文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において、当社が判断したものであります。
当社は、「私たちは『本来あるべき保険業』を追求し、本気で取り組み、お客さまの大切な人生を保険で守り続けます。」という経営理念に基づき、営業社員が顧客に寄り添い、一生涯を保障で守り、安心に満ちた豊かな人生の時間を実現することをめざしてまいります。
当社の主たる事業である生命保険業界を取り巻く環境においては、保険加入経路の選択肢として、複数会社商品を取り扱う乗合保険代理店の優位性が高まっております。
公益財団法人生命保険文化センター「2024(令和6)年度生命保険に関する全国実態調査」によると、生命保険の加入チャネルは「生命保険会社の営業職員」からの加入比率は56.7%と高い水準ではあるものの、2012年の調査からは11.5%減少しております。一方で、「保険代理店の窓口や営業職員」からの加入比率は15.7%を占めており、2012年の調査から8.8%増加いたしました。また、今後の「保険代理店の窓口や営業職員」からの加入意向の比率も同様に2012年の調査から5.6%増加し、11.8%を占めていることから、依然として乗合保険代理店への期待が高いと考えられます。
顧客ニーズは、死亡保障のような万が一に備えるための商品から、長生きリスクを考慮し、老後生活に備えるための機能も併せ持った商品へと変化しております。また「貯蓄から投資へ」といった国策の流れを受け、比較的短期の資産形成に特化した商品の需要も高まっております。このような顧客ニーズの変化に合わせて保険会社の商品も多様化し、保障機能を備えた資産形成商品や、加入後も健康状態に応じて保険料割引等を受けられる健康増進型商品の販売が増加しております。
2024年は保険代理店業界においてもさまざまな変化や動きが見られ、規制およびコンプライアンスの強化、顧客情報の取り扱いや販売の透明性の確保に力を入れる必要が高まっています。
また、保険業界におけるDXはここ数年で急速に進んでおり、オンライン契約手続きやAIチャットボットの導入による相談強化といったフィンテックの活用等により、新たな顧客との接点創出及び顧客の利便性向上につながっています。
DXの取り組みにより、保険業界は業務の効率化だけでなく、顧客との関係性を強化し、より柔軟で迅速な対応が可能となります。今後も他業界含むテクノロジーの進化に伴い、保険業界のDXはさらに進化し、業務フローや顧客体験が大きく変化していくことが予想されます。
これらの動きに加え、政府が掲げる「資産所得倍増プラン」の一環として、2023年11月29日に公布された「金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律」に基づき、金融経済教育推進機構(J-FLEC)が2024年4月5日に設立されました。多くの人々が金融経済について学び、適切な金融行動を取れるようになることが期待されております。
当社は全国規模の伴走型ファイナンシャルプランニングという独自性を持って、顧客からお金に関するあらゆる相談を承り、その解決手段の提案を行います。従来の保険販売だけではなく、保険以外の金融商品やサービス提供をワンストップで行うことが、顧客利益の最大化につながると同時に、顧客の金融リテラシー向上の一翼を担うと考えており、以下に掲げる具体的施策を遂行してまいります。
本業である保険代理業の「営業基盤の強化」と派生分野への進出を含めた「事業領域の拡大」の2つをメインテーマとしており、その達成に向けて、2025年11月期においては、これまで取り組んできた「営業社員の増強」「契約譲受ビジネスの拡大」「マネードクタープレミアビジネスの拡大」「損害保険ビジネスの業績拡大」に加え「DX+教育」を基盤とした事業成長に取り組んでまいります。
上記の経営理念を実現するためには「営業社員数の増加」と「営業社員の質の向上」が重要であるという考えのもと、これまでも全国47都道府県でサービス提供ができる体制を築いてまいりました。
また当社では、全ての営業社員がスキル向上を目指せる環境を整備しており、生命保険における優績者の証であるMDRT会員資格基準達成を指標の一つとしております。
2025年11月期においては、引き続き人材開発部を中心に、既存営業社員からのリファラル採用や各地域でのリクルートセミナー開催を推進してまいります。
また、後述の「⑤「DX+教育」を基盤とした事業成長」に記載の通り、DXの推進と教育・研修により、営業社員のスキルアップと業務効率改善を行い、質の向上を図ります。
契約譲受ビジネスは、廃業する保険代理店の顧客フォローが、当社においては顧客利益を確保しながらビジネス機会の創出につながると捉えております。ビジネス開始以降最大の成長となった2024年11月期の経験を活かし、2025年11月期はさらなる躍進をめざしてまいります。
保有契約譲渡を希望する代理店からは、当社の募集体制整備状況や全国営業拠点網の展開を理由に移管先として選定いただいております。それに加え、東証プライム市場上場企業による社会的信用力も評価いただいております。
契約移管による顧客の獲得は、その契約から生じる継続手数料だけでなく、移管顧客からの新たな新規契約の獲得にもつながります。あわせて、当社が強みとしているファイナンシャルプランニングの提供や金融商品提案を行うことで、顧客満足度の向上も期待できると考えております。今後は同業の乗合代理店や損害保険代理店、マーケットホルダー企業とのM&Aによる事業拡大に取り組むことで、本業の安定したオーガニック成長に加え、インオーガニックな成長が実現できると考えております。
