(1)経営方針
当社グループは、「一人ひとりの多様な魅力、想い、能力の発揮を支援し、働く人が幸せを感じられる社会の持続的発展を可能にする」というパーパスのもと、クライアント企業における無形資産投資の中核である人的資本投資・DX化投資の両側面に対して、様々なサービスの提供を行っております。クライアント企業の企業価値創出の源泉であるHR領域課題を支援すべく、「人的資本経営のプロデューサー」を目指し、主力のコーチングとDXを武器に企業価値向上につながるHRサービスをワンストップで提供してまいります。
(2)経営環境および経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループの主要顧客であるプライム上場企業においては、「持続的な企業価値の向上と人的資本に関する研究会報告書~人材版伊藤レポート~」(経済産業省)にあるとおり、企業における人的資本への投資状況の開示が望まれる状況となっており、実効性のある人材開発投資が求められる状況になっています。
そのような環境において、当社グループは「人的資本経営のプロデューサー」構想を実現し、クライアント企業のあらゆる課題解決に対応するために、人的資本経営及びDXに関連する様々な課題に対してワンストップで解決することを目指しております。そのために、クライアント企業に伴走し課題を深掘りし、ソリューションの幅を広げ、課題解決に貢献することが重要であると考えております。そのための指標として、取引先1社当たり売上高を重要指標として活用することで、健全な収益力の向上と経営基盤の強化を進めて参ります。
(3)経営戦略等
当社グループは、「人的資本経営のプロデューサー」構想を実現するために、下記のテーマを重要な戦略と掲げより多くの顧客の企業価値向上に寄与したいと考えています。
① 人材の確保・育成・維持
クライアント企業の企業価値向上の支援にあたっては、クライアント企業と信頼関係を築き、的確な課題を把握したうえで、最適なソリューションを提供することが欠かせません。また、クライアント企業の課題が複雑化・高度化する昨今においても、常に選ばれる存在になるために、コーポレートコーチの確保・育成・維持を継続的に進めてまいります。
また、サービス提供を担うパートナーコーチの品質は「コーチ個人の実践知」×「コーチングスキルの習熟度」で決定すると考えています。コーチングスキルが有ってもコーチ個人の実践知が低いと、クライアントに対して適切な「気づき」をもたらすことが出来ません。コーチが実践知を持っていてもコーチングスキルが無いとティーチングとなってしまい、クライアントはコーチから指示された行動変容を行うことになって継続は難しくなります。これらを解決するための仕組みや環境を整えて高品質のコーチを確保することでサービス基盤を盤石にすることを目指します。
② 人事周辺・新規事業領域の拡大・M&A等による提供サービスの拡充
当社が「人的資本経営のプロデューサー」構想を実現するために、現在の人材開発・DX以外のサービス領域を拡充させてまいります。そのために、人事周辺および新規事業領域の拡大を図り、コーチングだけでなく人事戦略立案や人材紹介など他の人事領域への展開を図ることでクロスセルを強化いたします。また、M&Aを実施することで、ビジネスコーチグループが持つ経営資源と人材領域におけるM&A先の強みを活用してシナジーを創出し企業価値を最大化してまいります。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループが持続的な成長を実現するためには、クライアント企業の課題解決に向けて、クライアント企業 と信頼関係を構築するとともに、最適なソリューションの提案、良質なサービス提供、丁寧なフォローアップのサイクルを築くことができるコーポレートコーチ職の確保が重要となります。そのために、コーポレートコーチ職の採用を積極的に進めると同時に、社内教育による専門知識レベルの向上、パートナーコーチとの連携の緊密化、サービス提供を支えるオペレーション担当者の効率化等を図り、より多くの顧客にライフタイムバリュー(顧客生涯価値)を最大化する体系的サービスを提供してまいります。
パートナーコーチ等の増員によるサービス提供力の増強は、質と量の両面において当社の課題であります。当事業年度においてもサービス提供力の増強を実施し189名のパートナーコーチと契約をしております。今後もコンスタントにパートナーコーチを増員してサービス提供力を量と質の両面から増強を図ってまいります。
④M&Aの推進及びグループ企業間のシナジーの最大化
当社グループでは、クライアント企業の幅広い人事・組織領域の課題解決支援を行うために、事業領域の拡大を目指し、M&Aを積極的に推進し、グループ経営を加速させていく方針であります。また、グループ企業間の営業連携の実行を実現するため、管理部門を一部共通化するなど、経営管理をグループ全体に展開し、当社グループ全体の企業価値向上に努めてまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)経営環境
多くの社会課題の顕在化やステークホルダーの価値観の変化に伴い、ESG(環境・社会・ガバナンス)を重視した経営や経済価値と社会の双方を創出するサステナビリティ経営がより一層求められています。当社も、持続的な社会への貢献について、責任をもって取り組んでいくべきであると考えています。
(2)サステナビリティに関する考え方
