文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
当社は、ビジョンとして「時代の顔を創る」を掲げ、この企業理念のもと、日々複雑に変化する市場に対し「価値のある商品の提供」を通じ当社でしか出来ない事にチャレンジし、それぞれが「その時代の記憶となる商品」の提供、並びに、そのユニークな発想とグローバルな視点から新たなライフスタイルの創造の世界への発信に取り組んでおります。ストラテジーとしては「プレミアムラグジュアリーブランドの創造」を掲げ、ハイエンドに向けてプレミアムライフスタイルを提供するブランドの創造を図ることでビジョンの実現に取り組んでおります。
また、当社は、「ゴルフに、自由を」をミッションとして、ゴルフという伝統的なスポーツに革命を起こすべく、当社の強みである高いクリエイティブと自由な発想を通じゴルフの自由化を進めます。そのマインドはファッションだけに留まらずリニューアルしたスポーツとして社会に訴求し「ゴルフに、自由を」というメッセージを、日本からアジアへ、そして世界へ発信してまいります。
企業価値を継続的に拡大することが重要であると考え、売上高、売上総利益及び営業利益を重要な経営指標としております。下記「(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」を解決することにより、これらの指標の向上を図ってまいります。
当社の経営に影響を与える大きな要因としては、市場動向、経済情勢等に加え、当社の取り扱う商品であるゴルフ関連の衣料品及び雑貨等に関連するものとして、ゴルフマーケットやパーソナルラグジュアリー市場(※)の動向があります。
株式会社矢野経済研究所「2023年版ゴルフ産業白書」(2023年8月25日発行)によれば、日本国内における2023年のゴルフ用品・ウェア市場規模は、約1,600億円と前年比では1.7%増の見込、Arizton Advisory & Intelligence「GOLF PRODUCTS MARKET GLOBAL OUTLOOK & FORECAST 2020−2025」(2019年12月発表)によれば、世界全体における2021年のゴルフ用品・ウェア市場規模は、約69.5億米ドルと前年比では3.2%増見込の状況にあり、新型コロナウイルス感染症の影響で、一時的に減速したものの、改めてゴルフは密を回避しながらプレーできるスポーツとして再注目されており、今後もゴルフ用品・ウェア市場は成長していくものと想定しております。
このような市場の状況の中で、新規にゴルフ用品・ウェア市場に参入する業者も増加傾向にありますが、富裕層に向けたゴルフ関連の衣料品及び雑貨等に関する専業ブランドとしてのMARK&LONAが構築してきたブランド力は一朝一夕に生み出すことができるものではなく、新規参入業者や従前からゴルフ用品・ウェアを展開している他社との間においての競争優位性を保持できているものと認識しております。
また、Euromonitor International Ltd.より取得したデータ(2022年7月発表)によれば2021年のパーソナルラグジュアリー市場規模は、日本国内では約3兆140億円と前年比では10.8%増、世界全体では約3,496億米ドルと前年比16.5%増と年々成長しており、今後もパーソナルラグジュアリー市場は成長していくものと想定しております。
当該市場の状況の中で、当社におきましては、店舗展開やEC展開を通じた顧客基盤を構築し、国内外における卸売基盤を整備することで、下記「(4) 中長期的な会社の経営戦略」の実現に向けて事業活動を進めております。
(※) パーソナルラグジュアリー市場:デザイナーアパレルとフットウェア、ラグジュアリーアイウェア、ラグジュアリージュエリー、ラグジュアリーレザーグッズ、ラグジュアリーポータブルコンシューマーエレクトロニクス、ラグジュアリー時計、ラグジュアリーステーショナリー、スーパープレミアムビューティーとパーソナルケアを対象とした市場
当社は、これまで日本・韓国を中心に創り上げてきたブランディングを武器に、それをより強固なものとし、D2C(※1)とDX(※2)を極めた次世代アパレルの理想形を目指してまいります。
具体的には、ブランディングの一層の追求と売上・利益拡大の両立を実現すべく、当社の強みでもあるクリエイティビティ(※3)の向上と、デジタルマーケティングによる顧客接点の強化(※4)を通じたECチャネルを主とした国内外での新規売上の増大、過去のデータ分析に基づく需給予測を通じた枯渇感の醸成による商品のプロパー消化比率(※5)の向上、を以下の戦略により実現してまいります。
(※1) D2C:Direct to Consumerの略。自ら企画、生産した商品を広告代理店や小売店を挟まず、消費者とダイレクトに取引する販売方法。
(※2) DX :Digital Transformationの略。企業が外部エコシステム(顧客、市場)の破壊的な変化に対応しつつ、内部エコシステム(組織、文化、従業員)の変革を牽引しながら、第3のプラットフォーム(クラウド、モビリティ、ビッグデータ/アナリティクス、ソーシャル技術)を利用して、新しい製品やサービス、新しいビジネス・モデルを通して、ネットとリアルの両面での顧客エクスペリエンスの変革を図ることで価値を創出し、競争上の優位性を確立すること。
