文中の将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において当社グループ(当社及び当社の関係会社)が判断したものであります。
(1)経営の基本方針
当社は、2022年10月3日に共同株式移転方式により、愛知銀行と中京銀行の完全親会社として設立されました。両行は本年1月1日に合併のうえシステム事務統合を完了し、株式会社あいち銀行として営業を開始いたしました。
当社グループの経営理念として経営ビジョン「VISION」を定め、「金融サービスを通じ、地域社会の繁栄に貢献する」とともに「MISSION」である「愛知県No.1の地域金融グループ」を目指してまいります。
(2)目標とする経営指標
当社は、2022年10月から2025年3月までを計画期間として「第1次中期経営計画」に取組んでまいりました。
第1次中期経営計画の目標とする主な経営指標は以下のとおりであります。
①トップライン目標
|
項目 |
2024年度目標 |
2024年度実績 |
|
貸出金利息 |
360億円 |
398億円 |
|
役務収益 |
160億円 |
167億円 |
|
うちソリューション関連手数料 |
39億円 |
54億円 |
②合併までの主要KPI(第1次中期経営計画)
|
項目 |
2024年度目標 |
2024年度実績 |
|
|
トップラインシナジーKPI |
戦略人財創出数 |
450人 |
515人 |
|
子銀行合併までの基盤強化 KPI ※1 |
中小企業等貸出残高 増加額 ※2 |
3,000億円 |
4,101億円 |
|
中小企業取引メイン先 増加数 ※2 |
1,000先 |
1,015先 |
|
|
ソリューション提案 増加件数 ※2 |
650件 |
774件 |
|
※1 あいち銀行の2024年4月1日から2025年3月31日までの計数と、2024年4月1日から2024年12月31日までの旧中京銀行の計数を合算
※2 2021年度対比
(3)中長期的な経営戦略
第1次中期経営計画のテーマを「Speed , Fusion & Chemistry」として合併新銀行のスタートダッシュに向けた重要な準備期間と位置づけ、続く2025年4月から2028年3月までの「第2次中期経営計画」はシナジー効果の早期発現を、2028年4月から2031年3月までの「第3次中期経営計画」は合併シナジーの最大化を目指す期間としております。
2022年10月から2025年3月までの第1次中期経営計画のテーマを「Speed , Fusion & Chemistry」として合併新銀行のスタートダッシュに向けた重要な準備期間と位置づけて、統合シナジーの創出や戦略人財の創出・育成を進めてまいりました。
第1次中期経営計画の締めくくりとなる2024年度において、「お客さまにダイナミックな進化を体験して頂けるコンサルティング・ソリューション型ビジネスモデルの準備完了」、「コンサルティング・ソリューション型ビジネスモデルでの新しい社員像の確立と必要人財像の創出・育成完了」、「合併後のシナジー発現に向けた主要KPIの着実な達成」を成し遂げるため、以下の重点4戦略に取組んでまいりました。
①「コンサルティング・ソリューション型ビジネスモデルへの完全移行準備」
今までになかった「商品・サービスラインナップ」「スピード感」「新しい行風・企業文化」をお客さまが感じられる営業店・本部体制を確立してまいります。
②「新ビジネスモデルに求められる人財像への社員の大規模シフト」
当社グループは人事基本方針を策定し、目指す人財像として、「あいちフィナンシャルグループの経営理念に基づき、チャレンジし続ける人財」、「顧客体験を変えるプロフェッショナル人財」、「営業店を支援する本部専門人財」、「業務改革に挑戦する人財」と定め、新ビジネスモデルに求められる人財の育成に取り組んでおります。
③「経営の効率化によるシナジー早期発現」
銀行合併およびシステム統合に関しては、経営統合から約2年と短期間で完了し、コストシナジーが発現し始めております。また合併新銀行でのノウハウ共有や協業分野の拡大を通じてスキルの向上を図り、トップラインシナジーの早期発現を目指しております。
④「プロジェクト『6』 FG設立後6か月間の集中PMI6施策」
シナジーの早期発揮、両行の行員融和によりお客さまの期待に応えられるサービスを提供するための重点施策として取組みしたプロジェクト『6』は、各種施策の検討・実行を速やかに進めるための枠組みとして継続しております。
(4)経営環境
当連結会計年度のわが国経済を振り返りますと、外国人旅行者によるインバウンド需要の大幅な増加、堅調な企業収益を背景とした脱炭素化やDX化、省力化に繋がる設備投資に持ち直しの動きがみられました。また、米国通商政策の不確実性は高まっているものの、人手不足や物価上昇の継続などを背景とした賃上げにより雇用・家計の所得環境が緩やかに改善していることなどから、景気は緩やかに回復しております。
当社グループの主要営業基盤である愛知県を中心とする当地域につきましても、建築コストの高止まりなどに伴う住宅価格の上昇により住宅投資に弱い動きがみられるものの、国内外の堅調な需要を背景に生産・輸出が増加基調にあることや、物価上昇などの影響を受けつつも個人の雇用・所得は緩やかに改善していることから、景気は緩やかに回復しております。
金融面をみますと、円の対米ドル相場は、前半は米国のインフレの再燃懸念により政策金利が高い水準で維持される見通しとなったことから、6月に161円台まで円安が進行しましたが、2024年7月と2025年1月の日本における政策金利の引上げと、更なる追加利上げ観測、米国の景気減速懸念に伴う長期金利の低下による日米金利差の縮小見通しなどから、当期末には149円台まで円が買い戻されました。
日経平均株価は、前半は米国半導体企業の好調な決算が国内ハイテク株の買材料となったことなどから、7月に4万2,000円台まで上昇しました。その後、日銀が積極的な追加利上げ姿勢を示したことによる相場の急落はありましたが、米景気の底堅さを支えにした上昇基調を経て、2月以降、トランプ米政権の追加関税導入表明に伴う世界的な景気不透明感の高まりにより自動車や輸出関連株を中心に相場が下落したことから、当期末の終値は35,617円となりました。
(5)優先的に対処すべき課題
金融業界を取り巻く環境は、人口や企業の減少など社会環境の変化や、海外諸国の景気減速やインフレ再燃の懸念、米国通商政策の変化、地政学的リスクなど経済環境の不確実性が高まっている状況にある中、事業を営むお客さまの経営課題や、個人のお客さまのライフスタイルの変化等により、お客さまのニーズは高度化・多様化しております。また、異業種から金融分野への参入により競争環境が激しくなっておりますが、銀行法の規制緩和を有効に活用するなどして、収益の柱となり得る新たな金融ビジネスを切り拓くことで、持続的な収益基盤を構築するとともに、地域金融機関として地域社会に貢献していくことが大きな課題のひとつであると考えております。
こうした環境認識のもと、2025年4月よりスタートした「第2次中期経営計画」では、「銀行を超えたトータルサポートグループ」をテーマに掲げ、3つの基本戦略「Ⅰ コンサルティング・ソリューション型ビジネスモデルの深化」、「Ⅱ グループ経営基盤の強化」、「Ⅲ DX戦略の加速化」を着実に実施していくことで、当社の経営理念の実現と、地域とともに持続的な成長を目指してまいります。
当社グループへの信頼を揺るぎないものとしていくため、インテグリティに基づく行動を実践し、コンプライアンス重視を第一とし、法令やルールを厳格に遵守するとともにリスク管理を徹底し、銀行持株会社による経営管理機能の高度化を進め、誠実かつ公正な業務運営を確立してまいります。
また、当社グループでは、気候変動や人的資本および多様性の確保への対応を含むサステナビリティへの取組みを経営の重要課題と捉え、2022年10月の設立と同時にサステナビリティ方針を制定し、TCFD提言への賛同を表明するとともに、昨年6月に本提言を踏まえた気候変動への対応状況をとりまとめたTCFDレポートを作成・公表いたしました。さらに、気候変動への対応に加え、自然資本・生物多様性の適切な保全に対する重要性が高まっている背景を捉え、昨年5月に自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)の取組みに賛同し、TNFDフォーラムへ参画いたしました。
これからも、気候変動・環境問題への対応を強化していくことにより、持続可能な環境・社会の実現にむけ貢献してまいります。
今後も「あなたの、いちばんちかくで。」をコーポレートスローガンに、「コーポレートガバナンス・コード」を踏まえ、あらゆるステークホルダーからの期待にお応えできる取組みを通じて、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を図ってまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)ガバナンス
当社グループでは、特定したマテリアリティに対して適切に対応し、当社グループのサステナビリティ経営の推進強化・中長期的な各種施策の実効性向上を図るため、当社にグループサステナビリティ委員会を設置しております。グループサステナビリティ委員会は、サステナビリティに係る重要事項についての戦略立案や、取組みにおける統括・進捗管理などを、主な協議、報告事項としております。2025年4月には、サステナビリティ経営の専門性を高め、サステナビリティに関するさまざまな課題への対応を強化するため、当社にグループサステナビリティ経営統括部、あいち銀行の総合企画部内にサステナビリティ推進グループを新設いたしました。
また、サステナビリティの取組みは、取締役会の監督を受け、強固なガバナンス体制のもとで運営されております。
サステナビリティの取組みにおける統括・進捗管理などは、グループサステナビリティ委員会へ半期に1回以上、取締役会へ年1回以上報告しております。重要事項については、取締役会、グループ経営会議に付議し、意思決定を行っております。
<グループサステナビリティ委員会の主な参加者>
・代表取締役社長 ・取締役 ・執行役員 ・各部の部長 ・社外取締役(監査等委員)
<2024年度のグループサステナビリティ委員会の主な協議・報告事項>
|
協議事項 |
・TCFD提言に基づく開示内容の高度化について[グループ経営会議付議] ・カーボンニュートラル達成年度の見直しについて ・TNFDへの賛同およびTNFDフォーラムへの参画について |
|
|
報告事項 |
サステナビリティ全般 |
・サステナビリティの取組状況について ・サステナビリティの取組みに関する課題について ・2024年度統合報告書の総括と2025年度に向けた課題について |
|
気候変動対応 |
・パーセフォニとの協業状況と取引先の脱炭素化支援の取組状況について ・CO2フリー電力利用拡大の取組みについて |
|
|
自然資本・生物多様性の保全 |
TNFDの情報開示に向けた今後の取組みについて |
|
|
人権尊重 |
人権課題マップの作成について |
|
|
人的資本経営 |
2024年度ESアンケートの結果分析について |
|
<マテリアリティと中期経営計画との関連性>
当社グループは、事業を通じて地域における社会課題の解決に貢献し、サステナブルな地域社会を実現するため、社会の課題を当社グループの事業機会として捉えながら、自社の経営課題とのさらなる同期化=“SX(サステナビリティ・トランスフォーメーション)”を目指しております。このような考えのもと、社会・当社グループいずれにとっても重要な課題(マテリアリティ)として、「地域社会繁栄への貢献」、「金融サービスの高度化」、「環境保全対応」、「従業員エンゲージメント向上と多様な人財の活躍推進」、「ガバナンスの強化」を特定しております。
また、2025年度よりスタートした第2次中期経営計画における基本戦略「コンサルティング・ソリューション型ビジネスモデルの深化」、「グループ経営基盤の強化」、「DX戦略の加速化」は、それぞれ5つのマテリアリティに紐づいており、3つの基本戦略を推進することで、マテリアリティの解決につなげてまいります。
<サステナビリティに関する方針>
当社グループでは、経営ビジョンのパーパスに“金融サービスを通じて、地域社会の繁栄に貢献します”を掲げ、その理念のもと、事業活動を通じ「持続可能な社会の実現」と「当社グループの持続的な成長」を目指しております。また、サステナビリティを巡るさまざまな課題への取組みに対し、当社グループ一体で推進していくため、サステナビリティ方針を策定しております。サステナビリティ方針は、「環境課題への対応方針」、「社会課題への対応方針」、「サステナビリティ推進体制」で構成されており、環境課題への対応方針では、事業活動を通じた環境負荷の低減や生物多様性の保全などに取り組むことを掲げております。
<あいちフィナンシャルグループ人権方針>
当社グループでは、2023年11月に「世界人権宣言」、「労働における基本的原則及び権利に関する国際労働機関(ILO)宣言」、「ビジネスと人権に関する指導原則」などの人権に関する国際的な基準に則り、あいちフィナンシャルグループ人権方針を制定しております。さまざまな活動を進めるうえで人権尊重を取り組むべき重要課題と認識するとともに、すべての事業活動において人権尊重の責任を果たしてまいります。
(2)戦略
①気候変動への対応
<気候変動に関連する機会とリスク>
当社グループでは、気候変動に関連する機会とリスクを分析しております。分析においては、短期・中期・長期の時間軸を設定しております。また、不確実性の高い気候変動の影響を捉えるため、IEA(国際エネルギー機関)の1.5℃シナリオ(NZEシナリオ)とIPCC(気候変動に関する政府間パネル)の4℃シナリオ(RCP8.5シナリオ)を用いて影響の程度を大・中・小に分類し、各機会とリスクの影響度の把握に努めております。また、把握した各機会とリスクに対し、サステナビリティ方針に基づいた取組みを行っております。
|
機会・リスクの分類 |
内 容 |
リスク カテゴリ |
シナリオ 影響の程度 |
時間軸 短期:2028年 中期:2030年 長期:2050年 |
当社グループの 取組み |
|||
|
