当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)経営方針
当社は、「社会的使命」、「将来に目指す姿」、「価値観・行動指針」を全役職員で共有すべく、スカイマークMVV(Mission・Vision・Value)を掲げております。
Mission(ミッション)
安全を全ての基礎とし、安心かつ高品質で、シンプルでありながら心のこもった快適な航空サービスを、身近な価格で提供する
Vision(ビジョン)
なくてはならない愛される翼として成長し続け、誰もが気軽に移動できる未来を創造する
Value(バリュー)
[価値観]
1.スカイマークらしさ
他にはない価値の源泉である「独自性」、「ユニークさ」、「唯一無二」を大事にします
2.航空のプロフェッショナルとしての誇り
プロフェッショナル集団として成長し、その成果を未来への投資や社員、ステークホルダー、社会への還元に繋げ、さらなる成長に向けた好循環を作り出します
3.挑戦・変化するマインド
新たな挑戦や変化を恐れずに楽しみます
4.人の尊重
サービス提供者である社員、そして事業にかかわる全ての人を尊重します
[行動指針]
1.私たちは、お客様や地域への優れた価値提供のために最善を尽くします
2.私たちは、互いを尊重し、部門を越えて共創・協働します
3.私は、主体性をもって価値ある正しい仕事をします
(2)経営戦略及び目標とする経営指標等
当社は安定した需要が見込まれる羽田空港路線を中心に、高水準の運航品質並びにお客様への心のこもったサービスをより身近な価格で提供することで収益の安定的確保を図って参ります。
コスト面に関しても、ボーイング737-800型機単一での運航体制とし、多頻度運航を行うほか、継続してコスト削減に取り組むことで、国内線における収益性の安定確保に注力しております。
なお、当社は、当事業年度末現在運航中のボーイング737-800型機の後継機としてボーイング737-8型機及びボーイング737-10型機を導入することとし、2022年11月にリース会社とボーイング737-8型機6機のリース契約を、2023年1月にボーイング737-8型機及びボーイング737-10型機計6機(確定4機、オプション2機)の購入契約を、2025年5月にはボーイング737-8型機6機の購入契約を、2025年6月にはボーイング737-10型機3機の購入契約をボーイング社と締結しました。これらの機材は2025年度第4四半期会計期間より順次導入を開始し現行機材を更新するとともに、2027年度からは現行機材のボーイング737-800型機よりも座席数の多いボーイング737-10型機を収益性の高い羽田空港国内路線に導入することにより、更なる収益性の向上に努めて参ります。また、燃料効率の優れたこれらの新型機の導入により、燃料費をはじめとして更なるコスト削減を見込んでおります。
路線戦略については、2025年に実施された福岡空港、神戸空港の発着枠の拡大及び2029年に予定されている羽田空港の発着枠の再配分を通じて運航便数を増加させ有償旅客数の増加に繋げるとともに、茨城空港や下地島空港(宮古島市)をはじめとする当社独自の拠点についても就航地と協働して需要の喚起に努め更なる収益性の向上を図って参ります。
また、上記に加え当社は、運航路線及び運航時間の変更などの見直しを行い利便性の向上、定時性の確保、心に残る温かいサービスを提供し続けることによりお客様にとって価値のあるValue for Money(VFM)トップの航空会社であり続けられるよう取組んで参ります。なお、運航品質面では継続して高い定時運航率を維持しており、また、2023年度に引き続き2024年度にも「顧客満足度」第1位を獲得するなど、安全運航の堅持を前提にお客様の利便性向上を追求し他社との差別化を図るとともに、DX推進によるマーケティング強化も加え、顧客利便性の更なる向上に努めます。
(中期経営目標)
当社は中期経営目標において2029年度の業績目標を下記の通り定めております。上記の基本戦略を着実に実行し、変化する競争環境下でも安定的に利益を確保できるよう努めてまいります。
2029年度目標
事業収益 :1,700億円以上
営業利益 :120億円程度
自己資本比率 :40%程度
機動的に更なる株主還元を目指す。
(3)経営環境
日本の航空業界は、ポストコロナにおいて、レジャーを中心に需要は着実に回復しており、加えて訪日外国人増加に伴う需要の底上げが見られます。国内旅行においては、円安による一定のコスト増はあるものの、海外旅行から国内旅行への需要シフト、物価上昇を背景に付加価値の高いサービスに対する値上げ許容度の変化が想定されます。また、中期的には羽田・神戸・福岡空港等の発着枠増加及び再配分により、当社にとっての競争環境の変化が見込まれます。
当社においては、一部の路線でLCC及び大手航空会社との競合に直面しており、また、日本国内でも最大の混雑空港である羽田空港を発着する路線及び地方空港を発着する一部の路線では、大手航空会社と競合しています。
また、当社の主要路線の一部は新幹線・高速バス等の地上交通機関とも競合関係にあります。今後、競合他社等の運賃戦略等により競争が激化した場合には、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
さらに、航空機燃料は原油相場の影響を受け、航空機のリース料等の外貨取引は為替相場の影響を受けるため、今後の相場次第では当社の経営環境に影響を与えることが予想されます。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
①新機材の導入
当社は当事業年度末現在運航中のボーイング737-800型機の後継機としてボーイング737-8型機及びボーイング737-10型機の導入を予定しております。これらの新機材は現行機と比較してボーイング737-8型において15%程度、ボーイング737-10型では19%程度燃料使用量を削減でき、二酸化炭素排出量の軽減も期待できる省燃費機材です。
ボーイング737-8型機については2025年度第4四半期より導入を開始する計画であり、導入に向けた準備を進めております。当社としては、これらの省燃費新機材を導入することは重要な施策のひとつと考えており、2027年度からはボーイング737-8型機に加え、長胴型であり提供座席数を現行機の177席から210席まで拡大することができるボーイング737-10型機を収益性の高い羽田空港国内路線に導入することで、更なる収益性の向上に努めて参ります。新機材の導入戦略を着実に実行することで、現在の29機体制から、2026年度以降は33機体制とし、事業規模拡大を目指して参ります。
②発着枠の拡大
羽田空港国内路線の拡大にあたり、2028年に予定されている羽田空港国内路線発着枠の配分見直しにおける増枠の達成が重要と考えております。前回2020年の配分見直しにおいては評価項目として以下が設けられておりました。
・運賃水準の低廉化の努力
・安全の確保
・全国的なネットワークの形成
・航空会社の効率的な経営の促進
・発着枠の効率的な使用
・行政処分の有無
当社は2020年の羽田空港国内路線発着枠の配分見直しにおいて、本邦航空会社で唯一羽田空港国内路線発着枠の増枠を達成しており、今後も当社の「身近な価格で、高い運航品質とシンプルで心のこもったサービスを提供する」ビジネスモデルを維持・強化し、増枠に必要な評価を得られるように継続して努めて参ります。
③財務上の課題
当社は新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う旅客需要の減少により、業績に大きな影響を受けました。
ポストコロナにおいて旅客需要は概ねコロナ禍以前の状態に回復しておりますが、当社としましては再び同様の事例が発生した場合等に備えた財務基盤の拡充は重要な課題であると考えております。
具体的には、各種収益向上施策により創出したキャッシュ・フローを元に安全維持のための更新投資、新機材導入などの成長投資を行ったうえで、有利子負債の返済や手元流動性の確保を通じて財務基盤を強化し、自己資本比率を40%程度まで引き上げて参ります。
