第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

 当中間連結会計期間において、当半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクの発生、または前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1)財政状態および経営成績等の状況

当社グループ(当社および連結子会社)の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

① 経営成績の状況

 

当中間連結会計期間(2025年1月1日~2025年6月30日)における我が国経済は、米国トランプ政権の関税政策による不透明感や、一部輸出品目への実際の課税開始により、様々な産業の投資行動や個人の消費行動に影響が及んでおり、先行きに対する不透明感がこれまでになく高まりました。但し、訪日外客数の増加は継続しており、宿泊、飲食、娯楽サービスなどのインバウンド関連施設の集客は好調で、サービス業や日用品を扱う商業施設は堅調でした。

 

このような状況の下、当社グループのセグメントのひとつであるMRO(Maintenance, Repair & Operations)事業に関する工具、消耗品、安全用品、修繕部品、文房具などの間接材の市場では、米国関税政策の重要なターゲットとなってきた自動車産業向けを含め、大企業向け全体では前年度からの好調が継続し、売上、粗利(売上総利益)とも大きく増加しました。中小事業所向けは、前年度を通じて売上の前年同期比割れが継続していましたが、当中間連結会計期間には売上が前年同期比増となりました。もうひとつのセグメントであるFM(Facility Management)事業に関する商業施設向けサービス市場では、既存店舗や施設の集客が想定以上に好調であるためか、改装計画実施の後ろ倒しが継続しており、改装案件向け売上の前年同期比減が続いています。販売費および一般管理費(販管費)については、IT投資・経費の増や、MROの売上増に伴う物流関係費の増加があったことに加え、好調な業況を受けて業績賞与支払に向けた賞与引当金を積み増したことなどから、大きく増加しました。

 

以上の結果、当社グループの当中間連結会計期間における売上高は28,631百万円(前年同期比6.9%増)、営業利益は717百万円(前年同期比27.4%増)、経常利益は714百万円(前年同期比30.3%増)、親会社株主に帰属する中間純利益は506百万円(前年同期比27.6%増)となりました。

 

各セグメントの業績は、次のとおりであります。

 

<MRO事業>

 

間接材購買のためのシステム提供と物品販売を行うMRO(Maintenance, Repair & Operations)事業において、主要顧客である大企業向けでは、当社が「無限カタログ」と命名した電子カタログシステムにおいて、昨年末に新規に導入したMRO購入選択品の自動置き換え推奨機能の活用が進み、同機能の効果による顧客の購入単価減による売上伸長率の若干の下押しが見られたものの、顧客の購買行動の売れ筋商品への集中による当社粗利率の改善により、粗利額が大きく拡大しました。一方、親会社を経由する卸販売事業である中小事業所向けの販売は、個人消費の動向に敏感な販売・サービス業のお客様の比率が高いこと等から、前年度を通じて売上の前年同期比割れが継続していましたが、当第2四半期(4-6月)には売上が大きく回復し、第2四半期累計期間(1-6月)全体でも前年同期比増となるまで回復してきました。また、費用(販管費)面では、積極的なITシステム投資に伴う償却費と、ITシステム運用のためのクラウド費用等の外部委託費用が増加しており、両者をあわせたITシステム関連の総費用が増加するとともに、従業員の処遇改善のための人件費も増加しました。これらの結果、MRO事業の売上高は22,776百万円(前年同期比12.2%増)、セグメント利益は574百万円(前年同期比68.5%増)となりました。

 

<FM事業>

 

商業施設向けにサービスの提供を行うFM(Facility Management)事業においては、インバウンド需要により顧客の集客と業績は好調であるものの、好調な需要を背景に、店舗や施設の営業を止める必要がある改装工事を控えたり、工事の規模を縮小したりする傾向があり、前四半期に続き、売上の前年比割れが続きました。また、昨年6月に実施した建設業法対応事業の子会社への分社(100%子会社化)により、建設業専業となった子会社の体制整備を含め、FMセグメントの連結販管費負担が前年同期に比べて増加しました。これらの結果、FM事業の売上高は5,847百万円(前年同期比9.4%減)、セグメント利益は110百万円(前年同期比40.3%減)となりました。

 

<その他>

 

その他事業は、当社の子会社であるATC株式会社のソフトウエア事業が中心であり、当社向けのITシステムの開発および運用支援を中心とする内販事業と、同社が高度なノウハウを持つMDM(Master Data Management)関連の外販事業がその主な内容ですが、当社向けの開発支援に注力するために外販を抑制した結果、外販分のみを「その他事業」に計上する売上高は7百万円(前年同期比71.8%減)、内外販双方の利益等を含むセグメント利益は32百万円(前年同期比12.9%減)となりました。

 

② 財政状態の状況

(資産)

当中間連結会計期間末における流動資産は13,310百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,615百万円減少しました。現金及び預金が1,980百万円、売掛金及び契約資産が876百万円減少し、棚卸資産が182百万円増加したことが主な要因です。固定資産は2,519百万円となり、前連結会計年度末に比べ64百万円増加しました。無形固定資産が106百万円増加し、投資その他の資産が30百万円、有形固定資産が11百万円減少したことが要因です。これらの結果、総資産は、15,830百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,550百万円減少しました。

 

(負債)

当中間連結会計期間末における流動負債は9,658百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,616百万円減少しました。買掛金が2,521百万円、賞与引当金が60百万円、未払消費税等が38百万円減少したことが主な要因です。固定負債は42百万円となり、前連結会計年度末に比べ7百万円増加しました。

これらの結果、負債合計は、9,701百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,608百万円減少しました。

 

(純資産)

当中間連結会計期間末における純資産合計は6,129百万円となり、前連結会計年度末に比べ57百万円増加しました。親会社株主に帰属する中間純利益506百万円の計上による増加、剰余金の配当261百万円、自己株式増加225百万円による減少が主な要因です。これらの結果、自己資本比率は38.7%(前連結会計年度末は33.0%)となりました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物は3,772百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,986百万円減少しました。なお、当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、1,072百万円の支出超過(前中間連結会計期間は1,406百万円の収入超過)となりました。その主な要因は、仕入債務の減少額2,521百万円、法人税等の支払額204百万円、棚卸資産の増加182百万円、賞与引当金の減少額60百万円、未払消費税等の減少額38百万円の支出要因があった一方、売上債権の減少額763百万円、税金等調整前中間純利益714百万円、減価償却費351百万円の収入要因があったこと等によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、447百万円の支出超過(前中間連結会計期間は383百万円の支出超過)となりました。その主な要因は、当社グループの内製ソフトウエア開発に伴う無形固定資産の計上による支出444百万円があったこと等によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、460百万円の支出超過(前中間連結会計期間は231百万円の支出超過)となりました。その主な要因は、配当金の支払額261百万円、株式給付信託開始のための自己株式取得による支出225百万円の支出要因があったこと等によるものであります。

 

(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当中間連結会計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。

 

(4)研究開発活動

当中間連結会計期間において、当社グループのソフトウエア開発活動の状況について重要な変更はありません。

 

3【経営上の重要な契約等】

 当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。