1.5℃ |
4℃超 |
|||||||
|
リスク |
移行 リスク |
政策と 法規制 |
炭素税の導入によるコスト増加などによる取引先の事業活動への影響 |
信用リスク |
大 |
小 |
短期~長期 |
当社グループの営業基盤である愛知県の主要産業である自動車産業をはじめとした製造業の投融資先とのエンゲージメント強化や脱炭素化支援推進 |
|
市場 |
脱炭素社会への移行に伴う原材料価格の上昇による取引先の事業活動への影響 |
信用リスク |
大 |
小 |
短期~長期 |
|||
|
脱炭素社会への移行の影響を受ける産業に関連する保有有価証券などの価値の変動 |
市場リスク |
大 |
小 |
短期~長期 |
||||
|
評判 |
気候変動や環境保全への適切な対応・開示の遅れによる企業価値の低下 |
オペレーショナルリスク |
大 |
小 |
短期~長期 |
・社会的要請などへの適切な対応 ・非財務情報開示の充実 |
||
|
物理的 リスク |
急性 |
台風や洪水などの気象現象の深刻化による取引先の事業活動への影響や担保資産の価値毀損 |
信用リスク |
中 |
大 |
短期~長期 |
投融資先および当社グループに及ぼす影響額の算定 |
|
|
台風や洪水などの気象現象の深刻化による当社グループの営業拠点の被災 |
オペレーショナルリスク |
中 |
大 |
短期~長期 |
当社グループの防災・BCP対策の実施 |
|||
|
台風や洪水などの気象現象により取引先の資金繰りが悪化し、あいちFGの預金が流出 |
流動性リスク |
中 |
大 |
短期~長期 |
投融資先へ物理的リスクの啓蒙、BCP対策の啓発 |
|||
|
慢性 |
平均気温の上昇、海面上昇による取引先の事業活動への影響や担保資産の価値毀損 |
信用リスク |
小 |
大 |
長期 |
投融資先へ物理的リスクの啓蒙、BCP対策の啓発 |
||
|
機会 |
製品・サービス |
環境保全への取組みを行う取引先に対し、ESGファイナンスを含む設備投資などの資金需要増加に対する金融仲介機能の発揮 |
- |
大 |
小 |
短期~長期 |
・投融資先への脱炭素への取組啓発 ・投融資先への脱炭素支援の推進 ・サステナブルファイナンスの拡大 ・投融資先への補助金支援 |
|
|
脱炭素化・環境保全への対応に課題を抱える取引先に対するコンサルティング機能の発揮 |
- |
大 |
小 |
短期~長期 |
||||
|
資産効率 |
省エネルギー・再生エネルギー・新技術の活用による事業コストの低下 |
- |
大 |
中 |
短期~長期 |
当社グループの新店舗などのZEB化、省エネ化促進 |
||
|
強靭性 |
気候変動や環境保全への適切な対応・開示に伴う企業価値の向上 |
- |
大 |
中 |
短期~長期 |
非財務情報開示の充実 |
||
<気候変動に関連するビジネス機会>
■脱炭素化に資するファイナンス提供
お客さまの脱炭素化に向けた資金需要に対応するため、さまざまな融資商品を提供しております。
|
商品名 |
概要 |
取組金額※ |
|
サステナビリティ・リンク・ローン |
国際的な指針である「サステナビリティ・リンク・ローン原則」に基づいたSDGsやESGに関連した目標(サステナビリティ・パフォーマンス・ターゲット:SPTs)を設定し、SPTs達成状況に基づき金利のインセンティブを受けることができる融資商品であります。 脱炭素化に向けた目標を貸付条件と連動させることで目標達成への動機付けとなり、お客さまの脱炭素経営の促進に貢献しております。 |
73億円 |
|
サステナ経営応援ローン |
SDGsやESGに関連する経営目標(所定項目の中から1項目を選択)を設定し、経営目標達成状況に基づき金利のインセンティブを受けることができる融資商品であります。 経営目標にGHG(温室効果ガス)排出量を設定することにより、お客さまの脱炭素化に向けた取組みの促進に貢献しております。 |
1,153億円 |
|
ポジティブ・インパクト・ファイナンス |
国際的な金融原則の枠組みに沿った融資商品で、お客さまの企業活動が環境・社会・経済に及ぼす影響を包括的に分析・評価(以下、「インパクト評価」)いたします。インパクト評価により特定されたポジティブな影響の増大とネガティブな影響の低減に向けた取組みに対して、目標を設定し、モニタリングを実施することで、脱炭素化への取組みを継続的に支援いたします。 |
90億円 |
|
グリーンローン |
環境改善を目的とする事業(グリーンプロジェクト)に資金使途が限定される融資商品であります。実行後の資金の追跡管理およびレポーティングによる資金使途の透明性確保を通じて、お客さまの環境に配慮した事業活動を支援いたします。 |
64億円 |
|
グリーンボンド、トランジションボンド、トランジションリンクボンドへの投資 |
企業や地方自治体などが、環境に配慮した事業(グリーンプロジェクト)に資金を投じるために発行されるグリーンボンドや、脱炭素社会移行(トランジション)のための資金調達を目的として発行されるトランジションボンド、脱炭素社会の実現に向けて企業が設定した目標の達成状況に応じて条件等が変動するトランジションリンクボンドへの投資を通じて、社会の脱炭素化への取組みに貢献しております。 |
337億円 |
※2022年4月からの累計金額
■お客さまの脱炭素化支援
企業の脱炭素への取組みは、GHG排出量の①知る、②測る、③減らす、の3つのステップで進めていきます。当社グループでは、各ステップにおいてお客さまへの支援体制を整え、脱炭素化を支援しております。
|
ステップ |
主な支援内容 |
|
|
①知る |
①-1情報の収集 気候変動に関する情報や潮流、取引先の動向を把握する ①-2方針の検討 自社の状況を踏まえ、脱炭素で目指す方向性を検討する |
・お客さま向けセミナーの開催 ・渉外行員による情報提供 ・専門コンサルタント(外部提携先)の紹介 ・「あいぎん脱炭素宣言サポート」の提供 取引先の脱炭素への取組状況を確認し、見える化した結果をフィードバック、脱炭素経営に向けたソリューション提案を行います。また、「脱炭素経営宣言」の策定を支援いたします。 |
|
②測る |
②-1排出量の見える化 事業活動におけるGHG排出量を算定する ②-2削減ターゲットの特定 主な排出源となる事業活動や設備を特定し、優先的に取り組む範囲を決める |
・取引先のGHG排出量算定サポート 炭素会計プラットフォーム「Persefoni Pro」を活用し、取引先のGHG排出量算定を支援いたします。 |
|
③減らす |
③-1削減計画の策定 削減対策および実施計画を策定する ③-2削減対策の実行 削減対策を実行し、定期的に取組みの見直しを行う |
<削減計画策定> 外部提携先コンサルタントとの連携による計画策定支援 <省エネ化> ・社内カンパニー「栄町コンサルティング」による生産現場改善支援 ・省エネ設備・生産設備メンテナンスを取り扱う企業の紹介 ・補助金申請支援 <再エネ化> ・PPA(電力購入契約)の紹介 ・CO2フリー電力の紹介 ・再エネ設備(太陽光発電など)を取り扱う企業の紹介 ・蓄電池を取り扱う企業の紹介 ・脱炭素関連の補助金・助成金申請支援 <カーボンオフセット> カーボンクレジット創出および調達サービスを行う企業の紹介 <資金調達> サステナブルファイナンスによる資金調達支援 |
■協働による脱炭素の取組み
企業や官公庁などとの協働により、社会の脱炭素化に貢献しております。
<2024年度の主な取組み>
|
省エネ・地域パートナーシップへの参加 |
地域で中小企業等の省エネを支援するため、経済産業省 資源エネルギー庁が立ち上げた枠組み「省エネ・地域パートナーシップ」にパートナー機関として参加いたしました。経済産業省資源エネルギー庁及び省エネ・地域パートナーシップ事務局と、中小企業の身近な相談先であるパートナー機関などとの間で、省エネ政策・取組みなどに関する各種情報の提供や交換を行いながら、中小企業の省エネ支援を実践しております。 |
|
合同の自動車サプライヤー向けセミナーの開催 |
あいち銀行では、百五銀行、三菱UFJ銀行とともに、自動車サプライヤー向けセミナーとして「自動車業界の“今”とカーボンニュートラルの実現に向けた“未来”への取り組み」を開催いたしました。自動車サプライヤーの取引先企業を対象に、自動車業界の最新動向を伝えるとともに、カーボンニュートラルへの取組事例をご紹介いたしました。 |
|
脱炭素経営セミナー豊橋の共催 |
リコージャパン株式会社、三井住友信託銀行とともに「脱炭素経営セミナー豊橋」を開催いたしました。 脱炭素に関心を持つ地域の企業を対象に、2050年に向けた脱炭素社会の具体的な設計と実装について、実践事例を交えてご紹介いたしました。 |
|
西尾市、東邦ガス株式会社、株式会社バイウィルとの連携協定の締結 |
あいち銀行では、西尾市、東邦ガス株式会社、株式会社バイウィルと「カーボンニュートラルの実現に向けた取組に関する連携協定」を締結いたしました。本協定は、家庭用燃料電池システムや太陽光発電システムの導入、LED化や水稲栽培による温室効果ガスの削減効果をJ-クレジットに換え、それを有効利用することで、西尾市のカーボンニュートラルに向けた取組みを加速させることを目的とするものであります。それぞれが持つ知見やノウハウを活用して相互に連携・協力することにより、西尾市の2050年カーボンニュートラル実現に向けた取組みを推進してまいります。 |
|
蒲郡市及び株式会社バイウィルとの連携協定の締結 |
あいち銀行では、蒲郡市、株式会社バイウィルとゼロカーボンシティの実現に向けた連携協定を締結いたしました。本協定は、3者がJ-クレジットをはじめとした各種環境価値に関する情報共有や事業の推進等を通じて相互の連携を強化し、地域におけるカーボンニュートラル及びサーキュラーエコノミーの実現に寄与することを目的とするものであります。相互の連携を強化し、蒲郡市におけるカーボンニュートラル、サーキュラーエコノミーの実現に向けた取組みを推進してまいります。 |
<シナリオ分析>
気候変動リスクが当社グループに及ぼす影響を把握することを目的に、移行リスクおよび物理的リスクについてシナリオ分析を実施しております。
■移行リスク
移行リスクの分析対象として、TCFD提言で気候変動の影響を受けやすいとされている業種から、当社グループにおいて移行リスクの影響が大きいと考えられる「電力セクター」「自動車セクター」「不動産セクター」を選定いたしました。分析の詳細は以下の通りであります。
|
対象セクター |
電力セクター・自動車セクター・不動産セクター |
|
|
選定理由 |
電力セクター |
電力セクターのGHG排出量はセクター別でみた日本の排出量の約40%を占めているため |
|
自動車セクター |
当社グループの営業エリアである愛知県における主要産業であるため |
|
|
不動産セクター |
あいち銀行の総貸出残高に対する不動産業の融資残高の占める割合が高いため |
|
|
シナリオ |
IEAの1.5℃シナリオ |
|
|
分析内容 |
炭素税の導入による費用増加が財務内容に与える影響を分析 |
|
|
対象期間 |
2025年3月末基準とし、2050年までを対象期間として試算 |
|
|
分析結果 |
与信コストへの影響額について、単年度53億円程度の増加(2025年3月末基準) |
|
■物理的リスク
IPCCの4℃シナリオを参考に、洪水発生頻度の上昇を想定したうえで、浸水が想定される当社グループの営業拠点(ハザードマップ参照)の取引先の不動産担保毀損が与信コストに与える影響を分析いたしました。分析の詳細は以下の通りであります。
|
シナリオ |
IPCCの4℃シナリオを参考 |
|
分析内容 |
洪水発生頻度の上昇を想定したうえで、浸水が想定される当社グループの営業拠点(ハザードマップ参照)の取引先の不動産担保毀損が与信コストに与える影響を分析 |
|
分析対象 |
水害、事業性与信を対象に試算 |
|
対象期間 |
2025年3月末基準とし、2050年までを対象期間として試算 |
|
分析結果 |
与信コストへの影響額について、累計12億円程度の増加(2025年3月末基準) |
なお、シナリオ分析の結果は、一定の前提条件の下で試算しております。
今回の前提条件での試算では、当社グループへの影響は限定的なものとなりましたが、分析手法を含む前提条件については、今後も継続的に見直しを検討し精緻化に努めてまいります。
②自然資本・生物多様性の保全について
<当社グループと自然資本との関係性>
近年、持続可能な社会を実現するために、気候変動への対応に加え、自然資本・生物多様性の適切な保全に対する重要性が高まっております。 当社グループの事業基盤である愛知県は、山地帯の奥山生態系、丘陵地の里地里山生態系、農地や都市のひろがる平野生態系、海辺の藻場や干潟といった里海・沿岸生態系、河川・水辺生態系、湿地湿原生態系といった多種多様な生態系が存在する地域であります。また、県内では、動物約12,450種、植物約4,490種が確認され,うち動物364種、植物529種が絶滅のおそれがあると評価されております。(※愛知県 あいち生物多様性戦略2030(概要版)より)
当社グループでは、マテリアリティに「環境保全対応」を掲げており、愛知県を事業基盤とする地域金融機関として、県内の自然資本・生物多様性の保全に取り組んでいくことは不可欠と認識しております。TNFDフォーラムへの参画により、自然資本・生物多様性の適切な保全に関する取組みを推進することで、地域の持続可能な環境・社会の実現を目指してまいります。
また、TNFD提言ではLEAPアプローチに基づいて、自社の事業活動に関する自然資本への「依存」や「影響」を把握し、リスクや機会を特定し開示することが推奨されております。
企業の事業活動は、原材料調達・製造・販売・消費・廃棄などのバリューチェーン全体で、自然資本に依存し、影響を及ぼしております。当社グループを含む金融機関は、自社の事業活動において自然資本に依存し、影響を与えるだけでなく、投融資を通じ、取引先の事業活動とのつながりを持っております。そのため、金融機関は、お客さまの自然資本への依存や影響を把握し、適切なリスク管理を行う必要があり、また、自然資本に関連するビジネス機会につなげることができると考えております。
