第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針

 当社グループは、「一人ひとりの多様な魅力、想い、能力の発揮を支援し、働く人が幸せを感じられる社会の持続的発展を可能にする」というパーパスのもと、グループ戦略を再定義し、成長ドメインを明確化いたしました。この戦略の下で事業ポートフォリオを再検討した結果、当社グループのコア領域は人材開発事業にあると位置付け、同領域へ経営資源を集中させることが中長期的な企業価値向上に資すると判断いたしました。これに伴い、2023年10月に株式を取得し連結子会社としていたKDテクノロジーズ株式会社(旧:株式会社購買Design)については、2025年9月末をもって当該株式を譲渡いたしました。これにより、当社グループは、人的資本経営支援を中核とする事業領域への一層の選択と集中を進め、グループ全体の収益性及び成長基盤の強化を図っております。

 さらに、2025年11月には、株式会社日本経済新聞社との間で資本業務提携を行いました。同提携を通じて、同社が有するブランド力・情報発信力・顧客基盤と、当社の「人的資本経営のプロデューサー」としての実行支援力を掛け合わせ、人的資本経営の社会的浸透と“実行人財”創出の加速を図って参ります。

 これらの施策により、当社グループは、分社化による経営基盤の強化と事業ポートフォリオの再構築を進めるとともに、人的資本経営分野におけるリーディングカンパニーとして、持続的な成長と企業価値の最大化を目指して参ります。

 

(2)経営環境及び経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループの主要顧客であるプライム上場企業においては、「持続的な企業価値の向上と人的資本に関する研究会報告書~人材版伊藤レポート~」(経済産業省)にあるとおり、企業における人的資本への投資状況の開示が望まれる状況となっており、実効性のある人材開発投資が求められる状況になっています。

 そのような環境において、当社グループは「人的資本経営のプロデューサー」構想を実現し、クライアント企業のあらゆる課題解決に対応するために、人的資本経営に関連する様々な課題に対してワンストップで解決することを目指しております。そのために、クライアント企業に伴走し課題を深掘りし、ソリューションの幅を広げ、課題解決に貢献することが重要であると考えております。そのための指標として、取引先1社当たり売上高を重要指標として活用することで、健全な収益力の向上と経営基盤の強化を進めて参ります。

 

(3)経営戦略等

 当社グループは、コーチングを中核とした「人的資本経営の実装支援」を軸に、企業の持続的成長を支える総合的な人材開発・組織開発サービスの提供により成長を実現してまいりました。

 従来の研修・コーチング支援にとどまらず、人的資本の可視化、行動データの活用、HRテックによる実行支援など、環境変化の激しい経営課題に対し、“実行”に結び付く統合型サービスモデルの高度化とワンストップ体制の強化を推進しております。

 2025年11月の株式会社日本経済新聞社との資本業務提携により、同社が有するブランド力・情報発信力・顧客基盤と当社の実行支援力を掛け合わせ、人的資本経営の社会実装と“実行人財”創出を加速してまいります。

 今後も、グループ経営基盤の強化を進め、成長分野への選択と集中を徹底しながら、人的資本経営支援分野におけるリーディングカンパニーとして、企業価値の最大化と持続的成長の実現を目指してまいります。

 

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当社グループは、「人的資本経営のプロデューサー」としてクライアント企業の企業価値向上支援を行うことをミッションに、将来にわたってグループの成長を継続させ企業価値の向上を実現するために、以下の課題に積極的に対処して参ります。

 

①クライアントの人的資本経営を総合的にサポートする事業体制の強化

 当社グループは、「人的資本経営のプロデューサー」として、クライアントの人材価値を最大限に引き出す支援を中核事業と位置づけております。クライアント企業における人的資本経営の実践を支援し、“実行人財”の創出を促進するため、主力のコーチングをはじめとする各種サービスを統合的に提供できる体制の強化を進めております。具体的には、1対1コーチングサービスや1対nコーチングサービスに加え、人材育成・評価・採用など人事全般にわたるソリューションを拡充し、クライアントの人事・組織課題に応じた最適な支援をワンストップで提供できる体制の構築を進めております。

