文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
「細胞から希望をつくる」
「細胞のみから成る立体的な組織・臓器を患者さまへお届けする」
当社は、「革新的な三次元細胞積層技術の実用化を通じて医療の飛躍的な進歩に貢献する」という企業理念のもと、2010年の創業以来、「細胞だけで」立体的な組織・臓器を作製し、再生医療・創薬分野をはじめとする再生・細胞医療分野において、社会貢献することを企業使命として事業を進めてまいりました。
当社は、当社独自の人工の足場材料を用いることなく細胞のみで立体的な組織・臓器を作製することを可能とする三次元細胞積層技術(基盤技術)及びこの基盤技術を搭載した細胞版の3Dプリンタ(バイオ3Dプリンタ)を用いて作製した立体的な組織・臓器を「細胞製品」として実用化し、患者さまにお届けするとともに、将来的には、当社の事業拡大を通じて、日本発の本技術をグローバルに展開し、再生・細胞医療分野での中心的存在になることを目指しております。
中期経営計画における事業戦略として、バイオ3Dプリンタの普及により「ベース収益の確保」と「シーズ育成環境」を実現し、研究用組織(創薬/再生医療研究用途等)で「細胞製品の実用化」を実現する段階を経て、中長期的に「再生医療等製品の承認取得」を目指し、再生医療ベンチャーとしての事業価値最大化を図ることとしております。
事業計画の基本方針及び当社事業を取り巻く経営環境は以下となります。
1. 再生医療等製品の上市(開発パイプラインの事業化)
2. 開発会社としての細胞製品の実用化に向けた研究開発体制及び上場会社としての経営管理体制の強化
3. 上市・上場後の飛躍的成長へ向けた開発パイプラインの拡充及びグローバル展開
開発パートナー企業とともに、複数パイプラインの臨床開発を進め、再生医療等製品の承認取得を実現し、長期的ドライバとしての事業確立を目指します。
開発パートナー企業とともに、創薬支援分野において肝臓構造体の毒性評価モデルの事業化を実現し、中期的ドライバとしての事業確立を目指します。
2019年以降には、CAR導入細胞が相次いで承認される等、再生医療等製品市場は急速に拡大をし、また、2018年にはそれまで有効な治療法の存在しなかった脊髄損傷を対象とした製品が承認されるなど、再生医療によりこれまで存在しなかった新たな市場領域が生み出されました。こうした動きは今後iPS細胞技術並びに2020年にノーベル賞を受賞した「クリスパー・キャス9」といったゲノム編集技術と合わせて新しい細胞を用いた再生医療等製品の登場によりますます加速していくと考えられます。
「2020年度再生医療・遺伝子治療の市場調査業務」の最終報告書(アーサー・ディ・リトル・ジャパン株式会社が国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)からの委託調査)では、国内の市場規模は2020年時点の250億円から2040年時点の1.1兆円規模まで拡大し、今後20年で40倍以上の規模に成長すると見込まれております。
領域別でみても、筋骨格領域、神経領域をはじめとして、様々な領域において急速に市場が拡大すると予想されています。
筋骨格領域に関しては、現在対象疾患から除外されている変形性膝関節症を対象とする再生医療等製品が上市することにより、適応となる患者数が大幅に増えるため、市場が拡大すると想定されます。
神経領域の疾患に関しては、脊髄損傷に対する再生医療等製品が承認されたことで、今後は、神経系にかかる治療法の普及とともに市場が大きく拡大していくことが予想されています。
これ以外にも、直近で角膜疾患を対象とした製品上市が続いている眼領域に加え、肝臓や腎臓が掌る内分泌・代謝の領域、心血管・血液領域、泌尿生殖器、消化器、昨今の新型コロナウイルス感染症のような感染症や呼吸器に関する領域などいずれの領域も、新たな製品が上市されることで再生医療の新たな治療領域として市場の拡大がより一層進んでいくことが予想されています。
一方、これらの再生医療等製品は細胞治療に分類されるものが主体であり、細胞懸濁液を静脈注射をする治療法になっています。今後は、より形状が複雑な製品として、二次元のシート状組織や三次元の立体組織を移植する製品群の開発が進行することが予測されております。
現在の再生医療領域がおかれている状況下にあって、移植待機患者数の増加等の社会的課題に対して、3D細胞製品のような社会的意義の大きい新たな再生医療等製品の誕生により、臓器移植の新たな選択肢としての再生医療が実現することへの期待が高まっている状況にあります。
開発パートナー企業とともに、バイオ3Dプリンタによる基盤技術の普及を進めるとともに、再生医療領域において必要となる基盤技術の応用や新技術開発を継続し、基盤技術のグローバル・スタンダード化を目指します。
再生医療周辺産業においても、2015年から2030年までCAGR+23%での成長が予測されており、装置類や消耗品類、製造受託などのサービス類が市場をけん引すると見込まれております。また、再生医療に使用する目的以外にも、新薬開発や研究用の組織としての製造受託等の各種受託の需要も見込まれており、特に、創薬分野では三次元培養によって作製した細胞や3D細胞製品を用いて、生体内により近い環境下での、肝炎、肝臓病、がんなどに関する研究が行われています。
今後、再生医療の産業化・市場拡大が進み、神経、骨、血管などの各種組織・臓器を立体的に作製するニーズが増加することに伴って、再生医療周辺産業の市場もさらに拡大すると見込まれております。
バイオ3Dプリンタ(装置以外の各種消耗品も含む)市場では、大学や研究機関での技術導入に加え、今後は企業での導入が進むと予想されております。特に製薬会社の創薬・スクリーニングでは細胞の使用量が多くなるため、プリンタの需要が高まるとみられます。
さらに、立体的にヒトの皮膚を培養し化粧品のサンプルテストへの応用、医師の手術用練習ツールとしての人工臓器の作製などの様々な領域への技術応用が拡大しており、今後は、医薬における研究以外の様々な分野での需要拡大も予想されます。
当社は、細胞のみで作製された細胞塊(スフェロイド)を三次元積層するという、独自の基盤技術を活用して製造する細胞製品を活用した新たな再生医療市場の開拓及び確立を目指し、積極的にシーズ開発及び研究開発等の先行投資を行っている段階であり、2021年12月期においては黒字化を達成したものの、安定して利益を計上するに至っておりません。
このため、現時点において当社は、現預金残高水準(キャッシュポジション)を経営指標等としております。具体的には、今後、経済・金融環境の変化に備えて十分な手元流動性を確保し、中長期的な財務基盤の拡充をはかり、再生医療等製品の事業化(上市)に向けた開発を一切止めることなく達成するための経営指標等として、安定した資金力(キャッシュポジション)の確保・維持することを重視しております。具体的には、多様な資金確保手段を講じ安定的な現預金残高水準を確保・維持することに加え、中長期的には、開発パートナーからの契約一時金やマイルストン収入等、開発を進める細胞製品の承認取得、上市に伴うロイヤリティ収入等の実現により経営指標等の達成を目指してまいります。
当社は、①細胞製品の実用化・商業化、②経営基盤の強化及び③その他の課題の解決に向けて、以下の取り組みを進めております。
