第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において、当社が判断したものであります。

 

(1)経営方針

より良い社会を創造していくには、その構成要素となる人と組織の生産性を高め、より良い組織を一つでも多く創っていくことが地道でありながら最も確実な方法であると考えます。そして、一人ひとりの多様な能力発揮を支援し、ビジネスと社会の持続的発展を可能にするために当社が考えるテーマは次の通りです。

 

それは、すべてのビジネスパーソンに「客観的な立場からコミュニケーションできる、経験豊富でスキルもあり信頼できる、あなたの能力発揮をお手伝いする」役割を持ったコーチを活用して頂くことです。

当社は、ビジネス経験・マネジメント経験の豊富な方をパートナーコーチとして迎えています。

当社はパートナーコーチと連携して、エグゼクティブや次世代のエグゼクティブのみならずビジネスの世界で活躍するすべての人の個人の成功、ひいては組織の成功をサポートしていきたいと考えております。

1対1型サービスでは、ハイレベルなエグゼクティブコーチング、ビジネスリーダーコーチング、ビジネスパーソンコーチング等、一人ひとりの課題と状況に対応した幅広いビジネスコーチングを提供するとともに、1対n型サービスでは、組織に対しては1on1の導入・定着・継続を支援するビジネスコーチングプログラムにより間接的にコーチングの素晴らしさを体感頂ける機会を、プロフェッショナルチームとテクノロジーの活用により皆様にご提供することで、コーチングの普及を実現したいと考えています。

 

  これらを実現する企業となるため、当社は次の通り、パーパス・ミッション・ビジョンを定めております。

 

<パーパス>

一人ひとりの多様な魅力、想い、能力の発揮を支援し、働く人が幸せを感じられる社会の持続的発展を可能にする。

<ビジョン> 

一人ひとりにビジネスコーチがついている社会を実現する。

<ミッション>

プロフェッショナルチームとテクノロジーの力で、一人ひとりに最適なビジネスコーチングを提供する。

 

  (2)経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標等

   当社は、ビジネスコーチングを1対1型と1対n型で提供しており、現在は1対n型が収益の過半を占めていますが、一人ひとりにビジネスコーチがついている社会を実現するためには、コーチングを受けているコーチング対象者(クライアント)数を増加させる必要があるため、1対1型サービスのクライアント数及び1対1型サービスの売上構成比を重視しております。また、経営の効率性を確保するため、売上高、売上総利益率、営業利益率並びに従業員一人当たり売上高を重要指標として活用することで、健全な収益力の向上と経営基盤の強化を進めて参ります。

 

(3)経営環境

当社は、「働き方改革関連法」による生産性向上・長時間労働是正・ワークライフバランス実現等を目的とした人材開発関連投資が拡大してきたと考えており、また、コロナ禍により始まったテレワークの実施により組織内コミュニケーションの課題が顕在化して、これを解決するためのコミュニケーションを改善するための人材開発投資も活発化していると考えております。

一方で、企業向け法人研修市場は約5,000億円(※1)で横ばいの状況であり、ビジネスコーチング市場は、その中の小さなカテゴリーで310億円程度(約6.4%)(※2)と考えられ、適切なマーケットデータは存在しません。

当社では、これらの状況から企業向け法人研修市場の中で支出カテゴリーの変化が起きているものと考えています。

   米国においては、法人研修市場のうち、ビジネスコーチングが占める割合は約36%(※3)と、日本の構成比の5倍以上です。この差は、米国のジョブ型雇用制度と能力給型報酬制度に対して、日本のメンバーシップ型雇用制度と年功序列型報酬制度の違いによりもたらされているものと考えております。

   国内においてもジョブ型雇用制度が話題になる等、米国型制度への転換が模索されており、これにより人材開発投資の内容が変化していると考えております。

   また、「持続的な企業価値の向上と人的資本に関する研究会 報告書 ~人材版伊藤レポート~」(経済産業省)にあるとおり、企業における人的資本への投資状況の開示が望まれる状況となっており、実効性のある人材開発投資が求められる状況になっています。

これらのニーズに対して、一人ひとりの能力を最大限に引き出すビジネスコーチングをという、単なる研修ではないサービスの有効性を訴求して、成果を測定できる形でサービス提供することが重要と考えています。

(※1)出典:矢野経済研究所「2021 企業向け研修サービス市場の実態と展望」

(※2)出典:矢野経済研究所「2021 企業向け研修サービス市場の実態と展望」から当社にてカテゴリー区分の上集計。

(※3)出典:IBISWorld刊「61143 Business Coaching in the US Industry Report」から当社にてカテゴリー区分の上集計。

 

(4)経営戦略等

当社は、現状は1対n型コーチングが収益の柱になっていますが、今後は、1対1型コーチングを伸長させてより多くの顧客の生産性向上に寄与したいと考えています。

人材開発投資の投資効果測定は非常に難しい課題です。1対n型で人材開発投資をしても、プログラム参加者の学習理解度、習得内容の利用機会の有無、習得内容を利用するための支援の有無等により、参加者の成果は一律ではなく、客観的な成果を把握するためには情報の収集と分析に多大な量力を必要とします。

一方で、1対1型コーチングでは、コーチがコーチング対象者(クライアント)に1対1で対応し、行動変容の定着化までフォローアップするので、成果につながりやすく、また成果の把握も容易になります。

米国型の雇用制度・報酬制度に向かって人材開発のニーズが全員一律のインプットから個人別成果実現の支援に向かって変化し、人的資本投資の開示が求められる時代においては、1対1型の人的資本投資がより重視されるようになると考えており、1対1型コーチングの伸長を想定した戦略を準備・実行することで顧客価値の最大化と収益の増加を実現することが可能になります。

 