 さらに、2025年11月に発表した株式会社日本経済新聞社との資本業務提携を通じて、同社が有するブランド力・情報発信力・顧客基盤と当社の実行支援力を掛け合わせることで、人的資本経営の社会的浸透と“実行人財”創出の加速を図って参ります。今後は、データ活用やHRテック企業との連携を一層推進し、人材戦略の可視化と実行支援の高度化を進めることで、クライアントの持続的な企業価値向上に貢献して参ります。

 当社グループは、「実行人財の創出」を使命とし、クライアントの経営戦略と人材戦略の一体的な実行を支援することで、日本企業の人的資本経営を牽引するリーディングカンパニーとしての地位を確立して参ります。

 

②サービス提供力の増強とオペレーション体制の強化

 当社の成長を支える基盤であるコーチングサービスの提供力については、量的拡充と質的向上の双方が重要な課題であります。当事業年度においては、パートナーコーチの増員を進め、259名と契約する体制を整備いたしました。今後も、質の高いコーチ人材の確保・育成を継続的に推進するとともに、案件管理やスケジュール最適化を含むオペレーション体制の高度化を図り、サービス品質と提供効率の両立を実現して参ります。これにより、顧客満足度のさらなる向上と持続的な収益基盤の拡充を目指して参ります。 

 

③コーポレートガバナンスの強化

 当社グループは、永続的な企業価値の向上を実現するため、経営の透明性・効率性・健全性を確保しつつ、経営責任の明確化に取り組んでおります。2025年1月には、新設分割により3社の子会社を設立し、各社がそれぞれの専門分野において事業を展開しております。新しいサービス分野の拡大に伴い、事業領域が広がる中で、グループ全体の経営管理体制をより効率的かつ機動的に運営し、法令遵守及び内部統制の強化を図ることが重要な課題であると認識しております。今後は、拡大する事業規模に対応したガバナンス体制の高度化を進めるとともに、法令及び社内規程に基づく適正な業務執行の定着を推進して参ります。

 また、内部監査の実効性を一層高めることで、業務運営の適正化及び財産の保全を確保し、グループ全体の経営効率向上と持続的な成長を目指して参ります。

 

④M&Aの推進及びグループ企業間のシナジーの最大化

 当社グループは、クライアント企業の多様な人事・組織課題に対して、ワンストップで支援する体制の構築を目指しております。その実現に向け、事業領域の拡大及び新規分野への参入を目的として、戦略的なM&Aを積極的に推進し、グループ全体の成長基盤を強化して参ります。

 また、グループ各社の経営資源を相互に活用し、営業・人材・ノウハウ・システムなどの連携を深化させることで、グループシナジーの最大化を図ります。さらに、管理部門の共通化や経営管理の一体運営を進め、効率的かつ統制の取れたグループ経営体制を確立し、企業価値の一層の向上に努めて参ります。

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営環境

 多くの社会課題の顕在化やステークホルダーの価値観の変化に伴い、ESG(環境・社会・ガバナンス)を重視した経営や経済価値と社会の双方を創出するサステナビリティ経営がより一層求められています。当社も、持続的な社会への貢献について、責任をもって取り組んでいくべきであると考えています。

 

(2)サステナビリティに関する考え方

 当社グループにとってのサステナビリティとは、ビジネスを通して社会課題の解決に貢献することであり、当社の持続的な成長が、社会の持続的な発展に貢献できるような社会を目指すことです。その実現に向けて、顧客、取引先、従業員、株主はもちろん、環境や社会とのエンゲージメントも非常に重要であると考え、2005年の創業以来、あらゆるステークホルダーとのエンゲージメントを大切に、サステナビリティを重視した経営を実践しております。

 

(3)ガバナンス及びリスク管理

当社グループは、サステナビリティ関連を含む経営上の重要なリスクにつき、常勤取締役1名と各子会社の代表メンバーで構成されたリスク・コンプライアンス委員会を中心に運用しております。常勤監査役・内部監査担当もオブザーバーとして出席の上、定期(半年に1回)及び必要に応じて臨時に開催し、全社リスクマネジメント体制においてサステナビリティに関するリスクを管理の上、シナリオ分析を実施し、リスク管理及び対応策検討を実施しております。また定期開催の委員会の内容については、取締役会に年2回報告・協議されています。

