文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において、当社が判断したものであります。
(1) 経営方針
<ビジョン>
当社はビジョンを「FIXERのテクノロジーで日本中のDXを成就する」と定め、当社のコーポレートステートメントである「Technology to FIX your challenges.」と共に掲げております。
私たちFIXERはテクノロジーの力を信じています。情報化社会のビジネスシーンにおいて、DX(注1)というチャレンジの成功の鍵を握るのはテクノロジーです。コーポレートスローガンに込めた「FIX(=成就)」とは、お客さまのチャレンジを実現し、事業の価値を高めることです。そして「your challenges」は、お客さまとFIXERの全従業員、あらゆるステークホルダーのチャレンジを示しています。
<ミッション>
当社のミッションは「日本のエンタープライズシステムにグローバル品質のクラウドパワーを」です。FIXER は2008年に設立されて以来、エンタープライズシステムのクラウド化の事例を発表し、日本におけるクラウドの黎明期からMicrosoft Azureの普及の一翼を担ってきたものと考えております。2018年に政府情報システムにおける基本方針としてクラウド・バイ・デフォルト原則(注2)が示されて以降、クラウド環境へのリフト(移行)&シフト(進化)のニーズがますます高まるなかで、FIXERがこれまで培ってきたクラウドネイティブなテクノロジーで日本のDXを加速させてまいります。
<バリュー>
当社はお客様への提供価値を「世界一クラウドネイティブなシステム開発力と最高位パートナー認定「Azure Expert MSP」のマネージドサービス」と定めています。
クラウドを導入するプロジェクトでは、戦略と計画を立て、実行する組織を準備し、構築したデジタル資産を管理する一連のプロセスが重要となります。
Azureの最高位認定である Expert MSPとなるためには、海外の第三者機関によって営業から設計・構築・運用に至る一連のプロセスが、前述のMicrosoft Cloud Adoption Framework for Azure(CAF)に準拠しているか厳しく審査されます。2019年7月、FIXERはこのExpert MSPに認定されております。
(2) 経営戦略等
<経営戦略>
これまで当社は、プロジェクト型サービスにおける大規模開発案件(数千万円/月レベル)を通じて、さまざまなノウハウや部品(汎用化したプログラム)を蓄積してまいりました。
・パブリッククラウドが提供する認証サービスに、データベースサービス等を組み合わせた認証・認可基盤
・典型的な構成に対し、インフラの構築・設定・正常性確認の操作をプログラム化した、構築自動化ツール
・自動的に電話をかけ、又はSMSを送信するSaaS型自動架電サービス
これらは、政府・自治体や金融機関といった、セキュリティ要件が厳しいお客様にもご活用いただいており、システムインテグレータに対してはクラウドに関する高い専門性、専業クラウドインテグレータに対しては大規模なシステム開発への対応力で、独自性の高いポジションを築いてきました。今後は中小規模開発案件においても、大型プロジェクトの知見・ノウハウを活かして顧客数を拡大し、成長の加速化を図ってまいります。
また、当社は2021年8月期まで大規模な広告展開等は実施しておりませんでしたが、顧客数拡大の実現に向けて、企業認知及びクラウドにおける純粋想起率(クラウドといえば? と聞かれて当社が想起される割合)の向上により、営業効率・採用効率を高めるため、2022年8月期より広告展開を強化しております。当社の四日市事業所・名古屋事業所が立地し、重点地域である東海3県での番組提供・CM放映から開始し、2022年5月からは名古屋における屋外広告の大規模展開、東海3県におけるCMの重点投下を行っております。今後は広告展開の費用対効果を検証し、2023年8月期以降のプロモーション戦略を立案いたします。
<経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等>
当社は継続的な企業価値向上を実現するために、事業および組織(人材)を規模・質の両面で強化し、そしてこれらを支えるマーケティング、ブランディング活動を実施します。
事業の規模については、顧客数を経営指標に設定しております。今後は積極的な広告宣伝によってクラウドにおける認知・想起を高めることで、顧客数を増加させていく所存です。
事業の質=収益性については、売上総利益率を経営指標に設定しております。今後はさらなるプロセスの自動化の推進や、クラウドネイティブな開発手法への習熟を通じて、利益率の向上に努めてまいります。
組織の規模については、採用人数を経営指標に設定しております。全国の高専や大学(院)の技術系学生団体との連携強化、テレビ局やソーシャルメディアとタイアップしたエンジニア勉強会開催等の施策を通じ、新卒・中途採用を強化してまいります。
人材の質については、クラウド有資格者率を経営指標に設定しております。資格取得を奨励し、支援制度を充実させることにより、有資格者の継続的な増加を図ってまいります。
これらの施策の結果としてモニタリングしている経営指標としては、1人当たり売上高と平均年齢があります。
まず、2022年8月期の第3四半期累計期間における一人当たり売上高の実績は、42,351千円(注3)となっております。コードファーストと呼ばれる「データベース項目の設計前に、コーディング(プログラミング)によって項目を定義する手法であり、コード先行の開発手法」開発手法を用いて要件定義フェーズを短縮することにより、短納期・低コスト・高品質なサービスを提供できることで、一人当たり売上高を向上してまいります。
また、2022年7月31日時点の平均年齢は、28.3歳(注4)となっております。今後も、クラウドを始めとする最新技術への親和性の高い、若手エンジニアの採用を継続的に強化いたします。
<事業ごとの利益率>
(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社がビジョンに掲げる「DX」の市場は、拡大しつつあります。Microsoft Azureパートナーとしての複数の受賞・認定によって裏付けられた当社の技術力と、顧客企業のDX実現を加速する企画提案力を活かした事業展開により、日本におけるDXの進展とともに、当社も成長してまいりたいと考えております。このような状況を踏まえ、当社は、次のような課題に対し計画的かつ迅速に対処してまいります。
当社は創業当時、クラウドの黎明期からエンタープライズシステムのクラウド化に特化し、パブリッククラウド市場の発展とともに成長してまいりました。昨今は、企業のDXニーズに基づくクラウドサービスの普及に加え、新型コロナウイルスの影響を受けた社会のライフスタイル全般のデジタルシフト等の背景もあり、パブリッククラウド市場の加速化が見込まれます。パブリッククラウド市場の変化に伴い、これまでオンプレミス形態の事業を主軸としていた大手システム開発ベンダーなどが同市場へ参入し、競争が激化することも想定されます。