<LEAPアプローチに基づく取組状況>
LEAPアプローチは、自然への配慮を企業のバリューチェーンや金融機関などのポートフォリオのリスク管理プロセスに組み込むための実践的なガイダンスであります。
当社グループでは、LEAPアプローチに基づき、「①発見する」における自然資本との接点の把握、「②診断する」における依存関係と影響の特定、依存度・影響度の分析を行いました。
2025年度以降、「③評価する」に該当するリスクと機会の特定・評価を進めるとともに、分析の高度化・開示の充実を図ってまいります。
<ENCORE分析の結果>
当社グループでは、TNFD提言で推奨されているセクターや地理情報に基づいて自然への依存や影響の大きさを把握するツールである「ENCORE」を活用し、自社の事業活動と自然資本の依存関係・影響について分析を行いました。ENCORE分析の結果、「依存」については、多くのセクターの企業活動が「水」に依存していることが示され、 「影響」については、多くのセクターの企業活動において、「撹乱(騒音・光害)」、「有害土壌・水質汚染物質の排出」に対する影響が大きいことが示されました。また、セクター別で見ると、特に「素材」と「食品・飲料」が自然資本に依存し、影響を与えている結果となりました。
今後、分析の高度化および分析結果を踏まえ、投融資残高や地域における重要性などを考慮の上、重点セクターの特定などの分析を進めてまいります。
<自社拠点の依存・影響の分析>
TNFD提言では、企業に対して自社が直接操業する拠点が自然資本関連の重要な地域であるかどうか特定し、自然関連の依存と影響、リスクと機会を特定し、評価、優先順位付け、モニタリングすることを求めております。
当社グループでは、自然資本に影響を与えている可能性のある自社拠点を把握するため、当社グループの拠点が最も多い愛知県名古屋市内の店舗について、名古屋市環境局が公表しております「生物多様性重要エリアマップ」を活用し、生物多様性保全上の重要なエリアとの接点を調査いたしました。
その結果、庄内川の河川沿岸、大高緑地周辺など、名古屋市内の16店舗の近隣に希少種が生息・生育しているなど生物多様性保全上の重要なエリアが存在していることを確認いたしました。
今後、自社のオペレーションが生物多様性に与える影響の大きさや、自然資本との依存と影響の分析を検討してまいります。
<当社グループの自然資本・生物多様性への取組み>
当社グループでは、地域の自然資本・生物多様性の適切な保全を図るため、さまざまな取組みを実施しております。
|
「あいち生物多様性企業認証制度」の認証取得 |
あいち銀行では、愛知県より「あいち生物多様性認証企業」に認証されました。愛知県では、「あいち生物多様性戦略2030」(2021年2月策定)に基づき、各地域において、企業、大学、環境保全団体、行政などの多様な主体の連携による生物多様性保全に関する取組みを推進しております。企業の生物多様性保全に関する取組みを促進するため、本制度を通じて優れた取組みを実践している企業を愛知県が認証し、取組意欲の醸成と他企業への波及を図り、優良な取組みが県内に広がることを目指してまいります。 |
|
竹島水族館との清掃活動 |
海洋生物の生態環境のため、竹島水族館の指導の下、近隣にて清掃活動を実施いたしました。また、竹島水族館のSDGs取組みの推進に向けて、ノベルティ配布を行い来場者における生態環境の保護に向けた意識醸成・普及啓発を行いました。(参加人数89名) |
|
藤前干潟の清掃活動 |
市民団体によって実施される「藤前干潟クリーン大作戦」に参加いたしました。本企画の目的である①ラムサール条約に恥じない藤前干潟にする、②子供たちが安心して遊べる干潟や川を取り戻す、③流域全体のごみや水のことを考えるネットワークを形成する、に賛同し、生態環境の保護意識の醸成を目的に参加いたしました。(参加人数45名) |
|
海洋生物の生態環境や保護活動に関する勉強会 |
海洋生物の生態環境や保護活動についての知見を深める勉強会を開催いたしました。南知多ビーチランドの職員を講師に迎え、生態環境の保護について行員が考える機会を創出いたしました。(参加人数65名) |
|
堀川の清掃活動 |
堀川における生態環境の保護のため、清掃活動を実施いたしました。(参加人数60名) |
③人事基本方針および社内環境の整備について
(イ)人財育成方針
・当社グループは、「人事基本方針」に基づいて「あいちFGのめざす人財像」を定め、経営統合の効果最大化に向けて人財育成に取り組んでいます。
・具体的な取組みとして、期初に支店長が所属行員全員と話し合ったうえで自店の人財育成上の課題を踏まえた「人財育成方針」を策定し、人財育成に取り組んでいます。
(ロ)社内環境整備方針
・すべての社員が幸せを実感できるよう、人財育成に加えて、ワークライフバランスの実現と、能力やスキルを最大限に発揮し働きがいを実感できる環境の整備を進めています。
具体的には、誰もがいきいきと働き続けられる環境を目指すための「ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン推進」、「健康経営・働き方改革」に取り組み、従業員エンゲージメント向上につなげることで「ES経営」を実践します。
・従業員エンゲージメント向上については、第2次中期経営計画において、2027年度までに「ESアンケート(従業員エンゲージメント調査)満足度80%」をマテリアリティKPIに掲げて取り組みます。
<人的資本経営の強化>
<社内環境整備に関する指標>(あいち銀行)
|
|
2022年度 |
2023年度 |
2024年度 |
|
従業員満足度スコア(※1) |
78.9P |
77.5P |
78.3P |
|
研修投資(年間研修費用)(※2) |
99,056千円 |
127,703千円 |
98,370千円 |
(※1)全職員に実施した「ESアンケート」(50問)の回答結果を数値化し、最大値は100
(※2)2024年10月~2025年2月の5ヵ月間は、合併に伴う「研修凍結期間」とし研修を自粛
(3)リスク管理
①気候変動への対応
<気候変動のリスク管理プロセス>
当社グループの直面するリスクに関しては、リスクの種類毎に評価したリスクを総体的に当社グループの経営体力と比較・対照していく自己管理型のリスク管理である「統合的リスク管理」を行うことで、経営の健全性を確保しております。
気候変動リスク及び機会は、事業活動や財務内容に影響を及ぼす可能性があることを認識のうえ管理してまいります。具体的には、気候変動がもたらす当社グループ取引先の事業活動への影響および業況の変化などによる信用リスクや当社グループ営業拠点の被災などによるオペレーショナルリスクを中心に管理し、必要に応じて各種対策を講じてまいります。
<気候変動に関連するリスク>
当社グループでは、気候変動に関するリスクを「信用リスク」、「市場リスク」、「流動性リスク」、「オペレーショナルリスク」の4つに整理しております。気候変動により生じる可能性のある移行リスクおよび物理的リスクの事例は以下の通りとなります。
|
リスク分類 |
定義 |
移行リスクの事例 |
物理的リスクの事例 |
時間軸 短期:2028年 中期:2030年 長期:2050年 |
|
信用リスク |
信用供与先の財務状況の悪化などにより、資産の価値が減少ないし消失し、当社グループが損失を被るリスク |
政策、規制、顧客の要請、技術開発の変化に対応できないことによる取引先の事業活動や財務への影響 |
異常気象による顧客資産への直接的な損害や、サプライチェーンへの間接的な影響に伴う、顧客の事業や財務への波及 |
短期~長期 |
|
市場リスク |
金利、有価証券などの価格、為替などの様々な市場のリスク・ファクターの変動により、保有する資産・負債の価値が変動し当社グループが損失を被るリスク、および資産・負債から生み出される収益が変動し当社グループが損失を被るリスク |
脱炭素社会への移行の影響を受ける産業に関連する保有有価証券の価値の変動 |
異常気象の影響による市場の混乱、それに伴う保有有価証券の価値の変動 |
短期~長期 |
|
流動性リスク |
運用と調達の期間のミスマッチや予期せぬ資金の流出により、必要な資金確保が困難になる、また通常よりも著しく高い金利での資金調達を余儀なくされることにより損失を被るリスク、市場の混乱などにより市場において取引ができなかったり、通常よりも著しく不利な価格での取引が余儀なくされることにより損失を被るリスク |
脱炭素社会への移行への対応の遅れに伴うレピュテーションの低下による市場調達環境の悪化 |
異常気象で被災した取引先の復旧・復興に向けた預金引出に伴う資金流出の増加 |
短期~長期 |
|
オペレーショナルリスク |
内部プロセス、役職員の行動が不適切であること、もしくはシステムが正しく機能しないこと、または外生的事象により、直接的または間接的に当社グループが損失を被るリスク |
脱炭素社会への移行への対応の遅れに伴うレピュテーションの悪化 |
異常気象による被災に伴う営業拠点やデータセンターにおける業務の中断 |
短期~長期 |
<持続可能な社会の実現に向けた投融資方針>
当社グループは、環境・社会に影響を与える可能性のある特定の事業・セクターへの投融資に関し、以下の取組方針に基づき、適切に対応することで持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
・環境・社会にポジティブな影響を与える事業などに対する取組方針
(イ)脱炭素化社会への移行・省エネルギー・再生可能エネルギーに係る事業活動を積極的に支援します。
(ロ)高齢化・少子化などの課題に対応する医療・福祉・教育の充実に係る事業活動を積極的に支援します。
(ハ)事業承継、地域社会の発展に寄与する創業、イノベーション創業など持続的な社会形成にポジティブな影響を与える事業活動を積極的に支援します。
(ニ)社会インフラの維持・発展、地域の防災・減災に資する事業活動を積極的に支援します。
・環境・社会にネガティブな影響を与える可能性が高い特定の事業・セクターに対する取組方針
[セクター横断的]
(イ)児童労働・強制労働・人身取引などに関する事業
当社グループ人権方針や国際的な人権基準(世界人権宣言、ビジネスと人権に関する指導原則など)の主旨に反する児童労働や強制労働・人身取引など、人権侵害が行われている事業への投融資は取り組みません。
(ロ)紛争地域における人権侵害に関する事業
紛争地域においては、人権に関する重大な負の影響を及ぼす可能性があることを認識しています。紛争地域における人権侵害を引き起こす、または助長する事業、あるいは人権侵害と直接的に結びついている事業について、十分注意したうえで慎重に対応します。
(ハ)その他の事業
違法または違法目的の事業、公序良俗に反する事業、ワシントン条約に違反する事業、ラムサール条約指定湿地へ負の影響を与える事業への投融資は取り組みません。
[特定セクター]
(イ)石炭火力発電事業
石炭火力発電所の新規建設資金および温室効果ガスの増加に繋がる拡張案件の投融資は取り組みません。ただし、災害時対応や日本政府のエネルギー政策に沿った案件などを例外的に検討する場合は、慎重に対応します。
(ロ)非人道兵器製造・開発事業
クラスター弾、核兵器、生物・化学兵器、対人地雷の製造・開発を行う企業への投融資は取り組みません。
(ハ)森林伐採事業・パーム油農園開発事業
木材、パーム油などは日常生活や社会の維持に欠かせない重要な原料である一方、違法伐採などの大規模な森林破壊は気候変動や生態系へ重大な負の影響を及ぼす可能性を認識しています。環境および社会配慮の状況に十分注意したうえで慎重に対応します。
■2025年度の変更点
当社グループは2024年5月にTNFDフォーラムに参画しており、自然資本・生物多様性の適切な保全に関する取組みを推進しております。当社グループが営業基盤とする愛知県には、藤前干潟や東海丘陵湧水湿地群といったラムサール条約に登録されている湿地が存在しており、これらの自然の保全を図るため、投融資の禁止事業としてラムサール条約指定湿地へ負の影響を与える事業を追加いたしました。
■投融資方針の準拠状況の確認プロセスについて
あいち銀行では、融資取り上げ時に「持続可能な社会の実現に向けた投融資方針」に則していることを確認するプロセスを導入しております。この確認プロセスの適切な運用により、地域の持続可能な社会の実現を目指してまいります。
<炭素関連資産>
TCFD提言が開示を推奨する炭素関連資産について、セクター毎の融資残高および全セクターに占める割合は、以下の通りであります。
|
(単位:百万円、%) |
|
セクター |
融資残高 |
シェア |
||
|
エネルギー |
石油・ガス |
28,724 |
1.00 |
2.82 |
|
石炭 |
224 |
0.01 |
||
|
電力・ユーティリティ |
51,902 |
1.81 |
||
|
運輸 |
航空貨物 |
2,505 |
0.09 |
9.48 |
|
旅客運輸 |
799 |
0.03 |
||
|
海上輸送 |
3,864 |
0.13 |
||
|
鉄道輸送 |
38,107 |
1.33 |
||
|
トラックサービス |
109,581 |
3.83 |
||
|
自動車及び部品 |
116,476 |
4.07 |
||
|
素材・建築物 |
金属・鉱業 |
47,930 |
1.67 |
42.23 |
|
化学 |
65,683 |
2.29 |
||
|
建設資材 |
38,945 |
1.36 |
||
|
資本財 |
555,848 |
19.42 |
||
|
不動産管理・開発 |
500,680 |
17.49 |
||
|
農業・食料・林産物 |
飲料 |
20,406 |
0.71 |
3.22 |
|
農業 |
3,141 |
0.11 |
||
|
加工食品・加工肉 |
44,050 |
1.54 |
||
|
製紙・林業製品 |
24,443 |
0.85 |
||
|
合計 |
1,653,309 |
57.75 |
||
*対象アセット:法人・個人事業主向け一般事業性融資
(リパッケージローンなどの政策的貸出除く)
*対象残高:2025年3月末時点の融資残高
*セクター分類方法:当社グループにおける業種分類を環境省が公表している日本標準産業分類とTCFD18分類の紐づけ表により、TCFDが定義するセクター分類へ割り振り
