文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において、当社が判断したものであります。
(1)経営方針
当社は、「ウェルネス・データで、未来をつくる。」ことをパーパスに掲げ、疾病予防と健康増進の領域において、顧客である企業・健康保険組合、並びにその先にいらっしゃる従業員の皆様・ご家族の皆様の健康に係る対応を一括でサポートするサービス展開を行ってまいりました。また、健診ソリューション事業において健康診断のお願いをしております全国の医療機関につきましては、当社の大切なパートナーであるとの認識に立ち、健康診断に関する業務効率化・経営の安定化に寄与すべく、送客含め事業展開を行っております。
近年、企業内容等の開示に関する内閣府令等の改正により、サステナビリティ情報に関する開示や人的資本情報の開示が義務化される等、法令への対応が求められている一方で、長時間労働の是正や雇用形態に捉われない公正な待遇、高齢者や女性の就労促進が掲げられる等、「モノ」から「心の豊かさ」へと価値観が変化することによりコーポレート・ウェルネスはなくてはならない環境に置かれております。デジタルシフトが進む企業の加速度的な健康経営や働き方改革等の流れを汲み、健康管理クラウド事業へさらに注力し、Enterprise・Large企業のニーズに応じた健康管理クラウドシステムの提供、並びにコーポレート・ウェルネス領域や健康診断・検査関連市場における専門資格人材不足に対応し、Growbaseを通じた人材サービスや産業保健活動全般のサービス展開を行ってまいります。
さらに、当社では、企業や健康保険組合の健康管理支援・人的資本開示のサポートをするだけではなく、自社内においても従業員が三大疾病に罹患した場合の治療と仕事の両立支援、女性に限らず昨今のダイバーシティや多様性が重要視される社会における従業員の健康支援、コミュニケーションや休暇取得促進等を行っております。また、2023年3月17日付でサステナビリティ委員会を設置し、継続的な対応を行うべく、組織体制を整えております。
引き続き、当社に関係するステークホルダーの皆様にご満足いただける企業活動を推し進めることにより、企業価値向上を図ることを経営の基本戦略としております。
(2)経営環境
当社のセグメントごとの経営環境は以下の通りであります。
(健診ソリューション事業)
健診ソリューション事業におきましては、法令上で定められた各種健康診断に加え、従業員の高齢化や、がんの罹患増に伴う介護や病気予防のニーズ拡大に伴い、各種健康診断・人間ドック市場規模は堅調に推移すると想定しております。また安全配慮義務や労働生産性向上、人的資本開示義務化の観点からも、従業員に対する健康投資をより一層重要視し、健康診断やメンタルヘルス対策、エンゲージメント向上等に取り組む企業が増加傾向にあります。
一方で、高齢者医療費の負担増等に伴い健康保険組合の慢性的な財政状況の悪化が懸念されます。そのことが、当社経営環境に急速且つ大きな影響を及ぼすものとは考えておりませんが、健康保険組合の財政状況の悪化を受けて、今後、健康診断・人間ドック受診対象年齢や条件の見直し、検査項目の削減などの影響が発生すると想定します。事業主(企業人事部)を主な顧客層とする当社ですが、健康保険組合の財政状況悪化が当該事業における課題と考えており、当社としましては、健康診断施設への予約手配や健康診断結果授受工程等における一層の業務効率化やシステム化、ソリューションメニューの拡充並びに高付加価値化を図るとともに、事業拡大に向けた投資に注力してまいります。なお、健康診断の予約、精算代行、健康診断結果データ化等に関するサービス提供者を、総じて健診代行事業者と呼んでおり、競合としては、福利厚生企業や労働衛生機関等があります。当社の持つ競争優位性としては、健康診断関連サービスを専業として行っており、顧客ニーズに即したきめ細かな対応(受診者の受診状況の捕捉、健康診断結果を医療機関から顧客に納品するまでの速度)や、高い品質管理(健康診断結果をデータ化するだけではなく、エラーチェック、当社基準に置き換え一元化)が特徴となります。また、自社で健康管理クラウドシステムまで保有しており、連携が可能であること、ISMSを取得していることで個人情報の管理及びセキュリティ強化に努めていることが強みであります。これらにより、当社ネットワーク健康診断サービスの出荷数推移については、以下の通りです。
(健康管理クラウド事業)
健康管理クラウド事業におきましては、大企業を中心に人的資本投資や健康経営の推進、働き方の多様化等が一層重視される中、従業員の健康管理体制を強化したい新規顧客からGrowbaseの受注が継続的に拡大しております。特に大企業においては、メンタル疾患やメンタル不調者が企業における経営課題となりつつある状況も踏まえ、これらメンタル面や健康診断結果をもとにしたフィジカル面のケアが企業に求められております。Growbaseは、心と身体の一元管理を個人単位にて行う事が可能なシステムであり、これら経営課題の解決ツールとして、今後導入がより進んでいくものと想定しております。実際に、Growbaseの利用者ID数は、創業前の前身であるヘルスサポートシステムリリース時より、年々増加しており、近年はオンライン会議ツールとの連携や、人事システムとの連携により、さらに増加の一途です。GrowbaseのID数推移については、以下の通りです。
また、SDGsやCSRの側面からも健康経営に関する取り組みを行う企業も見られており、これら企業においては、社員一人当たりの健康投資額は今後も増加していくものと想定しております。
上記に関して、大企業に留まらず、今後は中小企業にも同様の流れが広がっていくものと考えており、かつ企業において必要となる法的要件(※1)も増加して、健康経営・健康管理のデジタルシフトが進んでいくものと想定しており、市場規模は継続して拡大していくものと考えております。市場拡大に伴う新規参入企業につきましては、Growbaseでは、過去6期間で1,526の機能(※2)を拡充し、ユーザビリティの向上を図ってまいりました。その結果、当社顧客の継続利用による低いCCRの実現や新規導入企業の獲得を行いました。これらにより、パッケージシステム、SMB企業向けのSaaSシステム、近接領域システム等の新規参入企業に対しての参入障壁を形成しておりますが、当社としましては、Growbaseをメンタルヘルスやeラーニング、組織分析(※3)等の機能拡充、並びに産業医・保健師の紹介によるカウンセリング、健康相談の提供でソリューション拡充、並びに人的資本経営支援等の周辺領域への展開により、市場の変化・ニーズに沿ったサービス展開を迅速に行うことを最優先に対応してまいります。
※1:健康診断受診率向上や、事後措置の強化、長時間残業面談、労働時間管理等
※2:2020年3月期から2025年3月期の機能リリース数
※3:健康診断結果やストレスチェック等の健康データによる組織毎の分析及び課題抽出の機能
(医療機関等支援事業)
医療機関等支援事業の主要事業であるBPOサービスは、協会けんぽ及び総合健康保険組合に加入している企業を対象とした健康診断の予約や精算代行等を行うサービスです。ネット―ワーク健康診断サービスとは違い、健康診断の予約のみ委託したい等、顧客が必要とするサービスへの柔軟な対応が強みとなっており、安定して顧客を獲得していくことを想定しております。
また、PET関連事業については、施設が地域中核病院内のがん検診関連施設であることから安定した事業であり、今後ますます医療や健康管理に求められる役割や責任は増し、特にがん等の疾患に関する発見の遅れやそれに伴う治療の遅れなどが懸念される現況下では、更なる検査需要の拡大などが見込まれ、需要は底堅いものと考えております。なお、現在、当社にて運営されている地域中核病院向けのPET関連事業は2026年3月31日に契約期間満了を迎え、その後は契約更新が行われないリスクが存在しております。当社としては、新たな検査施設及び設備導入を検討する医療機関や、デジタル化・事務業務の効率化・強化を目的としている医療機関向けに、新たなソリューション事業の開発・開拓に取り組んでまいる所存です。
(3)中期経営戦略
職域における健康管理(コーポレート・ウェルネス)市場は、健康経営の実践や、健康・福祉や働きがい等に関係するSDGs目標の達成に向けた取り組み推進、さらには、新型コロナウイルス感染症をきっかけとしたテレワークの普及等、働き方の多様化への対応、デジタル化におけるクラウドシステム利用意向といったニーズや課題に対応していくことが求められる状況にあります。また、少子高齢化がもたらす生産人口動態の変化は、国内のコーポレート・ウェルネス市場において、これまでの、従業員の健康管理や維持向上等の取り組み範囲に留まらず、健康経営の実行により従業員の業務パフォーマンスの向上につなげることに対してもニーズが拡がりつつあります。
こうしたコーポレート・ウェルネス市場の変化に対し、当社では、大企業市場の深耕を優先して取り組むことを目標に掲げ、健康管理SaaSであるGrowbaseにおいては、顧客が持つ課題解決に対応した機能拡充による周辺領域への展開を目指し、メンタルヘルスやeラーニング、組織分析、ラインマネジメント支援等の機能提供、並びに健康管理BPaaS(※1)による産業医及び保健師の紹介を行い、カウンセリングや健康相談の提供によるソリューション拡充、並びに人的資本経営支援、企業が従業員向けに保険等の福利厚生サービスの提供やAPI等による連携サービス強化に取り組むことで健康管理プラットフォーム化を推進し、蓄積されたデータに基づくソリューションの開発等に取り組む方針としており、ACV(※2)の向上を目指します。並行して、ネットワーク健康診断サービスにおけるメニューやサービスモデルの再構築や拡充を図り、サービスの高付加価値化を推進します。また、2025年3月期より、全社横断型組織 としてCoE(※3)を設置し、当社内のオペレーションに関するデジタル化やペーパーレス化、両サービスのシステム基盤強化並びにデータ利活用等の技術投資にも積極的に取り組み、一層の収益力向上、改善を図り、高品質なサービスの持続的な提供を行ってまいります。
今後は、その基盤上で、産業医や保健師による面談や保健指導、組織や従業員個人毎のヘルスケアデータに基づき個別最適化された健康情報や健康増進サービスの提供等を行うPHR(※4)事業への布石となる取り組みも推進し、「企業と人を元気にする。」というビジョンの実現に邁進いたします。
※1:健康管理BPaaSは、健康管理領域における業務プロセスを外部に委託できるクラウドサービスです。BPaaSは、(Business Process as a Service)の略です。
※2:ACVは、顧客1人あたりの年間契約額であり、ACVは、(Annual Contract Value)の略です。
※3:CoEは、特定の業務領域において高度な専門知識とスキルを持つプロフェッショナルが集まる組織単位を指し、CoEは(Center of Excellence)の略です。
※4:PHRは、個人の健康・医療・介護の情報を表し、パーソナル・ヘルス・レコード(Personal Health Record) の略です。
(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
健診ソリューション事業においては、実際に健康診断を受診した人数である健康診断結果の出荷数が財務指標である売上高と連携していることから、出荷数を客観的な指標として採用しております。