① 高品質なコーチの確保・育成・維持

第一は、高品質のコーチを確保し、育成し、維持することが重要です。コーチの品質は「コーチ個人の実践知」×「コーチングスキルの習熟度」で決定すると考えています。コーチングスキルが有ってもコーチ個人の実践知が低いと、クライアントに対して適切な「気づき」をもたらすことが出来ません。コーチが実践知を持っていてもコーチングスキルが無いとティーチングとなってしまい、クライアントはコーチから指示された行動変容を行うことになって継続は難しくなります。これらを解決するための仕組みや環境を整えて高品質のコーチを確保することで、1対1型の成長を目指します。

 

②フォローアップの特化したサービスの開発と提供

1対n型コーチングにおいても、フォローアップを出来るだけ容易にするサービスを開発して提供することで、安定的な成長を目指します。

 

③コーチングのAI分析

コーチングや1on1ミーティングは1対1で実施されるために当事者以外にはブラックボックスとなっています。そのため、最適なコーチングになっているかどうかが感覚的にしか判断できないため、動画AI分析や会話音声AI解析により、効果的なコーチングとなるように支援するサービスも開発・販売を開始しており、これらの有効性を高めて成果につながるコーチングや1on1ミーティングの実現を目指していきます。

 

 

 

(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

   当社の優先的に対処すべき事業上の課題は以下の通りであります。なお、優先的に対処すべき財務上の課題につきましては、長期借入金及び社債の約定返済・償還も順調に進み、営業キャッシュ・フローにより実質無借金状態となっていますので、現時点ではございません。

 

a.   ビジネスコーチングのフェーズ1・2・3による営業展開の強化

ビジネスコーチングのサービスを3つのフェーズに区分した体系に基づくサービス提供により、より顧客が成果を得るためのステップが明確になり、長期的ご支援が可能な顧客が増加して参りましたが、顧客と当社の十分な相互理解と信頼関係の確立が不可欠であるため、すべての顧客に幅広く展開するまでには至っておりません。そのため、社内教育による営業担当者の専門知識レベルの向上、営業担当者の人員増強、パートナーコーチとの連携の緊密化、サービス提供を支えるオペレーション担当者の効率化等を図り、より多くの顧客にライフタイムバリュー(顧客生涯価値)を最大化すべく人材育成及び組織開発領域における課題解決につながる体系的サービス提供を実現して参ります。

 

b.   ビジネスリーダーコーチング、ビジネスパーソンコーチングのサービス確立と普及

従来からエグゼクティブ層には個別のコーチングを提供し、企業組織の中間層にはビジネスコーチングプログラムを提供してまいりましたが、外部の第三者であるコーチには、社内1on1では実現できない客観的な視点でのコーチングを提供することが可能であります。テレワーク環境が浸透したことで、オンライン会議システムを利用したコーチングでも対面コーチングと比較して遜色ない効果が確認されており、またコーチも居住地等に関係なくコーチングを実施できるため、コーチング提供の機会が拡大しております。

日本国内には各種団体が認定したコーチ資格保持者(国際コーチング連盟(ICF)資格やPHP認定ビジネスコーチ等)が多数おります。しかし、コーチングをビジネスとして提供する機会に恵まれず、多数の方が保有スキルを活用できずにいると当社は考えております。当社では、このような方々のうち、当社のビジネスコーチングの考え方に共感し、当社のコーチング手法を実践できる方々と契約してサービス提供力を拡大して参ります。これに加えて、ビジネスリーダー/パーソンコーチング実施の基盤となるシステム環境を整備し、組織の中間層の多数のユーザーに対してコーチングを提供する仕組みを確立し、普及に努めて参ります。

 

c.   サービス提供力の増強と生産管理の強化

 コーチ等の増員によるサービス提供力の増強は、質と量の両面において当社の課題であります。当事業年度においてもサービス提供力の増強を実施しましたが、今後の事業成長のために更なるサービス提供力の増強が必要です。特に、ビジネスリーダーコーチング、ビジネスパーソンコーチングの普及に対応したコーチの確保を重点施策として、コーチの採用チャネルを多様化し、サービス提供力を量と質の両面から増強を図って参ります。

 

d.   ガバナンス体制の拡充と経営目標の融合

当社は2021年9月に「一人ひとりの多様な魅力、想い、能力の発揮を支援し、働く人が幸せを感じられる社会の持続的発展を可能にする」を当社のパーパス(当社の存在意義)として定めました。これは当社が個々人にフォーカスし、ビジネスコーチングを通じて社会の発展に貢献したいという当社の意思を表現しております。

また、2022年4月に独立社外取締役1名を増員し、取締役会を構成する取締役・監査役のうち、半数を独立役員が占め、経営のモニタリング機能を強化して参りました。

これを、より社会の要求に融合した形で推進するため、従来のガバナンスの強化から一歩進めて企業に対する様々な社会的要請に配慮した、会社の成長が社会貢献に繋がるビジネスモデルを確立して参ります。

  そのため、現在は意思決定の迅速な実行を重視して、取締役が部門長を兼ねる体制としておりますが、中長期的には経営と執行の分離を実現する体制への変更を検討しております。

 

 

e.クラウドコーチングシステムの追加開発

 当社は、クラウドコーチングシステムを利用して、クライアントの行動目標設定、行動結果記録、振り返り記録、コーチの対話記録を管理していますが、この他にマイクロラーニングのために動画配信プラットフォームを、コーチングセッション予約のために予約管理システムを、別々のシステムで運用しています。

 そのため、クライアントがこれらを利用するためには3つのアプリケーションに別々にログインする必要があるため、利便性が悪く、また3つのシステムにクライアントを登録する管理コストが発生し、またこれらのデータを統合的に活用するためには3つのシステムのデータを統合する作業が必要となっています。

 

 これらを統合的に管理するため、クラウドコーチングシステムのフロントエンドとしてポータル化した仕組みを持ち、バックエンドではこれらの3つシステムがデータ連携できるデータベースを構築することが、重要な課題であります。

