第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。

 

(1) 経営方針

当社は、「“ワクワク”が空気のようにあたりまえになる世界へ」をビジョンとしてファッションレンタルプラットフォームの運営を中心に事業を行っているファッションテック企業(※1)です。生活に溶け込むことで社会に根付き、長く愛されるサービスを作ることで、この世界に一つでも多くの笑顔を生んでいきます。そのために、単なる利便性や使い勝手を超えたユーザー体験(User Experience)を追求し、「感動」と「出会い」を届けます。また、「発想とITで人々の日常に新しいワクワクを創造する」というミッションのもと、ビジネスモデルの構想力とシステム開発力、データ分析力を強みとして、人々の生活に寄り添い、ライフスタイルをより豊かにしていくビジョン実現に取り組みます。さらに当社は、すべての人が平等に持っている「時間」の使い方を最適にすることが重要と考えております。限られた人生の時間に対して、増え続けるモノと情報が氾濫する現代社会にあって、「モノとの最適な出会い」を実現し、大量消費社会を変革します。また、人々のライフスタイルがより豊かになるよう、時間価値を向上させる事業を創造し続けます。このような事業を実現するなかで、シェアリングの概念が持続可能な経済社会の創造に結びつくことを信じ、2022年2月には、自社が取り扱う洋服に関する衣服廃棄ゼロの実現を発表するなど、サーキュラー・エコノミー(※2)に立脚したサーキュラー・ファッションに関するサービス開発を継続しております。

インターネットや情報通信デバイスの拡充に伴い情報化が進展し、画一的なライフスタイルから独立した一人ひとりの消費者が、自らが好む商品を探し、出会い、消費していく流れが強まっています。ECの発展はその代表的な例の一つであり、コロナウイルス感染症まん延下での消費動向の変化とも相まって、今後ますますこのトレンドは加速していきます。また、当社はこうした市場環境の変化に際し、個々人の洋服の好みを捉えて商品を推薦し、現物の洋服を届け、着用できる仕組みを開発いたしました。推薦する際には顧客の好みに合わせたスタイリングも同時に提供し、洋服をより楽しく、豊かに消費できるよう付加価値を追加します。当社のサービスでは日常生活における着用後に気に入った商品を購入することもできるため、アパレルECの発展形と捉えることもできると考えております。

さらに、SDGs(※3)の重要性に関する認知が広がっている今日の社会において、単なる所有から共有へというシェアリングエコノミーの概念も同時に重要視されてきております。当社のサービスにおいて購入対象とならなかった商品は当社に返却され、メンテナンスを施したのち、さらに別の顧客に提供される仕組みを伴っており、この新しい経済概念にも合致する事業を展開しております。経営環境の詳細は後掲「(3)経営環境」をご参照ください。

 

※1 ファッションとテクノロジーから作られた造語で、ファッション業界の活性化を目的にテクノロジーを活用してファッションアイテムやサービスを生み出す仕組みのことを言います。

※2 サーキュラー・エコノミー(Circular Economy)とは、これまで経済活動のなかで廃棄されていた製品や原材料などを「資源」と考え、リサイクル・再利用などで活用し、資源を循環させる、「循環型経済」と呼ばれる経済システムのことを指します。

※3 SDGs(Sustainable Development Goals)とは、2015年9月の国連サミットで加盟国の全会一致で採択された持続可能でよりよい世界を目指す国際目標のことを指します。

 

(2) 目標とする経営指標

「airCloset」は顧客から受領するサービス利用料金に加えて、洋服の販売売上も収益として計上しています。サービス利用料金はサブスクリプション型であり、売上の総額を形作る重要経営指標は①月額会員数としております。また、サブスクリプションビジネスの成功においては、月額会員一人当たり利益(一人当たり限界利益)の向上が最優先となるため、限界利益(売上高からオペレーションコストやスタイリングコストなどの変動費を控除)を月額会員数で除した②一人当たり限界利益を、月額会員数と並び重要な指標であると考えております。①および②の指標を重要なKPIと定め、洋服のシェアリングエコノミーサービス、パーソナルスタイリングサービスの先行者として業界有数の会員数を獲得してきた実績とノウハウを最大限に活用し、より一層充実した顧客基盤の確立を目指しています。

①月額会員数については、従来同様に獲得チャネルの多様化・強化を進めてまいります。特に、非広告手段の拡大とサイト流入におけるCVR(コンバージョンレート)を高めてまいります。また、既存会員様の継続率の改善についても継続して取り組んでまいります。②一人当たり限界利益についてはアップセル・クロスセルの機会増進や顧客ロイヤリティーの強化によって改善を推進してまいります。月額会員数の継続的な増加と一人当たり限界利益の改善が成長戦略の基本方針となります。なお、一人当たり限界利益の改善に向けてオペレーションの継続的な効率化を行っており、2019年6月期と比較した際に、1配送当たりオペレーションコストの低減を達成し、一人当たり限界利益の改善が図られています。2026年6月期においては、一人当たり限界利益は過年度同水準を見込み、主に月額会員数の増加により成長を図ってまいります。

 

(3) 経営環境

当社事業に関わる重要な市場として①シェアリングエコノミー市場と②スタイリングEC市場の二つを想定しております。これらの市場において、独自に開発・運用している循環型の物流プラットフォーム、パーソナルスタイリングノウハウ、そしてデータ活用によって生み出される高い顧客満足度等の強みを競争優位性の源泉とし、事業展開を継続していきたいと考えています。当社の強みについては、「第1 企業の概況 3 事業の内容 (3)当社の特徴」をご参照ください。

 

① シェアリングエコノミー市場

当社を取り巻く事業環境は、シェアリングエコノミー協会が株式会社情報通信総合研究所と共同で調査し2023年1月時点のものとしてまとめた「シェアリングエコノミー関連調査結果」によると、2022年度のシェアリングエコノミー市場規模の合計で2兆6,158億円、高位推計では2032年には15兆1,165億円に上るものとされており、活況を呈しております。一方で、ベンチャー企業はもとより、既存の大手事業会社による当分野への市場参入及び事業強化により、競争の激しい状況が続くものと予想されます。

 