当社が、再生医療ベンチャーとして中長期的な企業成長と事業価値の最大化を図るためには、再生医療等製品の承認取得をはじめとして、当社独自の基盤技術から生み出される3D細胞製品の開発を着実に進め、継続的に開発パイプラインの価値を拡大・発展させていく必要があります。
当社では、早期の再生医療等製品の承認取得を目指し、当社が中心となってパイプライン開発を推し進め、高度な開発力・技術力等の専門性を有する複数の事業会社との間で構築した強固かつ効率的な共同開発体制に基づき開発を進めるとともに、将来の細胞製品の実用化・商業化を見据え、事業会社とのパートナリングを通じた製造販売体制を強化しております。
また、当社の再生医療等製品の商業化及び将来の安定的・継続的な収益構造の構築に向けて、さらなるパートナリングの強化によるバリューチェーン構築及び再生医療等製品のコスト低減に資する製造体制の整備を進めております。
さらに、当社の製品優位性に基づき将来の再生・細胞医療市場を牽引していくことを視野に入れ、原料の安定供給、製造、販売といった各機能についても、パートナー企業との戦略的な提携等を通じて、再生医療等製品の安定供給、マーケティング、顧客となる医療機関へのネットワーク、販路構築等の拡大に対処すべく体制強化に努めております。
加えて、現在の主要パイプラインに続く次世代の研究開発シーズの探索も重要であり、さらなる開発パイプラインの拡充を目指して、引き続き大学や研究機関との共同研究及び自社独自の研究開発についても促進しております。
当社では、将来の持続的な企業成長のため、再生・細胞医療領域における基盤技術のポジション確立及び次世代のパイプライン(研究開発シーズ)の普及・探索の拡大のため、事業活動とともに、バイオ3Dプリンタ等のデバイスを通じた基盤技術普及を着実に遂行していく必要があります。
そのため、当社は、バイオ3Dプリンタ「Regenova®」及び「S-PIKE®」について販売提携パートナーとともに、学会や展示会等での普及活動を進めベース収益の確保を進めるとともに、ユーザーの研究開発を支援し、ユーザーの論文投稿等今後の研究開発促進に繋がるフォローアップ活動についても継続してまいります。
また、バイオ3Dプリンタのグローバル展開を通じた基盤技術のさらなる普及拡大を通じて、当社の3D細胞製品開発のみならず、再生・細胞医療分野における様々な研究開発の促進及び新たなシーズの開拓の促進を目指してまいります。
当社の製品開発の源泉は、開発会社としての研究開発力・技術開発力にあり、当社が再生医療等製品の承認取得へ向けたパイプライン開発や独自の3D細胞製品開発に必要となる技術革新を着実に実行していくためには、当社の基盤技術を習得した人材の確保及び人材の育成を中心とした組織体制を強化する必要があります。
そのため、研究者・技術者がそれぞれの専門性や能力を最大限に発揮できる組織体制を構築し、組織的な開発力・技術力の向上を図るとともに、開発や事業の進展に合わせ柔軟に組織体制の見直しを行い、組織体制の効率化を進めてまいります。
さらに、臨床開発に専門性を有する研究者・技術者の育成を中心とした開発組織体制を強化するとともに、企業の事業継続性を維持・向上していくため、高度な専門性を有する優秀な人材の確保及び将来の企業成長を牽引していく中核的人材の育成にも努めてまいります。
当社では、経営会議制度及び執行役員制度を導入し、機動的かつ効率的な会社運営を促進するとともに、社内規程の整備・運用や、内部監査・内部統制システムの構築・運用を着実に進めることにより、社内の経営管理体制を強化しております。
当社の取締役会においては、様々な分野につき高度な専門性を有する社外取締役及び社外監査役が参加し、慎重かつ闊達な議論を行うことにより、経営の重要な意思決定及び業務執行の監督が十分に機能するとともに、取締役会に参加する執行役員が取締役会の意思決定に基づく業務執行を迅速に行う機能を担っております。
また、経営会議においては、経営幹部が各々の職掌にとらわれることなく、会社経営全般の視点及び多角的な視点から詳細な審議を行うことにより、代表取締役の機動的な経営判断を補佐しています。
さらに、当社は、全てのステークホルダーの皆様のご期待に応え、当社の持続的成長及び企業価値の向上を目指すべく、コンプライアンス及びコーポレート・ガバナンスの継続的強化・改善を経営上の最優先事項として掲げ、全社的に取り組んでおります。具体的には、コンプライアンス・リスク委員会を設置・運営しており、会社の事業遂行に関わる様々なリスクの分析・評価及びリスクに対する予防策・発生した場合の対応策を検討するとともに、恒常的なコンプライアンス遵守の体制構築・運用についても討議しております。
今後も、これらの仕組みを通じて経営者の業務執行に対する適宜適切な牽制を図ることにより、コーポレート・ガバナンスを強化してまいります。
当社は、研究開発型ベンチャー企業であり、製品・サービスの販売及び技術ライセンス等の知的財産権の事業化により収益を安定的に確保できるようになるまでは、研究開発に対する多額の先行投資による継続的な営業損失と、営業キャッシュ・フローのマイナスを計上することになることから、将来の持続的な企業成長のため、収益の多様化や安定化を図り、財務基盤を強化する必要があります。
当社では、これまで、独立行政法人科学技術振興機構(JST)、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)及び東京都等の行政からの研究開発・技術開発に対する支援を得るなど効果的な開発資金の獲得及び開発投資により、様々な研究開発や技術開発を進めてまいりました。
また、当社では、効率的で安定した運転資金を確保するため、大手金融機関からの融資枠の供与や政府系金融機関からの長期借入を通じて対外信用力を強化する等、間接金融による財務状況の安定性強化に努めてまいりました。
今後も、細胞製品上市による安定的な収益実現まで、細胞製品及びデバイス関連の売上を伸ばす一方、研究開発費を中心とした事業活動資金を継続的に外部より調達し、予算管理の徹底を通じてコスト抑制を図るとともに、株式市場からの調達などを含めた資金調達手法の多様化を図ることで、事業活動に必要な資金の安定的かつ機動的な調達を通じて財務基盤の強化を目指してまいります。
現在、臨床開発段階にある再生・細胞医療分野における複数の主要パイプライン(細胞製品の開発シーズ)に加え、次世代のパイプライン(研究開発シーズ)の育成及び探索開発が進捗しており、当社ではパイプライン開発の着実な実行とさらなる開発体制強化へ向け、臨床開発への投入を主とした研究開発者・技術者の人員拡充及び施設整備・設備投資等を計画しております。
当社の事業展開その他に関するリスクとなる可能性があると考えられる主な事項について記載しております。
当社は、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の適切な対応に努める方針でありますが、本株式に関する投資判断は、以下の記載事項及び本書中の本項以外の記載を慎重に検討した上で行なわれる必要があると考えます。
また、以下の記載は当社に関連するリスクすべてを網羅するものではありませんのでご留意ください。
なお、本項中の記載内容については、将来に関する事項は本書提出日現在において当社が判断したものであります。