(※3) クリエイティビティはターゲティング、アイデア、デザイン、人材という各要素をデジタルに連携させ、クリエイティブな商品を生み出すための一連の活動をいい、当社のブランディングを支える強みであります。ターゲティングについては、富裕層や次世代向け等、デジタルを駆使した細かなターゲティングを行います。アイデアについては、クリエイティブディレクターである代表取締役社長CEO松村智明を中心にストーリー性のあるテーマを毎シーズン打ち出し、幅広いジャンルにおけるコラボレーションをしながらアイデアを創出しております。デザインについては、ゴルフというマーケットにおいて革新的なスカルアイコンをはじめとした先鋭的で独創的なデザインや、商品のリメイクや環境にも配慮した素材活用を通じたサステナブルでエシカルなデザイン等、見た目に映るデザインだけではなく、ストーリー性のあるアイデアを具現化し市場に向けて提案しております。以上の一連の活動を支える人材面については、ターゲティング結果、アイデアやデザイン等を常に共有できる仕組みをクラウド上に構築し、経験豊富なクリエイティブチームにより高いデザイン力を発揮できる体制を構築しております。
(※4) デジタルマーケティングによる顧客接点の強化については、認知訴求、顧客体験の強化、ロイヤル化を通じて実現しております。認知訴求については、当社アンバサダーの露出やWebマーケティング、各種SNSマーケティングにより、当社の認知を高めております。顧客体験の強化については、当社ECサイトへ流入してきた潜在的顧客に対してバーチャルショップ(Web上で当社の店舗を3Dで表現したショップ)での店舗への擬似訪問体験、UI(ユーザーインターフェースの略。ユーザーとの間に現れるサービスや製品の外観のこと)/UX(ユーザーエクスペリエンスの略。ユーザーが製品やサービスを通して得られる体験や経験のこと)の向上により、当社の商品への興味関心を創出しております。ロイヤル化については、当社商品を購入した顧客に対してExclusive Memberとしての当社会員制度の提供、公式アプリでの継続したコンテンツの配信、リターゲティングとして広告やメールマガジンの継続的な配信を通じて顧客化を推進しております。
(※5) プロパー消化比率:販売した商品のうち定価で販売した商品の割合。大量生産は大量の在庫、廃棄を生み、利益率は下がる傾向にあるため、当社では過去のデータ分析を通じて需給を見込み、高い在庫回転率を実現、値下げを極力せずに高収益率を実現するとともに、枯渇感を適度に醸成しながらブランド価値を高めております。
海外に向けたアプリや動画配信等デジタルを中心とした戦略的なマーケティング投資を通じ、GLOBAL EC(越境EC)での顧客獲得と販売拡大を図り、また、WEB上での展示会開催やSNS等のデジタルB2Bツールを駆使し、海外WHOLESALE(卸売)展開を通じ世界各国でのマーケティング強化を図り、グローバルチャネルの確立を図ってまいります。また、オフライン(実店舗)・オンライン(EC)の販売チャネルの融合を図り、集客・販売力の強化を図るため、GLOBAL ECの購買データを活用し、海外におけるOMO(※6)STORE候補地を選定、海外展開し顧客接点の構築を強化してまいります。
(※6) OMO:Online Merges with Offlineの略。オンラインとオフラインを融合させて、新たな顧客体験を生み出すこと。
MARK&LONAブランドを世界に向けて発信するとともに、強固なブランドのポジションを築くため、ラグジュアリーブランドにふさわしい路面店や大型店舗の出店開発を行ってまいります。また、富裕層や次世代等顧客のライフスタイルや多様性に対応したGENERAL、CODE、ALARMといったMARK&LONAブランドとしてのカテゴリーを強化し、新規ジャンルの開拓を進めてまいります。
当社のクリエイティブを軸として、世界の優れた企業やブランドとコラボレーションを行い、新規カテゴリーの開発として環境に配慮したサンケア等コスメ関連商品や、アイウェアなどの展開してまいります。
クリエイティビティ、デジタルマーケティング、データアナリティクスといった、当社の強みを支え、戦略を遂行していくための人材を積極的に採用するとともに、人材育成を進めてまいります。
商品の品質管理には万全の体制を敷いていますが、予測しえない品質上のトラブルや製造物責任に起因する事故が生じた場合は、企業イメージが損なわれ、当社の経営成績に影響を及ぼす可能性があるため、企画・生産管理業務を中心とした商品開発プロセスの継続した改善を行ってまいります。仮に、品質管理上の問題が生じた場合には、事実の徹底究明と法令等に準じた対応を速やかに進めてまいります。
② 海外事業について
当社ブランドを世界に認知させていくことを目的として、グローバルな視点でマーケティングを展開していく必要があり、海外ECの展開、新規出店や販売パートナーの開拓等、海外における事業展開を進めてまいります。
中期的な事業計画の骨子の一つとして、新規出店計画を策定しておりますが、商業施設や百貨店が店舗展開方針を変更するなどの事情により、計画に沿って新規出店を行うことができない場合は、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があるため、出店候補地周辺の商圏環境や立地条件、店舗損益予測等の分析を行いつつ、期間限定のポップアップストアの展開を通じて消費者の動向を把握しながら、主要都市の商業施設・百貨店や路面店に集中的に出店し、アセットライトに利益体質化を実現してまいります。
適切にビジネスを展開していくために、当社ブランドを理解した人材育成と、継続的な採用を進めてまいります。
当社は、現時点において財務上の課題は認識しておりませんが、継続的かつ安定的な事業の拡大を図る上では、手許資金の流動性確保や金融機関との良好な取引関係が重要であると考えております。このため、一定の内部留保の確保や費用対効果の検討による各種コストの見直しを継続的に行うことで、財務基盤の強化を図ってまいります。