当社のサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)サステナビリティ全般
①ガバナンス
当社では、サステナビリティに関する方針を取締役会で審議・決定しています。
取締役会で決定された方針を受け、サステナビリティ委員会で議論を行い、取組と目標を決定しています。サステナビリティ委員会は、代表取締役社長執行役員が委員長を務め、業務執行取締役や執行役員から構成される組織で、サステナビリティ課題全般の重要方針や施策などについての議論を行っています。
各部門で実施される施策の進捗状況は、サステナビリティ委員会へ年2回報告します。さらにその都度取締役会へも報告することで、適切に監督を行う体制としています。
②戦略
当社は、『「空」を通じて、社会をより良く。』をコンセプトに『あらゆる人々に、安全で安心かつ高品質な航空サービスを、身近な価格で提供する」ことを通じて、社会の持続的な発展に貢献する』ことを、サステナビリティ基本方針としています。この基本方針に則って事業活動を継続していくために、重要な要素として、「事業の基盤」と「重要課題」を特定しました。
「事業の基盤」は、当社にとって最も重要であり、普遍的に取り組むべきものです。「安全と品質」及び「ガバナンス」を事業の基盤として位置づけました。これら2つの要素は当社が事業を継続する上で欠かすことができません。最優先で取り組みます。
「重要課題」は、事業を通じた社会の発展への貢献と、社会・環境の持続可能性の向上を両立するために、当社が特に力を入れて取り組むべきものです。私たちの事業は、社会や環境のシステムの上に成り立っています。将来にわたって事業を継続していくためには、当社の持続可能性のみならず、社会や環境の持続可能性の向上も同時に追求していくことが必須と考えています。特定した3つの重要課題を事業計画に組み込み、その解決に取り組みます。
・環境
航空運送事業を行う中でGHG(温室効果ガス)の排出が避けられない当社にとって、気候変動への対策は最も重要な課題の一つです。GHG排出量の少ない航空機やSAF(持続可能な航空燃料)の導入をはじめとした取組を推進し、環境負荷の低減と社会価値の創出を両立します。
・人
共生社会の実現のため、公共交通インフラである当社が果たすべき役割は大きいと認識しています。あらゆる人が気軽に利用しやすい航空サービスを提供することで、誰一人取り残さない社会の実現に貢献します。
また、人材は当社の価値創出の源です。社員が成長しながら生き生きと活躍することのできる環境づくりに努めます。
・地域
当社の事業は就航地域と密接に関わり合っており、就航地域の発展無くして当社の発展はあり得ません。路線ネットワークの維持・拡大による人流・物流の拡大と就航地の魅力発信を通じて、就航地の発展に貢献します。
各重要課題に対応する重点テーマ及び取組と目標は以下の通りです。
③リスク管理
当社では、事業環境を取り巻く様々なリスク要因を認識し、対処することを目的として、リスク管理委員会を中心としたリスク管理体制を構築しています。
リスク管理委員会は、原則として年4回開催され、全リスク項目の中から、会社が管理すべき「優先リスク」を特定しています。さらに、リスク管理委員会は各施策のPDCAサイクルを回す役割も担っており、担当部門を明確にした上で、対策の策定、その進捗、効果、達成状況の確認、評価を行っています。また、これらのリスク管理の実施状況は取締役会へ報告することで、適切に監督を行うこととしています。
(2)気候変動への対応
①ガバナンス
当社では、気候変動への対策に関する方針を取締役会で審議・決定しています。
取締役会で決定された方針を受け、サステナビリティ委員会で議論を行い、取組と目標を決定しています。
各部門で実施される施策の進捗状況は、サステナビリティ委員会へ年2回報告します。さらにその都度取締役会へも報告することで、適切に監督を行う体制としています。
②戦略
気候変動が深刻化すると、GHGの排出量が多い航空機に対しては、規制や課税が課されたり、利用者が減少する可能性が想定されることから、気候変動への対策は当社の最も重要な課題の一つとなっています。そのため当社では、TCFD提言で示された各リスク・機会の項目を参考に、気候変動問題が当社事業に及ぼすリスク・機会に関して、以下のステップで検討いたしました。
また、1.5℃~2℃シナリオ及び4℃シナリオを用いて、政策や市場動向の移行(移行リスク・機会)や、災害などによる物理的変化(物理リスク・機会)に関するシナリオ分析を実施しました。
③リスク管理
・気候関連リスクを識別・評価するプロセス
当社では、リスク管理委員会において全リスク項目の中から、会社が管理すべき「優先リスク」を特定しています。リスク管理委員会による評価の結果、“気候関連リスク”を「優先リスク」として位置づけ、サステナビリティ委員会を中心としたPDCAサイクルの中で対策を策定し、取組を推進しています。
・気候関連リスクを管理するプロセス
リスク管理委員会による評価により「優先リスク」と位置付けられた“気候関連リスク”に関する方針は、取締役会で審議・決定され、目標や取組などの具体的な内容はサステナビリティ委員会で検討されます。
サステナビリティ委員会は各施策のPDCAサイクルを回す役割も担っており、各部門から原則年2回施策の進捗状況の報告を受け、その内容を確認するとともに、取締役会への報告を行っています。
・気候関連リスクの全社的リスク管理への統合プロセス
サステナビリティ委員会での検討内容や報告事項は、その都度、取締役会にも報告されます。取締役会では、サステナビリティ委員会の報告内容を必要に応じてリスク管理委員会に提供することで、気候変動に係るリスクを含むサステナビリティ全般のリスクを、組織全体のリスク管理に統合させています。
④指標と目標
当社では、気候関連のリスクと機会を評価・管理する指標として、GHG排出量を算定しています。またGHGの削減目標については、2050年のカーボンニュートラル達成を念頭に、2030年のGHG排出量を設定するなど、より具体的な目標を設定し、排出量削減の取組を実施してまいります。
(3)人的資本
①ガバナンス
当社では、人的資本課題への対応を含むサステナビリティに関する方針を取締役会で審議・決定しています。
取締役会で決定された方針を受け、サステナビリティ委員会で議論を行い、取組と目標を決定しています。サステナビリティ委員会は、代表取締役社長執行役員が委員長を務め、業務執行取締役や執行役員から構成される組織です。人的資本課題を含むサステナビリティ課題全般について、重要方針や施策などについての議論を行っています。
各部門で実施される施策の進捗状況は、サステナビリティ委員会へ年2回報告します。さらにその都度取締役会へも報告することで、適切に監督を行う体制としています。
②戦略
当社は、「安全を全ての基盤とし、安心かつ高品質で、シンプルでありながら心のこもった快適な航空サービスを、身近な価格で提供する」という企業ミッションを実現するために、価値創出の源である社員が会社の最も大切な財産であると考えています。また、航空運送事業は労働集約型産業であり、事業や施策の安定的な運営・推進のためには、多様な人材の確保と育成が不可欠です。多様な人材が、日々成長を重ねながら生き生きと活躍することのできる環境づくりに向けて、人材戦略を推進しています。
a.人事方針(活躍環境の整備)
事業に不可欠となる多様な人材の確保と、当社での活躍を支えるべく、以下のような環境の整備に取り組んでいます。
・人材の確保と成長環境の提供
事業の推進と持続的な成長を実現するため、人材を最も重要な経営資源と捉え、「成長」と「変革」を志向し、自律的に価値を創造できる人材の育成に取り組んでいます。多様性を尊重する観点から、国籍、性別、学歴、経験、出身地に関わらず、広く人材を確保し、その能力を最大限に活かせる組織づくりを推進いたします。入社後は、業務に直結した専門スキルや技術の教育訓練に加え、階層別研修や手上げ制研修等、多岐にわたる研修機会を提供することで、社員一人ひとりの能力開発を支援し、組織全体の成長を牽引してまいります。