当社は、訪問型の営業を主体としておりますが、2021年11月より来店型の営業拠点として、ワンランク上のお金の相談サービス「マネードクタープレミア」の店舗展開をしており、2024年11月期末時点で30店舗となりました。
「マネードクタープレミア」店舗は、顧客が安心して相談できるようプライバシーに配慮した個室の面談ブースを完備しており、貯蓄や資産形成についてのご相談を数多くいただいております。
オンラインでの相談を希望する顧客向けには「プレミアオンラインFP相談」を提供しており、来店相談及びオンライン相談の両方のニーズに対応することで、顧客接点の拡大と利便性向上を実現いたしました。
また、「マネードクタープレミア」店舗による広告宣伝効果は、出店地域での当社の認知度向上にもつながります。そのため、人流が多く、高い集客力を持つ大型商業施設を中心に店舗展開しており、2026年11月期には全国50店舗体制を計画しております。
これまでの営業社員による顧客対応に加えて、損害保険の非対面でも契約獲得や更新手続きが可能な点を活かし、営業活動の一部を本社部門が担うことで、より効率的に業績拡大を目指せると考えております。2023年3月に立ち上げた損保事業部ダイレクトセンター室と2024年11月期に増員した損害保険専任営業社員の連携により、火災保険の非対面販売と契約後のフォロー強化に取り組んでおります。加えて架電リスト等の見直しを行い、生産性の向上を図ります。
全国のお客さま(顧客)対応のため、2025年11月期も引き続き損害保険専任の営業社員を増員することで、「②契約譲受ビジネスの拡大」による損害保険契約譲受案件への対応を一層強化し、契約の更新率向上と、新規案件の創出に取り組みます。法人マーケットを保有する損害保険代理店からの契約譲受においては、マーケット自体を当社が取り込むことで、事業領域の拡大にもつながると考えております。
2025年11月期より、新たな成長戦略として「DX+教育」を掲げました。
システムの刷新をはじめとするDXによる成長基盤の強化・業務の効率化を進めると同時に、教育・研修による社員全体のスキル向上を図ってまいります。
システム面では、保有顧客のデータを利活用するデータベースの整備と、営業社員の使用する顧客管理システムの刷新、人事管理システムの刷新を行います。これら新システムとCustomer Data Platform(CDP)を連携することにより、より効率的に顧客へのアプローチが可能になり、業績拡大への寄与を期待しております。また、CDPによる保有顧客分析や、既存顧客とのコミュニケーションツールであるマネドクLINEの機能強化により顧客接点を強化してまいります。
教育面においては、2024年6月に営業現場経験豊富な執行役員を配置したことで、より実態に則した指導と経営方針のスピーディーな伝達が可能となりました。2025年11月期からは、人的資本経営の一環として外部講師による人材育成研修を開始いたしました。
上記のほか、2024年11月期より本格的に開始したIFAビジネスによる投資信託販売や、住宅ローン紹介・取次等のサービス拡充により、顧客のライフタイムバリューの最大化に努めてまいります。
以上の取り組みによって、既存顧客と営業社員とのコミュニケーションが活性化され、既存顧客からの再販機会創出と顧客満足度向上の実現、そして顧客へのより適切なご案内とフォロー体制構築が可能と考えております。
2025年11月期からの経営戦略において、引き続きデータ活用は重要な役割を果たすと考え、デジタル開発投資を推進し、営業部門だけでなくバックオフィス体制の強化を積極的に行ってまいります。
当社は事業拡大と企業価値の向上のために、売上高、営業利益、営業社員数、新規契約件数、新規顧客数、会社集客案件数及び契約譲受移管合意件数を重要な指標にしております。
① 保険代理店事業の確実な成長
当社は、全国展開する営業網を最大の強みとし、これをさらに拡大することで事業の永続的な成長を目指します。お客さまサイドに立ち、共に解決策を考える伴走型ファイナンシャルプランニングを全国のあらゆる地域で提供し、顧客からさまざまなお金に関する相談を承ります。人生設計や資産増大のためのアドバイスを行うことで、顧客に安心を提供することは、当社の社会的な意義かつ使命であると考え活動しております。
営業社員の増員と質の向上は、保険契約の獲得や顧客フォロー体制の強化に不可欠なため、積極的な採用活動を行い、営業社員の訪問先を確保するための会社集客強化にも取り組んでおります。
また、今後想定される保険業法改正や新たなルールの策定に備え、これまで同様、体制整備への時間と費用を投じるとともに、顧客サービス向上のためのデータ整備やDX(Digital Transformation)を積極的に推進し、業務品質の向上を図ってまいります。また、これらの取り組み状況を開示することで、透明性の高い事業運営を行います。より良いサービスを提供することが業務品質と顧客満足度の向上につながり、確実な成長の基盤になると考えております。
② 成長を加速させる新規ビジネスの開拓と推進
保険業界の国内市場が成熟化する中、持続的な成長を実現するための戦略として、新規ビジネスの開拓と推進が重要性を増しています。収益基盤の強化においては、本業から派生したIFAビジネス以外にも、金融教育事業など近隣分野への進出を通じて収益源の多様化を図ります。また、契約譲受の拡大にも注力することで、顧客基盤の強化や保険契約数の増加を実現し、収益の安定性を高めていきます。その結果として、特定市場への依存リスクを軽減し、より安定的な経営基盤を構築することが可能となります。