当社グループにとってのサステナビリティとは、ビジネスを通して社会課題の解決に貢献することであり、当社の持続的な成長が、社会の持続的な発展に貢献できるような社会を目指すことです。その実現に向けて、顧客、取引先、従業員、株主はもちろん、環境や社会とのエンゲージメントも非常に重要であると考え、2005年の創業以来、あらゆるステークホルダーとのエンゲージメントを大切に、サステナビリティを重視した経営を実践しております。
その実践に際しては、1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(1)経営方針にも記載の通り、<パーパス>一人ひとりの多様な魅力、想い、能力の発揮を支援し、働く人が幸せを感じられる社会の持続的発展を可能にする。<ビジョン> 一人ひとりにビジネスコーチがついている社会を実現する。<ミッション>プロフェッショナルチームとテクノロジーの力で、一人ひとりに最適なビジネスコーチングを提供することを特徴としています。
(3)ガバナンス及びリスク管理
当社グループは、サステナビリティ関連を含む経営上の重要なリスクにつき、常勤取締役1名と各本部の代表メンバーで構成されたリスク管理委員会・コンプライアンス委員会を中心に運用しております。常勤監査役・内部監査担当もオブザーバーとして出席の上、定期(毎月1回)及び必要に応じて臨時に開催し、全社リスクマネジメント体制においてサステナビリティに関するリスクを管理の上、シナリオ分析を実施し、リスク管理及び対応策検討を実施しております。また定期開催の委員会の内容については、取締役会に年2回報告・協議されています。
(4)戦略並びに指標及び目標
上述の当社のサステナビリティに関するガバナンス・リスク管理の枠組みにおいて、当社の企業価値や業績への影響をもたらすサステナビリティ項目のうち、長期の企業価値の向上に向けて重要であるものは、当社の人的資本に関するものと判断いたしました。したがって、「戦略」および「指標及び目標」については人的資本に関するものを記載いたします。
人的資本経営の実践に関するサービスを主な事業領域としている当社にとって人的資本の充実は、重要な経営課題です。クライアントファーストを標榜し、ビジネスコーチングの提供によって人的資本経営をリードする会社として、クライアント企業にとって、「なくてはならない」存在でありたいと考えております。したがって、当社ではサステナビリティの実践に向けて、特に組織・人材戦略を中心に据え、その重要テーマとして「人材力」と「組織力」を置き、その向上を図っております。
① 人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備位に関する方針
当社グループにおいては、フロント活動を担うコーポレートコーチ職が、クライアント企業に寄り添い、コーチングを軸とした人材・組織開発サービスの提供を行っております。そして、コーポレートコーチ以外の社員はスタッフ職として、コーポレートコーチを支える業務を担っております。当社の社員一人ひとりの多様な個性を引き出すための人材戦略の特徴は2点あります。採用について、中途採用のみを対象に職種別・即戦力採用を行っていること、また、人事制度について、個々人の職務評価をベースとしたジョブ型人事制度を導入していることの2点であります。このことから、全社員一律の育成プロセスを施すことが効果ではなく、一人ひとりの多様性を活かした取り組みが不可欠となります。上記戦略を実行するための具体的な施策は下記の通りです。
ⅰ.当社グループ社員の人材力の強化
当社グループでは、「人材力」と「組織力」の両方を高めるために、多様性確保を含む人材の採用と育成は、非常に重要な事項であると考えております。採用・育成に関する具体的な取り組み内容は、下記の通りです。
<採用>
「人材力」と「組織力」の向上に向けて、採用は非常に重要です。当社グループは、新卒採用は行っておらず、全員が中途採用であることから、採用プロセスにおいて、データ活用を行い当社におけるハイパフォーマンス人材とのマッチングを行うとともに、複数回の選考プロセスを設けることで、ポテンシャルが高く志向性や価値観も当社の考えとフィットしている候補者を採用することができています。
(具体的施策)
・リファラル採用の推進
・多様な採用ルートの確保
・データを基にしたハイパフォーマンスモデルの構築による人材像の明確化
<育成>
事業戦略の遂行において、社員一人ひとりに成長が欠かせません。当社グループでは、「一流で一番」をスローガンに独自の育成体制を構築しております。充実した入社時研修により組織文化の浸透を図っています。実務においては、OJTを中心としてコーチングスキルを活用しながら、一人ひとりの個性に合わせた育成を実施しております。また、階層ごとにサクセッションプランや管理職向け施策として外部コーチによるコーチングを活用しています。社内ではメンター1on1制度を活用し、上司・部下の間を越えて、対話の機会を創出することで、コーチング文化の醸成を図っています。さらに、人事評価制度においては毎月の進捗面談を必須とし、目標設定と行動計画とそれに対するフォローを丁寧に行うことで、一人ひとりの成長の促進を図っております。
(具体的施策)
・次期経営者育成にむけたサクセッションプラン
・管理職力強化のための外部コーチによるコーチング
・メンター1on1制度
・人事評価制度による毎月の進捗面談
ⅱ.社内環境整備による組織力の強化
<エンゲージメント>
事業を効率的に行っていくためには、上記施策で強化された一人ひとりの社員が最大のパフォーマンスを発揮するとともに、社内でのコミュニケーションを積極的に図り「個」の力を「組織力」へ昇華することが欠かせません。当社グループは、健全で効率的な職場環境の整備を目指し、社員一人ひとりが、当社で働くことで物心ともに豊かになるために、数多くの施策を実施し、エンゲージメントの向上を図っています。
