第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

当第3四半期連結累計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

(1)経営成績に関する説明

当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症が5類に移行したことで行動制限がなくなり、インバウンド需要も回復基調にあることから、社会経済活動の正常化が進みつつあります。

一方で、ウクライナ情勢の長期化やイスラエル・パレスチナ情勢の深刻化、原材料価格の高騰と急激な円安による物価の上昇など、景気の先行きは不透明な状況が続いております。

このような状況の下、当社グループでは、わが国が21世紀においても世界をリードしていく国であり続けるために、今後益々複雑化、高度化するデジタル社会において、当社グループが提供する独自の最先端技術による組み合わせの妙味を通じて、豊かで快適で安全な未来づくりに貢献するデジタル・テクノロジーのソリューション&サービス提供事業者を目指すべく、持続的な成長と中長期的な企業価値向上に取り組んでおります。

当第3四半期連結累計期間における部門別の概要は次のとおりであります。

なお、当社グループでは、当社グループ内での事業戦略で定める製品及びサービスの事業実態と名称の整合性を図ることを目的に、「ネットワーク部門」、「セキュリティ部門」、「モニタリング部門」、「ソリューションサービス部門」の4つの事業区分としておりました。

しかしながら、「モニタリング部門」につきましては、昨今の市場環境の変化に伴い、従来のネットワークの可視化から脅威検出やセキュリティ監視、セキュリティ分析など多岐に渡ることから「ネットワーク部門」及び「セキュリティ部門」に振り分けることとし、第1四半期連結累計期間より、「ネットワーク部門」、「セキュリティ部門」、「ソリューションサービス部門」の3区分に変更することといたしました。

これに伴い、前第3四半期連結累計期間の数値は、変更後の部門区分に組み替えた数値で比較しています。

(ネットワーク部門)

当部門においては、テレワークや在宅勤務の増加を背景に、安心・安全なネットワーク環境の構築とWebサイトやサーバを狙ったDDoS攻撃などへのセキュリティ対策が課題となっています。

当社グループが得意とするIPアドレス管理サーバ製品は、新モデルへのリプレース需要が一巡したことから、テレワークや在宅勤務の増加に伴うセキュリティ対策としてのDNSセキュリティソリューションの提案活動に加えて、システムのクラウドシフト、クラウドリフトの加速に伴うIPアドレス管理の課題から、IPAM(IPアドレスマネジメント)の提案活動にも注力しました。

また、イスラエル・パレスチナ情勢の深刻化に伴うサイバー攻撃が世界各国で相次ぐ中、日本に対するサイバー攻撃が問題視されていることでRadware社DDoS対策ソリューションが注目され、問い合わせが増加したほか、販売終了製品のリプレースに伴う提案活動は堅調に推移し、受注につながっています。

なお、テレワークや在宅勤務の増加を背景に、安心・安全なネットワーク環境の構築に向けたクラウド型無線LANシステム案件は堅調に推移しており、これに紐づく有線LANネットワーク構築案件も増加しています。

この結果、売上高は1,189百万円(前年同期1,138百万円、前年同期比4.5%増)となりました。

 

(セキュリティ部門)

当部門においては、社会生活や経済活動において依存度が高まるインターネットサービスへのサイバー攻撃や不正アクセスなどの脅威が増加しています。

当社グループ独自のセキュリティサービスでは、ランサムウェアに代表されるサイバー犯罪への対応をはじめ、APTグループによる社会インフラへの攻撃や知的財産などの重要情報の窃取の防御、国家を背景に持つグループによるディスインフォーメーション(情報作戦)の分析など、主に3つの領域で活動を行っています。

ランサムウェア関連は、脅威情報サービス及びサイバーリスク管理のサービスで、主に国内大手企業向けに提供され、APTグループに関する脅威情報、情報作戦はSNSのAIによる解析のサービスは主に官公庁向けで、各活動とも順調に伸びています。

 

 

また、電力系などの重要インフラや工場及びビル管理などの産業制御システム向けセキュリティ対策では、経済産業省が策定の工場システムにおけるサイバー・フィジカル・セキュリティ対策ガイドラインをはじめ、自動車業界におけるサイバーセキュリティガイドラインなどによるOTシステムへのサイバー攻撃対策のほか、製造業におけるDX化が進み、つながる工場によるネットワーク管理の必要性から、制御システム・セキュリティリスク分析案件の受注活動は堅調に推移しています。