同時に、当社の強みである全国展開の営業網と営業社員数を活かし、経営資源の最適配分を実現することで、全社的なコスト効率の向上も期待できます。顧客価値の創造の観点では、ファイナンシャルプランニングや資産形成など、顧客の多様なニーズに応える総合的なサービスを提供します。これにより顧客接点が拡大し、ブランド価値と顧客満足度の向上が実現します。
さらに、競合他社との差別化が可能となり、当社の市場におけるシェア拡大につながります。これらの取り組みは相乗効果を生み出します。新規事業を通じて獲得した知見や顧客基盤は、既存事業の強化にも寄与し、総合的な企業価値の向上と持続的な成長の実現を可能にします。
③ 事業拡大を支えるデジタル技術への投資
当社は、近年の飛躍的なデジタル技術の発展を受け、新たな技術を活用した業務にも積極的に取り組んでおります。今後の事業拡大のため、顧客情報を始めとする大量のデータを整備し、システムを刷新することで業務効率や生産性向上を図るとともに、サイバー攻撃等のセキュリティインシデントに対してシステムリスク統制を継続して行います。また、インシュアテック分野の研究開発や生成AIの活用、マーケティングへの応用など、デジタル技術への投資は企業価値向上と同時に顧客満足度向上に寄与すると考え、積極的に取り組んでまいります。
④ 人的資本への投資
当社のさらなる成長のためには、優秀な人材の確保と育成が不可欠です。社員教育の強化と研修制度の充実により、社員の生産性向上と業務の効率化を図ります。また、社員が希望する職種への異動を表明しやすい環境を整備し、適正に合わせた配置の効率化を行います。同時に、異動に伴うリスキリング機会の提供を通じて、組織力とバックオフィスの機能を強化します。これにより、社員一人ひとりの成長を促し、組織全体の活性化を目指します。さらに、健康経営への取り組みや社員のメンタルヘルスケアの強化にも継続的に取り組み、働きやすい環境を整備します。これらの総合的な取り組みにより、当社は持続的な成長を実現してまいります。
⑤ 積極的情報開示とIR活動の強化
当社は株主・投資家との建設的な対話を通じて企業価値の向上を目指し、IR活動の強化を行います。より幅広いステークホルダーとの接点拡大のため、保険業界並びに当社ビジネスモデルの理解促進資料や、海外投資家向けの英語版資料・情報発信の充実に取り組みます。
また、前期から開始したESGデータブックの公開に加え、2025年6月には統合報告書を開示予定です。投資家との対話機会を通じて得られた意見を経営にフィードバックし、透明性の高い企業経営を実現してまいります。
⑥ 個人情報漏えい防止に関する取り組みの強化
2024年8月に発覚しました、保険会社からの出向者による顧客情報漏えい事案を踏まえ、当社は以下のとおり、社内体制の整備と社員教育を実施いたしました。
ⅰ)保険会社の送受信システムの目的外利用の一切の禁止
ⅱ)顧客情報へのアクセス権限制限の強化
ⅲ)個人情報取扱いルールの再度の周知徹底
ⅳ)個人情報保護に関する社員研修の継続実施
ⅴ)法令遵守意識のさらなる強化
当社はこれまで個人情報の取扱いにあたり、厳格な取扱い・管理の徹底に努めてまいりましたが、この度顧客情報漏えい事案が発生したことを踏まえ、今後はさらなる厳格化を図り、再発防止に全力で取り組んでまいります。
当社は、経営理念に基づき、お客さまとご家族の一生涯に寄り添うことで、安心に満ちた豊かな人生の時間を実現し、お客さまと社会への貢献を通じて持続可能な社会の実現と企業価値の向上を目指してまいります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものです。
(1)ガバナンス
当社では、コーポレート・ガバナンスコードへの適切な対応は、企業価値を継続的に高めていくために必要不可欠であると考えております。監督と執行の分離による実効的なコーポレート・ガバナンスを推進することで、持続的成長を実現いたします。取締役会においてはサステナビリティ基本方針に則した活動及び計画について報告を受け、ESGに関するリスク及び機会の管理を行います。
詳細につきましては、
また、具体的な取り組み内容や数値推移については、当社IRサイトにおいてESGデータブックにて公開し、毎年更新を行います。
IRサイト:https://fpp.jp/ir/
人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略
<人材育成方針>
当社はファイナンシャルプランニングの提供を通じた保険販売を収益の主軸としていることから、営業社員数の増加が業績拡大において非常に重要な要素となります。同時に、管理部門の人員も含め、当社の理念に賛同する多様な人材を採用すること、一人ひとりの個性と能力を伸ばしていくことが、当社が高い成長性を維持していくために重要であると考えています。
また、性別・国籍・思想・信条等にかかわらず、実績・能力・適性・人格を評価して採用や上位職登用を行うほか、さまざまな経歴を持つ人材が独自の知見やスキルを発揮して活躍しやすい環境を提供しております。それぞれの人材が持つ知見やスキルについて、互いに教え合う当社の風土を通じて所属部門を越えた共有と活用を図ってまいります。
・主な取組
採用の強化:営業社員については紹介制度を設けることで採用活動の活性化を行っております。
また、内勤社員では2024年4月入社から新卒採用を開始しております。
育成の強化:未経験者でも安心して働けるよう入社時には約1か月間の営業社員向け基礎研修を行います。入社3か月後研修や先輩社員によるOJT教育、上司による面談・評価制度を設け、職場全体で新人育成を行います。
