(1)業績
当事業年度における世界経済は、原油価格の急落による原油輸出国の経済減速や依然として不安定な中東情勢などありましたが、雇用情勢の改善が進む米国を中心に先進国において緩やかな回復基調にありました。
わが国経済においても、消費税増税の影響を受け、個人消費に弱さがみられ、為替相場(円ドル)も米国の利上げ観測により120円台を付けるなど円安基調が継続しましたが、原油価格の下落の影響やアベノミクスによる財政・金融政策を背景に世界経済同様に緩やかな回復基調が続きました。
航空業界を取り巻く事業環境は、原油価格の下落が続いた一方で、国内格安航空会社LCCの事業拡大や北陸新幹線の開業等により、ますます厳しい経営環境となりました。
このような状況のもと、当社は当事業年度においてエアバスA330‐300型機3機を新たに導入し高品質座席の提供による顧客の囲い込み及び新規顧客の獲得を図りましが、思うように搭乗率を確保することがでず、更に想定を超える円安の進行による航空機材費及び燃料費等の負担増加により収益性が著しく悪化し資金繰りに窮する状況に至りました。加えて、平成27年7月29日にはエアバス社よりA380型機の購入契約解除に伴い多額の違約金を支払うよう請求を受けました。
これらの状況を受け、当社は平成27年1月28日に東京地方裁判所に民事再生手続開始の申立てを行い同日、東京地方裁判所より民事再生手続開始決定が発令されました。
事業収益については、厳しい経営環境の中、収益性の低下していた路線を廃止し、より需要の見込まれる路線への架け替えを積極的に行いましたが、思うように顧客獲得に至らず、総売上高は80,946百万円(前年比5.8%減)となりました。
事業費は、使用航空機数の増加に伴う航空機材費の増加(前年比28.6%増)、エアバスA330-300型機の導入に係る運航乗員訓練費の増加(前年比103.9%増)、運航便の運休・欠航に伴う旅客サービスの拡充に係る非常旅客取扱費の増加(前年比1,333.8%増)等により95,108百万円(前年比11.7%増)となり、販売費及び一般管理費は、エアバスA330-300型機の導入に係る広告宣伝費の増加(前年比145.5%増)、保険料の増加(前年比109.7%増)等により3,473百万円(前年比3.7%増)となりました。
以上の結果、営業損益は17,635百万円の損失(前期は2,506百万円の損失)、経常損益は16,685百万円の損失(前期は403百万円の損失)、当期純損益は20,218百万円の損失(前期は1,845百万円の損失)となりました。
なお、民事再生手続きに係る再生計画案については、平成27年8月5日に開催された債権者集会において認可され、平成27年9月1日に確定しております。当該再生計画によりエアバス社等の大口債権者に対する債務免除等により資金繰りを圧迫する要因が軽減されたことから、当社は継続企業の前提に重要な疑義を生じさせる事象又は状況は解消されたと判断しております。
(2)キャッシュ・フローの状況
当事業年度における現金及び現金同等物残高は、前事業年度末に比べて4,685百万円減少(前年比66.3%減)し、2,379百万円となりました。
各キャッシュ・フローの状況と増減要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において営業活動の結果使用した資金は11,124百万円(前事業年度は355百万円の獲得)となりました。
これは主に、税引前当期純損失18,765百万円、減価償却費3,210百万円、減損損失2,517百万円、定期整備引当金の増加額2,563百万円、長期預け金の増加額4,770百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において投資活動の結果使用した資金は788百万円(前年比94.3%減)となりました。
これは主に、有形固定資産の取得による支出2,119百万円があった一方で、敷金及び保証金の回収による収入1,176百万円があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において財務活動の結果獲得した資金は6,542百万円(前事業年度は415百万円の使用)となりました。
これは主に、短期借入による収入5,200百万円によるものであります。
(1)営業実績
当事業年度の営業実績の状況は、次のとおりであります。
|
科目 |
当事業年度 (自 平成26年4月1日 至 平成27年3月31日) |
前年同期比 |
||
|
金額(百万円) |
構成比(%) |
(%) |
||
|
航空運送事業収入 |
旅客収入 |
79,416 |
98.1 |
93.5 |
|
貨物収入 |
- |
- |
- |
|
|
航空運送事業収入合計 |
79,416 |
98.1 |
93.5 |
|
|
附帯事業 |
附帯事業収入 (航空運送に附帯関連する事業) |
1,530 |
1.9 |
152.4 |
|
合計 |
80,946 |
100.0 |
94.2 |
|
(注) 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)輸送実績
当事業年度の輸送実績の状況は、次のとおりであります。