 そのため、グロース市場上場により調達する資金でこれらの開発を進めて参ります。

 

f.コーチングベース機能を持った本社設備

 当社は、現本社でセミナールームがある施設を利用していますが、新型コロナウイルス感染症の影響で、サービス提供をオンラインに切り替え、役社員も出勤率20%程度のテレワーク体制に変更したため、働き方とオフィス設備のミスマッチが起きております。

 また、オンラインでのサービス提供となったことから、顧客に対するサービス提供前後で行われていたコーチ同士、コーチ・社員間のコミュニケーション密度が減少しています。特に、直近でパートナーとなったコーチは、他のコーチと顔を合わせてディスカッションする機会が殆どなく、日常的なパートナー交流の機会を必要としています。

 そこで、現本社の定期借家契約が満了する2023年に、テレワーク勤務体制にフィットしたオフィス、日常的にパートナーコーチとの交流が実現できるオフィスの設置を検討しております。

 そのため、グロース市場上場により調達する資金でこれらの設備投資を行う予定であります。

 

 

2 【事業等のリスク】

 当社の事業とその他に関するリスクについて、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、必ずしも、そのようなリスク要因に該当しない事項につきましても、投資者の判断上、重要であると考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。       

 当社は、これらのリスク発生の可能性を十分に認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針ではありますが、当社株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項以外の記載事項を慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。

 

(1)景気変動リスクについて

当社がビジネスコーチングサービスを提供する主要顧客は、従業員5千人以上の企業グループに属する企業であり、かつ国内外に事業を展開する企業が多数あります。国内外の景気動向により、これら主要顧客の経営状態や業績により人材開発投資を抑制した場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)特定サービスへの依存について

当社のビジネスコーチングサービスの主要サービスであるビジネスコーチングプログラムは、顧客企業において1on1ミーティングでコーチングスキルを活用して「生産性向上に貢献する上司と部下の意味ある会話」を実現し、組織の生産性向上に貢献しております。ビジネスコーチングプログラムに対する当社への問い合わせ件数は年々増加しており、今後においても引き続き増加していくものと考えております。

しかしながら、顧客企業における1on1ミーティングのスキルやノウハウの蓄積により、顧客企業内で1on1導入・運用業務の内製化が進み、ビジネスコーチングプログラムに対する需要が期待通り伸長しない場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)競合について

当社が展開するビジネスコーチングサービスについては、現時点では顧客企業の意向に沿って組織化された多人数のコーチチームを必要とする大企業向けサービスを提供できる企業が限定されており、創業以来、ビジネスコーチングを専門的に行ってきた当社では、他社に先行してビジネスコーチング事業を展開できていると認識しております。

しかしながら、大手コンサルティング企業や海外のコーチング関連ビジネス企業が日本市場に参入してきた場合は、競合他社との競争激化により、価格の下落、又は価格競争以外の要因でも案件獲得を失うおそれがあり、当社の事業展開及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)品質リスクについて

当社は、顧客の人材開発を支援するビジネスコーチングサービスを展開し、顧客の組織および従業員の生産性向上を支援するサービスを提供しております。当社は、提供サービスの品質の向上・維持のため、顧客満足度調査の実施や定期的な顧客ヒアリングの実施にくわえ、外注委託先に対する品質管理などの対策をとっております。

しかしながら、顧客が期待する品質のサービスが提供できない場合には、契約の継続性に支障を来し、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)外注委託先のリスクについて

当社では、当社が開催するスクール等を通じて当社のビジネスコーチング及び人事コンサルティングの知識・ノウハウを獲得した委託先を活用して人材開発事業の拡大を図っております。

① 品質管理について

当社では、外部委託先に対してビジネスコーチングサービス及び人事制度コンサルティングサービスの品質水準及び管理体制に関して定期的な審査を実施し、必要に応じて改善指導を行うなど外部委託先が実施するサービスの品質管理に努めております。

しかしながら、委託先において急病、事故、事件、天災被害等により、契約したサービスが提供できない事態が発生した場合には、ビジネスコーチングサービス及び人事コンサルティングサービスの品質保持のためのコスト増、顧客からの損害賠償等が発生し、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

② 委託業務について

当社と外部委託先との契約の多くは業務委託契約の下で行われております。委託先の殆どはコーチング事業を営む中小企業又は個人事業主であり、下請代金支払遅延等防止法の適用対象となっております。当社は、業務委託契約書や注文書等において下請代金支払遅延等防止法が求める必要事項の記載や支払条件に関して、契約書及び注文書の雛型でカバーしており、運用においても注意を払っています。当社の支払条件は、サービス提供月末締翌月末払いが標準であり、外部委託先に対して注文書発行により業務範囲を明確にし、事後的な金額変更も行わないように発注担当者を指導しております。しかしながら、サービス内容が日々進化して、外部委託先の役割も変わっていく中で、既存の書類では適切な対応が出来ず、あるいは認識の齟齬が生まれて下請代金支払遅延等防止法違反となる可能性があります。

③ 委託先の情報管理体制について

当社が委託する業務は人材開発事業の特性から顧客の個人情報を扱う頻度が高いため、個人情報保護規程を制定し、個人情報を委託する場合は十分な個人情報保護の体制が確立していることを個人情報委託先選定確認書の提出を求めることで確認しております。このような取組みにも関わらず、委託先において予想外の事態が発生して情報漏えい問題等が発生した場合には、当社の信用を失い、事業展開及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