②人権尊重の取組み
当社グループでは、事業活動に関わる人権リスクを特定・評価し、重要な課題に優先的に対応することで人権尊重の取組みをより効果的かつ持続的に推進するため、人権課題マップを作成いたしました。なお、作成した人権課題マップは、内外の事業環境の変化を踏まえて今後、継続的に見直してまいります。
<人権課題マップ>
[作成プロセス]
|
1.人権課題の抽出 |
国際的な人権基準であるILO宣言・国際人権章典等における人権課題を参考に、当社グループにとって顕著な人権課題を抽出。 |
|
2.ステークホルダー別(自社・投融資先・サプライヤー)に想定される人権課題の整理 |
ステークホルダー別に抽出した人権侵害リスクが発生し得るか整理。 |
|
3.人権侵害リスクの発生過程の特定(具体的な人権侵害例) |
整理した人権侵害リスクの具体的な事例を特定。 |
|
4.抽出した人権課題を深刻度と発生可能性の2軸で評価 |
整理した人権課題・人権侵害リスクについて、負の影響の規模(影響がどれくらい重大あるいは深刻であるか)、負の影響の及ぶ範囲(影響を受けた人々の数)、是正不能性(影響を受けた人々について負の影響を受ける前の状況と少なくとも同一または同等の状況に回復させることができる限界)の3つの基準で各人権課題の深刻度を評価するとともに、当社グループが関与した人権侵害の発生可能性の評価を実施。 |
<人権尊重に関する取組内容>
当社グループの人権尊重に関する主な取組みは、以下の通りであります。今後、人権課題マップの結果を踏まえて、優先的に対応すべき人権課題への対応強化を検討してまいります。
・お客さまに対する取組み
|
高齢者や障がいのあるお客さまへの取組み |
あいち銀行では、「認知症サポーターの配置」や「筆談対応窓口の設置」などにより、高齢者や障がいのあるお客さまが安心・安全に来店いただけるようにしております。 「成年後見制度」や「日常生活自立支援事業」を利用されていないお客さまが、預金取引行為が困難となった場合に備え、日常生活資金の出金などの預金取引について、お客さまが指定した代理人による手続きが可能です。 |
|
ジェンダー平等に関する取組み |
あいち銀行では、働きやすい社会づくりの一環として、希望されるお客さまに旧姓による預金口座の開設を行っております。 |
|
LGBTQに対する取組み |
あいち銀行では、住宅ローンにおける配偶者の定義に「同性パートナー」を追加し、同性パートナーとのペアローンや収入合算による申込が可能となっております。 |
|
融資取引先に対する取組み |
あいち銀行では、融資取上げ時にお客さまの「あいちフィナンシャルグループ人権方針」の準拠状況を確認するプロセスを導入しております。確認の結果、準拠していないことが判明した場合には、当社グループとして適切に対応し、お客さまとの対話を通じて、適切な対応をとるよう働きかけてまいります。また、愛銀リースでもリース取組み時に同様の確認プロセスを導入しております。 |
・役職員に対する取組み
|
長時間労働防止の取組み |
役職員の長時間労働を防止する取組みとして、36協定違反の有無や、時間外労働時間のモニタリングにより労働時間の管理と改善に努めております。 |
|
結社の自由・団体交渉権の尊重について |
あいち銀行では従業員組合が組織されております。銀行と組合がお互いの立場を考え、尊重しながら、さまざまなテーマについて定期的に協議しております。 |
・救済窓口の設置
|
役職員向けのハラスメント相談窓口の設置 |
あいち銀行では、セクシャルハラスメントやパワーハラスメントなどの相談窓口を設け、メールや電話など、さまざまな手段を通じて相談に対応し、働きやすい職場づくりに取り組んでおります |
|
お客さま・サプライヤー向けの人権相談窓口の設置 |
あいち銀行では、「お客さま相談窓口」において、お客さま・サプライヤーからの人権侵害に関する相談を受付しております。 |
(4)指標及び目標
①気候変動への対応
(イ)GHG排出量削減目標(Scope1、2)及びGHG排出量(Scope1、2)
・GHG排出量削減目標(Scope1、2)
当社グループのGHG排出量 (Scope1,2)については、当初「2030年度のGHG排出量を2013年度比70%削減し、2050年度までのカーボンニュートラルを目指す」ことを目標に掲げておりました。しかし、GHG排出量の削減に向けた取組みを進めた結果、2025年2月に目標の上方修正を行い、「2030年度までにカーボンニュートラルを達成する」としております。以下の取組みを進めることで、2030年度までのカーボンニュートラル達成を目指してまいります。
|
Scope1 |
営業車両のガソリン車からハイブリッド車・EV車への切り替え |
|
Scope2 |
・既存建物の省エネ化促進(老朽化した空調設備の更新、照明のLED化拡大など) ・CO2フリー電力の導入拡大 ・太陽光発電設置・PPA活用などの検討・実施 ・新築建物における省エネ対策(ZEB対応の店舗など) |
|
カーボンオフセット |
カーボンオフセット導入に向けた調査・検討・実施 |
・GHG排出量(Scope1、2)※2024年度は速報値
|
(単位:t-CO2、%) |
|
|
2013年度 |
2018年度 |
2019年度 |
2020年度 |
2021年度 |
2022年度 |
2023年度 |
2024年度 |
|
Scope1・2 |
9,222 |
8,484 |
8,052 |
7,581 |
5,395 |
3,722 |
3,832 |
4,193 |
|
Scope 1 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
Scope 2 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
削減率 |
0 |
-8.0 |
-12.6 |
-17.7 |
-41.4 |
-59.6 |
-58.4 |
-54.5 |
*Scope1(直接排出)ガソリン、ガス、軽油など
*Scope2(間接排出)電気
*Scope1、2については、2023年度まで合併前の愛知銀行、中京銀行のGHG排出量のみを算定範囲としてまいりましたが、2024年度より算定範囲を当社グループの連結子会社まで拡大いたしました。これに伴い、今年度より、基準年度の2013年度および2018~2023年度のGHG排出量についても、連結子会社のGHG排出量を合算した数値としております。
*前年度対比における2024年度GHG排出量実績の増加要因は、Scope2(電気)の算定で使用している排出係数が昨年度より引き上げられたことによるものであります。
<GHG排出量削減に向けた主な取組み>
・2025年4月よりあいち銀行の店舗および店外ATM、諸施設にCO₂フリー電力を拡大
これにより、あいち銀行の本店、愛知県・岐阜県・三重県・静岡県の店舗および諸施設(テナント店舗・諸施設は除く)においてCO₂フリー電力を利用していることになります。
・ガソリン車からハイブリッド車、EV車への切り換え
2024年度実績:ガソリン車からハイブリッド車へ32台入れ替え
(ロ)GHG排出量(Scope3)※速報値
|
(単位:t-CO2) |
|
算定項目 |
2024年度 |
|
|
カテゴリ1 |
購入した製品・サービス |
19,185 |
|
カテゴリ2 |
資本財 |
6,648 |
|
カテゴリ3 |
Scope1・2に含まれない燃料およびエネルギー関連活動 |
917 |
|
カテゴリ4 |
輸送・配送(上流) |
2,249 |
|
カテゴリ5 |
事業活動から出る廃棄物 |
10 |
|
カテゴリ6 |
出張 |
448 |
|
カテゴリ7 |
雇用者の通勤 |
1,008 |
|
カテゴリ15 |
投融資(事業性融資) (上場株式・社債) |
9,191,858 4,070,517 |
|
合計 |
|
|
*Scope3の算定対象はあいち銀行のみ
*各カテゴリの主な算定内容および算定方法
・カテゴリ1:通帳、カード、事務用品、修繕代、メンテナンス代など
・カテゴリ2:建物、動産、ソフトウエア
・カテゴリ3:Scope1・2に含まれない電力
・カテゴリ4:行内メール便、郵便代など
・カテゴリ5:産業廃棄物、雑誌、新聞など
・カテゴリ6:GHG排出量=Σ(従業員数×排出原単位)
・カテゴリ7:GHG排出量=(勤務形態・都市階級別)Σ(従業員数×営業日数×排出原単位)
*カテゴリ1~5は、パーセフォニ社が提供する炭素会計プラットフォームを活用し算定
(ハ)GHG排出量(Scope3 カテゴリ15:ファイナンスド・エミッション)※速報値
当社グループでは、2023年度よりPCAFに厳密に準拠するパーセフォニ社が提供する炭素会計プラットフォームを活用し、ファイナンスド・エミッションの算定を行っております。2024年度は、従来の事業性融資に加え、保有する上場株式・社債を算定対象に含めることで、算定対象範囲を拡大いたしました。また、算定の網羅性を高めるため、データクオリティスコア5による算定を行ったことで、算定カバー率は100%となりました。
なお、今回の算定結果は、お客さまによる開示の拡大や推計メソドロジーの進化、業種分類の変更などにより今後大きく変化する可能性があります。
・事業性融資(2024年度)
|
|
|
セクター |
Scope1・2 |
Scope3 |
算定 カバー率 |
|||
|
GHG排出量 (t-CO2) |
DQ スコア |
GHG排出量 (t-CO2) |
DQ スコア |
|||
|
エネルギー |
石油・ガス |
109,828 |
3.30 |
264,013 |
3.30 |
100% |
|
石炭 |
6,253 |
4.00 |
1,537 |
4.00 |
100% |
|
|
電力・ユーティリティ |
81,552 |
2.87 |
505,693 |
2.87 |
100% |
|
|
運輸 |
航空貨物 |
806 |
3.52 |
1,750 |
3.52 |
100% |
|
旅客運輸 |
2,653 |
2.10 |
794 |
2.10 |
100% |
|
|
海上輸送 |
18,720 |
3.74 |
20,046 |
3.74 |
100% |
|
|
鉄道輸送 |
13,644 |
2.52 |
24,360 |
3.09 |
100% |
|
|
トラックサービス |
10,055 |
3.99 |
212,170 |
3.99 |
100% |
|
|
自動車及び部品 |
53,362 |
2.83 |
677,737 |
3.02 |
100% |
|
|
素材・ 建築物 |
金属・鉱業 |
167,389 |
3.45 |
325,150 |
3.45 |
100% |
|
化学 |
80,354 |
3.50 |
262,445 |
3.50 |
100% |
|
|
建設資材 |
522,608 |
2.73 |
157,457 |
2.73 |
100% |
|
|
資本財 |
286,515 |
3.89 |
2,545,730 |
3.89 |
100% |
|
|
不動産管理・開発 |
20,408 |
4.05 |
184,493 |
4.05 |
100% |
|
|
農業・食料・林産物 |
飲料 |
6,285 |
3.35 |
29,731 |
3.35 |
100% |
|
農業 |
6,347 |
4.03 |
23,014 |
4.03 |
100% |
|
|
加工食品・加工肉 |
37,367 |
3.83 |
213,384 |
3.83 |
100% |
|
|
製紙・林業製品 |
73,263 |
3.18 |
100,783 |
3.18 |
100% |
|
|
その他 |
409,934 |
3.86 |
1,734,231 |
3.87 |
100% |
|
|
合計 |
1,907,340 |
3.77 |
7,284,518 |
3.79 |
100% |
|
・上場株式・社債(2024年度)
|
セクター |
Scope1・2 |
Scope3 |
算定 カバー率 |
|||
|
GHG排出量 (t-CO2) |
DQ スコア |
GHG排出量 (t-CO2) |
DQ スコア |
|||
|
エネルギー |
石油・ガス |
21,299 |
1.00 |
290,988 |
1.00 |
100% |
|
石炭 |
0 |
- |
0 |
- |
100% |
|
|
電力・ユーティリティ |
268,802 |
2.42 |
195,429 |
2.42 |
100% |
|
|
運輸 |
航空貨物 |
0 |
- |
0 |
- |
100% |
|
旅客運輸 |
3,381 |
1.00 |
720 |
1.00 |
100% |
|
|
海上輸送 |
12,795 |
1.00 |
3,845 |
1.00 |
100% |
|
|
鉄道輸送 |
1,953 |
3.72 |
4,602 |
3.72 |
100% |
|
|
トラックサービス |
1,831 |
2.11 |
7,441 |
2.58 |
100% |
|
|
自動車及び部品 |
8,394 |
1.17 |
300,873 |
1.17 |
100% |
|
|
素材・ 建築物 |
金属・鉱業 |
66,212 |
2.33 |
136,352 |
2.33 |
100% |
|
化学 |
40,395 |
1.57 |
98,164 |
1.57 |
100% |
|
|
建設資材 |
21,024 |
2.02 |
39,945 |
2.02 |
100% |
|
|
資本財 |
25,196 |
1.69 |
2,005,159 |
1.70 |
100% |
|
|
不動産管理・開発 |
630 |
1.24 |
9,544 |
1.24 |
100% |
|
|
農業・食料・林産物 |
飲料 |
2,067 |
1.15 |
14,343 |
1.15 |
100% |
|
農業 |
407 |
1.00 |
23,215 |
1.00 |
100% |
|
|
加工食品・加工肉 |
4,617 |
2.24 |
32,900 |
2.24 |
100% |
|
|
製紙・林業製品 |