|
項目 |
当事業年度 (自 平成26年4月1日 至 平成27年3月31日) |
前年同期比 (%) |
|
国内線 |
|
|
|
有償旅客数(人) |
6,540,986 |
99.6 |
|
有償旅客キロ(千人・キロ) |
6,723,049 |
96.8 |
|
有効座席キロ(千席・キロ) |
10,052,358 |
99.2 |
|
有償座席利用率(%) |
66.8 |
- |
(注)1 有償旅客キロは、各路線各区間の旅客数(千人)に各区間距離(キロ)を乗じたものの合計であります。
2 有効座席キロは、各路線各区間の有効座席数(千席)に各区間距離(キロ)を乗じたものの合計であります。
3 有償座席利用率は、前年同期に比べて1.7ポイント減少しております。
当社は、平成27年1月28日に民事再生手続開始の申立てを東京地方裁判所に行いました。その後、民事再生手続に基づく再生計画の認可決定が平成27年9月1日に確定しております。
今後は、早期の民事再生手続終結に向けて、再生計画に則り債務の弁済及び事業の再構築に努めてまいります。
(1)経営の基本方針
当社は安全運航を第一に考え、お客さまに喜ばれるサービス・価格を提供する事を経営理念として事業を行っております。この理念に基づき、以下に掲げる経営方針を実践しております。
①運航路線
国内定期路線につきましては、東京国際空港(羽田空港)を基幹空港とし、羽田=福岡線、羽田=神戸線、羽田=新千歳線、羽田=那覇線を主要な運航路線としております。
また、当社は当面の間は国内線での収益力の安定化に注力し、国際線への展開は予定しておりません。
②コスト
運航資源をはじめとするあらゆる事業資源の運用効率を高めるとともに、より合理的で最適な経営資源の導入を積極的に推進することにより事業構造改革に努めます。また、日常の様々な業務プロセスを徹底的に見直し、改善を図ることにより総体的なコスト削減を図ります。
③サービス
お客さまにとってご納得いただける運賃と、ご予約から目的地ご到着まで適切なサービスを提供することにより、お客さまの信頼にお応えいたします。
④航空機材
使用機材につきましては、ボーイング737-800型機に統一し収益性の向上に努めます。なお、民事再生手続の申立に伴い、平成25年度に導入いたしましたエアバスA330-300型機については全機のリース契約を解除し、また導入を予定しておりましたエアバスA380型機につきましても導入を中止いたしました。
(2)会社の利益配分に関する基本方針
当社では株主の皆様への利益還元を経営の重要課題と考えており、配当につきましては利益の状況、企業体質の強化及び今後の事業展開に必要な内部留保状況等を勘案して決定することとしております。当社では引き続き企業体力の強化を推進するとともに、安定的に株主の皆様への利益還元を実施できるよう努めてまいります。
(3)中長期的な会社の経営戦略
事業性と公共性の両立した航空会社となる様、以下の事項を戦略目標として今後の事業運営を行います。
① 「安全性の確保を事業遂行の基本とし、顧客に適切な価格で快適な航空運送を提供する。」
安全性の確保を至上命題とし航空運送事業の遂行にあたるとともに、より多くのお客さまに適切な価格で気軽に航空機を利用して頂ける航空会社を目指し、適切な価格の提供を通じて新たな市場の創出に努めてまいります。
② 「景気や競争環境ならびに需要の変動に影響されにくい強靭な企業体質を構築する。」
航空運送事業は航空機を使用する輸送事業であるという性格上、景気に影響されやすく、為替や原油価格、需要変動の影響を受け易いため、経営資源を集中させ効率的に運用できる企業体質を構築いたします。
③ 「既成概念を克服し競争力のある航空会社として基盤を確立する。」
当社は就航以来、お客さまに選ばれる運賃・サービスの提供に努めてきた結果、社会にその存在が認知され、発着枠をはじめとする運航環境面において、競争促進枠や新規優遇枠の設定等により羽田空港発着枠を確保してまいりました。今後は、発着枠のみならず航空輸送事業を取り巻く現状について、公正かつ合理的な事業環境の形成を求め、さらなる健全な事業拡大を行い競争力のある航空会社として基盤を確立いたします。
(4)会社の対処すべき課題
① 営業収入基盤の安定化
経済情勢に応じた適正な航空運賃の浸透、路線毎の市場特性ならびに季節要因等を勘案した営業施策の展開、及び販売流通経路における業務処理効率の改善策により安定的な旅客営業収入の確保を図ります。
② 運航品質の向上
航空機の増加、整備体制の自立化の推進と航空機予備部品の拡充を積極的に図ることにより、機体整備に起因する運航便の遅延や欠航便の発生を極力抑制することに努めてまいります。
③ 業務効率化によるコスト削減と人材の育成強化
新型機の導入、運航路線の展開については、独立した運営体制を基本方針とし、運航路線の環境に適応した体制を適切に選定するとともに、海外での業務委託を含め、常にコストパフォーマンスを追求した事業構造の構築を図ります。また、それぞれの分野での高い専門性の習得はもとより、企業理念に基づく士気の高い人材の育成に注力し、柔軟で機動力に富み、また事業規模の拡大や収益構造の変化に即応できる組織体制を構築してまいります。