 

(4)戦略並びに指標及び目標

 上述の当社のサステナビリティに関するガバナンス・リスク管理の枠組みにおいて、当社の企業価値や業績への影響をもたらすサステナビリティ項目のうち、長期の企業価値の向上に向けて重要であるものは、当社の人的資本に関するものと判断いたしました。したがって、「戦略」及び「指標及び目標」については人的資本に関するものを記載いたします。

 人的資本経営の実践に関するサービスを主な事業領域としている当社にとって人的資本の充実は、重要な経営課題です。クライアントファーストを標榜し、ビジネスコーチングの提供によって人的資本経営をリードする会社として、クライアント企業にとって、「なくてはならない」存在でありたいと考えております。したがって、当社ではサステナビリティの実践に向けて、特に組織・人材戦略を中心に据え、その重要テーマとして「人材力」と「組織力」を置き、その向上を図っております。

 

(5)人的資本に関する戦略並びに指標及び目標

① 人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備位に関する方針

 当社グループの社員一人ひとりの多様な個性を引き出すための人材戦略の特徴は2点あります。採用について、中途採用のみを対象に職種別・即戦力採用を行っていること、また、人事制度については、個々人の職務評価をベースとしたジョブ型人事制度を導入していることの2点であります。このことから、全社員一律の育成プロセスを施すことが効果的ではなく、一人ひとりの多様性を活かした取り組みが不可欠となります。上記戦略を実行するための具体的な施策は下記のとおりです。

ⅰ.当社グループ社員の人材力の強化

 当社グループでは、「人材力」と「組織力」の両方を高めるために、多様性確保を含む人材の採用と育成は、非常に重要な事項であると考えております。採用・育成に関する具体的な取り組み内容は、下記のとおりです。

<採用>

 「人材力」と「組織力」の向上に向けて、採用は非常に重要です。当社グループは、新卒採用は行っておらず、全員が中途採用であることから、採用プロセスにおいて、データ活用を行い当社におけるハイパフォーマンス人材とのマッチングを行うとともに、複数回の選考プロセスを設けることで、ポテンシャルが高く志向性や価値観も当社の考えとフィットしている候補者を採用することができています。

(具体的施策)

・リファラル採用の推進

・多様な採用ルートの確保

・データを基にしたハイパフォーマンスモデルの構築による人材像の明確化

<育成>

 事業戦略の遂行において、社員一人ひとりの成長が欠かせません。当社グループでは、「一流で一番」をスローガンに独自の育成体制を構築しております。充実した入社時研修により組織文化の浸透を図っています。実務においては、OJTを中心としてコーチングスキルを活用しながら、一人ひとりの個性に合わせた育成を実施しております。また、階層ごとにサクセッションプランや管理職向け施策として外部コーチによるコーチングを活用しています。社内ではメンター1on1制度を活用し、上司・部下の間を越えて、対話の機会を創出することで、コーチング文化の醸成を図っています。さらに、人事評価制度においては毎月の進捗面談を必須とし、目標設定と行動計画とそれに対するフォローを丁寧に行うことで、一人ひとりの成長の促進を図っております。

     (具体的施策)

・次期経営者育成にむけたサクセッションプラン

・管理職力強化のための外部コーチによるコーチング

・メンター1on1制度

・人事評価制度による毎月の進捗面談

 

 ⅱ.社内環境整備による組織力の強化

<エンゲージメント>

 事業を効率的に行っていくためには、上記施策で強化された一人ひとりの社員が最大のパフォーマンスを発揮するとともに、社内でのコミュニケーションを積極的に図り「個」の力を「組織力」へ昇華することが欠かせません。当社グループは、健全で効率的な職場環境の整備を目指し、社員一人ひとりが、当社で働くことで物心ともに豊かになるために、数多くの施策を実施し、エンゲージメントの向上を図っています。

    (具体的施策)

・定期的な社内報の発行

・衛生委員会主催による各種イベントの開催

・定期的なエンゲージメントサーベイの実施

Welcome Your Voice制度(匿名の目安箱)による全社改善運動

 

 指標及び目標

上記方針の下、当社は以下の数値を重要な指標と考えております。その実績及び目標は以下のとおりであります。

 

