当グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりであります。
以下の記載における将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において当グループが判断したものであります。
(1) 経営の基本方針
当社は、2022年10月3日に静岡銀行の単独株式移転により設立され、静岡銀行の基本理念「地域とともに夢と豊かさを広げます。」を引き継ぎ、ステークホルダーのウェルビーイングの向上とともに地域の総合金融グループとして発展していくため、社会価値の創造と企業価値の向上を両立する経営を実践するとともに、健全性と先進性、成長性を兼ね備えたバランスのとれた事業運営に取組んでおります。
(2) 中長期的な経営戦略
持株会社体制として初めて臨む第1次中期経営計画「Xover(クロスオーバー)~新時代を拓く」(計画期間:2023~2027年度(5年間))の名称には、異なる分野がそのジャンルを超えて融合し、「未来世代」を含む全てのステークホルダーと新たな価値を共創しながら、不確実な時代に未来を切り拓いていく決意を込めています。
前中期経営計画の10年ビジョンを継承するとともに、持株会社体制移行により総合金融グループとしてさらに磨きをかけ、地域・お客さまの課題解決を通して新たな価値を創造していく観点から「未来へつなぐ新たな価値を創造する課題解決型企業グループ」を中計ビジョンとしています。
また、当グループが2030年に目指す姿として、「地域とお客さまの課題解決により、ステークホルダーのウェルビーイングと当社の企業価値向上が両立している状態」を掲げ、その姿からのバックキャストにより計画を策定したうえで、これからの経営環境の変化に対し柔軟に軌道修正を図りながら、ビジョンの実現を目指します。
※第1次中期経営計画の基本戦略の概要は(4)対処すべき課題に記載しております。

(3) 目標とする経営指標
第1次中期経営計画では、地域と当グループ双方の持続的な成長、2030年に目指す姿に向けたKPIとして、地域金融機関としての社会価値創造の効果をはかる「社会インパクト指標」と、企業価値の向上を目指す「エンゲージメント指標」「財務目標」で構成される『サステナビリティ指標』を掲げています。

(4) 対処すべき課題
2023年度の経済動向を展望しますと、コロナ禍からの経済活動の回復が期待される一方で、不安定な国際情勢や金融経済環境が継続することで景気にマイナスの影響を与えることが懸念されます。くわえて人口減少や少子高齢化などの従来からの変化と社会のデジタルシフトや脱炭素化に向けた社会構造の変化が相まって、不可逆的で先行きの予測が困難な時代を迎えており、地域とともに持続的な成長を遂げていくためには、経営環境の変化に機動的かつ適切に対処しつつ、新たな社会価値を生み出すことで地域経済の自律的な活力を向上させ、その取組みを通じて収益基盤を構築する社会価値の創造と企業価値向上の両立を目指すことが必要だと認識しています。
社会価値の創造と企業価値の向上の双方に影響が大きい地域の社会課題を当グループのマテリアリティ(重要課題)として選定し、4つの基本戦略(「地域共創戦略」「グループビジネス戦略」「トランスフォーメーション戦略」「グループガバナンス戦略」)を通しその解決に取組むことにより、『サステナビリティ指標』の達成を目指します。
「地域共創戦略」では、地域の多種多様な課題ごとに、当グループのネットワークを活用して参加者相互が協働するプラットフォームを形成し、様々な課題解決を通して地域経済の活性化を目指します。「グループビジネス戦略」では、「深く、大きく、新しく」をコンセプトとして、従来のコア事業領域に加え、既存ビジネスの深掘りや事業領域の拡大、新事業への挑戦を図るなかで、「地域共創戦略」により創出された収益機会も取り込みながら、地域・お客さまの課題解決と当グループの収益拡大の好循環実現を目指します。
また「トランスフォーメーション戦略」では、デジタル技術やデータの活用により、社会価値創造と企業価値向上の実現に向けた経営基盤の拡充を図ります。前中期経営計画で実現した新勘定系システムによる開発生産性向上をアドバンテージに、積極的なデジタル投資を行い、業務の生産性向上と経費構造の変革を図るとともに、基本戦略の実現に向けて、人財や新事業分野等に対する攻めの投資を加速します。
経営戦略を推進するうえで「人財」の変革は重要なテーマであり、地域・お客さまの課題解決を担う人財に加え、脱炭素化やDXの推進、産業変容を見据えたベンチャービジネス等、新たな社会価値を創造する価値創造型人財の拡充を図ります。DE&I(ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン)の推進により、役職員一人ひとりの活躍の場を広げ、人財と当グループが共に成長する「人的資本経営」を推進します。
「グループガバナンス戦略」では、当社がグループ全体を見渡しながら事業運営を統括・支援する役割を担い、事業シナジーの創出や各社の成長とスピード経営を促進することで、自立(自律)と連携により、第1次中期経営計画を推進するグループ体制を構築します。
このように「トランスフォーメーション戦略」「グループガバナンス戦略」を通し、課題解決型企業グループとしての経営基盤を拡充しつつ、「地域共創戦略」「グループビジネス戦略」を推進することで、これまでにも増して、地域・お客さまに対する課題解決支援の取組みを広げてまいります。そして、これまで進めてきたグループ経営をさらに進化させるとともに、ステークホルダーとの協働を通じて、新たな社会価値を創造し、持続的な成長を実現する総合金融グループへの発展を目指します。
当グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。なお、以下の記載における将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において当グループが判断したものであります。
当グループが2030年に目指す姿として「地域とお客さまの課題解決により、ステークホルダーのウェルビーイングと当社の企業価値向上が両立している状態」を掲げ、その姿からのバックキャストによる第1次中期経営計画(計画期間:2023年度~2027年度)を取締役会にて決定しました。当計画では、社会価値の創造と企業価値の向上の双方に影響が大きい地域の社会課題を当グループのマテリアリティ(重要課題)として選定し、地域と当グループ双方の持続的な成長、2030年に目指す姿に向けたKPIとして、地域金融機関としての社会価値創造の効果をはかる「社会インパクト指標」と、企業価値の向上を目指す「エンゲージメント指標」「財務目標」で構成される『サステナビリティ指標』を定めております。