当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項については、以下のとおりであります。当社はこれらのリスクを認識した上でその発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存であります。
なお、記載事項のうち将来に関する事項については当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1) 事業基盤の特異性について
当社は東京国際空港(羽田空港)を発着する路線を中核として事業展開を図っておりますが、同空港の発着枠については、航空法による混雑飛行場に係る特例の適用を受けております。当社が利用可能な同空港の発着枠は国内線36枠であり、深夜早朝帯の臨時便等の運航を除いて同発着枠の増減予定はありませんが、将来において発着枠の見直し・再配分等が生じた場合には事業計画に影響を及ぼす可能性があります。また、当社における既存発着枠の活用が計画通りに進まない場合についても、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 景気動向の影響について
航空業界は、旅客需要等について景気動向等の変動による影響を受けております。当社は、一般利用者や企業向けに比較的低価格で座席を提供しており、低価格志向の需要を一定程度取り込んでいるものと認識しております。しかしながら、昨年から続く消費増税等による経済への影響によっては、需要の減少等により、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 航空業界を取り巻く環境について
日本の航空業界においては、近年のLCCの参入により航空各社の勢力地図にも変化がみられ、北陸新幹線の開通、今後予定されている東北新幹線の延伸等、業界を取り巻く環境は日々大きく変化しております。当社においては、一部の路線でLCCとの競合に直面しており、また、東京国際空港(羽田空港)を発着する路線及び地方空港を発着する一部の路線では、大手航空会社との競争が進行しております。今後、航空業界において競争環境や事業環境が大幅に変化した場合、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社の主要路線は同業他社も運航しており、路線によっては新幹線・高速道路等の代替交通機関とも競合関係にあります。今後において、競合他社等の運賃戦略等により競争が激化した場合には、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 原油価格の上昇に伴う燃料費への影響について
当社の燃料費は原油価格水準の影響を直接的に受けております。今後の国際的な原油市場の需給バランス、金融情勢、産油国の政治情勢等の影響に伴う原油価格水準の動向によっては燃料費が上昇する可能性があります。
(5) 為替変動の影響について
当社の主な費用のうち、航空機リース及び航空機整備の一部等については外貨建取引を行っております。また航空機燃料についても間接的に為替変動の影響を受けております。航空機リースに係る契約保証金等については外貨建債権を保有している一方で、保有する航空機及び整備費の増加によっては外貨建債務の増加が見込まれます。当社は、現時点においては為替予約等によるヘッジを行っていないため、外国為替の大幅な変動が生じた場合には、費用の増減、もしくは外貨建債権債務の評価損益の発生等により、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 人材の確保について
当社における人材の中でも、運航に従事するもの(操縦士、運航管理者)、航空機の整備に従事するもの(整備士)については、航空法に定める資格が必要です。当該有資格者については、国内他社の経験者並びに海外の経験者等に拠って、人材を確保しておりますが、雇用環境によっては、相当数の有資格者を一時に確保することが困難になる可能性があります。その対策として、自社養成による有資格者の育成を進めておりますが、資格取得までは一定期間の教育訓練を必要とするため、事業展開の時期並びに規模について制約を受ける可能性があります。
(7) 航空機材の導入について
国内路線における航空機材について、当社は、国内路線においてはボーイング737-800型機(177席)を使用機材(有価証券報告書提出日現在においてボーイング737-800型機27機を導入)として事業を展開しております。同機材に関してはオペレーティング・リース取引により導入しておりますが、当該航空機及び未経過リース料については貸借対照表には計上されておりません(平成27年3月期末における未経過リース料の総額は121,714百万円であります)。 また、当社は今後も国内路線の使用機材についてはオペレーティング・リース取引により行う方針でありますが、十分な収益拡大が困難となった場合には、当社の経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローに影響を与える可能性があります。
(8) 使用機材等の整備費の変動について