当社といたしましては、a.当社内の更なるサービス開発体制の強化、b.Microsoftとの営業面での連携強化、c.過去の開発・運用実績のなかで蓄積した技術的知見や情報資産を活用し、顧客企業に対し高い付加価値を提供しつづけることで競争の激しいクラウド市場においても高いポジションを築いてまいります。
人材の確保は当社の成長の礎であり、優秀なエンジニアをいかに多く獲得するか、及び在籍エンジニアのスキルをいかに高めていくかが重要な経営課題であると認識しております。
当社では、すでに高い技術力を有するエンジニアの中途採用だけでなく、高等専門学校生を中心とした、新しい技術に対する関心の高い新卒を積極的に採用することで、クラウドネイティブな開発手法の教育や、重要案件での登用を進めております。当社社員の平均年齢は28.3歳(2022年7月31日時点)であり、将来性のある若いエンジニアたちが当社の主要サービスの開発を支える体制が整いつつあります。また、バーチャル環境における空間デザインや特定の技術領域への対応など、プロジェクトの要所で高い専門性を持つ人材が必要となる場合については、海外のプロフェッショナル人材も含め外部人材の活用を推進しております。
新規参入が相次ぐクラウド市場において他社との競争優位性を担保するためには、技術革新への継続的な取組みが必須であると考えております。
当社では、パブリッククラウドにおける長年の経験を通じて蓄積した、クラウドサービスの組み合わせに係る以下のノウハウや部品(汎用化したプログラム)を磨き続けております。
・パブリッククラウドが提供する認証サービスに、データベースサービス等を組み合わせた認証・認可基盤
・典型的な構成に対し、インフラの構築・設定・正常性確認の操作をプログラム化した、構築自動化ツール
・他のシステムの指示に従って自動的に電話をかけたり、SMSを送信したりできる、SaaS型自動架電サービス
蓄積したノウハウ(クラウドサービスの組み合わせ、構築・運用自動化の技術やサービスの汎用化)に加え、パブリッククラウドベンダーとのリレーションを活かした先端技術の情報収集や、エンジニア採用・育成への投資を続けることで、技術による競争優位性を維持・拡大してまいります。
当社では現在、国内市場における事業拡大に注力しておりますが、中長期的な視点からは、デジタル化の波がボーダーレスに進展することが予想されます。特に、当社の顧客企業がデジタルで先行する海外勢としのぎを削る局面に備え、当社も自社サービスのグローバル展開に備えていく必要性を認識しております。
当社では、Microsoft のGlobal Award受賞により、グローバル市場での認知度を向上させていることに加え、グローバルで公開されているMicrosoft Azure及びAWSのマーケットプレイスに当社の商材を登録することで、グローバル市場へのリーチを拡大しております。
当社の事業は、クラウドネイティブなシステムを開発するプロジェクト型サービス、クラウドやソフトウエアのライセンスを提供するリセール、パブリッククラウドの基盤構築・運用を行うマネージドサービス、開発ノウハウを元に独自サービスを展開するSaaSという4つの事業から構成されております。
期間の決まっている「フロー」であるプロジェクト型サービスで構築したシステムを、継続的に売上の上がる「ストック」であるリセール及びマネージドサービスでお預かりし運用することで、事業を拡大しております。
そのうえで、当社独自のSaaSアプリケーションサービスを展開し、当該サービスの継続的な利用料や、付随する事業企画コンサルティング、技術検証といった支援も得ながら収益を拡大し、収益基盤のさらなる安定化に寄与するサイクルを生み出してまいります。
当社のサービス展開においては、問い合わせ窓口を起点とした自社営業チャネルに加え、Microsoft や広告代理店、顧客企業をチャネルとする機会創出や販売も推進しております。
Microsoft が考える製品・サービスのマーケティング戦略(どの製品・サービスを、どの業界の、どのような顧客課題に対して販売するかという、販売シナリオ)を踏まえ、当社サービスを市場に投入していくことで、効果的な営業活動を推進してまいります。
今後のクラウド市場の成長に伴い、競合他社との競争環境が激化することに備え、当社の事業成長をより一層加速させるためには、当社の企業認知度及びクラウドにおける純粋想起率(クラウドといえば?と聞かれて当社が想起される割合)向上に向けた施策が必須であると考えております。
当社が従前から活用してきたメディア(コーポレートサイト、自社テックブログ、媒体上でのスポンサーサイト)に加えて、テレビCM・インターネット広告・タクシー広告・屋外広告等を積極的に展開してまいります。
新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて創り出された「ニューノーマル」という言葉に表されるように、これまで当たり前と認識されてきた常識が変化しております。当社におきましても、このような変化や今後の事業規模拡大などに対応できるよう、管理体制の強化・整備を課題の一つとして認識しております。
当社は事業継続の観点から、東京本社・四日市事業所・名古屋事業所を中心とした複数の事業拠点にまたがる営業・開発体制を整備しております。同時に、20代~30代の若手中心に事業を推進する社風を活かし外部環境の変化に応じたプロジェクト間での柔軟なリソースシフトを可能にしております。並行して、内部統制システムの整備を主とした内部管理体制の強化にも努めてまいります。
マネージドサービスを中核としたクラウドサービス事業においては、サービスのセキュリティや安定稼働を担保することで、顧客企業の信頼度と満足度を高めることが重要であると考えております。
そのため、当社では自社サービスのセキュリティ強化並びに品質向上を図る取組みの一環として、各種の公的認証を取得しております。当社が取得しております公的認証はISO/IEC 27001(情報セキュリティマネジメントシステム)、ISO 9001 (品質マネジメントシステム)、ISO/IEC 20000(ITサービスマネジメントシステム)、ISO/IEC 27017(クラウドセキュリティ認証)及びプライバシーマークです。
財務基盤の安定性を維持しながら、事業上の課題を解決するための事業資金を確保し、新規事業開発のために機動的な資金調達を実施できるよう、内部留保の確保と株主還元の適切なバランスを保つことを、財務上の課題として認識しております。
(注) 1.デジタルトランスフォーメーションの略。最新のデジタル技術を駆使した、デジタル化時代に対応するための企業の変革という意味合いで使われております。経済産業省が2018年12月に発表した「デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン(DX推進ガイドライン)」では、デジタルトランスフォーメーションを「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」と、より詳細に定義しております。