④ 外部委託先の確保について

1対1型サービス及び1対n型サービスのうち、サービス企画・設計やHRテックサービス以外の、コーチの稼働を必要とする部分は、その殆どが委託先への委託によるサービス提供となっています。社内コーチや社内コンサルタントは、当社のサービスレベル向上や新サービス開発のために稼働しますが、社内コーチや社内コンサルタントを増加させてサービス提供を社内で完結させることは目指していません。外部委託先とのパートナー関係を強化、拡大してビジネスコーチングの普及を実現する方針としております。そのため、当社が顧客に提供するビジネスコーチングを提供できる外部委託先の確保が必要不可欠となっております。

当社は、外部委託を担当する専任者を配置し、定期的に情報共有を行い、必要に応じて改善指導を行うなどにより外部委託先との関係強化に努めております。また、外部委託先の新規開拓も行っており、当社が顧客に提供するビジネスコーチングを提供できる外部委託先の安定的な確保に努めております。

このような取組みにも関わらず、外部委託先の確保ができない場合には、当社の事業展開及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

⑤ 外部委託先の不祥事、風評等について

当社外部委託先で実際にサービス提供を行うコーチが、事故、事件、不祥事等を起こした場合は、サービス提供の停止等の対応が必要となるため、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社の対応等にも関わらず、報道やインターネットによる情報拡散で社会全般に広まった場合は、当社の社会的信用が損なわれ、事業運営や業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 売上計上の期ずれが業績に与える影響について

ビジネスコーチングサービスにおいては、取引先の都合による検収時期の変動や、受注後の仕様変更等により納入時期が変更となり、売上高及び利益の計上について当初の予定から翌四半期あるいは翌会計年度にずれる場合があります。それらの期ずれが発生した場合には、各四半期あるいは会計年度における当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7)特定人物への依存について

当社代表取締役社長である細川馨は、当社設立以来の代表者であり、人材開発事業に関する経験と知識を有しており、経営方針や事業戦略の決定等、当社の事業活動全般において極めて重要な役割を果たしております。

また、当社取締役副社長である橋場剛及び常務取締役である山本佳孝は、それぞれコーチとして、知識とスキルを維持・開発・指導する中核的な役割を担っています。

当社は現在、取締役会等において情報の共有を図るとともに、後継人材の採用と育成、並びに知識とスキルのデータ化を推進しており、3名の特定人物に過度に依存しない組織体制の構築を進めております。

しかしながら、何らかの理由により3名の特定人物の業務遂行が困難になった場合には、当社の事業展開及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8)小規模組織であることについて

当社は組織的規模が小さく、内部管理体制や業務執行体制も当該組織規模に応じたものとなっております。したがって、当社の役員や重要な業務を担当する従業員が退職等で流出した場合は、当社の事業活動に支障を来し、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9)人材の採用・確保及び育成について

当社は、ビジネスコーチングを提供できる人材の採用・確保及び育成が、今後の事業展開のために重要であると考えております。

自社主催スクールや独自の社員採用プログラムの運営により、このような人材の採用・確保を行い、育成を図っております。また、コーチングスキルを社内に適用したコミュニケーションの改善、福利厚生の充実、業務環境の改善等により離職率の低減を図っております。

しかしながら、当社が必要とする、ビジネスコーチングを提供できる人材の採用・確保及び育成が計画通りに進まない場合や、人材の社外流出が生じた場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10)自然災害、事故等について

当社の事業拠点は、本社所在地である東京都千代田区にあり、当該地区において大地震、台風等の自然災害及び事故、火災等により、業務の停止、設備の損壊や電力供給の制限等の不測の事態が発生した場合、当社の事業展開及び業績に影響を及ぼす可能性があります。また、オンラインによるサービス提供を標準としており、インターネット回線や当社が利用するWEB会議システムのサービス業者に不測の事態が発生した場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(11)コンプライアンスリスクについて

当社の役員及び従業員に対し、行動規範を定める等、取締役及び従業員に対して法令遵守意識を浸透させております。

しかしながら、万が一、当社の役員及び従業員がコンプライアンスに違反する行為を行った場合には、当社の社会的信用及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(12)訴訟等のリスクについて

当社は、顧客や外部委託先と契約を締結する際に、損害賠償の範囲を限定するなど、過大な損害賠償の請求をされないようリスク管理を行っております。

しかしながら、契約時に想定していないトラブルの発生、取引先等との何らかの問題が生じた場合などにより、他社から損害賠償請求等の訴訟を提起された場合には、当社の社会的信用並びに業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(13)知的財産について

当社が事業活動を行うに当たり、第三者が保有する知的財産権を侵害しないよう細心の注意を払っており、著作権保護に関するe-ラーニングを全社員が受講する等の対策をしていますが、万が一、第三者の知的財産権を侵害し、当該第三者より損害賠償請求、使用差止請求等がなされた場合には、当社の事業展開及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

また、当社はビジネスコーチングにおいてクラウドサービスの提供も行っており、これらのうちには商標権、著作権等の知的財産権による保護の対象も含まれます。

しかしながら、これらに対する知的財産権が適切に保護されないときは、当社の事業展開及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(14)情報の管理について

① 機密情報の管理について

当社のエグゼクティブコーチングサービスでは、顧客エグゼクティブ層の個人目標または組織目標達成のためのコーチングを実施しており、機密性の高い情報を取り扱っております。このため当社では、役員及び従業員に対して、入社時及び定期的に機密情報の取扱いについて指導・教育を行っております。また、情報を保管するファイルサーバでは情報を外部と共有が出来ないように制限しており、社内においても業務上必要最低限の関係者にのみ共有する運用を行っております。

しかしながら、不測の事態により、これらの情報が外部に漏洩した場合には、当社の社会的信用に重大な影響を与え、対応費用を含め当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

② 個人情報の管理について

当社の人材開発サービスの提供において個人情報を取り扱うことがあります。このため当社では、プライバシーマーク認証を取得し、役員及び従業員に対して、入社時及び全従業員を対象に年1回、個人情報の管理について指導・教育を行っております。