第1次中期経営計画に基づき毎年度の執行計画(業務計画等)を策定のうえ、その進捗状況については、当社の子会社の代表者も出席するグループ経営会議にて定期的にモニタリングしております。グループ経営会議の審議内容等の業務執行状況は、当社に設置するグループチーフオフィサー(CxO)等が四半期毎に取締役会へ報告することで、サステナビリティの観点を含む第1次中期経営計画の進捗を監督する体制としております。なお、当該監督体制に関係する執行部門のモニタリング体制(リスク管理体制)の概要は、下記(3)「リスク管理」の項目に記載のとおりです。
当グループのサステナビリティ経営における重要テーマとして、「環境委員会」と「人的資本経営委員会」を設置しており、機動的かつ実効性の高い施策の実践を目指しております。「環境委員会」はTCFD提言に基づく対応等について、「人的資本経営委員会」は当グループの人的資本経営の実現に向けた経営戦略に連動した人財戦略等について、子会社を含むグループ横断的な議論を行っております。
当グループのサステナビリティに関する「戦略」(第1次中期経営計画の基本戦略)については、
当社では、グループチーフオフィサー(CxO)制度を導入し、CEO(最高経営責任者)による統括のもと、分野毎にCFO(最高財務責任者)、CIO(最高情報責任者)、CRO(最高コンプライアンス・リスク管理責任者)、CIAO(最高内部監査責任者)を設置するほか、グループ経営会議として「サステナビリティ会議(経営執行会議)」や「グループ統合リスク・予算管理会議」、「グループコンプライアンス会議」を定期的に開催し、第1次中期経営計画に基づく業務執行について、各分野の専門性に応じて、またグループ横断的にモニタリングする体制を整備・運用することでリスク管理の実効性を確保しております(体制の概略図は上記(1)「ガバナンス」に記載)。
当グループのサステナビリティに関する「指標及び目標」(第1次中期経営計画で掲げる「サステナビリティ指標」)については、
当社の取締役会において「しずおかフィナンシャルグループ環境方針」を定め、気候変動が引き起こす影響が当グループの経営リスクになることを認識し、脱炭素社会の実現に向けて、地域金融を中心とする本業を通じて貢献していく方針を明確化しています。
当社はTCFD提言に賛同(静岡銀行では2020年3月に賛同)し、グループ全体で脱炭素化を推進しており、当社子会社をメンバーに含む「環境委員会」を設置することで、取り組みの一層の強化を図っています。
TCFD提言に基づく対応方針や取り組みについては、定例的に環境委員会で議論し、サステナビリティ会議(経営執行会議)を経て取締役会において審議(前回は2023年3月)することで、脱炭素社会の実現に向けたガバナンスを確保しております。
環境委員会の概要
② 戦略
<サステナブルファイナンス(環境関連ファイナンスを含む)>
当グループでは、地域のSDGsや脱炭素化に貢献するため、2030年度までのサステナブルファイナンス目標(投融資累計額2兆円、このうち環境関連ファイナンス1兆円)を掲げています。2022年度における投融資額は3,482億円(計画比+2,332億円)、そのうち環境関連ファイナンスは1,750億円(計画比+1,175億円)と計画を大きく上回る結果となりました。
<産業変革支援プロジェクトチーム>
地域経済を支える産業の持続的な成長を支援していくため、デジタル化や脱炭素化といった社会変化のなかで産業構造の変容を見据えた事業支援を行う体制を強化すべく、静岡銀行に「産業変革支援プロジェクトチーム」を設置しております。当年度は、静岡県の主要産業の一つである自動車関連産業のサプライチェーンの調査・分析、支援体制構築に向けた外部機関等とのネットワーク形成などを進め、今後は具体的な事業支援に取り組んでいく予定です。
<気候変動リスク(移行リスクと物理的リスク)>
気候変動による当グループへの影響を把握するため、シナリオ分析(気候変動に関するリスクが与信ポートフォリオに与える影響を把握)を実施しています。当年度は、移行リスクの分析対象に「電力業」を追加し、「自動車・同付属部品製造業」の分析を更に深掘りしました。また、物理的リスクの分析対象に神奈川県と東京都の中小企業並びに住宅ローン取引先を追加しました。
(移行リスク)
(物理的リスク)
(リスク認識)
③ リスク管理
当年度は、国際標準の視点をもって、当グループの脱炭素化への取り組みを適切に開示し継続的に改善していくため、国際環境団体CDPによる気候変動対策の評価の取得を開始しました。また、国際的イニシアティブによる「PCAFスタンダード」に基づき、投融資を通じた温室効果ガス排出量(Scope3)算定・削減に向けた体制整備に取り組んでおり、算定内容等は、2023年7月発刊予定の当社統合報告書へ掲載(https://www.shizuoka-fg.co.jp/ir/disclosure.html)する予定です。また、当グループではTCFD提言を踏まえ気候変動に起因するリスクを分類しており、リスクの分類ごとに下表のとおり移行リスク及び物理的リスクの事例を想定し、適切な管理に取り組んでまいります。
当社の中核子会社である静岡銀行では、石炭火力発電向け等の投融資を通じた環境・社会への負の影響を低減・回避するため「特定セクターに対する投融資方針」を制定しております。同方針において、石炭火力発電向け投融資について、原則新規に行わず、2040年度を目途に残高をゼロ(2023年3月末実績159億円)とする目標を掲げて事業活動を行っております。同方針の詳細は、当社ホームページ「サステナビリティ/方針・賛同するイニシアティブ」(https://www.shizuoka-fg.co.jp/sustainability/action-policy.html)に掲載しております。
なお、当社の中核子会社である静岡銀行の総貸出金に占める法人向け貸出にかかる炭素関連資産の割合(2023年3月末)は以下のとおりです。
④ 指標及び目標
当グループは、2030年度のカーボンニュートラル達成(Scope1、2)を目標に掲げて脱炭素化を推進しております。当グループの温室効果ガス排出量(Scope1、2)の2013年度比削減率(2021年度)は▲20.9%(2013年度17,682トン→2021年度13,981トン)となっており、各年度における削減の進捗状況は、統合報告書(https://www.shizuoka-fg.co.jp/ir/disclosure.html)へ継続的に掲載してまいります。