(具体的施策)
・定期的な社内報の発行
・衛生委員会主催による各種イベントの開催
・定期的なエンゲージメントサーベイの実施
・Welcome Your Voice制度(匿名の目安箱)による全社改善運動
② 指標及び目標
上記方針の下、当社は以下の数値を重要な指標と考えております。その実績及び目標は以下の通りで
あります。
(注)1.当社グループの人事評価制度で定義された独自のポイント。①革新性、②専門性、③裁量性、④外部対人関係、⑤内部対人関係、⑥問題解決困難度、⑦経営への影響度という7つの評価項目と5段階のスケール及びそれに対する職務割合から構成され、絶対評価で評価が行われ、一人当たりの最大ポイントは100となります。この職務ポイント合計は社員一人ひとりの「個」の能力を数値化したものの総和であり、<採用>で優秀で能力の高い社員を採用し、<育成>により「個」の能力を高め、<エンゲージメント>により社員の定着状況を測定する指標となります。したがって、この指標により<採用>、<育成>、<エンゲージメント>施策が機能しているかどうかを客観的に測定することができると考えております。
なお、2023年9月期末の職務ポイントの合計は2,456ptであり、2024年9月期の上記施策により、83pt(3.4%)増加しました。内訳としては<採用>で375pt、<育成>で73ptそれぞれ増加し、<退職>にて365pt減少いたしました。今後は、<採用><育成>により、社員の能力を高めるとともに、組織風土をより良くすることで<退職>を抑制することを目指してまいります。
2.株式会社アトラエが提供するエンゲージメントサーベイ「Wevox」の総合スコア(2024年9月実施)
当社グループの事業とその他に関するリスクについて、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、必ずしも、そのようなリスク要因に該当しない事項につきましても、投資者の判断上、重要であると考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。
当社グループは、これらのリスク発生の可能性を十分に認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針ではありますが、当社株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項以外の記載事項を慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。
(1)景気変動リスクについて
当社グループがビジネスコーチングサービスを提供する主要顧客は、従業員5千人以上の企業グループに属する企業であり、かつ国内外に事業を展開する企業が多数あります。国内外の景気動向により、これら主要顧客の経営状態や業績により人材開発投資を抑制した場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2)特定サービスへの依存について
当社グループのビジネスコーチングサービスの主要サービスであるビジネスコーチングプログラムは、顧客企業において1on1ミーティングでコーチングスキルを活用して「生産性向上に貢献する上司と部下の意味ある会話」を実現し、組織の生産性向上に貢献しております。ビジネスコーチングプログラムに対する当社への問い合わせ件数は年々増加しており、今後においても引き続き増加していくものと考えております。
しかしながら、顧客企業における1on1ミーティングのスキルやノウハウの蓄積により、顧客企業内で1on1導入・運用業務の内製化が進み、ビジネスコーチングプログラムに対する需要が期待通り伸長しない場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3)競合について
当社グループが展開するビジネスコーチングサービスについては、現時点では顧客企業の意向に沿って組織化された多人数のコーチチームを必要とする大企業向けサービスを提供できる企業が限定されており、創業以来、ビジネスコーチングを専門的に行ってきた当社グループでは、他社に先行してビジネスコーチング事業を展開できていると認識しております。
しかしながら、大手コンサルティング企業や海外のコーチング関連ビジネス企業が日本市場に参入してきた場合は、競合他社との競争激化により、価格の下落、又は価格競争以外の要因でも案件獲得を失うおそれがあり、当社の事業展開及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4)品質リスクについて
当社グループは、顧客の人材開発を支援するビジネスコーチングサービスを展開し、顧客の組織および従業員の生産性向上を支援するサービスを提供しております。当社グループは、提供サービスの品質の向上・維持のため、顧客満足度調査の実施や定期的な顧客ヒアリングの実施にくわえ、外注委託先に対する品質管理などの対策をとっております。
しかしながら、顧客が期待する品質のサービスが提供できない場合には、契約の継続性に支障を来し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(5)外注委託先のリスクについて
当社グループでは、当社が開催するスクール等を通じて当社のビジネスコーチング及び人事コンサルティングの知識・ノウハウを獲得した委託先を活用して人材開発事業の拡大を図っております。
① 品質管理について