しかしながら、不測の事態により、これらの情報が外部に漏洩した場合には、当社の社会的信用に重大な影響を与え、対応費用を含め当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(15)風評リスクについて

当社は、高品質のサービスの提供に努めるとともに、役員及び従業員に対する法令遵守浸透、情報管理やコンプライアンスに関し、定期的に説明会を開催するなど、意識の徹底を行い、経営の健全性、効率性及び透明性の確保を図っております。

しかしながら、当社のサービスや役員及び従業員に対して意図的に根拠のない噂や悪意を持った評判等を流布された場合には、当社の社会的信用及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(16)新株予約権行使による株式価値の希薄化について

当社は、当社の取締役及び従業員に対するインセンティブを目的とした新株予約権を発行しております。本書提出日現在における新株予約権による潜在株式は32,000株であり、発行済株式総数968,000株の3.3%に相当します。これら新株予約権が行使された場合、新株式が発行され、株式価値が希薄化する可能性があります。

 

  (17)調達資金の使途について

当社の公募増資による資金使途は、クラウドコーチングシステムの追加開発、コーチングベース(ビジネスコーチング普及のための機能を持った本社施設)の設置及び採用等により発生する増加人件費への充当を考えております。

しかしながら、当社を取り巻く外部環境や経営環境の変化に伴い、当該資金を想定通りの使途に充当されない可能性もあります。また、計画通りに資金を使用したとしても、期待通りの効果をあげられない可能性があります。そのような場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(18)新型コロナウイルス感染症について

 当社は、2020年3月までは対面形式でコーチングを実施していたため、新型コロナの影響によってサービス提供の延期・中止等に伴う需要の落ち込みが生じました。しかしながら、2020年4月からサービス提供のオンライン化を進め、現在は全てのサービスをオンライン提供しています。そのため、新型コロナウイルス感染症の影響で接触回避等を理由としたビジネスコーチングの需要の落ち込みが発生する可能性は低いと考えております。

 また、従業員についても、事業所で社員が密集することを回避しており、出社した場合は、マスクの着用、消毒の励行、換気の確保を徹底しており、当社内でクラスターが発生するリスクを回避しております。

 顧客が、オンラインではなく対面でのサービスを希望された場合は、顧客が指定する実施場所での感染対策を十分に行うことを依頼し、顧客従業員及び当社サービス担当者が感染しないように十分に注意を払っております。

  万一、従業員やコーチ等が新型コロナウイルス感染症に感染した場合は、代替の社員又はコーチをアサインすることで事業停止リスクを最小限に留める対応をしております。

 

 

(19)大株主について

本書提出日現在で当社代表取締役社長細川馨は直接所有分15.50%であり、細川馨の資産管理会社である有限会社コーチ・エフが保有する当社議決権の45.66%と合算した議決権保有割合は61.16%であります。

 細川馨及び当該資産管理会社は引続き当社の株式を一定程度保有する見通しでありますが、議決権の行使に当たっては、株主共同利益を追求するとともに少数株主の利益にも配慮する方針であります。

 しかしながら、何らかの事情によって、細川馨及び当該資産管理会社が、当社株式をやむを得ず売却することとなった場合は、当社の事業展開、当社株式の市場価格及び議決権行使の状況等に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態の状況

第17期事業年度(自 2020年10月1日 至 2021年9月30日)

 

(資産)

当事業年度末における流動資産は667,582千円となり、前事業年度末と比較して255,485千円増加しております。これは主に、当期純利益獲得等による現金及び預金が235,274千円増加 、1on1導入支援サービス等の売上計上による売掛金が11,712千円増加、基幹システムの年間使用料の前払いにより前払費用が5,461千円増加したことによるものであります。    

また、固定資産は60,584千円となり、前事業年度末と比較して14,089千円増加しております。これは主に、建物及び工具・器具及び備品の減価償却費計上により有形固定資産が1,445千円減少、ソフトウェア開発により無形固定資産が7,801千円増加、繰延税金資産が12,473千円増加したことによるものであります。

この結果、総資産は730,274千円となり、前事業年度末に比べて268,857千円増加いたしました。

 

 (負債)

当事業年度末における流動負債は、320,438千円となり、前事業年度末と比較して161,904千円増加しております。これは主に、パートナーコーチへの外注費計上により買掛金が2,157千円増加、法人税、住民税及び事業税の計上により未払法人税等が84,802千円増加、消費税の計上により未払消費税等が18,663千円増加、コーチングサービスの前受契約により前受金が32,662千円増加、賞与制度の構築により賞与引当金が18,470千円増加、ソフトウェア開発により未払金が9,773千円増加したことによるものであります

また、固定負債は109,659千円となり、前事業年度末と比較して45,590千円減少しております。これは主に、社債償還により社債が20,000千円減少、借入金返済により長期借入金が24,420千円減少したことによるものであります。

この結果、負債合計は430,097千円となり、前事業年度末に比べて116,313千円増加いたしました。

 

 (純資産)

当事業年度末における純資産は、300,176千円となり、前事業年度末と比較して152,544千円増加しております。これは、利益剰余金が2020年9月期の期末配当金の支払により3,872千円減少、当事業年度における当期純利益を156,416千円計上したことによるものであります。

 

第18期第3四半期累計期間(自 2021年10月1日 至 2022年6月30日)

 

(資産)

当第3四半期累計期間末の総資産は662,257千円となり、前事業年度末と比較して68,017千円減少しております。流動資産は610,846千円となりました。主な要因は、配当金および法人税等の納付により現金及び預金が44,995千円減少、前払いしている売上管理システムの期間計上によりその他の流動資産が9,305千円減少したためです。また、固定資産は49,841千円となりました。これは主に繰延税金資産が7,921千円減少したためです。

 

(負債)