6,821 |
1.56 |
7,712 |
1.56 |
100% |
|
|
その他 |
35,548 |
2.48 |
377,913 |
2.48 |
100% |
|
|
合計 |
521,372 |
2.14 |
3,549,145 |
2.15 |
100% |
|
*対象アセット:・事業性融資
法人および個人事業主向け一般事業性融資(リパッケージローンなどの政策的貸出を除く)
・上場株式、社債(金融債、事業債、外国債を対象とし、リパッケージ債、私募債を除く)
*対象残高:2025年3月末時点の投融資残高
*データソース:排出量は企業開示データおよびCDPデータ、財務情報は社内データ、企業開示データを使用
*算定方法:ファイナンスド・エミッション=各投融資先の排出量×帰属係数
・各投融資先の排出量
各投融資先の開示値を使用、得られない場合は推計値を使用
・帰属係数
投融資額÷(各投融資先の負債+資本)
*算定カバー率:・事業性融資
算定先の融資残高÷融資残高の合計
・上場株式、社債
算定先の上場株式、社債÷上場株式、社債の合計
※2024年度のGHG排出量Scope1・2・3の実績は速報値であり、今後独立した第三者からの保証を取得する予定であります。
(ニ)サステナブルに関する投融資の目標および実績
・サステナブルに関する投融資の目標
2022年度から2030年度までに、サステナブルに関する投融資を累計1兆円実行(うち環境関連で5,000億円実行)いたします。
・サステナブルに関する投融資の実績
2022~2024年度実績
|
(単位:億円、%) |
|
|
2030年目標 |
2022~2024年度 累計実績(達成率) |
2024年度実績 |
|
|
サステナブルに関する投融資 |
10,000 |
3,197 (31.97%) |
1,092 |
|
|
|
うち環境関連 |
5,000 |
1,545 (30.90%) |
622 |
*サステナブルに関する投融資とは、環境や社会課題の解決に繋がる投融資などであり、お客さまのESGやSDGsへの取組みを支援する投融資などであります。なお、「うち環境関連」とは、環境課題の解決に繋がる投融資などであります。
*投融資実績は、あいち銀行の2022年4月1日から2025年3月31日までの実績と、旧中京銀行の2022年4月1日から2024年12月31日までの実績を合算しています。
②人的資本および多様性の確保への対応
(イ)戦略人財の創出に向けた取組み (あいち銀行)
・あいちFGの目指すコンサルティング・ソリューション型ビジネスモデルで必要とされる人財像を「戦略人財」として定義し、第1次中期経営計画期間中の「戦略人財」創出目標450名に対し、515名(達成率114.4%)を創出しました。
・第2次中期経営計画においても、「戦略人財」の創出を継続します。主なKPIとしては、「戦略リスキリング人財」を毎年100名ずつ創出し、2030年度までに700名以上の創出を目指します。
|
(単位: |
|
めざす人財像 |
目標 (KPI) |
実績 (2025年3月末) |
達成率 |
|
|
|
|
112.5% |
|
|
|
|
71.0% |
|
|
|
|
116.0% |
|
|
|
|
161.0% |
|
累計(①~④合計) |
450 |
515 |
114.4% |
(ロ)DX人財の創出に向けた取組み (あいち銀行)
・2023年7月に「DX推進計画」を策定し、その人財育成・確保プランに基づき取り組みました。ITパスポートまたは金融業務検定3級・DXコース資格取得者を「IT・デジタル基礎人財」と定義し、2025年3月末までに1,000名の創出に向けて取り組み、1,146名(前期比+189名)を創出しました。
・休日セミナー「Excelパソコン教室」、「情報収集力向上講座」等を開催し、学習機会を提供しました。なお、「Excelパソコン教室」については、グループである(株)エイエイエスティが講師を務め、人財育成における初のグループ連携事例となりました。
・今後もグループ連携を更に強化し、顧客にDXコンサルができる職員の育成や(株)エイエイエスティへのトレーニー派遣に取り組みます。
[IT・デジタル基礎人財数]
(単位:
|
|
目標 |
2024/3末 |
2025/3末 |
前期比 |
|
①ITパスポート |
- |
928 |
1,115 |
+187 |
|
②金融業務検定3級DXコース |
- |
29 |
31 |
+2 |
|
|
|
957 |
|
+189 |
(ハ)健康経営目標および実績(あいち銀行)
・当社グループは、経営ビジョンのひとつである「すべての役職員の幸せを実現します」を達成するため、「あいぎん健康宣言」を策定し、行員一人ひとりの健康意識の向上、心身の健康増進、働きやすい職場づくりに取り組んでいます。
・健康経営の推進体制として、健康経営の取り組みを組織的かつ戦略的に実践するため、銀行トップである代表取締役頭取執行役員を健康経営最高責任者としています。
銀行・健康保険組合・診療所スタッフ・従業員の代表者で構成される「健康会議」が中心となり、従業員の健康課題を改善するための健康施策を企画・立案しています。企画・立案にあたっては、専門的な知見を取り入れるため関連部署と連携しています。
また、健康経営の取組方針や取組状況等については、役員で構成される「健康経営会議」で協議・報告を定期的に行っています。
・あいち銀行では、2025年4月に策定した「戦略マップ」で掲げる健康経営で解決すべき経営課題である「企業の持続的成長と企業価値の向上」「人財の強化」「地域社会の繁栄への貢献」を達成できるよう、年度ごとに「重点項目および具体的な施策」と「健康経営目標」を決定し、取組方針として公表しています。また、健康経営の取組みが評価され、経済産業省及び日本健康会議が共同で実施する健康経営優良法人認定制度で、「健康経営優良法人(大規模法人部門)」に7年連続で認定されました。
|
|
具体的な指標 |
2030年度末目標 |
2024年度実績 |
|
① |
|
|
|
|
② |
|
|
|
|
③ |
|
|
|
|
④ |
|
|
|
|
⑤ |
|
|
|
※1 40~74歳のすべての被保険者・被扶養者のうち、メタボリックシンドロームの該当者と予備軍を対象とした特別保健指導
※2 定期健康診断の結果で、再検査または精密検査が必要とされた人のうち緊急度の高い人
(ニ)ダイバーシティ&インクルージョンの推進 (あいち銀行)
当社グループが持続的に成長し続けるためには、行員一人ひとりの多様な視点や考え方を業務推進や意思決定に積極的に取り入れ、新たな企業価値を創造していくことが必要と考えており、多様な人財を受け入れ、誰もがいきいきと働き続けることのできる組織づくりに積極的に取り組んでいます。
・「ES経営」の取組み
経営理念の実現に向けた企業風土改革を目的に、ES経営の実践により全役職員のエンゲージメント向上を目指しています。また、現場の実態を把握する取組みとして、2021年より全職員を対象とした「ESアンケート(従業員エンゲージメント調査) 」を毎年1回実施し、本部各部がES向上策を展開するなどエンゲージメント向上に努めています。
・「あいちーむ」の活動
ダイバーシティ推進のためのワーキンググループとして2019年に「ダイバーシティ推進委員会(通称:あいちーむ)」を創設し、毎年メンバーを入れ替えて継続運用しています。性別・階層など様々な立場の職員でメンバーを構成し、女性活躍、若年層育成、有給休暇取得率向上など幅広いテーマで意見交換し、実際に施策へ展開しています。貴重な意見交換の場として有効な機会となっています。(2024年度開催回:4回)
・女性活躍に向けた取組み
女性管理職の更なるキャリア意識の醸成を目的とした「女性管理職キャリアアップ研修」の開催や、入行5年次を対象としたキャリア研修では人事部との面接を実施し、女性職員がキャリアアップに前向きに取り組めるようサポートしています。
また、女性活躍に関するさまざまな活動内容が評価され、「あいち女性輝きカンパニー」の2023年度優良企業として表彰されました。この他にも、プラチナくるみん(厚生労働省)、えるぼし(同)の認定を受けています。
・「タレントマネジメントシステム」の導入
2025年4月、行員同士のコミュニケーション促進や戦略的な人財育成、エンゲージメントの向上を目的として「タレントマネジメントシステム(タレントパレット)」の運用を開始しました。銀行合併における早期融和を確立させ、さらなる人財交流につなげるツールとして積極的に活用していきます。また、さまざまなスキルチェックを同システムで実施・一元管理することで、「スキルの見える化」による効率的・効果的な人財育成と個々のスキルを活かした戦略的な人財配置に取り組み生産性向上につなげます。今年度は、同システムで「パルスサーベイ」(定点チェック)を実施し、その結果を上席がリアルタイムで把握することで、配下職員の気持ちの変化に迅速にアプローチできるようになり、モチベーション向上につなげます。
・「ドレスコードフリー」の導入
2025年1月、従業員の自律性を高め、柔軟な発想によりイノベーションを創出する組織風土づくりを図ることや、多様性を尊重し働きがいを向上させることを目的として「ドレスコードフリー」を導入しました。
<各種指標>(あいち銀行)
|
|
2022年度 |
2023年度 |
2024年度 |
|
|
9.2% |
9.7% |
|
|
|
14.2% |
16.4% |
|
|
|
78.6% |
94.1% |
|
※2022、2023年度については、旧愛知銀行と旧中京銀行の管理職の定義に基づいた数値を合算し、算出しています。
(*1)副長職以上を管理職と定義しています。
(*2)「資格等級」における『指導監督職階』以上を役職者と定義しています。
(ホ)雇用者の資産形成を支援する取組み(ファイナンシャル・ウェルネス)
・当社グループでは、行員の資産形成支援を強化しており、財産形成預金、従業員持株会、選択制企業型確定拠出年金制度等を導入しています。また、行員を対象とした、金融商品知識向上の教育を提供する等、金融リテラシー向上と中長期的な資産形成を促進しています。
<資産形成の加入状況(2024年度)>(あいち銀行)
|
|
財産形成預金 |
持株会 |
選択制DC |
|
加入率 |
45.0% |
71.7% |
16.2% |
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは以下のとおりであります。
なお、以下の記載における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1)持株会社のリスク
当社は銀行持株会社であり、その収入の大部分は当社が直接保有している銀行子会社から受領する配当等に依存しております。一定の状況下で、銀行法及びその他法令上の規制又は契約上の制限等により当社の銀行子会社等が当社に支払うことができる配当の金額が制限される可能性があります。また、銀行子会社等が十分な利益を計上することができず、当社に対して配当等が支払えない状況が生じた場合は、当社株主へ配当を支払えなくなる可能性があります。
(2)信用リスク
①不良債権に関するリスク
当社グループは、不良債権縮減のため経営改善支援に注力しております。しかしながら、景気の動向、不動産価格の下落、当社グループの融資先の経営状況の変動等によっては、当社グループの不良債権及び与信関係費用は増加するおそれがあり、その結果、当社グループの業績に影響を及ぼすとともに、財務状況を弱め、自己資本の減少につながる可能性があります。
②貸倒引当金に関するリスク
当社グループは、貸出先の状況に応じて、担保の価値及び貸倒実績率等に基づき貸倒引当金を計上しておりますが、今後の景気の動向や貸出先の経営状況の変動及び担保価値の下落等、具体的には、想定以上の原材料価格の上昇及び人手不足による受注機会の喪失により、実際の貸倒が見積りを上回り、貸出金償却の発生や貸倒引当金の積み増しが必要となり、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
③特定の取引先や特定の業種への与信の集中リスク
当社グループは、特定の取引先や特定の業種への与信の偏りを排除すべく、ポートフォリオ管理を行い、与信の分散に努めていますが、特定の取引先や特定の業種に信用力の悪化が生じた場合、与信費用が増加し、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
④有価証券の信用リスク
当社グループは、信用リスクを有する有価証券を保有していますが、これらが内包する信用リスクの上昇により、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(3)市場リスク
①株価下落に伴うリスク
当社グループは、市場性のある株式を保有しております。今後、大幅に株価が下落した場合、保有株式に減損等が発生し、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
②金利上昇に伴うリスク
当社グループは、市場性のある債券に加え貸出等の資金運用及び預金等の資金調達を行っておりますが、これら資産と負債の金利又は期間のミスマッチングが存在している中で金利が変動することにより、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(4)流動性リスク
金融システムが不安定になるなど市場環境全体が悪化した場合や、当社グループの信用状況が悪化した場合には、通常よりも著しく高い金利での資金調達を余儀なくされることにより当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(5)オペレーショナルリスク
①事務リスク
役職員の故意又は過失等により大きな賠償に繋がる事務事故、事務ミスが発生した場合、損失を被る可能性があり、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
②システムリスク
当社グループは、コンピュータシステムの障害発生防止やセキュリティ向上に努めておりますが、システム障害の発生、不正アクセス及びサイバー攻撃等を受けた場合、障害の規模によっては、当社グループの業務遂行、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