当社グループでは、外部委託先に対してビジネスコーチングサービス及び人事制度コンサルティングサービスの品質水準及び管理体制に関して定期的な審査を実施し、必要に応じて改善指導を行うなど外部委託先が実施するサービスの品質管理に努めております。
しかしながら、委託先において急病、事故、事件、天災被害等により、契約したサービスが提供できない事態が発生した場合には、ビジネスコーチングサービス及び人事コンサルティングサービスの品質保持のためのコスト増、顧客からの損害賠償等が発生し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
② 委託業務について
当社グループと外部委託先との契約の多くは業務委託契約の下で行われております。委託先の殆どはコーチング事業を営む中小企業又は個人事業主であり、下請代金支払遅延等防止法の適用対象となっております。当社グループは、業務委託契約書や注文書等において下請代金支払遅延等防止法が求める必要事項の記載や支払条件に関して、契約書及び注文書の雛型でカバーしており、運用においても注意を払っています。当社グループの支払条件は、サービス提供月末締翌月末払いが標準であり、外部委託先に対して注文書発行により業務範囲を明確にし、事後的な金額変更も行わないように発注担当者を指導しております。しかしながら、サービス内容が日々進化して、外部委託先の役割も変わっていく中で、既存の書類では適切な対応が出来ず、あるいは認識の齟齬が生まれて下請代金支払遅延等防止法違反となる可能性があります。
③ 委託先の情報管理体制について
当社グループが委託する業務は人材開発事業の特性から顧客の個人情報を扱う頻度が高いため、個人情報保護規程を制定し、個人情報を委託する場合は十分な個人情報保護の体制が確立していることを個人情報委託先選定確認書の提出を求めることで確認しております。このような取組みにも関わらず、委託先において予想外の事態が発生して情報漏えい問題等が発生した場合には、当社グループの信用を失い、事業展開及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 外部委託先の確保について
1対1型サービス及び1対n型サービスのうち、サービス企画・設計やHRテックサービス以外の、コーチの稼働を必要とする部分は、その殆どが委託先への委託によるサービス提供となっています。社内コーチや社内コンサルタントは、当社のサービスレベル向上や新サービス開発のために稼働しますが、社内コーチや社内コンサルタントを増加させてもサービス提供の全てを社内で完結させることは目指していません。外部委託先とのパートナー関係を強化、拡大してビジネスコーチングの普及を実現する方針としております。そのため、当社グループが顧客に提供するビジネスコーチングを提供できる外部委託先の確保が必要不可欠となっております。
当社グループは、外部委託を担当する専任者を配置し、定期的に情報共有を行い、必要に応じて改善指導を行うなどにより外部委託先との関係強化に努めております。また、外部委託先の新規開拓も行っており、当社グループが顧客に提供するビジネスコーチングを提供できる外部委託先の安定的な確保に努めております。
このような取組みにも関わらず、外部委託先の確保ができない場合には、当社グループの事業展開及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 外部委託先の不祥事、風評等について
当社グループ外部委託先で実際にサービス提供を行うコーチが、事故、事件、不祥事等を起こした場合は、サービス提供の停止等の対応が必要となるため、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループの対応等にも関わらず、報道やインターネットによる情報拡散で社会全般に広まった場合は、当社グループの社会的信用が損なわれ、事業運営や業績に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 売上高の計上時期が業績に与える影響について
ビジネスコーチングサービスについては、取引先の都合や、受注後の仕様変更等によりサービスの提供時期及び検収時期が変更となる場合があるため、売上高について当事業年度の予定から翌事業年度に計上される可能性があります。また、同一取引先に対して複数の案件が存在するためサービスの内容、金額及び提供時期が異なるため、それぞれの履行義務の充足に応じて収益を認識する必要があります。
そのため、売上高の計上について当事業年度の予定から翌事業年度に計上される場合等があり、これによって事業年度における当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(7)特定人物への依存について
当社代表取締役社長である細川馨は、当社設立以来の代表者であり、人材開発事業に関する経験と知識を有しており、経営方針や事業戦略の決定等、当社の事業活動全般において極めて重要な役割を果たしております。
また、当社取締役副社長である橋場剛及び専務取締役である山本佳孝は、それぞれコーチとして、知識とスキルを維持・開発・指導する中核的な役割を担っています。
当社グループは現在、取締役会等において情報の共有を図るとともに、後継人材の採用と育成、並びに知識とスキルのデータ化を推進しており、3名の特定人物に過度に依存しない組織体制の構築を進めております。
しかしながら、何らかの理由により3名の特定人物の業務遂行が困難になった場合には、当社グループの事業展開及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(8)小規模組織であることについて