当第3四半期累計期間末の負債合計は291,770千円となり、前事業年度末と比較して138,327千円減少しております。これは主に法人税等の納付により未払法人税等が76,307千円減少、ソフトウェア開発費の支払等によりその他流動負債が15,479千円減少したことによるものであります。

なお、契約負債が70,050千円増加し、前受金が83,928千円減少していますが、これは、収益認識会計基準等を適用したため、前事業年度の貸借対照表において表示していた「前受金」を当事業年度より「契約負債」に含めて表示することとしたためです。

また、固定負債は77,176千円となり、前事業年度末と比較して32,483千円減少しております。これは主に社債償還により社債が10,000千円減少、借入金返済により長期借入金が21,703千円減少したことによるものであります。

 

(純資産)

当第3四半期累計期間末の純資産は、370,487千円となり、前事業年度末と比較して70,310千円増加しております。これは利益剰余金が剰余金の配当で48,400千円減少し、四半期純利益獲得で118,710千円増加したことによるものです。

 

② 経営成績の状況

第17期事業年度(自 2020年10月1日 至 2021年9月30日)

当事業年度における我が国の経済は、前事業年度から始まった新型コロナウイルス感染症が継続して対面サービスや移動サービスに関わる事業に大きな打撃を与える一方で、インターネットを活用したサービスや関連機器等の需要は高まり、業種・業態により景気が2極化した状況で推移致しました。2021年7月から東京オリンピック・パラリンピックが開催されて人々の気分は高揚しましたが、入場制限等の措置により経済活動への寄与は限定的となり、景気は相変わらず先行き不透明な状況であります。

当事業年度における人材開発市場は、新型コロナウイルス感染症予防の観点からオンラインでのセミナー開催や研修サービスの提供が一般化して参りましたが、景気の悪化に伴い人材開発に十分な資金を振り向けることが出来ない企業も多くあり、市場全体としてはマイナス成長になっています。

このような状況の中、当社はオンライン会議システムを活用して、従来は対面で行われていたエグゼクティブコーチング、1on1導入支援を中心とした集合型研修、セミナーのすべてのサービスを率先してオンライン提供に切り替え、各サービスコンテンツもオンラインならではの内容にアップデートして従来以上に価値のあるサービスにブラッシュアップして参りました。

1対1型コーチングサービスのコーチング対象者(クライアント)数は、2020年8月から提供を開始したビジネスパーソン向けのオンラインコーチングが伸長し、前年同期比304%増の748名となり、1対1型サービスの売上構成比は、23.2%となりました。

また、ビジネスコーチングのサービスを3フェーズに区分したサービス体系を構築し、顧客の役員・社員及び組織の行動を変え、成果に繋げるためのプロセスを明示してご提案し、長期間に亘って継続的にご支援することに注力して参りました。これにより法人顧客1社当たりの売上高は前年同期比19%増の3.2百万円になりました。

 

これらの結果、当事業年度の売上高は1,001,290千円(前年同期比45.6%増)、営業利益は231,934千円(前年同期比1,325.9%増)、経常利益は230,936千円(前年同期比1,136.6%増)、当期純利益は156,416千円(前年同期比909.3%増)となりました。

なお、当社は、人材開発事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。

 

第18期第3四半期累計期間(自 2021年10月1日 至 2022年6月30日)

 当第3四半期累計期間における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の第6波が比較的落ち着き、海外からの旅行者の受け入れも開始され景気の回復が見込まれる一方で、2022年2月から始まったロシアによるウクライナ侵攻によるエネルギー等の供給確保懸念の高まりや円安による物価上昇のため一部の輸出産業を除いて先行きは不透明な状況で推移しております。

当第3四半期累計期間における人材開発市場においては、2020年9月に「人材版伊藤レポート」を公表して以降、人材に関する注目度がますます高まる中で、2022年5月に「人材版伊藤レポート2.0」が公表され「人的資本」の重要性を認識するとともに、人的資本経営という変革を具現化するための実践が企業に求められています。

当社は、「クライアントファースト」を掲げ、組織内コミュニケーションの実現を支援する1対n型コーチングサービス及び社員のポテンシャルを引き出す支援をする1対1型コーチングサービスを中心にクライアントにベストマッチした商品を提供し、人的資本経営の確立を実現するためのコーポレートコーチを目指しています。

コーチングサービスにおいては、フェーズ1(気づき)、フェーズ2(実践)、フェーズ3(継続・定着)に区分してクライアントのニーズに応じたサービスを提供しておりますが、特にフォローアップの強化が最大の顧客満足度を向上させると考え、フォローアップ研修の実施や動画サービス強化及びクラウドサービス等によるフォローアップサービスを充実させて参りました。

これにより、人的資本経営に対する企業行動の変化を追い風とした新規クライアントからの受注獲得だけでなく、既存クライアントからの継続受注も見込まれ、引き続き成長出来るものと考えております。

これらの結果、当第3四半期累計期間の売上高は819,067千円、営業利益は180,103千円、経常利益は178,777千円、四半期純利益は118,710千円となりました。

なお、当社は、人材開発事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。

 

③ キャッシュ・フローの状況

第17期事業年度(自 2020年10月1日 至 2021年9月30日)

 当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前事業年度と比較して235,271千円増加し、464,061千円となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度は、295,803千円の資金獲得(前年同期比248,837千円増加)となりました。これは主に、増加要因として、税引前当期純利益230,936千円(前年同期比212,260千円増加)、減価償却費11,554千円(前年同期比18,054千円減少)、前受金の増加32,662千円(前年同期比5,121千円増加)、賞与引当金の増加18,470千円(前年同期比18,470千円増加)、その他流動負債の増加18,138千円(前年同期比12,892千円増加)であった一方で、減少要因として、売上債権の増加11,712千円(前年同期比17,466千円減少)、法人税等の支払額2,190千円(前年同期比10,955千円減少)によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度は、11,433千円の支出(前年同期比25,424千円減少)となりました。これは主に減少要因として、ソフトウェア開発による無形固定資産の取得による支出11,431千円(前年同期比20,417千円減少)によるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度は、49,098千円の支出(前年同期比144,935千円減少)となりました。これは主に長期借入金の返済による支出25,226千円(前年同期比5,743千円減少)、社債の償還による支出20,000千円(前年同期比5,000千円増加)、配当金の支払額3,872千円(前年同期比5,808千円減少)によるものであります。

