文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
当社は、ミッションとして、「Delight customers with innovation イノベーションで顧客を感動させる」を掲げております。当社は、宿泊施設に対し、「tripla Book」を基本とし、様々なサービスを提供しております。宿泊施設が、自社予約を増やすことで収益を増加させ、費用を削減し、生産性を高めるよう、宿泊業界のDX(デジタルトランスフォーメーション)を支える総合的なエコシステムを提供して参ります。
また、当社のCore Value(行動指針)として、7つを掲げております。特に、「Market-In for Customer Satisfaction」については、顧客にとって必要なものを開発するという思想を徹底し、新しいサービス・プロダクトの開発を進めております。世界15ケ国から集まった多様性が高い企業文化、多言語でのコミュニケーションを行いながら、ミッションの達成を追求いたします。

Core Value(行動指針)
マーケットイン思考を徹底し、顧客満足を常に追い求めます。市場が真に望むものを私達は提供します。
自らの担当領域は当然に自らが責任を持ちつつ、会社全体のために当事者意識を持って行動します。
行動し、行動により結果を出します。求められる結果は何かを常に考え行動します。
常に革新と改善を続けます。環境は変わり続けます。現時点における最善が今後も最善であるとは考えません。
常に学び、自分自身を成長させ続けます。チームに良い影響を与えることを約束し、チームも成長させ続けます。
効率よく、より少ないリソースでより多くのことを実現するチームを作ります。
謙虚、尊敬、信頼をバランスよく持ち、他者と接し、強いチームを作ることに貢献します。
①市場環境について
当社ホスピタリティソリューション事業と関連性がある宿泊旅行業界においては、コロナ禍による大きな打撃を受けて参りました。2020年10月期の延べ宿泊者数については、2019年の同月対比において、日本人宿泊者数は67.4%となり、インバウンドは32.5%となりました。また、2021年10月期の延べ宿泊者数については、2019年の同月対比において、日本人宿泊者数は63.3%となり、インバウンドは4.0%となりました。オミクロン株のまん延後、2022年3月から日本人宿泊者数は戻り、2022年4月以降はいずれも、2019年対比で80%を超えております。一方、インバウンドに関しては2022年10月期第3四半期累計期間においても2019年同月対比で4.5%と依然として低い状態が継続しておりますが、海外からの入国者数の上限を撤廃する等の政府の方針も踏まえ、徐々に宿泊需要が高まることを予想しております。これらの回復基調である経営環境、予想を踏まえて経営計画を立てておりますが、当該環境が変化した場合には、経営計画に影響を及ぼす可能性があります。当該リスクについては、「2 [事業等のリスク] 10 新型コロナウイルス感染症について」に記載のとおりです。
上記の宿泊者数の数値及び下図は、国土交通省観光庁「宿泊旅行統計調査」に基づいて記載しております。

②新型コロナウイルス感染症が当社の業績に与える影響について
Deloitteトーマツ「国内主要都市宿泊市場動向シリーズ 第一回」によると、客室稼働率は、コロナ禍前の2019年1月から4月に掛けて80%前後でしたが、これに対し、2022年1月~4月に掛けては40%~60%となっております。また、客室平均単価はコロナ禍前の2019年1月から6月に掛けて15千円前後でしたが、これに対し、2022年1月~4月に掛けては10千円前後となっております。
当社の取扱高/GMVは、宿泊部屋数と客室平均単価(ADR)の積により構成されております。また、宿泊部屋数は、販売可能客室数(注1)と客室稼働率(OCC: Occupancy Ratio)の積により構成されております。このうち、宿泊市場における客室稼働率と、客室平均単価が大きな影響を受けております。
なお、「tripla Book」は2019年7月に開始したサービスであり、コロナ禍の前は十分な導入施設数がなかったため、実績値による影響額の算定は困難です。2022年1月~4月の宿泊部屋数は67.4万部屋泊、客室平均単価は11千円、取扱高/GMVは7,650百万円です。
③市場規模について
コロナ禍の前である2019年の日本の宿泊市場の規模としては、6.5兆円です(e-Stat 政府統計の総合窓口よりデータ抽出)。また、同じく2019年の世界の宿泊市場の規模としては、166兆円です(statistaよりデータ抽出。2019年の1.52兆USDを為替レート109.05として算出いたしました。)。
④競争優位性について
当社が提供する「tripla Book」は類似サービスを提供する事業者が複数存在する業界であります。その中の当社の優位性としましては、拡張性の高さ、多機能であることにあると考えております。
(拡張性の高さ)
当社の「tripla Book」はクラウド型で提供しており、機能を開発後、速やかにローンチすることが可能です。開発速度としては平均30機能を月間でリリースしております。今後も、当社のCore Value(行動指針)である「Market-In for Customer Satisfaction」に基づき、当社の顧客、もしくは潜在的な顧客に対して徹底したヒアリングを行い、優先順位を付けた上で、求める機能の開発を進めて参ります。汎用的に使える機能の開発についてはすべて内製で開発する方針であります。
また、「tripla Bot」、「tripla Connect」等と連携しており、現在開発中の「tripla Page」、「tripla Analytics」等とも連携することにより、拡張性を高め、当社のミッションである「Delight customers with innovation イノベーションで顧客を感動させる」を実現して参ります。
(多機能)
単に予約をするのみでなく、「3 [事業の内容] (2) サービス概要」に記載のとおり、複数の機能があります。
⑤主要製品・サービスの内容について
当社の主要なサービスの内容につきましては、「第1 [企業の概況] 3 事業の内容 (2)サービスの内容」に記載しております。
⑥顧客基盤及び販売網について
当社は主に、宿泊施設向けにサービスを提供しており、宿泊施設からの問い合わせや当社からの提案等により、受注しております。
⑦新型コロナウイルス感染症における対応について
当社では、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止の取り組みとして、当社従業員を対象に、テレワーク(在宅勤務)制度を用意し、多くの従業員が利用しております。ビデオ会議ツールやチャットツールを利用することで、業務に支障は発生しておりません。また、出張を控えリモート会議を活用し、事業活動を継続しております。これらはコロナ禍が終了後も継続していく方針です。加えて、感染防止に関しての注意喚起を行うとともに、リスク発生時には迅速な判断・対応ができるような体制を整備しております。
(注)1.tripla Bookを導入している全施設において販売可能客な客室数合計を言います。