2.2018年6月にデジタル庁が発表した「政府情報システムにおけるクラウドサービスの利用に係る基本方針」に記載されている「政府情報システムの構築を実施する際に、クラウドサービスの利用を第一候補」とする基本方針。
3.2022年8月期第3四半期累計期間実績。売上高÷期中平均人員数により算出。人員数は、正社員、出向社員の合計。
4.正社員、出向社員の平均年齢。
本書に記載した当社の事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項については、以下のようなものがあります。また、当社として必ずしも事業上のリスクとして考えていない事項についても、投資者の投資判断、あるいは当社の事業活動を理解するうえで重要と考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から記載しております。
当社は、これらのリスク発生の可能性を十分に認識したうえで、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針ではありますが、当社株式に関する投資判断は、本項及び本項以外の記載事項を慎重に検討したうえで行われる必要があると考えております。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。
当社は、パブリッククラウド上で稼働するシステムやサービスをプロジェクト型サービスとして構築し、そのシステムをマネージドサービスで保守・運用することで、事業を拡大してまいりました。DXを目的とした顧客企業の活発なIT投資を背景に、当社は引き続きクラウドを軸に成長を加速化してまいります。
しかしながら、国内外の経済情勢や景気動向等の理由により、顧客企業のIT投資の縮小やそれに伴うクラウド市場の成長が鈍化するような場合には、当社の事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、ストック型/リカーリング型の売上が見込めるリセール、マネージドサービス及びSaaSを拡大するため、オンプレミスのシステムをパブリッククラウドに移行するための設計・構築、クラウドネイティブなソフトウエア開発などを支援する、プロジェクト型サービスを提供しております。
そのため、競合の増加・競争力強化などを通じて、プロジェクト型サービスの案件獲得が困難になった場合には、フロー型の売上高が減少するだけではなく、ストック型/リカーリング型であるマネージドサービスの成長に影響を及ぼし、当社の事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、クラウド・コンピューティング・サービスであるMicrosoft Azureのマネージドサービスを中核とするクラウドソリューションを提供することにより、事業の成長を実現してまいりました。当社が取り扱うパブリッククラウドは、大半がMicrosoft Azureであり、当社の成長は同サービスの市場拡大に影響を受けます。当社は、パブリッククラウド市場の市場規模は今後も拡大していくという認識の下、そのなかで最も高い成長率でシェアを拡大しているMicrosoft Azure上でクラウドサービスを展開しつつ、AWS等の他パブリッククラウドも活用していく方針です。
Microsoft Azureへの高い依存度が当社の経営的なリスクとならないよう、当社はコンテナ化技術(仮想化技術の一つで、アプリケーションをインフラに依存しないエンジン上で動作させる技術)を積極的にエンタープライズシステムに導入しており、特定のパブリッククラウドに依存しない状態の維持に努めております。 当社はAWSのAWS Partner Network(※1)においてSelectティア(※2)に認定されております。また、AWS Public Sector Partner(※3)にも認定されており、同社とのリレーションを活用しながら、中央省庁や関係機関の案件での実装を開始しております。しかしながら、Microsoft Azureの市場規模の縮小や米国Microsoft Corporation社の経営戦略の変更がある場合、AWSの活用が計画どおり進展しなかった場合には、当社の事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社のサービスの約90%以上がMicrosoft Azureを用いて構築されており、日本マイクロソフト株式会社とのパートナーネットワーク契約に基づいて提供しております。当該契約は、当社又は日本マイクロソフト株式会社のいずれかが解除事由への抵触を理由に解除を申し出た場合のほか、理由の如何に関わらず事前に解除を申し出た場合を除いて、継続するものとされております。現時点では当該契約の解除事由に該当する事実は生じておらず、良好な関係の下、パートナーとして最高位の認定資格である「Azure Expert MSP」も取得しております。
しかしながら、今後当社が解除事由に抵触したこと等を理由に契約を解除された場合には、当社の事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
例えば、万一、日本マイクロソフト株式会社との契約が解除された場合、リセールにおいては、契約に基づくインセンティブ(売上高として計上)が減少するほか、Microsoftの製品・サービスを他社経由で仕入れることにより利益率の低下が見込まれます。しかし、プロジェクト型サービス、マネージドサービスにおいては、一時的な影響はあるものの、Microsoft Azureを他社から仕入れることや他のパブリッククラウドへの移行を検討することで、売上への影響を限定的に留めることができると考えております。
当社は、東京本社に一極集中するリスクを排除することを目的の一つとして、四日市事業所にも一部エンジニアを異動しており、リスクの分散化を図っております。
しかしながら、予測困難な地震・台風・洪水・津波・竜巻・豪雨・大雪・火山活動などの自然災害、火災や停電・電力不足、テロ行為、新型コロナウイルスなどの感染症の流行などの事情により、通信ネットワークや情報システムなどが正常に稼働しなくなった場合、当社の提供するサービスに支障を来す可能性があります。その結果、当社の事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、パブリッククラウドを活用したサービスを提供しておりますが、Microsoft Azureが提供する各種サービスを提供するためには、インターネットの利用が不可欠な状態にあります。そのため、人為的なミスや設備・システム上の問題、第三者によるサイバー攻撃、ハッキングその他不正アクセスなどが発生し、Microsoft Azure自体にシステム障害が起きる場合には、これに起因して各種サービスを継続的に提供できなくなること、又は各種サービスの品質が低下することなどの重大なトラブルが発生する可能性があります。その結果、当社の事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