航空機等に係る整備につきましては、規程で定めている期限、使用機材の状態を考慮し、定期的に点検・整備を実施しておりますが、それぞれの機体及びエンジン等の点検結果によっては整備対象範囲の増加等により、整備費が変動する可能性があります。
また、リース取引終了に伴う航空機返還に係る整備費用については、返還する時期、航空機の状態、その他の要因等によりその見込額に大幅な差異が生じた場合には、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(9) 航空機事故及びトラブル等について
当社の運航便において航空機事故又はトラブル等が生じた場合には、顧客の信頼性や社会的評価の低下、航空機運航に係る障害又は損害賠償請求等が生じることにより、当社の事業、財政状態及び経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。また、他社において航空機事故が発生した場合も、業界全体において航空需要が低下し当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(10) システム障害について
当社は、システムを通じて予約販売、搭乗手続、運航管理、業務管理等、お客様へのサービス及び運航に必要な業務を実施しております。したがって、システムに障害が発生し運航等業務に支障をきたす事態となった場合は、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(11) 顧客情報漏洩について
当社は、膨大な顧客に関する情報を保持しており、情報管理に関する内部管理体制を整備しております。しかしながら、不正アクセスや業務上の過失等、何らかの原因により顧客情報の漏洩事故が発生した場合、損害賠償費用の発生や信用失墜により、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(12) 災害等について
当社の国内路線の多くは東京国際空港(羽田空港)、新千歳空港、神戸空港、那覇空港等の国内主要空港を利用しております。このため、当該地域において地震等の大規模災害や当該施設における火災等による災害が発生した場合には、当該空港発着便の運航が困難となり、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
また、当該地域以外においても、当社が就航する地域において自然災害や何らかの要因により空港施設等の利用に支障が生じた場合にも、同様に当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(13) 戦争・テロ等の影響について
国際的な戦争・テロ等が発生した場合には、日本国内においても保安対策の強化に伴う航空会社の負担増や航空保険料の上昇等により関連費用が増加する可能性があります。
(14) 疫病・インフルエンザ等の感染症による影響について
新型インフルエンザ等の重大な感染症が発生・蔓延した場合は、人々が外出を控えることによる利用客数の減少や、顧客の航空利用の意欲の低下等により当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
また、毒性の強い感染症に当社社員が大量に感染し運航等業務に支障をきたす事態となった場合は、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(15) 事業に対する法的規制について
当社は、航空事業関連法令等の法的規制に基づき事業を展開しており、国土交通省航空局より航空運送事業者としての「事業許可証」の交付を受けております。
当社では当該法的規制を遵守するため、組織並びに規程類を適宜整備し、専門性の高い人材の確保、育成に努めておりますが、当該法規制等に抵触する事象が生じた場合や重大な変更等が生じた場合には、事業許可の取り消しにより当社の事業運営が制限を受け、財政状態及び経営成績に大きな影響を及ぼす可能性があります。なお、現在事業許可の取り消しに係る事象はございません。
(航空運送事業許可の状況)
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取得年月 |
平成12年2月(注) |
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許認可等の名称 |
事業許可 |
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所管官庁等 |
国土交通省 |
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有効期限 |
事業許可証の書換え又は再交付がなされるまでの間、有効とする。 ※書換え又は再交付の発生事由は、事業許可の内容、若しくは運航者情報の変更による場合であります。 ※最新の許可内容となった日は平成24年6月14日であります。 |
|
法令違反の要件 及び 主な許認可取消事由
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航空法第119条 ・事業許可等に付した条件に違反したとき。 ・正当な理由が無く、事業許可等の実施すべき事項を実施しないとき。 航空法第120条 ・航空法第4条第1項各号に掲げる者に該当するに至ったとき。