なお、上記②「戦略」に記載のとおり、2030年度までのサステナブルファイナンス目標(投融資累計額2兆円、このうち環境関連ファイナンス1兆円)を掲げ、地域の事業者の脱炭素化を支援しております。
(参考資料:脱炭素社会の実現に向けた取り組み)

当グループにおける人的資本経営の実現に向けた課題・戦略等について議論すべく、2022年10月に人的資本経営委員会を設置しました。また、下部組織として当グループの重要なテーマである「人財育成」「DE&I(ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン)」「Well-being」の3つのワーキンググループにて、職場の役職員の声を踏まえた施策や人的資本開示内容に関する検討、人権尊重の観点から「人権方針」を策定する等の活動を実施しました。
当グループ各社の所管部部長等をメンバーとしてグループ横断的に人的資本経営への取組み強化と推進を図っています。定例的に人的資本経営委員会や下部組織である3つのワーキンググループで議論し、サステナビリティ会議(経営執行会議)、取締役会への報告を通じて人的資本経営の実現に向けたガバナンスを確保しております。
<人的資本経営委員会の概要>

第1次中期経営計画(以下、「本中計」)では、人的資本経営を中心に位置付け、4つの基本戦略を展開しています。人的資本への投資等の観点では、新たなビジネスモデルへの変革を目指し、本中計で掲げる基本戦略と連動した「人財戦略」の取組みを通じ、「個人と組織の共成長」と「社会価値の創造・企業価値の向上」の好循環を目指します。
未来へつなぐ新たな価値を創造する課題解決型企業グループへの変革に向け、下記の戦略を中心に人的資本の最大化に取り組んでいます。
● 自律・挑戦・ダイバーシティの定着に向けた人事制度
1on1、OKR・Value評価の枠組み等を活用しながら、『「基本理念」「日々の行動」「評価」の一致』と『役職員一人ひとりの夢・行動と基本理念・経営戦略の一致』を図っています。また、2023年度よりスタートした本中計では、すべてのステークホルダーがサステナブルかつ幸福度が高まっている状態を目指しています。本中計を全役職員が理解し一層の浸透を図るための取組み(マイ・サステナブック~Xoverの導入・タウンミーティング・サステナ研修等)を強化していきます。
● 最適な人的配置と人財育成
● 人財価値の最大化を醸成するDE&Iの深化
役職員一人ひとりの多様な経験・キャリアおよび価値観を認め合い、掛け合わせることでこれまでにない発想や価値を生み出す「DE&I」を一層促進し、地域社会の発展と当グループの持続的成長、企業価値の向上につなげます。人的資本経営委員会の下部組織である「DE&I」ワーキンググループでは、これまでのダイバーシティ推進委員会の役割を継承し「DE&I」の促進に向けた取組みを実施しています。2022年度は、従来より取り組んでいる女性活躍推進、性差のない育児参画の推進に加え、グループ人権方針の策定やLGBTQ関連制度の導入を新たに実施する等、「DE&I」を一層深化させ、一人ひとりが能力を最大に発揮できる企業グループに向けた取組みを強化しています。
● カルチャー&ウェルビーイング・イノベーション
各種施策を実現させる企業風土を創るため、文化・伝統の継承と風土の変革を併進する「カルチャー&ウェルビーイング・イノベーション」に取り組んでいます。歴史・伝統のリカレントやフラットコミュニケーション改革、健康経営の深化などを通じ、役職員一人ひとりのエンゲージメントとウェルビーイングの向上につなげ、グループの目指す姿である「すべてのステークホルダーがサステナブルかつ幸福度が高まっている状態」の実現に向けた歩みを着実に進めます。
各施策ならびに対応状況については、毎年7月に発刊する統合報告書へ詳細内容を掲載(https://www.shizuoka-fg.co.jp/ir/disclosure.html)しております(直近では2022年7月発刊
持株会社体制移行以前より、女性の活躍推進をはじめ、中途採用・外国人留学生の採用など、人財の多様化に取り組んでいますが、10年ビジョン「地域の未来にコミットし、地域の成長をプロデュースする企業グループ」および第1次中期経営計画ビジョン「未来へつなぐ新たな価値を創造する課題解決型企業グループ」の実現に向けて、最大の経営資本である役職員一人ひとりのエンゲージメントを高めることこそ、新たな価値創造と生産性向上に繋がると考えます。また、こうした考えのもと、本中計では役職員一人ひとりのエンゲージメントの高まりによる「個人と組織の共成長」の実現を目指す上で、上記「②戦略」において記載した人財育成方針および社内環境整備方針について、次の指標及び目標を掲げております。
<指標および実績> ※その他指標についてはコーポレート・ガバナンス報告書、および統合報告書(2023年7月発刊予定)へ詳細内容を記載
※1 当社と中核子会社である静岡銀行の数値を記載しております。その他、グループ合算ならびにグループ各社詳細の数値については、「第1 企業の概況 5 従業員の状況」にて詳細を記載しております。
※2 当社グループ全体での数値を記載しております。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります(発生時の当グループ(当社および連結子会社)への影響度が大きいと認識するものには○印を付しております)。
なお、以下の記載における将来に関する事項は、当グループが当連結会計年度の末日現在において判断したものであります。当グループは、これらのリスク発生の可能性を認識したうえで、発生の回避及び発生した場合の対応に努めてまいります。
当グループのビジネスは、銀行法等の各種金融規制を遵守して営まれているところ、近年は規制緩和が進展し、金融分野におけるデジタル技術の活用も浸透するなかで、異業種企業による金融分野への参入等により競争が厳しくなっているほか、低金利環境も資金運用収益に影響を与えております。また、当グループが根ざす地域社会・地域経済においては、人口減少や少子高齢化といった従来からの構造変化に加え、コロナ禍で加速したデジタル化や脱炭素化に向けた社会構造の変化も相俟って、先行きの予測が困難な社会・経済環境に直面しております。