再生・細胞医療という先端医療領域においては、再生医療の基盤となる学問や技術が急速な進歩を遂げている中で、再生医療製品そのものに関する研究開発も非常に速いスピードで進んでおり、日々新しい研究開発成果や安全性・有効性に関する知見が生まれています。当社が実施している再生医療等製品にかかる再生・細胞医療の領域は、国内のみならず、世界的にも注目を集めている研究分野であるため、新しい知識や技術が発見されイノベーションが生まれやすい分野であります。特に、当社が現在開発を進めている再生医療パイプラインのターゲット領域に関しては、当社の細胞性の立体構造体以外に、細胞医薬品などの様々な治療法の開発が進展しています。
また、再生・細胞医療分野においては、米国を中心にすでに様々な研究開発が進んでおり、より実現性の高い技術革新が行われる可能性があります。
当社の基盤技術である三次元細胞積層技術は、現時点では新規性の高い再生医療技術であり、また学術的にも従来の製品に比し安全性・有効性・応用可能性等が期待されており、当社では、大学や公的研究機関と連携し、技術的優位性を有する先端技術を継続的に開発しております。ただし、本業界における技術革新が想定以上のスピードで進み、当社技術が陳腐化にさらされる可能性や、当社が全く想定できない副作用が生じる可能性が存在し、そのような最先端の医療に特有の課題やリスクが現実化した場合には、当社の事業戦略や経営成績に重大な影響が出る可能性があります。
再生医療市場は、海外では、すでに、市場の急速な拡大が進んでおり、経済産業省によれば、全世界で、2030年:12兆円、2050年:38兆円、日本国内で、2030年:1.0兆円、2050年:2.5兆円、と今後大幅な急成長が見込まれています(「再生医療の実用化・産業化に関する報告書(2013年2月)」参照)。
ただし、今後、再生医療市場の拡大が想定よりも大幅に鈍化する可能性や主要パイプラインが想定する対象市場が実際には当社の想定よりも小さくなる可能性も否定できないことから、何らかの要因により、事業計画の前提としていた市場そのものが衰退あるいは消滅するような場合には、当社の経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。
当社の再生医療パイプラインについては、主として患者さまご自身の細胞を使用して作製された組織・臓器を患者さまご自身の身体へ移植する、自家移植を前提とした製品開発を進めており、人工材料を使用した製品や他人の細胞を使用する他家移植に比べて製品自体の安全性は比較的高いものであり、製品使用時の添付文書や同意文書においてリスク状況を患者さまへ十分に説明した上で使用頂きますが、それでも製品出荷後に予期せぬ不具合や有害事象等が発生する可能性までは完全には否定できず、それらが発生した場合には、法規制に従い適切に対応いたします。
臨床試験計画は、PMDAとの事前相談を行い綿密な計画を立てておりますが、いまだ再生医療等製品における臨床試験の実施自体が多くないことから、臨床試験に必要とされる患者を適切に確保できないこと、試験実施施設側の事情により計画通り進行しないこと等の様々な要因によって遅延する可能性があります。
このような場合には、当社の事業展開や経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
当社は再生医療等製品の製品供給体制等の事業基盤(インフラ)の整備・確立へ向けた取り組みを推進しておりますが、当社が取り組む再生医療分野は、医薬品のような成熟市場とは大きく異なり、現在市場形成途中にある分野であることから、長期的に持続可能な産業として発展するためには、当社のみならず関連する官庁・企業・業界一体となって取り組んでいく必要があります。
また、この取り組みには、量産化等による製造原価低減、医師に適切な内容・量の製品情報を届けることができる効果的なマーケティングの実施、製造販売開始後の市販後調査等のフォローアップ体制の確立などの課題が存在し、その課題解決には多くの時間と多額の費用が必要となります。
以上のような課題解決に向けて、当社では、自社での単独開発による様々なリスクを排除し、着実に開発を進めるため、専門性が高い開発力・技術力を有する複数の開発パートナーが、開発・製造・販売までを有機的に連携し担うサプライチェーンの構築を進めておりますが、計画どおりにインフラ及びサプライチェーンの整備・構築が進まない場合には、当社の事業戦略や経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
(発生可能性:小、発生する可能性ある期間:特定時期無し、影響度:中)
再生医療の産業化に向けた環境整備については、2014年11月25日に施行された再生医療等安全性確保法(「再生医療等の安全性の確保等に関する法律」)及び医薬品医療機器等法(「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」)が成立し、特に薬機法下においては、医薬品、医療機器等の安全かつ迅速な提供を図るため、再生医療等製品について早期承認制度に基づいた条件及び期限付承認制度を新設し、再生医療の実用化に向けた規制緩和が大幅に進んでおります。
このような市場環境整備の促進により、今後数年以内に再生医療等製品の承認取得が増えることが予想されていますが、この制度下での承認実績はいまだ実績が乏しく、製品開発過程において従来の製品とは異なる検証等を要求される可能性も考えられます。
当社の想定よりも多数の試験が必要となるような場合には、開発スケジュールに大幅な遅れが生じるなど、当社の経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。
(発生可能性:小、発生する可能性ある期間:特定時期無し、影響度:中)
再生医療等製品に関する法規制については、技術の革新の状況や現時点において予期し得ない事態の発生等に対応して、継続的に見直しがなされる可能性があります。
当社では、そのような見直しがあった場合にもいち早く対応することができるよう体制の整備に努めておりますが、法規制の追加や法改正の内容いかんによっては、従来の品質管理基準を上回る品質管理を要求される等の理由によって多額の設備投資が必要となる可能性や、法律・ガイドライン等の追加・改正により、これまで使用が認められてきた原材料が突如として使用できなくなる可能性、当社の想定通りの内容で薬事承認が下りない又は薬事承認の取得に想定以上の時間を要する可能性も否定できません。また、世界的な医療費抑制の流れの中で、当社が想定している製品価値よりも低い保険償還価格となる可能性もあります。
このような事象が発生した場合、当社の事業戦略や経営成績に重大な影響が生じる可能性があります。
当社の3D細胞製品は、当社が独占的に実施権を保有する基盤特許と技術的に模倣することが困難な当社固有の製造ノウハウ等の技術情報とを併用することで初めて製造することが可能となることから、実質的に他者による参入障壁を形成している状況にあるといえますが、再生医療領域に本格参入している企業はまだ比較的少ないものの、研究開発を進めながら参入を検討している潜在的競合相手は少なくないと想定しております。
