独立監査人の監査報告書

 

 

 

2022年11月10日

スカイマーク株式会社

 

 

取締役会 御中

 

 

 

有限責任監査法人トーマツ

 

 

東京事務所

 

 

 

指定有限責任社員

業務執行社員

 

公認会計士

小堀 一英

 

 

指定有限責任社員

業務執行社員

 

公認会計士

萬 政広

 

監査意見

 当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられているスカイマーク株式会社の2021年4月1日から2022年3月31日までの第26期事業年度の財務諸表、すなわち、貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、キャッシュ・フロー計算書、重要な会計方針、その他の注記及び附属明細表について監査を行った。

 当監査法人は、上記の財務諸表が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、スカイマーク株式会社の2022年3月31日現在の財政状態並びに同日をもって終了する事業年度の経営成績及びキャッシュ・フローの状況を、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。

 

監査意見の根拠

 当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。監査の基準における当監査法人の責任は、「財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。

 

強調事項

 注記事項(重要な後発事象)に記載されているとおり、会社は2022年11月10日開催の取締役会において、上場に伴う公募増資と同時に資本金及び資本準備金の額の減少を行う旨を決議している。

 当該事項は当監査法人の結論に影響を及ぼすものではない。

 

監査上の主要な検討事項

 監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。

事業計画の合理性(繰延税金資産の回収可能性及び継続企業の前提に関する評価の基礎の検討)

監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由

監査上の対応

 会社は、当事業年度において、主に新型コロナウイルス感染症の影響による航空旅客需要の大幅な減少により、損益計算書において営業損失16,694百万円計上するとともに、キャッシュ・フロー計算書において営業活動によるキャッシュ・フロー△12,459百万円を計上している。

 このような状況において、経営者は必要な資金調達を行い手元資金の流動性を確保したうえで、翌期以降の事業計画及び資金繰り計画のシミュレーションを行った結果、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況を解消し、又は改善するための対応策は実行可能であり、継続企業に関する重要な不確実性は認められないと評価している。また、当事業年度末の貸借対照表において繰延税金資産16,795百万円を計上しているが、財務諸表の注記事項(追加情報)で開示されているとおり、この繰延税金資産の計上額は、当事業年度末の財務数値が借入金に係る財務制限条項に抵触するかどうかを左右するものであり、会社の事業継続において特に重要である。

 これら繰延税金資産の回収可能性の判断及び継続企業の前提に関する経営者の評価は、翌期以降の事業計画及びそれと整合する将来の課税所得の見積りを基礎として行われており、それらは新型コロナウイルス感染症が航空旅客需要に与える影響やコロナ禍以後の市場環境、機材の購入や路線計画など会社固有の戦略による売上成長予測、燃油価格及び為替相場の推移に影響を受ける費用予測などの重要な仮定を含んでいる。また、事業計画のうちこれらの重要な仮定を含む事項については、経営者の方針や判断に依存し、かつ、外部環境にも影響を受ける項目であることから、不確実性が高い。

 以上から、当監査法人は「繰延税金資産の回収可能性及び継続企業の前提に関する評価の基礎となる事業計画の合理性」を監査上の主要な検討事項であると判断した。

 当監査法人は、繰延税金資産の回収可能性及び継続企業の前提に関する評価の基礎となる事業計画の合理性を検討するにあたって、主として以下の監査手続を実施した。

1.内部統制の評価

●事業計画を会社の経営計画管理規程等に従って適切に作成・承認するための内部統制について、取締役会議事録を閲覧し、事業計画に対する取締役会の承認状況(関連部署からの報告数値及び重要な仮定に関する承認を含む。)を確かめることにより、その整備・運用状況の有効性を評価した。

 

2.実証手続

●経営者及び財務経理責任者への質問を行い、翌期以降の事業計画及び資金繰り計画の策定方法を理解した。また、業界やビジネスに関する理解及び過去の経緯を踏まえ、経営戦略における重要な要素に関する当期末までの状況変化を分析することで、会社が作成した事業計画(及び課税所得計画)が対象とする期間を基礎として、回収が見込まれる繰延税金資産の計上額を決定することの合理性を評価した。

●過去の経営計画と実績値との比較を行い、両者の間に生じた差異について原因を分析することで、会社の事業計画の作成能力及びその精度に関して評価した。

●事業計画における新型コロナウイルス感染症の影響が収束する時期の見込み、その後の航空旅客需要の回復速度、コロナ禍以後の市場環境のもとでの市場の成長率等の仮定について、外部機関による市場予測等のレポートやコロナ禍における会社の売上高の回復実績等と会社が採用した仮定とを比較した。

●路線計画については、機材の投資計画及び人員計画との整合性を確かめるとともに、発着枠の維持・獲得の見込みや過去ダイヤの趨勢との比較を実施することにより、その合理性を検証した。また、機材の投資計画については、新機材の導入スケジュールについて責任者に質問を行い、調達予定先との交渉状況を示す文書の閲覧を行った。

●コロナ禍以後の座席利用率及び単価の推移見通しについては、路線計画(生産量)を踏まえた過去実績との関連性に加え、将来的に生じる可能性がある変化や昨今の経済環境等を評価したうえで、その合理性を検証した。

●将来の計画期間内における燃油価格相場及び為替相場の見通しについては、利用可能な市場予測等の外部データとの比較を行った。

 

 

定期整備引当金の見積方法の合理性及び算定過程におけるデータ集計の適切性

監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由

監査上の対応

 会社の当事業年度末の貸借対照表において定期整備引当金26,785百万円(流動負債10,479百万円、固定負債16,305百万円)が計上されており、これは負債・純資産合計の約28%を占めている。