② スタイリングEC市場

矢野経済研究所レポート及び経済産業省「日本ファッション産業の海外展開戦略に関する調査」によると、2019年の国内のファッション市場の市場規模は約9.2兆円とされていました。一方、矢野経済研究所刊行の「2023 アパレル産業白書」ハイライトによると、2022年の国内アパレル総小売市場規模は前年比105.9%の8兆591億円とされています。ファッション市場へのCOVID-19感染症の蔓延による消費動向の変化が原因と推測される文脈で、マイナス影響が報告されていますが、感染症対策の進展とともに一定程度は過去水準に向けて回復することを想定しています(※1 TAM)。また、「airCloset」の中心的な顧客層にあたる25歳から49歳までの女性人口を前提に、有職者であり世帯年収400万円以上の人口を算出するとおよそ9,676千人となり、これに当社の顧客当たり平均売上(※2 ARPU)を乗じて得られる982億円を当社の行うスタイリングEC市場の想定規模と考えております(※3 SAM)。上記矢野経済研究所レポートによるとアパレル市場全体の市場規模は2014年から2022年までの期間において9.1~8.5兆円の区間を推移し横ばいしているものの、EC比率は年々上昇しており、「経済産業省 令和2年度産業経済研究委託事業(電子商取引に関する市場調査))」によると、新型コロナウイルス感染症以前の2015年時点の約9%(1.4兆円)から2022年には21.6%(2.5兆円)に達していることが報告されており、アパレル市場のEC化率は継続して増加傾向にあります。当社は、このアパレルEC市場の中でも「試着できない」、「ネットで選ぶのが面倒」などのECによる課題点を克服できるチャネルとして、スタイリングECが機能するものと考えております。

※1 TAM(Total Addressable Market)とは、ある市場の中で獲得できる可能性のある最大の市場規模、つまり商品・サービスの総需要のことを言います。

※2 ARPU(Average Revenue Per User)とは顧客当たり平均売上のことを言います。

※3 SAM(Serviceable Available Market)とは、TAMの中で当事業が対象とする部分の需要のことを言います。

 

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※1 総務省人口統計より当社作成(2021/01/01時点)

※2 矢野経済研究所 「2024 アパレル産業白書」

※3 総務省統計局「労働力調査」2024年12月 年齢階級別就業者数

※4 政府統計の総合窓口(e-Stat)「家計消費状況調査 平成29年改定(2015年1月~) 総世帯」2020より計算

※5 2025/6月期におけるairCloset事業売上/期末会員数でARPUを試算

 

(4) 中期的な会社の経営戦略

当社の成長戦略の基本方針は、以下の通りです。

 

 エアークローゼットはビジョンである「“ワクワク”が空気のようにあたりまえになる世界へ」を軸に企業戦略を策定しています。そのうえでライフスタイル領域を中心に事業を展開し、お客様の時間価値の向上、これまでにない新しいモノとの出会いをつくること、サステナブルな消費行動を拡大することを目的に事業運営を行っております。「モノとの最適な出会い」を提供できるビジネスモデルは、国内外問わずエアークローゼットが先行事例です。パーソナルスタイリングをサブスクリプション型のレンタルサービスにより実現し、気に入ったものについては購入することが可能であるビジネスモデルをより一層洗練することにより、パーソナライズ市場におけるリーディングカンパニーとしての地位を確立することを目指します。

 そして、中期的に1,000億円の売上高を実現していくために、まずは早期の売上高100億円突破を目標に成長を加速させてまいります。

 

 上記を実現するため、売上・利益の拡大に向け、以下の3つの柱に注力し、新規領域への投資を積極的に行ってまいります。

 

① 会員制サブスクリプション(ストック型)の強化

 

 主力事業である月額制ファッションレンタルサービス「airCloset」及び、メーカー公認月額制レンタルモール「airCloset Mall」の継続的な成長を追求します。特に「airCloset」事業においては、従来の広告中心であった会員獲得手段から脱却し、他社とのコラボレーションやアライアンス強化、友達紹介機能の強化、オフラインでの顧客接点の強化、自社メディアの強化、法人向けサービスの導入などを通じて、新規会員獲得手段の多様化を図り、会員数の増加率向上を目指します。さらに、顧客基盤の拡大に向け、メンズ向けサービスの準備も進めてまいります。

 

② 都度レンタル・物品販売(スポット型)の拡大

 結婚式やパーティーといったオケージョンシーンで利用できる「airCloset Dress」などの都度レンタルサービスや、アウターレンタル、小物販売といったスポット型の収益機会を拡大します。これにより、サブスクリプション会員以外の顧客層へのアプローチを強化し、顧客単価の上昇と利用機会の創出を図ります。また、会員制サービスとの相互送客も促進してまいります。

 

③ 法人向けサービス(ToB)の展開

 当社が自社事業の運営において構築してきた、循環型ビジネスに特化した自社開発の倉庫管理システム(WMS)を含む物流プラットフォーム「AC-PORT」を外部企業にも提供してまいります。物流取扱量の増加は、スケールメリットによる当社主力事業のコスト低減にも貢献します。また、福利厚生としてのairClosetの導入といったToBサービスの提供を拡大することで、新たな事業の柱を構築します。

 

 以上の戦略を着実に実行し、まずは売上高100億円を達成し 、更なる企業価値の向上を目指します。

 

b.物流プラットフォーム展開

商品の個品管理を前提とするレンタル・メンテナンス両機能の一層の高速化・高品質化・低コスト化を企図した改善活動を推進してまいります。なお、物流プラットフォームの展開については、EC物流市場の中でもファッションEC物流市場を狙う新たな事業の柱として推進していきます。また、当該サービス基盤を自社事業のみならず、外部企業への展開を推進しており、レンタルサービスにおける受託が2件、店頭試着等でわずかに汚れや傷が付いた傷物商品等の再商品化業務を2件受託しております。今後も継続して企業様向けの取り組みについても推進してまいります。引き続き、他社ブランド各社のレンタル事業参入における物流基盤提供や、欧米同様の返品率を想定したファッションEC業界に対して、保管・発送・返品・メンテナンスなどの各機能を提供することも視野に入れております。また、クリーニングに関しては個人顧客から法人顧客まで、自社開発したクリーニング機能をサービスとして提供することが可能になります。物流の取扱量の増加はスケールメリットによって、「airCloset」事業の変動費の低減にもつながります。

 

③ アジア展開

既に実現済みの施策も含め、既存のサービスラインをアイテム軸、セグメント軸、地域市場軸で拡大する方針を推進しながら、日本の製品・ファッションセンスに対する親和性が高いと考えられるアジア諸国の市場をターゲットに、海外展開を企図して新規顧客の獲得を加速します。クリーニングの付帯サービスなど、洋服そのものだけではなく、パーソナルスタイリング事業の過程で得られた強みを生かした施策展開も視野に含めます。

 

 以上の中期戦略は下図のようにまとめられます。

 

■ 認知拡大と事業領域拡大による成長イメージ

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(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当社は、「時間価値」の向上をビジョンとしています。すべてのステークホルダーが関与する時間を有意義にし、その価値を最大化することを目指しています。そのため、お客様の顧客体験(UX)を中心に考えたサービスの提供を重視してまいりました。