こうした環境下において、2022年度を計画最終年度とする3か年の第14次中期経営計画(持株会社体制移行前の静岡銀行にて策定)では、「課題解決型企業グループへの変革」を掲げ事業活動に取り組み、また2023年度から2027年度までを計画期間とする当グループの第1次中期経営計画では、「第2 事業の状況」「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり「未来へつなぐ新たな価値を創造する課題解決型企業グループ」に向けて、社会価値の創造と企業価値の向上を両立する観点から、地域・お客さまの課題解決支援に最優先で経営資源を投入しつつ、人的資本やDXに対しても積極的な投資を行うことで経営基盤の拡充を図り、既存ビジネスの深掘りや事業領域の拡大、新事業への挑戦にも取り組んでいく方針です。ただし、当グループがこれらの取り組みを推進していく過程においては、以下に掲げる各種リスクを適切に管理していく必要があると認識しております。
(1) 最近の経営環境、事業活動等を踏まえたリスク
① コロナ禍を経ての社会・経済動向及び国際情勢を踏まえたリスク
コロナ禍からの社会・経済活動の回復の過程における構造変化が当グループの営業エリアの社会・経済活動へ影響を及ぼす場合、または、ウクライナ情勢や米国と中国の対立等の地政学的な動向を背景とした経済安全保障上の問題がグローバル化の進展した経済活動の制約となり、例えば国際的なサプライチェーンにおける原材料やエネルギー価格の上昇、ひいては物価上昇につながること等により、当グループの営業エリアの社会・経済活動へ影響を及ぼす場合、取引先の財務内容等が悪化することで当グループの不良債権及び与信関係費用が増加し、業績に悪影響を与え自己資本の減少につながる可能性があります。なお、コロナ禍により影響を受けた事業者に対する「ゼロゼロ融資」の利払いを含む返済開始が事業者の資金繰りに影響を与える可能性も想定されます。
当グループは、地域金融機関として今後も円滑な資金供給等事業者への資金繰り支援に取り組んでいくほか、当社の連結子会社である静岡銀行(企業経営サポート部等)や、静銀経営コンサルティング、静岡キャピタル等の事業支援の専門性を有する組織が営業店(事業を営むお客さまの静岡銀行取引店)と連携しながら、業況が悪化した事業者の支援に取り組むことで、経営改善や事業再生、雇用の維持を通じ与信関係費用の抑制を図ります。なお、業務の健全性及び適切性の観点から、当グループでは、信用リスクなど各種リスクを計量化し、自己資本の範囲内に収めるリスク資本配賦運営等を実施するなど、直面するリスクに見合う十分な資本を確保できるよう取り組んでおります。
また、地政学的な動向や各国中央銀行の金融政策等が金融市場の取引に影響を与え価格や指標等の大きな変動に波及すること等を通じ下記(3)「市場リスク」及び(4)「流動性リスク」が顕在化する可能性があります。
② 気候変動に関するリスク
地球規模の気候変動に関する問題について、風水害等の自然災害の発生により取引先の所有物件が毀損した場合や気候変動対応に関する規制または社会的要請により取引先の事業が影響を受ける場合等に、下記(2)「信用リスク」の増加につながる可能性があります。また、気候変動対応に関する社会的要請の水準によっては、下記(8)「その他リスク」の「③規制変更」にかかるリスクが増加する可能性があります。
当社は、TCFD提言への賛同を表明しており、気候変動が当グループの事業活動に与える影響に関し、「ガバナンス」「戦略」「リスク管理」「指標及び目標」のカテゴリを踏まえ、機会とリスクの両面から対応、開示を進めており、当該取組状況、取組方針の概要は、「第2 事業の状況」「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」に記載のとおりです。
(2) 信用リスク
信用リスクとは、社会・経済のあり方や構造変化に応じ、取引先の財務状況が悪化するなどにより、資産の価値が減少ないし消失し、損失を被るリスクであります。その主なリスク事象、要因および対応策は以下のとおりです。
※1 当社の連結子会社である静岡銀行では、貸出金の約5割が静岡県内向けであり、主要営業基盤である静岡県の経済動向に左右される可能性があります。
(3) 市場リスク
市場リスクとは、金利、為替、及び株価等の市場価格の変動により、当グループが保有する資産・負債の価値が変動し損失を被るリスク、資産・負債から生み出される収益が減少するリスクであります。その主なリスク事象、要因および対応策は以下のとおりです。
(4) 流動性リスク
流動性リスクとは、市場環境の悪化などにより必要な資金が確保できず資金繰りが窮したり、通常よりも著しく高い金利で資金調達を余儀なくされることにより損失を被るリスク(資金繰りリスク)と市場の混乱などにより債券などの金融商品の売却ができなくなったり、不利な価格での売却を余儀なくされることにより損失を被るリスク(市場流動性リスク)であります。その主なリスク事象、要因及び対応策は以下のとおりです。
(5) オペレーショナル・リスク
オペレーショナル・リスクとは、「当グループにおける各業務の過程、役職員の活動もしくはシステムが不適切であること、又は外的な事象により損失が発生しうるリスク」であります。当グループでは、オペレーショナル・リスクを事務リスク、システムリスク等の8つのリスクカテゴリーに区分し、管理しております。
※2 2023年3月31日現在、当グループの経営に重要な影響を及ぼす訴訟はありません。
(6) コンプライアンスに係るリスク
当グループでは、企業倫理の重要性を経営の最重要課題として認識し、諸施策の実施を通じてコンプライアンス態勢の整備に努めてまいりますが、法令等遵守状況が不十分であった場合には、当グループの業務運営や業績に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 自己資本に係るリスク
① 自己資本比率
当グループは、バーゼルⅢに基づく国際統一基準による自己資本比率及びレバレッジ比率に関する規制が適用されています。
当グループの自己資本比率及びレバレッジ比率は、現在、要求される水準を上回っておりますが、利益剰余金、保有有価証券の評価差額などの増減、リスク・アセット等の変動などにより影響を受けます。これらの比率が要求される水準を下回った場合、金融庁から社外流出額の制限、業務の全部又は一部の停止等を含む様々な命令を受ける可能性があります。
② 税効果会計
現時点の会計基準に基づき、将来実現すると見込まれる税務上の便益を繰延税金資産として計上します。今後、会計基準に何らかの変更があり繰延税金資産の算入に何らかの制限が課された場合、あるいは繰延税金資産の一部または全部の回収ができないと判断される場合は、当グループの業績及び自己資本比率に影響を及ぼす可能性があります。
③ 固定資産の減損会計
今後、固定資産の減損に係る会計基準及び適用指針に何らかの変更がある場合や、所有する固定資産に損失が発生した場合には、当グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(8) その他のリスク