③人的リスク
当社グループは、労働関連法令に基づき適切な労務管理に努めておりますが、想定外の職員の流出に伴う人財不足や職員のモラル低下等により就業環境が悪化した場合、当社グループの業務遂行、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。また当社グループの安定した成長には、専門性の高い人財の確保や育成が必要ですが、十分な人財の育成や確保が進まない場合には、業務遂行、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
④有形資産リスク
当社グループが事業活動を行う上で所有及び賃貸中の土地、建物、車両等の有形資産について、自然災害、犯罪行為、資産管理上の瑕疵等の結果、毀損、焼失、あるいは劣化することにより業務の運営に支障をきたし、当社グループの業務遂行、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
⑤法務リスク
当社グループは、各種法令・規則等に従って業務を遂行しておりますが、法令等の遵守状況が不十分であった場合や、それに起因する訴訟等が提起された場合、その内容によっては行政処分を受けたり、当社グループの評価が低下し、当社グループの業務遂行、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
⑥風評リスク
当社グループに対して否定的、悪質な風評・風説が流布された場合、その内容の正確性に関わらず、当社グループの信用が低下し、当社グループの業務遂行、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(6)自己資本比率に関するリスク
自己資本比率は、「銀行法第52条の25の規定に基づき、銀行持株会社が銀行持株会社及びその子会社の保有する資産等に照らしそれらの自己資本の充実の状況が適切であるかどうか判断するための基準(2006年金融庁告示第20号)」に基づき算出しております。なお、当社グループは、海外営業拠点を有していないことから国内基準を採用しており、現行では自己資本比率を4%以上に維持することが求められています。
各種リスクの発生により自己資本比率が大幅に低下した場合、当社グループの信頼が低下し、当社グループの業務遂行や資金調達等に影響を及ぼす可能性があります。また、自己資本比率が4%を下回った場合は、業務の全部又は一部の停止等を含む様々な命令を受けることとなります。当社グループの自己資本比率に影響を及ぼす主な要因として以下のものがあります。
・債務者の信用力悪化及び不良債権の処分に伴う与信関係費用の増加
・貸出金等リスクアセットポートフォリオの変動
・保有有価証券の時価下落に伴う減損処理の発生
・自己資本比率の基準及び算定方法の変更
・その他不利益な事象の発生
(7)退職給付債務に関するリスク
年金資産の運用利回りが低下した場合や予定給付債務計算の前提となる保険数理上の前提・仮定に変更があった場合などには、退職給付費用が増加することにより当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(8)固定資産の減損に関するリスク
当社グループは、固定資産の減損会計を行っておりますが、今後の経済環境の変動等によっては、新たな減損が発生する可能性があります。その結果、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(9)繰延税金資産に関するリスク
当社グループは、現時点の会計基準に従って、様々な予測・仮定を前提に算定した将来の合理的な課税所得の見積額に基づいて繰延税金資産を計上しています。しかしながら、実際の課税所得が見積額と異なることや予測・仮定の前提条件が変わることにより、繰延税金資産の一部又は全部の回収が出来ないと判断される場合は、当社グループの繰延税金資産は減額され、その結果、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(10)マネー・ローンダリング及びテロ資金供与・拡散金融に係るリスク
当社グループは、マネー・ローンダリング及びテロ資金供与・拡散金融対策を経営戦略における重要な課題の一つとして位置づけ、組織として適時適切に対応できる態勢を構築しています。顧客受入時、受入後の各取引段階において、リスクに応じた顧客管理措置を講じており、疑わしい取引等を的確に検知・監視・分析するとともに、検知した場合には適切に対処することとしておりますが、マネー・ローンダリング及びテロ資金供与・拡散金融対策が有効に機能せず、法令・規則の違反等が発生した場合には、業務停止、制裁金等の行政処分、当社グループの評価が低下し、当社グループの業務遂行、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(11)金融犯罪に係るリスク
当社グループは、キャッシュカードの偽造・盗難や特殊詐欺、インターネットバンキングを標的とした預金の不正払い出し等に対して被害の発生を未然に防ぐため、顧客保護の取組及びセキュリティ強化に努めておりますが、金融犯罪の高度化・多様化により、被害を受けたお客さまへの補償、その金融犯罪防止対策に係る費用の増加等により、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(12)情報漏洩に係るリスク
当社グループは、多数の法人・個人の顧客情報を保有しています。それらの情報は各種法令・規制等に基づき万全を尽くして管理していますが、不適切な管理、外部からのサイバー攻撃その他の不正アクセス等により、重要な情報が外部に漏洩した場合には、損害賠償、行政処分等により、当社グループの業務遂行、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(13)競争激化リスク
当社グループが主要な営業基盤とする愛知県において、地域金融機関、メガバンク、ノンバンク等との間で競争関係にあります。他の金融機関が今後さらに積極的な営業展開を進めることにより、あるいは他の業態が当社グループの事業分野に新たに参入することにより、当社グループが競争優位を得られない場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(14)災害リスク
大地震や風水害等の自然災害により、当社グループの業務の全部又は一部が停止又は遅延するリスクのほか、当社グループの損害や取引先の被災による業績悪化等が、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(15)規制・制度の変更等に関するリスク
当社グループは、現時点における銀行法等の各種規制・制度(法律、規則、政策、実務慣行、解釈等を含む)に基づいて業務を遂行しております。将来において、銀行法等の各種規制・制度が変更された場合、当社グループの業務遂行、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(16)気候変動に関するリスク
気候変動に伴う自然災害や異常気象等の影響によって取引先や当社グループの事業の停滞と当社グループが保有する担保価値が毀損した場合(物理的リスク)や、脱炭素社会への移行に伴う政策や法規制への対応等(移行リスク)により取引先の経営状態が悪化した場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループの気候変動に関するリスクへの対応や開示が不十分であるとみなされた場合には、企業価値に影響を及ぼす可能性があります。
(17)格付に関するリスク
当社は、格付機関である㈱日本格付研究所(JCR)より「A」の格付を取得しております。今後、当社グループの収益力・資産内容の悪化により格付が引き下げられた場合、当社グループの資金調達等において影響を及ぼす可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当社グループは、2022年10月から2025年3月までの「第1次中期経営計画」において、「お客さまにダイナミックな進化を体験して頂けるコンサルティング・ソリューション型ビジネスモデルの準備完了」、「コンサルティング・ソリューション型ビジネスモデルでの新しい社員像の確立と必要人財像の創出・育成完了」、「合併後のシナジー発現に向けた主要KPIの着実な達成」を成し遂げるため、各種施策を実施してまいりました。
その結果、当連結会計年度の当社及び連結子会社の業績は以下のとおりとなりました。
資産の部合計は、前連結会計年度末比317億円減少し6兆7,997億円となりました。うち、貸出金の期末残高は、前連結会計年度末比1,412億円増加し4兆8,457億円、有価証券の期末残高は、前連結会計年度末比1,763億円減少し1兆1,907億円となりました。
負債の部合計は、前連結会計年度末比60億円減少し6兆4,458億円となりました。うち、預金の期末残高は、前連結会計年度末比1,109億円増加し5兆9,329億円となりました。
純資産の部合計は、前連結会計年度末比257億円減少し3,538億円で、1株当たりの純資産額は7,197円89銭となりました。
損益面につきましては、経常収益は、貸出金利息及び役務取引等収益、株式等売却益等が増加したことにより、前連結会計年度比123億49百万円増収の1,010億36百万円となりました。経常費用は、預金利息及び営業経費やシステム統合にかかる費用、国債等債券売却損等の増加により、前連結会計年度比146億52百万円増加の907億54百万円となりました。その結果、経常利益は前連結会計年度比23億2百万円減益の102億82百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度比8億1百万円増益の90億97百万円となりました。
セグメント別に見ますと、銀行業の経常収益は前連結会計年度比119億61百万円増収の915億74百万円、セグメント利益は前連結会計年度比10億11百万円増益の102億79百万円となりました。リース業の経常収益は前連結会計年度比1億5百万円増収の65億5百万円、セグメント利益は前連結会計年度比1億円減益の1億78百万円となりました。
イ.国内業務部門・国際業務部門別収支
資金運用収益は、国内業務部門の資金運用収支が、前連結会計年度比18億40百万円減益の487億24百万円となり、全体で、前連結会計年度比25億35百万円減益の504億45百万円となりました。また、全体の役務取引等収支は、前連結会計年度比7億32百万円増益の125億81百万円となり、全体のその他業務収支は、前連結会計年度比47億88百万円減益の131億72百万円の損失となりました。
|
種類 |
期別 |
国内業務部門 |
国際業務部門 |
相殺消去額 |
合計 |
|
金額(百万円) |
金額(百万円) |
金額(百万円) |
金額(百万円) |
||
|
資金運用収支 |
前連結会計年度 |
50,565 |
2,415 |
- |
52,980 |
|
当連結会計年度 |
48,724 |
1,721 |
- |
50,445 |
|
|
うち資金運用収益 |
前連結会計年度 |
52,216 |
4,279 |
△36 |
56,459 |
|
当連結会計年度 |
56,153 |
2,369 |
△100 |
58,422 |
|
|
うち資金調達費用 |
前連結会計年度 |
1,651 |
1,864 |
△36 |
3,479 |
|
当連結会計年度 |
7,429 |
648 |
△100 |
7,977 |
|
|
役務取引等収支 |
前連結会計年度 |
11,754 |
94 |
- |
11,848 |
|
当連結会計年度 |
12,490 |
91 |
- |
12,581 |
|
|
うち役務取引等収益 |
前連結会計年度 |
17,125 |
158 |
- |
17,283 |
|
当連結会計年度 |
18,088 |
157 |
- |
18,245 |
|
|
うち役務取引等費用 |
前連結会計年度 |
5,370 |
64 |
- |
5,435 |
|
当連結会計年度 |
5,598 |
65 |
- |
5,664 |
|
|
その他業務収支 |
前連結会計年度 |
△6,513 |
△1,871 |
- |
△8,384 |
|
当連結会計年度 |
△12,605 |
△567 |
- |
△13,172 |
|
|
うちその他業務収益 |
前連結会計年度 |
6,525 |
36 |
- |
6,561 |
|
当連結会計年度 |
6,614 |
294 |
- |
6,908 |
|
|
うちその他業務費用 |
前連結会計年度 |
13,038 |
1,908 |
- |
14,946 |
|
当連結会計年度 |
19,219 |
861 |
- |
20,081 |
(注)1.国内業務部門は当社及び連結子会社の円建取引、国際業務部門は当社及び連結子会社の外貨建取引であります。ただし、円建対非居住者取引、特別国際金融取引勘定分等は、国際業務部門に含めております。
2.「相殺消去額」欄の計数は、国内業務部門と国際業務部門間の資金貸借の利息であります。
ロ.国内業務部門・国際業務部門別資金運用/調達の状況
全体の資金運用勘定においては、平均残高は、前連結会計年度比3,892億円増加の6兆5,265億円、利息は、前連結会計年度比19億63百万円増加の584億22百万円、利回りは0.89%となりました。
一方、全体の資金調達勘定においては、平均残高は、前連結会計年度比1,422億円減少の6兆3,820億円、利息は、前連結会計年度比44億98百万円増加の79億77百万円、利回りは0.12%となりました。
a. 国内業務部門
|
種類 |
期別 |
平均残高 |
利息 |
利回り |
|
金額(百万円) |
金額(百万円) |
(%) |
||
|
資金運用勘定 |
前連結会計年度 |
(93,567) |
(31) |
|
|
6,111,567 |
52,216 |
0.85 |
||
|