 市場での存在感を高めるため、創業当初から当社独自のプラットフォーム構築を構想・実現してきました。また、ファッション業界において課題の多いIT活用(データ活用・人工知能(AI)の活用等)を徹底して行い、UXの向上と効率化、新たな価値の創造を目指します。

 具体的なプラットフォーム強化に向けて、これまで取り組んできたairCloset事業・airCloset Mall事業のさらなる強化に重点を置いています。これにより、既存の事業基盤を一層強固にし、競争力を高めます。また、メンズやその他セグメントの展開や、オケージョンレンタル事業に向けた準備も進めており、新たな領域での事業展開を計画しています。

 上記を踏まえ、今後の戦略の重要点を、プラットフォーム戦略による拡大(ファッション以外の領域も含む)、お客様の会員システム(サブスクリプション等)による経済圏の確立、先端的なIT活用(データ、AI活用含む)と整理しております。

 これらをより堅固なものにするための課題を以下のように捉えております。

 今後の成長に向けては、既存のレディース領域の事業を中心にセグメント展開及びプラットフォーム展開により成長する方針を基本方針とし、具体的には以下の課題に対処する必要があると考えております。

 

① 当社サービスの認知度の向上

当社は主にオンライン広告などのWEBマーケティングの手法を通じ、「airCloset」サービスの認知度を徐々に高めてまいりましたが、経営戦略に沿って今後の事業拡大及び競合企業との差別化を図るにあたり、当社サービスの要諦であるパーソナルスタイリングの魅力、自宅に洋服が届く便利さをより一層、認知させていくことが重要であると認識しております。

また同時に、費用対効果を慎重に検討したうえで適切な媒体を選択し、足元のトップライン成長率だけでなく、中長期的な成長に向けた利益を生む仕組みの強化を測れるよう、広告宣伝やプロモーション活動の質を改善してまいります。

 

② システム及び物流機能の強化

当社の主要事業はインターネット上にてサービス提供を行っていることから、安定した事業運営を行うにあたっては、アクセス数の増加等を考慮したサーバー管理や負荷分散が重要となります。また、ユーザーの増加に合わせた物流機能の強化が重要であると認識しております。また、当社のビジネスモデルにおける物流機能には保管・出庫のみならず、返却物の管理やメンテナンスも含まれるため、その運用精度とコスト管理を追究することが経営上特に重要な要素となります。今後におきましては、引き続きシステムの安定性確保及び効率化、物流機能の強化に取り組んでまいります。

 

③ プラットフォームサービスの強化

当社は、顧客の好みと当社の取り扱う洋服に関するデータを統合し、スタイリストがネットワーク上で効率的に商品の推薦ができるスタイリング提供システムに係る特許を取得し、自社利用のみならず、モノのレンタルに関して、他企業にも展開できる基盤を有しています。また、当社はレンタル商品の返却後のメンテナンス処理などを効率的に行う「還流物流」を実現することができる倉庫管理システムについても特許を取得しており、上述のスタイリング提供システムと合わせ、プラットフォームサービスとしての展開可能性を強みとしています。当社の中期的な戦略上の重要項目である同プラットフォームの利用拡大に際して、他社様との具体的な協業事案を増やしながら、今後も一層、拡大整備を行ってまいります。

 

④ 「airCloset Mall」等の新規事業に関する商品展開の強化

当社が経営方針に謳う「“ワクワク”が空気のようにあたりまえになる世界へ」のビジョンの実現に向けてさらなる事業拡大を行うためには、パーソナルスタイリングの要素や自宅に洋服が届く便利さを基軸に、これまでの主要商品であるアパレル以外の生活商材も含めたユーザーのトータル・ライフスタイル・サポートのニーズを満たしていくことが重要であると認識しております。当社はすでに「airCloset Mall」事業としてこれらの生活商材の取扱いを広げておりますが、これまでに構築してきた各パートナー企業様との関係を一層深化させ、魅力的な品ぞろえを実現することが出来るよう努めてまいります。

 

⑤ 優秀な人材の確保と組織力の強化

今後の事業拡大及び収益基盤の拡充にあたり、優秀な人材の確保及びその定着を図ることは引き続き重要であると考えております。そのため、当社は継続的に採用活動を行うとともに、適正な人事評価を行い、優秀な人材の確保に努めてまいります。また、従業員のモチベーションを企業成長における重要指標と捉え、2016年より従業員アンケートによる測定を継続しており、その結果を高く維持しているほか、週次の全社会議や年2回の全社合宿等、従業員のコミュニケーション促進施策に力を入れてまいりました。また、今後の事業拡大に向けて開発体制の強化が重要性を増していることから、開発体制の更なる充実を図るため、ベトナム・ハノイにシステム開発子会社を設立いたしました。今後も引き続き、人材の教育・育成を進めていく方針です。

 

⑥ 内部統制による業務の標準化と効率化

今後の事業拡大にあたり、業務の標準化と効率化の徹底が、継続的な成長を左右するものと考えております。このため内部統制体制の強化を通じ、コンプライアンスの徹底だけでなく、業務効率の改善を進めてまいります。

 

⑦ 財務上の課題について

弊社では、新規会員獲得に関する広告宣伝費や今後の成長に向けたレンタル用資産の購入といった先行投資により、2024年6月期まで連続した当期純損失を計上しております。一方で、先行投資に関しては今後の資金繰りに支障が無いように取引金融機関と連携しております。また、当該先行投資の結果として売上も伸長しており、収益力も高まっております。そのため、現時点において財務上の課題は認識しておりません。
 今後もプラットフォームを活用した新規事業の開発等に係る先行投資を継続することを前提としております。そのうえで、会員獲得効率の改善に注力し、airCloset事業については営業利益の黒字転換を目指し、中長期的な成長に向けた活動に注力したいと考えております。営業活動によるキャッシュ・フローの水準を注視し、金融機関との協議を継続することで引き続き十分な運転資金を確保できるものと判断しております。

 

 

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社のサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

 サステナビリティに関する基本的な考え方として、当社では、今日事業者に求められているサステナビリティ(持続可能性)の観点は企業経営における目的ではなく、事業と組織を運営する上で当然に考慮されるべき事項であり、事業に関連する全ての部門、全てのプロジェクトがサステナビリティの観点を持って企画・推進されるべきであると考えております。

 

(1)ガバナンス

 ガバナンスとは適切かつ継続的に運用される企業統治の仕組みのことであり、このガバナンスを有効に機能させるために最も重要な点を、当社では特に担当するチームの組成に見出しています。