そのため、周辺領域を含め当事業に参入している企業や潜在的な競争相手が、当社の保有している知的財産権等を上回る新技術を開発し、関連特許を取得する場合や先行して上市した場合などには、当社の経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。
また、新規の競合品の開発が先行、又は上市した場合は、共同研究開発やアライアンスを実施している企業が、その後の事業価値が毀損されると判断して共同研究開発やアライアンスを解消する可能性があります。
さらに、上市に至った場合でも、他社が当社の製品よりも優れた製品を販売すると、想定したロイヤリティが得られないこと等により、当社の事業展開や経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
(発生可能性:小、発生する可能性ある期間:特定時期無し、影響度:小)
一般的に、再生医療等製品は、その原材料としてヒト細胞を使用するものであることから、使用する細胞に由来する感染の危険性を完全に排除し得ないために安全性に関するリスクが高いとされているところ、当社の主要パイプラインにおいてはいずれも患者自身の細胞を使用することから、他人の細胞を使用することによる感染症のリスクは原理的に存在しません。
もっとも、一般的に再生医療等製品の開発にあたっては、製造工程で使用する培地に動物由来の原料が使用される場合があることから、厳密には製造の過程において動物由来材料に起因する感染リスクが存在します。当社では、このような感染リスクを排除・低減するために具体的な方策を研究・実施しておりますが、このような感染リスクが現実化した場合には、当社製品に対する信頼が悪化し、当社の事業展開や経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
また、仮にこのような事例が生じた場合に当社の過失が否定されたとしても、ネガティブ・イメージによる業界全体及び当社製品に対する信頼に悪影響が生じ、当社の事業に影響を与える可能性もあります。
当社が開発を進める細胞製品については、その品質管理に万全を期し、常にその充実を図るよう努めておりますが、様々な要因による不良品発生や研究開発現場での不適切な取扱いの可能性を完全に否定することはできません。そのため、製品開発の過程において事故等が発生した場合には製造物責任によって係争等に発展する可能性や、製造工程における不具合発生による製品の自主回収の可能性等があります。
その場合には、特別的な損失として係争等への対応費用や自主回収関連費用等が発生し、当社の事業展開や経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
また、このような場合、結果として当社の過失が否定されたとしても、当社に対する製造物責任に基づく損害賠償請求等の係争が発生することで、当社製品に対する信頼が悪化し、当社の事業展開や経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
(発生可能性:中、発生する可能性ある期間:特定時期無し、影響度:中)
当社が開発を進める再生医療等製品は、研究開発活動において成果をあげることにとどまらず、その後の製造及び販売についても事業として展開していくことを視野に入れております。そのため、当社では、パートナー企業等とともに細胞の大量培養技術の開発など製造方法の確立に向けて注力しております。
しかしながら、再生医療等製品の開発には、多種多様な技術が必要となり、今後、何らかの理由で製造方法の確立、製造体制の構築等が困難になった場合には、当社の経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。
また、当社では現在、パートナー企業等との提携により販売体制の構築を進めておりますが、今後、体制構築に何らかの障害が生じ、当社の計画より遅れた場合には、当社の経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。
当社は研究開発活動等に必要な様々な知的財産権を保有しており、これらは当社所有の権利・ノウハウであるか、あるいは適法に実施許諾を受けた権利・ノウハウであると認識しております。
当社では事業に必要な基盤特許については原則として全て自社で確保する方針を採用し、当社の重要な知的財産権については定期的に関連特許出願状況等をチェックしており、重大な問題が生じる前にいち早く対策を打つことができるよう体制の整備を図っております。
また、当社では、製品製造方法に関わる基盤技術等について、積極的な知的財産権の取得による権利保護を推進し、研究論文等による既出情報に関しても、出願特許の公開による公知化を図るなど、他社による権利化や模倣を防止することで事業リスク低減に努めております。
さらに、権利化している製品製造工程以外の、培地組成や各種培養技術等の培養工程や、組織・臓器作製ごとに異なって使用する機器・器具等に関する重要度の高い技術情報については、特許出願による権利化の対象にはせず秘匿情報としてノウハウ化を図ることで、外部への流出あるいは他者による模倣を防ぐ知的財産権戦略をとっております。
今後、当社の基盤技術にかかる主要特許が残存期間を経過し、類似製品が登場する可能性も否定できませんが、既に当社が提供する製品が、複数の取得済み特許及び秘匿情報とする製造ノウハウにより強固に保護され、他者に対して技術的な参入障壁を構築している現状に鑑みると、実際にそのような類似製品が登場し市場において当社製品と競合するような事態は、基本的には想定されません。
また、当社では、継続的に新規特許を出願することによって、順次周辺特許の出願等を通じた特許網の拡充に努めておりますが、一方で出願中の特許については登録に至らない可能性が存在します。
さらに、上記の重要なノウハウ等の技術情報については秘密保持契約を課すなどして外部への流出あるいは他者による模倣ができないよう管理しておりますが、第三者が独自に同様又は類似のノウハウの開発・知得に成功する可能性は完全には否定できません。したがって、出願中特許が成立しない場合、事業に必要な特許が何らかの理由で確保できない場合、または当社ノウハウと同様あるいは類似のノウハウを第三者が開発又は知得した場合、当社の事業展開や経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
当社は研究開発型企業として、産学連携のもと、様々な大学との共同研究や臨床試験等を進めており、その開発対象は広範にわたります。また、当社が進める細胞製品に関わる様々な研究開発・技術開発は、特定の事業に結びつくものではなく、多面的な事業展開に関わるため、結果として社内のほぼすべての部署が直接的又は間接的に研究開発に深く関与することとなり、販管費に占める研究開発費は高い割合となっております。
そのため、当社では、予算管理の徹底を通じてコスト抑制を図るとともに、これまで、独立行政法人科学技術振興機構(JST)、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)及び東京都等の行政からの研究開発・技術開発に対する支援を得ながら、様々なパイプライン開発や技術開発を進める等によって、効率的な開発投資を実行してまいりました。