当社の営業収益は、2020年10月期から2021年10月期にかけて71.5%の成長率となっております。今後の成長戦略としては、現状提供している「tripla Book」、「tripla Bot」、「tripla Connect」、「tripla Pay」の導入施設数の拡大、取扱高/GMVの増加を行うことによる単価の向上を継続的に成長させることを重視して参ります。取扱高/GMVの増加については、経営環境にて記載しましたとおり、今後のコロナ禍からの回復も想定しております。導入施設数の拡大、取扱高/GMVと並行し、ミッションである「Delight customers with innovation イノベーションで顧客を感動させる」の実現のため、「tripla Book」、「tripla Bot」、「tripla Connect」、「tripla Pay」に加えて「tripla Page」、「tripla Analytics」、「tripla Channel」等の新サービスの開発も進めております。個々のサービスが収益を上げることはもちろんですが、tripla Pageを活用し、tripla Bookの契約施設数を増加する、tripla Connectやtripla Analyticsを用いて、顧客である宿泊施設の自社予約を増加させtripla Bookの収益を増加する等、tripla Bookを中心に各サービスが連携することで、顧客である宿泊施設の自社予約増加、収益最大化を図り、宿泊施設、当社の収益がともに最大化するWin-winのビジネスモデルを目指します。そのためにCore Value(行動指針)の体現に必要なエンジニア等を積極的に採用して参ります。
また、現在、台湾にて「tripla Book」、「tripla Bot」を提供しておりますが、中長期的にはAPAC(アジア太平洋地域)へ販路拡大を想定しております。このために、下記の対応を取って参ります。
PaypalやStripeといったグローバル決済の仕組みとの連携を行います。進出する地域にてグローバル決済事業者が事業展開していない場合には、ローカル決済の仕組みと連携を行う予定です。
決済通貨の設定や時差を踏まえた現地時間の対応が必要となり、開発して参ります。
顧客予約画面、管理画面等の多言語対応が必要であり、開発して参ります。
国ごとに異なる宿泊システムが存在しております。当該宿泊システムと空室在庫、料金等の連携を進めて参ります。
2022年10月期第3四半期累計期間において、当社の営業収益の98.8%以上は、「tripla Book」、「tripla Bot」により構成されており、毎月経常的に得られる基本料収入が発生いたします。「tripla Book」、「tripla Bot」による基本料収入を「固定収益」として分類しております。また、tripla Bookは宿泊による取扱高/GMV(Gross Merchandise Value)、tripla Botはチャットの回答数(以下、「リクエスト数」)によって従量収入が発生いたします。tripla Bookの宿泊による取扱高/GMV(Gross Merchandise Value)による営業収益を「従量収益」、tripla Botのリクエスト数によって発生する営業収益を「変動収益」、その他の営業収益を「その他収益」として分類しております。
当社の経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標として、営業収益、営業利益を重視しております。当該指標を採用した理由は、投資家が当社の経営方針・経営戦略等を理解する上で重要な指標であり、当社の成果を端的に表すことができるためです。
また、営業収益の達成状況を判断する上で、導入契約施設数、取扱高/GMV、リクエスト数を重要な指標としております。導入施設数を増加させることで固定収益を増加させ、取扱高/GMVを増加させることで従量収益を増加させることで、当社の目標である営業収益を達成いたします。ただし、取扱高/GMVが低い場合には、当社の目標である営業収益を達成しない可能性があります。導入契約施設数を増やすのみならず、取扱高/GMVも増やすことが重要となるビジネスモデルです。当該指標を拡大させることで、営業収益の継続的かつ累積的な増加を実現して参ります。
なお、各指標については「3 [事業の内容] (2) サービス概要」に記載しております。
当社が事業を行っているホスピタリティソリューション事業の関連する市場は、宿泊市場です。
当該市場に対しては、新型コロナウイルス感染症が非常に大きな影響を与えていますが、当該影響は短期的な影響であると考えており、理由は下記のとおりです。
当該市場においては、国内宿泊者数が重要な指標となります。国内宿泊者数としては、新型コロナウイルス感染症のまん延が始まった2020年から大きく落ち込みました。具体的には、新型コロナウイルス感染症のまん延前である2019年との対比で、2020年10月期は60.6%(日本人宿泊者数は67.4%、外国人宿泊者数は32.5%)、2021年10月期は51.8%(日本人宿泊者数は63.3%、外国人宿泊者数は4.0%)でした(観光庁の統計データより算出)。緊急事態宣言やまん延防止等重点措置等が発令された際には、宿泊者数の落ち込みは激しいものでありました。しかし、ワクチン接種等が進み、新規感染者数が減少し始めた2021年10月からは回復傾向となり、オミクロン株のまん延により一時的に落ち込んだものの、2022年3月のまん延防止等重点措置が解除されてからは回復に向かっております。また、海外の多くの地域では、段階的に規制が撤廃されつつあり、日本においてもインバウンドを受け入れる報道もされており、出口が見え始めていると考えております。また、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受ける2020年1月以前においてはインバウンド需要の拡大により宿泊業界全体が盛況な状態にありました。新型コロナウイルスのまん延により一時的に落ち込んではおりますが、インバウンドの増加は安倍自民党政権時には国の成長の柱として掲げられており、新型コロナウイルスのまん延から回復した後は、インバウンドの増加が再び起こる可能性があると考えております。
中長期的な経営環境としては、オンラインによる旅行宿泊予約の伸びがあります。従来は、旅行会社の店舗予約中心でしたが、年々、オンラインによる宿泊予約比率が増加しており、2013年に34%であったオンライン販売比率はコロナ禍前の2017年には46%となりました(日本のオンライン旅行市場調査 第4版より)。一方、オンライン宿泊予約市場は、コアな特許等による参入障壁が存在しない業界であるため、当該市場には競合他社が複数存在しております。
このような環境の下、当社としては、対処すべき課題として以下の点に取り組んでおります。
当社は、さらなる事業成長のためには、サービス・プロダクトの強化が必要であると認識しております。
2021年10月期以前より提供している「tripla Book」、「tripla Bot」については、その契約施設数を順調に伸ばしており、2021年10月期の月次解約率(注1)はそれぞれ0.7%と、1.3%に留まっております。さらなる契約の増加、既存契約の解約抑止のため、競合を意識しながら継続的に機能強化をしていくことが必要であると考えております。
2022年10月期に販売を開始した「tripla Connect」、「tripla Pay」については、販売のための開発が完了し、販売を開始したものの、「tripla Book」、「tripla Bot」のように契約施設数拡大のため、さらなる機能強化を進めて参ります。また、2022年10月期第3四半期末現在、開発中である「tripla Page」、「tripla Analytics」等については、販売開始のための開発を進めております。
現在、販促のアクションとしては、メールマガジンの配信、tripla Bot上での表示ですが、今後は、LINEやFacebookメッセンジャー等のSNSによるメッセージ、ショートメッセージ、tripla Bot上での表示、プランレコメンド機能、DSP広告(注2)との連携等を予定しており、現在、開発中です。