こうした障害によるサービスの中断や品質低下を避けるため、システム構成の冗長化、拡張性のある設計といった対策を行っております。また、Microsoft Azure全体に障害が発生する場合にも備え、AWSに対しても積極的に取り組み、複数のクラウドサービスを組み合わせて最適な環境を実現するマルチクラウド化を推進することで、システムとしての堅牢性を強化しております。
当社は、事業規模の更なる拡大と収益源の多様化を進めるため、積極的に新規事業開発に取り組む必要があると考えております。新規事業の展開にあたっては、市場規模及び当社シェアの推定による収益化の可能性や技術的な実現可能性などを十分吟味し、事業分野の選定及び計画立案を行ってまいります。
しかしながら、新規事業に伴うリスクを十分に調査や検証したうえで実行する方針ではあるものの、投資時点や事業展開の開始時点で想定されなかった事象が起こる可能性があり、当初想定した効果や利益が実現されない可能性もあります。そのような場合には、当社の事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社のサービスのうち、基本的にリセール・マネージドサービス・SaaSは、サービス利用契約に基づき提供しております。一方、プロジェクト型サービスにおいて、本来アジャイル開発には準委任契約が適切ではありますが、当社プロジェクト型サービスの主な取引先である公的機関等との取引では請負契約を求められることがあります。
当社は、請負契約によるプロジェクト型サービス案件については、想定される工数、難易度、リスク等を考慮のうえで受注金額及び売上計上時期を決定し、策定されたプロジェクト計画から乖離が生じないよう工数管理を行っておりますが、受注後、契約締結までに時間を要した場合などには、売上計上開始時期が当初の予定と乖離する場合があります。また、受注時からプロジェクトの規模や内容が大きく変更された場合、同様の乖離が発生する可能性があります。これらの影響金額の大きさによっては各四半期あるいは事業年度における当社の経営成績に変動が生じる場合があります。
当社の2021年8月期の売上高は、約24.1%がパーソルプロセス&テクノロジー株式会社、約22.2%が厚生労働省であり、どちらもHER-SYSに関連するものです。2021年4月より、パーソルプロセス&テクノロジー株式会社の発注が厚生労働省からの直接発注に切り替わりましたが、案件の内容は同一であります。2022年8月期は、新型コロナウイルスの感染者急増によるインフラ強化に伴う、リセール・マネージドサービスの売上増加、自動架電サービスの利用増加に伴うSaaSの売上増加により、売上依存度が高くなっており、2022年8月期第3四半期累計期間の売上高合計に占める厚生労働省の割合は約70.4%となっております。この売上は HER-SYSと自動架電サービスの利用回数、利用いただいているシステムの継続によって変動するため、当社の経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
今後の厚生労働省との契約については、2022年4月~2023年3月度の保守運用に係る随意契約を締結し、当社の2022年8月期下期及び2023年8月期上期に売上計上の予定ですが、2023年8月期下期及び2024年8月期上期に当たる2023年4月~2024年3月度の契約は本書提出日現在では未締結であり、不確実性があります。なお、2024年4月度以降は、感染症の収束可能性等を踏まえ、中期経営計画には織り込んでおりません。
当社としては、主にHER-SYSでご利用いただいている自動架電サービスなどの独自サービスを他業界に展開することや、他省庁の入札案件へ参画していくことにより、顧客基盤の拡大・強化を図ってまいります。
当社が事業展開するクラウドサービス市場は、大企業から中小企業まで、競合企業が多数存在しております。当社は、競争力強化と差別化を図ることを目的として、リセールにおいては仕入れたライセンスに技術サポートや教育サービス等の付加価値をあわせてご提供、マネージドサービスにおいては構築・運用自動化技術の蓄積といった取り組みを行っております。こうしたサービスの品質向上を目的として、AIチャットボットやIoTデータを蓄積するビッグデータ基盤等、顧客ニーズの高い技術要素の研究開発を行っております。また、クラウド技術への順応性の高い若手エンジニアの採用を新卒・中途の両面で拡大していくことにより、今後のクラウドサービスに対するニーズ拡大を捉えてまいります。
しかしながら、DXニーズの高まりによる顧客企業のIT投資をビジネス機会と捉え、今後も新規に参入しようとする企業が増加することが予測されます。競合他社の技術力やサービスの向上、大手資本の参入などにより競争が激化した場合には、当社の事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社の属するIT業界においては、技術革新のスピードが速く、それに応じて業界標準及び利用者ニーズが急速に変化し、関連製品やサービスが逐次生み出されています。当社も技術革新及び顧客ニーズの変化に対応すべく、積極的に最新情報の収集、技術の蓄積及びそれらの技術を使用した製品・サービスの開発に取り組んでおります。
しかしながら、当社の対応力を上回る急激な技術革新が生じた場合、当社の製品やサービスの陳腐化や競争力の低下を引き起こし、また、技術革新に対応するために必要となる追加の開発費などの支出が拡大した場合には、当社の事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社においては、アジャイル・フロントローディング型の開発プロセス、構築・設定を自動化するコード開発等により、競合他社との差別化及び競争力の維持に努めております。
しかしながら、新規参入により当社が属するクラウド市場における価格競争が激しくなることが予想されます。競合他社との差別化が有効に図れず、当社が提供するサービスの売上高が予想どおりに増加しない、又は利益水準の悪化により、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、新型コロナウイルス感染症に係る情報管理システムを提供しております。新型コロナウイルスの感染拡大により、2022年8月期の売上高及び利益は同システムの利用増加の影響を受けております。今後、新型コロナウイルスの感染状況の変化、制度変更等により同システムが使用されなくなることにより、関連する売上高及び利益の成長率が鈍化する可能性があります。
一方で、当社は、新型コロナウイルスの感染拡大前から、テレワークを積極的に推進し、2019年の第19回テレワーク推進賞では優秀賞を受賞するなどの実績もございました。こうした取り組みによる積み重ねもあり、新型コロナウイルスの感染拡大後も問題なく事業を継続してまいりました。また、新規サービスの開発や秘匿性の高い開発など、対面でのコミュニケーションがより重要になる案件にも対応するため、開発拠点を東京本社と四日市事業所に分散させるといった対策も行ってまいりました。