 

 

④ 生産、受注及び販売の実績

 

a. サービス生産実績

セグメントの名称

サービス生産高(千円)

前年同期比(%)

人材開発事業

                        291,504

                         +22.5

合計

                        291,504

                         +22.5

 

(注) 1.金額は、サービス原価によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

b. 受注実績

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

人材開発事業

        1,048,534

           +31.9

          454,672

           +11.6

合計

        1,048,534

           +31.9

          454,672

           +11.6

 

     (注) 1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

c. 販売実績

 

セグメントの名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

人材開発事業

                     1,001,290

                        +45.6

合計

                     1,001,290

                        +45.6

 

 

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 

第17期事業年度(自 2020年10月1日 至 2021年9月30日)

当社の当事業年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりであります。

 

(資産)

    総資産730,274千円(前期末比268,857千円増)のうち、現預金が498,900千円(前期末比235,274千円増)と68.3%を占めております。売掛金は132,885千円(前期末比11,712千円増)で総資産の18.2%となっており高い流動性を確保しております。

当社の事業は役務による無形サービス提供のため、顧客からの売上代金回収期間と外注委託先への支払期間の差が少ないことから営業キャッシュ・フローは利益に比例して増減いたします。

 

(負債)

 負債のうち、社債(1年内償還予定の社債を含む)60,000千円(前期末比20,000千円減)及び長期借入金(1年内返済予定の借入金を含む)93,299千円(前期末比25,226千円減)の合計153,299千円の有利子負債があり、負債・純資産合計額の21.0%をしめております。これらのうち、140,000千円は新型コロナウイルス感染症により先行きが不透明であった2020年3月から2020年8月の間に調達した資金ですが、事業をオンラインによるサービス提供に切り替えて順調に推移した結果、余裕資金として保有することができております。

 一方、事業が順調に推移した結果、未払法人税等84,955千円(前期末比84,802千円増)が負債純資産合計額の11.6%となっております。

 また、前受金は83,928千円(前期末比32,662千円増)と負債純資産合計額の11.5%となっております。

 

(純資産)

  純資産額の変動は、当期純利益の計上による増加と配当金の支払いによる減少のみで構成されております。配当方針は配当性向30%を目途に決定としております。

 

(売上高)

  売上高は1,001,290千円と前年同期に比べて313,621千円(45.6%)増加しました。これは前年同期にコロナ禍で延期となっていたサービス提供が再開されて急回復したことによります。また、コロナ対策として単にオンラインでサービス提供するだけでなく、オンラインサービス特有の付加価値を実現して標準化した結果、受注も拡大し、売上は大幅に伸長しました。

 

(売上原価及び売上総利益)

 売上原価は、288,535千円と前年同期と比べて52,001千円(22.0%)増加しました。動画コンテンツの開発・販売を本格化したことから売上原価率が前年同期の34.4%から28.8%と改善し、売上総利益は712,755千円と前年同期に比べて261,619千円(58.0%)増加しました。

 

(販売費及び一般管理費並びに営業利益)

 販売費及び一般管理費は480,821千円と前年同期と比べて45,950千円(10.6%)増加しました。これは、事業活動をテレワーク体制にして活動経費が減少する一方で、従業員数の増加及び昇給により人件費等が増加したことによるものです。この結果、営業利益は231,934千円と前年同期と比べて215,668千円(1,325.9%)増加しました。

 

(営業外収益、営業外費用及び経常利益)

 営業外収益は、1,161千円と前年同期と比べて5,207千円(81.8%)減少しました。主な内訳は、顧客都合によるサービス提供キャンセル時の補償金としての受取手数料です。営業外費用は2,158千円と前年同期と比べて1,799千円(45.5%)減少しました。主な内訳は、支払利息及び社債利息並びに保証料償却及び社債発行費償却です。この結果、経常利益は230,936千円と前年同期と比べて212,260千円(1,136.6%)増加しました。

 

(法人税等合計及び当期純利益)

 法人税等合計は、74,520千円と前年同期と比べて71,341千円(2,244.5%)増加いたしました。この結果、当期純利益は156,416千円と前年同期と比べて140,918千円(909.3%)増加しました。

 

  当社の経営成績に重要な影響を与える要因として、顧客である大企業の人材開発投資に対する考え方の変化があります。

 人材開発領域においては、生産性向上・長時間労働是正・ワークライフバランス実現等を目的とした人材開発関連投資が加速される中で、コロナ禍に半強制的に始まったテレワークの実施で組織内コミュニケーションの課題が新たに顕在化してきました。テレワークには課題がある一方で、ワークとライフの双方に様々なメリットをもたらしており、コロナ禍が収束しても一定割合で不可逆的に日本の産業内に定着するものと考えております。

 当社は、コロナ禍直後からサービスのオンライン提供を実現する体制を整備し、当事業年度のサービス提供は、顧客の特段の要求が無い限り、すべてをオンラインで提供して参りました。サービスコンテンツのオンラインの特徴を活かした形にアップグレードし、単に対面のサービスをオンラインで行う以上の付加価値を追求しております。そのため、当社サービスは引き続き成長が見込まれるものと考えております。