しかしながら、何らかの理由により、効率的な開発投資を進められず、研究開発費が膨らむ場合には、結果として当社の事業戦略、業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
当社が進めている再生医療等製品開発においては、一般的に製品開発に長期間を要し、実際に上市されるまでは収益が上がらず損失を計上し続ける可能性があります。
当社は、複数の主要パイプラインについて臨床試験段階にあることに加え、現在基礎研究や非臨床試験段階にあるパイプラインも有していることから、製品の上市までに多額の研究開発費を要する臨床試験を経ることが必要であり、さらに臨床試験開始にかかる承認や製造販売承認等のプロセスにも不確定要素が多いことから、事業計画における想定以上に研究開発期間が延びる可能性があります。
そのような場合には、研究開発費の増加が当社業績を圧迫する、あるいは、追加の資金調達が必要となるなど、当社の経営成績及び今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。
(発生可能性:小、発生する可能性ある期間:特定時期無し、影響度:小)
当社は、様々な大学や研究機関等との共同研究を行うなど連携を通じて、研究開発活動や事業基盤の強化を行っております。しかしながら、大学・研究機関等との共同研究における知的財産権に関する取り決めや将来の研究成果についての分配・還元等に関して、当社の想定と異なる状況に至る可能性が出てきた場合には、当社の事業戦略や経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
当社の事業計画には、外部企業との提携関係を前提にした部分が存在します。
前提となっている提携関係には既に契約済みのものと今後契約することを想定したものの両方がありますが、既に契約済みの提携については、相手先企業の経営方針の変更等の当社がコントロールし得ない何らかの事情により、期間満了前に終了する可能性や契約条件変更のリスクが全くないとはいえません。一方で、今後契約することを想定した提携については、想定どおりの時期・条件で契約できないリスクが存在します。
いずれのリスクが現実化した場合でも、当社の事業戦略や経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
当社では現時点での開発戦略上、患者さまご自身の細胞を用いる、いわゆる「自家」移植による国内での製品開発を前提としてパイプライン開発を進めておりますが、将来的には、パートナリングやアライアンスによって当社の基盤技術の独自性と技術的優位性を最大限に生かし、他領域への適用拡大、iPS細胞等の「他家」細胞を用いた開発へ拡大することも目指してまいります。
しかしながら、過去に製品としての前例がないこと、また、治療における患者のリスクとベネフィットの観点などから、必ずしもそのような適応拡大が実現する保証はありません。
このような場合には当社の事業戦略や経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
(発生可能性:小、発生する可能性ある期間:特定時期無し、影響度:小)
現時点では当社は研究開発活動を中心とした企業であり、再生医療等製品が販売されるようになるまでは多額の研究開発費用が先行して計上されることとなります。
当社は、将来の利益拡大を目指しておりますが、開発が計画通りに進捗しない場合には、将来において当期純利益を計上する時期が遅延する可能性もあります。また、計画通りに当期純利益を計上できない場合には、繰越利益剰余金がプラスとなる時期も遅延し、株主に配当を実施する時期が遅れる可能性があります。
(発生可能性:小、発生する可能性ある期間:特定時期無し、影響度:小)
当社には現在のところ税務上の繰越欠損金が存在しておりますが、事業計画の進展から順調に当社業績が推移するなどして繰越欠損金による課税所得の控除が受けられなくなった場合には、通常の税率に基づく法人税、住民税及び事業税が計上されることとなり、現在想定している当期純利益若しくは当期純損失及びキャッシュ・フローに影響を与える可能性があります。
(発生可能性:小、発生する可能性ある期間:特定時期無し、影響度:小)
当社では、研究開発活動の推進に伴い、2021年12月期においては通期黒字を達成したものの、これまで営業損失及び営業キャッシュ・フローのマイナスを継続しており、今後も事業の進捗に伴って運転資金、研究開発投資及び設備投資等の資金需要の増加が予想されます。
当社はこれまでに、第三者割当増資によるエクイティ・ファイナンス、事業提携の実現によるパイプラインの収益化(一時金の獲得など)、並びに国をはじめとする公的補助金等の活用などにより資金需要に対応しており、今後もこのような多様な資金調達と資金繰りの工夫により、継続的に当社の財務基盤の強化を図っていく方針ですが、これらの取組みが想定どおり進まない場合等、資金繰りの状況によっては当社の事業展開や経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
また、今後増資などのエクイティ・ファイナンスを実施した場合には、当社の発行済株式数が増加することにより1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。
(発生可能性:小、発生する可能性ある期間:特定時期無し、影響度:小)
再生医療等製品の研究開発には多額の先行投資が必要であり、その投資回収までの期間も長期に及ぶ傾向があり、当社も創業以来繰越利益剰余金がマイナスを継続しています。このような状況下にあっては、積極的な研究開発活動の推進によって企業価値を向上していくことこそが株主利益の最大化に繋がるものであると考えております。そのため、当面は内部留保の充実に努め研究開発資金の確保を優先することを基本方針としております。
株主への利益還元については、重要な経営課題の1つであると認識しており、将来的には経営成績と財政状態を勘案して配当による利益還元も検討してまいりますが、今後の事業等の進捗によっては利益配当までに時間を要する可能性があります。
本書提出日現在における当社の発行済株式のうち、ベンチャーキャピタル及びベンチャーキャピタルが組成した投資事業組合が所有している株式の保有割合は34.3%であります。
一般に、ベンチャーキャピタル等が未公開株式に投資を行う目的は、株式公開後の当該株式の売却によるキャピタルゲインの獲得にあることから、当該株式の公開後に、それまで保有していた株式の全部または一部を売却することが想定されます。当該株式売却により、短期的な需給バランスの悪化を生じさせ、当社株式の市場価格が低下する可能性があります。
当社は、中長期のインセンティブプランとして、当社の役職員及び社外協力者に対するストック・オプション制度を採用し、会社法第236条、第238条及び第239条の規定に基づき、株主総会の決議において承認を受け、新株引受権を取締役、従業員及び社外協力者に対して付与しております。