また、健康診断の料金は、選択される健康診断コース及び医療機関により顧客毎に売上単価及び仕入単価が変動します。健康診断項目が多いコースや人間ドックを選ばれるにつれ、売上単価は高くなります。そのため、全体の売上高を全体の出荷数で割り戻して算出する平均売上単価も当事業の客観的な指標として採用しております。
健康管理クラウド事業においては、法人向けSaaS業界特有の指標を会社のKPIとするべく、客観的な指標は、契約企業グループ数、ユーザーID数、チャーンレートとしております。なお、KPIの算出方法について、契約企業グループは、当社及び代理店と契約を締結している顧客を指し、顧客が健康保険組合の場合、その組合に属する企業は集計しておりません。ユーザーID数については、Growbaseを利用される対象者従業員数及び顧客の管理担当者数になります。チャーンレートは、当月解約顧客数を前月利用顧客数で除算した月次チャーンレートの平均を算出しております。
医療機関等支援事業においては、主要なサービスであるPET関連事業は対象顧客が1社であるため、客観的な指標は設定しておりません。他方、BPOサービスにおいては、顧客の要望により、顧客が必要とするサービスが変動するため、サービス対象者数を客観的な指標としております。
なお、健診ソリューション事業の健康診断結果出荷数をプラットフォームであるi-Wellnessの利用者IDとして、健康管理クラウド事業のID数及びBPOサービス対象数を合算したID数を事業全体のKPIとしております。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
①大企業を中心としたコーポレート・ウェルネス市場の深耕
当社は20年近く健康診断に関するサービスを専業として提供してきた実績があり、創業時からEnterprise・Large市場を開拓しており、2025年3月末時点では、主要事業において、大企業を中心に3,540社との取引を行っております。健診ソリューション事業、健康管理クラウド事業両事業ともに顧客規模別でみたID数構成は、1,000ID以上の企業が大半を占めており、今後も基礎収益力の更なる向上を目指し、Enterprise・Large市場の開拓・深耕に注力予定であります。
②Growbaseを起点としたコーポレート・ウェルネス・バリューチェーンの構築・推進
Enterprise・Large市場におけるコーポレート・ウェルネスやウェルビーイング取り組みにおいて必要となる機能の拡充や連携サービス強化等によるARPU(※1)拡大を図るとともに、BPOや人材サービス等の新規事業の創出に注力します。また、コーポレート・ウェルネス領域における企業人事及び健康保険組合等が抱えるニーズや課題に対応した機能強化を進め、Growbaseのプラットフォーム化を推進するとともに、産業医や保健師による面談や保健指導、組織や従業員個人毎のヘルスケアデータに基づき個別最適化された健康情報や健康増進サービスの提供等を行うPHR事業への布石となる取り組みも推進します。
③健診ソリューション事業の再構築及び高付加価値化
人件費・原価上昇耐性及び人材流動化耐性の高い安定収益事業モデルへ転換し、サービス品質レベルに応じてプライシングの変更を検討し、納品仕様等のサービス要望や利益率等によるクライアント区分の整理を実行し、サービスメニューの標準化及び価格/課金体系の見直しを実行します。
健診案内から結果報告後までのフローにおいて、基幹システム及びi-Wellnessのサブシステム化・インフラ補強等による強化によりシステムやオペレーションの見直しを図ります。また、健診コースの見直し・拡充等を行うとともに、健診前後のソリューション開発によるアップセルの強化を行うことで、ネットワーク健康診断サービスの再構築及び高付加価値化によるARPU向上に注力いたします。
④未来をつくる組織改革・人材育成の推進
当社の成長戦略を推進し、事業の拡大を図る上で、人材の育成及び確保並びに制度・環境の整備も優先的に対処すべき課題と考えております。Growbaseの更なる拡販を行うにあたっては、事業・プロダクトに拠らない機能別組織へ改変し、各組織に求める役割や機能の明確化、同時に、営業人材、顧客対応を行うCS・CX人材、技術投資を行い開発・運用を行うシステムエンジニアの採用をより一層強化してまいります。また、人事上の課題対応や中長期成長を牽引する組織・人材の開発に注力すべく、個人別スキル可視化・能力開発/研修制度の拡充、評価を含む人事関連制度の見直し・浸透、年齢・性別・経験にとらわれない抜擢登用の促進等を図ってまいります。
⑤財務上の課題
当社は、これまで金融機関からの借入実績はなく、資金需要は自己資金及び営業活動によるキャッシュ・フローを源泉とした安定的な財務基盤を維持しており、優先的に対処すべき財務上の課題はありませんが、上記事業上の課題に対する対処及び継続的な設備投資を実行できるよう、内部留保の確保と株主還元の適切なバランスを検討し、既存事業の営業キャッシュ・フローの改善等に対処する等、財務体質の強化に努めてまいります。
※1:ARPUは、1ユーザー当たりの平均売上金額です。
当社のサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
(1)ガバナンス
当社では、持続可能性の観点から企業価値を向上させるため、サステナビリティ推進体制を強化しており、代表取締役社長 松田 泰秀がサステナビリティ課題に関する経営判断の最終責任を有しております。
2023年3月17日付で、全体方針及び目標の策定、実践するための体制構築及び重要事項の協議等を目的として、代表取締役社長 松田 泰秀が委員長となるサステナビリティ委員会を設置しました。サステナビリティ委員会は年2回以上開催を予定しており、主な協議内容は以下の通りであります。
① サステナビリティの全体方針及び目標の策定
② サステナビリティを実践するための体制の構築及び重要事項の審議・承認
③ サステナビリティに関する各種施策の実施状況の総括的把握及び評価
④ その他サステナビリティに関する事項
(2)リスク管理
サステナビリティ関連の機会の識別、リスク、評価や優先順位付けは、サステナビリティ委員会において行われ、重要と認識されたリスク・機会については、経営会議の協議を経て戦略及び対応策を立案し、取締役会へ報告されます。
当社において、全社的なリスク管理は、コンプライアンス委員会において行っておりますが、サステナビリティに係るリスクの識別、優先的に対応すべきリスクの絞り込みについて、サステナビリティ委員会の中でより詳細な検討を行い、共有をする方針です。優先的に対応すべきリスクの絞り込みについては、当社に与える財務的影響、当社の活動が環境・社会に与える影響、発生可能性を踏まえて行われます。
なお、サステナビリティに関するリスクと機会への対応状況は、サステナビリティ委員会においてモニタリングされ、その内容は取締役会へ報告されます。
(3)戦略
中長期的な企業価値向上を図る上で、様々な経験や専門性、感性、価値観、考えを積極的に取り込むことが重要であると考えております。また、労働者不足への対応や生産性向上の観点から、従業員の定着率を向上させ、長期的な安定成長を牽引する優秀且つ多様な人材の確保を行うため、多様な人材が働きがいをもって活躍できる環境や仕組みを整備する等、性別、年齢を問わず、意欲的な従業員が活躍できる組織を構築する取り組み強化を行っております。
当社における、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針は以下のとおりであります。
人材育成方針
求められる能力・専門知識を習得させる研修制度の実施、また、従業員の成果に応じてキャリアプランや報酬等に反映するための人事評価制度を採用しております。具体的には、MBO制度(※1)を導入しており、期初に会社及び組織が立てた目標を、さらに個人目標に落とし込むことで達成する目標を明確にし、その達成度合いにより職位や報酬等に反映する評価を行っております。また、当社は、マネジメントへのキャリアアップを目指した給与体系だけではなく、専門領域でスペシャリストを目指す給与体系を有しており、MBOの評価を通じて各従業員のキャリアプラン形成を行うことで、意欲を高め、各人のパフォーマンスを向上させ、意思決定層への積極的な登用を図る方針です。
※1:MBO制度は、Management by Objectivesの略であり、会社及び組織の方向性を個人の目標として設定し、目標の達成度合いで評価を行います。
社内環境整備方針
当社は、取り扱っている情報の特性から、セキュリティ体制の強化に努めております。一方で、情報漏洩等のリスクを考慮した上で、働き方の多様性を高めるため、要配慮個人情報にアクセスしない部署に限定した在宅勤務制度を導入しております。また、兼業許可規程制度を導入しております。エンジニア等の専門性が高い人材の採用強化及び従業員への働き方の選択肢を提供することで学びの機会を充実させ、働きがいを持って能力を十分に発揮することを期待しております。
さらに、従業員の健康状況を把握し、継続的に改善する取り組みを個人と組織のパフォーマンスの向上に向けた重要な投資ととらえ、当社では、健康経営推進チームを有し、健康経営優良法人に2019年から5年連続で認定を受ける等、健康経営への投資に戦略的かつ計画的に取り組んでおります。
(4)指標及び目標
当社は、上記「(3)戦略」において記載した、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針について、次の指標を用いております。
(注) 管理職に占める女性労働者の割合及び労働者の男女の賃金の差異についての実績は、
なお、本書提出日現在においては、戦略に関する目標は設けておりません。指標の見直し、目標の設定については、サステナビリティ委員会で協議を重ねており、将来的な設定について検討を進めております。
次年度においては、従業員一人ひとりが安心して働きつづけることができる職場環境の更なる整備に努め、性別・年齢を問わず、意欲的な従業員が活躍できる組織の構築を加速させることで、当事業年度の結果を超える水準を目指してまいります。
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において、当社が判断したものであります。
(1) システム上の問題について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:特定時期なし、影響度:大)
当社は、インターネットを利用して、顧客・受診者(従業員・家族)に対して各種サービスを提供しております。このため、業務においてコンピューターシステムに依存する部分が多く、以下のリスクが存在します。
① システムセキュリティについて
当社が運営する、i-Wellness、Growbaseにおいては、当社のサーバーに受診者の属性情報や健康診断結果データなど様々な情報が蓄積されるため、これらの情報の保護が極めて重要になります。当社のセキュリティマネジメントの基準は国際標準であるISMS認証(ISO27001)に適合するものとして2007年から継続運用しています。当社では、社長を委員長とし、関係する役員及び各部門長並びに各部署からメンバーを集めたISMS推進事務局で構成された情報セキュリティ委員会で、情報セキュリティ対応方針を定めております。対応方針は認証取得しているISMSに沿った運用をしており、セキュリティに関する方針や規定はISMSの規程として整備しています。また対象システムの利用顧客から契約締結時や年次でシステムセキュリティに関するチェックを受けており、顧客の基準に対する不備や改善要望の指摘を受けて、継続してシステムセキュリティ強化を行う運用を実施しています。加えて、最近では医療情報の取扱いに関わる厚生労働省、経済産業省、総務省のガイドライン(3省2ガイドライン)を目安にISMSの適用範囲の見直しを伴うセキュリティ強化の取り組みを継続実施しています。
