第一部 【企業情報】

第1 【企業の概況】

1 【主要な経営指標等の推移】

 

 

 

回次

第11期

第12期

第13期

第14期

第15期

決算年月

2020年11月

2021年11月

2022年11月

2023年11月

2024年11月

売上高

(千円)

17,301,622

20,919,827

25,605,752

30,559,562

35,617,526

経常利益

(千円)

718,785

1,814,394

3,813,463

5,608,203

5,493,199

当期純利益

(千円)

424,602

1,224,741

2,366,809

3,953,751

3,903,160

持分法を適用した場合の投資利益又は投資損失(△)

(千円)

78,855

4,588

34,239

110,060

133,959

資本金

(千円)

100,000

100,000

1,894,000

1,913,229

1,921,808

発行済株式総数

(株)

10,000,000

10,000,000

11,500,000

23,187,600

22,939,900

純資産額

(千円)

1,477,504

2,702,245

8,656,777

12,647,478

11,832,667

総資産額

(千円)

6,209,450

7,878,799

14,265,605

19,150,483

18,525,722

1株当たり純資産額

(円)

73.53

134.76

376.08

545.21

516.53

1株当たり配当額

(円)

90.00

92.00

(1株当たり中間配当額)

(-)

(-)

(-)

(-)

(45.00)

1株当たり当期純利益

(円)

21.23

61.24

115.03

171.74

169.85

潜在株式調整後
1株当たり当期純利益

(円)

108.45

164.36

162.80

自己資本比率

(%)

23.68

34.21

60.63

66.01

63.84

自己資本利益率

(%)

33.75

58.80

41.72

37.14

31.90

株価収益率

(倍)

19.8

29.1

16.8

配当性向

(%)

52.4

54.2

営業活動による
キャッシュ・フロー

(千円)

82,905

1,940,346

3,562,342

3,914,788

4,390,163

投資活動による
キャッシュ・フロー

(千円)

101,498

257,326

365,000

805,522

2,433,290

財務活動による
キャッシュ・フロー

(千円)

53,286

617,636

2,565,075

2,141

5,161,978

現金及び現金同等物
の期末残高

(千円)

2,020,983

3,086,367

8,848,786

11,960,192

8,755,086

従業員数
〔外、平均臨時従業員数〕

(名)

1,938

2,076

2,252

2,578

2,781

11

19

22

27

25

株主総利回り

(%)

223.0

133.1

(比較指標:配当込みTOPIX)

(%)

(-)

(-)

(-)

(122.7)

(141.7)

最高株価

(円)

4,620

5,040
(9,910)

7,530

 

最低株価

(円)

2,660

3,115
(3,635)

2,324

 

 

 

 

 

(注) 1.第11期及び第12期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、新株予約権の残高はありますが、当社株式は非上場であり、期中平均株価を把握できないため記載しておりません。

2.第11期、第12期及び第13期の1株当たり配当額及び配当性向については、配当を実施していないため記載しておりません。

3.第11期及び第12期の株価収益率は当社株式が非上場であるため記載しておりません。

4.従業員数は就業人員数(当社から社外への出向者を除外し、社外から当社への出向者を含む。)であり、臨時従業員数は〔 〕内に年間の平均雇用人員数(1日8時間換算)を外数で記載しております。臨時従業員にはパートタイマー社員を含み、派遣社員・業務委託を除外しております。

2020年8月16日付で普通株式1株につき5,000株の割合で株式分割及び2023年7月1日付で普通株式1株につき2株の割合で株式分割を行っております。第11期の期首に当該株式分割が行われたと仮定し、1株当たり純資産額、1株当たり当期純利益及び潜在株式調整後1株当たり当期純利益を算定しております。

6.2022年9月22日付で東京証券取引所グロース市場に株式を上場いたしましたので、第11期から第13期までの株主総利回り及び比較指標については記載しておりません。第14期及び第15期の株主総利回り及び比較指標は、第13期末を基準として算定しております。なお、2023年7月1日付で普通株式1株につき2株の割合で株式分割を行っております。

7.最高株価及び最低株価は、2023年9月10日以前は東京証券取引所グロース市場におけるものであり、2023年9月11日以降は東京証券取引所プライム市場におけるものであります。なお、2022年9月22日付で東京証券取引所グロース市場に株式を上場いたしましたので、それ以前の株価については記載しておりません。また、第14期の株価については株式分割後の最高株価及び最低株価を記載しており、( )内に株式分割前の最高株価及び最低株価を記載しております。

 

 