当社のサステナビリティに関する考え方及び取り組みは、次のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
サステナビリティに関する重要事項の意思決定については、リスク・コンプライアンス委員会において審議され、重要事項は取締役会に報告されます。詳細につきましては、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等」に記載しております。
当社ではサステナビリティを、当社が掲げるビジョン「時代の顔を創る」取り組みそのものと位置づけます。その上で、ビジョンを実現していく戦略である「プレミアムラグジュアリーブランドの創造」の一環として、人、環境、社会に対する取り組みを推進していくことを、サステナビリティ方針といたします。具体的な取り組みは、次のとおりです。
「人を創る」:ダイバーシティ推進・自律型人材の育成・エンゲージメント向上をテーマに、人材育成方針と社内環境整備方針を定め、経営戦略と人事戦略を一体的に運用し、持続可能な成長に向けて人を基軸においた経営を推進してまいります。
「環境を創る」:ブランディング・イノベーションとして、大量生産と大量廃棄をしないことをブランドポリシーとし、プロダクトの枯渇感を適度に醸成しながらブランド価値を高めてまいります。プロダクト・イノベーションとして、サステナビリティをテーマにしたプレミアムライフスタイル訴求の商品展開を進めてまいります。
「社会の未来を創る」:当社は、「ジャパンメイド」を担う一員として、アーティストや企業とのコラボレーションによりブランド価値を創造し、日本のものづくりを盛り上げる活動を積極的に展開してまいります。また、社会への取り組みの一環としてチャリティを積極的に実施してまいります。
なお、「人を創る」の一環である、人材育成及び社内環境整備に関する方針は、以下の通りです。
(人材育成方針)
当社は、成長戦略の実現に向け、グローバル人材、プロフェッショナル人材を中核人材に位置づけ、「ダイバーシティ推進」「自律型人材の育成」に取り組んでまいります。その取り組みへの評価指標として、女性管理職比率と本社自主研修受講率を定め、具体的な取り組みとしては、多様な人材の採用、職場環境の整備や、実際の業務におけるOJT指導、店舗・本社における各種研修等の実施に加え、E-learning研修の設置により、各自が自律的に学べる機会の提供を行ってまいります。
(社内環境整備方針)
当社は、安全衛生管理体制構築や長時間労働モニタリングを通じ、心理的安全性が確保され、生き生きと働きがいを持って社員が業務に従事できる環境を整備し、エンゲージメントの向上に努めてまいります。その指標として、時間外労働平均時間数と年次有給休暇取得率を定めてまいります。
当社はリスク・コンプライアンス規程を制定し、社長を委員長とする社内横断的なリスク・コンプライアンス委員会を設置し、リスク管理を行っております。詳細につきましては、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等」に記載しております。
当社では、人材育成方針と社内環境整備方針に関する指標及び目標を、以下の通り定めてまいります。
当社の事業に関し、経営者が投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると認識しているリスク事項には以下のようなものがあります。当社は、これらのリスク可能性を十分に認識したうえで、発生の回避、発生した場合の対応に努める方針です。
当社のリスク管理体制に関しましては、「4 コーポレート・ガバナンスの状況等、(1)コーポレート・ガバナンスの概要、② 企業統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由、(リスク・コンプライアンス委員会)」に記載のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであり、当社に関する全てのリスクを網羅したものではありません。
当社は、当社商品の特徴であるハイエンド向けラグジュアリーブランドによる事業展開を行っており、景気や個人消費、ゴルフ市場の動向が、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。特に、当社のゴルフ関連の衣料品及び雑貨等は、今後日本国内においては人口減少に向かうことが予想されており、ゴルフ人口が減少に転じた場合には当該影響を受ける可能性があり、このようなリスクがすぐに顕在化する可能性は低いものの、リスクは常に存在すると認識しております。
当社では敢えて過度な出店は行わず、当社商品の特徴であるハイエンド向けラグジュアリーブランドとしての個性を表現できる国内及び一部のアジア地域の主要都市の商業施設や百貨店、路面店への限定した出店により在庫リスクを低減し、また、国内向けECサイトであるMARK&LONA公式オンラインストアとグローバル向けECサイトであるMARK&LONA World Marketの2つのサイトを展開しており、D2C(Direct to Consumer)ビジネスにより在庫消化率の更なる向上を目指すことで、景気や個人消費、ゴルフ市場の動向による影響を軽減してまいります。
当社商品が、消費者のニーズ又は嗜好の変化等に対応できないこと、その提供する商品の訴求力向上を図れないことによって、当社の競争力を維持できなくなる可能性があり、このようなリスクがすぐに顕在化する可能性は低いものの、リスクは常に存在すると認識しております。