本書提出日現在における当社の発行済株式総数は5,918,000株、新株予約権による潜在株式数は862,000株(発行済株式総数に対する割合14.6%)であり、これら当該新株予約権の行使が行われた場合には、当社の1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。
また、本書提出日現在において、売出人である秋枝静香及び三條真弘の保有する新株予約権による潜在株式数は合計618,000株(発行済株式総数に対する割合10.4%)に相当しますが、当該2名は、本売出しによって得た資金の一部を各々が保有する新株予約権の行使代金に充当することで、安定株主比率の向上を目的とした新株予約権の行使を行い、取得した株式を継続保有する方針であります。
実際に当該行使が行われた場合には当社の1株当たりの株式価値の希薄化が進む可能性があります。
なお、当社では、今後も優秀な人材確保のために、同様なインセンティブプランを継続して実施していく方針を有しており、今後付与される新株予約権の行使が行われた場合には、当社の1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。
(発生可能性:小、発生する可能性ある期間:特定時期無し、影響度:小)
当社は、本書提出日現在、取締役5名、監査役3名及び従業員22名の小規模組織であり、内部管理体制はこのような組織規模に応じたものとなっております。今後の事業拡大に伴い、内部管理体制の一層の充実を図る方針ではありますが、当社が事業拡大に応じて適切かつ十分な組織対応ができず、組織効率が低下し十分な事業活動が行えない場合には、当社の事業展開や経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
また、当社の事業活動は、現在の経営陣、事業を推進する各部門の責任者と構成員等に依存するところがあります。そのため、当該技術ノウハウの確保及び発展の見地から、常に優秀な人材の確保と育成に努めておりますが、人材確保又は育成が順調に進まない場合、並びに重要な役職員の流出が生じた場合には、当社の事業展開や経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
当社は、ITセキュリティ及び情報管理について、外部専門家の関与により、セキュリティの強化に努めておりますが、役職員、外部委託先の不注意又は故意の行為、又は第三者による意図的な攻撃(コンピュータウィルスの侵入やサイバー攻撃)などにより、当社の運用システムの停止、中断などセキュリティ上の問題や、研究開発にかかる秘密情報の漏洩が発生する可能性があり、これにより当社の研究開発に対する実害、知的財産等にかかる重大な機密情報の流出・漏洩が生じた場合には、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。また、当社は、細胞製品等の研究開発及び製造販売並びにこれらの付随業務の単一セグメントのため、セグメントごとの記載はしておりません。
第12期事業年度(自 2021年1月1日至 2021年12月31日)
当事業年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大が続く中、段階的に経済活動が再開され株式市場は徐々に回復に向かいましたが、新たな変異株であるオミクロン株の出現により、年末にかけて感染者数の急拡大が懸念され、依然予断を許さない状況が続いております。そのため、工場の稼働率低下による部品不足や、原材料の調達、輸送費用等の高騰も様々な業界で課題となっており、先行き不透明な状況が続きました。
国内における再生医療・細胞治療分野においては、2021年に開催された厚生労働省 薬事・食品衛生審議会 再生医療等製品・生物由来技術部会において、すでに承認を受けている11品目に加え、国内で新たに5つの再生医療等製品の製造販売承認が了承され、新たな再生医療等製品の上市への期待感が高まりました。
このような状況の下、当社は独自のプラットフォーム技術を用いた革新的な再生医療等製品や3D細胞製品の創出を通じて、新たな再生医療・細胞医療の実用化・産業化に貢献するべく、研究・技術開発を中核とする事業活動を推進してまいりました。また、細胞製品開発と並行して、デバイス販売や共同研究活動等により、当社の基盤技術を国内外に普及させる事業活動にも取り組んでまいりました。具体的には、①再生医療領域において、再生医療等製品の承認取得へ向けたパイプライン開発及び研究用細胞製品の受託、②創薬支援領域において、製薬企業・非臨床試験受託企業等を相手方とした創薬支援用のツールとしての細胞製品の開発、③デバイス領域において、基盤技術を搭載したバイオ3Dプリンタ等の三次元細胞積層システム機器の開発・販売等を多面的に展開しております。
なお、当事業年度においては、臨床試験をはじめとする研究開発について概ね計画通りに進めてまいりました。新型コロナウイルス感染症の長期化に伴う資材・部品の調達遅延が発生する等、今後の開発スケジュールや開発進捗等に影響が生じる可能性がありますが、特定の取引先への依存を回避する等バックアップ体制を整備しながら事業活動を進めてまいります。
各領域における開発状況及び経営成績の概況は、以下のとおりです。
当社では、主要な再生医療パイプライン(末梢神経再生、骨軟骨再生、血管再生等の革新的な3D細胞製品)について、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(以下、「AMED」という。)の支援のもと、早期の再生医療等製品の承認取得・実用化を目指し、各大学・研究機関及び連携企業等の共同開発パートナーとともに臨床開発及び研究開発を進めております。
(a) 末梢神経再生
末梢神経再生については、これまでに国立大学法人京都大学とともにAMED委託事業「革新的医療シーズ実用化研究事業/バイオ3Dプリンタにより作製した三次元神経導管(Bio 3D Conduit)を用いた革新的末梢神経再生法の臨床開発」において、末梢神経損傷を受けた患者さまへ移植するための「細胞製神経導管」の開発に取り組んでおります。
当事業年度においては、2020年度より採択されたAMED委託事業「末梢神経損傷を対象とした三次元神経導管移植による安全性と有効性を検討する医師主導治験」において、京都大学とともに臨床試験を継続実施してまいりました。本臨床試験のデータを集積しながら今後、本医師主導治験後の次の治験に向けて準備を進めてまいります。
(b) 骨軟骨再生
骨・軟骨再生については、軟骨だけでなく軟骨下骨まで損傷が進行している患者さまへ軟骨と軟骨下骨とを同時に再生させることが可能な「細胞製骨軟骨」の開発に取り組んでおります。
これまでに九州大学病院において、変形性膝関節症をはじめとする患者さまへ細胞製骨軟骨を移植する製品開発を目指した臨床試験(プロジェクト名:「高密度スキャフォールドフリー脂肪由来幹細胞構造体(HDMAC)を用いた骨軟骨組織再生の臨床研究」)を、AMED委託事業「再生医療実用化研究事業/高密度スキャフォールドフリー脂肪由来幹細胞構造体を用いた骨軟骨組織再生の実用化推進臨床研究」による支援を受け実施してまいりました。
当事業年度においては、次相臨床試験開始に向けて、慶應義塾大学病院とともに製造施設及び治験体制構築を進めてまいりました。
(c) 血管再生