2 【沿革】

当社は代表者 黒木勉の出身会社である株式会社エフピーコンサルティングの関係会社として、顧客にファイナンシャルプランニング・サービスを行うことを目的に2009年12月に設立されました。設立以降の当社に係る沿革は、次のとおりです。

年月

概要

2009年12月

生命保険会社の保険代理業を目的として、

あんしんFP株式会社〔資本金5,500千円〕として設立

2013年4月

東京都千代田区神田東松下町に本社を移転

2013年12月

あんしんFPパートナー株式会社に商号変更

2014年4月

株式会社FPパートナー(2011年8月11日設立、当社とは別会社)と合併

2017年10月

保険のビュッフェ株式会社及びインシュアランスポート株式会社を合併し、「保険のビュッフェ」を屋号とする

2017年12月

株式会社FPエージェントとの合併により、株式会社FPパートナーに商号変更

2018年3月

東京都新宿区新宿に本社移転

2018年4月

来店型ショップ第一号店「保険のビュッフェ吉祥寺店」開店

2019年3月

東京都文京区後楽に本社移転

2019年7月

日本ゴールボール協会とオフィシャルパートナー契約を締結

2019年10月

「保険のビュッフェ」から「マネードクター」に屋号変更

2020年3月

埼玉西武ライオンズとオフィシャルスポンサー契約を締結

2020年11月

金融商品仲介業登録

2021年11月

お金に関するあらゆる相談のできるワンランク上のサービス「マネードクタープレミア」提供開始

コンセプトショップとして「マネードクタープレミア コレド日本橋店」開店

2022年3月

auじぶん銀行株式会社と銀行代理業務委託を締結。住宅ローン商品の取り扱いを開始。

2022年9月

東京証券取引所グロース市場に株式を上場

2022年11月

ライフプランシミュレーションソフト「マネーカルテ」運用開始

2023年2月

新規事業として「広告業」を開始

2023年3月

社会福祉法人檸檬会の監修を受け、幼児向け金融教育プログラム “社会体験版「おみせやさんごっこ」” をリリース

2023年5月

和歌山県と家計改善支援事業において業務委託を締結

2023年7月

新規事業として「教育業」を開始

金融リテラシー向上を目的とした従業員向け「金融教育プログラム」のトライアルを開始

マネードクタープレミアにて、住宅ローン比較オンラインサービス「モゲチェック」の案内を開始

2023年8月

女性活躍推進企業として「えるぼし認定」を取得

2023年9月

東京証券取引所プライム市場へ上場市場区分変更

2023年12月

住宅ローン比較オンラインサービス「モゲチェック」の全国展開を開始

2024年1月

企業の従業員向け金融教育プログラム「マネスク」の提供範囲を全国の企業へと拡大

保険代理店サプライズジャパン株式会社の全株式を譲受

2024年2月

「生命保険乗合代理店 業務品質評価運営」の認定を取得

2024年3月

「健康経営優良法人(大規模法人部門)」の認定を3年連続で取得

2024年6月

ESGデータブック公開

 

 

3 【事業の内容】

当社は、個人及び法人顧客向けにファイナンシャルプランニングを行う保険代理業を主たる業務としており、保険代理業の単一セグメントです。

保険代理業として、生命保険会社、損害保険会社合計43社の商品を個人及び法人顧客に販売しており、対面やオンラインによる保険加入時の相談・商品説明・契約手続きからアフターフォローに対応いたします。

 

① 事業の特徴

当社は「マネードクター」のブランド名で全国に拠点を構え、訪問型営業を中心として、顧客にファイナンシャルプランニングの提供を行っております。顧客と密にコミュニケーションを取りながら、ライフプランに合わせたコンサルティングを行い、最適なアドバイスを提供しています。

当社の最大の特徴は、集客と販売の分業体制を確立している点です。会社が組織的に顧客開拓を行う仕組みを構築しているため、営業社員の属人的スキルに頼らない、安定的かつ継続的な顧客開拓が可能です。そのため、営業社員は顧客に対してファイナンシャルプランニングの提供に専念することができます。

見込み顧客には、ライフプラン表等を活用し、家計のキャッシュフロー改善や老後資金準備に向けた提案を行い、資産形成と万が一への備えとして、保険販売及び投資信託等の金融商品の販売仲介を行っております。

 

② 事業モデル

「① 事業の特徴」に記載のとおり、当社では会社が集客を担い、営業社員は初回面談からアフターフォローまでの顧客対応を担っております。専門的な知見を持つファイナンシャルプランナーによる顧客への価値提供を通じて保険販売を行い、代理店手数料収入を得る事業モデルとなります。

a.見込み顧客開拓

当社の集客方法は、自社集客と提携企業集客に大別されます。また直近では、新たな集客方法として2021年11月期より展開している契約譲受ビジネスが躍進を続けています。