また毎年、全国の統括部ごとに会社主催の研修を開催し、社員の成長の機会としております。
<社内環境整備方針>
社員がいきいきと働けるように、それぞれの状況に合わせた柔軟な働き方ができる環境づくりに取り組んでおり、定年後の再雇用、男性の育児休業取得も推進しています。営業社員においては出社の自由度が高い勤務形態としています。
また、メンタルヘルス研修やハラスメント対策を継続的に実施するとともに、労働時間や有給休暇取得状況の適切な管理を通じて、働きやすく心理的安全性に配慮のある職場環境の整備に取り組んでいます。
・主な取組
女性管理職の登用強化:女性管理職を積極的に登用します。
健康経営の推進:残業時間を一定水準以下にするとともに、有給休暇の取得を促進します。
また、社員のワークライフバランスを充実させ、組織の活性化に取り組んでまいります。
当社は、リスク管理に係る基本的な考え方を「リスク管理規程」に定めており、リスクカテゴリー分類において、ESGリスク(気候変動・経済環境変化・法改正等)の主管部署を取締役会と定めております。組織体制の確立を率先して行うことにより、持続的成長を確実にするためのリスクも含めた各リスクの評価・改善体制を構築しております。
また、組織横断的な取組が有効との考えに基づき、代表取締役社長を委員長として常勤取締役、リスクマネジメント部長、業務品質部長から構成されるリスクマネジメント委員会を年2回開催しております。同委員会には常勤監査役と社外の弁護士をアドバイザーとして招き、適宜意見を求めるなど実効性あるリスク管理に取り組むとともに議論の内容は、取締役会に報告を行っています。
詳細につきましては、
当社では、上記「(2) 戦略」において記載した、人材育成方針及び社内環境整備方針に係る指標について以下の方針及び取組みを実践しております。
<当社における女性社員の状況>
当社では、上記人材育成方針に記載したとおり、社内の多様性を確保するために積極的に女性を採用しており、2024年11月期の採用に占める女性の割合は54.2%となっております。また、性別を問わない公正な評価・処遇制度の実現などを通じて、2026年11月末までに管理職に占める女性社員の割合を20.0%以上とすることを目標としており、2024年11月期末時点で15.0%となっております。
<当社における残業時間及び有給休暇取得率に関する目標>
当社では、上記社内環境整備方針に記載のとおり、社員が心身ともに健康で活躍できる職場づくりに取り組むため、月平均残業時間を10時間以内、有給休暇取得率(※)については90%以上を維持することを目標としており、2024年11月期の月平均残業時間は3時間42分、有給休暇取得率は97.9%となっております。
※ 有給休暇取得率は、その期に取得した有給休暇数(繰り越しを含む)÷その期に付与された有給休暇数で算出しております。
当社の将来的な事業展開その他に関し、リスク要因の可能性があると考えられる主な事項は以下のとおりです。
当社はこれらのリスク発生の可能性を把握した上で、発生の回避及び発生した場合の早期対応に努めます。
具体的には、当社の事業遂行に関わる様々なリスクについてその主管部を定めてリスクごとに管理を行うとともに、リスクマネジメント委員会において個別リスク分析と重要性判断を行う管理体制を構築しております。詳しくは「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1) コーポレート・ガバナンスの概要 ②会社の機関の内容 eリスクマネジメント委員会」をご参照ください。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものです。
(1) リスクの分類
当社は、管理対象とするリスクを、「外部環境」、「事業戦略」、「財務リスク」、「オペレーショナルリスク」、「エマージングリスク」の5つのリスクカテゴリーに分類しております。以下は、大分類ごとの主なリスクを示したものです。
リスク項目
(2) 重要性が高いリスク
「(1) リスクの分類」において管理対象とするリスクのうち、発生した場合の影響度及び発生可能性の観点から特に重要性が高いと評価されるリスクは以下のとおりです。
① 外部環境
法的規制・自主規制について (顕在化可能性:小 / 影響度:大)
当社は、生命保険代理店・損害保険代理店として「保険業法」に基づく登録を行っており、同法及びその関係法令並びにそれに基づく関係当局の監督等による規制・指導等を受けて、サービス提供及び保険募集を行っております。これら法令に違反する行為が行われた場合、もしくはやむを得ず遵守できなかった場合、当社の財政状態及び経営成績等に影響を与える可能性があります。
特に代理店登録の取り消しに至った場合においては、事業活動に重大な影響を及ぼす可能性があります。
また今後、保険業法等の関係法令、関係当局の解釈、自主規制等の大きな変化を伴う制定・改廃等があった場合には、当社のサービス提供及び保険募集の方法等が制限を受ける可能性があります。
今後、関係法令等の変更があった場合においても、当社はその都度、法改正等に対応し、新しいルールに適合する形でのサービス提供及び保険募集を行うことで対応できると考えており、これらのリスクが顕在化する可能性は低いと考えております。
② 事業戦略
a. 人材の確保について (顕在化可能性:中 / 影響度:大)
当社事業において、営業社員数の確保が最も重要な経営課題の一つです。しかしながら、人員計画どおりに採用が進まない場合や、退職者が急増した場合には、十分な営業社員数を維持できず、財政状態及び経営成績に影響を及ぼすことが考えられます。