 注記事項(重要な会計方針)「6.引当金の計上基準」及び(重要な会計上の見積り)「2.定期整備引当金の算定」に記載のとおり、定期整備引当金の算定基礎のうち、将来の「定期整備費用見積額」は当期までの航空機整備の実績金額を基礎として見積り、「整備が必要になるまでの運航回数」は整備計画や当期までの航空機整備における整備実施時点での運航回数により見積りを行っている。また、「整備が必要になるまでの運航回数」に対して、機材ごとの「当事業年度末までの運航回数の進捗」を加味することで、将来の「定期整備費用見積額」のうち当事業年度末までに負担すべき金額を算定し、定期整備引当金として計上している。

 航空機の整備内容や実施時期の判断は高度な専門性を必要とするものであり、将来における整備費用の見積りにあたっては、過去の実績に加えて複数の要素を慎重に考慮する必要がある。具体的には、全社的な機材保有方針の変更の有無、整備価格相場の推移、個別の機材ごとのリース契約条件や調達方法の変更(リース機材の買取りなど)ですでに決定済みのものがないかなどを考慮すべき可能性がある。これらの整備費用見積額に重要な影響を及ぼす要素を検討するために必要な情報を適切に収集し、将来における整備内容やその金額の見積りへの反映要否を判断することは、経営者の判断に依存する程度が高く、一定の不確実性が伴う。

 また、多数の保有機材が対象となることや、整備が必要となるまでの期間が長期にわたることなどから、会社が行う各データの集計作業にも一定の複雑性や煩雑性が伴っている。そのため、対象とする過去実績から必要となるデータを漏れなく、正確に管理・集計し、各算定基礎を計算するための内部統制が適切に整備及び運用されないと、財務諸表に重要な影響を与える誤謬が発生する可能性がある。

 以上から、当監査法人は、定期整備引当金の見積方法の合理性及び算定過程におけるデータ集計の適切性が、当事業年度の財務諸表監査において特に重要であり、監査上の主要な検討事項に該当すると判断した。

 当監査法人は、定期整備引当金の見積方法の合理性及び算定過程におけるデータ集計の適切性を評価するため、主に以下の監査手続を実施した。

1.内部統制の評価

 定期整備引当金の見積りに関連するデータ・情報収集に係る内部統制の整備及び運用状況の有効性を評価した。評価に当たっては、会社が過去の決算における定期整備引当金の計上額と整備費用の実績額等とを比較することや、その比較結果を分析し見積方法の変更要否を判断すること等により、定期整備引当金の見積方法の合理性を判断するための内部統制に特に焦点を当てた。

 

2.定期整備引当金の見積りの合理性の評価及び算定過程におけるデータ集計の適切性の検討

●定期整備引当金の計算資料や会社の整備計画、その基礎となる社内の整備関連規程、取締役会の議事録等を閲覧し、財務経理責任者に対して質問を行うことにより、整備費用見積額に重要な影響を及ぼす要素に対する会社の認識を理解・把握した。それらの要素を加味したうえで、法令や契約によって要求される整備が整備計画及び定期整備引当金の計上額に適切に反映されているかどうかを検証した。

●前事業年度末までに計上された定期整備引当金の計上額と、当期中に発生した整備費用の実績額等とを比較し、その差異の内容を過去からの趨勢も踏まえつつ検証した。また、差異の要因となった事項を将来の見積りに反映することの要否や、反映方法に関する経営者の判断の妥当性を評価した。

●算定基礎となる各要素について、それぞれ次の手続を行うことにより、経営者が見積りを行ううえで参照している過去実績データの正確性及び網羅性を検証した。

・過去の整備実績に係る案件の網羅性について、過去に入手した整備計画との整合性や総勘定元帳の通査、取締役会等の議事録の閲覧結果との照合を行った。

・案件ごとの整備実績金額について、サンプルを抽出し、請求書と照合した。

・整備実施時点又は当事業年度末時点での機材ごとの運航回数の正確性について、会社の整備管理システム上で管理される運航回数との整合性を確認した。

●過去実績データ等に基づく再計算結果をもとに、会社の決算資料上での引当金算定金額との比較を行った。

 

その他の記載内容

 その他の記載内容は、有価証券届出書 第二部【企業情報】に含まれる情報のうち、財務諸表及びその監査報告書以外の情報である。経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。また、監査役及び監査役会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。

 当監査法人の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。

 財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。

 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。

 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。

 

財務諸表に対する経営者並びに監査役及び監査役会の責任

 経営者の責任は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して財務諸表を作成し適正に表示することにある。これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。

 財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。

 監査役及び監査役会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。

 

財務諸表監査における監査人の責任

 監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から財務諸表に対する意見を表明することにある。虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、財務諸表の利用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。

 監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。

・ 不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立案し、実施する。監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手する。

・ 財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。

・ 経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関連する注記事項の妥当性を評価する。

・ 経営者が継続企業を前提として財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付ける。継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において財務諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する財務諸表の注記事項が適切でない場合は、財務諸表に対して除外事項付意見を表明することが求められている。監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。

・ 財務諸表の表示及び注記事項が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた財務諸表の表示、構成及び内容、並びに財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する。

 監査人は、監査役及び監査役会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。

 監査人は、監査役及び監査役会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去又は軽減するためにセーフガードを講じている場合はその内容について報告を行う。

 

 監査人は、監査役及び監査役会と協議した事項のうち、当事業年度の財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。

 

利害関係

 会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。

以 上

 

 

 

 (注)1.上記は監査報告書の原本に記載された事項を電子化したものであり、その原本は当社(有価証券届出書提出会社)が別途保管しております。

2.XBRLデータは監査の対象には含まれていません。

 

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