・「キャリアチャレンジ制度」の運用推進
社員の自律的なキャリア形成、及び部署と人材のマッチングを目的とした「キャリアチャレンジ制度」の運用を開始しました。2025年4月には、当制度を用いて初めてマッチングを実現した5名の社員が希望部署へ異動し、新たな業務に励んでいます。初回は募集段階から規模を抑えて運用しましたが、2025年度からは本格運用として募集規模を拡大し、また年2回実施することによって、より機動的なマッチング、並びに社員1人ひとりのキャリアプランの実現に向けた挑戦への支援を一層推進してまいります。
・働きがいのある職場環境づくり
多様な人材が持続的に活躍する環境の基盤である、働きがいのある職場づくりに取り組んでいます。多様な価値観を持つ人材が、年齢や性別にとらわれることなく、日々の生活と当社での活躍を両立できるよう、仕事と生活の調和の促進を図り、働きやすい職場づくりを追求しています。とりわけ、育児支援の側面では、看護等休暇の対象となる子の年齢を法律の要件を超える範囲で設定する等、早朝・深夜を含めたシフト勤務を行う社員が多い特性を踏まえ、制度設計を行っています。今後も幅広い見地から、多様な人材が活躍し続けられる職場環境の提供と働き方の意識改革に努めてまいります。
また、働きがいのある職場の実現に向けて、2023年度より全社員を対象にエンゲージメント調査に取り組んでいます。エンゲージメントの向上は、質の高いサービスの提供、顧客満足度の向上、企業収益の最大化、そして社員への適正な還元という好循環を生み出すための重要な要素と考えています。2023年度の調査で明らかになった課題を踏まえ、2024年度は転勤制度の改定、教育・研修の充実、コミュニケーションの改善を柱とした全社的な取り組みを実施いたしました。一例として、コミュニケーションの改善を目的に、社長や役員が各拠点を訪問し、社員と直接対話する機会を多数設けました。また、社員の会社への誇りを高め、家族とのつながりを深めることを目的に「ファミリーデー」を開催し、社員を支える家族やパートナーに当社を知っていただく機会を提供いたしました。これらの取り組みの結果、2024年度の調査では前年度比で改善が見られました。今後も、社員が生き生きと働き続けられる職場環境の実現に向けて、継続的な改善に努めてまいります。
b.人材育成方針
グランドハンドリングをはじめ、航空機の運航に関わる全ての職種を社内に保持していることは、同業他社と比しても当社の人員構成上の最大の特徴です。当社では、現業部門を「プロフェッショナル人材」と位置づけ、これまで培ったチームワークとスキルを活かしながら、安全性・運航品質・ホスピタリティを向上させていく人材の育成を行っています。間接部門については「企画戦略人材」との位置づけのもと、経営や事業運営を担う基幹人材を育成するべく、課題分析・企画提案力のブラッシュアップを進めています。
また現業・間接部門ともに、MBO(目標管理制度)や1on1を活用したOJTを主たる育成の場とする人材育成の基本的な枠組みは共通とし、職種ごとに求められる能力に応じて柔軟に教育内容を変更しながら社員の育成を推進しています。
2024年度には、スキルアップを目的に管理職層及び間接部門の中堅社員に向けた研修を強化したほか、キャリアチャレンジ制度の運用にあわせて、社員が自身のキャリアについて考える機会を提供する「キャリアデザイン研修」を新設しました。2025年度以降においては、研修のさらなる充実を図るとともに、より効果的な人材育成のため、人材育成体系の構築や人事制度の見直しにも取り組んでまいります。
③リスク管理
当社では、リスク管理委員会において全リスク項目の中から、会社が管理すべき「優先リスク」を特定しています。リスク管理委員会による評価の結果、“人事戦略リスク”を「優先リスク」として位置づけ、サステナビリティ委員会を中心としたPDCAサイクルの中で対策を策定し、取組を推進しています。
「優先リスク」と位置づけられた“人事戦略リスク”に関する方針は、取締役会で審議・決定され、目標や取組などの具体的な内容はサステナビリティ委員会で検討されます。サステナビリティ委員会は各施策のPDCAサイクルを回す役割も担っており、各部門から原則年2回施策の進捗状況の報告を受け、その内容を確認するとともに、取締役会への報告を行っています。
サステナビリティ委員会での検討内容や報告事項は、その都度、取締役会にも報告されます。取締役会では、サステナビリティ委員会の報告内容を必要に応じてリスク管理委員会に提供することで、人事戦略に係るリスクを含むサステナビリティ全般のリスクを、組織全体のリスク管理に統合させています。
④指標と目標
当社では、社員が働きやすい環境、活躍できる環境に関する指標として、次のデータを用いております。各指標の目標と実績は以下のとおりです。
|
指標 |
目標 |
当事業年度実績 |
|
男性労働者の 育児休業取得率 |
- |
(前年同期比+2.6ポイント) |
|
管理職に占める 女性労働者の割合 |
|
(前年同期比-0.1ポイント) |
2022年度の育児・介護休業法の改正と男性育児取得率公表義務化に伴い、初年度は政府目標と同様の50%を取得率の目標としておりました。2022年度から2024年度は取得率が50%を大幅に上回ったことから、2025年度は改めて目標設定を行う予定です。
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が提出会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)発着枠について
当社は羽田空港を発着する路線を中核として事業展開を図っておりますが、同空港の発着枠については、航空法による混雑飛行場に係る特例の適用を受けております。当社が利用可能な同空港の発着枠は、当事業年度末現在において、国内線38枠であり、将来において発着枠の見直し・再配分等が行われた際に、当社の利用可能な発着枠が減少した場合又は想定通りに増加しなかった場合には、当社の事業計画の遂行に影響を及ぼす可能性があります。また、当社における既存発着枠の活用が計画通りに進まない場合についても、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(2)景気動向の影響について
航空業界は、旅客需要等について景気動向等の変動による影響を受けております。当社は、一般利用者や企業向けに比較的低価格で座席を提供しており、低価格志向の需要を一定程度取り込んでいるものと認識しておりますが、例えば、当社の事業は、一般利用者の非ビジネス目的の旅客需要の構成比が高く、景気低迷等の物価変動に係る需要の減少等により、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、消費者が航空機の利用に代えて、新幹線等の地上交通機関を選択する場合や、LCCへのシフト、ビデオ会議等のコミュニケーション手段の浸透によるビジネス慣習の変化、消費者による信頼や認知度の低下、日本の高齢化と人口減少等による旅客需要の変化が生じた場合には、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(3)原油価格の上昇に伴う燃料費への影響について
燃料費は、当社の営業費用の相当部分を占めているため、燃料の調達可能性及び価格の変更による燃料費の大幅な変動は、当社の営業損益に重大な影響を及ぼす可能性があります。例えば、当社の燃料費は原油価格水準の影響を直接的に受けております。ロシアのウクライナ侵攻等の地政学的要因、国際的な原油市場の需給バランス、金融情勢、為替相場、産油国の政治情勢及び石油精製能力等の影響に伴う原油価格水準の動向によって、燃料費が上昇する可能性があります。当社は、このような燃料費に係る原油価格については商品スワップ取引を行い、変動リスク低減に努めておりますが、これらの取り組みが、燃料費の変動による影響を完全に吸収できるとは限りません。また、当社は燃油サーチャージ制度を導入していないため、燃料費の上昇を顧客に転嫁するためには、運賃を値上げする必要がありますが、運賃の値上げは顧客の需要に影響を及ぼす可能性があります。今後想定を上回る急激な原油価格の上昇が発生した場合、航空需要の縮小により想定を上回る減便が発生することによりオーバーヘッジとなった場合は当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(4)競争環境について