当社グループは組織的規模が小さく、内部管理体制や業務執行体制も当該組織規模に応じたものとなっております。したがって、当社グループの役員や重要な業務を担当する従業員が退職等で流出した場合は、当社グループの事業活動に支障を来し、業績に影響を及ぼす可能性があります。
(9)人材の採用・確保及び育成について
当社グループは、ビジネスコーチングを提供できる人材の採用・確保及び育成が、今後の事業展開のために重要であると考えております。
自社主催スクールや独自の社員採用プログラムの運営により、このような人材の採用・確保を行い、育成を図っております。また、コーチングスキルを社内に適用したコミュニケーションの改善、福利厚生の充実、業務環境の改善等により離職率の低減を図っております。
しかしながら、当社グループが必要とする、ビジネスコーチングを提供できる人材の採用・確保及び育成が計画通りに進まない場合や、人材の社外流出が生じた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(10)自然災害、事故、感染症等について
当社グループの事業拠点は、本社所在地である東京都港区にあり、当該地区において大地震、台風等の自然災害及び事故、火災等により、業務の停止、設備の損壊や電力供給の制限等の不測の事態が発生した場合、当社グループの事業展開及び業績に影響を及ぼす可能性があります。また、オンラインによるサービス提供を標準としており、インターネット回線や当社が利用するWEB会議システムのサービス業者に不測の事態が発生した場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
なお、当社グループは、2020年4月からサービス提供のオンライン化を進め、現在は全てのサービスをオンライン提供しています。そのため、新型コロナウイルス及びインフルエンザ等感染症の影響で接触回避等を理由としたビジネスコーチングの需要の落ち込みが発生する可能性は低いと考えております。
(11)コンプライアンスリスクについて
当社グループの役員及び従業員に対し、行動規範を定める等、取締役及び従業員に対して法令遵守意識を浸透させております。
しかしながら、万が一、当社グループの役員及び従業員がコンプライアンスに違反する行為を行った場合には、当社グループの社会的信用及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(12)訴訟等のリスクについて
当社グループは、顧客や外部委託先と契約を締結する際に、損害賠償の範囲を限定するなど、過大な損害賠償の請求をされないようリスク管理を行っております。
しかしながら、契約時に想定していないトラブルの発生、取引先等との何らかの問題が生じた場合などにより、他社から損害賠償請求等の訴訟を提起された場合には、当社グループの社会的信用並びに業績に影響を及ぼす可能性があります。
(13)知的財産について
当社グループが事業活動を行うに当たり、第三者が保有する知的財産権を侵害しないよう細心の注意を払っており、著作権保護に関するe-ラーニングを全社員が受講する等の対策をしていますが、万が一、第三者の知的財産権を侵害し、当該第三者より損害賠償請求、使用差止請求等がなされた場合には、当社グループの事業展開及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループはビジネスコーチングにおいてクラウドサービスの提供も行っており、これらのうちには商標権、著作権等の知的財産権による保護の対象も含まれます。
しかしながら、これらに対する知的財産権が適切に保護されないときは、当社グループの事業展開及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(14)情報の管理について
① 機密情報の管理について
当社グループのエグゼクティブコーチングサービスでは、顧客エグゼクティブ層の個人目標または組織目標達成のためのコーチングを実施しており、機密性の高い情報を取り扱っております。このため当社グループでは、役員及び従業員に対して、入社時及び定期的に機密情報の取扱いについて指導・教育を行っております。また、情報を保管するファイルサーバでは情報を外部と共有が出来ないように制限しており、社内においても業務上必要最低限の関係者にのみ共有する運用を行っております。
しかしながら、不測の事態により、これらの情報が外部に漏洩した場合には、当社グループの社会的信用に重大な影響を与え、対応費用を含め当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
② 個人情報の管理について
当社グループの人材開発サービスの提供において個人情報を取り扱うことがあります。このため当社グループでは、プライバシーマーク認証を取得し、役員及び従業員に対して、入社時及び全従業員を対象に年1回、個人情報の管理について指導・教育を行っております。
しかしながら、不測の事態により、これらの情報が外部に漏洩した場合には、当社グループの社会的信用に重大な影響を与え、対応費用を含め当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(15)風評リスクについて
当社グループは、高品質のサービスの提供に努めるとともに、役員及び従業員に対する法令遵守浸透、情報管理やコンプライアンスに関し、定期的に説明会を開催するなど、意識の徹底を行い、経営の健全性、効率性及び透明性の確保を図っております。