また、新型コロナウイルスの感染拡大による「新しい生活様式」は、クラウドを活用したリモート会議やファイル共有によって支えられており、市場環境の観点でも当社事業に対する負の影響は限定的であると考えております。
当社の創業者であり大株主でもある代表取締役社長松岡清一は、豊富な知識と経験、リーダーシップを有しており、経営方針や事業戦略の決定及びその遂行において極めて重要な役割を果たしております。当社では、一個人の属人性に過度に依存することのない組織的な事業経営体制を構築しておりますが、現時点において何らかの事情により同氏が業務を遂行できない事態となった場合には、当社の事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、本書提出日現在、取締役5名、監査役3名、執行役員3名、従業員195名で構成されており、現在の内部管理体制はこの規模に応じたものとなっております。当社は今後、業容の拡大及び従業員の増加にあわせて組織整備、内部管理体制の拡充を図っていく予定でおります。しかしながら、今後の事業拡大が急速に進み、組織体制の拡充が事業の拡大に間に合わない場合などには、当社の事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社の成長と利益は、IT技術等の専門性に基づいて顧客に価値を提供する優秀な人材の確保・育成に大きく影響されます。当社においては、若手人材の採用・育成に重点を置き、組織拡大を図ってまいりました。新卒採用においては、採用実績校とのリレーション強化による継続採用により採用を拡大しております。中途採用においては、社員によるリファラル採用による質の向上を図っております。また、育成においては若手先輩社員が新入社員に研修やOJTを実施するという、人材育成のノウハウも蓄積してまいりました。
しかし、こうした取り組みにもかかわらず、優秀な人材の採用・育成が想定どおりに進まない場合、当社の事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社はプロジェクト毎に想定される工数や難易度を基に、見積りを作成し受注をしておりますが、見積り作成時に想定していなかった不測の事態等により、工数が大幅に増加することで不採算プロジェクトが発生した場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社は必要に応じて、複数の外部協力先に委託を行って事業を運営しております。外部委託に際しては、委託先の業務遂行能力を見極め、守秘義務契約書や情報セキュリティアンケート等によって安全性を担保し、定期的な打ち合わせを通じて業務進捗を管理しております。
万一、上記のような要件を満たす外部協力先や、協力先における技術者数が確保できない場合、又は委託単価が高騰した場合には、費用増加又は納期遅延等が生じ、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社は各プロジェクトにおいて、ISO 9001 (品質マネジメントシステム)に則った管理体制を整備するとともに、各分野における専門性を保有する社員を品質責任者として配置することで、提供するサービスの品質を担保しております。
しかしながら、何らかの事情により当社が提供したサービスに重大な不具合や瑕疵等が発見された場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 知的財産権について
当社では、知的財産権に関するクリアランス調査の実施、従業員向け研修等を通じて、他社の有する知的財産権の侵害がないよう、細心の注意を払って業務を遂行しております。こうした取り組みの結果、知的財産権の侵害を行っていないものと認識しておりますが、不可抗力により侵害する可能性は皆無ではありません。
当社が提供するサービス又は製品に対して、第三者より損害賠償、使用差止や当該特許に関する対価の支払い等の請求を受ける可能性があり、他社の有する知的財産権を侵害したと認定され、損害賠償等の責任を負担する場合は、当社の事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社では、クラウドインテグレーションなどのサービスを幅広くご提供させていただく過程で、顧客企業が有する個人情報や顧客企業のシステム技術情報等の各種機密情報を知りうる場合があります。コンピュータウィルス、不正アクセス等の理由により、これらの機密情報の漏洩や改竄等が発生した場合、顧客企業等から損害賠償請求や当社の信用失墜の事態を招き、当社の事業展開、財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
このため、当社では、「情報セキュリティ管理規程」を制定し、当該規程に基づいた情報セキュリティマネジメントシステムを確立し、運営することで情報の適切な管理を行っております。なお、当社では、ISO/IEC 27001(情報セキュリティマネジメントシステム)、ISO 9001 (品質マネジメントシステム)、ISO/IEC 20000(ITサービスマネジメントシステム)、ISO/IEC 27017(クラウドセキュリティ認証)及びプライバシーマークを取得して各種情報の管理体制を整備しております。
当社では、株主に対する利益還元を重要な課題の一つとして認識しております。利益配分につきましては、経営成績及び財務状態を勘案して、株主への利益配当を実現することを基本方針としております。
しかしながら、当社は成長過程にあるため、将来の事業展開と組織体制強化のために必要な内部留保の確保を優先し、創業以来無配としてまいりました。現在におきましても、内部留保の充実を優先しておりますが、将来的には、経営成績及び財政状態を勘案しながら株主への利益の配当を目指していく方針であります。
現時点におきましては、将来の事業展開と組織体制の強化のために必要な内部留保の確保を優先させることが株主への最大の利益還元につながると考えており、今後の配当実施の可能性及びその実施時期等については未定であります。
株式上場時の公募増資による資金調達の資金使途につきましては、①cloud.configの開発費用、②マーケティング費用及び③人員体制強化費用に向けた投資に充当する予定です。
しかしながら、当社が属するIT業界は急速に事業環境が変化することも考えられ、当初の計画に沿って資金を使用した場合においても想定した投資効果が得られない可能性があり、当社の事業展開、財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、拡大が見込まれるクラウド市場のニーズに対応するため、及び企業価値の向上のため、新会社設立、M&A、資本業務提携を有効な手段の一つであると位置づけております。