日本の航空業界においては、LCCの参入により航空各社の勢力地図にも変化がみられ、訪日外国人旅行客の増加等、国内外問わず航空需要は日々大きく変化しております。当社においては、一部の路線でLCC及び大手航空会社との競合に直面しており、また、日本国内でも最大の混雑空港である羽田空港を発着する路線及び地方空港を発着する一部の路線では、大手航空会社と競合しています。
また、当社の主要路線は、路線によっては新幹線・高速バス等の地上交通機関とも競合関係にあります。今後、競合他社等の運賃戦略等により競争が激化した場合には、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(5)為替変動の影響について
当社の主な費用のうち、航空機リース料及び航空機整備費の大部分並びに航空機の購入については、外貨建で取引を行っているため、為替変動による影響を受けております。当社はかかる為替変動によるリスクをヘッジする目的で為替予約を行っております。しかしながら、為替予約により為替変動の影響を緩和することは可能であっても、すべてを排除することは不可能な状況であります。このため外国為替の大幅な変動が生じた場合には、費用の増減、若しくは外貨建債権債務の評価損益の発生等により、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(6)人材の確保について
当社における人材の中でも、運航に従事するもの(操縦士、運航管理者)、航空機の整備に従事するもの(整備士)については、航空法に定める資格が必要であります。当該有資格者については、国内他社の経験者並びに海外の経験者等に拠って、人材を確保しておりますが、雇用環境によっては、相当数の有資格者を一時に確保することが困難になる可能性があります。その対策として、自社養成による有資格者の育成を進めておりますが、資格取得までは一定期間の教育訓練を必要とするため、事業展開の時期並びに規模について制約を受ける可能性があります。
また、当社の従業員の一部は労働組合に所属しておりますが、当社従業員によるストライキ等の労働争議が発生した場合には当社の航空機の運航に影響を与える可能性があります。
(7)航空機材の導入について
当社は保有する又は保有を計画している全ての航空機の調達等をボーイング社及び航空機リース会社に依存しているため、ボーイング社若しくは航空機リース会社が航空機を適時に納入できない、又は、製品・保守の適切なサポートを提供できない場合、当社の事業活動に重大な影響を及ぼす可能性があります。国内路線における航空機材について、当社は国内路線においてはボーイング737-800型機(177席)を使用機材(当事業年度末現在においてボーイング737-800型機29機を導入)として事業を展開しておりますが、ボーイング737-800型機は2019年に生産が終了していることから、新型機材としてボーイング737-8型機及びボーイング737-10型機の導入を予定しております。しかしながら、例えば、ボーイング737-10型機の導入には、ボーイング社が米国連邦航空局及び国土交通省航空局から認証を取得することが必要であるなど、航空機メーカーの技術上・財務上・その他の理由により、新型機材の導入が遅延した場合、当社の機材計画は変更を余儀なくされ、中長期的な事業に影響を及ぼす可能性があります。さらに、当社の現在の航空機はボーイング社製の単一機種であり、ボーイング社製の737型機の安全性や信頼性に潜在的な問題が生じた場合、それが事実であるか否かにかかわらず、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(8)損益構造について
当社の営業費用のうち、人件費、航空機のリース料・整備費、空港施設の賃借料等は、事業収益の変動に比例して変化するものではありません。また、燃料費、着陸料及び航行料等、航空機の運航に関連する営業費用は、座席利用率や旅客数に関わらず発生します。その結果、旅客数、座席利用率及び旅客単価のわずかな減少が、当社の財政状態及び経営成績に大きな影響を及ぼす可能性があります。また、当社は、継続してコスト削減施策を実施しておりますが、今後、更にコスト削減を行う余地が限られる可能性があります。
(9)使用機材等の整備費の変動について
航空機等に係る整備につきましては、当社の規程で定めている期限、使用機材の状態を考慮し、定期的に点検・整備を実施しておりますが、それぞれの機体及びエンジン等の点検結果によっては整備対象範囲の増加等により、整備費が変動する可能性があります。また、リース取引終了に伴う航空機返還に係る整備費用については、返還する時期、航空機の状態、その他の要因等によりその見込額に大幅な差異が生じた場合には、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(10)航空機事故及びトラブル等について
当社の運航便において航空機事故又はトラブル、従業員のコンプライアンス違反等が生じた場合には、顧客の信頼性や社会的評価の低下、航空機運航に係る障害又は損害賠償請求等が生じることにより、当社の事業、財政状態及び経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。現在、当社は航空機事故等に関して航空保険に加入しておりますが、事故や事件に関する費用が完全に塡補されない可能性があり、その場合、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、他社において航空機事故が発生した場合も、業界全体において航空需要が低下し当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。当社では航空機事故及びトラブル等が生じないよう、安全啓発セミナーや全社事故処理模擬演習、緊急脱出訓練等、従業員への研修を徹底しており、安心・安全な運航を提供できるよう努めております。
(11)システム障害等について
当社は、システムを通じて予約販売、搭乗手続、運航管理、業務管理等、お客様へのサービス及び運航に必要な業務を実施しております。システム上で重要な業務を行うことからシステム障害が起こらないよう、定期的にメンテナンスを実施しておりますが、万が一、自然災害、コンピュータウィルス、サイバー攻撃、その他のセキュリティ障害及び通信障害などによって、システムに障害が発生し運航等業務に支障をきたす事態となった場合は、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、適切な時期及び内容でシステムのアップグレード等を行えない場合には、当社の事業運営や競争力に影響を及ぼす可能性があります。当社は、様々なシステムの導入にも一定の投資を行っておりますが、新システムの導入については、その性質上、一定の期間を要するほか、新システムが想定どおりに作動しない、導入によりデータや情報の消失が生じる、導入に想定以上のコストがかかる、導入が遅延する、システム障害が発生する、あるいは新システムがビジネス上の要請を満たせない等の可能性、また、それらによってソフトウエアに関して減損処理が必要になる可能性があります。
(12)顧客情報漏洩について
当社は、膨大な顧客に関する情報を保持していることから、機密保持規程、個人情報保護規程等を制定し、従業員への研修を行う等、情報管理に関する内部管理体制を整備しております。しかしながら、不正アクセス、サイバー攻撃、盗難、パスワードの管理不備や業務上の過失等、何らかの原因により顧客情報の漏洩事故が発生した場合、損害賠償費用の発生や信用失墜により、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(13)第三者のサービスへの依存について