しかしながら、当社グループのサービスや役員及び従業員に対して意図的に根拠のない噂や悪意を持った評判等を流布された場合には、当社グループの社会的信用及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(16)新株予約権行使による株式価値の希薄化について
当社は、当社の取締役及び従業員に対するインセンティブを目的とした新株予約権を発行しております。本書提出日現在における新株予約権による潜在株式は31,100株であり、発行済株式総数1,104,900株の2.8%に相当します。これら新株予約権が行使された場合、新株式が発行され、株式価値が希薄化する可能性があります。
(17)大株主について
本書提出日現在で当社代表取締役社長細川馨は直接所有分2.72%であり、細川馨の資産管理会社である有限会社コーチ・エフが保有する当社議決権の36.40%と合算した議決権保有割合は39.12%であります。
細川馨及び当該資産管理会社は引続き当社の株式を一定程度保有する見通しでありますが、議決権の行使に当たっては、株主共同利益を追求するとともに少数株主の利益にも配慮する方針であります。
しかしながら、何らかの事情によって、細川馨及び当該資産管理会社が、当社株式をやむを得ず売却することとなった場合は、当社グループの事業展開、当社株式の市場価格及び議決権行使の状況等に影響を及ぼす可能性があります。
(18)M&A(企業合併、企業買収、企業間の資本提携等)について
2023年10月に連結子会社化した株式会社購買Design(現・KDテクノロジーズ株式会社)は、今後当社グループの業績大きく貢献するものと見込んでおります。しかしながら、事業環境の変化等により業績が当初の想定を下回る場合、のれんの減損処理等が発生し、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(19)システム開発について
近年、顧客からの開発期間や機能に対する要請は、高度化・複雑化しております。当社グループは、品質・コスト・進捗などに対するプロジェクト管理体制を整備・強化することにより対応しておりますが、契約の遂行を図るためには、当初想定した以上の開発工数の増加及び機能改善などにより、当初見積ったコストを上回り採算が悪化することがあります。また、納入及び売上の確定後における瑕疵補修などによって追加費用が発生し、最終的に不採算となり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、当連結会計年度より連結財務諸表を作成しているため、前連結会計年度との比較・分析の記載はしておりません。
当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は、779,141千円となりました。主な内容は、現金及び預金が441,857千円、売掛金及び契約資産が284,644千円、未収還付法人税等が10,497千円であります。
また、固定資産は、596,376千円となりました。主な内容は、有形固定資産が28,650千円、ソフトウエアが55,328千円、のれんが78,873千円、顧客関連資産が252,000千円、敷金が46,955千円、保険積立金が77,902千円であります。繰延資産は、148千円であります。
この結果、総資産は1,375,666千円となりました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は、346,980千円となりました。主な内容は、買掛金が123,276千円、1年内返済予定の長期借入金が24,682千円、未払金が22,670千円、未払法人税等が35,781千円、契約負債が86,377千円、賞与引当金が10,974千円であります。
また、固定負債は、193,143千円となりました。主な内容は、役員退職慰労引当金が91,116千円、繰延税金負債が96,183千円であります。
この結果、負債合計は540,123千円となりました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は、835,543千円となりました。その内容は、資本金が208,205千円、資本剰余金が165,805千円、利益剰余金が313,552千円、非支配株主持分が148,052千円であります。
当社グループの報告セグメントは、従来「人材開発事業」のみの単一セグメントでありましたが、当連結会計年度より、KDテクノロジーズ株式会社の50.2%の株式を取得し、新たに連結の範囲に含めたことに伴い、単一セグメントから、人材開発事業及びSXi(サステナビリティ・トランスフォーメーション)事業の2区分に変更しました。セグメント別の業績は次の通りであります。
a. 人材開発事業
人材開発事業では、アカウントマネジメントを強化するために、コーポレートコーチ職の採用と育成を進め、大型契約に繋げる取り組みと、エグゼクティブコーチ本部新設によるエグゼクティブコーチングサービスの高度化を進めてまいりました。特に、1対1型サービスについては、企業の「個」を重視した育成施策拡大による追い風を受け、新規大型案件の獲得に成功し、当連結会計年度の売上高は424,843千円(前年同期比7.3%増)となりました。なお、日本を代表するプライム上場企業より複数年にわたる大型契約を受注するなど1対1型サービス利用増加の流れは、来期以降も継続する見込みであります。1対n型サービスについては、顧客の固有の人材及び組織課題に解決するためのカスタマイズプログラムの需要が高まったことに加え、昨年度から取り組みを進めていた動画関連の新サービス販売等も進捗し、当連結会計年度の売上高は700,365千円(前年同期比9.5%増)となりました。その他サービスについては、顧客の人材及び組織課題の把握ニーズが高まり、組織アセスメントツールの売上が増加したことにより、当連結会計年度の売上高は165,250千円(前年同期比37.1%増)となりました。この結果、当連結会計年度の人材開発事業における売上高は1,290,460千円(前年同期比11.6%増)、セグメント利益は214,568千円となりました。