また、管理部門の人材についても高度な専門性が求められ、優秀な人材の確保や人員の維持ができない場合には、事業展開に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクが顕在化する可能性は高くないと認識しておりますが、採用強化とあわせ、従業員の定着率を高めるために、従業員エンゲージメントが向上する職場環境づくりへの取り組みによりリスク軽減を図っております。
b. 特定人物への依存について (顕在化可能性:小 / 影響度:大)
当社代表取締役社長である黒木勉は、創業者として企業文化の創造、経営方針、戦略の決定等に重要な役割を果たしてまいりました。そのため、何らかの理由により同氏の業務遂行が困難になった場合、精神的支柱を失い、当社の事業運営に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクが顕在化する可能性は低いと考えており、現在は経営に関する重要事項の意思決定、判断は取締役会が行っているため、顕在化した場合の影響度も低減できると考えております。
c. レピュテーションリスク (顕在化可能性:中 / 影響度:大)
当社に対する新聞・テレビ・雑誌・YouTube等の報道により一時的に信用を毀損する事態が発生し、当社の株価、営業活動、ブランドイメージなどに影響を及ぼし、その結果として業績悪化などにつながる可能性があります。
当該リスクが顕在化した場合、速やかに社内・顧問弁護士・関係専門機関等と連携する準備は整えており、被害を最小限に食い止めるべく行動できると考えております。
③ オペレーショナルリスク
a. 役職員の不祥事に係るリスクについて (顕在化可能性:中 / 影響度:中)
役職員の業務全般に関しては、関連法令等を遵守して業務に当たる姿勢が求められます。また、業務外においても適切でない商取引などに関与することのないように注意を払う必要があります。しかしながら、これらに関する個人の意識欠如が役職員の不祥事等につながり、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスク低減のため役職員への法令遵守体制の強化と維持に取り組んでおり、定期的に業務全般に関するコンプライアンス研修と確認テストを実施し、法令遵守の周知徹底を図っております。また、業務外においても就業規則及び社会一般通念上の規範遵守はもちろんのこと、適切性の疑わしい事案等への関与がないよう社内研修を通じて注意喚起を行っており、リスク低減は実現可能と考えております。
b. 情報セキュリティリスクについて (顕在化可能性:中 / 影響度:大)
当社では、事業運営にあたり、様々なシステムを活用しております。現時点ででき得る限りの対応は様々行っておりますが、予期せぬシステム障害、外部からのサイバー攻撃、不正アクセス等による個人情報の漏えい、機密情報の流出、情報システムやデータの破損、改ざん等で損害を受け、事業活動が停止し、もしくは、情報漏洩などで損失を被るリスクがあります。
c. 大規模自然災害、戦争や感染症の流行について (顕在化可能性:小~大 / 影響度:小~大)
水害、地震等の自然災害、戦争や新型コロナウイルス感染症などの流行等により、顧客との面談機会が減少した場合など事業活動が制限され、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクについては事象によって顕在化する可能性や影響度合いに差がありますが、当社では大規模災害の発生に備えて、「危機管理規程」「災害に関する事業継続計画(BCP)基本計画書」を制定し、緊急時に的確な対応が行える体制整備をしております。また、コロナ禍において、テレワーク勤務や「オンラインFP相談」の導入により影響を最小限に抑えることができたことから、これらは他の事象への対応においてもリスク低減に有効に機能すると考えております。
当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
[経営環境]
当事業年度(2023年12月1日~2024年11月30日)におけるわが国経済は、景気動向指数が一度停滞した2024年9月より、「建設」「サービス」などを中心に景気回復が見られたものの、全体ではわずかな改善にとどまりました(出典:株式会社帝国データバンク 2024年11月の景気動向調査)。先行きについては、雇用・所得環境の改善と政策効果で緩やかな回復の継続が期待されますが、欧米の高金利継続や中国の不動産市場停滞など海外景気の下振れがわが国経済へ与える影響や物価上昇、米国政策動向、中東情勢、金融市場の変動に注意が必要です(出典:内閣府 令和6年11月 月例経済報告)。
金融面では、日銀による2024年3月のマイナス金利解除と2024年7月の追加利上げ発表により、大手生命保険会社が貯蓄・投資性商品の予定利率を引き上げ、それに続き一部銀行は預金や各種ローン金利を引き上げました。個人金融資産の「貯蓄から投資へ」の流れは1年を通じ堅調であり、保険業界においても個人年金保険の新規契約件数が対前年比126.0%(2024年4月~2024年9月累計)と昨年よりは増加ペースが緩やかになってきたものの依然好調を継続しております(出典:一般社団法人生命保険協会「生命保険事業概況」2024年9月 月次統計)。
当社においても、2023年11月から開始した「NISAに関する相談会」が、顧客ニーズの拡大により好評を得ております。また、業界動向同様に、生命保険販売商品も個人年金保険や変額保険をはじめとした貯蓄・投資性商品の契約件数が伸びております。同時に、医療保障のニーズを充足する商品の契約件数も増加傾向にあります。