当社は、航空運送事業において、一部運航乗務員の派遣を受けているほか、航空機の整備、機器の修理、予約センター等の業務において、第三者に一部の業務を委託しています。特に当社が運航する羽田空港やその他の国内主要空港において、運航上の不具合や長期のストライキなどによって、これらの第三者による受託業務の遂行に支障が生じた場合、当社の事業活動、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(14)災害等について
当社の全ての運航管理は羽田空港で行われており、また、国内路線の多くは羽田空港、新千歳空港、神戸空港、福岡空港、那覇空港等の国内主要空港を利用しております。このため、当該地域において地震、洪水、台風、大雪等の大規模災害や当該施設における火災等による災害や労働争議が発生した場合には、運航管理及び当該空港発着便の運航が困難となり、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、当該地域以外においても、当社が就航する地域において自然災害や何らかの要因により空港施設等の利用に支障が生じた場合にも、同様に当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(15)戦争・テロ等の影響について
国際的な戦争・テロ等が発生した場合には、日本国内においても保安対策の強化に伴う航空会社の負担増や航空保険料の上昇等により関連費用が増加する可能性があります。また、中東やウクライナ情勢の長期化による燃料価格等の更なる高騰により、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(16)感染症による影響について
当社は新型コロナウイルス感染症の世界的な流行により甚大な影響を受けました。今後も同様の感染症が発生・蔓延した場合は、人々が外出を控えることによる利用客数の減少や、顧客の航空利用の意欲の低下が予想されるほか、渡航制限、検疫、公共施設の閉鎖、公共行事の中止等、様々な対策が実施され、国内外の観光及びビジネス目的の旅客需要が引き続き落ち込むことにより当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。加えて、現在、当社は国際路線を運航していませんが、外国人観光客の日本への流入は当社のサービス需要に一定の影響を及ぼす可能性があり、国内外でのこうした感染症の拡大により、日本政府による外国人観光客の入国制限が復活した場合、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。さらに、ビジネス商用目的の旅客需要は、新型コロナウイルス感染症拡大によって普及したビデオ会議等のコミュニケーション手段の浸透によるビジネス慣習の変化により、新型コロナウイルス感染症拡大以前の水準に完全には回復しない可能性もあります。また、毒性の強い感染症に当社社員が大量に感染し運航等業務に支障をきたす事態となった場合は、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(17)事業に対する法的規制について
当社は、航空事業関連法令等の法的規制に基づき事業を展開しており、国土交通省より航空運送事業者としての「事業許可証」の交付を受けております。
当社では当該法的規制を遵守するため、組織並びに規程類を適宜整備し、専門性の高い人材の確保、育成に努めていますが、これらの法的規制の遵守には多額の費用が必要となります。また、今後、これらの法的規制の改正や新たな規制の導入があった場合、追加的な費用が発生する可能性があります。加えて、当該法規制等に抵触する事象が生じた場合や重大な変更等が生じた場合には、事業許可の取り消しにより当社の事業運営が制限を受け、財政状態及び経営成績に大きな影響を及ぼす可能性があります。なお、現在事業許可の取り消しに係る事象はございません。
(航空運送事業許可の状況)
|
取得年月 |
2000年2月(注) |
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許認可等の名称 |
事業許可 |
|
所管官庁等 |
国土交通省 |
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有効期限 |
事業許可証の書換え又は再交付がなされるまでの間、有効とする。 ※書換え又は再交付の発生事由は、事業許可の内容、若しくは運航者情報の変更による場合であります。 ※最新の許可内容となった日は2019年12月2日であります。 |
|
法令違反の要件及び主な許認可取消事由 |
航空法第119条(事業の停止及び許可の取消し) ・事業許可等に付した条件に違反したとき。 ・正当な理由が無く、事業許可等の実施すべき事項を実施しないとき。 航空法第120条(許可の失効) ・航空法第4条第1項各号に掲げる者に該当するに至ったとき。
※当社の事業許可等に付された条件及び未実施事項はありません。 |
(注) 航空法改正に伴い、2000年2月1日より従来の路線免許制から事業許可制へと変更されております。
(18)環境規制について
近年、温暖化防止を始めとした地球環境保全の一環として、航空機による温暖化ガスの排出量削減に係る取組の強化等が求められております。今後、規制の更なる強化や環境税等の新たな規制が導入された場合は、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社は、航空機の騒音、危険物の使用及び取扱、大気放出及び環境汚染の浄化に関連する様々な規制の適用も受けておりますが、今後の更なる規制の強化や新たな規制が導入された場合には、多額の費用を要する可能性があります。
(19)公租公課について
航空会社は、公租公課等として航空機燃料税や着陸料及び航行援助施設利用料等の空港使用料を支払う必要がありますが、航空機燃料税については現在、国の時限的な軽減措置を受けております。この軽減措置は段階的に縮小され、2028年度以降は新型コロナウイルス感染症拡大前の軽減率に戻ることとなっております。今後、かかる軽減措置の縮小・廃止が行われた場合、当社の経営に影響を及ぼす可能性があります。なお、当社の事業計画の策定においては、かかる軽減措置について上記期限での終了を見込んでおります。
(20)訴訟等について
当社の事業活動に関連して、重要な訴訟等が提起された場合は、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(21)資産減損について
当社は、固定資産の減損に係る会計基準等に従い、定期的に保有資産の将来キャッシュ・フロー等を算定し減損の兆候の把握及び減損損失の認識・測定を行っております。その結果、将来において固定資産の減損損失を計上することも予測され、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(22)有利子負債及びリース債務について
当社は国内路線においてはボーイング737-800型機(177席)を使用機材(当事業年度末現在においてボーイング737-800型機29機を導入)として事業を展開しておりますが、同機材に関しては24機をオペレーティング・リース取引により導入しています。また、当社は、オペレーティング・リースにより一部の新型機材を導入することを予定しており、当社のオペレーティング・リース債務は将来増加する可能性があります。加えて、当社は、金融機関からの借入も行っており、これらのオペレーティング・リース債務及び有利子負債については、その返済等のために多額の手元資金が必要となることなどにより、当社の収益及び流動性に影響を及ぼす可能性があり、また、当社が経済状況や事業環境の変化に応じた施策を行う能力が制限される等の悪影響を受ける可能性があります。
