分を受けるおそれがあります。一事業所でも指定取消を受けた場合、法人が指定の欠格事由に該当し、指定取消から5年間は新たに指定を受けることができず、また指定の更新も受けることができなくなります。その場合には、当社の業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。
当社は、当社が不正な診療報酬請求を行ったとする報道を受け、当社より独立した社外の専門家を委員とする特別調査委員会を設置し、客観性のある業務実態の調査を行い、2025年2月7日、当該特別調査委員会より調査報告書を受領いたしました。当該調査の結果、当社がPDハウス等で受け入れている入居者は、重症度の高いパーキンソン病患者であったことから、入居者及びご家族の同意を得た上で、1日3回・複数名訪問を標準としていたところ、現場の看護師等の多くに1日3回・複数名訪問が必須との認識を与えてしまい、訪問回数及び同行者の要否という観点での個別的検討・見直しが徹底されていなかったことが判明しました。また、そのような中で、①数十秒から数分という短時間の訪問であるにもかかわらず30分を標準とする訪問看護を実施したとして診療報酬の請求を行っていた事案、及び②訪問看護サービス提供の際に同行者が不在であったにもかかわらず同行者がいたものとして診療報酬請求を行っていた事案が存在していたことも判明しました。これを受けて、当社は、2025年2月12日開催の取締役会において、当該調査報告書において指摘された原因分析及び再発防止策の提言を踏まえ、実効性のある再発防止策の策定と内部統制強化に向けた取組みを決議すると共に、経営責任を明確にすると共に今後の再発防止を徹底する観点から、関係者の処分を決議いたしました。当社は、今回の事態に至ったことを深く反省し、全役職員が一丸となり、速やかに再発防止策を実行し、信頼の回復に努めてまいりますが、今後の管轄当局からの指導その他の進捗次第では、社会的信用の低下、法的責任や費用・損失の負担、行政機関による処分等により、当社の事業、業績又は財政状況が重大な影響を受ける可能性があります。
(後略)
(10)内部管理体制のリスク
当社では、企業価値の持続的な増大を図るにはコーポレート・ガバナンスが有効に機能することが不可欠であるとの認識のもと、業務の適正性及び財務報告の信頼性の確保、さらに健全な倫理観に基づく法令遵守の徹底が必要であると認識しております。その認識のもと、内部管理体制の一層の充実を図るべく、内部通報制度の運用や内部監査の実施、情報セキュリティ体制の構築等により、コーポレート・ガバナンスの強化に取り組んでおりますが、急速な事業拡大等により、十分な内部管理体制の構築が追いつかないという状況が生じる場合には、適切な業務運営が困難となり、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、上記(6)に記載のとおり、当社において本来請求すべきではない診療報酬を請求していた事案等の存在が判明したことを受けて、2025年2月12日、過年度の決算を訂正し、2022年3月期から2024年3月期の有価証券報告書及び2023年3月期の第1四半期から2024年3月期の第3四半期までの四半期報告書について、訂正報告書を提出すると共に、第18期及び第19期の内部統制報告書について、各期末時点において内部統制に開示すべき重要な不備が存在していたことを理由として、訂正報告書を提出しました。あわせて、当社は、2025年2月12日開催の取締役会において、実効性のある再発防止策の策定と内部統制強化に向けた取組みを決議しており、今後、当該再発防止策を着実に実行すると共に、適正な内部統制の整備及び運用のさらなる強化に取り組み、内部管理体制の強化とコーポレート・ガバナンスの一層の充実を図ることが重要であると考え、再発防止に努めてまいります。
文中の将来に関する事項は、当中間会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
①経営成績の状況
当中間会計期間におけるわが国の経済は、社会経済活動の正常化が進み、インバウンド需要の高まりによって景気は緩やかな持ち直しの動きがみられました。一方、円安を背景とした物価上昇、エネルギー・原材料価格の高騰など、依然として先行き不透明な状況が続いております。
当社の関連する介護及び医療環境につきましては、団塊の世代が全て75歳以上の高齢者となる2025年を目途に、高齢者が要介護状態になっても、住み慣れた地域で自分らしい暮らしを続けられる社会の実現(地域包括ケアシステムの構築)への取り組みが進められております。地域に関わらず適切な医療・介護が受けられる体制が求められ、質の高い在宅医療・訪問看護の確保が重要となってきています。さらに指定難病においてはその専門性を有することから、専門病院や専門介護のニーズが今後ますます高まっていくものと考えております。
このような環境のもと、当社は、パーキンソン病専門施設である「PDハウス」の全国展開を加速させてきました。パーキンソン病患者の方のニーズに応えるべく、2024年4月にPDハウス国立(東京都国立市)、2024年5月にPDハウス太平(北海道札幌市東区)及びPDハウス陣原(福岡県北九州市八幡西区)、2024年6月にPDハウス東大宮(埼玉県さいたま市見沼区)、2024年8月にPDハウス八千代中央(千葉県八千代市)、2024年9月にPDハウス南柏(千葉県柏市)及びPDハウス熱田(愛知県名古屋市熱田区)を新規開設いたしました。既存施設を含めた各施設の稼働率は、いずれも順調に推移しております。