当社では常にマーケットの状況をリサーチし、それに応じた商品開発を迅速に実現していくことで、また、業界の常識にとらわれない斬新な視点で寧ろ消費者の嗜好をリードしていくような商品開発に努め、上記リスクの低減を図っております。
当社の事業領域であるゴルフ関連の衣料品及び雑貨等業界は、将来の成長が期待される業界であるため、国内外の事業者がこの分野に参入してくる可能性があります。今後において十分な差別化等が図られなかった場合や、新規参入により競争が激化した場合には、当社の業績に一定の影響を及ぼす可能性があり、このようなリスクがすぐに顕在化する可能性は低いものの、中長期的に顕在化する可能性があると認識しております。
当社は、国内及び一部のアジア地域においては、当社商品の特徴であるハイエンド向けラグジュアリーブランドとしての差別化を追求し、また、それを加速すべく当社ブランドのアンバサダー等を通じて国内外市場での認知度を更に高めてまいります。
当社商品は、これまでは国内卸や国内店舗を中心に顧客へアプローチしてきましたが、幅広い顧客開拓にむけてグローバルマーケットへの展開も進めております。それらの市場規模は大きく、販売機会の拡大に取り組んでまいりますが、これらの事業活動におきましては取り巻く環境の急激な変化その他要因によって期待通りに拡大しない場合、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。
当社としては、グローバル向けECサイトを立ち上げるとともに、CRM(※1)ツールを活用したデジタルマーケティングを中心として国内外の顧客へアプローチし、D2C(Direct to Consumer)ビジネスという形で展開することでリスクの低減とともに新たなグローバル市場の開拓に努めてまいります。
(※1) CRM:Customer Relationship Managementの略。顧客の情報を収集・分析して、最適で効率的なアプローチを行い、自社の商品やサービスの競争力を高める経営手法。
当社は、韓国を中心とした海外市場において事業を推進しており、海外売上高比率は、2023年12月期において、当社の販売金額の35.8%となっております。日韓の政治・外交問題等により、我が国とこれらの国との間の関係が悪化した場合、取引機会の縮小等により、当社の事業展開及び業績に一定の影響を及ぼす可能性があります。また、海外における事業展開において、海外における当社の事業に係る法規制等の成立・改正が行われた場合、政治情勢により事業運営に支障をきたす事態が生じた場合、自然災害や伝染病などが発生した場合、急激な為替変動や為替制限が行われた場合には、当社の事業展開及び業績に一定の影響を及ぼす可能性があり、このようなリスクがすぐに顕在化する可能性は低いものの、リスクは常に存在すると認識しております。
当社は、海外展開のリスクに関して、迅速な情報収集と適切な対応を検討するリスク管理体制を構築し、リスクの軽減を図っております。
韓国における当社商品の販売は、JC FAMILY CO., LTD.を総代理店として展開しており、当該販売先への販売金額は、2023年12月期において、当社の販売金額の29.3%となっております。当該販売先の業績の悪化、政策の変更等により取引が減少した場合、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社としましては、当該販売先との緊密な関係を構築する一方で、韓国以外の海外エリアでの事業展開を加速し、販売チャネルのグローバル化を進めることで特定販売先への依存のリスクを低減してまいります。
当社が保有する知的財産権について、第三者の知的財産権に抵触しないよう細心の注意を払っており、これまで第三者から侵害訴訟を提起されたことはなく、知的財産権の侵害を行っていないと認識しております。しかしながら、第三者の知的財産権の状況を完全に調査することは極めて困難であり、知的財産権侵害とされた場合には、損害賠償の請求、当該知的財産権の使用に対する対価の支払いまたは商品の販売停止等が発生する可能性があり、また、当社の知的財産権が不正目的で使用されたり、外部に模倣された場合には、当社の事業運営に支障をきたす可能性があり、その際には当社の業績に一定の影響を及ぼす可能性があります。
このようなリスクが顕在化する可能性は低いものの、リスクは常に存在すると認識しております。
当社は、商品企画の段階において顧問弁理士と連携し、第三者の知的財産権を侵害しないよう配慮してリスクの軽減を図っております。
当社の基幹システムや事業運営上利用している各種クラウドサービスは、地震等の自然災害、電力不足、停電、通信障害、テロ等の予見し難い事由により、停止等の影響を受ける可能性があります。また、コンピュータクラッキング(※2)、コンピュータウイルス、人的過失及び顧客企業等の偶発的或いは故意による行為等に起因するサービスの中断も、当社の事業運営を妨げる可能性があります。これにより当社の信用失墜又は事業機会の逸失が生じた場合には、当社の経営成績及び財政状態に大きな影響を及ぼす可能性があり、このようなリスクが顕在化する可能性は低いものの、リスクは常に存在すると認識しております。
当社は、これらのシステムやサービスを安定的に運用するためのシステム運用管理体制を整備し、システムの稼働状況の監視、バックアップ、外部からの不正アクセスやコンピュータウイルスの侵入防止のシステム的な対策等を実施して、障害発生の未然防止と障害発生時の影響最小化に努めております。