オペレーティング・リース取引により導入されている機材に関して、当該航空機及び未経過リース料については貸借対照表には計上されておりません。しかしながら、今後、リース会計基準等の改正によりオペレーティング・リース対象資産・負債を計上することとなった場合には、関連する経営指標に悪影響を及ぼす可能性があり、また、将来においてリース資産の減損損失が発生した場合には、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(23)配当政策について
当社は、株主に対する安定的な配当を実施することは重要な経営課題の一つであると考えています。一方、当社は成長局面にあるため将来の事業展開に備えた財務基盤の強化、成長投資の実行及び利益成長の速度を上げて企業価値の最大化を図ることが、より適切な株主還元になり得ると考えています。かかる2つの観点の最適バランスを適宜判断し、株主還元の充実に努めて参ります。
当社は当面の株主還元方針として調整後当期純利益※に対する配当性向は35%程度を基準とし、当社が掲げる財務健全性目標(自己資本比率40%)の達成状況に応じて機動的な追加還元を目指して参ります。
※調整後当期純利益:税引前当期純利益×(1-実効税率34.59%)にて算出
しかしながら、当社の事業が計画通りに進展しない場合など、当社の業績が悪化した場合には配当の実施を行うことができない可能性があります。
(24)欠損金の繰越控除について
当社は、現時点で税務上の繰越欠損金が存在するため、法人税等が軽減されております。今後当該繰越欠損金が解消され、通常の税率に基づく法人税、住民税及び事業税が発生する場合において、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を与える可能性があります。また、仮に繰越欠損金を利用するのに十分な課税所得がない場合、繰越欠損金による控除を受けられないまま、繰越欠損金を課税所得から控除できる期間を経過する可能性があります。
(25)繰延税金資産について
当社は、将来の課税所得に関する予測・仮定を基に個別に繰延税金資産の計上・取崩しを行う方針です。
事業収支の悪化等により、将来の課税所得の見込額が低下した場合、繰延税金資産が減少し、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(26)業績の季節変動性について
当社の属する旅客航空運送業界においては、春季及び夏季(3月及び7月から9月)並びに年末年始に需要が増加する傾向にあります。そのため当社の業績につきましても、これらの季節変動の影響を受けやすく、偏重が生じやすい状況にあります。したがって、各四半期の業績は、他の四半期又は年度全体の業績を示すものではありません。また、今後の新規路線の就航や就航便数の増加等により、当該季節変動とは異なる偏重傾向が生ずる可能性があります。
(27)資金調達について
当社の当事業年度末における有利子負債は総資産の28.7%となっております。そのため金融情勢の変化等により計画通り資金調達ができない場合には、事業展開等に影響を受ける可能性があります。また、金融機関からの借入に関して財務制限条項などが付されている契約もあり、当該条項に抵触した場合、貸付人の請求があれば本契約上の期限の利益を失うこととなり、債務の弁済が必要となるため当社の資金繰りや財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
今後事業を推進していく中で借入金等への依存を低減していくように努めて参りますが、金利の上昇により資金調達コストが増大した場合には利益を圧迫し、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当事業年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善、インバウンド需要の増加等により、緩やかな回復基調が続いております。一方で、物価高騰による個人消費の減退、不安定な世界情勢やその影響を受けた為替変動等、依然として先行きには注意が必要な状況です。
当社が事業を展開する航空業界の国内線市場においては、旅行費用の高騰が続く中でも底堅い国内旅行需要や継続するインバウンドの増加により、堅調に推移いたしました。
このような環境下において、当事業年度の有償旅客数は8,140,789名(前年同期比2.4%増)と堅調に推移し、事業収益は過去最高を記録いたしました。
一方で、営業費用は、円安の継続や世界的なインフレ影響、政府支援縮小等の要因により、前年同期比で増加しました。これらのコスト上昇に対して、オペレーション業務の見直しやコスト管理の徹底等の自助努力による費用抑制を進めるとともに、サービス品質の磨き上げを前提とした旅客単価の向上を図り、旅客の価格感度が高まる中でも、旅客単価は前年同期比で上昇いたしました。しかしながら、旅客単価は第4四半期以降、期初想定比で好調に推移したものの、第3四半期までの下振れを補うには至らず、営業利益は前年同期比で減益となりました。
また、当社の中長期経営目標を実現するための重要ファクターとなる、顧客満足の向上を追求した高品質なサービス提供に取り組む中で、公益財団法人日本生産性本部サービス産業生産性協議会が実施している2024年度 JCSI(日本版顧客満足度指数:Japanese Customer Satisfaction Index)調査の「国内長距離交通部門」において、3年連続で顧客満足第1位を獲得いたしました。
当事業年度の財政状態及び経営成績は次のとおりとなりました。
a.財政状態
当事業年度末の資産合計は、前事業年度末に比べ6,901百万円減少し、103,888百万円となりました。
当事業年度末の負債合計は、前事業年度末に比べ6,163百万円減少し、76,769百万円となりました。
当事業年度末の純資産合計は、前事業年度末に比べ738百万円減少し、27,119百万円となりました。
b.経営成績
当事業年度における事業収益は108,893百万円(前年同期比4.6%増)、営業利益1,826百万円(前年同期比60.9%減)、経常利益760百万円(前年同期比89.8%減)、当期純利益2,146百万円(前年同期比28.4%減)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前事業年度末に比べて890百万円減少し、26,018百万円(前事業年度末は26,909百万円)となりました。
各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において営業活動の結果、獲得した資金は7,182百万円(前事業年度は8,179百万円の獲得)となりました。これは主に税引前当期純利益877百万円及び長期預け金の減少額5,509百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において投資活動の結果、支出した資金は5,011百万円(前事業年度は2,186百万円の支出)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出4,609百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において財務活動の結果、支出した資金は2,949百万円(前事業年度は2,326百万円の支出)となりました。これは主に長期借入金の返済による支出1,250百万円及び配当金の支払額1,551百万円によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.営業実績
当事業年度の営業実績の状況は、次のとおりであります。
|
科目 |
当事業年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
前年同期比 |
||
|
金額(百万円) |
構成比(%) |
(%) |
||
|
航空運送事業収入 |
旅客収入 |
106,060 |
97.4 |
104.6 |
|
貨物収入 |
7 |
0.0 |
68.8 |
|
|
航空運送事業収入合計 |
106,068 |
97.4 |
104.6 |
|
|
附帯事業収入 |
附帯事業収入 (航空運送に附帯関連する事業) |