当社の法人取引における顧客数は、既存のクライアント企業へのアカウントマネジメント推進による大型化に注力したことにより、前年同期比約4%減の317社となり通期目標の380社には届きませんでした。しかしながら、一社当たり平均売上高は、コーポレートコーチによる顧客課題に対する深掘りした提案活動が奏功し、大型案件の獲得に繋がり、前年同期比約16%増の3.9百万円となり、通期目標である3.8百万円を達成いたしました。サービス提供を支える契約パートナーコーチ数は、積極的な採用活動を行った結果、前年同期比約11%増の189名となりました。
b. SXi(サステナビリティ・トランスフォーメーション)事業
SXi事業においては、購買活動の行動変容を通じてコストダウンに寄与するコスト削減コンサルティングサービスと、顧客のDX化推進を後押しするコンサルティング業務や開発業務を中心としたITサービスを展開しております。当連結会計年度において、コスト削減コンサルティング事業において、インフレが加速した影響により、大型固定報酬型プロジェクトへ人員シフトを行ったため、成功報酬型案件のクロージングが長期化したことにより期初計画を下回りましたが、ITサービス事業においても、引き続きクライアント企業のDX推進ニーズが高く、計画通りに進捗しました。この結果、当連結会計年度のSXi事業における売上高は344,264千円、顧客関連資産及びのれんの償却費、並びに、子会社株式取得費用等を合計で65,774千円負担した結果、セグメント利益は△43,212千円となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)は402,015千円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度は、136,928千円の資金収入となりました。その主な要因は、資金収入として税金等調整前当期純利益79,043千円、減価償却費27,270千円、のれん償却額19,718千円、顧客関連資産償却額36,000千円、役員退職慰労引当金の増加額10,779千円、仕入債務の増加額87,682千円、法人税の還付額15,871千円等があったことに対し、資金支出として売上債権の増加額99,737千円、法人税等の支払額49,870千円があったこと等であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度は、132,937千円の資金支出となりました。その主な要因は、無形固定資産の取得による支出が9,890千円、保険積立金の積立による支出57,429千円、連結範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出89,590千円があったこと等であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度は、123,243千円の資金支出となりました。 その主な要因は、長期借入金の返済による支出50,184千円、社債の償還による支出15,000千円、配当金の支払額54,995千円があったこと等であります。
④ 生産、受注及び販売の実績
生産実績、受注実績、販売実績に関する情報は、次のとおりであります。
a. 生産実績
(注) 1.金額は、製造原価によっております。
b. 受注実績
c. 販売実績
(注)主要な販売先については、総販売実績に対する割合が100分の10以上の相手先が無いため記載を省略してします。
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績等の状況に関する分析・検討内容
当社の当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりであります。
(資産)
総資産1,375,666千円のうち、現預金が441,857千円と32.1%を占めております。売掛金及び契約資産は284,644千円で総資産の20.6%となっており高い流動性を確保しております。
(負債)
負債のうち、社債5,000千円及び長期借入金(1年内返済予定の借入金を含む)30,525千円の合計35,525千円の有利子負債があり、負債・純資産合計額の2.6%をしめております。
また、契約負債は86,377千円と負債・純資産合計額の6.3%となっております。
(純資産)
純資産835,543千円のうち、資本金が208,205千円、資本準備金が165,805千円となり合計で、純資産の44.8%をしめております。また、親会社株主に帰属する当期純利益の計上による増加と配当金の支払いによる減少により利益剰余金が313,552千円と純資産の37.5%をしめております。
(売上高)
売上高は1,601,091千円となりました。KDテクノロジーズ株式会社の子会社化により売上高が増加したことと、クライアント企業において人的資本投資に関する関心が高まり、「個」の成長による生産性の向上や従業員等のエンゲージメントを高める方法としてコーチングの効果の認識が広まってきたことによるものです。
(売上原価及び売上総利益)