(※2) クラッキング:コンピュータネットワークに繋がれたシステムへ不正に侵入したり、コンピュータシステムを破壊・改ざんするなど、コンピュータを不正に利用すること。
当社では、業務上、個人情報その他さまざまな機密情報を顧客より受領する場合があります。
当社が取り扱う機密情報及び個人情報について、漏えい、改ざんまたは、不正使用等が生じる可能性が完全に排除されているとはいえず、何らかの要因からこれらの問題が発生した場合には、顧客からの損害賠償請求や信用失墜等により、当社の業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。このようなリスクが顕在化する可能性は低いものの、リスクは常に存在すると認識しております。
当社は、情報セキュリティに関連する各種規程類を整備するとともに、外部からの不正アクセス、コンピュータウイルスの侵入防止等についてシステム的な対策を講じて情報セキュリティ事故の未然防止に努めております。
また、個人情報保護法への対応を推進し、プライバシーマークを取得して個人情報マネジメントシステムに則り、安全管理に努めております。
当社は、商品や商品サンプルの製造を外部委託し、製造の外部委託先は、そのパートナー企業から部材及び商品の供給を受けております。しかしながら、外部委託の要因による商品の品質不備が発生したり、そのパートナー企業の経営不振等により当社が委託した商品の供給が困難になった場合、当社商品のブランドイメージの毀損や販売機会の喪失に伴い、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。
そのため、製造を委託した商品の品質を確保するため、商品企画段階におけるリスクの検討や納品前の専門業者による検品を徹底し、また、複数の製造委託先の確保によりリスクの低減を図っております。
当社の事業展開においては、需要の急変や、市場への商品投入のタイミングを誤った場合には、販売数量の見込みに相違が生じ、滞留在庫が発生する可能性があります。そうした場合、棚卸資産の評価損を計上することとなり、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
このようなリスクを低減するため、システムや営業倉庫を活用したタイムリーなロケーション間の在庫移動等により、店舗及び国内外向けECサイト等の複数の販売チャネルでの流通量のコントロールを図ることで在庫消化率の更なる向上を目指してまいります。
当社は、直営店の内装、事業目的に使用する設備等の固定資産を保有しております。これらの固定資産から生み出されるキャッシュ・フローが、継続的にマイナスであり、投資額の回収が困難となった場合には、減損損失が発生し、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、敢えて過度な出店は行わず、主要都市の商業施設や百貨店、路面店を中心とした出店や期間限定のポップアップストアの展開により結果としてリスクの軽減につながっております。
当社は、商業施設、百貨店を中心に店舗を展開しております。そのため、商業施設や百貨店における集客力の変化により影響を受ける可能性があり、集客力が低下した場合不採算店舗が発生する可能性があり、その結果、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社における新規出店形態は、既存の商業施設や百貨店、路面店におけるテナント入れ替えによるため、商業施設や百貨店、路面店の所有者が店舗展開方針を変更するなどの事情により、計画に沿って新規出店を行うことができない場合があり、その結果、当社の経営成績及び財政状態並びに事業展開に影響を与える可能性があります。
当社は、商品の企画から販売まで行っているため、これらに精通した経験豊富で有能な人材の確保と育成が重要な課題になります。当社が必要とする人材の確保が計画通りに進まずに事業上の制約要因になる場合には、当社の事業展開及び業績に一定の影響を及ぼす可能性があり、このようなリスクが中長期的に顕在化する可能性があると認識しております。
当社は、今後も事業規模の拡大に応じて、新卒採用に加え、専門技術や知識を有する優秀な人材の中途採用に努めるとともに、教育制度の充実、人事評価制度の見直し、労働環境の整備など、従業員の働きがいを向上させる取り組みを強化していく方針です。
当社の創業者である代表取締役社長CEO松村智明は当社事業における豊富な経験を有し、創業以来当社事業を牽引し、大きく成長をさせてまいりました。現在も当社の経営戦略、各事業の連携、組織運営の推進において重要な役割を担っております。しかしながら、何らかの理由により、同氏が当社の業務を継続することが困難になった場合、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があり、このようなリスクが中長期的に顕在化する可能性があると認識しております。
当社においては、以前より組織体制の整備、業務の標準化、及びマネジメント機能の強化を図るなど、経営者に過度に依存しない体制の確立に努めております。
大規模な地震等の自然災害や事故など、当社による予測が不可能かつ突発的な事由によって、事業所・店舗等が壊滅的な損害を被る可能性があり、想定を超える自然災害が発生した場合は、当社の事業活動が制限され、業績に影響を及ぼす可能性があります。当社が直接被災しない場合であっても、事業パートナー等の被災により、間接的に損害を被る場合もあります。また、災害等の発生によって、電力等の使用制限による社会インフラ能力の低下、個人消費意欲の低下といった副次的な影響により、当社の事業活動の抑制につながる可能性があり、当社の業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。このようなリスクについて予見することは困難であり、リスクは常に存在すると認識しております。