2,824 |
2.6 |
105.8 |
|
合計 |
108,893 |
100.0 |
104.6 |
|
(注)1.当社は航空事業の単一セグメントであるため、セグメント毎の記載はしておりません。
2.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、総販売実績に対する割合が100分の10以上の相手先がいないため、記載を省略しております。
b.輸送実績
当事業年度の輸送実績の状況は、次のとおりであります。
|
項目 |
当事業年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
前年同期比 (%) |
|
国内線 |
|
|
|
有償旅客数(人) |
8,140,789 |
102.4 |
|
有償旅客キロ(千人・キロ) |
8,618,590 |
102.3 |
|
有効座席キロ(千席・キロ) |
10,467,028 |
102.8 |
|
有償座席利用率(%) |
82.3 |
99.6 |
(注)1.有償旅客キロは、各路線各区間の有償旅客数(千人)に各区間距離(キロ)を乗じたものの合計であります。
2.有効座席キロは、各路線各区間の有効座席数(千席)に各区間距離(キロ)を乗じたものの合計であります。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に準拠して作成しております。この財務諸表の作成に当たり、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の開示に影響を与える見積りを必要とする項目があります。経営者は、これらの見積りについて旅客需要の過去の動向や将来の機材導入及び整備計画、過去の整備実績等を勘案してその時点で最も合理的と考えられる見積りや仮定を継続的に使用しております。しかしながら見積り特有の不確実性から、実際の結果はこれら見積りと異なる場合があります。
また、当社の財務諸表で採用する重要な会計方針及び見積りに用いた仮定は、後記「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであり、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載の翌事業年度の財務諸表に与える影響は、翌事業年度以降においても同様に影響を及ぼす可能性があります。
② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
1)財政状態
(資産合計)
当事業年度末の資産合計は103,888百万円となり、前事業年度末に比べ6,901百万円減少しました。これは主に未収入金の減少1,819百万円、為替予約の減少1,415百万円及びデリバティブ債権の減少1,525百万円によるものです。
(負債合計)
負債合計は76,769百万円となり、前事業年度末に比べ6,163百万円減少しました。これは主に、航空機の重整備を実施した事による定期整備引当金の減少4,240百万円、返済に伴う長期借入金の減少1,250百万円によるものです。
(純資産合計)
純資産合計は27,119百万円となり、前事業年度末に比べ738百万円減少しました。これは主に、当期純利益の計上等による繰越利益剰余金の増加436百万円、役員及び従業員に対し譲渡制限付株式報酬を付与した事に伴う自己株式の処分による増加1,304百万円、為替予約等のデリバティブ取引による繰延ヘッジ損益の減少2,092百万円によるものです。
2)経営成績
当社は、航空事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は行っておりません。
(運航体制等の状況)
当事業年度においては、円安を背景とした国内旅行需要への回帰や、水際対策の緩和によるインバウンド旅客数の増加などにより、国内旅客需要は堅調に推移いたしました。このような状況を踏まえ、お客様の多様な輸送ニーズに最大限お応えするため、需要が特に集中する幹線においては、積極的に追加定期便を設定し、輸送力の増強とお客様の利便性向上に努めました。
その結果、当事業年度の運航便数は56,528便となり、運航機体数(29機)は前事業年度と変わらないながらも、前事業年度の55,087便と比較して2.6%増加いたしました。
(事業収益及び営業費用の状況)
当事業年度においては、堅調な旅客需要の増加により事業収益は108,893百万円(前年同期比4.6%増)となりました。事業費については、円安及び世界的なインフレに伴う仕入れ価格の上昇により100,187百万円(前年同期比7.3%増)となり営業利益は1,826百万円(前年同期比60.9%減)となりました。
経常利益は当事業年度末日における為替水準が前事業年度末と比較して相対的には円高となったことに伴う外貨建資産に係る為替差損の計上により760百万円(前年同期比89.8%減)となり、当期純利益は法人税等調整額△1,301百万円の計上により、2,146百万円(前年同期比28.4%減)となりました。
3)キャッシュ・フローの状況
キャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社の事業領域である航空業界は、堅調な旅客需要に支えられながらも、世界的なインフレや円安による仕入れ価格の上昇、働き方が多様化する中での人材の確保等、引き続き注視しなければならない状況にあります。
このような環境のもと、当社においては今後、羽田空港や神戸空港、福岡空港等の当社が就航する空港の発着枠拡大、レジャー、インバウンド需要の拡大などの多くの成長機会があるものと考えております。こうした成長ステージを見据え、当社では安全運航を大前提に、CRMツールを活用したデジタルマーケティングを強化すること等により顧客体験価値を向上させることで潜在的な需要を掘り起こし、あわせて現行機材より15%程度の大幅な燃費改善が見込まれる次世代機材の導入等により低コスト運航を堅持することで、様々なリスクが顕在化する競争環境下においても安定的に利益を確保し、「なくてはならない愛される翼」として成長し続けられる体制を築いてまいります。
また、当社はこうした安全で安心かつ高品質な航空サービスを身近な価格であらゆる人々に提供することを通じて社会の持続的な発展に貢献することを「サステナビリティ基本方針」として掲げており、次世代機材の導入、運航効率の改善、SAF(Sustainable Aviation Fuel:持続可能な航空燃料)の利用等による気候変動への対応、社員の働き方や働きがいの向上への施策の実施、地方自治体や企業との連携に積極的に取り組んでまいります。
なお、新規路線の検討においては、国内主要空港のみならず地方と地方を結ぶ路線も含めた多角的な検討を行っており、ビジネス・観光需要だけでなくその地域の需要に応じた路線就航を検討してまいります。
なお、当社では2025年度の業績予想にあたり、為替レートは1ドル=150円(ヘッジ後142.1円)、ドバイ原油価格は75ドル/BBL(ヘッジ後75.1ドル/BBL)を前提としております。
c.資本の財源及び資金の流動性
当社は新型コロナウイルス感染症の拡大により毀損した財務基盤強化のため2022年7月に株式会社みずほ銀行、株式会社三井住友銀行、株式会社りそな銀行、株式会社日本政策投資銀行をアレンジャーとして300億円の借り入れ(借入期間1年)を行っておりましたが、2024年7月にそのうち200億円を借入期間1年とした借換と、12.5億円の返済を行っております。
また、2024年11月に米国輸出入銀行と航空機前払金に特化したコミットメントライン契約を、2025年3月に株式会社横浜銀行をアレンジャーとしたシンジケート方式コミットメントライン契約を締結しました。
これらの対応により、当事業年度末における有利子負債の残高は29,855百万円となっております。また、当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は26,018百万円となっております。
(1)営業に関する重要な契約