当事業年度における、各取組状況は次のとおりです。
当社は全国47都道府県に拠点を展開しており、地域密着の体制をより強固にすべく、営業社員の増加に合わせた販売網拡大に取り組んでおります。
当事業年度の営業社員の新規入社者数は、過去最高の681名を記録し、2024年11月末時点の営業社員数は前期末から192名増の2,518名となりました。
今期は採用強化の取り組みとして、各地域で保険業界経験者向けの採用セミナーを開催し、計218回、延べ817名の入社希望者にご参加をいただきました。また2024年8月には営業社員の採用強化施策の一環として、自社採用ページのリニューアルを行い、応募者数の増加につながっております。
当社では、会社が保険契約見込み顧客を開拓し、営業社員が保険募集を行う分業制を採用しています。この分業制により、営業社員はお客さま対応に専念することができ、多くの面談機会を得ています。
そのため、営業社員数拡充と並行して、保険契約見込み顧客数の増加にも積極的に取り組んでおり、順調に提携企業集客数、自社集客数ともに増加しております。同時に「マネードクタープレミア」店舗への来店予約や、契約譲受ビジネスも自社集客人数の増加に寄与いたしました。
2021年より開始した契約譲受ビジネスは、代理店経営コストの増加や後継者不在問題を理由とした代理店の減少傾向を背景に、問い合わせ数及び譲受合意社数が順調に増加いたしました。当事業年度においては、延べ29社から94,509件の契約譲受に合意し、前期実績の50,466件、今期目標の80,000件を大きく上回りました。その中でも、損害保険契約の譲受が飛躍を見せ、全体の約半数を占める47,221件の譲受合意をいただきました。これにより、今後の更新手数料の獲得・クロスセルによる生命保険契約の獲得が期待できます。
当社の全国展開・担当FP制により、顧客への手厚いサポートが実現し、譲渡代理店から高い信頼をいただいております。今後も当社の強みを活かし、当事業の拡大に取り組んでまいります。
当社は、人生設計からお金の終活まで、お客さまの一生涯に起こるお金のことを無料でファイナンシャルプランナーに相談できるワンランク上のお金の総合サービスとして、「マネードクタープレミア」を全国主要都市に展開しております。2024年10月25日、「マネードクタープレミアならファミリー店」(奈良市西大寺東町)のオープンをもって、2021年11月に掲げた「3年30店舗開設」目標を達成いたしました。当事業年度においても来店予約数は新規オープン店舗を含め好調に増加し、計画値を大きく上回っております。
「マネードクタープレミア」店舗では、上述のコンセプトを前面に展開してきたことにより、貯蓄・資産形成についてのご相談が多くなっております。当事業年度に「マネードクタープレミア」店舗へ予約・来店いただいた顧客の55.4%(※)が資産形成・老後の相談を目的としています。
資産形成ニーズの高まりを受け、当事業年度においては、「マネードクタープレミア」店舗スタッフによる「NISAに関する相談会」を各地域で開催することで、新たなお客さまとの接点を創出し、出店地域での「マネードクター」ブランドの認知度向上と、さらなる集客の拡大、ファイナンシャルプランニングの浸透に取り組んでまいりました。
今後も各地域のお客さまの将来設計のサポートができるよう、積極的な店舗展開を目指してまいります。
※ 相談申込・予約時の自社実施アンケートより算出(対象期間:2023年12月1日~2024年11月30日)。
当事業年度においては、損害保険専任営業社員を12名増員いたしました。これにより、損害保険契約の譲受合意件数の増加に伴う顧客対応を強化し、更新手続きとクロスセルを進められる体制を構築いたしました。
また、損保事業部ダイレクトセンター室による非対面完結型の保険契約見込み顧客獲得は、当社サービスの幅を広げ、新たな顧客層の獲得に寄与し、これらの取り組みも損害保険の追加契約や、生命保険契約等のクロスセルによるさらなる売上高、利益の増加が期待できます。
当事業年度においてはIFAビジネスのさらなる拡大を進めました。NISA制度改正による好影響もあり、NISA口座を中心に証券口座数、預かり資産残高が順調に増加し、今後のストック収入の拡大に向けた基盤となっております。教育業では、企業の従業員向け金融教育プログラム「MONEY SCHOOL(略称:マネスク)」の展開を全国に広げ、当事業年度においては6社に導入いたしました。今後も「マネスク」を通じて、従業員の皆さまが金融教育に接する場を提供し、全国の金融リテラシー向上に貢献してまいります。なお、2023年2月より開始した広告業は、2024年7月末までに全ての広告掲出を終了しましたが、当事業年度における売上高への影響は軽微であり、業績に重要な影響はございません。
当社は引き続き営業社員の採用に注力しつつ、保険契約見込み顧客数の増加と業務の効率化に取り組んでまいります。また、今後も全国展開の強みを活かし、地域社会に寄り添った営業基盤の拡大を行うことで業績向上に取り組み、だれもがファイナンシャルプランナーに相談できる環境を構築してまいります。それにより、国民の金融リテラシー向上と資産形成支援の役割を担ってまいります。
[当期の業績]
当事業年度の売上高は35,617,526千円を達成し、前期比16.6%増と創業以来、継続した売上高の成長を果たしております。
売上原価に関しては、売上高の増加に伴う外交員報酬及び法定福利費の増加等により4,562,627千円増(前期比24.1%増)となりました。販売費及び一般管理費は、業容拡大に伴う給料手当及び地代家賃の増加等により719,731千円増(前期比11.8%増)となりました。