当社は、このような自然災害に備え、新耐震基準を満たしたオフィスや主要都市の耐震性の高い商業施設・百貨店への入居、従業員安否確認手段の整備、オフィスでの備蓄食料・生活物資の確保等を実施し、リスク低減を図っております。
新型コロナウイルスをはじめとする感染症が拡大・蔓延した場合には、消費者の購買機会の喪失、市場の環境悪化を背景とした顧客企業の新規購買抑制等により、受注の減少、売上の減少や利益率の低下、回収サイトの長期化等が発生した場合には、当社の経営成績及び財政状態等に悪影響を及ぼし、成長スピードが鈍化する可能性があります。また、当社役職員に感染者が出る可能性を完全に排除することは困難であり、社内での感染拡大が発生した場合は、商品開発や商品リリースの遅延等、事業運営の一部に支障をきたす可能性があります。新型コロナウイルス感染症については収束傾向にありますが、今後も類似の感染症が発生する可能性はあり、現在においてリスクを定量化することが困難でありますが、このようなリスクが顕在化する可能性は今後も十分にあると認識しております。
当社では、このような感染症が発生した場合には、政府の方針等を踏まえて、在宅勤務や時差出勤、リモート会議の推奨等、事業運営に極力支障が生じない体制を構築するなど、感染防止に向けた対策を講じてまいります。また、リスクを想定した資金管理を行い予期しない事態の発生に備えるなど、影響の最小化に向けて取り組んでおります。
当社は、業績の推移を見据え、将来の事業の発展と経営基盤の強化のための内部留保を確保しつつ、経営成績や配当性向等を総合的に勘案し、配当を検討することを基本方針としており、株主に対する利益還元を経営上の重要課題と認識しておりますが、当面の間は内部留保の充実を図り、収益力強化のための投資に充当することが株主に対する最大の利益還元につながるものと考え、創業以来配当を実施しておりません。将来的には、各事業年度の経営成績を勘案しながら株主への利益還元を検討していく方針ですが、現時点において配当実施の可能性及びその実施時期等につきましては未定であり、持続的な成長に向けた投資を戦略的に実行する場合や当社の事業が計画通り推移しない場合など、配当を実施できない可能性があります。なお、その時期は想定されるものではなく当該リスクが短期的に顕在化する可能性は低いと想定しております。
本書提出日現在において、当社は、当社の議決権を35.8%所有するエヌエックスシー・ジャパン合同会社(2016年5月にNXC Corporationグループが日本において世界に通用する先端技術・ブランドへの投資活動を行うことを目的に、東京精密合同会社として設立し、その後、2018年6月に社名をエヌエックスシー・ジャパン合同会社へ変更)を含むNXC Corporationグループに属しており、NXC Corporationは当社のその他の関係会社に該当いたします。NXC Corporationグループは、韓国を拠点に、社会に良い貢献・影響力を与える、世界中の革新的な起業家や企業を資金・経営面でサポートすることを目的に、投資事業を行っており、そのなかで当社は、持分法適用会社として属しておりますが、当社取締役会の承認事項に関して特別な取り扱いを定めた契約等は締結しておらず、当社の取締役会の独立性は確保されております。なお、NXC Corporationグループによる現状の当社への投資方針としては、当面の間は上場時の株式比率を維持していく方針です。
2020年12月期以降、本書提出日に至るまで当社とNXC Corporationグループとの取引はございません。ただし、NXC Corporationグループの事業方針等により取引条件の変更が生じた場合、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、当社株式の流動性の確保に努めることとしておりますが、株式会社東京証券取引所の定める流通株式比率は当事業年度末時点において26.0%であります。
今後は、当社主要株主等への一部売出しの要請、ストックオプションの行使による流通株式数の増加、従業員持株会による定期的な株式買付等により流動性の向上を図っていく方針ではありますが、何らかの事情により上場時よりも流動性が低下する場合には、当社株式の市場における売買が停滞する可能性があり、それにより当社株式の需給関係にも悪影響を及ぼす可能性があります。
(資産)
当事業年度末の資産合計は、4,507,954千円となり、前事業年度末に比べ111,125千円(2.4%)減少いたしました。
流動資産は、前事業年度末に比べ359,703千円(8.8%)減少し、3,719,419千円となりました。これは主に、2023年4月に新規開店した青山店、リニューアルオープンした阪急うめだ店、及び松坂屋名古屋店への設備投資、並びに法人税等の中間納付を行ったことにより、現金及び預金が427,321千円(13.1%)減少したこと、また、商品仕入が増加したことに伴い、商品が65,469千円(21.6%)増加したこと等によるものであります。
固定資産の残高は、前事業年度末に比べ248,578千円(46.0%)増加し、788,535千円となりました。これは主に、新店舗を開店、及びリニューアルしたことに関連する建物付属設備が184,608千円(152.0%)増加したこと、本社機能の拡大に伴って増床を行っていること等により、敷金及び保証金が36,050千円(19.0%)増加したこと、また、税効果会計適用における将来減算一時差異の増加により、繰延税金資産が23,378千円(24.4%)増加したこと等によるものであります。