血管再生については、これまでにAMEDの支援を受け、人工透析患者さまへ移植可能な細胞製の血管構造体「小口径細胞製人工血管」の開発に取り組んでおります。
当事業年度においては、国立大学法人佐賀大学と共同で進めるAMED委託事業「バイオ3Dプリンタを用いて造形した小口径Scaffold free細胞人工血管の臨床研究」において、株式会社ジャパン・ティッシュ・エンジニアリングとともに臨床試験を継続実施してまいりました。引き続き、国立大学法人佐賀大学との連携を図りながら、臨床試験の完了に向けて今後も開発を続けてまいります。
(d) その他
当社が実用化を目指す細胞製品の開発においては、基盤技術を用いて細胞のみで立体的な構造体を作製するコアプロセス(スフェロイドの作製~三次元細胞積層による立体化~立体構造体の組織化)が極めて重要です。当社では、細胞製品の実用化・産業化に向け、このコアプロセスの機械化及び生産設備開発に取り組んでおり製造設備及び製造設備等のインフラに関する技術・ノウハウ等を有する企業とのパートナーシップ強化を加速し、必要となる培養技術やプロセス開発等、商業化に必要となる技術開発を進めております。
当事業年度においては、当社と細胞製品の製造に関する包括的パートナーシップ契約を締結している太陽ホールディングス株式会社の子会社である太陽ファルマテック株式会社の高槻工場内に、当社の製品製造が可能な細胞加工施設が2021年9月末に竣工しました。本施設には当社の業務提携先である日立グローバルライフソリューションズ株式会社と共同で構築した、コンパクトかつシームレスな製造設備「次世代モジュール型CPC」が導入されており、3社共同体制に基づく製造施設構築の実現にいたりました。
また、2021年12月には、再生・細胞医療分野における安定的な流通体制を構築することを目的として、株式会社メディパルホールディングスとの間で再生医療等製品の実用化へ向けた開発投資契約を締結し、当社が開発を進める再生医療等製品の事業化の実現に向け、サプライチェーンの構築及びより一層の体制強化を行うことができました。
そのほか、藤森工業株式会社との間では、細胞の大量培養に関する共同技術開発を、また、岩谷産業株式会社との間では、凍結保管技術の開発を進めてまいりました。
以上のように当社では、今後もパートナー企業との間で戦略的パートナーシップの強化を進め、当社の革新的な再生医療等製品の早期の実用化に向け開発を進めてまいります。
当社では、創薬支援領域において、独自の基盤技術により、人工の足場材料を使用せずに、ヒト肝細胞等の細胞のみから、高い肝機能が長期間にわたり発現する3D肝臓構造体を開発し、製薬企業や非臨床試験受託会社等の創薬研究のニーズに応える創薬支援用途でのツール開発を進めております。
当事業年度においては、これまで国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下、「NEDO」という。)による「研究開発型ベンチャー支援事業/企業間連携スタートアップに対する事業化支援」の支援を受け開発した「3D肝臓構造体による毒性評価モデル」について、業務提携パートナーである積水化学工業株式会社、大阪サニタリー株式会社及び株式会社SCREENホールディングスとともに、3D肝臓構造体の事業化に向けた共同開発を進めてまいりました。
当社では、基盤技術を搭載したバイオ3Dプリンタによる技術普及を進めることにより、再生・細胞医療領域におけるポジション確立及びシーズ普及・探索を目指すとともに、細胞製品の実用化に必要となる技術応用及び新技術開発を進めております。
(a) 技術普及
当事業年度において、当社のバイオ3Dプリンタ「Regenova®」(製品名:レジェノバ)及び「S-PIKE®」(製品名:スパイク)は、国内外のアカデミア等の研究機関を中心として設置され、再生・細胞医療分野や創薬分野における研究開発現場において稼働しております。またバイオ3Dプリンタを設置した研究機関との共同研究により、新たな細胞製品の開発が進められております。
(b) 技術応用・新技術開発
当事業年度において、当社基盤技術の技術応用により開発した、再生医療パイプラインの臨床試験に用いる臨床用の三次元細胞積層システムが末梢神経再生及び血管再生の臨床試験において稼働しております。また、当社の再生医療等製品の生産体制構築へ向けて、各パートナー企業と共に細胞製品製造システムの共同技術開発を実施しました。
今後も上記活動を継続し、バイオ3Dプリンタ「Regenova®」及び「S-PIKE®」の販売を通じて当社の知名度向上、基盤技術の普及拡大及びパートナー企業とともにグローバル展開を図ることで、当社の細胞製品開発のみならず、再生・細胞医療分野における様々な研究開発の促進及び新たなシーズの開拓を促進してまいります。
以上の結果、当事業年度における売上高は、共同開発パートナーからの開発進捗に応じた契約一時金及び細胞製品等の製造支援、デバイスの販売・レンタル、その関連部品の販売等により、708,245千円となりました。
一方、販売費及び一般管理費は、合計で500,033千円となりました。
これらの結果、当事業年度の営業利益は70,569千円となりました。
また、AMED等からの助成金受領等により、営業外収益を89,424千円計上した一方、借入金の利息等の支払により営業外費用を15,078千円計上したことから、経常利益は144,914千円、当期純利益は142,905千円となり、創業来初めて通期での黒字化を実現いたしました。黒字転換の大きな要因としては、当社が開発を進める再生医療等製品の事業化に向けた開発が順調に進展したこと、及びパートナー企業との連携強化により開発が促進したことに伴う契約一時金の受領や各種業務支援、研究受託・開発受託・製造受託・評価受託等の各種受託の増加により、売上高が大幅に増加したことが影響しております。
なお、当社の事業は再生医療等製品の研究開発及び製造販売並びにこれらに関連する事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しています。
第13期第3四半期累計期間(自 2022年1月1日至 2022年9月30日)
当第3四半期累計期間におけるわが国の経済は、新型コロナウイルス感染症対策が進み、景気は穏やかな回復基調が続いているものの、ウクライナ情勢の長期化や、世界的な金融引き締めによる急速な円安の進行、原材料価格やエネルギー価格の高騰が続くなど、依然不透明な状況が続いております。
当社では、独自のプラットフォーム技術による革新的な再生医療等製品などの3D細胞製品の創出を通じて、新たな再生医療・細胞医療の実用化・産業化に貢献するべく、細胞製品にかかる研究・技術開発を中核とする事業活動を継続的に進めております。また、細胞製品開発と並行して、デバイス販売や各種共同研究等により、当社の基盤技術を国内外に普及させる事業活動にも取り組んでおります。
当第3四半期累計期間における各領域における事業活動の進捗及び経営成績の概況は、以下のとおりです。
当社では、再生医療領域において、バイオ3Dプリンタを用いた新たな再生医療等製品の承認取得・実用化を目指し、各大学・研究機関及び連携企業等の共同開発パートナーと臨床開発及び研究開発を進めるとともに、研究用細胞製品の受託等の事業活動を進めております。
再生医療等製品としての承認取得を目指す主要パイプラインの開発状況及び関連技術開発状況は下記のとおりです。