さらに機微情報の消失や外部への漏洩、改ざんがないよう、データベースの暗号化やファイアウォールシステムによる不正アクセスの防止を行うとともに、堅牢な外部サーバーを活用し、24時間体制で監視等を行っております。また、24時間に一度のデータバックアップを実施する等データの喪失を防いでおります。しかし、自然災害や事故、当社社員の過誤・過失、不正アクセスやコンピュータウイルスなどの要因によって、データの漏洩、データの破壊や誤作動が起こる可能性があります。当社では、社内啓蒙・社員教育の徹底やシステムの脆弱性診断を定期的に行い、当該リスクへの対策を講じておりますが、このような場合には、当社の信頼を失うばかりでなく、顧客企業・健康保険組合など、サプライヤーを含めた顧客等からの損害賠償請求、訴訟による責任追及を受ける事態が発生する場合があり、当社の事業及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
② システムダウンについて
当社の事業の根幹となるi-Wellness及びGrowbaseは、通信ネットワークに依存しています。従って、自然災害や事故などにより、通信が切断された場合には当社の営業は不可能となります。また、一時的な過負荷によって当社又はデータセンターの通信機器が機能不全に陥ることや、外部からの不正侵入・社員の誤操作によるネットワーク障害やシステムダウンが発生する可能性があります。これらの対策として、機器障害又はシステムダウン時には、予備の機器又はシステムが作動し、サービス停止時間を最小限にとどめるように設計されております。また、24時間に1回、定期的にリモートバックアップサイトにバックアップを実施しており、システム障害によるデータの損失を極力少なくする運用が行われております。当社では、事故の発生やアクセスの集中にも耐えうるようにシステムの冗長化や負荷分散などのインフラ整備を継続的に行っていく所存ですが、これらの障害が生じた場合には当社に対する訴訟や損害賠償などで、当社の事業及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 個人情報保護について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:特定時期なし、影響度:大)
当社が取り扱う情報は、健康診断結果を含む要配慮個人情報であることから、「情報セキュリティマネジメントシステム」を導入し、ISO/IEC 27001のISMS認証を2007年3月に取得し、JIS Q 14001を2016年2月に取得しました。情報セキュリティマネジメントシステムは、ISMSに沿う形で整備と運用をしています。当社は、情報セキュリティ基本方針に則り、安全、安心及び顧客からの信頼の下に事業を進めるため、適切な対策を継続的に実施し、情報セキュリティレベルの向上に努めています。かかる状況下、個人情報保護に対する取り組みを一歩間違えれば、企業としての存続に影響を及ぼす大事故となりうる可能性があります。当社としましては、上記問題を特に重視し、以下の通りの取り組みを行っております。
1. 当社で業務に従事する全ての者は、個人情報の保護に関する法令、「個人情報管理規則」、「特定個人情報管理規則」及びISMS規程である「個人情報保護方針」を遵守しております。なお、「個人情報保護方針」は外部向けにもURL:https://wellcoms.jp/privacy/ にて公開しています。さらには、JIS Q 27001に即した情報セキュリティマネジメントシステムを作成し、それに基づいてユーザーの情報を管理しており、この情報セキュリティマネジメントシステムは適宜見直し、継続的な改善を図っております。
2. ユーザーの健康情報の管理及び維持を安全に行い、また、その情報をもとにより良い商品、サービスを提供させていただくため、利用目的を事前にお知らせしたうえで、ユーザーに関する必要最低限の情報を収集させていただいております。
3. ユーザーの個人情報を適正に取り扱うために、事業部毎に責任者を置き、継続的に社員教育を行っております。社員教育についてはISMSの要求事項の一つであるためISMS文書の一つである「ISMSマニュアル」の中で全従業員を対象に年1回の定期的な教育実施、力量テスト(情報セキュリティに関する理解度テスト)の合格を業務従事するための必須事項とすることなどを定め、その運用と記録管理をISMS事務局で行うことにしています。
4. ユーザーの個人情報への不正アクセス、紛失、破壊、改ざん及び漏洩を防止し、安全で正確な管理に努めております。なお、アクセス制限についてもISMSの要求事項の一つであるため「アクセス管理規程」及び「データ管理規程」をISMS文書と定め、情報資産を取扱うシステムへのアクセスを管理するIDの新規発行、変更、削除、パスワードの設定、管理方法等についてルールを定めています。システムIDの発行や変更については人事総務部への申請制としており、人事総務部長の承認を必須として運用をしています。
5. 一部のデータ処理及びサービスを外部の専門会社等に委託する場合があります。この場合、適切に個人情報を保護できることを条件として施設を選定し、ユーザーの個人情報が不適切に扱われないように機密保持に関する契約を締結し、ユーザーの個人情報保護に努めております。また、業務委託先の選定方法や管理方法等についてもISMSの要求事項の一つであるため「業務委託管理規程」にて選定基準や契約内容等を定めており、例えば取引開始時には自社で作成した基準の適合度を図る「情報セキュリティ業務委託先監査チェックシート」を用いて確認を実施することや最終的には情報セキュリティ責任者の承認を得て契約を実施することなどを規定しています。
またISMSで運用している「内部監査」ではすべての業務委託先に対して前述のチェックシートを用いてセキュリティ管理状態の最新情報の提供を求めることにしており、経年でのセキュリティ劣化を防ぐ運用も実施しています。
当社は今後、大企業のみならず中小企業向けのサービス展開も進めており、いわゆる企業の健康関連プラットフォーム化を推し進めてまいります。従って、企業における人事情報を始めとした情報全般についても個人情報と同様に最重要情報として扱いを徹底してまいります。
上記の通り、個人情報の取得・運用には細心の注意を払っておりますが、当社からの個人情報の漏洩・流出を完全に防止できる保証は存在しません。今後何らかの理由により、当社が保有する個人情報が社外に漏洩・流出した場合には、当社の社会的信頼の失墜、また、それにより顧客の減少、当該対象者からの損害賠償請求等が発生し、当社の事業及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(3)人材の確保について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:特定時期なし、影響度:大)
当社は、長期的な安定成長を牽引する優秀且つ多様な人材の確保・育成のため、様々な働き方において従業員パフォーマンスを最大化する環境、意欲を高めるための人事評価制度、階層別研修含めた各種研修制度を用意し、スペシャリストの育成に取り組んでおります。今後も当社業容拡大のためには、優秀且つ多様な人材の確保、ならびに従業員の能力向上、次世代マネジメントの育成が必須と考えますが、多くの人材が退社した場合、又は、人材の確保・育成が計画通りに進まなかった場合、今後の事業展開に影響を及ぼす可能性があります。
(4)自然災害発生等によるリスクについて(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:特定時期なし、影響度:中)
当社のネットワーク健康診断サービスにおきましては、全国の医療機関と提携し、健康診断の実施をいただいておりますが、災害等により健康診断自体が実施できない状況が発生した場合は、当社の売上(健康診断結果報告)に影響を及ぼすため、今後の事業展開にも影響を及ぼす可能性が生じます。また、当社は各種災害に対して損害の発生及び発生時の損害の拡大を最小限に抑えるため、事業継続計画(BCP)を整備して、被災時でも重要な事業を継続し、早期に復旧できるよう準備を行っておりますが、社会経済全般に大きな影響を及ぼすような想定外の事態が発生した場合には、当社の事業においても取引の縮小や延期、オペレーションの縮小や停止の影響が考えられ、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(5)感染症パンデミック発生等によるリスクについて(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:特定時期なし、影響度:中)
新型コロナウイルス感染症の流行により、当社において2020年4月~6月にかけては、受診控えが発生し、結果、当社のネットワーク健康診断サービスの業績にも大きな影響を及ぼしました。対応策として、当社は事業継続計画(BCP)を整備して、感染症パンデミック発生による業績への影響を最小限に抑えるよう準備をおこなっておりますが、この様に新型コロナウイルス感染症の流行をはじめとする感染症流行等、社会経済全般に大きな影響を及ぼすような想定外の事態が発生した場合には、取引の縮小や延期、オペレーションの縮小や停止の影響が考えられ、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(6)その他の関係会社との関係について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:特定時期なし、影響度:中)
SOMPOホールディングス㈱は、当社株式の45.9%を有し、LHP Holdings,L.P.は当社株式の41.0%を有するその他の関係会社であります。当社とSOMPOホールディングス㈱及びLHP Holdings,L.P.との人的関係、取引関係については、以下の通りであり、これらについて変動又は問題が生じた場合、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
なお、筆頭株主であるSOMPOホールディングス㈱は、本書提出日現在で、当社発行済株式総数5,448,200株の45.9%(2,500,800株)を所有しております。同社は、安定株主として引き続き一定の議決権を保有し、その議決権行使にあたっては、株主共同の利益を追求すると共に、少数株主の利益にも配慮する方針を有しております。本書提出日現在においては競合する事業はありませんが、何らかの要因により同社の経営方針や事業戦略(当社株式の保有方針も含む。)を変更した場合、将来的に類似する事業を営まれる可能性、競合する可能性、当社の財政状態及び経営成績に影響を与える可能性、株式の流動性及び株価形成等に影響を及ぼす可能性があります。なお、事前承認事項・事前協議事項は定められておりません。
