当中間連結会計期間において、当半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクの発生、または前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態および経営成績等の状況
当社グループ(当社および連結子会社)の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
当中間連結会計期間(2024年1月1日~2024年6月30日)におけるわが国経済は、円安による輸出主導型製造業の堅調な業績や、インバウンド需要拡大による商業施設やサービス業の好調に支えられ、企業部門の業績は全般的に好調に推移しました。ただし、企業部門においても海外主要国の経済が減速傾向にあることから、産業用素材への需要は弱く、数量ベースでの生産は横ばい傾向と見えます。また、個人消費は、円安や人手不足による物価上昇により、名目値(インフレ反映後の金額)では伸びているものの、実質消費(数量ベース)は横ばい傾向であり、内需部門に弱さがうかがえます。
このような状況の下、当社グループのセグメントのひとつであるMRO(Maintenance, Repair & Operations)事業に関する工具、消耗品、安全用品、修繕部品、文房具などの間接材の市場では、自動車関係や半導体関連などの輸出主導型製造業の需要は堅調であったものの、素材産業や内需向け産業の需要は前年同期からの大きな伸びはありませんでした。特に、中小事業所向けにおいては、需要停滞とそれに伴う価格競争激化により、売上は前年同期比割れとなった上に、売上高総利益率も前年同期より低下しました。もう一つのセグメントであるFM(Facility Management)事業に関する国内商業施設向けサービス市場では、インバウンド需要拡大を追い風に中大型店舗の改装案件は堅調であったものの、個人消費の動向に敏感な小型店舗の改装案件数が減少し、売上高は前年同期より若干の減少にとどまったものの、売上構成の変化によって利益率が大きく低下しました。販売費および一般管理費(販管費)については、賃上げに伴う人件費増や、将来の収益獲得に向けたIT投資・経費の増があり、販管費額は増加しておりますが、その増加率は売上の増加率を下回っていることから、販管費率は低下、改善しています。
以上の結果、当社グループの当中間連結会計期間における売上高は26,787百万円(前年同期比7.4%増)、営業利益は563百万円(前年同期比6.7%減)、経常利益は548百万円(前年同期比7.9%減)、親会社株主に帰属する中間純利益は396百万円(前年同期比4.8%減)となりました。
各セグメントの業績は、次のとおりであります。
<MRO事業>
間接材購買のためのシステム提供と物品販売を行うMRO事業において、主要顧客である大企業向けの直販経路では、既存顧客による当社システムの利用度増や、前年に当社との取引を開始した新規顧客による売上の上積みにより、高い成長率を持続することができました。特に、大企業顧客の約7割を占める製造業向けが成長の牽引役となりました。一方、中小事業所向けの販売は、親会社を経由する卸販売形態であり、この経路の顧客の内、製造業のお客様は4分の1未満にとどまります。残りの4分の3以上は、個人消費の動向に敏感な販売・サービス業のお客様が中心で、この中小企業向け経路の売上が前年比割れとなりました。また、費用面では、持続的な事業成長のためのITシステム投資に伴う減価償却費と、ITシステム運用のためのクラウド費用等の外部委託費用が増加しており、両者をあわせたITシステム関連の総費用が増加しています。ただ、セグメント売上の増加率が、セグメントに配賦する販管費の増加率を上回っていることから、セグメントの販管費率は低下しています。これらの結果、MRO事業の売上高は20,307百万円(前年同期比11.2%増)、セグメント利益は341百万円(前年同期比13.6%増)となりました。
<FM事業>
商業施設向けにサービスの提供を行うFM事業においては、1件当たりの受注金額が大きい中大型店舗の新店・改装案件は堅調でしたが、1件当たりの受注金額が小さい小型店舗の案件が減少し、当中間連結会計期間の売上は前年同期比減となりました。大型案件の方が資材費の比率が高く、少ない人数で大きな売上を上げることができるため、社員1人当たりの売上の面では有利です。ただ、その効率の良さを反映した単価での受注となるため、案件当たりの売上高総利益率は小型店舗案件より低めとなります。当中間連結会計期間においては、手がかかる反面、粗利率は高めの小型店舗案件が減少したため、売上構成差によってセグメント全体の粗利益率が低下し、セグメントの利益率が3.9%から2.9%へと1%悪化しました。その結果、FM事業の売上高は6,452百万円(前年同期比2.7%減)、セグメント利益は184百万円(前年同期比28.4%減)となりました。
<その他>
その他事業は、当社の子会社であるATC株式会社のソフトウエア事業が中心であり、同社が高度なノウハウを持つMDM(Master Data Management)関連の外販事業の成約案件が減少したことで、売上高(外販売上)は27百万円(前年同期比37.0%減)、セグメント利益は37百万円(前年同期比17.9%減)となりました。
② 財政状態の状況
(資産)
当中間連結会計期間末における流動資産は14,118百万円となり、前連結会計年度末に比べ577百万円減少しました。売掛金及び契約資産が1,629百万円減少し、現金及び預金が792百万円、棚卸資産が283百万円増加したことが主な要因です。固定資産は2,456百万円となり、前連結会計年度末に比べ37百万円増加しました。無形固定資産が95百万円増加し、投資その他の資産が42百万円、有形固定資産が15百万円減少したことが主な要因です。これらの結果、総資産は、16,575百万円となり、前連結会計年度末に比べ539百万円減少しました。
(負債)
当中間連結会計期間末における流動負債は10,969百万円となり、前連結会計年度末に比べ721百万円減少しました。買掛金が382百万円、未払消費税等が167百万円、賞与引当金が96百万円、未払法人税等が77百万円減少したことが主な要因です。固定負債は44百万円となり、前連結会計年度末に比べ9百万円減少しました。これは長期借入金が9百万円減少したことによるものです。
これらの結果、負債合計は、11,013百万円となり、前連結会計年度末に比べ731百万円減少しました。
(純資産)
当中間連結会計期間末における純資産合計は5,561百万円となり、前連結会計年度末に比べ191百万円増加しました。親会社株主に帰属する中間純利益396百万円の計上による増加、剰余金の配当211百万円による減少が主な要因です。これらの結果、自己資本比率は33.6%(前連結会計年度末は31.4%)となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物は4,961百万円となり、前連結会計年度末に比べ792百万円増加しました。なお、当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、1,406百万円の収入超過(前中間連結会計期間は1,423百万円の支出超過)となりました。その主な要因は、売上債権の減少額1,638百万円、税金等調整前中間純利益548百万円、減価償却費307百万円の収入要因があった一方、仕入債務の減少額382百万円、棚卸資産の増加283百万円、法人税等の支払額204百万円、未払消費税等の減少額167百万円、賞与引当金の減少額96百万円の支出要因があったこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、383百万円の支出超過(前中間連結会計期間は370百万円の支出超過)となりました。その主な要因は、当社グループの内製ソフトウエア開発に伴う無形固定資産の計上による支出379百万円があったこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、231百万円の支出超過(前中間連結会計期間は261百万円の支出超過)となりました。その主な要因は、配当金の支払額211百万円、長期借入金の返済による支出26百万円の支出要因があったこと等によるものであります。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当中間連結会計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(4)研究開発活動
当中間連結会計期間において、当社グループのソフトウエア開発活動の状況について重要な変更はありません。
当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。