※当社の事業許可等に付された条件及び未実施事項はありません。 |
(注)航空法改正に伴い、平成12年2月1日より従来の路線免許制から事業許可制へと変更されております。
また、国土交通省から認可を受けている、羽田-神戸線、羽田-新千歳線、羽田-那覇線の運航計画については、運航能力(乗務員、整備士の確保)の維持に支障をきたした場合には、その運航計画の変更をすることの条件が付帯されております。当社の運航能力の整備状況によっては、全体の事業計画を変更する可能性があります。
(16) 環境規制について
近年、温暖化防止を始めとした地球環境保全の一環として、航空機による温暖化ガスの排出量削減に係る取り組みの強化等が求められております。今後、規制のさらなる強化や環境税等の新たな規制が導入された場合は、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(17) 訴訟等について
当社の事業活動に関連して、重要な訴訟等が提起された場合は、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(18) 資産減損について
当社は、固定資産の減損に係る会計基準等に従い、定期的に保有資産の将来キャッシュ・フロー等を算定し減損の兆候の確認及び減損損失の認識・測定を行っております。その結果、将来において固定資産の減損損失を計上することも予測され、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(19) 継続企業の前提に関する重要事象等について
当事業年度において、当社はA330‐300型機導入による運航コストの増加や円安の進行による機材費の増加により収益性が著しく悪化した結果、17,635百万円の営業損失、16,685百万円の経常損失、20,218百万円の当期純損失を計上しております。
また、平成27年7月29日付けでエアバス社よりA380型機の購入契約解除に基づき多額の違約金を請求されておりました。
このような状況から、当事業年度において継続企業の前提に重要な疑義を生じさせる事象が存在しておりましたが、貸借対照表日後の、平成27年9月1日付けで再生計画確定を東京地方裁判所より受けております。
再生計画の確定によりA330-300型機のリース契約の解除やエアバス社等の大口債権者に対する債務の免除等により、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせる事象又は状況は解消したと判断いたしました。
営業に関する重要な契約
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契約の種類 |
契約の内容 |
契約相手先 |
備考 |
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運航乗務員の提供に関する契約 |
運航乗務員の提供 |
PARC Aviation Ltd. |
アイルランドの航空機パイロット提供会社 |
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運航乗務員の提供に関する契約 |
運航乗務員の提供 |
IAC North Pacific Pty Ltd. |
オーストラリアの航空機パイロット提供会社 |
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運航乗務員の提供に関する契約 |
運航乗務員の提供 |
IASCO GLOBAL Pte.Ltd |
シンガポールの航空機パイロット提供会社 |
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運航乗務員の提供に関する契約 |
運航乗務員の提供 |
Rishworth Aviation Ltd. |
ニュージーランドの航空機パイロット提供会社 |
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運航乗務員の提供に関する契約 |
運航乗務員の提供 |
WASINC INTERNATIONAL LTD. |
香港の航空機パイロット提供会社 |
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航空機材リース契約 |
航空機材のリース |
Gecas Aircraft Leasing Norway AS |
ボーイング737-800型機4機 |
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航空機材リース契約 |
航空機材のリース |
Wells Fargo Bank Northwest NA |
ボーイング737-800型機2機 |
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航空機材リース契約 |
航空機材のリース |
ALC B378 35228, LLC |