① 人的関係について
本書提出日現在、取締役の並木洋平氏につきましては、経営企画や事業開発等の業務を経験し、それら業務における高い知見・知識や、ウェルビーイング領域における事業開発経験を当社経営に活かすことを目的とし、SOMPOホールディングス㈱と職務を兼任しております。なお、当社と当該取締役との間に取引関係はありません。
本書提出日現在、当社従業員のうち、SOMPOホールディングス㈱及びLHP Holdings,L.P.からの出向者はおりません。ただし、SOMPOホールディングス㈱の子会社であるSOMPOひまわり生命保険㈱から1名受け入れており、現在主要サービスであるGrowbaseの運営を行うヘルスケアクラウド本部で本部長代行を担っております。
② 取引関係について
当社は、SOMPOホールディングス㈱並びにグループ会社と取引を行っております。当社との取引に関しては、当社の独立性確保の観点から、関連当事者取引等に該当する取引を行う場合は、関連当事者取引規程に則り、取引の合理性、条件の妥当性等を慎重に検討した上で、取締役会の承認を得ることとしており、取引の適法性を確保する体制を築いております。
本書提出日現在、LHP Holdings,L.P.との取引はありません。
(7)市場動向について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:特定時期なし、影響度:大)
当社の健診ソリューション事業においては、近年の企業における生産性向上や法改正対応、健康経営の高まりにより、企業側の健診代行事業者への委託は一定程度増加傾向にあるものと想定しておりますが、他方、健康保険組合においては、医療費高騰による財政悪化の影響もあり、健康診断事業の見直しや項目の見直し等、厳しい経営環境となっております。今後、これら健康保険組合の財政悪化に伴い顧客である健康保険組合が解散となった場合には、当該健康保険組合ならびに所属する企業についても同時に失う可能性があり、当社業績に影響を及ぼす可能性があります。また、近年厚生労働省にて議論がされております「国民の健康づくりに向けたPHRの推進に関する検討会」や、健康診断情報の統一化などの議論において、これらの検討が進む際には、当社のサービスの優位性が損なわれることになるため、業績に影響を及ぼす可能性があります。
他方、健康管理クラウド事業においては、企業の働き方の変革、在宅ワーク等も踏まえたデジタルシフト(HRテック)が加速しており、Growbaseの市場動向としては追い風となっております。一方で、上記市場動向を受けて、様々な企業が産業保健分野に進出し健康管理システムの提供を始めており、市場環境の激化が予想されます。これら市場環境の激化により、製品の優位性が損なわれた際には、期待通りの収益があがらず事業計画に影響を及ぼす可能性があります。
これらのリスクへの対応策として情報の収集を第一とし、当社では市場のコーポレート部門においてツールを使用した企業情報・業界動向の調査を行っております。
(8)競合状況について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:特定時期なし、影響度:大)
当社の競合他社において、技術開発力・価格競争力・営業力等に関して競合他社が優位な場合には、その優位性を活かしてサービスや商品の提供が行われる可能性があります。その際には、当社が販売競争で劣勢に立たされ、当社の期待通りにサービス・商品を提供できない、又は顧客を維持・獲得できないことも考えられます。当社では、引き続きデジタルマーケティングの活用や代理店との連携等を用いた営業及び顧客のニーズを汲んだサービスの開発・提供を進める方針ではありますが、競合企業がより優れたサービスを提供した場合、当社の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(9)技術革新について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:特定時期なし、影響度:大)
上記でも記載の通り、健康管理クラウド事業は、企業の産業保健担当者や健康保険組合向けの健康管理システムを提供しておりますが、昨今のHRテックの流れや規制改革等を受け、健康管理分野においては様々なシステムやツールが開発されております。当社では、顧客の要望に柔軟に対応するべく、最新のテクノロジーの知見やノウハウの蓄積を積極的に推進していく方針ではありますが、今後、これらの技術革新により、製品の優位性が損なわれた際には、当社の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(10)業績の季節変動について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:特定時期なし、影響度:中)
健診ソリューション事業におきましては、例年、健康診断の受診者数が夏から増加する傾向にあり、秋にピークに達した受診者数は、春にかけて減少いたします。そのため、健康診断結果の引渡しが完了した時点で収益を認識している当事業では、第1四半期の売上高及び営業利益が他の四半期と比較して低くなる傾向にあり、当社の業績も同様でありますが、顧客毎の健康診断時期の前倒しや効果的な受診勧奨を行うことで、平準化を図っております。
また、健康管理クラウド事業は一部新規顧客のサービス開始が年度初めになることが多く、第4四半期に開発が伴うことがありますが、サービス開始後は月額課金であるため、一定額が毎月計上され、健診ソリューション事業にみられる業績の季節変動はありません。
2024年3月期健診ソリューション事業の業績推移は以下の通りであります。
(単位:百万円)
(11)法的規制の変更リスクについて(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:特定時期なし、影響度:中)
当社の健診ソリューション事業は、顧客が行う健康診断の予約・精算代行・健康診断結果一元化等のサービスを提供するものであり、また、健康管理クラウド事業は企業の健康管理を支援するシステム提供を行うものとなっております。これら事業に関連する法的規制としては、健康保険法、健康増進法、労働安全衛生法、高齢者の医療の確保に関する法律、国民健康保険法等があります。ただし、あくまで当社は、顧客企業・健康保険組合が当該法律を受けて行う健康診断に関する各種支援を行う立場、ないしは健康管理支援システムの提供を行う立場にあり、当該法的規制に関し直接の責任を有するものではありません。また、当該事業に関しての許認可等もありません。しかしながら、これら関係法令が変更されたことにより、顧客である企業や健康保険組合側の運用等が変更になった場合には、当社の事業及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
同様に当社では、顧客企業の従業員・被扶養者に関する個人情報(氏名、生年月日、住所、所属、連絡先等)、健康診断結果情報などの機微情報を取り扱うため、個人情報保護法等の遵守が必要となります。上記、関連法規制(健康保険法、健康増進法、労働安全衛生法、高齢者の医療の確保に関する法律、国民健康保険法、個人情報保護法)が変更された場合には、当社の事業及び経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
また、当社では、PET関連事業も行っておりますが、同事業においては「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」(いわゆる薬機法)に基づく、高度管理医療機器等販売業・貸与業許可により事業を行っております。従って、同法律が変更された場合には、PET関連事業そのものの事業推進可否に関係してまいりますため、当社の経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
これらの法的規制の変更リスクの対策として、当社では法令リストを作成しており、各部署において関連する法令動向を各種媒体(新聞・業界紙・Web)を通じて適時把握することに努め、全社的に原則半期に1回法令リストの見直し・更新を行っております。
(12)新規事業への投資に係るリスクについて(顕在化の可能性:大、顕在化の時期:特定時期なし、影響度:大)
当社は、ネットワーク健康診断サービスやGrowbase等の大企業向け健康管理支援事業にて培った経験を活用し、「企業と人を元気にする。」新たなサービスやパッケージの開発等を検討しており、継続的なシステム投資を行っております。
これら新規事業の立ち上げに際しては、投資リスクを抑えるため、事業計画の妥当性を十分に検討した上で投資を行っております。また、事業の立ち上げ後は、事業計画の進捗状況の把握に努め、必要に応じて事業計画の見直しや社内体制の整備・強化を行っております。これまでのところ、当社業績において重大な影響を及ぼすような事象は発生しておりませんが、今後、一定規模の投資を実施する可能性もあり、対象の事業が期待した収益を生まない場合には、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(13)代表取締役への依存について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:特定時期なし、影響度:大)
現在の代表取締役社長である松田泰秀は、設立以来当社に携わり、職域における健康管理業務、ならびに健康診断業界における高い知見を有しており、広い視野と経験に基づいた経営全般の提言を得ております。また、今日に至るまで事業の推進・拡大、人材の採用、事業戦略立案など重要な役割を果たしており、今後ともこの状態は継続するものと考えられます。当社では、執行役員の拡充により代表取締役からの権限委譲を進める他、経営会議などの合議制による意思決定体制を整えて、当該リスクへの対策を講じておりますが、何らかの理由により、代表取締役の業務執行が困難になった場合には、当社の事業推進に影響を及ぼす可能性があります。
(14)新株予約権の行使による株式価値の希薄化について(顕在化の可能性:不明、顕在化の時期:不明、影響度:小)
当社は、役員及び従業員に対するインセンティブを目的とし、新株予約権を付与しております。これらの新株予約権が権利行使された場合、当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期を正確に予測することはできませんが、当社株式が新たに発行され、既存の株主が有する株式の価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。一方で、役員及び従業員に対するインセンティブの一つであり、発行予定数も限られていることから、希薄化への影響は限定的であります。
なお、本書提出日現在でこれらの新株予約権による潜在株式数(自己新株予約権を含む)は443,000株であり、発行済株式総数5,448,200株の8.1%に相当しております。
(15)当社株式の流通性について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:特定時期なし、影響度:中)