当連結会計年度 |
(64,139) |
(100) |
|
|
|
6,511,063 |
56,153 |
0.86 |
||
|
うち貸出金 |
前連結会計年度 |
4,620,430 |
35,755 |
0.77 |
|
当連結会計年度 |
4,759,191 |
39,588 |
0.83 |
|
|
うち商品有価証券 |
前連結会計年度 |
1 |
0 |
0.00 |
|
当連結会計年度 |
1 |
- |
0.00 |
|
|
うち有価証券 |
前連結会計年度 |
1,225,944 |
15,996 |
1.30 |
|
当連結会計年度 |
1,168,807 |
14,948 |
1.27 |
|
|
うちコールローン及び買入手形 |
前連結会計年度 |
26,420 |
△7 |
△0.03 |
|
当連結会計年度 |
2,287 |
2 |
0.12 |
|
|
うち預け金 |
前連結会計年度 |
128,864 |
377 |
0.29 |
|
当連結会計年度 |
502,826 |
1,450 |
0.28 |
|
|
資金調達勘定 |
前連結会計年度 |
6,498,632 |
1,651 |
0.02 |
|
当連結会計年度 |
6,366,494 |
7,429 |
0.11 |
|
|
うち預金 |
前連結会計年度 |
5,724,367 |
1,101 |
0.01 |
|
当連結会計年度 |
5,868,575 |
5,829 |
0.09 |
|
|
うち譲渡性預金 |
前連結会計年度 |
17,921 |
8 |
0.04 |
|
当連結会計年度 |
7,698 |
16 |
0.21 |
|
|
うちコールマネー及び売渡手形 |
前連結会計年度 |
263,844 |
△34 |
△0.01 |
|
当連結会計年度 |
1,356 |
- |
0.00 |
|
|
うち債券貸借取引受入担保金 |
前連結会計年度 |
214,180 |
21 |
0.01 |
|
当連結会計年度 |
143,129 |
302 |
0.21 |
|
|
うち借用金 |
前連結会計年度 |
272,849 |
31 |
0.01 |
|
当連結会計年度 |
340,566 |
564 |
0.16 |
(注)1.平均残高は、原則として日々の残高の平均に基づいて算出しておりますが、当社及び一部の連結子会社については年毎の残高に基づく平均残高を利用しております。
2.資金運用勘定は、無利息預け金の平均残高(前連結会計年度568,825百万円 当連結会計年度38,678百万円)を控除して表示しております。
3.( )内は、国内業務部門と国際業務部門の間の資金貸借の平均残高及び利息(内書き)であります。
b. 国際業務部門
|
種類 |
期別 |
平均残高 |
利息 |
利回り |
|
金額(百万円) |
金額(百万円) |
(%) |
||
|
資金運用勘定 |
前連結会計年度 |
119,288 |
4,279 |
3.58 |
|
当連結会計年度 |
79,628 |
2,369 |
2.97 |
|
|
うち貸出金 |
前連結会計年度 |
6,152 |
303 |
4.93 |
|
当連結会計年度 |
4,871 |
243 |
4.99 |
|
|
うち商品有価証券 |
前連結会計年度 |
- |
- |
- |
|
当連結会計年度 |
- |
- |
- |
|
|
うち有価証券 |
前連結会計年度 |
102,962 |
3,709 |
3.60 |
|
当連結会計年度 |
62,691 |
1,888 |
3.01 |
|
|
うちコールローン及び買入手形 |
前連結会計年度 |
939 |
49 |
5.27 |
|
当連結会計年度 |
1,262 |
59 |
4.72 |
|
|
うち預け金 |
前連結会計年度 |
- |
- |
- |
|
当連結会計年度 |
- |
- |
- |
|
|
資金調達勘定 |
前連結会計年度 |
(93,567) |
(31) |
|
|
119,238 |
1,864 |
1.56 |
||
|
当連結会計年度 |
(64,139) |
(100) |
|
|
|
79,735 |
648 |
0.81 |
||
|
うち預金 |
前連結会計年度 |
16,398 |
181 |
1.10 |
|
当連結会計年度 |
12,940 |
91 |
0.70 |
|
|
うち譲渡性預金 |
前連結会計年度 |
- |
- |
- |
|
当連結会計年度 |
- |
- |
- |
|
|
うちコールマネー及び売渡手形 |
前連結会計年度 |
1,762 |
99 |
5.65 |
|
当連結会計年度 |
- |
- |
- |
|
|
うち債券貸借取引受入担保金 |
前連結会計年度 |
5,626 |
314 |
5.59 |
|
当連結会計年度 |
1,762 |
96 |
5.47 |
|
|
うち借用金 |
前連結会計年度 |
1,366 |
83 |
6.08 |
|
当連結会計年度 |
294 |
14 |
5.08 |
(注)1.平均残高は、原則として日々の残高の平均に基づいて算出しておりますが、当社及び一部の連結子会社については年毎の残高に基づく平均残高を利用しております。
2.資金運用勘定は、無利息預け金の平均残高(前連結会計年度-百万円 当連結会計年度-百万円)を控除して表示しております。
3.( )内は、国内業務部門と国際業務部門の間の資金貸借の平均残高及び利息(内書き)であります。
4.国際業務部門の外貨建取引の平均残高は、月次カレント方式(前月末TT仲値を当該月のノンエクスチェンジ取引に適用する方式)により算出しております。
c. 合計
|
種類 |
期別 |
平均残高(百万円) |
利息(百万円) |
利回り (%) |
||||
|
小計 |
相殺消去額 |
合計 |
小計 |
相殺消去額 |
合計 |
|||
|
資金運用勘定 |
前連結会計年度 |
6,230,856 |
△93,567 |
6,137,288 |
56,496 |
△36 |
56,459 |
0.91 |
|
当連結会計年度 |
6,590,692 |
△64,139 |
6,526,552 |
58,523 |
△100 |
58,422 |
0.89 |
|
|
うち貸出金 |
前連結会計年度 |
4,626,583 |
- |
4,626,583 |
36,059 |
- |
36,059 |
0.77 |
|
当連結会計年度 |
4,764,062 |
- |
4,764,062 |
39,831 |
- |
39,831 |
0.83 |
|
|
うち商品有価証券 |
前連結会計年度 |
1 |
- |
1 |
0 |
- |
0 |
0.00 |
|
当連結会計年度 |
1 |
- |
1 |
- |
- |
- |
0.00 |
|
|
うち有価証券 |
前連結会計年度 |
1,328,906 |
- |
1,328,906 |
19,705 |
- |
19,705 |
1.48 |
|
当連結会計年度 |
1,231,498 |
- |
1,231,498 |
16,837 |
- |
16,837 |
1.36 |
|
|
うちコールローン及び買入手形 |
前連結会計年度 |
27,360 |
- |
27,360 |
41 |
- |
41 |
0.15 |
|
当連結会計年度 |
3,549 |
- |
3,549 |
62 |
- |
62 |
1.76 |
|
|
うち預け金 |
前連結会計年度 |
128,864 |
- |
128,864 |
377 |
- |
377 |
0.29 |
|
当連結会計年度 |
502,826 |
- |
502,826 |
1,450 |
- |
1,450 |
0.28 |
|
|
資金調達勘定 |
前連結会計年度 |
6,617,870 |
△93,567 |
6,524,303 |
3,515 |
△36 |
3,479 |
0.05 |
|
当連結会計年度 |
6,446,229 |
△64,139 |
6,382,090 |
8,077 |
△100 |
7,977 |
0.12 |
|
|
うち預金 |
前連結会計年度 |
5,740,765 |
- |
5,740,765 |
1,283 |
- |
1,283 |
0.02 |
|
当連結会計年度 |
5,881,515 |
- |
5,881,515 |
5,920 |
- |
5,920 |
0.10 |
|
|
うち譲渡性預金 |
前連結会計年度 |
17,921 |
- |
17,921 |
8 |
- |
8 |
0.04 |
|
当連結会計年度 |
7,698 |
- |
7,698 |
16 |
- |
16 |
0.21 |
|
|
うちコールマネー及び売渡手形 |
前連結会計年度 |
265,607 |
- |
265,607 |
64 |
- |
64 |
0.02 |
|
当連結会計年度 |
1,356 |
- |
1,356 |
- |
- |
- |
0.00 |
|
|
うち債券貸借取引受入担保金 |
前連結会計年度 |
219,806 |
- |
219,806 |
336 |
- |
336 |
0.15 |
|
当連結会計年度 |
144,891 |
- |
144,891 |
398 |
- |
398 |
0.27 |
|
|
うち借用金 |
前連結会計年度 |
274,215 |
- |
274,215 |
114 |
- |
114 |
0.04 |
|
当連結会計年度 |
340,860 |
- |
340,860 |
579 |
- |
579 |
0.16 |
|
(注)1.「相殺消去額」欄の計数は、国内業務部門と国際業務部門の間の資金貸借の平均残高及び利息であります。
2.資金運用勘定は、無利息預け金の平均残高(前連結会計年度568,825百万円 当連結会計年度38,678百万円)を控除して表示しております。
ハ.国内業務部門・国際業務部門別役務取引の状況
国内業務部門の役務取引等収益は前連結会計年度比9億62百万円増収の180億88百万円、国際業務部門は前連結会計年度比0百万円減収の1億57百万円となりました。この結果、全体では前連結会計年度比9億61百万円増収の182億45百万円となりました。
一方、役務取引等費用は、全体で、前連結会計年度比2億29百万円増加の56億64百万円となりました。
|
種類 |
期別 |
国内業務部門 |
国際業務部門 |
合計 |
|
金額(百万円) |
金額(百万円) |
金額(百万円) |
||
|
役務取引等収益 |
前連結会計年度 |
17,125 |
158 |
17,283 |
|
当連結会計年度 |
18,088 |
157 |
18,245 |
|
|
うち預金・貸出業務 |
前連結会計年度 |
7,518 |
- |
7,518 |
|
当連結会計年度 |
7,441 |
- |
7,441 |
|
|
うち為替業務 |
前連結会計年度 |
2,828 |
156 |
2,984 |
|
当連結会計年度 |
2,848 |
154 |
3,003 |
|
|
うち証券関連業務 |
前連結会計年度 |
2,665 |
- |
2,665 |
|
当連結会計年度 |
2,720 |
- |
2,720 |
|
|
うち代理業務 |
前連結会計年度 |
3,806 |
- |
3,806 |
|
当連結会計年度 |
4,788 |
2 |
4,791 |
|
|
うち保護預り貸金庫業務 |
前連結会計年度 |
181 |
- |
181 |
|
当連結会計年度 |
175 |
- |
175 |
|
|
うち保証業務 |
前連結会計年度 |
124 |
1 |
126 |
|
当連結会計年度 |
113 |
0 |
113 |
|
|
役務取引等費用 |
前連結会計年度 |
5,370 |
64 |
5,435 |
|
当連結会計年度 |
5,598 |
65 |
5,664 |
|
|
うち為替業務 |
前連結会計年度 |
279 |
52 |
331 |
|
当連結会計年度 |
290 |
55 |
345 |
(注)国内業務部門は当社及び連結子会社の円建取引、国際業務部門は当社及び連結子会社の外貨建取引であります。ただし、円建対非居住者取引、特別国際金融取引勘定分等は、国際業務部門に含めております。
ニ.国内業務部門・国際業務部門別預金残高の状況
○ 預金の種類別残高(末残)
|
種類 |
期別 |
国内業務部門 |
国際業務部門 |
合計 |
|
金額(百万円) |
金額(百万円) |
金額(百万円) |
||
|
預金合計 |
前連結会計年度 |
5,808,611 |
13,323 |
5,821,934 |
|
当連結会計年度 |
5,921,318 |
11,609 |
5,932,927 |
|
|
うち流動性預金 |
前連結会計年度 |
3,519,557 |
- |
3,519,557 |
|
当連結会計年度 |
3,484,898 |
- |
3,484,898 |
|
|
うち定期性預金 |
前連結会計年度 |
2,278,385 |
- |
2,278,385 |
|
当連結会計年度 |
2,424,999 |
- |
2,424,999 |
|
|
うちその他 |
前連結会計年度 |
10,668 |
13,323 |
23,991 |
|
当連結会計年度 |
11,420 |
11,609 |
23,029 |
|
|
譲渡性預金 |
前連結会計年度 |
23,100 |
- |
23,100 |
|
当連結会計年度 |
1,600 |
- |
1,600 |
|
|
総合計 |
前連結会計年度 |
5,831,711 |
13,323 |
5,845,034 |
|
当連結会計年度 |
5,922,918 |
11,609 |
5,934,527 |
(注)1.国内業務部門は円建取引、国際業務部門は外貨建取引であります。ただし、円建対非居住者取引、特別国際金融取引勘定分等は、国際業務部門に含めております。
2.流動性預金=当座預金+普通預金+貯蓄預金+通知預金
3.定期性預金=定期預金+定期積金
ホ.貸出金残高の状況
a. 業種別貸出状況(末残・構成比)
|
業種別 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