ⅰ)提携企業集客:マーケットホルダー等の提携企業が、その企業が保有する顧客からアポイントを獲得し、当社に送客を行う仕組みによる集客方法。
2024年11月期は当社集客の大半を占めており、営業社員数増加と合わせ、当社事業拡大の原動力となっております。

ⅱ)自社集客:当社サービスサイト経由での相談申込、マネードクタープレミア店舗等への来店顧客や当社コールセンターからの見込み顧客リストへの架電によるアポイント獲得等による集客方法。
マネードクタープレミア店舗は大型商業施設を中心に出店しているため、ブランディングの役割もあわせ持ち、店舗拡大に合わせ、自社集客件数増加に寄与しております。

ⅲ)契約譲受(※):体制整備コストの増加や代理店後継者不在問題等を背景に廃業する保険代理店より、担当者が不在となる顧客の移管を受け入れます。
当社に移管された顧客へファイナンシャルプランニングの提供や適切なアフターフォローを行うことで、金融商品の追加販売機会を創出しております。これにより、集客と同様の効果が得られます。

※ 譲渡代理店より当社に移管された契約は、当社営業社員が新しい担当者となり、移管契約の保全を行います。当社コールセンターより架電によるアポイント獲得の対象になる場合もあり、その場合は見込み顧客となり自社集客に含まれます。

 

ⅰ)提携企業集客及びⅱ)自社集客により獲得した面談アポイントは、営業社員が使用するセールス系一元管理システム(名称:Hyper Agent)と自動連携し、顧客が希望する日時・場所に対応可能な営業社員を即時に選定します。

 

既存顧客からの見込み顧客紹介等も数多くいただいており、現在ではこのような自己開拓による新規契約の獲得は全体の半数近くを占めております。会社集客による見込み顧客の獲得は、その後の自己開拓による顧客拡大にもつながっております。

 

 

b.販売体制

当社の主要顧客層は20代から40代のファミリー層となっております。相談内容は家計のキャッシュフロー改善と老後資金準備を中心としたファイナンシャルプランニングとなるケースが多く、資産形成と万が一への備えとして保険商品等の提案を行っております。2024年1月以降はNISA制度の改正により、国策である「貯蓄から投資へ」の気運が高まり、幅広い世代から資産形成のご相談が寄せられ、相談件数も増加傾向にあります。

当社の営業社員には、適切なファイナンシャルプランニングの提供と顧客の安心のためにFP資格(注1)保有を推進し、営業社員のFP資格取得率は2024年11月末現在90.6%(入社1年未満の営業社員を除く)となっております。また、顧客への継続的なアフターフォローを実現するため、原則として地元採用を行い、転勤のない地域密着型の勤務体制としております。

また、2023年11月末に在籍していた営業社員2,326名のうち881名が2024年度MDRT(注2)会員基準を達成しており、当社営業社員のMDRT会員該当率は37.9%と、2024年度に会員登録を行った日本国内の生命保険募集人の該当率約0.7%(注3)を大きく上回る結果となりました。当社のMDRT会員は各地域に満遍なく在籍しており、互いに教え合う風土があることから、全国で高い水準のサービス提供が可能となっております。

 

(注1)CFP認定者・AFP認定者(日本FP協会認定資格)及びファイナンシャル・プランニング技能検定1級・2級・3級合格者

(注2)1927年に発足したMillion Dollar Round Table(MDRT)は、卓越した生命保険・金融プロフェッショナルの組織です。世界中の生命保険および金融サービスの専門家が所属するグローバルな独立した組織として、500社、70カ国で会員が活躍しています。

MDRT会員は、卓越した専門知識、厳格な倫理的行動、優れた顧客サービスを提供しています。また、生命保険および金融サービス事業における最高水準として世界中で認知されています。

(一般社団法人MDRT日本会HPより引用。URL:https://www.mdrt.jp/about/)

(注3)2024年度登録者数8,901名(一般社団法人MDRT日本会HPより)に対し、2023年4月現在の国内生命保険募集人約121万人(一般社団法人生命保険協会「2024年版生命保険の動向」より)の比率。

 

c.顧客アプローチ

当社は、営業社員が顧客の指定する場所(自宅、カフェ、勤務先等)に訪問して相談を承る訪問販売型の営業を主体としております。全国47都道府県に営業社員の所属する拠点があり、あらゆる地域へ訪問可能な営業網を備えております。また、「オンラインFP相談」も実施しており、より気軽に保険相談をしたいという顧客ニーズにも対応しております。一方、来店して相談したいという顧客ニーズに対しては、主要都市に「マネードクタープレミア」店舗を展開し、対応エリアの拡大を進めております。このように、顧客の希望する方法、タイミングでファイナンシャルプランニングを提供できる体制を構築しております。