(負債)
当事業年度末の負債合計は、646,619千円となり、前事業年度末に比べ301,998千円(31.8%)減少いたしました。
流動負債の残高は、前事業年度末に比べ349,911千円(39.7%)減少し、530,814千円となりました。これは主に、次年度の上半期シーズン向けの商品の前受代金の増加に伴い、契約負債が189,275千円(199.6%)増加し、自社商品不良の発生に伴い商品の自主回収を行っていることにより商品保証引当金が36,156千円(前事業年度は計上なし)増加したものの、前事業年度末に計上した韓国総代理店向けのリベートの支払等により、未払金が238,022千円(69.7%)減少したことに加え、前事業年度末に計上した未払法人税等の支払、及び当期は法人税等が還付となったことにより未払法人税等が311,980千円(100.0%)減少したことによるものであります。
固定負債の残高は、前事業年度末に比べ47,912千円(70.6%)増加し、115,804千円となりました。これは、新店舗を開店、及びリニューアルしたこと等により、資産除去債務が42,245千円(72.8%)増加したこと、退職給付引当金が5,666千円(161.9%)増加したことによるものであります。
(純資産)
当事業年度末の純資産の残高は、3,861,335千円となり、前事業年度に比べ190,873千円(5.2%)増加いたしました。これは、当期純利益190,873千円を計上したことにより利益剰余金が増加したことによるものであります。
この結果、当事業年度末における自己資本比率は、85.7%となりました。
当事業年度(2023年1月1日~2023年12月31日)における我が国の経済は、新型コロナウイルス感染症の5類移行により社会経済活動の正常化が進み、景気回復が期待されましたが、新たな地政学的リスクの顕在化と円安基調、それに伴った度重なる物価の上昇、原材料価格の高騰等、個人消費の回復には依然先行き不透明な状況が続いております。
当社の属する衣料品販売業界においては、行動制限が緩和され、人流は回復傾向にありますが、引き続き節約志向の高まりから慎重な購買行動が続いております。
このような状況の中、当社はオンライン・オフラインの双方から、国内外における販売強化に努めてまいりました。
これらの結果として、当事業年度における売上高は4,857,663千円(前期比12.6%減)となり、営業利益は289,208千円(前期比68.1%減)、経常利益は292,297千円(前期比67.5%減)、当期純利益は190,873千円(前期比68.7%減)を計上いたしました。
なお、当社は衣料品等の企画販売事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載はしておりません。
当事業年度末の現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、2,355,813千円と、前事業年度末に比べ427,329千円(15.4%)の減少となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とその要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は、177,847千円(前期は393,769千円の収入)となりました。これは主に、税引前当期純利益を292,297千円計上したことに加え、減価償却費68,175千円を計上し、春夏シーズン向けの商品の前受代金の増加に伴い契約負債が189,275千円増加したものの、商品仕入が増加していることに伴い商品が65,469千円増加し、法人税等の支払額を463,032千円計上したこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、250,119千円(前期比112,598千円増)となりました。これは主に定期預金払戻による収入480,016千円を計上したものの、定期預金の預入による支出480,024千円、店舗設備の取得等に伴う有形固定資産の取得による支出195,248千円、新規店舗の開店や新規本社オフィスの増床等により敷金の差入による支出を39,565千円を計上したこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金及び使用した資金はありません。
当社は生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。
当事業年度の仕入実績は次のとおりであります。なお、当社は、衣料品等の企画販売事業の単一セグメントであります。
当事業年度の販売実績は次のとおりであります。なお、当社は、衣料品等の企画販売事業の単一セグメントであります。
(注) 最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
当社の財務諸表はわが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に準拠して作成されております。この財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項につきましては、一定の会計基準の範囲内にて合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。