これにより営業利益は5,330,005千円(前期比4.0%減)、経常利益は5,493,199千円(前期比2.1%減)、当期純利益は3,903,160千円と(前期比1.3%減)となりました。
なお、セグメントの業績につきましては、当社は保険代理業の単一セグメントであるため、記載を省略しております。
a.財政状態
当事業年度における財政状態は次のとおりであります。
(資産)
当事業年度における総資産は、前事業年度と比べ624,760千円減少し18,525,722千円となりました。これは主に、自己株式の取得及び配当金の支払により現金及び預金が3,205,105千円減少した一方で、自社ビルの取得により建物が1,250,617千円、土地が511,349千円増加したこと等によるものです。
当事業年度における負債は、前事業年度と比べ190,050千円増加し6,693,055千円となりました。これは主に、売上高の増加に伴い、外交員報酬の増加により買掛金が352,464千円、返金負債が108,601千円増加したこと等によるものです。
当事業年度における純資産は、前事業年度と比べ814,811千円減少し11,832,667千円となりました。これは主に、配当金の支払、自己株式の消却及び処分により繰越利益剰余金が665,624千円減少したこと、自己株式の取得により自己株式が162,926千円増加したこと等によるものです。
② キャッシュ・フローの状況
当事業年度における現金及び現金同等物の期末残高は3,205,105千円減少し、8,755,086千円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は4,390,163千円(前期は3,914,788千円の収入)となりました。これは主に、税引前当期純利益の計上5,493,199千円により資金が増加した一方で、法人税等の支払額2,071,568千円により資金が減少したこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は2,433,290千円(前期は805,522千円の支出)となりました。これは主に、固定資産の取得による支出2,120,980千円、非連結子会社株式の取得による支出132,420千円、敷金及び保証金の差入による支出127,168千円により資金が減少したこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は5,161,978千円(前期は2,141千円の収入)となりました。これは主に、自己株式の取得による支出1,999,981千円、配当金の支払額3,125,097千円により資金が減少したこと等によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社は生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。
b.受注実績
当社は受注活動を行っておりませんので、該当事項はありません。
当社は「保険代理業」の単一セグメントであるため、事業ごとの販売実績を記載いたします。
(注) 1.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は以下のとおりです。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りとは異なる場合があります。
また、重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定については、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載のとおりであり、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載の翌事業年度の財務諸表に与える影響は、翌事業年度以降においても同様に影響を及ぼす可能性があります。
② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態の分析
当社の財政状態の分析については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」をご参照ください。
b.経営成績の分析
(売上高)
当事業年度の売上高は、リーズ(保険契約見込み顧客)獲得数の伸展と営業社員数の純増により、35,617,526千円(前期比16.6%増)となりました。
(売上原価、販売費及び一般管理費、営業利益)
当事業年度の売上原価は、外交員報酬の増加等により、23,467,912千円(前期比24.1%増)となりました。また、当事業年度の販売費及び一般管理費は、前事業年度に比べ給料手当が303,694千円、地代家賃が184,048千円増加したこと等により、6,819,608千円(前期比11.8%増)となりました。
この結果、当事業年度の営業利益は、5,330,005千円(前期比4.0%減)となりました。
(営業外損益、経常利益)
当事業年度の営業外収益は、前事業年度に比べ54,841千円増加し、232,042千円(前期比30.9%増)となりました。また、営業外費用は、前事業年度に比べ54,549千円減少し、68,849千円(前期比44.2%減)となりました。
この結果、当事業年度の経常利益は、5,493,199千円(前期比2.1%減)となりました。
(当期純利益)