 また、「持続的な企業価値の向上と人的資本に関する研究会 報告書 ~人材版伊藤レポート~」(経済産業省)にあるとおり、企業における人的資本への投資状況の開示が望まれる状況となり、実効性のある人材開発投資としてビジネスコーチングという、単なる研修ではないサービスの有効性が認識され、普及するかが今後の事業成長の重要なポイントになると考えております。

 

 

第18期第3四半期累計期間(自 2021年10月1日 至 2022年6月30日)

当社の当第3四半期累計期間の財政状態及び経営成績は以下のとおりであります。

 

(資産)

 総資産662,257千円のうち、現預金が453,904千円と68.5%を占めております。売掛金は133,637千円で総資産の20.2%となっており高い流動性を確保しております。

 当社の事業は役務による無形サービス提供のため、顧客からの売上代金回収期間と外注委託先への支払期間の差が少ないことから営業キャッシュ・フローは収益に比例して増減いたします。

 

(負債)

 負債のうち、社債(1年内償還予定の社債を含む)50,000千円及び長期借入金(1年内返済予定の借入金を含む)73,168千円の合計123,168千円の有利子負債があり、負債・純資産合計額の18.6%をしめております。

 契約負債は70,050千円と負債・純資産合計額の10.6%となっており、サービス提供契約における支払条件交渉で一定割合を維持できるものと考えております。

 そのため、今後は有利子負債が減少し、収益の計上に伴い税金負債が増加するものと考えております。

 

(純資産)

 純資産額の変動は、四半期純利益の計上による増加と配当金の支払いによる減少のみで構成されております。配当方針は配当性向30%を目途に決定としております。

 

(売上高)

売上高は819,067千円となりました。1対1型サービスであるビジネス/パーソンコーチングが前事業年度下期から順調に立ち上がり、1対n型コーチングも安定的に推移していることによります。

 

(売上原価及び売上総利益)

 売上原価は、242,481千円となりました。パートナーコーチ等との契約の見直しや社内コーチのサービス提供時間の制限等のコストアップ要因もありましたが、動画コンテンツ販売の売上構成比が増加したことがコストダウン要因となり、売上原価率は29.6%となった結果、売上総利益は576,586千円となりました。

 

(販売費及び一般管理費並びに営業利益)

 販売費及び一般管理費は396,482千円となりました。従業員の昇給等により人件費等が増加したことによるものです。この結果、営業利益は180,103千円となりました。

 

(営業外収益、営業外費用及び経常利益)

 営業外収益は、590千円となりました。主な内訳は、顧客都合によるサービス提供キャンセル時の補償金です。営業外費用は1,917千円となりました。主な内訳は、支払利息及び社債利息並びに保証料償却及び社債発行費償却です。この結果、経常利益は178,777千円となりました。

 

(法人税等合計及び四半期純利益)

 法人税等合計は、60,066千円となりました。この結果、四半期純利益は118,710千円となりました。

 

 当社の経営成績に重要な影響を与える要因として、顧客である大企業の人材開発投資に対する考え方の変化があります。

 前事業年度から継続して人材開発領域においては、生産性向上・長時間労働是正・ワークライフバランス実現等を目的とした人材開発関連投資が加速される中で、「持続的な企業価値の向上と人的資本に関する研究会 報告書 ~人材版伊藤レポート~」から始まった人的資本に対する関心が、2021年6月に改訂されたコーポレートガバナンス・コードにおいて人的資本の情報開示が求められたことで更に高まり、人的資本の強化策を求める企業の具体的なニーズとして広がっております。人的資本への投資として実効性のある、単なる研修ではないビジネスコーチングというサービスの有効性が認識され、普及するかが重要なポイントになると考えております。

 

 ② キャッシュ・フローの状況の分析 

当社の当事業年度のキャッシュ・フローは、「(1)経営成績等の状況の概要③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりでありますが、ビジネスモデルの特性により利益額と営業キャッシュ・フローが比例的に増減するため、事業が伸長した当事業年度においてはソフトウェア開発資金等の投資キャッシュ・フローと、社債償還、借入金返済資金及び配当金の支払い等の財務キャッシュ・フローを支出したうえで現預金残高が235,274千円増加しており、安定的であると考えております。

 

③ 当社の資本の財源及び資金の流動性

当社の資金需要は、運転資金、納税資金等であり、資本の源泉は営業キャッシュ・フロー、金融機関からの借入等であります。

なお、クラウドコーチングソフトウェア追加開発資金、コーチングベース(コーチングを最適の環境で実施するための設備・機能を有した本社)新設資金等、大規模な投資が必要になった場合には、エクイティファイナンスを実施いたします。

また、当事業年度末の現金及び預金は、498,900千円あり、十分な短期流動性を確保していると考えております。

 

 

 ④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。その作成には経営者により会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積を必要とします。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性が存在するため、これらの見積りとは異なる場合があります。当社の財務諸表の作成に当たり会計上の見積りに用いた仮定のうち重要なものはないため、重要な会計上の見積りに該当する項目はないと判断しております。なお、当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 注記事項 (重要な会計方針)」に記載のとおりであります。

 

 ⑤ 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標等」記載の通り、当社は売上高、売上総利益率、営業利益率並びに従業員一人当たり売上高を重要指標としております。当事業年度においては、売上高1,001,290千円(前年同期比45.6%増)、売上総利益率71.2%(前年同期比5.6ポイント増)、営業利益率23.2%(前年同期比20.8ポイント増)、従業員一人当たり売上高25,032千円(前年同期比23.8%増)となりました。

前事業年度は、新型コロナウイルス感染症の影響で第3四半期の売上高が大幅に減少した結果、売上原価に含まれるソフトウェア償却費の負担が大きくなって売上総利益率が悪化し、一人当たり売上高も落ち込みましたが、第4四半期から売上が回復し、当事業年度は順調に売上高が伸長したため、全ての指標が改善しており、現時点では堅調に推移しているものと認識しています。

 

 

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

該当事項はありません。