財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載しております。
当事業年度の経営成績につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② 経営成績の状況」に記載しております。なお、特に重要な指標の内容は以下のとおりであります。
(売上高)
当事業年度の売上高は、4,857,663千円(前期比12.6%減)となりました。前事業年度に引き続き、デジタル化の推進と海外展開の拡大に向けて、オフライン・オンラインの販売チャネルの融合、新規店舗の出店も含めた集客・販売力の強化を図り、国内リテール、国内EC、及び海外ECにおいて売上の拡大に努めております。また、韓国卸、海外卸、及び国内卸の各卸においても、特に海外卸における新規取引先の獲得等を進め、売上の拡大を図っております。当事業年度は、特に韓国においてコロナ禍におけるゴルフブームの過熱感が落ち着き、その影響から前年同期と比較して韓国卸の売上が減少したことを主として、売上高全体においても前年同期比と比較して減少しております。
当社の事業区分別の内訳は、次のとおりであります。
(売上総利益及び営業利益)
当事業年度の売上原価は、2,101,790千円(前期比19.8%減)となりました。商品の原価目標を設定した売上原価率の低減を徹底した結果、当事業年度は売上原価率43.3%となっております。この結果、当事業年度の売上総利益は、2,755,872千円(前期比6.2%減)となり、売上総利益率は56.7%となっております。また、当事業年度の販売費及び一般管理費は、2,466,664千円(前期比21.5%増)となりました。中長期的な成長に向け投資を行う中で、業容拡大に向け全社で人材採用を強化した結果として採用活動経費等の業務委託費用、給料手当、役員報酬が増加し、当社ブランド認知のさらなる向上やデジタル化の推進に向けての広告投資や、タレントやプロゴルファーの起用による魅力あるコンテンツ制作への投資をした結果として広告宣伝費が増加傾向にあります。また、新規店舗の出店に伴い地代家賃、及び減価償却費等が増加傾向にあります。さらに、自社商品不良の発生に伴い商品の自主回収を行っていることにより商品保証引当金繰入額を計上しております。この結果、当事業年度の営業利益は、289,208千円(前期比68.1%減)となりました。
また、上記指標の計画達成に向けて、事業運営上重要と考えている重要指標として、今後の事業拡大の主たる部分について、海外売上高及びEC売上高の増加を想定していることから、海外売上高比率とEC化率の上昇に取り組んでおりますが、前事業年度及び当事業年度の推移は以下のとおりであります。
(注) 1.海外売上高比率=(海外EC売上高+韓国卸売上高+海外卸売上高)÷売上高
2.EC化率=(国内EC売上高+海外EC売上高)÷売上高
財政状態につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要①財政状態の状況」に記載しております。
キャッシュ・フローの分析につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要③キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
これまでの当社の運転資金需要の主なものは、商品仕入のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものです。投資を目的とした資金需要は、主として国内出店・改装等の設備投資によるものです。
当社の運転資金及び出店資金については内部留保で賄っておりますが、外部からの資金調達が必要である場合には銀行借入による調達を行う方針です。
今後は国内出店・改装以外にも国内店舗・自社ECにおけるデジタル化、ICT化の推進、基幹システム整備、物流倉庫の自動化等を目的に設備投資を計画しておりますが、資本と有利子負債の最適配分を見極め、投下資本の効率的な活用を主眼とした事業運営を行ってまいります。
なお、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」に記載のとおり、現時点において財務上の課題は認識しておりませんが、継続的かつ安定的な事業の拡大を図る上では、手許資金の流動性確保や金融機関との良好な取引関係が重要であると考えており、資金繰りが悪化した場合においては銀行等の金融機関からの借入調達により資金の流動性確保に努めていく方針です。
当社の経営方針・経営戦略については「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (1) 経営方針」、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」及び「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4) 中長期的な会社の経営戦略」に記載のとおり、主な経営指標として売上高、売上総利益、及び営業利益を重視しております。当事業年度における各指標の計画比の達成率は以下のとおりであり、引続き計画達成に向けて対処すべき経営課題の改善を図りながら、経営戦略を推進してまいります。
なお、過去2事業年度における売上高、売上総利益、売上総利益率、営業利益、及び営業利益率、並びに補足情報としての在庫回転率の推移は以下のとおりであります。
(注) 在庫回転率=売上原価÷{(商品期首棚卸高+商品期末棚卸高)÷2}
該当事項はありません。