tripla Pageは、公式ウェブサイトを簡単に作成することができるサービスです。小規模な宿泊施設の中には、公式ウェブサイトを開設していない施設、多額の外注費を掛けて開設している宿泊施設もあります。そのような施設に対し、複数のテンプレートから選択していくだけで、簡単に公式ウェブサイトを作成することができるサービスです。公式ウェブサイトを構築する場合、外注した場合、1施設100万円程度掛かる場合があります。また、更新も外注する場合、都度、費用と時間が発生いたします。小規模な施設であれば、自社内で行うことが困難な場合もあり、簡単かつ安価にウェブサイトを構築・運用したいという課題があり、そのような課題に対応するものです。
tripla Analyticsは、当社、及び各宿泊施設が持つデータを活用したBIツール(注3)です。宿泊施設の中には、ユーザー(宿泊客)の分析、レベニューマネジメント(注4)を積極的に行っていない施設もあります。tripla Analyticsにより、tripla BookやOTA等のユーザー(宿泊客)のデータが、ダッシュボード(図やグラフ等の簡単な作成が可能)、レポート等により可視化され、分析が容易に行えるようになることを予定しております。当該分析に基づき、その時々に応じた最適な宿泊代金を設定し、各宿泊施設の収益の最大化を図るレベニューマネジメントが可能です。また、顧客である宿泊施設のレベニューマネジメントにより自社予約の収益を増加させることにより、当社のtripla Bookの収益も増加いたします。
tripla Channelは、チャネルマネージャー(注5)です。日本の宿泊市場においては、チャネルマネージャーの大手が複数社存在し、宿泊施設は、自社の有するPMS(注6)とOTA、各予約システム等を連携する場合、チャネルマネージャーを通して連携するため、比較的容易に、かつ早期に連携を行うことができます。一方、海外においては、チャネルマネージャーと連携していない施設も散見されます。その場合、宿泊施設のPMSと予約システム等を直接連携する必要があり、専門的な技術、工数が必要となることから、tripla Book導入のハードルとなるリスクがあります。当該リスクを排除するとともに、チャネルマネージャーとしての収益機会を掴むものとなります。
上記のとおり、既存サービス・プロダクトの機能向上のための開発、新サービス・プロダクトの開発のどちらも重要であり、双方をスピード感を持って行うためには、優秀なエンジニア、プロダクトマネージャーの確保が対処すべき課題となります。当該課題への対処のため、人材の獲得・維持に努めて参りたいと考えております。
当社が安定してサービスを提供し、継続的に成長し続けるためには、コンプライアンスを重視した内部管理体制の強化や、コーポレート・ガバナンスの充実に向けた取り組みが重要だと考えております。今後も事業規模の拡大に合わせ、管理部門の一層の強化による体制強化を図り、企業価値の最大化に努めてまいります。
当社は、事業成長のためには、契約施設数の増加が必要であると認識しております。顧客基盤の拡大を行うためには、プロダクトの強化を行うとともに、営業等の人材の確保と在籍する人材の継続的な強化が必要であり、努めて参りたいと考えております。
有価証券報告書提出日現在、当社の営業収益の大部分は、tripla Book、tripla Botによって構成されております。tripla Connect、tripla Payについては、2022年10月期より販売開始したプロダクトであり、今後の拡販とともに収益貢献を進めて参ります。tripla Book、tripla Botの収益構造としては、ユーザーの利用の多寡にかかわらず発生する定額の基本料金とユーザーの利用の多寡(tripla Bookの取扱高/GMV、tripla Botのリクエスト数等)によって発生する従量料金の段階的な収益構造となっております。基本料金については、契約施設数を増加させることにより、毎月の収益が積み上がる構造であり、従量料金については、契約施設数の拡大とユーザーの利用の双方を促進することで当該収益が増加いたします。当社においては、プロダクト開発やユーザーの獲得に関する投資を先行して行い、事業拡大を行ったことから、2020年10月期、2021年10月期は営業損失を計上しております。
当社では、事業の拡大に伴い、契約施設数が順調に積み上がり、ユーザーの利用を促進することで、先行投資として計上される開発費用やユーザーの獲得費用を含む営業費用が営業収益に占める割合は低下傾向にあり、営業損失は減少し、2022年10月期第3四半期では黒字となりました。今後も、利益及びキャッシュ・フローの改善に努めてまいります。
当社は2022年10月期は黒字の予定であるものの、2021年10月期までは営業赤字が継続しておりました。また、tripla Bookによる宿泊予約についてのユーザーからの預り金の増加を除くと、営業活動によるキャッシュ・フローの赤字が継続しておりました。今後、計画している十分な営業収益が獲得できない場合には営業赤字、営業活動によるキャッシュ・フローの赤字となる可能性があります。そのような場合に備え、常に一定水準の手元流動性を確保し、信用獲得に努めてまいります。手元流動性確保のため、金融機関との良好な取引関係の継続や内部留保の確保を継続的に行い、財務基盤の更なる強化を図ってまいります。また、2023年10月期において、新規株式公開に伴う資金調達を実施する予定であり、財務基盤の拡充を図ってまいります。
(注) 1.月次解約率:契約施設における直近12ケ月の月次平均解約率です。
2.DSP:Demand Side Platformの略称です。デジタル広告について、広告枠の買い付けや配信、分析等を一元的に管理し、広告効果の最適化を図るプラットフォームです。
3.BIツール:Business Inteligenceツールの略称。組織が持つ様々なデータを分析・見える化して、経営や業務に役立てるソフトウェアのことです。
4.レベニューマネジメント:需要と供給に応じて価格を変動させ、収益を最大化させるための販売管理を行うことです。
5.チャネルマネージャー:OTAや予約システム等の複数の宿泊予約情報とPMSを連携することで、在庫、プラン、価格等をまとめて管理するシステムのことを言います。
6.PMS:Property Management Systemの略称です。宿泊施設が、部屋在庫、予約情報、請求情報等の情報を管理し、売上情報を連携する基幹システムのことを言います。
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が提出会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであり、将来において発生する可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。また、当社がコントロールできない外部要因や必ずしもリスク要因に該当しない事項についても記載しております。当社はこれらのリスク発生の可能性を十分に認識した上で、「4[コーポレート・ガバナンスの状況等] (1) [コーポレート・ガバナンスの概要] ③ 企業統治に関するその他の事項 ロ.リスク管理体制の整備の状況等」に記載のとおり、リスク・コンプライアンス委員会にて協議の上リスク回避あるいは発生時に迅速に対応する所存ですが、当社の経営状況、将来の事業についての判断及び当社株式に対する投資判断は、本項記載内容を慎重に検討した上で行われる必要があると考えます。