実績

(2025年9月期)

目標

2026年9月期

エンゲージメントスコア(注)

78pt

80pt

 

(注)株式会社アトラエが提供するエンゲージメントサーベイ「Wevox」の総合スコア(2025年9月実施)

 

3 【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を及ぼす可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

① 事業環境に係るリスク

(1)景気変動リスク

 当社グループの主要顧客である大手企業における人材開発投資は、景気動向や企業業績に影響を受ける可能性があります。国内外の経済環境に変動が生じ、顧客が投資を抑制した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

<対応策>

 顧客基盤の分散と、HRテックサービスや新規事業による多角化を進め、特定業界・特定サービスへの依存度を低減しております。また、価格設定や提案内容の柔軟化に取り組み、景気変動の影響を受けにくい体制の構築を推進しています。

 

(2)競合環境の変化

 大手企業向けビジネスコーチング領域において一定の先行優位性を有しているものの、同分野への大手コンサルティング企業等の参入が進んだ場合、競争激化により当社事業に影響が生じる可能性があります。

<対応策>

 当社グループは、単なるコーチングサービスの提供にとどまらず、顧客企業の人事・組織課題をワンストップで支援する「人的資本経営のプロデューサー」として事業構造を転換することで、競合との差別化を図っています。

 成果データの活用による人的資本の可視化や、HRテックとの融合による実行支援力の強化を進め、顧客の経営課題解決に直結する価値提供へ進化しています。また、顧客との長期的パートナーシップ構築のためのアカウント戦略にも取り組むことで、競争環境に左右されない競争優位性の確立を推進しています。

 

(3)自然災害、事故、感染症等

 自然災害、事故、火災、社会インフラ障害等の不測の事態により、事業活動に影響を受ける可能性があります。

<対応策>

 サービス提供のオンライン化を標準化し、リモートワーク体制やバックアップ拠点の確保等によるBCP体制を構築しています。また、主要システムについてはクラウド化、データの多重バックアップにより事業継続性の強化を図っています。

 

② 事業戦略に係るリスク

(1)人材確保と組織基盤に関するリスク

 当社グループの成長には「人的資本経営のプロデューサー」として顧客の人事・組織課題を解決し変革を推進できる人材の採用・育成が不可欠です。必要人材の確保が計画どおりに進まない場合や、主要人材の退職が発生した場合には、事業運営に影響が生じる可能性があります。

<対応策>

 自社育成プログラムや研修制度の充実、キャリアパス整備、社内コミュニケーション改善等により、離職防止と人材の継続確保に努めています。また、外部委託やパートナー戦略を組み合わせることで柔軟な人材提供体制を構築しています。

 

(2)M&A等による投資回収リスク

 将来的にM&A等による買収を行った場合、事業環境等の変化により買収先事業の業績が計画を下回ると、のれんの減損損失等により業績へ影響を及ぼす可能性があります。

<対応策>

 買収前のデューデリジェンス強化及び買収後のPMIプロセスを体系化して実行し、事業シナジー創出と収益性改善を継続的にモニタリングしております。

 

(3)システム開発に関するリスク

 クラウドコーチングシステムなどのシステム開発が高度化・複雑化することで、想定以上の工数や追加対応が発生し、採算が悪化する可能性があります。

<対応策>

 プロジェクト管理体制の強化、外部ベンダーとの連携体制最適化、機能開発の優先順位管理等を通じ、品質・納期・採算のバランス管理を徹底しています。

 

③ 事業運営に係るリスク

(1)サービス品質及び外部委託先管理

 外部委託先の対応不備等により、品質低下や追加費用、レピュテーションリスクが発生する可能性があります。

<対応策>

 委託先の定期評価や契約管理、情報共有体制を整備し、品質標準の維持を図っています。また、パートナー開拓と育成により安定的な委託先確保に努めています。

 

(2)情報管理に関するリスク(機密情報・個人情報)

 情報漏えいが発生した場合、信用低下等による重大な影響が生じる可能性があります。

<対応策>

 個人情報保護体制(プライバシーマーク取得)、アクセス制御、情報管理教育の徹底等により、情報管理体制を強化しています。

 