売上原価は、628,055千円となりました。ビジネスリーダー・ビジネスパーソンコーチングの売上構成比が高まりパートナーコーチへの支払が増加したこと、人材開発サービス以外のサービスも含めた包括的なプロジェクトの受注があり、外部コンサルタントの活用で原価率が高騰した案件があったこと等から売上原価率が悪化し、売上総利益も973,035千円となりました。
(販売費及び一般管理費並びに営業利益)
販売費及び一般管理費は893,146千円となりました。これは、子会社株式取得に伴う取得費用並びにのれんや顧客関連資産の償却に伴う償却費を計上したこと等によるものです。この結果、営業利益は79,888千円となりました。
(営業外収益、営業外費用及び経常利益)
営業外収益は、4,472千円となりました。営業外費用は5,318千円となりました。この結果、経常利益は79,043千円となりました。
(法人税等合計及び当期純利益)
法人税等合計は、28,067千円となりました。この結果、当期純利益は50,976千円、親会社株主に帰属する当期純利益は54,158千円となりました。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因として、人的資本投資の開示義務化により顧客の人材開発投資のニーズに変化が生じていること、及びこれによる市場拡大期待によりコーチング市場に参入する企業が増加していることがあります。
顧客においては、従来のインプット中心の階層別研修だけでは人的資本投資として不十分という認識が出てきており、組織における個人のパフォーマンスを極大化するための人的投資としてコーチングが選択肢として検討される機会が増加してまいりました。
一方で、このような市場環境によりコーチング事業に参入を表明する企業も出てきており、様々な特徴を持ったコーチングサービス提供企業の増加で、今後の競争激化が懸念されております。また、AIサービスをコーチングに活用する動きも具体化しており、コーチングサービスの対象者やコーチングの手段等の多様化が進み、市場がダイナミックに変動する可能性が考えられます。
当社は、このような状況において、ビジネスコーチングというビジネス分野に特化したコーチングサービスを、経験豊富なエグゼクティブコーチにより大企業の経営層を中心に提供することで他社との差別化を図ってまいります。
また、動画と研修を組み合わせて人材開発課題に対して深い理解を実現するサービスを提供し、研修後のフォローアップとしてオンラインコーチングによる現場での実践を支援するサービスを準備することで、包括的かつ効果的な人的資本投資のプログラムを提供してまいります。
このような市場セグメンテーションとサービス開発施策の成否が、今後の事業成長の重要なポイントになると考えております。
② キャッシュ・フローの状況の分析
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、「(1)経営成績等の状況の概要③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりでありますが、ビジネスモデルの特性により利益額と営業キャッシュ・フローが比例的に増減するため営業キャッシュ・フローが増加しましたが、投資キャッシュ・フローは、子会社株式取得および保険積立金の積立による支出が大きくなりました。また、社債償還、借入金返済資金及び配当金の支払いにより財務キャッシュ・フローは減少し、現金及び預金は減少しましたが、現金及び現金同等物の期末残高は、402,015千円有しており、安定的であると考えております。
③ 当社グループの資本の財源及び資金の流動性
当社グループの資金需要は、運転資金、納税資金等であり、資本の源泉は営業キャッシュ・フロー、金融機関からの借入等であります。
なお、子会社取得資金は手持資金で対応いたしました。
また、当連結会計年度末の現金及び預金は、441,857千円あり、十分な短期流動性を確保していると考えております。
④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。その作成には経営者により会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積を必要とします。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性が存在するため、これらの見積りとは異なる場合があります。なお、連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
⑤ 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標等」記載の通り、当社グループは取引先1社当たり売上高を重要指標としております。当連結会計年度においては、コーポレートコーチによる顧客課題に対する深掘りした提案活動により大型案件の獲得出来た結果、一社当たり平均売上高が、3.9百万円(前年同期比16ポイント増)となり、通期目標達成に繋がりました。
(会社分割による持株会社体制への移行)
当社は2024年11月8日開催の取締役会において下記のとおり、2025年1月6日を効力発生日(予定)とする新設分割による持株会社体制への移行、並びに当社が運営する人材開発事業に関する権利義務を新たに設立するコーポレートコーチ株式会社・エグゼクティブコーチ株式会社・B-Connect株式会社に承継させることを決議いたしました。
詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」に記載のとおりです。
該当事項はありません。