各リスクについて、発生可能性、発生する可能性のある時期、影響度、総合的な重要性については、下表のとおりです。
各リスクの具体的な内容は、下記のとおりです。
新型コロナウイルス感染症のまん延前である2019年までにおいては、訪日外国人数の増加もあり、年ごとの延べ宿泊者数は継続的に増加してまいりました(国土交通省観光庁「宿泊旅行統計調査」によります)。しかしながら、2020年以降、新型コロナウイルス感染症のまん延により宿泊業界は大きな影響を受けています。新型コロナウイルス感染症以外にも様々な要因により、宿泊市場が影響を受ける可能性があります。たとえば、自然災害などの天変地異、新型コロナウイルス感染症以外のウイルス性の疾患の流行、国際紛争等の不測の事態による国内旅行者、訪日外国人の減少等により、宿泊施設の収益を悪化させ、宿泊施設のDXへの取り組みが減衰するような場合には、当初計画していたような営業収益の成長が見込めず、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。当該リスクは完全に排除できる性格のものでないことから、市況の急変等の場合においては、顕在化する可能性があると認識しております。
当社はさらなる事業の拡大を目指し、新規サービスを視野に入れ事業展開を行っております。早期の収益化ができるよう、事前にサービス、プロダクトを綿密に検討の上で実施していく方針です。しかしながら、新規事業においては、安定して収益を生み出すまである程度の時間がかかることも予想され、その結果当社の営業収益率の低下を招く可能性があります。また、tripla Page(仮称)、tripla Analytics(仮称)、tripla Channel(仮称)等の新規サービスは販売開始前であり、採算性には不透明な点があるため予想した収益が得られない可能性があります。
このようなリスクが顕在化する可能性は、翌期においても相応に存在すると認識しております。当社は、新規事項の概況及び市場動向を注視しながら、適切なタイミングで事業の再編や構造改革を実施するよう努めております。
当社はtripla Bookやtripla Botの販売を国内のみでなく、海外でも行っております。現在は主に台湾の宿泊施設に対する販売となりますが、今後、韓国を始め、事業を展開する地域が増加する可能性がございます。海外においては、日本とは異なる法規制の変更、紛争等が発生する可能性があります。地域ごとの法規制の確認、リスク等は検討を行うよう努めます。しかしながら、急な法規制の変更、紛争等が発生した場合、当社の業績に影響を与える可能性があります。2022年10月期第3四半期累計期間において、海外での営業収益の額は僅少でありますが、今後の営業収益の増加とともに、当該リスクが重要となる可能性があります。
このようなリスクが顕在化する可能性は低いと予想しております。当社は、法令改正や政治の動向などの情報収集を適宜行い、適時に対応できるようにすることによりリスクの軽減を図っております。
当社が事業を行っているtripla Bookやtripla Botは、コアな特許等による参入障壁が存在しない業界であるため、当該市場にも競合他社が複数存在しております。当社は競合他社のプロダクト、サービスの情報を把握の上、日々改善に努めておりますが、競合他社のプロダクト、サービスのレベルが大幅に上昇すること、強力な新規参入者が市場参入することにより、当社の優位性が損なわれるような場合、当社の営業収益が低下し、業績に影響を与える可能性があります。
このようなリスクが顕在化する可能性は低いものの、中長期的に顕在化する可能性があると認識しております。当社は技術力の強化、サービス品質の向上等により、競争力の維持に努めております。
当社は、2022年10月期第3四半期末時点において、1,952施設の宿泊施設を顧客として、事業を展開しております。当社の顧客の中には、複数の施設を抱えるチェーンホテルブランドもあります。新型コロナウイルス感染症のさらなる拡大を始めとした様々な要因により、このようなチェーンホテルが倒産・廃業となる可能性があります。このような場合、当社の営業収益が低下し、業績に影響を与える可能性があります。
このようなリスクが顕在化する可能性は低いと予想しております。当社は特定の大口顧客には依存しておらず、営業収益の10%を超える取引先としては、「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」の「生産、受注及び販売の実績」に記載のとおり、2021年10月期及び2022年10月期第3四半期累計期間にはありませんでした。特定の大口顧客に依存せず、宿泊施設に広くあまねく利用して頂くよう努めております。
(注) 大口・大手は、当該顧客への営業収益の割合が、営業収益全体の10%を超える相手を言います。
当社のサービスは「tripla Book」、「tripla Bot」、「tripla Connect」、「tripla Pay」を含め多くがクラウド型のシステムの提供であるため、常時、宿泊施設、ユーザーとの通信が発生いたします。また、当社のサービスはAmazon Web Service(以下、「AWS」という。)等の外部クラウドサーバーを利用しております。そのため、当社の事業は通信ネットワーク及びAWSに依存しており、システムに障害が生じた場合、当社のサービスが停止する可能性があるため、不正アクセスに対するモニタリング、ファイヤーウォールの設定など、システム障害を未然に防ぐための取り組みを行っております。しかしながら、上記の取り組みをもってしても、すべての可能性を想定しての対策は困難であり、火災、地震などの自然災害や外的破損、人為的ミスによるシステム障害、想定外の長期間に渡る停電、コンピュータウイルスの侵入やクラッカーによる妨害等、その他予期せぬ事象の発生により、万一、当社の設備及びネットワークの利用に支障が生じた場合には、当社はサービスの停止を余儀なくされることとなり、当社の営業収益が低下するとともに営業費用が増加し、事業及び業績に影響を与える可能性があります。
このようなリスクが顕在化する可能性は低いものの、翌期においてもリスクは常に存在すると認識しております。当社は、障害に対して迅速に対応すべく、システム稼働状況のモニタリングを継続的に行っており、障害の発生またはその予兆を検知した場合には速やかに連絡が入り、早急に復旧を行うための体制を整備・運用しております。これにより、障害発生の未然防止及び障害発生時の影響最小化に努めております。なお、AWSはFISC安全対策基準(注)を満たす安全性を備えております。
(注)「FISC」とは、金融情報システムに関連する様々な問題についての研究調査や、安全対策の普及・推進活動を行うため、1984年に設立された財団法人(2011年に公益財団法人へと移行)であり、「FISC安全対策基準」とは高い信頼性とセキュリティが求められる金融情報システムを構築する際の、安全対策の共通の指針となることを目的に、1985年に策定