 そのため、経営上で特に重要な課題については、代表取締役社長兼CEOを中心としたプロジェクトチームを組成し、事業/組織両面でのサステナビリティ向上に関する方針を策定のうえ、必要に応じて取締役会にて課題管理・進捗報告を行うこととしています。

 

(2)戦略

 サステナビリティの向上に対する論点は、SDGsに包摂される地球規模の環境問題や労働問題から、それらを解決するための要素技術の開発や利活用に至るまで多岐にわたります。当社は、日本国内で事業活動を営む株式会社として、これらの議論に関し、短期、中期及び長期の様々なアプローチを講じるべきであると考えております。具体的には、当社は、「“ワクワク”が空気のようにあたりまえになる世界へ」をビジョンに掲げ、事業や組織に関わるすべてのステークホルダーの時間価値を向上させ、継続的な人類社会の発展に寄与することを目指しております。

 さらに、創業当初よりシェアリングの概念が持続可能な経済社会の創造に結びつくことを信念とし、サービス開発および循環型物流プラットフォームの構築を通したサーキュラーエコノミーの実現を推進してまいりました。

 この長期的なビジョンの実現に向け、当社では「事業のサステナビリティ」と「組織のサステナビリティ」の2軸に分けて課題を設定し、短期及び中期的な取り組みとして目下、その改善・解決に取り組んでおります。

 

① 事業のサステナビリティ向上における重要課題と取組み

 当社の事業においては、「当社のサービス提供に伴う環境負荷指数の見える化と改善」を重要課題として設定しております。これは、当社のサービスが従来型の事業に比べて定量的かつ現実的にどの程度環境負荷の軽減に効果があるかを確認することで、事業の開発方針をより具体的なものにし、サステナビリティ向上の実現をより確実なものとすることを目的としています。

 その取り組みの一つとして、当社は創業以来、サービスで取り扱う「お洋服の廃棄量削減」を行っております。この結果、「お洋服として活躍できるものはそのままお洋服として最大限活用する」という考え方の下、自社で取り扱う全てのお洋服を焼却・埋め立て処分せずにリユース・リセール・リサイクルする、「衣服廃棄ゼロ」の仕組みを2022年2月に実現いたしました。

 また、もう一つの取り組みとして、サービス提供に伴う「CO2排出削減・廃棄物排出抑制」を掲げ、環境省による「令和4年度デジタル技術を活用した脱炭素型資源循環ビジネスの効果実証事業」に参画し、ファッションレンタルサービスとしての当社事業のモデルによって創出される脱炭素・資源循環効果が従来の販売モデルに対し「CO2排出削減効果19%」、「廃棄物排出抑制効果27%」と推計されたことを2023年5月に公表いたしました。さらに、経済産業省が主催する「第5回成長志向型の資源自律経済デザイン研究会」にも先行事業者として参加し、自社内による取組みはもちろん、その知見やデータ等を社会全体に活かしていけるよう活動を続けております。

 今後もサービス提供に伴う環境負荷指数の見える化と改善に取組み、その取組み内容および結果を積極的に公表していく方針です。

 

② 組織のサステナビリティ向上における重要課題と取組み

 当社の人的資本に関する組織戦略においては、「企業と個人の成長と多様性の両立」を重要課題として設定しております。これは、環境変化が激しく不確実性を伴う市場において、これまでなかったサービスを開発していく当社にあって、従業員の能力開発とその多様性の確保が、当社自体の継続的な成長に直結するものであるとの理念に基づく課題設定です。

 その取り組みの一つとして、成長企業として「高い成長を目指す当社に対するエンゲージメント指数」に注目し、創業初期の2016年9月より従業員のエンゲージメント調査(リンクアンドモチベーション社のモチベーションクラウドを利用)を半年に一度のペースで継続的に実施し、組織における従業員の活動意欲や当事者意識の見える化とそれらの改善に取り組んでまいりました。最新のエンゲージメント調査は2024年5月に実施し、11段階ある評価枠組みの最上位であるレーティングAAAを取得しています。また同調査にて計測されたモチベーションスコア73.7は、同調査に参加する全8,000社以上の企業の中でも最高レベルの成績となっています。

 また、もう一つの取り組みとして「ダイバーシティ&インクルージョンの推進」を掲げ、従業員一人一人のライフスタイルに寄り添うことのできる組織を目指し、様々な取組みを進めています。当社は平均年齢32.0歳、女性従業員比率49%、女性管理職比率23%であり、多くの女性が働く成長企業です。その中で、女性が活躍できる社会の実現を目指し、母親となる女性だけでなく、男性の育休取得が推進されることが肝要であると考え、2021年9月には株式会社ワーク・ライフバランスが唱道する「男性育休100%宣言」への賛同を公表し、男性の育児休業取得率100%を目指しております。

現在の当社の男性育休取得率は50%、男性育児支援シフト勤務利用経験者率は60%であり、今後も各家庭の事情や従業員個人の気持ちが汲み取られ、その希望する働き方が実現される組織となれるよう、様々なアクションを実施していきます。加えて、当社の従業員における外国人比率は8%であり、多様な人種・多様な文化を前提とした組織づくりも推進しております。

 今後も「企業と個人の成長と多様性の両立」に務め、その取組み内容および結果を積極的に公表していく方針です。

 

(3)リスク管理

  当社において、サステナビリティ領域における全社的なリスク管理は、リスク・コンプライアンス委員会にて、その他の重要な経営リスクと合わせて把握・管理を行っております。これは、企業経営においてサステナビリティに関するリスク管理を重要なものとして捉え、社内を横断的に活動するリスク・コンプライアンス委員会において包括的に管理することが有効であるとの考えに基づきます。その上で、(1)ガバナンス記載の通り、サステナビリティ領域において特に重要な課題については、代表取締役社長兼CEOを中心として組成したプロジェクトチームが対応策の立案を担当しています。またその活動状況は、プロジェクトチームの中で詳細な検討を行い、当社に与える財務的影響、当社の活動が環境・社会に与える影響、発生可能性を踏まえて、取締役会にて報告を行っていきます。

 

(4)指標及び目標

 当社では、社内のサステナビリティ関連リスクの発生状況の把握や対応策の検討を(3)リスク管理記載の通りリスク・コンプライアンス委員会の活動によって引き続き実施してまいります。また、(2)戦略において記載したサステナビリティの向上機会につながる目標も同時に追求してまいります。