当社は、東京証券取引所グロース市場への上場を予定しており、上場に際しては、公募増資及び売出しによって当社株式の流動性の確保に可能な限り努めることとしておりますが、株式会社東京証券取引所が上場維持基準として定める流通株式比率25%の水準に近接していることから、当該上場維持基準に抵触するリスクがあります。今後は、当社の事業計画に沿った成長資金の公募増資による調達、大株主への一部売出しの要請、ストック・オプションの行使による流通株式数の増加等により、流動性の向上を図っていく方針であります。
(1) 経営成績等の状況の概要
当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次の通りであります。
① 経営成績の状況
第18期事業年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
当事業年度における我が国経済は、2023年4月に日本入国時の水際措置が撤廃され、また、円安の長期化も相まって、観光を目的とした訪日外国人旅行消費額が5兆円を超えて過去最高額となりました。国内景気においては、所得環境の改善に伴う、個人消費の増加により、国内景気は緩やかに回復が続くことが見込まれ、さらに、日本銀行によるマイナス金利政策やイールドカーブコントロールの解除により、金融政策の正常化に向けた期待が高まっております。一方で、ウクライナ情勢の長期化に加えて、中東情勢においても緊迫した状況、欧米での高いインフレが続き、各国中央銀行の金融引き締め長期化により金融市場や為替変動等に注視する必要がある等、依然として、国内景気は不透明な状況が続いております。
当社の対面市場におきましては、SDGsや人的資本情報の開示が義務化される等の法令対応の観点からも、従業員健康管理に取り組む企業が増加傾向にあります。従来までの健康診断や人間ドックに加え、がん検診の受診勧奨や重症化予防、メンタルヘルス対策等、引き続き、従業員に対する健康投資が重要視されています。加えて、働き方の多様化やダイバーシティの推進等の観点からも、健診ソリューション事業及び健康管理クラウド事業の需要は益々増加すると見込まれます。
このような社会活動・経済活動の状況下において、当社は、2021年3月に策定した「中期経営計画」(2021~2023年度)に基づき、既存事業である健診ソリューション事業及び健康管理クラウド事業における新規顧客の開拓や既存顧客との取引深耕に取り組みながら、コーポレート・ウェルネス領域におけるクラウド・SaaS事業型へのビジネスモデル転換・オープンプラットフォーム化を並行して進めてまいりました。なお、従来から、当社の売上高は季節的変動要因により、下期に偏る傾向にあります。
結果、当事業年度の売上高は13,266百万円(前年同期比23.4%増)、営業利益は967百万円(前年同期比17.3%増)、経常利益は955百万円(前年同期比17.6%増)、当期純利益は680百万円(前年同期比21.4%増)となりました。
(健診ソリューション事業)
健診ソリューション事業におきましては、従業員の健康管理・安全管理を行うことは人的資本経営において不可欠であり、労働安全衛生法に基づく義務である健康診断の実施・記録の管理に関する事務リソースを削減し、有所見者への事後措置の強化や自社の健康診断受診率を開示する等、人的資本へのより一層の投資を目指す顧客による問い合わせが増加しております。
健康診断の実施においては、例年、健康診断は夏から秋にかけて受診のピークを迎えるため、業績は下期に偏る傾向にありますが、健康診断受診の早期化を図る顧客の増加や当社オペレーションの生産性向上等により、出荷の均等化を図りつつあります。なお、当社オペレーションの生産性向上に関しては、2023年6月に情報処理方法及び情報処理プログラムについての特許(特許7304604)を取得する等、業務プロセスの見直しやシステム化投資に注力しております。当事業年度の健康診断結果の出荷数は、368,627件となりました。売上高については、計画を上回り好調に推移いたしましたが、健康診断施設での健康診断受診料やシステム運用保守費、セキュリティ関連費用が上昇したことにより、売上原価が増加した結果、当事業の売上高は11,858百万円(前年同期比23.6%増)、営業利益は276百万円(前年同期比3.5%減)となりました。
(健康管理クラウド事業)
企業内容等の開示に関する内閣府令等の改正により、SDGsや人的資本情報の開示が義務化される等、企業は引き続き、法令への対応が求められています。また、長時間労働の是正や雇用形態に捉われない公正な待遇、高齢者や女性の就労促進が掲げられる等の価値観も変化しており、大企業を中心に、より一層非財務情報の中核にある人的資本投資や健康経営の推進が重視されております。
健康管理クラウド事業におきましては、このような従業員の健康管理を戦略的に維持、増進する目的をもった新規顧客からの受注が継続的に拡大しております。また、代理店強化施策も影響し、当事業年度においては41社が利用を開始し、堅調な売上で推移いたしました。一方で、2023年1月にリリースした健康管理担当者にリソースが避けない中小企業をターゲットとしたGrowbaseネクストにおいては、機能改善に伴う開発費用の償却が継続的に追加発生いたしました。結果、当事業における売上高は1,104百万円(前年同期比28.4%増)、営業利益は593百万円(前年同期比39.1%増)となりました。
(医療機関等支援事業)
医療機関等支援事業におきましては、主なサービスであるPET関連事業及び健康診断予約手配等を行うBPOサービスは、引き続き堅調に推移いたしました。また、2024年4月以降の医療従事者の働き方改革に向けた医療機関DX推進として、医療機関向けにGrowbaseを提供する他、2023年10月より、人間ドック及びPET検査の予約手配や健康相談等を行うコンシェルジュサービスを開始しました。結果、当事業の売上高は303百万円(前年同期比3.4%増)、営業利益は96百万円(前年同期比12.8%減)となりました。
第19期中間会計期間(自 2024年4月1日 至 2024年9月30日)
当中間会計期間におけるわが国経済は、経済活動の正常化による景気回復の期待や雇用・所得環境の改善に伴う個人消費の増加により、国内景気は緩やかな回復基調となりました。さらに、円安の長期化も相まり、インバウンド需要も堅調に推移する等、より一層の消費額拡大が期待されております。一方で、ウクライナ情勢及び中東情勢における緊迫した状況の長期化、欧米でのインフレ再燃リスクによる各国中央銀行の金融引き締め長期化により金融市場や為替変動等に注視する必要があります。また、所得の上昇を上回る物価上昇による消費意欲の減退等が影響し、依然として、先行き不透明な状況が続いております。
当社の対面市場におきましては、非財務情報や人的資本情報の開示が義務化される等の法令対応の観点からも、従業員の健康管理に取り組む企業が増加傾向にあります。従来までの健康診断や人間ドックに加え、がん検診の受診勧奨や疾病の重症化予防、メンタルヘルス対策等、引き続き、従業員等への健康投資が重要視されております。加えて、働き方の多様化やダイバーシティの推進等の観点からも、健診ソリューション事業及び健康管理クラウド事業の需要は益々増加すると見込まれます。
このような社会活動・経済活動の状況下において、当社は、2024年3月に策定した「中期経営計画」(2024~2026年度)に基づき、健診ソリューション事業及び健康管理クラウド事業における新規顧客の開拓や既存顧客との取引深耕に取り組みながら、健診ソリューション事業の再構築・高付加価値化及び健康管理クラウド事業を起点としたコーポレートウェルネス・バリューチェーンの構築・推進を並行して進めております。
以上の結果、当中間会計期間の売上高は7,060百万円、営業利益は499百万円、経常利益は501百万円、中間純利益は347百万円となりました。
セグメントごとの経営成績は以下の通りです。
(健診ソリューション事業)
健診ソリューション事業におきましては、従業員の健康管理・安全管理を行うことは人的資本経営において不可欠であり、労働安全衛生法に基づく健康診断の実施・記録・届出に関する事務リソースを削減し、受診勧奨による健康診断受診率の向上や有所見者への事後措置の強化等、人的資本へのより一層の投資を目指す顧客による問い合わせが増加しております。健康診断の実施においては、例年、健康診断は夏から秋にかけて受診のピークを迎えるため、健康診断結果の出荷及びそれに伴う業績は下期に偏る傾向にありますが、健康診断受診の早期化を図る顧客の増加や当社オペレーションの生産性向上等により、出荷の均等化を図りつつあります。なお、当社オペレーションの生産性向上に関しては、2023年6月に情報処理方法及び情報処理プログラムについての特許(特許7304604)を取得する等、業務プロセスの見直しやシステム化投資に注力しております。これらの結果、当中間会計期間の出荷数は、195,190件となりました。出荷数の増加に伴い売上高は好調に推移しており、また、生産性向上により人材派遣費も抑制され、この結果、当中間会計期間の売上高は6,357百万円、営業利益は138百万円となりました。
(健康管理クラウド事業)
企業内容等の開示に関する内閣府令等の改正により、サステナビリティ情報や人的資本情報の開示が義務化される等、企業は引き続き、法令等への対応が求められています。また、長時間労働の是正や雇用形態に捉われない公正な待遇、高齢者や女性の就労促進が掲げられる等の価値観も変化しており、大企業を中心に、より一層非財務情報の中核にある人的資本投資や健康経営の推進が重視されております。
健康管理クラウド事業におきましては、このような従業員の健康管理を戦略的に維持、増進する目的をもった新規顧客からの受注が継続的に拡大しております。また、代理店強化戦略の効果もあり、当中間会計期間においては新たに18社が利用を開始したことで、売上高は堅調に推移いたしました。この結果、当中間会計期間における売上高は555百万円、営業利益は320百万円となりました。
(医療機関等支援事業)
医療機関等支援事業におきましては、主なサービスであるPET関連事業及び健康診断予約手配等を行うBPOサービスともに、引き続き堅調に推移いたしました。その他、2024年4月から開始された医療従事者の働き方改革を支えるべく、医療機関DX推進を目的として、引き続き、医療機関向けにGrowbaseを提供しております。これらの結果、当中間会計期間の売上高は147百万円、営業利益は40百万円となりました。
第19期第3四半期累計期間(自 2024年4月1日 至 2024年12月31日)
当第3四半期累計期間における我が国経済は、経済活動の正常化による景気回復の期待や雇用・所得環境の改善に伴う個人消費の増加により、国内景気は緩やかな回復基調となりました。さらに円安の長期化も相まって、2024年訪日外国人消費動向調査(速報)によると、過去最高の8兆円と好調に推移する等、より一層の消費額拡大が期待されております。一方で、ウクライナ情勢における緊迫した状況の長期化、国内外の金融政策や米国の政権移行による金融市場や為替市場等への影響に注視する必要があります。また、所得の上昇を上回る物価上昇による消費意欲の減退等が影響し、依然として、先行き不透明な状況が続いております。
当社の対面市場におきましては、サステナビリティ情報や人的資本情報の開示が義務化される等の法令対応の観点からも、従業員の健康管理に取り組む企業が増加傾向にあります。従来までの健康診断や人間ドックに加え、がん検診の受診勧奨や疾病の重症化予防、メンタルヘルス対策等、引き続き、従業員への健康投資が重要視されております。加えて、働き方の多様化やダイバーシティの推進等の観点からも、健診ソリューション事業及び健康管理クラウド事業の需要は益々増加すると見込まれます。