① 法務リスク
当グループでは、銀行法をはじめとして、現時点における様々な法令など(日本及び当グループが事業を営むその他の市場における法律、政令、省令、規則、告示、関係当局のガイドラインなどを含みます)の規制に従って業務を遂行しております。
将来における法令などの制定や改正、及びそれらによって発生する事態が当グループの業務遂行や業績に影響を及ぼす可能性がありますが、その可能性の程度や時期、発生する影響の具体的内容について予測することは困難です。
② 年金債務
年金資産の時価が下落した場合や、年金資産の運用利回りが想定を下回った場合、また、予定給付債務を計算する前提となる数理上の前提・仮定に変更があった場合には、損失が発生する可能性があります。また、年金制度の変更により未認識の過去勤務債務が発生する可能性があります。金利環境の変動その他の要因も、年金債務及び未認識債務に影響を及ぼす可能性があります。
③ 規制変更
将来における法律、規制、政策、実務慣行及び解釈の変更並びにこれらの変更への対応が不十分とみなされる風評の発生により、当グループの業務遂行や業績などに影響を及ぼす可能性があります。
④ 競争
近年、金融制度は大幅に規制緩和が進展していることにくわえ、地域金融機関の再編や異業種企業による金融分野への参入などにより、金融業界の競争環境が大きく変化しております。その結果、当グループの営業基盤における競争が激化し他金融機関などに対して競争優位を得られない場合、当初計画している経営戦略が奏功しないことにより、当グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 地震リスク
当グループの主要営業基盤である静岡県内を中心とした巨大地震が発生した場合、当グループ自身の被災による損害のほか、取引先の業績悪化による信用リスクの上昇などを通じて、当グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 金融犯罪にかかるリスク
当グループは、キャッシュカードの偽造・盗難や振り込め詐欺等の金融犯罪による被害を未然に防止するため、セキュリティ強化に向けた取り組みを行っております。しかしながら、高度化する金融犯罪の発生により、不公正・不適切な取引を未然に防止できなかった場合には、不測の損失の発生や社会的信用の失墜などにより、当グループの業務運営や業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑦ マネー・ローンダリング及びテロ資金供与防止対策不備による制裁等のリスク
当グループは、マネー・ローンダリング及びテロ資金供与防止を経営の重要な課題と位置づけ、管理態勢の強化に取り組んでおります。しかしながら、マネー・ローンダリング等に関する法令等遵守状況が不十分であった場合には、業務停止、制裁金等の行政処分、社会的信用の失墜などにより、当グループの業務運営や業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑧ 持株会社体制の収益構造に関するリスク
当社は、銀行持株会社であり、収入の多くを静岡銀行など子会社からの配当に依存しているところ、規制等による一定の要件に該当することで配当が制限される場合があります。また、静岡銀行など子会社が十分に利益を確保することができず、当社に配当できない等の状況となった場合に、当社は株主に対する配当ができない可能性があります。
当グループが直面する全てのリスクに関して、それぞれのリスクカテゴリーごとに評価したリスクを可能な限り総体的にとらえ、リスクを自己資本の範囲内に収めることを統合的リスク管理の基本方針として「グループリスク管理基本規程」に定めております。リスク管理統括部署並びに各種リスクごとのリスク管理部署を設置し、当グループにおけるリスクを組織横断的に分析・評価する体制を構築することを明確化しております。
各種リスクをVaR等の統一的な尺度で計量化し、各種リスク量を合算して、リスクを自己資本の範囲内に収めるリスク資本配賦運営を、統合的リスク管理の中核と位置づけております。リスク資本配賦運営では、業務計画遂行にあたり、当グループの各部署のリスクが顕在化しても健全性が確保できるように、中核的な自己資本の範囲内でリスク資本を配賦しております。信用リスク、市場リスク、オペレーショナル・リスクの各リスクカテゴリー、取引等に配賦するとともに、バッファー資本として、東海地震等非常時への備え、および定量化が困難なリスクへの備えを確保しております。各リスクカテゴリー、取引等への配賦額については、業務計画の策定において、取締役会の監督のもとサステナビリティ会議(経営執行会議)にて審議、決議しております。また、グループ統合リスク・予算管理会議において、リスク資本の使用状況・遵守状況のモニタリングを行っております。
当連結会計年度における当グループ(当社、連結子会社及び持分法適用関連会社)の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
なお、当社は2022年10月3日に設立されましたので、前連結会計年度との対比については記載しておりません。また、当グループの連結経営成績等につきましては、単独株式移転により当社の完全子会社となった株式会社静岡銀行の連結経営成績等を引き継いで作成しております。
〔経営成績〕
2022年度の国内経済は、ロシアのウクライナ侵攻の長期化など地政学的に不安定な国際情勢のなか、原材料価格の高騰やサプライチェーン面の制約、人手不足による人件費の上昇等が企業業績の下押し要因となった一方で、コロナ禍からの経済活動の正常化が進む過程で、個人消費を中心に一部で持ち直しの動きもみられました。
こうした情勢下、日本銀行の金融緩和政策が継続するなかで、日経平均株価は概ね2万円台後半で底堅く推移しましたが、インフレ抑制に向けた各国中央銀行の金融緩和政策の見直し等を背景に、急激な為替変動や海外経済の減速懸念が生じるなど、不透明な景況感が続きました。
なお、静岡県経済は、コロナ禍で落ち込んだ消費活動の回復や全国旅行支援等の政策効果も相まって個人消費など一部で回復の動きが見られましたが、原材料価格の高騰や供給制約等を背景に企業活動に弱い動きが見られるなど、強弱入り混じった景況感となりました。
2020年度からスタートした第14次中期経営計画「COLORs~多彩~」においては、10年ビジョン「地域の未来にコミットし、地域の成長をプロデュースする企業グループ」を掲げ、時代に適応した地域の未来の創造に向けて、「課題解決型企業グループへの変革」に取り組みました。