当社は、当社ウェブサイト上の各サービスの中で、ユーザーの個人情報を取得し、また保有しております。その個人情報の管理は、当社にとって重要な責務と認識しており、厳重なアクセス管理を行うとともに、各種不正アクセス防止対策を行うなど、ネットワークセキュリティの向上に努めております。一方、「個人情報の保護に関する法律」(個人情報保護法)は、個人情報を利用して事業活動を行う法人及び団体等に対して、個人情報の適正な取得、利用及び管理等を義務付け、個人情報の有用性に配慮しつつ、個人の権益保護をはかることを目的とした法律であり、当社においても個人情報取扱事業者としての義務が課されているため、当該法律の規定を踏まえた個人情報の取扱いに関して、個人情報保護の方針(以下「プライバシーポリシー」という。)を定め、運用しております。また、プライバシーポリシーの運用を徹底するとともに社内の情報アクセス権を管理し、かつ個人情報の取扱いに関する社内教育を行うなど、管理運用面についても、慎重を期しております。しかしながら、個人情報が外部に流出したり悪用されたりする可能性が皆無とは言えず、かかる事態が発生した場合には、当社の風評の低下によるサービス利用者の減少、当該個人からの損害賠償請求等が発生し、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。
このようなリスクが顕在化する可能性は、コンピュータウイルスによる被害等が社会的に発生しており、コロナ禍により在宅勤務が増加している昨今、当社においても翌期以降、相応に存在すると認識しております。当社では、システム上のセキュリティ対策やアクセス権限管理の徹底に加え、プライバシーマークの取得、当該公的認証に準拠した規程・マニュアルの整備・運用、各従業員への研修等を行うことで、個人情報管理体制の強化に努めております。
当社はインターネットを通じて、インターネットユーザーに各種サービスを提供しておりますが、インターネットに関しては法的整備の不備が各方面から指摘されており、当社事業を規制する法令等が今後新たに制定される可能性があります。このような場合、当社の事業展開に制約を受け、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。宿泊業界においては、「旅行業法」、「旅館業法」等関連事業法令の規制があります。これらの法令等の改正や新たな法令等の制定により規制強化が行われた場合、当社の事業展開に制約を受け、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。また、「住宅宿泊事業法」もあり、同法については規制が強く事業展開については慎重に見極めながら行ってまいります。
このようなリスクが顕在化する可能性は低いと予想しております。当社は、法制改正の動向などの情報収集を適宜行い、適時に対応できるようにすることによりリスクの軽減を図っております。
当社は、当社が提供するサービスに関し、知的財産権を登録しておりません。現時点において、当社は第三者の知的財産権は侵害していないものと認識しておりますが、万一、知的財産権の侵害を理由として、第三者より損害賠償請求及び使用差止請求等を受けた場合には、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。当社が属するIT事業において知的財産権の状況を完全に把握することは困難であり、当社の事業に関連する知的財産権について第三者の特許取得が認められた場合、あるいは将来特許取得が認められた場合、当社の事業遂行の必要上これらの特許権者に対してライセンス料を負担する等の対応を余儀なくされる可能性があり、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。
このようなリスクが顕在化する可能性は低いと予想しております。当社は、第三者の知的財産権を侵害しないよう調査を行っております。また、必要に応じて専門家と連携を取りリスクの軽減を図って参ります。
2020年から新型コロナウイルス感染症の感染拡大が始まり、世界経済に大きな打撃を与えています。特に当社の事業と関連性の深い、宿泊旅行業界においては移動が制限されていることもあり宿泊需要が大幅に減少しています。2022年10月期において日本人宿泊者数は回復に向かっていることから、2023年10月期も回復基調が進むとして営業収益を見込んでおりますが、今後、再び感染拡大が広がった場合、予約数に応じた従量による営業収益の減少、及び新規契約獲得の鈍化や閉館等による契約数の減少等による営業収益の減少等の当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。
新型コロナウイルス感染症の収束時期は依然として不透明であり、現在においてリスクを定量化することが困難でありますが、このようなリスクが顕在化する可能性が十分にあると認識しております。リスクが顕在化した場合に備え手元流動性を確保しておくよう努めて参ります。
また当社では、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止の取り組みとして、当社従業員を対象に、テレワーク(在宅勤務)制度を用意し、多くの従業員が利用しております。加えて、出張を控えリモート会議を活用し、事業活動を継続しております。また、感染防止に関しての注意喚起を行うとともに、リスク発生時には迅速な判断・対応ができるような体制を整備しております。しかしながら、従業員が新型コロナウイルスに感染し、社内での感染が拡大した場合、事業活動の縮小等により円滑な業務遂行に影響が生じる可能性があります。
2020年から新型コロナウイルス感染拡大が始まり、旅行需要に対して大きな影響を与えましたが、新型コロナウイルス感染症以外にも、感染症が流行する可能性があります。2003年に重症急性呼吸器症候群(SARS:サーズ)、2012年に中東呼吸器症候群(MERS:Middle East Respiratory Syndrome)が海外で流行しました。新たな感染症の発現、流行により、予約数に応じた従量収益の減少、及び新規契約獲得の鈍化や閉館等による契約数の減少等による営業収益の減少等の当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。
このようなリスクが顕在化する可能性は低いと予想しております。顕在化した場合には、新型コロナウイルス感染症で培った対応を活かし感染予防策を取ることに加え、状況に応じて有効な対策を取ることによりリスクの軽減を図って参ります。
当社の営業収益の一部は宿泊チェックアウト時に発生する取扱高/GMVに連動して課金しています。そのため、旅行需要が多いシーズン(8月等)に営業収益も多くなる傾向にあります。そのため、新型コロナウイルス感染症を含む何らかの理由により、旅行シーズンの営業収益が計画どおりに進捗しなかった場合、当社の営業収益が低下し、業績に影響を与える可能性があります。
新型コロナウイルス感染症の収束時期は依然として不透明であり、現在においてリスクを定量化することが困難でありますが、このようなリスクが顕在化する可能性が十分にあると認識しております。新型コロナウイルス感染症以外の要因において、このようなリスクが顕在化する可能性は低いと予想しております。なお、第7期(2021年10月期)における当社の四半期の営業収益の推移は下記のとおりです。
(注)上記四半期ごとの金額については、監査法人によるレビューは受けておりません
当社は、役員及び従業員に対するインセンティブを目的として新株予約権を付与しており、本書提出日現在における付与数は450,800株であり、発行済株式総数に対する潜在株式数の割合は、9.76%となります。これらの新株予約権が行使された場合、当社株式が発行され、既存株主が保有する株式の価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。
当社では適切な資本政策により、新株予約権の付与割合(将来株式価値の希薄化程度)をコントロールしております。
当社は、株主に対する利益還元については経営の重要課題の一つと位置付けておりますが、当社は現時点において配当を実施しておりません。今後におきましては、経営成績、財政状態、事業計画の達成状況等を勘案しながら、株主への利益配当を検討していく方針であります。しかしながら、当社の事業が計画どおり推移しない場合など、配当を実施できない可能性があります。