上記につきましては、対象企業の財務内容や契約関係等についての詳細な事前調査を行い、十分にリスクを検討したうえで実施する所存ですが、対象企業における偶発債務の発生や簿外債務の判明等、事前の調査によっても把握できなかった問題が生じた場合や、事業展開が計画どおりに進行しない場合には、投資回収が困難になること等により当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社の代表取締役社長である松岡清一は、当社の大株主であり、同氏の資産管理会社である株式会社mamの所有株式数を含めると、本書提出日現在で発行済株式総数の77.8%の議決権を所有しております。同氏は、安定株主として引続き一定の議決権を保有し、その議決権行使にあたっては、株主共同の利益を追求すると共に、少数株主の利益にも配慮する方針を有しております。また、当社といたしましても、同氏は安定株主であると認識しておりますが、将来的に何らかの事情により、大株主である同氏の株式が減少した場合には、当社株式の市場価格及び議決権行使の状況等に影響を及ぼす可能性があります。
[用語解説]
※1 AWS Partner Network:AWSクラウド、プログラム、専門知識、リソースを活用して、自社のオファリング (製品やサービス) を構築、マーケティング、販売するパートナーのグローバルコミュニティを指します。
※2 Selectティア:AWS Partner Networkにおいて、トレーニングと認証を受けた人員とともに、カスタマーエクスペリエンスを提供するパートナーを指します。
※3 AWS Public Sector Partner:政府機関、宇宙、教育機関、非営利団体を対象としたクラウドベースのソリューションと経験を持つ AWS パートナーを指します。
当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当事業年度における日本経済は、世界的な新型コロナウイルス感染症拡大の終息が見えない中、引き続き厳しい状況にあります。こうした状況において、企業が直面する環境の不確実性や複雑性は高くなっており、業績も業態による二極化が進んでおります。ワクチン接種率の上昇を始めとする感染対策や、協力金支給等の産業支援策の結果、企業活動や個人消費等に持ち直しの動きもみられますが、コロナ禍長期化を見据えた対応の重要性も高まっております。
一方、緊急事態宣言の発出やまん延防止等重点措置の適用により、テレワークの推進、施設や店舗への営業時間短縮や休業、不要不急の外出自粛等の要請が長期的に継続しました。これにより、人との接触機会を減らしながら商品やサービスを購入したり、就業したりすることができる、インターネットサービスに対する需要は引き続き高い状況です。そして、これらのサービスを提供するIT企業に対する投資拡大の動きが広がり、とりわけクラウドサービス事業者に期待される社会的役割は、一層拡大していると認識しております。
具体的には、テレワーク環境の整備、顧客接点のデジタル化を中心としたデジタルトランスフォーメーションの基盤となる、パブリッククラウドの活用が加速化しております。当社が提供するマネージドサービスの主たる基盤であるパブリッククラウドMicrosoft Azure は、クラウドサービスの世界シェアで2018年にAWSを逆転して首位に立っており、高い成長率を維持しております。
当社はパブリッククラウドのマネージドサービスを中核事業とし、パブリッククラウドの活用を推進する各種サービス開発をポートフォリオに有する企業として、ビジネスの拡大に取り組んでまいりました。その中でも、前事業年度より開発・運用を行ってきた厚生労働省・新型コロナウイルス感染者等情報把握・管理支援システム(HER-SYS)関連のサービス拡充や、新型コロナウイルス感染症の影響によりリアルイベントの開催が大きく制限される中で新たな顧客接点となりうる、SaaSとしてのメタバース基盤の開発に取り組んでまいりました。これらの分野につきましては、ウィズコロナ・アフターコロナ時代のニューノーマルにおける社会的価値とニーズが高い分野として、引き続き注力してまいります。
以上の結果、当事業年度の経営成績は、売上高3,606,449千円(前期比21.8%増)、営業利益は317,485千円(同6.1%減)、経常利益は314,888千円(同4.1%減)、当期純利益は196,212千円(同37.4%増)となりました。
なお、当社の事業はクラウドサービス事業の単一セグメントのため、セグメントごとの記載はしておりません。
当第3四半期累計期間における世界経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が継続し、依然として極めて厳しい状況にあります。感染拡大防止や産業支援等の政策の結果、企業活動や個人消費等に持ち直しの動きがみられますが、コロナ禍長期化のリスクを踏まえて対応していく必要があります。
一方、緊急事態宣言の発出やまん延防止等重点措置の適用により、テレワークの推進、施設や店舗への営業時間短縮や休業、不要不急の外出自粛等の要請が長期的に継続しました。これにより、人との接触機会を減らしながら商品やサービスを購入したり、就業したりすることができる、インターネットサービスに対する需要は引き続き高い状況です。そして、これらのサービスを提供するIT企業に対する投資拡大の動きが広がり、とりわけクラウドサービス事業者に期待される社会的役割は、一層拡大していると認識しております。
具体的には、テレワーク環境の整備、顧客接点のデジタル化を中心としたデジタルトランスフォーメーションの基盤となる、パブリッククラウドの活用が加速化しております。当社が提供するマネージドサービスの主たる基盤であるパブリッククラウドMicrosoft Azure は、クラウドサービスの世界シェアで2018年にAWSを逆転して首位に立っており、高い成長率を維持しております。
当社はパブリッククラウドのマネージドサービスを中核事業とし、パブリッククラウドの活用を推進する各種サービス開発をポートフォリオに有する企業として、ビジネスの拡大に取り組んでまいりました。その中でも、前事業年度より開発・運用を行ってきた厚生労働省向けのエンタープライズシステムのサービス拡充や、メタバース基盤等の新規サービス開発に取り組んでまいりました。これらの分野につきましては、ウィズコロナ・アフターコロナ時代のニューノーマルにおける社会的価値とニーズが高い分野として、引き続き注力してまいります。
以上の結果、当第3四半期累計期間の経営成績は、売上高6,771,527千円、営業利益は1,614,955千円、経常利益は1,612,683千円、四半期純利益は998,970千円となりました。
なお、当社の事業はクラウドサービス事業の単一セグメントのため、セグメントごとの記載はしておりません。
当事業年度末における総資産は、前事業年度末に比べ59,372千円増加し、2,631,911千円となりました。このうち流動資産は52,091千円増加し、2,276,197千円となり、固定資産は7,280千円増加し、355,713千円となりました。流動資産の主な増加要因は、売上高の規模拡大により売掛金が255,535千円増加、また四日市市オフィスの増床により前払費用が35,725千円増加した一方、現金及び預金が243,326千円減少したことによるものであります。固定資産の主な増加要因は、四日市市オフィスの増床及び人員増加に伴うPC購入の影響で有形固定資産が4,823千円増加したことと、売上高の規模拡大により繰延税金資産が7,289千円増加したことによるものであります。