このような社会活動・経済活動の状況下において、当社は、2024年3月に策定した「中期経営計画」(2024~2026年度)に基づき、健診ソリューション事業及び健康管理クラウド事業における新規顧客の開拓や既存顧客との取引深耕に取り組みながら、健診ソリューション事業の再構築・高付加価値化及び健康管理クラウド事業を起点としたコーポレート・ウェルネス・バリューチェーンの構築・推進を並行して進めております。
以上の結果、当第3四半期累計期間の売上高は11,628百万円、営業利益は918百万円、経常利益は917百万円、四半期純利益は634百万円となりました。
セグメントごとの経営成績は以下の通りです。
(健診ソリューション事業)
健診ソリューション事業におきましては、従業員の健康管理・安全管理を行うことは人的資本経営において不可欠であり、労働安全衛生法に基づく健康診断の実施・記録・届出に関する事務リソースを削減し、受診勧奨による健康診断受診率の向上や有所見者への事後措置の強化等、人的資本へのより一層の投資を目指す顧客による問い合わせが増加しております。例年、健康診断は夏から秋にかけて受診のピークを迎えるため、健康診断結果の出荷及びそれに伴う業績は下期に偏る傾向にありますが、健康診断受診の早期化を図る顧客の増加や当社オペレーションの生産性向上等により、出荷の均等化を図りつつあります。なお、当社オペレーションの生産性向上に関しては、2023年6月に情報処理方法及び情報処理プログラムについての特許(特許7304604)を取得する等、業務プロセスの見直しやシステム化投資に注力しております。これらの結果、当第3四半期累計期間の出荷数は、326,095件となりました。出荷数の増加に伴い売上高は好調に推移しており、また、生産性向上により出荷件数あたりの人材派遣費が抑制され、出荷単価が低減されました。この結果、当第3四半期累計期間の売上高は10,579百万円、営業利益は386百万円となりました。
(健康管理クラウド事業)
企業内容等の開示に関する内閣府令等の改正により、非財務情報や人的資本情報の開示が義務化される等、企業は引き続き、法令等への対応が求められています。また、長時間労働の是正や雇用形態に捉われない公正な待遇、高齢者や女性の就労促進が掲げられる等の価値観も変化しており、大企業を中心に、より一層非財務情報の中核にある人的資本投資や健康経営の推進が重視されております。
健康管理クラウド事業におきましては、このような従業員の健康管理を重要な経営資源と捉え、戦略的に維持、増進する目的をもった新規顧客からの受注が継続的に拡大しております。また、代理店強化戦略の効果もあり、当第3四半期累計期間においては新たに25社が利用を開始したことで、売上高は堅調に推移いたしました。この結果、当第3四半期累計期間における売上高は834百万円、営業利益は464百万円となりました。
(医療機関等支援事業)
医療機関等支援事業におきましては、主なサービスであるPET関連事業及び健康診断予約手配等を行うBPOサービスともに、引き続き堅調に推移いたしました。その他、2024年4月から開始された医師の働き方改革を支えるべく、医療機関DX推進を目的として、引き続き、医療機関向けにGrowbaseを提供しております。これらの結果、当第3四半期累計期間の売上高は215百万円、営業利益は67百万円となりました。
② 財政状態の状況
第18期事業年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
当事業年度末における資産合計は4,630百万円となり、前事業年度末から716百万円増加となりました。流動資産の残高は3,410百万円となり、前事業年度末から547百万円増加、固定資産の残高は1,219百万円となり、前事業年度末から168百万円増加となりました。主な要因は健診ソリューション事業及び健康管理クラウド事業の売上増加により売掛金が647百万円、健診ソリューション事業及び健康管理クラウド事業におけるシステム開発によりソフトウエアが174百万円増加したことによるものであります。当事業年度末における負債合計は1,744百万円となり、前事業年度末から197百万円増加となりました。流動負債の残高は1,689百万円となり、前事業年度末から194百万円増加となりました。主な要因は健診ソリューション事業における医療機関からの仕入増加により買掛金が176百万円増加したことによるものであります。当事業年度末における純資産合計は2,886百万円となり、前事業年度末から518百万円増加となりました。主な要因は新株予約権の発行により6百万円、当期純利益の計上により680百万円増加した一方で、期末配当により利益剰余金が168百万円減少したことによるものであります。
第19期中間会計期間(自 2024年4月1日 至 2024年9月30日)
当中間会計期間末における資産合計は、6,691百万円となり、前事業年度末から2,061百万円増加となりました。
流動資産の残高は5,438百万円となり、前事業年度末から2,028百万円増加となりました。主な要因は現金及び預金が配当金及び納税等により減少した一方で、健診ソリューション事業の売掛金及び健康管理クラウド事業の利用料等の入金により858百万円増加、健診ソリューション事業の受診件数の増加に伴い売掛金が932百万円、仕入の増加により商品が245百万円増加したことによるものであります。当中間会計期間末における負債合計は、3,662百万円となり、前事業年度末から1,918百万円増加となりました。流動負債の残高は3,608百万円となり、前事業年度末から1,919百万円増加となりました。主な要因は健診ソリューション事業の受診件数の増加による仕入により買掛金が1,931百万円、ネットワーク健康診断サービスの健診受診料及び健康管理クラウドの利用料の前受として契約負債が103百万円増加したことによるものであります。当中間会計期間末における純資産合計は、3,029百万円となり、前事業年度末から143百万円増加となりました。主な要因は期末配当により利益剰余金が204百万円減少した一方で、中間純利益を347百万円計上したことによるものであります。
第19期第3四半期累計期間(自 2024年4月1日 至 2024年12月31日)
当第3四半期会計期間末における資産合計は6,842百万円となり、前事業年度末から2,212百万円増加しました。流動資産の残高は5,617百万円となり、前事業年度末から2,206百万円増加しました。主な要因は健診ソリューション事業及び健康管理クラウド事業の売掛金等の入金により現金及び預金が1,432百万円増加したことによるものであります。第19期第3四半期会計期間末における負債合計は3,526百万円となり、前事業年度末から1,782百万円増加となりました。流動負債の残高は3,471百万円となり、前事業年度末から1,782百万円増加となりました。主な要因は健診ソリューション事業の受診件数の増加による仕入により買掛金が1,760百万円増加したことによるものであります。当第3四半期会計期間末における純資産合計は3,316百万円となり、前事業年度末から430百万円増加となりました。主な要因は期末配当により利益剰余金が204百万円減少した一方で、四半期純利益634百万円を計上したことによるものであります。
③ キャッシュ・フローの状況
第18期事業年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
当事業年度における現金及び現金同等物の残高は、前事業年度末から49百万円減少し、1,583百万円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により獲得した資金は、前事業年度に比較して397百万円減少(前年同期は953百万円の資金の獲得)し、555百万円となりました。これは主に税引前当期純利益955百万円(前年同期比143百万円増加)、減価償却費226百万円(前年同期比20百万円増加)の計上、健診ソリューション事業における健康診断の受診件数増加による売上債権647百万円(前年同期比557百万円増加)、仕入債務176百万円(前年同期比58百万円増加)の増加等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により支出した資金は、前事業年度に比較して21百万円増加(前年同期は404百万円の支出)し、426百万円となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出が9百万円(前年同期比29百万円減少)であった一方で、健診ソリューション事業及び健康管理クラウド事業におけるシステム開発等による無形固定資産の取得416百万円(前年同期比55百万円増加)により増加したものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により支出した資金は、前事業年度に比較して30百万円増加(前年同期は148百万円の支出)し、178百万円となりました。これは主に配当金の支払168百万円(前年同期比35百万円増加)によるものであります。
第19期中間会計期間(自 2024年4月1日 至 2024年9月30日)
当中間会計期間における現金及び現金同等物の残高は、前事業年度末から858百万円増加し、2,442百万円となりました。
当中間会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により獲得した資金は、前事業年度に比較して645百万円増加(前事業年度は555百万円の資金の獲得)し1,201百万円となりました。これは主に税引前中間純利益501百万円(前事業年度955百万円)、減価償却費125百万円(前事業年度226百万円)の計上、健康診断の受診者が増加する時期であることから受診健診ソリューション事業における売上債権が932百万円(前事業年度比284百万円増加)、棚卸資産が245百万円(前事業年度比315百万円増加)、仕入債務が1,931百万円(前事業年度比1,754百万円増加)増加、健康管理クラウド事業における下期の利用料として契約負債が103百万円(前事業年度比93百万円増加)増加したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により支出した資金は前事業年度に比較して289百万円増加(前事業年度は426百万円の支出)し、136百万円となりました。これは主にシステム開発に伴う無形固定資産の取得133百万円(前事業年度は416百万円の支出)によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により支出した資金は前事業年度に比較して26百万円増加(前事業年度は178百万円の支出)し205百万円となりました。これは主に配当金の支払204百万円(前事業年度は168百万円の支出)によるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a 生産実績
当社は、生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。
b 受注実績
当社は、受注生産は行っておりませんので、該当事項はありません。
c 販売実績