顧客との面談においては、当社独自のファイナンシャルプランニングツール「マネーカルテ」を使用することで、顧客のライフイベントと一生涯のキャッシュフローを可視化し、より精度の高いファイナンシャルプランニングを可能としております。また、システムを活用することによりFPの経験や知識による差を抑制し、全国均一のサービス品質の確保を実現しております。

 
③収益モデル

当社の主たる収益は生命保険会社との代理店委託契約による代理店手数料であり、以下の3つに大別されます。

・初年度手数料:新規契約後の1年間に支払われる手数料。

・継続手数料:契約が成立した年の翌年以降に4年から9年間または保険料収納がある限り支払われる手数料。

・業務品質支援金:各保険会社の定める業務品質基準に基づき、主に体制整備のために支払われる支援金。

業績伸展により、フロー収益に相当する初年度手数料、業務品質支援金が増加します。

継続手数料は保有契約から発生するストック収益に相当するため、安定した収益基盤となっております。

当社は営業品質向上と既存顧客へのアフターフォローにより保有契約を積み上げてまいりました。

今後もこの保有契約の積み上げにより企業の安定的な成長を目指してまいります。

 

単位:千円

生命保険手数料内訳

2020年11月

2021年11月

2022年11月

2023年11月

2024年11月

初年度手数料

9,793,651

11,673,058

14,904,622

17,699,307

21,593,403

継続手数料

3,821,228

4,389,311

4,764,591

5,020,978

5,355,509

業務品質支援金

3,583,675

4,703,703

5,904,887

7,526,105

8,401,908

その他

79,633

98,242

117,902

113,801

96,871

戻入額(注)

△ 588,044

△ 839,312

△ 1,063,844

△ 1,237,489

△1,414,593

生命保険手数料売上高

16,690,145

20,025,003

24,628,159

29,122,703

34,033,100

 

(注)戻入とは、保険会社からの手数料受領後、早期に解約・失効等で契約が消滅した際に、受領した手数料の一部ないしは全部を保険会社に返金することをいいます。

 

以上記載した事項を事業系統図として示します。

(注1)提携企業(保険代理店)とは、集客した見込み顧客の意向に基づき、当社と共同して保険募集を行う保険代理店をいいます。

(注2)提携企業(募集関連行為従事者)とは、見込み顧客を開拓し、見込み顧客情報を当社に提供する企業等をいいます。顧客開拓は当社が行うため、保険募集は行いません。

(注3)代理店手数料とは、初年度手数料、継続手数料、業務品質支援金、更新手数料(損害保険)の総称であり、継続手数料、業務品質支援金の対象とならない保険商品もあります。また、当社と共同して保険募集を行う保険代理店には、保険会社から業務割合に応じて分担された金額が支払われます。

 

4 【関係会社の状況】

名称

住所

資本金又は

出資金(千円)

主要な事業の内容

議決権の所有
 (又は被所有)割合()

関係内容

(関連会社)

 

 

 

 

 

auフィナンシャル

パートナー株式会社

東京都千代田区

400,000

保険代理業

所有

50.0

・取締役1名が非常勤取締役兼任

・リーズの取引

 

(注)有価証券届出書又は有価証券報告書を提出している会社はありません。

 

 

5 【従業員の状況】

(1) 提出会社の状況

 

 

 

2024年11月30日現在

従業員数(名)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

2,781

45.6

3.8

8,242

25

 

(注) 1.従業員数は就業人員数(当社から社外への出向者を除外し、社外から当社への出向者を含む。)であり、臨時従業員数は〔 〕内に年間の平均雇用人員数(1日8時間換算)を外数で記載しております。

2.臨時従業員にはパートタイマー社員を含み、派遣社員・業務委託を除外しております。

3.当社は、保険代理業の単一セグメントであるため、セグメント別従業員数の記載を省略しております。

4.平均年間給与は、報酬、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

5.前事業年度末に比べ従業員数が203名増加しております。主な理由は、業容の拡大に伴い営業社員の期中採用が増加したことによるものであります。

 

(2) 労働組合の状況

 当社には労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円満に推移しております。

 

(3) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

管理職に占める
 女性労働者の割合
 (注1.)

男性労働者の
 育児休業取得率

(注2.)

労働者の男女の賃金の差異(注1.)

全労働者

正社員

契約社員

15.0

53.7

63.3

68.7

79.8

 

(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。