当事業年度末における負債は、前事業年度末に比べ136,839千円減少し、915,305千円となりました。このうち、流動負債は19,011千円増加し、796,629千円となり、固定負債は155,851千円減少し、118,676千円となりました。流動負債の主な増加要因は、売上の増加に伴いMicrosoft Azureの利用量が増加したことにより、買掛金が145,683千円増加したことであります。固定負債の減少要因は、借入金の返済により長期借入金が155,851千円減少したことであります。
当事業年度末における純資産は、前事業年度末に比べ196,212千円増加し、1,716,606千円となりました。これは、当該事業年度における当期純利益の累積により、繰越利益剰余金が196,212千円増加したことによるものであります。
当第3四半期会計期間末における総資産は5,181,946千円となり、前事業年度末に比べて2,550,034千円増加しました。これは主に、売上規模の拡大や運転資金に余裕を持たせるための当座貸越の実行により、現金及び預金が1,514,032千円、売掛金及び契約資産が916,519千円増加し、名古屋事業所の移転により投資その他の資産が75,149千円、有形固定資産が11,484千円増加したことによるものであります。
当第3四半期会計期間末における負債は2,466,369千円となり、前事業年度末に比べて1,551,063千円増加しました。これは主に、売上規模の拡大とそれに伴う仕入高の増加により、未払法人税等が515,612千円、短期借入金が500,000千円、買掛金が375,060千円増加した一方、長期借入金が68,468千円減少したことによるものであります。
当第3四半期会計期間末における純資産は2,715,576千円となり、前事業年度末に比べて998,970千円増加しました。これは、当第3四半期累計期間における四半期純利益998,970千円の計上によるものであります。
当該事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度に比べ29,966千円減少し、1,463,906千円となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
当事業年度の営業活動の結果、支出した資金は3,173千円(前事業年度は210,656千円の獲得)となりました。これは主に、税引前当期純利益が314,888千円、売上規模の拡大とそれに伴う仕入高の増加により、仕入債務の増加額が145,683千円であった一方、売上債権の増加額が255,535千円、法人税等の支払額が139,647千円、その他の負債の減少額が58,295千円、その他の資産の増加額が35,295千円あったことによるものであります。
当事業年度の投資活動の結果、獲得した資金は177,445千円(前事業年度は39,219千円の支出)となりました。これは主に、定期預金の払戻による収入213,360千円によるものであります。
当事業年度の財務活動の結果支出した資金は、204,239千円(前事業年度は786,884千円の獲得)となりました。これは、長期借入金の返済による支出204,239千円によるものであります。
当社の事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
当社は受注から販売までの期間が短いため、当該記載を省略しております。
第12期事業年度及び第13期第3四半期累計期間の販売実績は次のとおりであります。なお、当社はクラウドサービス事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
(注) 1. 第11期事業年度、第12期事業年度及び第13期第3四半期累計期間の主な相手先の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
2. 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.株式会社北國銀行は2020年9月までの北國クラウドバンキング開発プロジェクトが終了し、保守・運用フェーズに入ったことにより、第12期で金額が減少しております。厚生労働省HER-SYSの契約先であったパーソルプロセス&テクノロジー株式会社は、2021年4月より同システムの保守・運用が同省との直接契約となったことから、第13期では売上を計上しておりません。厚生労働省は、第13期において新型コロナウイルス感染者数の急増に伴うインフラ増強、自動架電・自動SMS送信サービスにより、金額が増加しております。
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたっては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りに関しては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる可能性があります。
重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要な当該見積り及び当該仮定の不確実性の内容やその変動により経営成績等に生じる影響は次のとおりであります。
(繰延税金資産)
当社は、繰延税金資産について、将来の事業計画に基づく課税所得の金額に基づき算出しております。繰延税金資産の金額は、今後の事業年度における課税所得が見積りと異なった場合や、見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、繰延税金資産を減額し、税金費用を計上する可能性があります。
第12期事業年度(自 2020年9月1日 至 2021年8月31日)
(売上高)
売上高は、前事業年度に比べ645,754千円増加して3,606,449千円(前期比21.8%増)となりました。これは主に、2020年8月期に稼働した厚生労働省のHER-SYSの追加受注により1,382,843千円、メタバース基盤の売上高が329,869千円増加した一方、株式会社北國銀行の法人クラウドバンキング開発案件の終了により、当該案件に関連する売上高が1,136,893千円減少したことによるものであります。
(売上原価、売上総利益)
売上原価は、前事業年度に比べ617,647千円増加して2,299,107千円(同36.7%増)となりました。これは主に、事業規模の拡大に伴い、各種ソフトウエアライセンスの利用に係る費用や業務委託費が増加したことによるものであります。
以上の結果、売上総利益は前事業年度に比べ28,107千円増加して1,307,341千円(同2.2%増)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
販売費及び一般管理費は、前事業年度に比べ48,603千円増加して、989,855千円(同5.2%増)となりました。これは主に、上場準備に係る費用の増加によって支払報酬料が66,089千円増加した一方、バックオフィスの人員数の減少により、給与及び賞与が45,149千円、減価償却費が24,567千円、地代家賃が1,549千円減少したことによるものであります。