以上により、当中間会計期間における売上高は13,087百万円(前年同期比42.4%増)、営業利益は1,237百万円(同36.5%増)、経常利益は867百万円(同30.0%増)、中間純利益については242百万円(同27.7%減)となりました。
②財政状態の状況
(資産)
当中間会計期間末の資産合計は39,778百万円となり、前事業年度末から8,187百万円増加しました。これは主に、新規施設の開設等により建物が4,716百万円、リース資産が651百万円、売掛金が781百万円、現金及び預金が3,447百万円増加した一方で、建設仮勘定が2,371百万円減少したことによるものです。
(負債)
当中間会計期間末の負債合計は29,999百万円となり、前事業年度末から3,606百万円増加しました。これは主に、新規施設の開設等によりリース債務が784百万円、長期借入金が4,101百万円、診療報酬返還に伴う負債が831百万円増加した一方で、短期借入金が2,640百万円減少したことによるものです。
(純資産)
当中間会計期間末の純資産合計は9,779百万円となり、前事業年度末から4,581百万円増加しました。これは主に、公募による自己株式の処分等により資本剰余金が4,570百万円増加したことによるものです。
(2)キャッシュ・フローの状況
当中間会計期間末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前事業年度末に比べて3,447百万円増加し、6,755百万円となりました。
当中間会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は1,066百万円となりました。これは主に、税引前中間純利益853百万円、減価償却費607百万円、診療報酬返還に伴う負債の増加額831百万円が生じた一方で、売上債権の増加額781百万円が生じたこと等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は3,256百万円となりました。これは主に、新規事業所を開設したことに伴い有形固定資産の取得による支出3,152百万円が生じたこと等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は5,638百万円となりました。これは主に、自己株式の処分による収入4,574百万円、長期借入れによる収入4,500百万円が生じた一方で、短期借入金の返済による支出2,640百万円が生じたこと等によるものです。
(3)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(4)経営方針・経営戦略等
当中間会計期間において、当社が定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
(特別調査委員会による調査結果を踏まえた今後の課題)
上記「1 事業等のリスク」に記載のとおり、当社において本来請求すべきではない診療報酬を請求していた事案等の存在が判明したことを受けて、2025年2月12日、過年度の決算を訂正し、2022年3月期から2024年3月期の有価証券報告書及び2023年3月期の第1四半期から2024年3月期の第3四半期までの四半期報告書について、訂正報告書を提出すると共に、第18期及び第19期の内部統制報告書について、各期末時点において内部統制に開示すべき重要な不備が存在していたことを理由として、訂正報告書を提出しました。あわせて、当社は、2025年2月12日開催の取締役会において、実効性のある再発防止策の策定と内部統制強化に向けた取組みを決議しており、今後、当該再発防止策を着実に実行すると共に、適正な内部統制の整備及び運用のさらなる強化に取り組み、内部管理体制の強化とコーポレート・ガバナンスの一層の充実を図ることが重要であると考え、再発防止に努めてまいります。
(6)研究開発活動
当中間会計期間における当社の研究開発費の総額は22百万円であります。
(7)主要な設備
前事業年度末において計画中であった重要な設備の新設について、当中間会計期間に完了したものは、次のとおりであります。
|
事業所名 (所在地) |
設備の内容 |
取得価額 (百万円) |
資金調達方法 |
引渡日 |
|
PDハウス八千代中央 (千葉県八千代市) |
PDハウスの建物 |
818 |
自己資金及び借入金 |
2024年5月 |
|
PDハウス南柏 (千葉県柏市) |
PDハウスの建物 |
809 |
自己資金及び自己株式処分資金 |
2024年6月 |
|
PDハウス熱田 (愛知県名古屋市熱田区) |
PDハウスの建物 |
803 |
自己資金及び借入金 |
2024年6月 |
|
PDハウス新潟紫竹山 (新潟県新潟市中央区) |
PDハウスの建物 |
741 |
自己資金及び借入金 |
2024年7月 |
|
PDハウス西京極 (京都府京都市右京区) |
PDハウスの建物 |
791 |
自己資金及び借入金 |
2024年8月 |
|
PDハウス神戸深江本町 (兵庫県神戸市東灘区) |
PDハウスの建物(注)2 |
897 |
自己資金 |
2024年9月 |
|
PDハウス初芝 (大阪府堺市東区) |
PDハウスの建物 |
725 |
自己資金及び借入金 |
2024年9月 |
(注)1.当社は、介護事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。
2.PDハウスの建物取得は、所有権移転外ファイナンス・リース取引に係るリース資産の取得によるものであります。
当中間会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。