当年度は、第14次中期経営計画の最終年度として、3つの基本戦略の推進にくわえて、今後の経営環境の変化を見据え、持株会社体制の第1次中期経営計画のスタートに向けた取り組みも進捗させました。
〔財政状態〕
当グループの当年度末の総資産は、15兆6,548億円となり、負債につきましては、14兆5,067億円となりました。また、純資産は1兆1,481億円となりました。
グループの中核である株式会社静岡銀行の主要勘定の特徴は以下のとおりです。
○貸出金
地域とともに成長する総合金融グループとしての責任を果たすべく、地域のお客さまに対する安定的な資金供給に取り組んでまいりました。
当年度末の貸出金残高は、中小企業向け貸出金の増加などにより、前年度末に比べ5,292億円増加し、10兆630億円となりました。
○預金等(譲渡性預金を含む)
主な資金調達手段である預金に関しては、将来的に人口減少や相続の発生などにより地方から預金が流出することも想定し、チャネルの多様化を進めております。
当年度末の預金等残高は、法人ならびに個人向け預金の増加などにより前年度末に比べ2,428億円増加し、11兆8,254億円となりました。また、個人のお客さまの多様なニーズにおこたえするため、個人年金保険、投資信託などの商品を幅広く提供してまいりました。
この結果、預金等を含めた個人のお客さまからの預り資産残高は、前年度末に比べ1,338億円増加し、8兆6,877億円となりました。
○有価証券
当年度末の有価証券残高は、米国長期金利の上昇により、外国債券の評価損益が悪化したことを受け、一部を実現損として計上し処理しましたが、国債の増加などにより前年度末に比べ6,307億円増加し、2兆9,476億円となりました。
有価証券に関しては、健全かつ安定的な収益性を備えたポートフォリオの構築を図りつつ、相場動向に応じた適切な運用に努めてまいります。
〔キャッシュ・フローの状況〕
当年度の連結キャッシュ・フローの状況は以下のとおりです。
営業活動によるキャッシュ・フローは、貸出金の増加などにより724億円のマイナスとなりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有価証券の取得などにより4,267億円のマイナスとなりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払いや新株予約権付社債の償還による支出などにより618億円のマイナスとなりました。
この結果、当年度における現金及び現金同等物の期末残高は、前年度末に比べ5,611億円減少し、1兆5,686億円となりました。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、以下の記載における将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において判断したものであります。
目標とする経営指標(2022年度)
※株主還元率(連結)の2022年度実績には、実施済の自己株式取得(金額:100億円、期間:2023年2月~5月)を含んでおります。
A 収益性指標
当年度は、地域の総合金融グループとして、グループ各社が専門性を発揮し連携することで、地域・お客さまの多様な課題の解決に向けた支援に取り組みました。
コロナ禍の影響を受けた事業を営むお客さまに対しては、資金繰り支援や経営改善、事業承継のほか、デジタル化や脱炭素化、ベンチャービジネス支援など新しい課題解決の視点を含む事業支援に幅広く取り組みました。また、人生100年時代を迎えるなかで、ライフプランに応じた金融商品・サービスの提供など、個人のお客さまに対する総合的なコンサルティングを実践しました。
当年度は、上記の課題解決支援の取り組みが一定の成果をあげるなど連結業務粗利益が増加し、また、営業経費や与信関係費用の減少、株式等関係損益の増加等により、連結経常利益739億64百万円は、持株会社体制移行前の静岡銀行の2021年度連結計数と比較して197億45百万円増加しました。各国中央銀行の金融緩和政策の見直し等による金利上昇により市場部門が厳しい収益環境に置かれたこともあり、第14次中期経営計画で掲げた目標には届かなかったものの、銀行業などコア事業分野においては、着実な成長を遂げることができました。
上記の課題解決支援の取り組みを通じ法人関連収益や個人預り資産収益が増加するなど、当年度の連結役務取引等利益373億45百万円は、株式会社静岡銀行の2021年度連結計数と比較して60億85百万円増加しました。また、地域のリーディングバンクとしてコロナ禍においても円滑な資金供給に努めるなどした結果、当年度末の株式会社静岡銀行の貸出金残高は中小企業向け貸出金や消費者ローンが増加するなど、前年度末比5,292億円増加して10兆630億円となり、初めて10兆円の大台に到達しました。貸出金利息は報告セグメント「銀行業」のうちグループの中核企業である株式会社静岡銀行の収益の柱ですが、当年度は、国内業務における貸出金残高の増加や国際業務における貸出金利の上昇等により前年度比188億60百万円増加して1,168億40百万円となり、このうち円貨貸出金利息は前年度比16億円増加して910億54百万円となっております。また、報告セグメント「リース業」に関し、静銀リースは、静岡銀行等グループ連携により取引先需要を取り込みリース残高の積上げを図ったほか、報告セグメント「その他」に関し、静銀経営コンサルティングはM&Aニーズへの対応の拡充、静岡キャピタルはファンド運営における成功報酬の取り込み、静銀ティーエム証券は厳しい販売市況のなかでの預り資産残高を重視したストック収益、これらの観点から事業成果をあげることができました。
このように、第14次中期経営計画で掲げた「課題解決型企業グループへの変革」を実践することで、総合金融グループとしての本業の利益体質の強化を図ることが出来ました。持株会社体制下の第1次中期経営計画では、総合金融グループとしてさらに磨きをかけ、地域・お客さまへの課題解決支援の取り組みを広げ、新たな社会価値の創造を図るなかで、当グループの収益基盤を拡充してまいります。
B 健全性指標
当年度末の連結普通株式等Tier1比率18.42%は、バーゼルⅢ最終化の早期適用による経過措置の影響もあってリスク・アセットが減少するなど、持株会社体制移行前の株式会社静岡銀行の2021年度連結計数である前年度末比2.34ポイント増加しました。第14次中期経営計画では、コロナ禍の影響を受けた事業を営むお客さまに対する円滑な資金供給や首都圏における貸出金の増加、ストラクチャードファイナンスへの取組みなど、適切なリスクテイクを図るなかで財務の健全性を確保しております。
C その他