第18期事業年度、第19期中間会計期間及び第19期第3四半期累計期間における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(単位:千円)
(注) 1.セグメント間取引については、発生がないため記載しておりません。
2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合
外部顧客への売上高のうち、損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先がないため、記載を省略しております。
3.2024年3月期の健診ソリューション事業の販売額は、前事業年度比で23.6%増加しました。新規顧客獲得が好調に推移したことによるものです。
4.2024年3月期の健康管理クラウド事業の販売額は、前事業年度比で28.4%増加しました。新規顧客獲得が好調に推移したことによるものです。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には、会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の金額など開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果と異なる場合があります。
当社の財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計上の見積り及び当該見積に用いた仮定については、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
繰延税金資産
当社は、繰延税金資産について、将来の事業計画を基礎として将来事業年度の課税所得を合理的に見積り、回収可能性を判断した上で計上を行っております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、実際に発生した課税所得の時期及び金額が見積と異なった場合、繰延税金資産の金額が増加又は減少し、税金費用が減少又は増加する可能性があります。
② 経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態の分析
第18期事業年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(資産)
当事業年度末における資産合計は4,630百万円となり、前事業年度末から716百万円増加となりました。流動資産の残高は3,410百万円となり、前事業年度末から547百万円増加、固定資産の残高は1,219百万円となり、前事業年度末から168百万円増加となりました。
主な要因は健診ソリューション事業及び健康管理クラウド事業の売上増加により売掛金が647百万円、健診ソリューション事業及び健康管理クラウド事業におけるシステム開発によりソフトウエアが174百万円増加したことによるものであります。
(負債)
当事業年度末における負債合計は1,744百万円となり、前事業年度末から197百万円増加となりました。流動負債の残高は1,689百万円となり、前事業年度末から194百万円増加となりました。主な要因は健診ソリューション事業における医療機関からの仕入増加により買掛金が176百万円増加したことによるものであります。
(純資産)
当事業年度末における純資産合計は2,886百万円となり、前事業年度末から518百万円増加となりました。
主な要因は新株予約権の発行により6百万円、当期純利益の計上により680百万円増加した一方で、期末配当により利益剰余金が168百万円減少したことによるものであります。
第19期中間会計期間(自 2024年4月1日 至 2024年9月30日)
(資産)
当中間会計期間末における資産合計は、6,691百万円となり、前事業年度末から2,061百万円増加となりました。流動資産の残高は5,438百万円となり、前事業年度末から2,028百万円増加となりました。
主な要因は現金及び預金が配当金及び納税等により減少した一方で、健診ソリューション事業の売掛金及び健康管理クラウド事業の利用料等の入金により858百万円増加、健診ソリューション事業の受診件数の増加に伴い売掛金が932百万円、仕入の増加により商品が245百万円増加したことによるものであります。
(負債)
当中間会計期間末における負債合計は、3,662百万円となり、前事業年度末から1,918百万円増加となりました。流動負債の残高は3,608百万円となり、前事業年度末から1,919百万円増加となりました。
主な要因は健診ソリューション事業の受診件数の増加による仕入により買掛金が1,931百万円、ネットワーク健康診断サービスの健診受診料及び健康管理クラウドの利用料の前受として契約負債が103百万円増加したことによるものであります。
(純資産)
当中間会計期間末における純資産合計は、3,029百万円となり、前事業年度末から143百万円増加となりました。
主な要因は期末配当により利益剰余金が204百万円減少した一方で、中間純利益を347百万円計上したことによるものであります。
第19期第3四半期累計期間(自 2024年4月1日 至 2024年12月31日)
(資産)
当第3四半期会計期間末における資産合計は6,842百万円となり、前事業年度末から2,212百万円増加しました。流動資産の残高は5,617百万円となり、前事業年度末から2,206百万円増加しました。主な要因は健診ソリューション事業及び健康管理クラウド事業の売掛金等の入金により現金及び預金が1,432百万円増加したことによるものであります。
(負債)
当第3四半期会計期間末における負債合計は3,526百万円となり、前事業年度末から1,782百万円増加となりました。流動負債の残高は3,471百万円となり、前事業年度末から1,782百万円増加となりました。主な要因は健診ソリューション事業の受診件数の増加による仕入により買掛金が1,760百万円増加したことによるものであります。
(純資産)
当第3四半期会計期間末における純資産合計は3,316百万円となり、前事業年度末から430百万円増加となりました。主な要因は期末配当により利益剰余金が204百万円減少した一方で、四半期純利益634百万円を計上したことによるものであります。
b.経営成績の分析
第18期事業年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(売上高)
当事業年度の売上高は13,266百万円となり、前事業年度と比較して2,518百万円増加(前事業年度比23.4%増)しました。
健診ソリューション事業においては、数万人規模の従業員数を抱える大型顧客を含め204社がネットワーク健康診断サービスの利用を開始しました。例年通り夏から秋にかけて受診者が増加する季節的変動要因はありますが、順調な健康診断結果の納品により、出荷数は前事業年度より59,090件増加した368,627件、売上高は11,858百万円(前事業年度比23.6%増)となりました。
健康管理クラウド事業においては、大企業を中心に人的資本投資や健康経営の推進、働き方の多様化等が一層重視される中、Growbaseは、従業員の健康管理体制を強化したい新規顧客からの受注が継続的に拡大しており、当事業年度においては、新たに41社が利用を開始し、ユーザーID数は前事業年度から300,542ID増加した1,489,604ID、売上高は1,104百万円(前事業年度比28.4%増)となりました。
医療機関等支援事業におきましては、特段懸念する事項の発生もなく、PET関連事業、BPOサービスともに引き続き堅調に推移しました。また、2023年10月より、人間ドック及びPET検査の予約手配や健康相談等を行うコンシェルジュサービスを開始した結果、売上高は303百万円(前事業年度比3.4%増)となりました。
いずれの事業においても出荷数・ID数が増加したことに伴い売上高が増加し、前事業年度を上回る水準となりました。
(売上原価、売上総利益)
当事業年度の売上原価は10,692百万円であり、前事業年度と比較して2,191百万円増加(前事業年度比25.8%増)しました。結果、売上総利益は2,574百万円であり、前事業年度と比較して327百万円増加(前事業年度比14.6%増)しました。
健診ソリューション事業においては、各種健康診断にかかる資材及び人件費の高騰等による医療機関に対して支払う健康診断費用の上昇に加え、健康診断結果の出荷数が増加したため、売上原価は10,293百万円(前事業年度比26.4%増)と売上高の伸び率を上回り、売上総利益は1,565百万円(前事業年度比7.7%増)に留まりました。
健康管理クラウド事業においては、新規で利用開始となった大型顧客からの個別開発の要望を受けたことにより、売上原価221百万円(前事業年度比20.8%増)となりました。結果、売上総利益は882百万円(前事業年度比30.5%増)となりました。
医療機関等支援事業においては、前年度期中から開始した一部顧客の専用窓口業務委託により、売上原価は177百万円(前事業年度比0.7%増)、売上総利益は126百万円(前事業年度比7.6%増)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当事業年度の販売費及び一般管理費は1,607百万円であり、前事業年度と比較して184百万円増加(前事業年度比13.0%増)となりました。当事業年度においては、事業規模の拡大に伴い、人件費や人材派遣費が前事業年度と比較して176百万円増加しました。また、対面での打ち合わせや研修、出張の機会が増加し、旅費交通費が前事業年度と比較して6百万円増加しております。
結果、営業利益は967百万円となり、前事業年度と比較して142百万円増加(前事業年度比17.3%増)しました。
(営業外損益、経常利益)
当事業年度の営業外費用は14百万円であり、前事業年度と比較して1百万円増加しました。これは主に上場準備に伴うものです。
結果、経常利益は955百万円となり、前事業年度と比較して143百万円増加(前事業年度比17.6%増)となりました。
(特別損益、法人税等合計及び当期純利益)
当事業年度の特別利益は0百万円、特別損失は発生しておらず、結果、当期純利益は680百万円であり、前事業年度と比較して120百万円増加(前年同期比21.4%増)しました。
第19期中間会計期間(自 2024年4月1日 至 2024年9月30日)
(売上高)
当中間会計期間の売上高は7,060百万円となりました。
健診ソリューション事業においては、例年、健康診断は夏から秋にかけて受診のピークを迎えるため、健康診断結果の出荷及びそれに伴う業績は下期に偏る傾向になりますが、健康診断受診の早期化を図る顧客の増加や当社オペレーションの生産性向上等により、堅調に出荷数が増加しております。また顧客への健康診断受診料の値上げが影響し、売上単価が改善した結果、出荷数は195,190件となり、売上高は6,357百万円となりました。
健康管理クラウド事業においては、契約企業グループは18社が新規で使用開始となり、ユーザーID数が1,596,361IDとなり、売上高は555百万円となりました。
医療機関等支援事業におきましては、特段懸念する事項の発生もなく、PET関連事業、BPOサービスともに引き続き堅調に推移した結果、売上高は147百万円となりました。
(売上原価、売上総利益)