(3)法令遵守・紛争・知的財産等のリスク

 訴訟や知的財産問題が発生した場合、社会的信用及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

<対応策>

 法務体制の強化と契約レビューの徹底によりリスク管理を行っています。また、外部専門家との連携により予防及び迅速な対応体制を整備しています。

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態の状況

(資産)

当連結会計年度末の財政状態といたしましては、流動資産は、前連結会計年度末に比べ19,843千円減少し、759,297千円となりました。主な要因は、現金及び預金が42,025千円増加した一方で、売掛金及び契約資産が63,329千円減少したことによるものであります。

また、固定資産は、前連結会計年度末に比べ352,923千円減少し、243,452千円となりました。主な要因は、投資有価証券が30,000千円増加した一方で、のれんが78,873千円、顧客関連資産が252,000千円、保険積立金が40,222千円がそれぞれ減少したことによるものであります。

この結果、総資産は1,002,750千円となりました。

 

 (負債)

当連結会計年度末における流動負債は、前連結会計年度末に比べ115,358千円減少し、231,621千円となりました。主な要因は、未払金が6,803千円、未払法人税等が5,289千円、賞与引当金が13,725千円それぞれ増加した一方で、買掛金が69,312千円、1年内返済予定の長期借入金が18,839千円、契約負債が59,446千円それぞれ減少したことによるものであります。

また、固定負債は、前連結会計年度末に比べ193,143千円減少し、計上はありませんでした。主な要因は、役員退職慰労引当金が91,116千円、繰延税金負債が96,183千円、長期借入金が5,843千円それぞれ減少したことによるものであります。

この結果、負債合計は231,621千円となりました。

 

 (純資産)

 当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べ64,414千円減少し、771,129千円となりました。主な要因は、資本金が7,794千円、資本剰余金が7,794千円、利益剰余金が68,051千円それぞれ増加した一方で、非支配株主持分が148,052千円減少したことによるものであります。

 

② 経営成績の状況

 当連結会計年度における我が国の経済状況は、雇用や所得環境の改善、インバウンド需要の増加などを背景に緩やかな回復基調で推移しましたが、一方で、物価上昇の継続や物流コスト・人件費の増加、さらに米国の通商政策の動向や国際情勢の不透明感などが景気の下振れ要因となるなど、先行きは依然として不透明な状況が続きました。

 このような状況の中、当社グループは、クライアント企業の企業価値向上及び人的資本投資の開示や実践に向けて、人的資本投資の成果を確実にするために個々人の課題に寄り添った個別支援サービスの需要拡大に応えてまいりました。

 また、クライアント企業における無形資産投資の中核である人的資本投資、DX化投資の両側面に加え、間接材のコスト削減コンサルティングによる付加価値向上支援にも取り組み、取引先のサステナビリティを高めるサービス展開も進めておりました。

 当社グループでは、こうした経営環境を踏まえ、クライアントの人事・組織課題をワンストップで支援する「人的資本経営のプロデューサー」構想を掲げ、ビジネスコーチングの普及を通じて、クライアント企業の企業価値向上に貢献してまいりました。

 なお、2025年9月16日に公表いたしました「連結子会社の異動(株式譲渡)及び特別利益の計上に関するお知らせ」に記載のとおり、KDテクノロジーズ株式会社の株式譲渡に伴い、当期において関係会社株式売却益として32百万円の特別利益を計上しました。

 以上の結果、当連結会計年度の売上高は2,003百万円(前年同期比25.2%増)、営業利益は163百万円(前年同期比105.1%増)、経常利益は178百万円(前年同期比125.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は123百万円(前年同期比127.7%増)となりました。

 

セグメント別の業績は次のとおりであります。

 なお、当連結会計年度より、セグメントの名称を「SXi事業」より「DX事業」に変更しております。

 また、前連結会計年度では、管理部門に係る一般管理費の一部を報告セグメントに配分せず、全社費用としていましたが、事業の実態をもとに判断した結果、当連結会計年度の期首から人材開発事業セグメントに配分することとしました。