 現時点においては、上述した、脱炭素・資源循環効果の推定値に基づき、当社が運営するシェアリングモデルのファッションレンタルサービス「airCloset」の拡大を図ることが、サステナビリティ向上につながるものと考え、当サービスの会員数を事業計画通りに拡大していくことを目標としております。そのため、月額会員数を事業のサステナビリティ向上における重要指標と捉えております。また、組織のサステナビリティにおいては、上述のエンゲージメント調査において、最高レーティングであるAAAを継続して取得することを目標としております。

 

3【事業等のリスク】

本書に記載した当社の事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、リスク要因となる可能性がある事項及びその他の投資者の判断に影響を及ぼすと考えられる事項には、以下のようなものがあります。

 

また、リスク要因に該当しない事項についても、投資者の判断上重要であると考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。当社はこれらのリスク発生の可能性を認識したうえで、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針であります。具体的には、当該リスクを把握し、管理する体制・枠組みとして当社内にリスク・コンプライアンス委員会を設置し、対応いたします。詳しくは「4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要 ② 企業統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由 a.企業統治の体制の概要 ホ) リスク・コンプライアンス委員会」をご参照ください。なお、以下の記載のうち将来に関する事項は、別段の記載がない限り、本書提出日現在において当社が判断したものであり、不確実性を内在しているため、実際の結果と異なる可能性があります。

 

〈市場に関するリスク〉

(1) インターネット関連市場について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:長期、影響度:大)

当社はインターネットを介してアパレル商品をレンタルするパーソナルスタイリングEC事業「airCloset」を主力サービスとして提供しており、5Gなどの新しい規格を含むブロードバンド環境の普及によりインターネット関連市場が今後も拡大していくことが事業展開の基本条件であると考えております。しかしながら、新たな法的規制の導入、技術革新の遅れ、利用料金の改定を含む通信事業者の動向など、予期せぬ要因によりインターネット関連市場の発展が阻害される場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 競合優位性について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:中期、影響度:小)

当社はインターネット通信販売事業者として、単なるアパレル商品のレンタル・販売を行うだけでなく、サイトの利便性を高め、また各ブランドと良好な関係を保ちつつ、ユーザーにパーソナルスタイリングを提供することによって、競合優位性を有していると考えております。関連市場の拡大に伴い、各ブランド自身によるパーソナルスタイリング・ファッションレンタル事業への展開、競合他社による新たな付加価値サービスの提供等がなされる可能性がありますが、当社独自に開発したファッションレンタル物流の構築や所属スタイリストの数的優位性など、参入障壁は高く、重要なリスクと認識しておりますが、顕在化する可能性は高くないものと考えております。

 

〈事業運営に関するリスク〉

(3) 物流機能について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:長期、影響度:大)

当社は、ユーザー数の増加に応じて必要在庫数、必要作業スペース等が増加するため、倉庫・スタッフ等の拡充を行っておりますが、これらを適時に行えなかった場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。また、物流拠点を設置している地域において、地震、台風等の自然災害が発生したことにより物流拠点が被害を受けた場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。ただし、クリーニングノウハウは当社に蓄積されており、かつ緊急時に依頼可能な工場を事前に確保するなど、クリーニング工場の分散化の余地を残していること、また物流拠点に火災保険を付保していることなど、オペレーション・財務両面で復旧を速やかに行い当該リスクを最小化する手段を備えています。

 

(4) 特定の業務委託に対する依存度の高さについて(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:長期、影響度:中)

当社は商品に対するクリーニングの実施やメンテナンス等の業務、また商品のユーザーとの間の受配送について、特定の第三者に委託しております。本書提出日現在において当該委託業者との間に問題は生じておりませんが、今後において取引条件等の変更があった場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があり、特に重要なリスクと認識しておりますが、顕在化するリスクは高くないものと認識しております。関連する委託業務の実施ノウハウの内製化や、一部の委託企業とは資本業務提携を結ぶなど良好な関係を維持継続できるよう努めております。

 

(5) 在庫リスクについて(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:長期、影響度:中)

当社が保有する大部分の商材については、(特に「airCloset」において)当社自ら仕入れを行い自社の資産として保有したうえでレンタル・販売を行う買取型の仕入れ形態をとっております。これらの仕入れを行う際は、市場の流行・顧客の嗜好を考慮しておりますが、市場の流行・顧客の嗜好の変化により、商品の需要状況が当社の想定していたものと大きく異なる結果、レンタル用資産の減損を実施することとなった場合には、当社の経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 仕入リスクについて(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:中期、影響度:中)

当社は、「airCloset」で提供するアパレル商品をメーカーや商社を通じて仕入れており、仕入先各社との関係は良好であり何ら問題は生じておりませんが、今後ブランドの事業方針や戦略等の見直しが行われた場合、仕入先の経営状況が変化し財務内容が悪化した場合、当社との取引関係の悪化等を起因とした商品供給量の減少が行われる場合、または契約の不履行もしくは取引の中止等があった場合には、当社の事業及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。ただし、「shareCloset」のスキームを利用した中古市場からの買取の道を深めるなど、将来的な調達経路の開発も進めております。さらに当社は、古物商免許を取得しており、従たる調達手段として前述した中古市場からの買取を行う場合にも適法・適切な対応を取ることが可能となっております。上記リスクが顕在化する可能性は高くないものと考えておりますが、引き続きリスクの低減に努めてまいります。

 

(7) 月額会員数について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:中期、影響度:中)

当社事業において重要なKPIに定めている月額会員数について、本項「事業等のリスク」記載のリスクが顕在化した場合、またはその他不測の事態が生じた場合に新規会員獲得が計画通りに実現できない可能性があります。また、計画以上に既存会員の減少が発生した場合、当社の経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。すべてのリスクの発生可能性を未然に防ぐ合理的な手立てはないものと考えておりますが、かかる事象が生じた場合にも、適切な経営判断ができるよう常に社内外の情報収集を行っていくとともに、社内外の各組織・関連機関との関係を維持・向上できるよう努めてまいります。

 

(8) 固定資産(主にレンタル用資産)の減損について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:中期、影響度:中)

当社では、固定資産の減損に係る会計基準に従い、定期的に保有資産の将来キャッシュ・フロー等を算定し、減損損失の認識・測定を行っております。経営環境の著しい変化や収益状況の悪化等により、対象となる資産に減損損失を計上する必要が生じた場合、当社の業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9) システムトラブルについて(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:短期、影響度:大)

当社はユーザーとの接点についてインターネットサイトやスマートフォンアプリを主たる方法として採用しており、事業の安定的な運用のためのシステム強化及びセキュリティ対策を行っております。しかしながら、地震、火災等の自然災害、事故、停電など予期せぬ事象の発生によって、当社設備又は通信ネットワークに障害が発生した場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、当社のサービスは外部クラウドサーバAmazon Web Service社が提供するサービス(以下、「AWS」という。)を利用して提供しており、AWSの安定的な稼働が当社の事業運営上、重要な事項となっております。