以上の結果、営業利益は前事業年度に比べ20,496千円減少して317,485千円(同6.1%減)となりました。
(営業外損益、経常利益)
営業外収益は1,844千円(同148.3%増)となりました。これは主に、補助金収入の増加によるものであります。また、営業外費用は、4,441千円(同57.7%減)となりました。これは主に、借入金の返済による、支払利息の減少によるものであります。
以上の結果、経常利益は前事業年度に比べ13,342千円減少して314,888千円(同4.1%減)となりました。
(特別損益、当期純利益)
特別損失は0千円で、特別利益はありませんでした。また、法人税等は、前事業年度に比べて27,867千円増加して118,675千円(同30.7%増)となりました。
以上の結果、当期純利益は前事業年度に比べ53,433千円増加し196,212千円(同37.4%増)となりました。
第13期第3四半期累計期間(自 2021年9月1日 至 2022年5月31日)
(売上高)
当第3四半期累計期間における売上高は6,771,527千円となりました。これは主に厚生労働省向けシステムの利用ユーザー数が増加したことでリセール売上高が1,725,958千円、マネージドサービス売上高が1,360,793千円まで伸びたこと、また、自動架電サービスの利用が増加し、これによりSaaS売上高が3,003,314千円まで伸びたことによるものであります。
(売上原価、売上総利益)
当第3四半期累計期間における売上原価は4,179,585千円となりました。これは厚生労働省向けシステムの利用ユーザー数増加に伴いインフラを強化したこと、また自動架電サービスの利用増加に伴い仕入が増加したことで増額した、Azure・Twilio・業務委託費等の制作原価、ライセンス利用料によるものであります。この結果、売上総利益は2,591,941千円となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当第3四半期累計期間における販売費及び一般管理費は976,986千円となりました。主に新卒採用を中心とした採用数の増加に伴い増額した人件費、認知率・早期率向上を目指したマーケティング強化により増額した広告宣伝費等によるものであります。この結果、営業利益は1,614,955千円となりました。
(営業外損益、経常利益)
当第3四半期累計期間にいて営業外収益が11千円、営業外費用が2,282千円発生しております。この結果、経常利益は1,612,683千円となりました。
(特別損益、四半期純利益)
当第3四半期累計期間において特別損益の計上はなく、法人税等を613,712千円計上した結果、四半期純利益は998,970千円となりました。
財政状態の分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 ②財政状態の状況」をご参照ください。
キャッシュ・フロー状況の分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 ③キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
当社は「第2 事業の状況2 事業等のリスク」に記載のとおり、事業展開や外部環境、事業運営等、様々なリスク要因が当社の経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。
そのため、当社は常に業界動向や外部環境を注視しつつ、優秀な人材を確保し市場ニーズに適合したサービスを展開していくことにより、これらのリスク要因を分散・低減し、適切に対応を行ってまいります。
当社の運転資金需要の主なものは、事業の拡大に伴う人件費、Microsoft Azureの利用に対する手数料及び当社のサービスを向上させるためのシステム維持費等の営業費用であります。現時点で予定されている重要な資本的支出はありません。事業上必要な資金は手許資金、金融機関からの借入及び新株発行等により資金調達していく方針でありますが、資金使途及び需要額に応じて柔軟に検討を行う予定であります。
当社を取り巻く現在の環境は、DXニーズの加速やニューノーマルに対応する新しい需要が創出される状況など、クラウド市場が拡大する方向にあると認識しております。当社の企業理念は、「Technology to FIX your challenges. あなたのチャレンジをテクノロジーで成就する」でありますが、今後も顧客企業や外部環境の変化を適切にとらえ、クラウドのメリットを最大限に活かした新サービスの提供と、ストック型ビジネスの拡大を軸に事業の成長を図ってまいりたいと考えております。その実現に向け、当社の高い技術力を活かした短期間・低コストの開発体制を更に強化する方針であります。今後、当社が更なる事業拡大を図るために、「第2 事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載した様々な課題に対して、弛まぬ努力をもって対処していく方針であります。
当社は、経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標として、収益獲得の効率性の向上を実現するための一人当たり売上高、売上高の継続的かつ累積的な増加を実現するための契約社数、最新技術を積極的に取り込む風土と行動力を競争力の源泉とするための社員平均年齢、収益性の向上を実現するための事業ごとの利益率を重要な経営指標と位置づけております。
一人当たり売上高については、当第3四半期累計期間において42,351千円となっており、今後ソフトウエア開発の自動化の推進により増加させていく方針であります。
契約社数については、2022年7月31日時点において90社となっておりますが、今後積極的な広告宣伝による知名度向上により増加させていく方針であります。
社員平均年齢については、2022年7月31日時点で28.3歳となっており、社員数が増加する今後においても、新卒採用を重視した開発人員強化に取り組み、平均年齢20代を維持し続けることを目標としております。
事業ごとの利益率については、当第3四半期累計期間においてプロジェクト型サービス38.9%、リセール23.4%、マネージドサービス55.6%、SaaS 38.9%となっております。今後、マネージドサービスにおいては、cloud.config上に様々な共通機能・サービスを搭載、オンデマンド型で提供できるよう進化させることで改善していく方針であります。また、SaaSにおいては、自動架電サービス・メタバース基盤の継続的なサービス改善・顧客層の拡大を通じて改善する方針であります。
(注)CSP(Cloud Solution Provider)契約とは、マイクロソフト社がシステム開発事業者向けに実施している、業務用クラウドサービスの再販売制度で、マイクロソフトクラウド製品を自社サービスに組み込んで販売することができる契約を指します。
該当事項はありません。