ボーイング737-800型機1機 |
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航空機材リース契約 |
航空機材のリース |
Avolon Aerospace Norway 1 Limited |
ボーイング737-800型機1機 |
|
航空機材リース契約 |
航空機材のリース |
Macquarie Aerospace Inc. |
ボーイング737-800型機1機 |
|
航空機材リース契約 |
航空機材のリース |
NBB Black Swan |
ボーイング737-800型機1機 |
|
航空機材リース契約 |
航空機材のリース |
BOC Aviation Corporation |
ボーイング737-800型機1機 |
|
航空機材リース契約 |
航空機材のリース |
NBB Bluejay |
ボーイング737-800型機1機 |
|
航空機材リース契約 |
航空機材のリース |
SKK Corporation |
ボーイング737-800型機1機 |
|
航空機材リース契約 |
航空機材のリース |
Bank of Utah as owner trustee |
ボーイング737-800型機3機 |
|
航空機材リース契約 |
航空機材のリース |
NBB Hummingbird |
ボーイング737-800型機1機 |
|
航空機材リース契約 |
航空機材のリース |
NBB Ostrich |
ボーイング737-800型機1機 |
|
航空機材リース契約 |
航空機材のリース |
三菱UFJリース株式会社 |
ボーイング737-800型機1機 |
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航空機材リース契約 |
航空機材のリース |
AWAS Norway I AS |
ボーイング737-800型機2機 |
|
航空機材リース契約 |
航空機材のリース |
AWAS Norway 3 AS |
ボーイング737-800型機1機 |
|
航空機材リース契約 |
航空機材のリース |
AWAS Norway 9 AS |
ボーイング737-800型機2機 |
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航空機材リース契約 |
航空機材のリース |
GY Aviation Lease (Norway)Co. AS |
ボーイング737-800型機2機 |
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航空機材リース契約 |
航空機材のリース |
SMBC Aviation Capital (UK) Limited |
ボーイング737-800型機1機 |
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航空機整備基本契約 |
航空機整備 |
Evergreen Aviation Technologies Corporation |
台湾の航空機整備会社 |
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航空機エンジン整備基本契約 |
航空機エンジン整備 |
DELTA Airlines Inc. |
デルタ航空の整備部門 |
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航空機エンジン整備基本契約 |
航空機エンジン整備 |
Lufthansa Technik AG |
ルフトハンザ航空の関連航空機整備会社 |
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航空機装備品整備基本契約 |
航空機着陸装置整備 |
ST Aerospace Solutions Europe A/S |
デンマークの航空機装備品整備会社 |
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航空機部品供給契約 |
航空機部品供給 |
Lufthansa Technik AG |
ルフトハンザ航空の関連航空機整備会社 |
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代理店契約 |
航空引換証の販売代理 |
株式会社エイチ・アイ・エス |
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代理店契約 |
航空引換証の販売代理 |
株式会社ジェイティービ- |
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代理店契約 |
航空引換証の販売代理 |
近畿日本ツーリスト株式会社 |
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再生支援基本契約 |
民事再生手続きに係る再生支援 |
インテグラル株式会社 |
投資会社 |
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スポンサー契約 |