これまでのところ、当社においてAWSに起因する重大なサービスの停止やトラブル等は起こっておりませんが、システムエラーや人為的な破壊行為、自然災害等の当社の想定していない事象の発生によりAWSが停止した場合には、顧客への損害の発生やサービスに対する信頼性の低下などにより、当社の経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性がありますが、顕在化のリスクは高くないと認識しております。

当社では、AWSが継続的に稼働しているかを随時モニタリングしており、障害の発生またはその予兆を検知した場合には、当社の役職員に連絡が入り、早急に復旧するための体制を整備しております。AWSはFISC安全対策基準(注)を満たす安全性を備えております。

(注)FISCとは、金融庁が金融機関のシステム管理体制を検査する際に使用する基準のことを指します。

 

(10) 洋服の仕入価格の上昇について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:短期、影響度:中)

 原材料価格の上昇や円安の進行等など様々な要因により、当社が仕入れを行っているアパレル商品の仕入コストの上昇等が発生した場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 当該リスクに対応するため、仕入コストの上昇については「(6) 仕入リスクについて」に記載の対応を進めるとともに、お客様一人当たりに必要な洋服の量の最適化、仕入商品の見直しにより対応を行います。
また、上記で対応が困難な規模の仕入価格コストの上昇が起きた場合はサービス価格への反映を検討してまいります。

 

(11) 物流コストの上昇について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:短期、影響度:中)

 当社は物流業務を外部の専門業者に委託しておりますが、原油価格や為替レートの変動により燃料費が高騰した場合や、物流業界における人件費が高騰した場合に物流コストが上昇し、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 当該リスクに対応するため、複数の専門業者様と取引を行うことや、より効率的な仕組みの構築を行うことで対応してまいります。人件費の高騰については前述に加え、定期的に物流業者様とコミュニケーションを実施し、物流コストへの影響を確認したうえで、事業への影響の最小化を図るよう対応してまいります。

〈法的規制に関するリスク〉

(12) 法的規制について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:中期、影響度:大)

当社事業は、「特定商取引に関する法律(特商法)」、「不当景品類及び不当表示防止法(景品表示法)」、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(薬機法)」、「古物営業法」、「私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(独占禁止法)」、「下請代金支払遅延等防止法(下請法)」、「個人情報の保護に関する法律(個人情報保護法)」、「クリーニング業法」等による規制を受けております。現時点では特段認識しているものはありませんが、今後既存の規制への抵触あるいは何らかの新たな規制による当社事業運営への影響が生じる場合は、当社の経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性のある重要なリスクと認識しておりますが、顕在化する可能性は高くないと認識しております。当社は、リスク・コンプライアンス委員会を設置し、社内の管理体制を構築することによりこれら法令を遵守する体制を整備しております。また、顧問弁護士等とも連携し、最新の情報を収集しております。法的規制等への対応が必要となった場合には、法務担当、リスク・コンプライアンス委員会を中心に、適切な対応を取れる体制を整備しております。

 

(13) 知的財産権について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:長期、影響度:中)

当社は、運営するサービス名、サイト名称について複数の商標登録を行っており、今後もオンライン・オフラインを問わず新たなサービスを展開する際にも、関連する商標登録を行っていく方針としております。また当社が運営するインターネットサイトを通じて貸出・販売する商品および掲載する画像については第三者の知的財産権を侵害しないように監視・管理を行っておりますが、今後も知的財産権の侵害を理由とする訴訟やクレームが提起されないという保証はなく、このような事態が発生した場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。かかるリスクに対しては、顧問弁護士等とも連携し、最新の情報を収集するとともに、リスク・コンプライアンス委員会を設置し、社内の管理体制を構築することにより対応しております。

 

(14) 情報セキュリティ及び個人情報等の漏洩について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:短期、影響度:大)

当社事業においては、個人情報や機密情報が含まれているデータ等を取り扱っております。氏名、住所等の情報に加え、例えば、効果的なスタイリングサービスの提供にあたり必要となる、会員から取得する顔写真や身体のサイズ等も含まれます。万が一、こうしたデータの情報漏洩、改ざん、または不正使用等が生じた場合、もしくは何らかの要因からこれらの問題が発生した場合には、顧客への損害賠償やサービスに対する信頼性の低下などにより、当社の経営成績及び財政状態等に影響を及ぼすことがある重要なリスクと認識しておりますが、顕在化する可能性は高くないと認識しております。

当社会員等の個人情報については、クレジットカード情報を保持しない等のシステム設計上の配慮は当然ながら、個人情報に関する社内でのアクセス権限の設定や、外部データセンターでの厳重な情報管理等、管理面及び物理的側面からもその取扱いに注意を払っております。また、社内での個人情報保護に関する教育啓蒙を行っており、個人情報保護について重要性の認識の醸成を行っております。なお、万一の場合に備え、サイバー保険を付保しております。

 

〈組織に関するリスク〉

(15) 特定人物への依存について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:中期、影響度:中)

当社の創業メンバーである代表取締役社長兼CEO天沼聰は、IT/プロジェクトマネジメントに関する豊富な経験と知識を有しており、経営方針や事業戦略の決定など、当社の事業活動全般において極めて重要な役割を果たしております。何らかの理由により同氏による業務執行が困難となった場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がある重要なリスクと認識しておりますが、同氏に過度に依存しないよう、経営幹部人材の拡充、採用・育成及び権限委譲による分業体制の構築などにより、経営組織の強化に取り組んでいるため、当該リスクが顕在化する可能性は高くないものと考えております。

 

(16) 人材の確保について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:中期、影響度:中)

当社は今後の事業拡大及び収益基盤の拡充のためには、優秀な人材を確保及び育成することが不可欠と認識しております。しかしながら、当社の採用基準を満たす優秀な人材を十分に採用できない場合や、採用後の育成が十分に進まなかった場合には、当社の事業拡大の制約となり、経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性のある重要なリスクと認識しております。当社では、今後の事業の成長に応じて積極的な採用活動を行うとともに、成長ポテンシャルの高い人材の育成を同時に進め、内部管理体制及び業務執行体制の充実を図っていく方針であり、そのための風土づくりや人事制度の充実に努めています。

 

 

〈その他のリスク〉

(17) 税務上の繰越欠損金について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:中期、影響度:中)

