第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

 当第1四半期連結累計期間において、当四半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクの発生、または前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1)財政状態および経営成績等の状況

 当社グループ(当社および連結子会社)の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

① 経営成績の状況

 当第1四半期連結累計期間(2024年1月1日~2024年3月31日)における我が国経済は、円安による輸出主導型製造業の業績向上や、インバウンド需要拡大による商業施設やサービス業の好調に支えられ、企業業績は好調に推移しました。しかしながら、当期における個人消費については、賃上げに向けた機運こそ盛り上がったものの、物価上昇率に個人所得の増加が追いつかない状態、すなわち実質賃金の前年比マイナスの状態が継続したことから、盛り上がりを欠く展開になりました。

 

 このような状況の下、当社グループのセグメントのひとつであるMRO(Maintenance, Repair & Operations)事業に関する工具、消耗品、安全用品、修繕部品、文房具などの間接材の市場では、自動車関係や半導体関連などの輸出主導型製造業の需要復調は顕著であったものの、素材産業や内需向け産業の需要は前年同期からの大きな伸びはありませんでした。特に、中小事業所向けに至っては、需要低迷とそれに伴う価格競争激化により、売上は前年同期比割れとなった上に、売上高総利益率も前年同期より低下しました。もう一つのセグメントであるFM(Facility Management)事業に関する国内商業施設向けサービス市場では、インバウンド需要拡大を追い風に中大型店舗の改装案件が増加したものの、個人消費の動向に敏感な小規模店舗の改装案件数が減少し、売上構成の変化から、売上は成長した一方で、売上高総利益率の低下によって利益が減少しました。販売費および一般管理費(販管費)については、賃上げに伴う人件費増や、将来の収益獲得に向けたIT投資・経費の増があったことから、売上増に伴う販管費率の効率化はあったものの、販管費額は増加しました。

 

 以上の結果、当社グループの当第1四半期連結累計期間における売上高は13,566百万円(前年同期比10.7%増)、営業利益は289百万円(前年同期比14.9%減)、経常利益は273百万円(前年同期比17.9%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は192百万円(前年同期比18.8%減)となりました。

 事業別の状況は次のとおりであります。

 

 各セグメントの業績は、次のとおりであります。

 

<MRO事業>

 間接材購買のためのシステム提供と物品販売を行うMRO(Maintenance, Repair & Operations)事業において、主要顧客である大企業向けの直販経路では、既存顧客による当社システムの利用度増や、前年に当社との取引を開始した顧客による売上の上積みにより、高い成長率を持続することができました。特に、大企業顧客の約7割を占める製造業向けが成長の牽引役となりました。一方、中小事業所向けの販売は、親会社を経由する卸販売形態であり、この経路の顧客の内、製造業のお客様は4分の1未満にとどまります。残りの4分の3以上は、個人消費の動向に敏感な販売・サービス業のお客様が多く、この中小企業向け経路の売上が前年比割れとなりました。特に、前年同四半期までは売れ筋であった新型コロナ対策品などの減は、同販路全体の売上高総利益率にも影響を与え、売上高総利益の対前年減少率は売上高以上となりました。また、費用面では、持続的な事業成長のための積極的なITシステム投資に伴う償却費増と、ITシステム運用のためのクラウド費用等の外部委託費用が増加しており、両者をあわせたITシステム関連の総費用が大きく増加しました。これらの結果、MRO事業の売上高は10,363百万円(前年同期比11.9%増)、セグメント利益は182百万円(前年同期比0.2%減)となりました。

 

<FM事業>

 商業施設向けにサービスの提供を行うFM(Facility Management)事業においては、1件当たりの受注金額が小さい小規模店舗の案件が減少し、1件当たりの受注金額が大きい中大型店舗の新店・改装案件が増加したことで売上は前年同期比増となりました。大型案件の方が資材費の比率が高く、少ない人数で多くの売上を上げることができるため、中大型店舗案件は小規模店舗案件に比して、社員1人当たりの売上高が大きく、人員効率面で有利です。ただ、その効率の良さを反映した単価での受注となるため、案件当たりの売上高総利益率は小規模店舗案件より低めとなります。当期は、前年同四半期との比較で、規模の異なる案件の構成比が変化しており、人員効率面で有利な中大型案件が多かったものの、手がかかる一方で粗利率は高い小規模案件が少なく、結果的に、FM事業の売上高は3,193百万円(前年同期比7.4%増)、セグメント利益は93百万円(前年同期比32.5%減)となりました。

 

<その他>

 その他事業は、当社の子会社であるATC株式会社のソフトウエア事業が中心であり、同社が高度なノウハウを持つMDM(Master Data Management)関連の外販事業の成約案件が減少したことで、売上高(外販売上)は9百万円(前年同期比51.6%減)、セグメント利益は14百万円(前年同期比27.4%減)となりました。

 

② 財政状態の状況

(資産)

 当第1四半期連結会計期間末における流動資産は14,418百万円となり、前連結会計年度末に比べ277百万円減少しました。現金及び預金が515百万円、商品が429百万円増加し、売掛金及び契約資産が1,224百万円減少したことが主な要因です。固定資産は2,401百万円となり、前連結会計年度末に比べ18百万円減少しました。無形固定資産が43百万円増加し、有形固定資産が6百万円、投資その他の資産が54百万円減少したことが要因です。これらの結果、総資産は、16,819百万円となり、前連結会計年度末に比べ295百万円減少しました。

 

(負債)

 当第1四半期連結会計期間末における流動負債は11,416百万円となり、前連結会計年度末に比べ273百万円減少しました。これは買掛金が131百万円増加した一方で、未払消費税等が186百万円、未払法人税等が171百万円、賞与引当金が126百万円減少したことが主な要因です。固定負債は49百万円となり、前連結会計年度末に比べ4百万円減少しました。これは長期借入金が4百万円減少したことによるものです。

 これらの結果、負債合計は、11,466百万円となり、前連結会計年度末に比べ278百万円減少しました。

 

(純資産)

 当第1四半期連結会計期間末における純資産合計は5,353百万円となり、前連結会計年度末に比べ17百万円減少しました。親会社株主に帰属する四半期純利益192百万円の計上による増加、剰余金の配当211百万円による減少が主な要因です。これらの結果、自己資本比率は31.8%(前連結会計年度末は31.4%)となりました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

 当第1四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物は4,685百万円となり、前連結会計年度末に比べ515百万円増加しました。なお、当第1四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動によるキャッシュ・フローは、924百万円の収入超過(前年同四半期累計期間は1,316百万円の支出超過)となりました。主な収入要因として税金等調整前四半期純利益273百万円、売上債権の減少額1,227百万円、主な支出要因として棚卸資産の増加額409百万円、法人税等の支払額207百万円があったことによります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動によるキャッシュ・フローは、無形固定資産の取得による支出184百万円などにより186百万円の支出超過(前年同四半期累計期間は222百万円の支出超過)となりました。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払211百万円などより222百万円の支出超過(前年同四半期累計期間は258百万円の支出超過)となりました。

 

(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当第1四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。

 

(4)研究開発活動

 当第1四半期連結累計期間において、当社グループのソフトウエア開発活動の状況について重要な変更はありません。

 

3【経営上の重要な契約等】

 当第1四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。