当社は未だ成長過程にあり、将来の事業展開と財務体質強化のために必要な内部留保の確保を優先することが、株主への最大の利益還元につながるものと判断しております。
当社は設立第8期目と社歴は短く、組織体制は未だ小規模であり、業務執行体制及び内部管理体制もそれに準じたものとなっております。当社は、今後の業務拡大に伴い、内部管理体制及び業務執行体制の充実を図っていく方針ではありますが、これらの施策に対し十分な対応ができなかった場合は、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
このようなリスクが顕在化する可能性は低いと予想しております。当社は、事業拡大に応じて人員の増強や内部管理体制の一層の充実を図って参ります。
当社の創業者であり、代表取締役でもある高橋和久、鳥生格の両氏は、当社事業に関する豊富な経験と知識を有しており、経営方針や事業戦略構築など、当社の事業活動全般において重要な役割を果たしております。代表取締役CEOである高橋和久は、全社的な経営戦略全般において重要な役割を果たしております。代表取締役CTOである鳥生格は、全社的な経営戦略及びサービス・プロダクトの戦略において重要な役割を果たしております。当社は事業拡大に伴い、取締役会等における役員及び幹部社員との情報共有や経営組織の強化を図り、両氏に依存しない経営体制の構築を進めておりますが、何かしらの理由により両氏のうちいずれかが業務を継続することが困難となった場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
このようなリスクが顕在化する可能性は低いと予想しております。当社は、両氏に過大な依存をしない経営体制を構築すべく、幹部社員の情報共有や権限移譲等によって両氏への過度な依存の脱却に努めております。
2022年10月期第3四半期末時点において、当社に税務上の繰越欠損金が存在しております。当社の経営成績が順調に推移することにより、繰越欠損金が解消した場合には、通常の税率に基づく法人税、住民税及び事業税が計上されることとなり、当期純損益及びキャッシュ・フローに影響を与える可能性があります。
このようなリスクが顕在化する可能性は、高いと認識しております。
当社の過去5期間における主要な経営成績の推移は、「第1 企業の概況 1 主要な経営指標等の推移」に記載のとおりであります。過去5期間においては、継続的に営業損失、経常損失、当期純損失を計上しております。また、過去2期間においては、tripla Bookによる宿泊代金の預り金を除くと継続的に営業キャッシュ・フローの赤字を計上しております。一方、宿泊市場向けに市場展開を行っており、新型コロナウイルス感染症の影響下にあっても、導入施設数、営業収益を拡大させるとともに、営業損失の額を減少させています。
当社では、導入施設数の拡大、取扱高/GMVの増加等により収益獲得を進めるとともに、規律あるコスト管理を行ってまいりますが、想定どおりに黒字化が進まない場合には、当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。当該リスクが顕在化した場合でも会社運営が行えるよう、手元流動性を確保いたします。
このようなリスクが顕在化する可能性は、中程度と認識しております。
当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。
(資産)
当事業年度末における資産合計は、前事業年度末に比べ228,051千円増加し、911,261千円となりました。流動資産は226,815千円増加し、896,376千円となりました。主な要因は現金及び預金の増加166,133千円であり、tripla Bookにおける宿泊代金の決済の増加等による預り金の増加328,913千円等によるものであります。固定資産は1,235千円増加し、14,884千円となりました。著しい増減はありませんでした。
(負債)
当事業年度末における負債合計は、前事業年度末に比べ356,633千円増加し、761,424千円となりました。流動負債は362,873千円増加し、527,664千円となりました。主な要因は、tripla Bookにおける宿泊代金の決済の増加等による預り金の増加328,913千円であります。固定負債は、6,240千円減少し、233,760千円となりました。主な要因は、長期借入金から短期借入金へ振り替えた6,240千円です。
(純資産)
当事業年度末における純資産合計は、前事業年度末に比べ128,582千円減少し、149,836千円となりました。主な要因は当期純損失△128,582千円の計上による減少であります。
(資産)
当第3四半期累計期間における資産合計は、前事業年度末に比べ527,870千円増加し、1,439,131千円となりました。流動資産は528,458千円増加し、1,424,834千円となりました。主な要因は、現金及び預金の増加508,835千円であり、tripla Bookにおける宿泊代金の決済の増加等による預り金508,836千円等によるものであります。固定資産は587千円減少し、14,296千円となりました。
(負債)
当第3四半期累計期間における負債合計は、前事業年度末に比べ516,354千円増加し、1,277,778千円となりました。流動負債は535,074千円増加し1,062,738千円となりました。主な要因は、tripla Bookにおける宿泊代金の決済の増加等による預り金の増加550,782千円等によるものであります。コロナ禍の手元流動性確保のために2020年7月に借り入れたものですが、営業活動によるキャッシュ・フロー増加により借換えを行わず返済といたしました。固定負債は前事業年度末に比べ18,720千円減少し、215,040千円となりました。
(純資産)
当第3四半期累計期間における純資産合計は、前事業年度末に比べ11,515千円増加し、161,352千円となりました。主な要因は四半期純利益11,515千円の計上による増加であります。
当事業年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症拡大が長期化する中、国内外でのワクチン接種が進み、海外経済の回復を背景とする輸出の増加や設備投資の増加等による持ち直しの兆しがあったものの、変異株のまん延による感染拡大により、都市部を中心とした緊急事態宣言の発令、まん延防止措置等重点措置の実施が断続的に実施される等、感染状況が経済活動の環境に大きな影響を与える状態が前年から引き続き、個人消費を中心に回復は鈍い状態が続いております。
当社の事業と関連性が高い宿泊業界においては、延べ宿泊者数は、新型コロナウイルス感染症拡大前の2019年と比較し、51.8%となりました。内訳としては、日本人の宿泊者数は63.3%、訪日外国人の宿泊者数は4.0%に留まりました。時期で分けると需要の強弱は非常に変動性が高い状態でした。当事業年度初頭においては、Go To トラベルキャンペーンにより一時的に国内需要が喚起され、延べ宿泊者数は、一時的にコロナ禍前の70%(日本人に限定すると90%)を超える回復率となったものの、その後の感染拡大と緊急事態宣言の連続により、多くの月の延べ宿泊者数は、コロナ禍前の40%台に留まりました。オリンピックは開催されたものの、業界全体の需要としては、当該影響は非常に限定的でした。一方、2021年10月以降、新規感染者数の減少等の影響により、延べ宿泊者は回復いたしましたが、さらなる変異株の出現により、先行き不透明な状態が続いております。なお、延べ宿泊者数については、国土交通省観光庁「宿泊旅行統計調査」に基づき集計しております。