当事業年度の当期純利益は、法人税等(法人税等調整額を含む)1,590,038千円を(前期比3.9%減)を計上した結果、3,903,160千円(前期比1.3%減)となりました。
c.キャッシュ・フローの分析
当社のキャッシュ・フローの分析については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
d.資本の財源及び資金の流動性
当社の運転資金需要につきましては、外交員報酬、リーズ取得関連費等の売上原価並びに広告宣伝費等の販売費及び一般管理費等の営業費用であります。
運転資金につきましては、保険手数料収入等の営業活動により獲得した資金にて対応しております。
今後も収益構造の強化と成長性の維持のため継続的な設備投資が必要となりますので、安定的な自己資金の確保を目指していきます。また、主に設備投資等の突発的な資金需要に対しても機動的に資金を調達できるよう、金融機関との間で総額40億円の当座貸越契約を締結しており、流動性リスクに備えております。
e.経営戦略の現状と見通し
当社が今後も持続的に成長していくためには、経営者は「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」及び「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載した課題に対応していくことが必要であると認識しております。経営者は外部環境の変化についての情報入手及び分析を継続的に行い、適切な対応策を策定し実施していく方針であります。
f.経営成績に重要な影響を与える要因について
当社の経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」をご参照ください。
g.目標とする経営指標
当社は売上高及び営業利益を重要な指標としております。それぞれの経営指標は、月次でPDCAサイクルを回して進捗状況をレポートし、毎月15日までの取締役会にて月次業績報告書として分析結果を報告しております。当事業年度の売上高及び営業利益については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ②経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 b.経営成績の分析」をご参照ください。
h.経営者の問題意識と今後の方針について
経営者の問題意識と今後の方針については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。
①生命保険会社
代理店業務委託契約を締結している生命保険会社は次のとおりです。当該契約の概要は、保険募集の媒介を行い、締結に至ったものにつき代理店手数料を受けるというものです。
生命保険会社(28社)
上記各契約の大層は、有効期間を1年間とし、事前に当事者から何等の申出がない場合にはさらに1年間自動更新され、以降も同様です。
なお、前事業年度の有価証券報告書に記載した明治安田生命保険相互会社は、2025年2月26日をもって代理店業務委託契約が満了いたしました。
②損害保険会社
代理店業務委託契約を締結している損害保険会社は次のとおりです。当該契約の概要は、保険募集の代理等を行い、契約締結に至ったものにつき代理店手数料を受けるというものです。
損害保険会社(15社)
上記各契約の有効期限は無期限若しくは1年間であり、当事者の双方の同意若しくは、当事者の一方の申出により解除することができます。有効期間が1年間の契約は、事前に当事者から何等の申出がない場合にはさらに1年間自動更新され、以降も同様です。
当社は、au経済圏における顧客の家計見直し相談サービスの面談予約紹介数の拡大とauグループの顧客の利益を最大化することを目的に、auアセットマネジメント株式会社と合弁にてauフィナンシャルパートナー株式会社を設立する契約を2019年9月24日に締結しました。
2023年4月1日にauアセットマネジメント株式会社が保有するすべての株式を同社66.6%親会社のauフィナンシャルホールディングス株式会社へ株式譲渡したことに伴い、同日付で当社とauフィナンシャルホールディングス株式会社との間で合弁契約書を締結いたしました。有効期間は2024年3月31日までとし、本契約期間満了3ケ月前までに当事者から何等の申出がない場合にはさらに1年間延長され、以降も同様です。
①金融商品仲介業
金融商品仲介業に係る業務委託契約を締結している証券会社等は次のとおりです。当該契約の概要は、金融商品の売買の媒介を行い、契約締結に至ったものにつき手数料を受けるというものです。
PWM日本証券株式会社
株式会社SBI証券
楽天証券株式会社
当社は、顧客との関係強化と営業現場の業務効率化、近隣分野への事業拡大に向けた研究開発活動を行っており、当事業年度における活動状況は以下のとおりです。
① Customer Data Platform(CDP)の開発
顧客満足度の向上と営業社員の再販機会創出を目的に、当社が保有するビッグデータを活用した、データの可視化を図るためのシステム開発を進めております。これにより、適切なタイミングでのアプローチや、購買傾向や想定されるニーズに適した金融商品の提案など、顧客フォローの充実を図ります。
② 顧客管理システムへの新規契約情報連携機能の開発
営業社員による新規契約獲得時のデータ入力の簡素化など、業務負荷低減を図る機能開発を進めております。
③ 近隣分野への事業拡大に向けたマーケティング
本業である保険代理店業から派生する近隣分野への事業拡大に向けた企画検討のため、マーケティングを進めております。
当事業年度における研究開発活動の総額は