当社は、事業拡大のための積極的な人材投資等を行ってきたことから、創業以来当期純損失を計上しており、当事業年度末日現在において3,674,700千円の繰越欠損金が存在しております。繰越欠損金は、一般的に将来の課税所得から控除することが可能であるため、繰越欠損金を利用することにより将来の税額を減額することができます。しかしながら繰越欠損金の利用額と利用期間には、税務上、一定の制限も設けられております。よって計画どおりに課税所得が発生しない場合、繰越欠損金を計画どおり利用できないこととなるため、通常の税率に基づく法人税等が課税されることになり、当期純利益やキャッシュ・フローに影響を与える可能性があります。

 

(18) 訴訟について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:長期、影響度:大)

当社が事業活動を行う中で、顧客等から当社が提供するサービスの不備、個人情報の漏洩等により、訴訟を受けた場合には、当社の社会的信用が棄損され経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。本書提出日現在において、重大な訴訟を提起されている事実はなく、また、当該リスクが顕在化する可能性は高くないものと考えております。万が一、訴訟を受けるような事象が生じた場合にも、顧問弁護士等とも連携し、法務担当、リスク・コンプライアンス委員会を中心に、適切な対応を取れる体制を整備しております。

 

(19) 株主構成について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:短期、影響度:中)

当事業年度の末日現在において、当社発行済株式総数8,276,200株のうち、計1,068,200株はベンチャーキャピタル及びベンチャーキャピタルが組成した投資事業組合(以下、「VC等」という)が所有しており、VC等が保有する当社株式の発行済株式総数に対する割合は12.9%という水準となっております。一般にVC等による株式所有目的は、株式公開後に売却を行いキャピタルゲインを得ることであります。VC等が所有する当社株式を市場にて売却した場合には、当社株式の売却圧力が顕在化し、市場価格に影響を及ぼす可能性がありますが、顕在化する可能性は高くないものと考えております。

 

(20) 配当政策について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:中期、影響度:中)

当社は、株主に対する利益還元と同時に、財務体質の強化及び競争力の確保を経営の重要課題として位置付けております。現時点では、当社は成長過程にあると考えており、内部留保の充実を図り、事業拡大と事業の効率化のための投資に充当していくことが株主に対する最大の利益還元につながると考えております。このことから、今後においても当面の間は内部留保の充実を図る方針でおります。将来的には、各事業年度の経営成績を勘案しながら株主への利益還元を検討していく方針ですが、現時点において配当実施の可能性及びその実施時期等については未定であります。

 

(21) 自然災害・感染症等について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:長期、影響度:大)

地震や台風等の自然災害、未知のコンピュータウイルス、テロ攻撃、システムトラブルまたは伝染病といった想定を超える自然災害や事故が発生した場合、当社業務委託先である物流倉庫等が保有する設備の損壊や電力供給、インターネットアクセスの制限等の事業継続に支障をきたす事象が発生し、当社の経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性がある、重要なリスクと認識しておりますが、当該リスクの発生可能性を見通すのは困難であります。

 

(22) 社歴の浅いことについて(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:短期、影響度:中)

当社は2014年7月の設立から本書提出日まで創業から約10年と社歴が浅いため、業績に影響を与えうる全ての事象を網羅的に経験していると断じることが出来ず、不測の事象により事業計画の達成を阻害する要因が生じうる可能性を残しております。創業以来蓄積してきた経営ノウハウや過去データに基づく将来予測を可能な限り精緻に実施していくことで、当該リスクが顕在化する可能性を最小化できるよう努めてまいります。

 

(23) 過年度業績等について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:中期、影響度:中)
 当社の過去5期間における主要な経営成績の推移は、「第1 企業の概況 1 主要な経営指標等の推移」に記載のとおりであります。
 事業開始初年度より継続的に成長し、新型コロナウイルス感染症の影響下にあっても、会員増加を実現しています。

 しかしながら、新規会員獲得に関する広告宣伝費や今後の成長に向けたレンタル用資産の購入に伴う減価償却費の負担等により、2023年6月期までの過去3期間においては継続的に当期純損失を計上しております。また、2024年6月期においては、airCloset事業は営業利益の黒字化を実現しているものの、新規事業への投資を実施した結果、当期純損失を計上しております。2025年6月期においては、収益性の改善を継続しており、全社として初めての当期純利益の黒字化を達成いたしました。
 当社では、パーソナルスタイリングをはじめとした当社のサービス全般について、より一層の品質向上に努めるとともに、引き続き新規会員獲得のための成長投資を加速してまいりますが、想定通り新規会員獲得が進まない場合には、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(24) 設備投資費用等の回収について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:短期、影響度:中)

 2025年6月期、2026年6月期にかけて段階的に倉庫の拡張移転を行っており、設備投資や契約面積の増床を実施しています。これに伴い固定費が増加しているため、想定通りに事業規模の拡大や他社連携が進まなかった場合に、収益性の悪化という形で当社の経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態の状況

(資産)

当事業年度末における流動資産は1,566,946千円となり、前事業年度末に比べ343,316千円減少しました。これは主に、設備投資の実施に伴う現金及び預金の減少361,903千円によるものであります。固定資産は1,186,049千円となり、前事業年度末に比べ385,825千円増加しました。これは主に、年間を通じての月額会員数の増加に応じて、必要在庫数が増加したことに伴いレンタル用資産が229,237千円増加したことに加え、新倉庫の稼働開始により建物が152,218千円増加したことによるものであります。

この結果、総資産は2,752,996千円となり、前事業年度末に比べ42,508千円増加しました。

(負債)

 当事業年度末における流動負債は1,617,852千円となり、前事業年度末に比べ404,305千円増加しました。これは主に、短期借入金の増加155,177千円及び1年内返済予定の長期借入金の増加200,000千円によるものであります。固定負債は580,704千円となり、前事業年度末に比べ406,076千円減少しました。これは主に、長期借入金を1年内返済予定の長期借入金に振り替えたことによる減少400,000千円であります。

この結果、負債合計は2,198,557千円となり、前事業年度末に比べ1,770千円減少しました。

(純資産)

 当事業年度末における純資産は554,438千円となり、前事業年度末に比べ44,278千円増加しました。これは主に、当期純利益計上による利益剰余金の増加23,541千円によるものであります。

この結果、自己資本比率は19.6%となりました。

 

② 経営成績の状況

当社は、「“ワクワク”が空気のようにあたりまえになる世界へ」をビジョンに掲げ、人々のライフスタイルが豊かになるサービスの提供を行っております。パーソナルスタイリングの要素を強みとした主軸の月額制ファッションレンタルサービス「airCloset」に加え、家具・家電を購入前にレンタルできるメーカー様公認の月額制レンタルモール「airCloset Mall」を展開しております。これらのサービス展開においてはモノの出荷だけではなく、返却、メンテナンスといったオペレーションが重要となるため、当社はこれまで循環型の物流プラットフォームの改善、磨きこみを継続してまいりました。