このような環境の下、当事業年度において、顧客価値向上のため、主要サービスである「tripla Book」、及び「tripla Bot」の機能改善に向けた開発投資を継続し、取扱高/GMV拡大のため、Google Hotel Adsといったメタサーチ連携強化、ベストレート機能の拡張等を行いました。また、施設数を積み上げる営業活動に注力いたしました。
このような取り組みの結果、tripla Bookの施設数は、当事業年度末において、前事業年度から725施設増の1,091施設、tripla Botの施設数は、当事業年度末において、前事業年度末から146施設増の892施設、当社の何らかのサービス(注1)が導入されている施設数は、当事業年度末において、前事業年度末から691施設増の1,587施設となりました。また、取扱高/GMVは、当事業年度末において、前事業年度末比の664.5%増の10,623百万円となりました。加えて、販売可能客室は前事業年度末から7.7万部屋増の11.3万部屋となりました。
以上の結果、当事業年度の営業収益は506,037千円(前事業年度比71.5%増)となりました。利益面については、営業損失は△136,239千円(前事業年度△319,945千円)、経常損失は△132,013千円(同△296,285千円)、当期純損失は△128,582千円(同△303,940千円)となりました。
なお、当社はホスピタリティソリューション事業の単一セグメントであるため、セグメント毎の記載はしておりません。
(注) 1.tripla Payのみを導入している施設数を除きます。
当第3四半期累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症のワクチン接種が進み、3月にまん延防止等重点措置の解除を受け、回復の兆しが見え始めました。緩やかな景気回復を背景に投資再開の動きが広がる中、新たな変異ウイルスであるオミクロン株の感染急拡大を受け、個人消費が低迷するなど、勢いを欠いた経済活動を余儀なくされました。また、2月下旬にロシア・ウクライナ情勢が株価に与える影響や資源価格の高騰によるインフレの長期化が懸念されるなど、先行きは不透明な状況が継続しております。
当社ホスピタリティソリューション事業と関連性がある宿泊旅行業界においては、第3四半期においては新型コロナウイルス感染症の新規感染者数が下がったことから、国内の日本人宿泊者数は回復を見せました。観光庁の統計によると、当第3四半期累計期間の延べ宿泊者数(インバウンド旅行者を含む)は、新型コロナウイルス感染症拡大前の2019年の同月と比較し、70.5%となりました。内訳としては、日本人の宿泊者数は87.2%にまで回復しましたが、訪日外国人の宿泊者数においては、4.5%に留まり、引き続き低い水準に留まりました。なお、延べ宿泊者数については、国土交通省観光庁の発表する数値に基づき集計しております。
新型コロナウイルス感染症の流行により、生活様式の変化を強いられる中、当社ホスピタリティソリューション事業においては、顧客価値向上のため、前年度に引き続き、主要サービスである「tripla Book」及び「tripla Bot」の機能改善に向けた開発投資を継続するとともに、2022年10月期第1四半期においては宿泊業界に特化したCRM/MAツールとして「tripla Connect」をリリースするとともに、2022年10月期第3四半期においては宿泊施設にて利用可能な決済ツールとして、「tripla Pay」をローンチいたしました。また、施設数を積み上げる営業活動に注力いたしました。
このような取り組みの結果、tripla Bookの施設数は、当第3四半期累計期間において、前年同四半期より619施設増の1,487施設、tripla Botの施設数は、当第3四半期累計期間において、前年同四半期より133施設増の969施設、当社の何らかのサービスが導入されている施設数は、当第3四半期累計期間において、前年同四半期末から604施設増の1,952施設となりました。また、取扱高/GMVは、当第3四半期累計期間において、前年同四半期比の258.9%増の20,890百万円となりました。加えて、販売可能客室数は当第3四半期累計期間において、前年同四半期より4.7万部屋増の14.3万部屋となりました。
以上の結果、当第3四半期累計期間の営業収益は554,772千円(前年同期比62.8%増)となりました。利益面については、営業利益は17,988千円、経常利益は18,537千円、当期純利益は11,515千円となりました。なお、第1四半期会計期間の期首から、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用したことに伴い、当第3四半期累計期間の営業収益、営業利益がそれぞれ42,036千円減額しております。なお、収益認識会計基準等の適用の詳細については、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 注記事項(会計方針の変更等)」をご参照ください。
なお、当社はホスピタリティソリューション事業の単一セグメントであるため、セグメント毎の記載はしておりません。
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ166,133千円増加し、778,048千円となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において営業活動の結果獲得した資金は166,683千円(前事業年度は239,905千円の使用)となりました。これは主に、税引前当期純損失132,172千円による減少、預り金の増減額328,913千円による増加等によるものです。預り金の増加328,913千円は主に、tripla Bookを利用したユーザーからの宿泊予約によるクレジットカード決済代金の増加となります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において投資活動の結果獲得した資金は601千円(前事業年度は14,210千円の使用)となりました。これは主に、敷金及び保証金の返戻による収入4,954千円、有形固定資産の取得による支出4,483千円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において財務活動の結果使用した資金は4,188千円(前事業年度は278,075千円の収入)となりました。これは借入金の返済4,188千円によるものです。
当社は、インターネット上での各種サービスを主たる事業としており、生産に該当する項目がないため、生産実績に関する記載はしておりません。
当社は受注生産をしておりませんので、受注実績に関する記載はしておりません。
当社は、ホスピタリティソリューション事業の単一セグメントでありますが、以下のとおりサービスごとに記載しております。
なお、第7期事業年度及び第8期事業年度における販売実績は次のとおりであります。
(注) 1.上記の金額には、tripla Bookによる収益を含めております。当該金額は、第7期事業年度については212,493千円、第8期事業年度第3四半期累計期間については303,403千円であります。
2.上記の金額には、tripla Botによる収益を含めております。当該金額は、第7期事業年度については253,037千円、第8期事業年度第3四半期累計期間については249,319千円であります。