 

a.人材開発事業

 人材開発事業セグメントにおいては、クライアント企業に寄り添い、人事・組織課題の解決を通じた企業価値向上支援に取り組んでまいりました。人的資本経営の実践が本格化している環境を踏まえ、全てのサービスが前年同期比で増加しております。特に、1対1型サービスについては、「個」を重視した育成施策の拡大を背景に、プライム上場企業を中心に従来の「集合型研修」から「1対1型研修」へシフトする動きが加速したことから、当連結会計年度の売上高は636百万円(前年同期比49.9%増)となりました。1対n型サービスについては、ミドル層の育成施策等の拡大により、当連結会計年度の売上高は752百万円(前年同期比7.4%増)となりました。その他サービスについては、顧客の人材及び組織課題の把握ニーズが高まり、組織アセスメントツールの売上が増加したことにより、当連結会計年度の売上高は204百万円(前年同期比23.5%増)になりました。なお、期初計画に基づき、来期以降の成長を見据えて人材採用及びマーケティング投資を積極的に実施した結果、当初は減益を見込んでおりましたが、売上高が計画を大きく上回ったことにより、最終的には増益で着地しました。

 以上の結果、人材開発事業セグメントにおける売上高は1,593百万円(前年同期比23.5%増)、営業利益は129百万円(前年同期比1.0%増)となりました。このうち、法人取引における顧客数は312社(前年同期比5社減)、法人顧客1社当たりの平均売上高は5百万円(前年同期比26.6%増)であります。

 

 

サービス型

2024年9月

2025年9月

増加額

(百万円)

増加率

(%)

売上金額

(百万円)

構成比

(%)

売上金額

(百万円)

構成比

(%)

1対1型

424

32.9

636

40.0

212

49.9

1対n型

700

54.3

752

47.3

51

7.4

その他

165

12.8

204

12.8

38

23.5

合計

1,290

100.0

1,593

100.0

302

23.5

 

 

b.DX(デジタル・トランスフォーメーション)事業

 DX事業セグメントにおいては、購買活動の行動変容を通じてコストダウンに寄与するコスト削減コンサルティングサービスと、顧客のDX化推進を後押しするコンサルティング業務や開発業務を中心にITサービスを展開しております。

 コスト削減コンサルティングサービスにおいては、当社グループの顧客基盤に営業展開を図るとともに、成功報酬型と固定報酬型のハイブリッドへの転換を目指しておりました。前年度から開始した大型固定型報酬案件の着実な遂行と当期に大型成果報酬型案件が完了となった結果、売上高は288百万円(前年同期比79.9%増)となりました。

 ITサービスにおいては、前期から継続している開発案件の確実な遂行を目指すと同時に、既存顧客のグループ会社への展開を図りましたが、大型開発に向けた要件定義に時間を要した結果、売上高は134百万円(前年同期比27.1%減)となりました。

 以上の結果、DX事業セグメントにおける売上高は422百万円(前年同期比22.8%増)、営業利益は34百万円(前年同期は43百万円の営業損失)となりました。

 

③ キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)は444,038千円となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、91,188千円の資金収入(前年同期136,928千円資金の獲得)となりました。その主な要因は、資金収入として税金等調整前当期純利益210,470千円、減価償却費27,196千円、のれん償却額19,718千円、顧客関連資産償却額28,000千円、仕入債務の増加額16,202千円等があったことに対し、資金支出として売上債権の増加額115,845千円、契約負債の減少額56,083千円、関係会社株式売却損益32,013千円、法人税等の支払額54,972千円等があったことであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動によるキャッシュ・フローは、20,051千円の資金収入(前年同期132,937千円資金の使用)となりました。その主な要因は、資金収入として保険積立金の解約による収入58,963千円、連結範囲の変更を伴う子会社株式の売却による収入128,764千円があったことに対し、資金支出として無形固定資産の取得による支出33,471千円、保険積立金の積立による支出79,837千円、投資有価証券の取得による支出30,000千円があったこと等であります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、69,217千円の資金支出(前年同期123,243千円資金の使用)となりました。その主な要因は、資金収入として新株予約権行使による株式発行による収入15,588千円があったことに対し、資金支出として長期借入金の返済による支出24,682千円、社債の償還による支出5,000千円、配当金の支払額55,123千円があったこと等であります。

 

 