2023年10月には当該物流プラットフォームを活用した都度課金型の新しい取り組みである「Disney FASHION CLOSET」を、2024年11月には同様に都度課金型で結婚式やイベントで着用するドレスをレンタルできる「airCloset Dress」をスタートしており、認知拡大に努めています。

また、循環型物流プラットフォームを、自社利用だけでなく、他の企業様にご活用頂く事業も推進しており、レンタルサービスにおける受託が2件、店頭試着等でわずかに汚れや傷が付いた傷物商品等の再商品化業務を2件受託しております。今後も継続して企業様向けの取り組みについても推進してまいります。

上記に加えて、当社はサステナビリティの観点から転換が求められるファッション業界において、サーキュラーエコノミーを実現する企業としても事業推進を行っております。2022年には自社サービス内における衣服の廃棄ゼロを実現しています。また、アパレル販売員向け衣服シェアリングの取り組みの本格始動や、レンタル提供を終了した洋服を販売するサステナブルな販売会「エコセール」を企業連携企画に拡大するなどの動きを行っております。

当事業年度においては、賃上げの定着等により個人消費に一定の回復がみられた一方、世界における情勢不安、資源価格の高騰や為替変動による物価の上昇など、景気の先行きについては不透明な状況が続いています。

このような状況の中、主力であるairClosetサービスにおいては、前期から続く継続率の改善等により、安定した会員数の伸びを実現しており、顧客単価についても価格改定等により上昇いたしました。また、ベトナムにおけるシステム開発子会社の稼働開始など、成長加速に向けた投資を行いながらも、収益性の改善を継続しており、前事業年度のairCloset事業の営業利益の黒字化に続き、全社として初めての当期純利益の黒字化を達成いたしました。

これらの結果、当事業年度の業績は、売上高4,957,589千円(前年度比17.6%増)、調整後EBITDA(営業利益+レンタル用資産償却費+減価償却費+レンタル用資産売却等に伴う原価振替額)1,028,651千円(前年度比34.8%増)、営業利益102,423千円(前年度は35,627千円の営業損失)、経常利益88,599千円(前年度は52,663千円の経常損失)、当期純利益23,541千円(前年度は53,195千円の当期純損失)となりました。

なお、当社の事業セグメントはパーソナルスタイリング事業のみの単一セグメントであるため、セグメントごとの記載を省略しております。

 

③ キャッシュ・フローの状況

当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は1,092,622千円となり、前事業年度末に比べ361,903千円減少しました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は1,060,627千円(前年度は802,950千円の獲得)となりました。これは主に、減少要因として、未払又は未収消費税等の減少額36,265千円(前年度は22,732千円の増加額)等があった一方で、増加要因として、税引前当期純利益24,168千円(前年度は52,663千円の税引前当期純損失)、減価償却費562,532千円(前年度は572,502千円の減価償却費)、レンタル用資産売却等に伴う原価振替額363,696千円(前年度は226,052千円のレンタル用資産売却等に伴う原価振替額)、前受金の増加額50,492千円(前年度は6,205千円の前受金の増加額)等によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果支出した資金1,389,766千円(前年度は778,282千円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出1,334,007千円(前年度は911,586千円の支出)等によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果支出した資金は32,764千円(前年度は178,060千円の獲得)となりました。これは主に、短期借入金の純増加額155,177千円(前年度は192,366千円の純増加額)があった一方で、長期借入金の返済による支出200,000千円(前年度は214,683千円の支出)があったことによるものであります。

 

④ 生産、受注及び販売の実績

a.商品仕入実績

 当事業年度の商品仕入実績を品目ごとに示すと、次のとおりであります。なお、当社は、パーソナルスタイリング事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。

 

セグメントの名称

品目

当事業年度

(自 2024年7月1日

  至 2025年6月30日)

金額(千円)

前年同期比(%)

パーソナルスタイリング事業

商品

54,406

112.08

合計

54,406

112.08

 

b.受注実績

 当社は、受注生産を行っておりませんので、受注実績に関する記載はしておりません。

 

c.販売実績

 当事業年度における販売実績は、次のとおりであります。なお、当社は、パーソナルスタイリング事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。

 

セグメントの名称

当事業年度

(自 2024年7月1日

  至 2025年6月30日)

金額(千円)

前年同期比(%)

パーソナルスタイリング事業

4,957,589

117.6

合計

4,957,589

117.6

(注)販売実績が、総販売実績の10%を占める相手先が存在しないため、相手先別販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合の記載を省略しております。

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

当事業年度の財政状態及び経営成績につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態の状況」及び「(1)経営成績等の状況の概要 ②経営成績の状況」にも記載しておりますが、売上高4,957,589千円(前年度比17.6%増)となりました。

これは主に、月額会員数の増加によるものであります。

売上原価は2,579,427千円(同16.3%増)となりました。これは主に、売上高増加に伴うものであります。

販売費及び一般管理費は2,275,739千円(同11.9%増)となりました。これは主に、事業規模拡大に伴う広告宣伝費の増加等によるものであります。

なお、販売費の売上高に占める割合は29.7%(前年度は31.3%)、一般管理費の同割合は16.2%(前年度は17.0%)となっております。

結果、営業利益は102,423千円(前年度は35,627千円の営業損失)となりました。

営業外収益は、3,388千円(同64.9%増)となりました。これは主に、補助金収入に伴うものであります。

営業外費用は、17,212千円(同9.8%減)となりました。

これらの結果、当期純利益23,541千円(前年度は53,195千円の当期純損失)となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 当社は、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。

 当事業年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

今後は「airCloset」の拡大に加え、更なる成長の為に、事業領域(年齢層・取扱商品)の拡大、「airCloset Mall」の拡大を予定しております。

これらに必要な資金については自己資金により充当する事が基本方針でありますが、必要に応じて金融機関からの借入金や、新株発行による資金調達資金により充当することとしております。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたりましては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告数値に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、過去の実績等を勘案して合理的な見積りを行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は、これらの見積りと異なる場合があります。

当社の財務諸表の作成に際して採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載しております。会計上の見積りのうち重要なものにつきましては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載しております。

 

④ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、「第2 事 業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2) 目標とする経営指標」に記載の通り、月額会員数、一人当たり限界利益を重要な経営指標と位置づけ、各経営課題に取り組んでおります。各指標の推移については、「第1 企業の概況 3 事業の内容」をご参照ください。

 

 

5【重要な契約等】

該当事項はありません。

 

 

6【研究開発活動】

 該当事項はありません。