||
|
金 額(百万円) |
構成比(%) |
金 額(百万円) |
構成比(%) |
|
|
国内(除く特別国際金融取引勘定分) |
4,704,470 |
100.0 |
4,845,754 |
100.0 |
|
製造業 |
629,296 |
13.4 |
616,839 |
12.7 |
|
農業,林業 |
1,348 |
0.0 |
1,401 |
0.0 |
|
漁業 |
173 |
0.0 |
488 |
0.0 |
|
鉱業,採石業,砂利採取業 |
2,913 |
0.1 |
3,813 |
0.1 |
|
建設業 |
317,072 |
6.7 |
304,930 |
6.3 |
|
電気・ガス・熱供給・水道業 |
86,101 |
1.8 |
90,705 |
1.9 |
|
情報通信業 |
27,958 |
0.6 |
28,850 |
0.6 |
|
運輸業,郵便業 |
180,869 |
3.8 |
185,932 |
3.8 |
|
卸売業,小売業 |
576,426 |
12.3 |
564,418 |
11.7 |
|
金融業,保険業 |
506,569 |
10.8 |
580,541 |
12.0 |
|
不動産業,物品賃貸業 |
612,843 |
13.0 |
634,278 |
13.1 |
|
各種サービス業 |
341,816 |
7.3 |
334,492 |
6.9 |
|
国・地方公共団体 |
87,674 |
1.9 |
82,951 |
1.7 |
|
その他 |
1,333,394 |
28.3 |
1,416,102 |
29.2 |
|
特別国際金融取引勘定分 |
- |
- |
- |
- |
|
政府等 |
- |
- |
- |
- |
|
金融機関 |
- |
- |
- |
- |
|
その他 |
- |
- |
- |
- |
|
合計 |
4,704,470 |
── |
4,845,754 |
── |
(注)「国内」とは、当社及び連結子会社であります。
b. 外国政府等向け債権残高(国別)
該当事項はありません。
ヘ.国内業務部門・国際業務部門別有価証券の状況
○ 有価証券残高(末残)
|
種類 |
期別 |
国内業務部門 |
国際業務部門 |
合計 |
|
金額(百万円) |
金額(百万円) |
金額(百万円) |
||
|
国債 |
前連結会計年度 |
258,980 |
- |
258,980 |
|
当連結会計年度 |
179,109 |
- |
179,109 |
|
|
地方債 |
前連結会計年度 |
271,273 |
- |
271,273 |
|
当連結会計年度 |
254,427 |
- |
254,427 |
|
|
社債 |
前連結会計年度 |
374,122 |
- |
374,122 |
|
当連結会計年度 |
358,617 |
- |
358,617 |
|
|
株式 |
前連結会計年度 |
208,677 |
- |
208,677 |
|
当連結会計年度 |
187,893 |
- |
187,893 |
|
|
その他の証券 |
前連結会計年度 |
169,970 |
84,080 |
254,051 |
|
当連結会計年度 |
170,951 |
39,784 |
210,736 |
|
|
合計 |
前連結会計年度 |
1,283,023 |
84,080 |
1,367,104 |
|
当連結会計年度 |
1,151,000 |
39,784 |
1,190,784 |
(注)1.国内業務部門は当社及び連結子会社の円建取引、国際業務部門は当社及び連結子会社の外貨建取引であります。ただし、円建対非居住者取引、特別国際金融取引勘定分等は、国際業務部門に含めております。
2.「その他の証券」には、外国債券及び外国株式を含んでおります。
②キャッシュ・フローの状況
営業活動によるキャッシュ・フローは、貸出金等の増加等により1,050億76百万円の支出(前連結会計年度比554億96百万円増加)、投資活動によるキャッシュ・フローは、有価証券の売却及び償還等により1,175億84百万円の収入(前連結会計年度比527億99百万円増加)、また、財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払いにより49億61百万円の支出(前連結会計年度比71億35百万円増加)となりました。
この結果、現金及び現金同等物は前連結会計年度末比75億46百万円増加し、6,082億90百万円となりました。
③生産、受注及び販売の実績
「生産、受注及び販売の実績」は、銀行業における業務の特殊性のため、該当する情報がないので記載しておりません。
(自己資本比率等の状況)
(参考)
自己資本比率は、銀行法第52条の25の規定に基づき、銀行持株会社が銀行持株会社及びその子会社の保有する資産等に照らしそれらの自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準(2006年金融庁告示第20号)に定められた算式に基づき、連結ベースについて算出しております。
なお、当社は、国内基準を適用のうえ、信用リスク・アセットの算出においては標準的手法を採用しております。
連結自己資本比率(国内基準)
|
(単位:百万円、%) |
|
|
2025年3月31日 |
|
1.連結自己資本比率(2/3) |
8.85 |
|
2.連結における自己資本の額 |
289,658 |
|
3.リスク・アセットの額 |
3,271,469 |
|
4.連結総所要自己資本額 |
130,858 |
(資産の査定)
(参考)
資産の査定は、「金融機能の再生のための緊急措置に関する法律」(1998年法律第132号)第6条に基づき、株式会社あいち銀行の貸借対照表(2024年3月31日については、株式会社愛知銀行及び株式会社中京銀行の貸借対照表)の社債(当該社債を有する金融機関がその元本の償還及び利息の支払の全部又は一部について保証しているものであって、当該社債の発行が金融商品取引法(1948年法律第25号)第2条第3項に規定する有価証券の私募によるものに限る。)、貸出金、外国為替、その他資産中の未収利息及び仮払金、支払承諾見返の各勘定に計上されるもの並びに貸借対照表に注記することとされている有価証券の貸付けを行っている場合のその有価証券(使用貸借又は賃貸借契約によるものに限る。)について債務者の財政状態及び経営成績等を基礎として次のとおり区分するものであります。
1.破産更生債権及びこれらに準ずる債権
破産更生債権及びこれらに準ずる債権とは、破産手続開始、更生手続開始、再生手続開始の申立て等の事由により経営破綻に陥っている債務者に対する債権及びこれらに準ずる債権をいう。
2.危険債権
危険債権とは、債務者が経営破綻の状態には至っていないが、財政状態及び経営成績が悪化し、契約に従った債権の元本の回収及び利息の受取りができない可能性の高い債権をいう。
3.要管理債権
要管理債権とは、三月以上延滞債権及び貸出条件緩和債権をいう。
4.正常債権
正常債権とは、債務者の財政状態及び経営成績に特に問題がないものとして、上記1から3までに掲げる債権以外のものに区分される債権をいう。
あいち銀行(単体) 資産の査定の額
|
債権の区分 |
2024年3月31日 |
2025年3月31日 |
|
金額(億円) |
金額(億円) |
|
|
破産更生債権及びこれらに準ずる債権 |
- |
190 |
|
危険債権 |
- |
623 |
|
要管理債権 |
- |
74 |
|
正常債権 |
- |
48,358 |
なお、2025年1月1日付で、当社の完全子会社である株式会社愛知銀行及び株式会社中京銀行は、株式会社愛知銀行を存続会社、株式会社中京銀行を消滅会社として合併を行い、商号を株式会社あいち銀行に変更していることから、2024年3月31日の資産の査定の額は旧行ごとに記載しております。
愛知銀行(単体) 資産の査定の額
|
債権の区分 |
2024年3月31日 |
2025年3月31日 |
|
金額(億円) |
金額(億円) |
|
|
破産更生債権及びこれらに準ずる債権 |
71 |
- |
|
危険債権 |
448 |
- |
|
要管理債権 |
47 |
- |
|
正常債権 |
31,403 |
- |
中京銀行(単体) 資産の査定の額
|
債権の区分 |
2024年3月31日 |
2025年3月31日 |
|
金額(億円) |
金額(億円) |
|
|
破産更生債権及びこれらに準ずる債権 |
68 |
- |
|
危険債権 |
197 |
- |
|
要管理債権 |
47 |
- |
|
正常債権 |
15,532 |
- |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、以下の記載における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(経営成績の分析)
連結粗利益は前連結会計年度比65億90百万円減益の498億54百万円となりました。また、営業経費は子銀行合併に伴う統合関連費用の増加等により前連結会計年度比40億37百万円増加し477億50百万円、貸倒引当償却費用は一般貸倒引当金が当連結会計年度に戻入となったこと等により前連結会計年度比1億74百万円減少し12億64百万円、株式等関係損益は前連結会計年度比61億50百万円増加し126億40百万円となりました。その結果、経常利益は前連結会計年度比23億2百万円減益の102億82百万円となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度比8億1百万円増益の90億97百万円となりました。
|
|
前連結会計年度 (百万円) (A) |
当連結会計年度 (百万円) (B) |
増減 (百万円) (B)-(A) |
|
連結粗利益 |
56,444 |
49,854 |
△6,590 |
|
資金利益 |
52,980 |
50,445 |
△2,535 |
|
役務取引等利益 |
11,848 |
12,581 |
732 |
|
その他業務利益 |
△8,384 |
△13,172 |
△4,788 |
|
営業経費 |
43,712 |
47,750 |
4,037 |
|
貸倒引当償却費用 |
1,438 |
1,264 |
△174 |
|
貸出金償却 |
- |
19 |
19 |
|
一般貸倒引当金繰入額 |
△959 |
△1,859 |
△899 |
|
個別貸倒引当金繰入額 |
2,081 |
2,573 |
491 |
|
偶発損失引当金繰入額 |
316 |
530 |
213 |
|
株式等関係損益 |
6,489 |
12,640 |
6,150 |
|
経常利益 |
12,584 |
10,282 |
△2,302 |
|
特別損益 |
△554 |
△556 |
△2 |
|
うち固定資産処分損益 |
△47 |
△92 |
△45 |
|
うち減損損失 |
285 |
7 |
△277 |
|
うち退職給付制度改定損失 |
- |
457 |
457 |
|
うちシステム解約損失 |
222 |
- |
△222 |
|
税金等調整前当期純利益 |
12,030 |
9,725 |
△2,305 |
|
法人税、住民税及び事業税 |
3,489 |
824 |
△2,664 |
|
法人税等調整額 |
169 |
△195 |
△364 |
|
法人税等合計 |
3,659 |
629 |
△3,029 |
|
当期純利益 |
8,371 |
9,095 |
724 |
|
非支配株主に帰属する当期純利益 |
75 |
△1 |
△76 |
|
親会社株主に帰属する当期純利益 |
8,295 |
9,097 |
801 |
(注) 連結粗利益=(資金運用収益-資金調達費用)+(役務取引等収益-役務取引等費用)+(その他業務収益-その他業務費用)
(財政状態の分析)
イ.貸出金
貸出金は事業性貸出金及び住宅ローンの増強に努めた結果、前連結会計年度末比1,412億円増加し当連結会計年度末残高は4兆8,457億円となりました。
ロ.有価証券
有価証券は前連結会計年度末比1,763億円減少し当連結会計年度末残高は1兆1,907億円となりました。
ハ.預金
預金は個人及び法人預金の増強に努めた結果、前連結会計年度末比1,109億円増加し当連結会計年度末残高は5兆9,329億円となりました。
ニ.純資産の部
純資産の部の合計は前連結会計年度末比257億円減少し3,538億円となりました。
利益剰余金は親会社株主に帰属する当期純利益90億97百万円等により、前連結会計年度末比41億円増加し2,342億円となりました。
その他有価証券評価差額金は前連結会計年度末比337億円減少し426億円となりました。
(経営成績に重要な影響を与える要因)
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因として、金融政策運営の変更により急激に金利が上昇すること、他県金融機関の当地域内への店舗展開により銀行間の競争がますます激化していること、ならびに米国通商政策の変化や地政学的な要因が経済活動の着実な進展に悪影響を及ぼす可能性があることがあげられます。
(経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等)
経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況は、「(1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりです。
当社グループにおいては、重要な資本的支出の予定はありません。
当社グループの資金の流動性については、資金調達勘定平均残高は個人預金や法人預金を主体に前連結会計年度比1,422億12百万円減少しました。
当連結会計年度末の現金及び現金同等物は6,082億90百万円であり、また国債等の売却可能な資産を十分に保有していることとあわせて、適切な水準の流動性を維持していると考えております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。
該当事項はありません。
該当事項はありません。