当年度の連結OHR60.2%は、上記A.のとおり連結業務粗利益が増加した一方、株式会社静岡銀行において預金保険料が減少するなど経費が減少したことで、持株会社体制移行前の株式会社静岡銀行の2021年度連結計数である前年度比4.0ポイント改善しました。第1次中期経営計画では引き続き、連結OHR55%程度を目標に掲げ、前中期経営計画で実現した新勘定系システムによる開発生産性向上をアドバンテージとして積極的なデジタル投資を進め、業務の生産性向上と経費構造の変革を図りながら、人財や新事業分野など攻めの投資も加速し、トップラインの成長を図ることで、目標達成を目指します。
A 資金調達等
当グループの中核企業である株式会社静岡銀行の当年度末の預金等(譲渡性預金を含む)残高は、静岡県を中心とした個人預金の増加等により前年度末比2,428億円増加し、11兆8,254億円となりました。
当グループの成長戦略は、株式会社静岡銀行における安定した取引基盤、調達基盤である預金を前提としております。預金は、当グループがご提案する各種取引・サービスの入り口となる取引基盤であり、また、地域に対する資金供給をはじめとした安定的な資金運用に欠かせない調達基盤でもあります。人口減少や相続の発生、銀行取引のデジタル化の浸透等が将来的に預金による調達環境に影響を与えることも想定しつつ、また景気悪化時においても安定した資金供給を行っていくため、今後も、安定的な取引基盤、調達基盤としての預金を拡充させていく方針です。くわえて、取引先の資金需要(貸出金)や有価証券等の外貨資金運用に適切に対応していくため、安定した外貨調達基盤の確保にも取り組んでおり、今後も円貨および外貨の流動性に配意しつつ、健全性と収益性を伴った資金運用に努めてまいります。
B 有価証券の運用状況
当グループの中核企業である静岡銀行の当年度末の有価証券残高は2兆9,476億円と、日本国債等の増加を主因に前年度末に比べ6,307億円増加しました。当年度は、円債のインカムゲインの安定化を目的として中長期的なポートフォリオの構築を計画的に進め、また、金利上昇局面における外債の評価損益の悪化も踏まえ、利回り改善を目的とした資産の入れ替えを実施するなかで一部外債の損失処理を実施しました。今後も、安定的な収益の確保に向けて、市場との対話を深めながら、有価証券ポートフォリオの構築を進めてまいります。
当グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成に用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは貸倒引当金の計上であります。
当社の連結子会社における貸出金や支払承諾見返などの債権の残高は多額であるため、当該債権について将来発生する可能性のある損失に備え所要額を見積り、貸倒引当金を計上することは会計上の見積りにおいて重要なものと判断しております。
当グループの中核である株式会社静岡銀行では、適正な償却・引当を実施するために予め規定した手続きにより資産の自己査定を実施しております。資産の自己査定にあたっては、債務者を「正常先」「要注意先」「破綻懸念先」「実質破綻先」「破綻先」の5段階に区分したのち、回収の危険性及び価値の毀損の危険度合を個別に検討のうえ資産の分類を実施しております。また、「正常先」「要注意先」については貸出金等の平均残存期間の予想損失額を見込んで貸倒引当金に計上しており、予想損失額は平均残存期間の貸倒実績率の過去の一定期間における平均値に基づき損失率を求め、これに将来見込み等必要な修正をくわえて算定しております。「破綻懸念先」については回収可能見込額を控除し、その残額のうち必要と認める額を、「実質破綻先」「破綻先」については回収可能見込額を控除し、その残額を貸倒引当金に計上しております。なお、「要注意先」および「破綻懸念先」のうち、債権の元本の回収及び利息受取りに係るキャッシュ・フローを合理的に見積もることができる一部の大口債権については、キャッシュ・フロー見積法(DCF法)により貸倒引当金を計上しております。
自己査定結果、償却・引当の方法及び引当額の妥当性については、独立した資産内部監査部署が監査を実施しております。
株式会社静岡銀行以外の連結子会社の貸倒引当金は、一般債権については過去の貸倒実績率等を勘案して必要と認めた額を、貸倒懸念債権等特定の債権については、個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額をそれぞれ計上しております。
当グループにおける当該見積り及び当該仮定については財務諸表作成時における入手可能な最善の情報に基づいておりますが、将来の不確実な経済条件の変動や前提条件の変化等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する貸倒引当金の金額に重要な影響を与える可能性があります。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響については、連結財務諸表の注記事項(重要な会計上の見積り)1貸倒引当金の計上 (2) 識別した項目に係る重要な会計上の見積りの内容について連結財務諸表利用者の理解に資するその他の情報」を参照願います。
(参考)
資金運用収支は、1,188億95百万円、役務取引等収支は、373億43百万円、特定取引収支は、37億23百万円、また、その他業務収支は、2億7百万円となりました。
(注) 1 「国内」とは、当社及び国内に本店を有する連結子会社(海外店を除く。以下「国内連結子会社」とい う。)であります。
2 「海外」とは、国内連結子会社の海外店及び海外に本店を有する連結子会社(以下「海外連結子会社」という。)であります。
3 「相殺消去額」は、「国内」と「海外」間の取引に関する相殺額を記載しております。
4 資金調達費用は、金銭の信託運用見合費用(当連結会計年度6百万円)を控除して表示しております。
資金運用勘定平均残高は、13兆5,798億円となりました。資金運用利息は、1,586億8百万円となりました。この結果、資金運用利回りは1.16%となりました。
資金調達勘定平均残高は13兆6,044億円となりました。資金調達利息は、397億12百万円となりました。この結果、資金調達利回りは0.29%となりました。
(注) 1 平均残高は、原則として日々の残高の平均に基づいて算出しておりますが、国内連結子会社については、当連結会計年度末の残高に基づく平均残高を利用しております。
2 「国内」とは、当社及び国内連結子会社(海外店を除く)であります。