当中間会計期間の売上原価は5,720百万円、売上総利益は、1,340百万円となりました。
健診ソリューション事業においては、オペレーションの生産性向上等により、健康診断出荷数が増加しましたが、売上原価が上昇しており、売上原価は5,534百万円、売上総利益は823百万円となりました。
健康管理クラウド事業においては、代理店戦略強化の効果もあり、新たに18社が利用を開始したことで、売上高は堅調に推移しました。その結果、売上原価は96百万円、売上総利益は458百万円となりました。
医療機関等支援事業におきましては、引き続き堅調に推移した結果、売上原価は89百万円、売上総利益は58百万円となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当中間会計期間の販売費及び一般管理費は840百万円となりました。これは主に、採用強化による人件費の増加、健診ソリューション事業の出荷数増加に伴う人材派遣費の増加によるものです。
結果、営業利益は、499百万円となりました。各セグメントの営業利益は、健診ソリューション事業は138百万円、健康管理クラウド事業は320百万円、医療機関等支援事業は40百万円であります。
(営業外損益、経常利益)
当中間会計期間の営業外収益は2百万円となりました。これは主にイベントの協賛金等によるものです。結果、経常利益は501百万円となりました。
(特別損益、法人税等合計及び当期中間純利益)
当中間会計期間において、特別利益及び特別損失は発生しておりません。結果、当中間会計期間の中間純利益は、347百万円となりました。
第19期第3四半期累計期間(自 2024年4月1日 至 2024年12月31日)
(売上高)
当第3四半期累計期間の売上高は11,628百万円となりました。
健診ソリューション事業においては、例年、健康診断は夏から秋にかけて受診のピークを迎えるため、健康診断結果の出荷及びそれに伴う業績は下期に偏る傾向になりますが、健康診断受診の早期化を図る顧客の増加や当社オペレーションの生産性向上等により、堅調に出荷数が増加しております。また顧客への健康診断受診料の値上げが影響し、売上単価が改善した結果、出荷数は326,095件となり、売上高は10,579百万円となりました。
健康管理クラウド事業においては、契約企業グループは25社が新規で使用開始となり、ユーザーID数が1,692,966IDとなり、売上高は834百万円となりました。
医療機関等支援事業におきましては、特段懸念する事項の発生もなく、PET関連事業、BPOサービスともに引き続き堅調に推移した結果、売上高は215百万円となりました。
(売上原価、売上総利益)
当第3四半期累計期間の売上原価は9,442百万円、売上総利益は、2,186百万円となりました。
健診ソリューション事業においては、オペレーションの生産性向上等により、健康診断出荷数が増加しましたが、売上原価が上昇しており、売上原価は9,159百万円、売上総利益は1,419百万円となりました。
健康管理クラウド事業においては、代理店戦略強化の効果もあり、新たに25社が利用を開始したことで、売上高は堅調に推移しました。その結果、売上原価は153百万円、売上総利益は680百万円となりました。
医療機関等支援事業におきましては、引き続き堅調に推移した結果、売上原価は129百万円、売上総利益は85百万円となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当第3四半期累計期間の販売費及び一般管理費は1,267百万円となりました。これは主に、採用強化による人件費の増加、人員増加に伴うライセンスの増加及び健診ソリューション事業のDX化推進に伴うシステム関連費の増加によるものです。
結果、営業利益は、918百万円となりました。各セグメントの営業利益は、健診ソリューション事業は386百万円、健康管理クラウド事業は464百万円、医療機関等支援事業は67百万円であります。
(営業外損益、経常利益)
当第3四半期累計期間の営業外収益は2百万円となりました。これは主にイベントの協賛金等によるものです。営業外費用は3百万円となりました。これは主に機器の入れ替え等に伴う固定資産除却損及び上場関連費用によるものです。
結果、経常利益は917百万円となりました。
(特別損益、法人税等合計及び四半期純利益)
当第3四半期累計期間において、特別利益及び特別損失は発生しておりません。結果、当第3四半期累計期間の四半期純利益は、634百万円となりました。
c.キャッシュ・フローの状況
第18期事業年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
当事業年度における現金及び現金同等物の残高は、前事業年度末から49百万円減少し、1,583百万円となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により獲得した資金は555百万円となりました。これは主に税引前当期純利益955百万円、減価償却費226百万円の計上、健診ソリューション事業における健康診断の受診件数増加による売上債権647百万円、仕入債務176百万円の増加、法人税等264百万円の支払によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により支出した資金は426百万円となりました。これは主に健診ソリューション事業及び健康管理クラウド事業におけるシステム開発等、無形固定資産の取得416百万円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により支出した資金は178百万円となりました。これは主に配当金の支払168百万円によるものです。
第19期中間会計期間(自 2024年4月1日 至 2024年9月30日)
当中間会計期間における現金及び現金同等物の残高は、前事業年度末から858百万円増加し、2,442百万円となりました。
当中間会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により増加した資金は1,201百万円となりました。これは主に税引前中間純利益501百万円、減価償却費125百万円、健診ソリューション事業における健康診断受診件数増加による仕入債務の増加1,931百万円、健康管理クラウド事業における契約負債の増加103百万円を計上した一方で、健診ソリューション事業における健康診断受診件数増加による売上債権932百万円、棚卸資産245百万円の増加、法人税等の支払167百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により支出した資金は136百万円となりました。これは主にシステム開発に伴う無形固定資産の取得133百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により支出した資金は205百万円となりました。これは主に配当金の支払204百万円によるものであります。
d.資本の財源及び資金の流動性の分析
当社の所要資金は、システム開発等の設備投資、ならびにネットワーク健康診断サービスのオペレーション費用を含めた運転資金となっております。これら資金については、全額、営業活動によるキャッシュ・フロー(自己資金)にて対応しております。現状、当社では必要な事業資金は充分に確保していると認識しており、さらに取引銀行と当座借越契約を締結し、急な資金需要や不測の事態にも備えております。
e.経営成績に重要な影響を与える要因について
当社の経営成績に重要な影響を与える要因の詳細につきましては、「3.事業等のリスク」に記載の通りであります。
f.経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は、経営上の目標達成状況を判断するために、セグメント毎に客観的な指標を設けております。事業全体としては、健診ソリューション事業における健康診断結果の出荷数、健康管理クラウド事業におけるユーザーID数、BPOサービスにおけるサービス対象者数をIDとして合算したものを客観的な指標として判断しております。
第18期事業年度のID数は前事業年度から363,632ID増加した1,910,231IDとなりました。第19期第3四半期累計期間においては、第18期事業年度より160,830ID増加した2,071,061IDとなりました。
これらのID数の対象となる顧客及びその先の皆様に満足いただけるよう、引き続き、顧客に寄り添い、要望に応じたサービスを開発・提供してまいります。
各セグメントの指標については、下記のとおりであります。
(健診ソリューション事業)
第18期事業年度の健診ソリューション事業においては、数万人規模の従業員数を抱える大型顧客を含め204社がネットワーク健康診断サービスの利用を開始し、当事業年度の出荷数は前事業年度比119.1%の368,627件となりました。平均売上単価については、平均単価に比べて低位な健康診断項目にオプション等を追加しない案件の出荷が増加したことによる単価の減少となった前事業年度と比較し、一部顧客における健康診断受診料の値上げや出荷が堅調に推移したことにより、平均売上単価は前事業年度比104.0%の31,608円と大幅に改善しました。第19期第3四半期累計期間においては、例年、健康診断は夏から秋にかけて受診のピークを迎えるため、健康診断結果の出荷及びそれに伴う業績は下期に偏る傾向になりますが、健康診断受診の早期化を図る顧客の増加や当社オペレーションの生産性向上等により、出荷数の均等化を図りつつあります。また顧客への健康診断受診料の値上げが影響し、売上単価が改善しました。
健康診断の予約や顧客や提携医療機関との連携協力により概ね計画通りの結果となったと評価をしております。
(健康管理クラウド事業)
第18期事業年度の健康管理クラウド事業においては、当事業年度から新規で利用開始となった契約企業グループは41社あり、一方解約は2社となったため、39社の純増となりました。ユーザーID数については、前事業年度比125.3%の1,489,604IDとなりました。新規顧客の利用開始によりユーザーが300,542IDの純増したことが影響しております。また、当事業年度のチャーンレートについては、解約が2社あったため、0.10%となりました。第19期第3四半期累計期間においては、新規で利用開始となった契約企業グループは25社であり、一方解約は、既存顧客の統廃合を含み6社となったため、19社の純増となりました。ユーザーID数については、1,692,966IDとなり、新規顧客の利用開始によりユーザーが203,362IDの純増したことが影響しております。チャーンレートについては、0.32%となりました。
既存顧客の対象ユーザーの増加や、営業部隊による直販及び販売代理店による再販強化により、順調に新規顧客を獲得し、堅調に進捗していると評価しております。
(医療機関等支援事業)
第18期事業年度の医療機関等支援事業においては、当事業年度より既存顧客の対象ユーザーが増加したことに伴い、ユーザーID数が4,000ID増加した52,000IDとなりました。第19期第3四半期累計期間においても、前事業年度に引き続き、52,000IDを維持し、堅調に推移しております。
g.経営者の問題意識と今後の方針
経営者の問題認識と今後の方針については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
該当事項はありません。