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契約の種類 |
契約の内容 |
契約相手先 |
備考 |
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運航乗務員の提供に関する契約 |
運航乗務員の提供 |
PARC Aviation Ltd. |
アイルランドの航空機パイロット提供会社 |
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運航乗務員の提供に関する契約 |
運航乗務員の提供 |
IAC North Pacific Pty Ltd. |
オーストラリアの航空機パイロット提供会社 |
|
運航乗務員の提供に関する契約 |
運航乗務員の提供 |
IASCO GLOBAL Ltd. |
マン島の航空機パイロット提供会社 |
|
運航乗務員の提供に関する契約 |
運航乗務員の提供 |
Rishworth Aviation Ltd. |
ニュージーランドの航空機パイロット提供会社 |
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運航乗務員の提供に関する契約 |
運航乗務員の提供 |
WASINC INTERNATIONAL LTD. |
香港の航空機パイロット提供会社 |
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航空機材リース契約 |
航空機材のリース |
Bank of Utah as owner trustee |
ボーイング737-800型機3機 |
|
航空機材リース契約 |
航空機材のリース |
Sapphire AFL Limited. |
ボーイング737-800型機2機 |
|
航空機材リース契約 |
航空機材のリース |
BOC Aviation(UK) Limited. |
ボーイング737-800型機1機 |
|
航空機材リース契約 |
航空機材のリース |
FGL Aircraft USA Inc. |
ボーイング737-800型機1機 |
|
航空機材リース契約 |
航空機材のリース |
JPA No.187 Co., Ltd. |
ボーイング737-800型機1機 |
|
航空機材リース契約 |
航空機材のリース |
JPA No.193 Co., Ltd. |
ボーイング737-800型機1機 |
|
航空機材リース契約 |
航空機材のリース |
JPA No.194 Co., Ltd. |
ボーイング737-800型機1機 |
|
航空機材リース契約 |
航空機材のリース |
JPA No.195 Co., Ltd. |
ボーイング737-800型機1機 |
|
航空機材リース契約 |
航空機材のリース |
JPA No.206 Co., Ltd. |
ボーイング737-800型機1機 |
|
航空機材リース契約 |
航空機材のリース |
JPA No.221 Co., Ltd. |
ボーイング737-800型機1機 |
|
航空機材リース契約 |
航空機材のリース |
ACS Aero 4 Beta Limited |
ボーイング737-800型機1機 |
|
航空機材リース契約 |
航空機材のリース |
DAE 39422 Ireland Limited |
ボーイング737-800型機1機 |
|
航空機材リース契約 |
航空機材のリース |
DAE 38023 Ireland Limited |
ボーイング737-800型機1機 |
|
航空機材リース契約 |
航空機材のリース |
DAE 39432 Ireland Limited |
ボーイング737-800型機1機 |
|
航空機材リース契約 |
航空機材のリース |
Lilac Co., Ltd. |
ボーイング737-800型機1機 |
|
航空機材リース契約 |
航空機材のリース |
Thunderbolt III Leasing 1 Limited |
ボーイング737-800型機1機 |
|
航空機材リース契約 |
航空機材のリース |
Falcon 2019-1 Aircraft 2 Limited |
ボーイング737-800型機1機 |
|
航空機材リース契約 |
航空機材のリース |
Jetair 16 Limited |
ボーイング737-800型機1機 |
|
航空機材リース契約 |
航空機材のリース |
Navigator Aviation Ireland 10 Designated Activity Company |
ボーイング737-800型機1機 |
|
航空機材リース契約 |
航空機材のリース |
SKK Corporation |
ボーイング737-800型機2機 |
|
航空機材リース契約 |
航空機材のリース |
CIT Aerospace LLC |
ボーイング737-8型機6機 |
|
航空機整備基本契約 |
航空機整備 |
MRO Japan株式会社 |
国内の航空機整備会社 |
|
航空機整備基本契約 |
航空機整備 |
Evergreen Aviation Technologies Corporation |
台湾の航空機整備会社 |
|
契約の種類 |
契約の内容 |
契約相手先 |
備考 |
|
航空機エンジン整備基本契約 |
航空機エンジン整備 |
SR Technics Switzerland Ltd. |
スイスの航空機装備品整備会社 |
|
航空機エンジン整備基本契約 |
航空機エンジン整備 |
CFM International INC. |
アメリカの航空機装備品整備会社 |
|
航空機エンジン基本契約 |
航空機エンジン購入 |
CFM International INC. |
LEAP-1B25 1基 LEAP-1B27 1基 |
|
航空機整備基本契約 |
航空機整備 |
全日本空輸株式会社 |
国内の航空会社 |
|
航空機整備基本契約 |
航空機整備 |
日本航空株式会社 |
国内の航空会社 |
|
売買契約及び購入権付きオペレーティングリース契約 |
自社所有航空機エンジンのセール・アンド・リースバック |
JPA No.227 Co.,Ltd. |
航空機エンジン1基 |
|
売買契約及び購入権付きオペレーティングリース契約 |
自社所有航空機エンジンのセール・アンド・リースバック |
JPA No.228 Co.,Ltd. |
航空機エンジン1基 |
|
航空機材購入契約 |
航空機材の購入 |
The Boeing Company |
ボーイング737-8/-10型機14機 |
(2)借入契約
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相手先 |
契約締結時期 |
内容 |
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アトランティス・アビエーション株式会社 |
2025年6月 |
航空機前払金に特化した資金調達契約 |
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株式会社横浜銀行 他 |
2025年3月 |
財務基盤の安定性を目的とした総額6,100百万円のコミットメントライン |
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米国輸出入銀行 |
2024年11月 |
航空機前払金に特化したコミットメントライン |
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株式会社みずほ銀行 他 |
2024年7月 |
財務基盤の強化を目的とした総額20,000百万円の借入契約 |
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株式会社商工組合中央金庫 |
2021年12月 |
財務基盤の強化を目的とした総額1,000百万円の資本性劣後ローン |
特記事項はありません。