④ 生産、受注及び販売の実績

生産実績、受注実績、販売実績に関する情報は、次のとおりであります。

 

a. 生産実績

セグメントの名称

生産高(千円)

前年同期比(%)

人材開発事業

494,220

121.0

DX事業

267,067

111.2

合計

761,288

117.4

 

 (注) 1.金額は、製造原価によっております。

 

b. 受注実績

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

人材開発事業

1,550,002

126.3

578,046

93.0

DX事業

437,492

141.4

合計

1,987,494

129.3

578,046

93.0

 

 

c. 販売実績

セグメントの名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

人材開発事業

1,587,272

123.0

DX事業

416,721

121.0

合計

2,003,993

122.5

 

(注)主要な販売先については、総販売実績に対する割合が100分の10以上の相手先が無いため記載を省略しています。

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績等の状況に関する分析・検討内容

当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりであります。

 

(資産)

    総資産1,002,750千円のうち、現預金が483,882千円と48.3%を占めております。売掛金及び契約資産は221,315千円で総資産の22.1%となっており高い流動性を確保しております。

 

(負債)

 負債のうち、長期借入金(1年内返済予定の借入金を含む)5,843千円の有利子負債があり、負債・純資産合計額の0.6%を占めております。

 また、契約負債は26,931千円と負債・純資産合計額の2.7%となっております。

 

(純資産)

  純資産771,129千円のうち、資本金が215,999千円、資本剰余金が173,599千円となり合計で、負債・純資産合計額の38.9%を占めております。また、親会社株主に帰属する当期純利益の計上による増加と配当金の支払いによる減少により利益剰余金が381,603千円と負債・純資産合計額の38.1%を占めております。

 

(売上高)

  売上高の詳細につきましては、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の業績の概要 ②経営成績の状況」をご参照ください。

 

(営業利益)

  営業利益の詳細につきましては、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の業績の概要 ②経営成績の状況」をご参照ください。

 

(経常利益)

 営業外収益は、15百万円、営業外費用は0.8百万円を計上しております。この結果、経常利益は178百万円となりました。

 

(税金等調整前当期純利益)

 特別利益は、32百万円を計上しております。この結果、税金等調整前当期純利益は、210百万円となりました。

 

(親会社株主に帰属する当期純利益)

 法人税等合計を69百万円、非支配株主に帰属する当期純利益を17百万円計上しております。この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は123百万円となりました。

 

 ② キャッシュ・フローの状況の分析 

当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、「(1)経営成績等の状況の概要③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりでありますが、ビジネスモデルの特性により利益額と営業キャッシュ・フローが比例的に増減するため営業キャッシュ・フローが増加し、投資キャッシュ・フローも子会社株式の売却等により増加しました。一方で、借入金返済資金及び配当金の支払いにより財務キャッシュ・フローは減少し、現金及び預金は減少しましたが、現金及び現金同等物の期末残高は、444,038千円有しており、安定的であると考えております。

 

③ 当社グループの資本の財源及び資金の流動性

当社グループの資金需要は、運転資金、納税資金等であり、資本の源泉は営業キャッシュ・フロー、金融機関からの借入等であります。

また、当連結会計年度末の現金及び預金は、483,882千円あり、十分な短期流動性を確保していると考えております。

 

 ④ 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)経営環境及び経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおり、当社グループは取引先1社当たり売上高を重要指標としております。当連結会計年度においては、コーポレートコーチによる顧客課題に対する深掘りした提案活動により大型案件の獲得出来た結果、1社当たり平均売上高が、5百万円(前年同期比26.6%増)となり、通期目標達成に繋がりました。

 

 

5 【重要な契約等】

第三者割当による新株式及び第5回新株予約権の発行

 当社は、2025年11月7日開催の取締役会において、株式会社日本経済新聞社(以下、「日本経済新聞社」といいます。)に対し、第三者割当による新株式の発行、第三者割当による第5回新株予約権の発行を行うこと、併せて本第三者割当を前提として日本経済新聞社との間で資本業務提携契約を締結することについて決議いたしました。

 詳細につきましては、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 注記事項(重要な後発事象)」に記載のとおりであります。

 

6 【研究開発活動】

該当事項はありません。