3.上記の金額には、System Integrationに掛かる一時的な収益を含めております。当該金額は、第7期事業年度については32,648千円、第8期事業年度第3四半期累計期間については169千円であります。
4.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合
主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、第7期事業年度及び第8期事業年度第3四半期累計期間において、総販売実績10%以上の相手先がないため、記載を省略しています。
5.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。
なお、本文中における将来に関する事項は、当書提出日現在において判断したものであります。
当社の当事業年度の営業収益は506,037千円(前事業年度比71.5%増)、営業損失は△136,239千円(前事業年度△319,945千円)、経常損失は△132,013千円(同△296,285千円)、当期純損失は△128,582千円(同△303,940千円)となりました。
(営業収益)
当事業年度の営業収益は506,037千円(前事業年度比71.5%増)となりました。これは、tripla Bookの施設数が前事業年度から725施設増加し、当事業年度末において1,091施設となったこと、tripla Botの施設数が前事業年度から146施設増加し、当事業年度末において892施設となったこと、取扱高/GMVが当事業年度において10,623百万円(前事業年度比664.5%増)となったことによるものであります。導入施設数については大手チェーンホテルへの導入等により堅調に推移したと考えております。一方、取扱高/GMVについてはコロナ禍の影響による宿泊需要の低迷が継続した結果、低調に推移いたしました。
(営業損失)
当事業年度の営業損失は△136,239千円(前事業年度△319,945千円)となりました。営業収益は前事業年度から71.5%拡大したものの、営業費用の増加は4.4%の増加に留まり、642,277千円となりました。営業力及び商品開発強化などに対応する体制強化を行う一方で、業務改善等による生産性の向上に努めた結果、従業員数(臨時雇用を除く)は前事業年度から2名のみの増加に留まったことから、営業損失が大きく改善したと考えております。
(営業外収益、営業外費用及び経常損失)
当事業年度の営業外損益は、主に、補助金収入等による営業外収益4,965千円、支払利息等による営業外費用740千円を計上いたしました。この結果、経常損失は△132,013千円(前事業年度△296,285千円)となりました。
(特別利益、特別損失、当期純損失)
当事業年度の特別損益は、有形固定資産処分損による特別損失158千円を計上いたしました。この結果、法人税等△3,590千円計上後の当期純損失は△128,582千円(前事業年度△303,940千円)となりました。
当社の当第3四半期累計期間における営業収益は554,772千円、営業利益は17,988千円、経常利益は18,537千円、当期純利益は11,515千円となりました。
(営業収益)
当第3四半期累計期間における営業収益は554,772千円となりました。これは、tripla Bookの施設数が、前事業年度末から396施設増加し、当事業年度末において1,487施設になったこと、tripla Botの施設数が、前事業年度末から77施設増加し、当事業年度末において969施設となったこと、取扱高/GMVが当第3四半期累計期間において20,890百万円となったことによるものであります。導入施設数については、第7期事業年度と同様、大手チェーンホテルへの導入等により堅調に推移したと考えております。取扱高/GMVについては、コロナ禍の影響が第7期事業年度よりは緩和されたものの、オミクロン株のまん延等により主に第2四半期会計期間が少なかったため、引き続き低調に推移いたしました。
(営業利益)
当社では、営業力及び商品開発強化などに対応する体制強化を行っており営業・開発費用の支出が増加したものの、それ以上に営業収益を伸ばすことができたことにより、当第3四半期累計期間における営業利益は17,988千円となりました。なお、当第3四半期累計期間における広告宣伝費の額は13,143千円、給与手当の額は286,740千円、雑給の額は10,081千円、法定福利費の額は46,716千円となりました。
(営業外収益、営業外費用及び経常利益)
当第3四半期累計期間における営業外損益は、主に、為替差益等による営業外収益1,007千円、支払利息等による営業外費用458千円を計上いたしました。この結果、経常利益は18,537千円となりました。
(特別利益、特別損失、当期純利益)
当事業年度の特別損益は、固定資産処分益による特別利益105千円を計上いたしました。この結果、法人税等7,126千円計上後の当期純利益は11,515千円となりました。
当事業年度のキャッシュ・フローの分析については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社は、事業運営上必要な資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。短期運転資金、長期運転資金の調達について、自己資金又は金融機関からの借入を基本としており、都度最適な方法を選択しております。当社は設備投資については「第3 設備の状況」に記載のとおり少額であり、必要資金は具体的には、人件費、広告宣伝費等を含む運転資金、及び長期借入金の返済となります。特に、新しいサービス・プロダクトの開発、既存サービス・プロダクトの機能拡充のためのエンジニア採用等について資金配分を進めて参ります。
なお、当事業年度末における借入金の残高は240,000千円であります。また、当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は1,286,884千円であります。
なお、当社は、ホスピタリティソリューション事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたりまして、事業年度末日における資産及び負債、会計期間における収益及び費用について会計上の見積りを必要としております。この見積りに関しては、過去の実績及び適切な仮定に基づいて合理的に計算しておりますが、実際の結果と相違する場合があります。
なお、財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 財務諸表等 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、当社は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標として、導入施設数(tripla Book、tripla Bot、当社のサービスを複数導入している施設数)、取扱高/GMV等を重要な経営指標と位置付けております。当該指標の具体的な数値については、「(1) 経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。
経営成績に重要な影響を与える要因については、「2 事業等のリスク」に記載のとおり、様々なリスク要因が当社の経営成績に影響を与えるおそれがあることを認識しております。これらリスク要因の発生を回避するためにも、提供するサービスの機能強化、人員増強、財務基盤の安定化等、継続的な経営基盤の強化が必要であるものと認識し、実行に努めております。
該当事項はありません。
該当事項はありません。