なお、昨今のクラウドサービスの利用が加速するのに伴い、既存のシステムやセキュリティ対策ツール、SaaS、PaaSなどのログ情報から、外部・内部の脅威をいち早く正確に捉えることができるログ管理・分析クラウドサービスのほか、特定の組織、企業などを標的にしたサイバー攻撃対策としてネットワーク不正侵入防御セキュリティ案件の引き合いが増加したことで、当部門の売上高は前年同期に比べて増加しました。

この結果、売上高は2,118百万円(前年同期1,507百万円、前年同期比40.5%増)となりました。

 

(ソリューションサービス部門)

当部門の多言語リアルタイム映像通訳サービス「みえる通訳」は、インバウンド需要の再開により、これまでの契約ユーザーである宿泊施設、公共交通機関、小売店などで契約件数が増加傾向にあり、新規の引き合いも増加しているほか、ワクチン接種会場の利用は一巡したものの、官公庁及び自治体、医療機関での契約件数は堅調に推移しました。

なお、多言語コンタクトセンターを自社運営する強みから、会議通訳、電話通訳、翻訳などに加え、BPO案件の引き合いも増加しています。

また、クラウドマネージドVPNサービスでは、簡便性と導入しやすい価格帯から、クラウドPBX事業者、小売流通や中堅企業などのネットワークサービスとして引き合いが増加し、当社グループ独自開発のRPAツールでは、誰でも簡単に使える特徴と認知度の高まりから、業界、業種、規模を問わず利用が拡大し、契約件数は堅調に推移しています。

その他、訪日インバウンドメディアを活用したプロモーション事業を行うIGLOOO(イグルー)社は、インバウンドの受け入れ再開に伴う訪日外国人を誘客するPR需要が増加しています。

情報システム業務支援及びシステム開発のクレシード社では、インボイス制度に対応したシステム開発案件が順調に推移しているほか、昨今、クラウドシフトが加速する中、中堅中小企業向けシステム開発案件の堅調な案件受注がなされており、このサポートも同時に提供していることでユーザビリティの向上に寄与しています。

この結果、売上高は1,406百万円(前年同期1,158百万円、前年同期比21.4%増)となりました。

 

以上の結果、当第3四半期連結累計期間における受注高は5,082百万円(前年同期3,899百万円、前年同期比30.3%増)、売上高は4,714百万円(前年同期3,804百万円、前年同期比23.9%増)、受注残高は2,220百万円(前年同期1,984百万円、前年同期比11.9%増)となりました。

 

利益面では、急激な円安に伴う一部商品などの仕入価格が上昇したことに加え、中長期的な経営戦略の実現に向けた人的資本への投資に伴う費用が増加したものの、売上高が増加したことにより、営業利益93百万円(前年同期は69百万円の損失)となりました。

また、為替相場の変動に伴う為替差益51百万円を営業外収益に計上したことで、経常利益145百万円(前年同期は32百万円の損失)となりました。

その結果、親会社株主に帰属する四半期純利益62百万円(前年同期は117百万円の損失)となりました。

 

 

 

(2)財政状態に関する説明

(資産)

当第3四半期連結会計期間末における流動資産は4,922百万円となり、前連結会計年度末に比べ146百万円減少いたしました。これは主に棚卸資産が148百万円増加したものの、売掛金が266百万円減少したことによるものであります。固定資産は1,247百万円となり、前連結会計年度末に比べ172百万円増加いたしました。これは主に投資その他の資産が226百万円増加したものの、無形固定資産が43百万円減少したことによるものであります。

(負債)

当第3四半期連結会計期間末における流動負債は3,395百万円となり、前連結会計年度末に比べ69百万円増加いたしました。これは主に前受金が106百万円増加したものの、賞与引当金が68百万円減少したことによるものであります。固定負債は345百万円となり、前連結会計年度末に比べ27百万円減少しました。これは主に長期借入金が27百万円減少したことによるものであります。

(純資産)

当第3四半期連結会計期間末における純資産合計は2,428百万円となり、前連結会計年度末に比べ16百万円減少いたしました。これは主に非支配株主持分の減少によるものであります。

この結果、自己資本比率は39.1%となりました。

 

(3)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

前事業年度の有価証券報告書に記載した経営者による財政状態経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。

(4)経営方針・経営戦略等

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

(6)研究開発活動

該当事項はありません。

3【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。