再生支援 |
ANAホールディングス株式会社 UDSエアライン投資事業有限責任組合 |
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株主間契約 |
再生支援 |
ANAホールディングス株式会社 |
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(注)1. 代理店契約は他に140社と契約を結んでおります。
特記事項はありません。
文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に準拠して作成しております。この財務諸表の作成にあたりまして、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の開示に影響を与える見積りを必要とする項目があります。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案して合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性から、実際の結果はこれら見積りと異なる場合があります。
当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況」の「重要な会計方針」に記載しております。
(2)当事業年度の経営成績の分析
① 事業収益
当事業年度の事業収益につきましては、旅客数の減少、旅客単価の減少により80,946百万円(前年比5.8%減)となりました。
② 事業費、販売費及び一般管理費
当事業年度の事業費は、95,108百万円(前年比11.7%増)となりました。主な要因は、使用航空機数の増加に伴う航空機材費の増加(前年比28.6%増)、エアバスA330-300型機の導入に係る運航乗員訓練費の増加(前年比103.9%増)、運航便の運休・欠航に伴う旅客サービスの拡充に係る非常旅客取扱費の増加(前年比1,333.8%増)等によるものです。販売費及び一般管理費は、エアバスA330-300型機の導入に係る広告宣伝費の増加(前年比145.5%増)、保険料の増加(前年比109.7%増)等により3,473百万円(前年比3.7%増)となりました。
③ 営業外損益
為替差益394百万円及び違約金収入472百万円の計上などにより、949百万円の利益を計上いたしました。
④ 特別損益
減損損失2,517百万円の計上などにより、特別損益は2,080百万円の損失となりました。
(3)経営成績に重要な影響を与える要因について
当社を取り巻く事業環境は、原油相場の影響を受けやすく、今後の相場次第では当社の経営環境に影響を与える事が予想されます。特に中東の産油国の情勢には、注視する必要があります。
また航空機事故やトラブル等が生じた場合、その影響は直接的であり、多大になる可能性があります。そのような状況を防ぐため、点検・整備の徹底、継続的な従業員の安全意識の啓蒙等の安全対策に、より一層努めてまいります。
今後も航空機のリース料や航空機整備に係わる一部の費用については外貨建取引となる為、それに伴う為替変動の影響が増加する事が予想されます。現時点では為替予約は行っておりませんが、今後の為替動向と外貨建取引状況によっては、然るべき対策を検討します。
(4)経営戦略の現状と見通し
当社は適正な運賃水準を維持しながら、堅実な路線展開を行うことで収益の安定的確保を図ってまいります。具体的には保有機種をボーイング737-800型機1機種に絞り、運航路線の運休あるいは運航時間の変更などの見直しを行い、国内線における収益性の向上とコスト削減を図ってまいります。また、安定的な事業継続ができる環境を確保するべく、各航空機リース会社と協議の上、リース期間の一定程度の延長およびリース料の支払額の減額を実施しております。
今後はボーイング737-800型機1機種での運航体制とし、国内線における収益性の安定確保に注力してまいります。
(5)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当事業年度末における現金及び現金同等物は前事業年度末に比べ4,685百万円減少し、2,379百万円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因につきましては「第2 事業の状況 1(業績等の概要)(2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
(6)経営者の問題認識と今後の方針について
当社の経営陣は、現在の事業環境及び入手可能な情報に基づき最善の経営方針を立案するよう努めておりますが、為替相場及び原油相場の状況等の経済情勢、少子高齢化の進行、LCCや新幹線開業・延伸の影響など、当社を取り巻く事業環境は、楽観視できない状況が続く事が予想されます。
そのような状況の中、定時性の向上、企業イメージの向上、徹底した収益とコストの管理により、LCCでもなく、大手航空会社でもない独自の存在として、適正な運賃を提供しつつ、お客様に満足いただける品質やサービスを提供し、安定的収益基盤の確保と更なる収益の拡大を図ってまいります。