3 資金運用勘定は無利息預け金の平均残高(当連結会計年度645,300百万円)を、資金調達勘定は金銭の信託運用見合額の平均残高(当連結会計年度104,800百万円)及び利息(当連結会計年度6百万円)をそれぞれ控除して表示しております。
(注) 1 海外連結子会社の平均残高は、当連結会計年度末の残高に基づく平均残高を利用しております。
2 「海外」とは、国内連結子会社の海外店及び海外連結子会社であります。
3 資金運用勘定は無利息預け金の平均残高(当連結会計年度2,232百万円)を控除して表示しております。
(注) 1 「相殺消去額」は、「国内」と「海外」間の取引に関する相殺額を記載しております。
2 資金運用勘定は無利息預け金の平均残高(当連結会計年度647,533百万円)を、資金調達勘定は金銭の信託運用見合額の平均残高(当連結会計年度104,800百万円)及び利息(当連結会計年度6百万円)をそれぞれ控除して表示しております。
役務取引等収益は、769億39百万円となりました。また、役務取引等費用は、395億96百万円となりました。
(注) 1 「国内」とは、当社及び国内連結子会社(海外店を除く)であります。
2 「海外」とは、国内連結子会社の海外店及び海外連結子会社であります。
3 「相殺消去額」は、「国内」と「海外」間の取引に関する相殺額を記載しております。
特定取引収益は、37億23百万円となりました。また、特定取引費用の計上はありません。
(注) 1 「国内」とは、当社及び国内連結子会社(海外店を除く)であります。
2 「海外」とは、国内連結子会社の海外店及び海外連結子会社であります。
特定取引資産は、108億95百万円となりました。また、特定取引負債は、63億19百万円となりました。
(注) 1 「国内」とは、当社及び国内連結子会社(海外店を除く)であります。
2 「海外」とは、国内連結子会社の海外店及び海外連結子会社であります。
(注) 1 「国内」とは、当社及び国内連結子会社(海外店を除く)であります。
2 「海外」とは、国内連結子会社の海外店及び海外連結子会社であります。
3 ① 流動性預金=当座預金+普通預金+貯蓄預金+通知預金
② 定期性預金=定期預金+定期積金
4 「相殺消去額」は、「国内」と「海外」間の取引に関する相殺額を記載しております。
(注) 1 「国内」とは、当社及び国内連結子会社(海外店を除く)であります。
2 「海外」とは、国内連結子会社の海外店及び海外連結子会社であります。
「外国政府等」とは、外国政府、中央銀行、政府関係機関又は国営企業及びこれらの所在する国の民間企業等であり、日本公認会計士協会銀行等監査特別委員会報告第4号に規定する特定海外債権引当勘定を計上している国の外国政府等の債権残高を掲げることとしておりますが、2023年3月31日現在の当該外国政府等向け債権残高はありません。
(注) 1 「国内」とは、当社及び国内連結子会社(海外店を除く)であります。
2 「海外」とは、国内連結子会社の海外店及び海外連結子会社であります。
3 「その他の証券」には、外国債券及び外国株式を含んでおります。
4 「相殺消去額」は、「国内」と「海外」間の取引に関する相殺額を記載しております。
「金融機関の信託業務の兼営等に関する法律」に基づき信託業務を営む会社は株式会社静岡銀行1社です。
(注) 共同信託他社管理財産 当連結会計年度の残高は5百万円であります。
該当事項はありません。
(参考)
自己資本比率は、銀行法第52条の25の規定に基づき、銀行持株会社が銀行持株会社及びその子会社の保有する資産等に照らしそれらの自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準(2006年金融庁告示第20号)に定められた算式に基づき、連結ベースについて算出しております。
なお、当社は、国際統一基準を適用のうえ、信用リスク・アセットの算出においては基礎的内部格付手法を、オペレーショナル・リスク相当額の算出においては標準的計測手法を採用するとともに、マーケット・リスク規制を導入しております。
また、自己資本比率の補完的指標であるレバレッジ比率は、銀行法第52条の25の規定に基づき、銀行持株会社が銀行持株会社及びその子会社の保有する資産等に照らしそれらの自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準の補完的指標として定めるレバレッジに係る健全性を判断するための基準(2019年金融庁告示第12号)に定められた算式に基づき、連結ベースについて算出しております。
当社は、2023年3月末より、バーゼルⅢ最終化を早期適用しております。
連結自己資本比率(国際統一基準)
(単位:億円、%)
持株レバレッジ比率(国際統一基準)
(単位:%)
(資産の査定)
(参考)
資産の査定は、「金融機能の再生のための緊急措置に関する法律」(1998年法律第132号)第6条に基づき、株式会社静岡銀行の貸借対照表の社債(当該社債を有する金融機関がその元本の償還及び利息の支払の全部又は一部について保証しているものであって、当該社債の発行が金融商品取引法(1948年法律第25号)第2条第3項に規定する有価証券の私募によるものに限る。)、貸出金、外国為替、その他資産中の未収利息及び仮払金、支払承諾見返の各勘定に計上されるもの並びに貸借対照表に注記することとされている有価証券の貸付けを行っている場合のその有価証券(使用貸借又は賃貸借契約によるものに限る。)について債務者の財政状態及び経営成績等を基礎として次のとおり区分するものであります。
1.破産更生債権及びこれらに準ずる債権
破産更生債権及びこれらに準ずる債権とは、破産手続開始、更生手続開始、再生手続開始の申立て等の事由により経営破綻に陥っている債務者に対する債権及びこれらに準ずる債権をいう。
2.危険債権
危険債権とは、債務者が経営破綻の状態には至っていないが、財政状態及び経営成績が悪化し、契約に従った債権の元本の回収及び利息の受取りができない可能性の高い債権をいう。
3.要管理債権
要管理債権とは、三月以上延滞債権及び貸出条件緩和債権をいう。
4.正常債権
正常債権とは、債務者の財政状態及び経営成績に特に問題がないものとして、上記1から3までに掲げる債権以外のものに区分される債権をいう。
株式会社静岡銀行(単体)の資産の査定の額
「生産、受注及び販売の実績」は、銀行持株会社における業務の特殊性のため、該当する情報がないので記載しておりません。
当社は、当社の連結子会社である株式会社静岡銀行、静銀リース株式会社、静銀経営コンサルティング株式会社、静岡キャピタル株式会社、静銀ティーエム証券株式会社との間で当社が各社に対して行う経営管理について、2022年10月3日付で「経営管理に関する契約書」を締結しております。
該当事項はありません。