末梢神経損傷を受けた患者さまへ移植するための「細胞製神経導管」の開発に取り組んでおります。これまで、国立大学法人京都大学とともに国立研究開発法人日本医療研究開発機構(以下、「AMED」という。)委託事業「革新的医療シーズ実用化研究事業/バイオ3Dプリンタにより作製した三次元神経導管(Bio 3D Conduit)を用いた革新的末梢神経再生法の臨床開発」に採択され、生きた細胞のみからなる三次元の神経導管の開発に成功いたしました。その後、非臨床試験において有効性及び安全性のデータを取得し、2020年11月より末梢神経を損傷した患者さまに、バイオ3Dプリンタから作製した細胞製神経導管を移植する医師主導治験(AMED委託事業「末梢神経損傷を対象とした三次元神経導管移植による安全性と有効性を検討する医師主導治験」に採択)を京都大学医学部附属病院において実施いたしました。現在までに、本医師主導治験において、計画通り全症例の移植を終えており、当第3四半期累計期間においては、経過観察期間として安全性及び有効性を確認中の状況です。今後本細胞製神経導管の再生医療等製品としての承認取得に向けて準備を進めてまいります。
なお、本細胞製神経導管の開発状況については、「第21回日本再生医療学会総会」(2022年3月開催)のほか、「末梢神経」の領域の主要学会である「第33回日本末梢神経学会学術集会」(2022年9月開催)において発表がなされました。
骨・軟骨再生については、軟骨だけでなく軟骨下骨まで損傷が進行している患者さまへ軟骨と軟骨下骨とを同時に再生させることが可能な「細胞製骨軟骨」の開発に取り組んでおります。
これまでに九州大学病院において、「細胞製骨軟骨」を移植する臨床開発(プロジェクト名:「高密度スキャフォールドフリー脂肪由来幹細胞構造体を用いた骨軟骨組織再生の臨床研究」)を、AMEDによる支援を受け実施してまいりました。
当第3四半期累計期間においては、次相臨床試験の開始に向けて、慶應義塾大学病院とともに製造及び治験体制構築を進めました。
また、慶應義塾大学と共に進める共同研究開発が、AMED橋渡し研究プログラム「バイオ3Dプリンタ技術を用いた膝関節特発性骨壊死に対する骨軟骨再生治療」に事業採択されました。
血管再生については、人工透析患者さま等に対して移植を目指す細胞製の血管構造体「細胞製人工血管」の開発に取り組んでおります。
これまでに、国立大学法人佐賀大学と共同でAMED委託事業「バイオ3Dプリンタを用いて造形した小口径Scaffold free細胞人工血管の臨床研究」において、ジャパン・ティッシュ・エンジニアリング株式会社とともに臨床開発を進めてまいりました。当第3四半期累計期間においては、引き続き、本臨床開発を実施しております。
当社が実用化を目指す細胞製品の開発においては、基盤技術を用いて細胞のみで立体構造体を作製するコアプロセス(スフェロイドの作製~三次元細胞積層による立体化~立体構造体の組織化)が極めて重要です。当社では、このコアプロセスの着実な遂行に向け、必要となる培養技術やプロセス開発等、商業化に必要となる技術開発を進めており、製造設備及び製造設備等のインフラに関する技術・ノウハウ等を有する企業とのパートナーシップ強化を進めております。
当第3四半期累計期間においては、当社と細胞製品の製造に関する包括的パートナーシップ契約を締結している太陽ホールディングス株式会社との間で、当社の再生医療等製品の製造・販売へ向けた製造・品質体制の構築を進めました。
その他、藤森工業株式会社との間で、細胞の大量培養に関する共同技術開発を、また岩谷産業株式会社との間で、凍結保管技術の開発を進めております。また、福岡地所株式会社との間で、再生・細胞医療分野等における事業活動を通じた地域創生を実現することを目的とした業務資本提携を締結いたしました。
以上のように当社では、パートナー企業との間で戦略的パートナーシップの強化を進め、将来の当社の革新的な再生医療等製品の実用化を進めてまいります。
当社では、創薬支援領域において、独自の基盤技術により、人工の足場材料等を使用せずに、ヒト肝細胞等の細胞のみから、高い肝機能が長期間にわたり発現する3D肝臓構造体を開発し、製薬企業や非臨床試験受託会社等の創薬研究のニーズに応える創薬支援用途の細胞製品開発を進めております。当第3四半期累計期間においては、これまでに国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構による支援を受け開発した「3D肝臓構造体による毒性評価モデル」について、業務提携パートナーである積水化学工業株式会社、大阪サニタリー株式会社及び株式会社SCREENホールディングスとともに3D肝臓構造体を用いた創薬支援モデルの事業化に向け開発を進めました。なお、2022年7月に開催された「第4回 再生医療EXPO」では、開発中である創薬支援ツールに関する展示を行いました。
また、腸管デバイスの開発については新たに、東京都中小企業振興公社が運営する「TOKYO戦略的イノベーション促進事業」に事業採択されました。
今後は、自社においてプラットフォーム技術を有する強みを活かし、肝臓をベースとした創薬支援モデルを多領域に展開してまいります。
当社では、デバイス領域において、基盤技術を搭載したバイオ3Dプリンタ等の三次元細胞積層システム機器の開発・販売等の事業活動を進めております。また、バイオ3Dプリンタによる基盤技術普及を進めることにより、再生・細胞医療領域におけるポジション確立及びシーズ普及・探索を目指すとともに、細胞製品の実用化に必要となる技術応用及び新技術開発を進めております。今後は再生医療等製品の実用化及び臨床開発に向けたデバイス類の開発及びサポートにも注力してまいります。
以上の結果、当第3四半期累計期間の売上高は、細胞製品の製造支援及びデバイスの販売、その関連部品の販売等により、340,755千円となりました。
一方、販売費及び一般管理費は、合計で465,924千円となりました。
これらの結果、当第3四半期累計期間の営業損失は249,185千円となりました。
また、設備投資に係る助成金受領等により、営業外収益を30,260千円計上した一方、借入金の利息等の支払により営業外費用を13,654千円計上したことから、経常損失は232,579千円、加えて、本社移転費用の発生により特別損失等を計上し38,325千円、四半期純損失は272,411千円となりました。
なお、当社の事業は再生医療等製品の研究開発及び製造販売ならびにこれらに関連する事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しています。
第12期事業年度(自 2021年1月1日至 2021年12月31日)
(資産)
当事業年度における総資産は、前事業年度末に比べ450,018千円増加し、2,646,232千円となりました。主な増加要因は、増資の払込、営業債権の回収及び助成金の入金に伴う現金及び預金の増加340,161千円であります。
(負債)
当事業年度における負債については、前事業年度末に比べ99,363千円増加し、746,117千円となりました。主な増加要因は、短期借入金の増加78,800千円及び未払消費税等の増加30,668千円であり、主な減少要因は、返済に伴う長期借入金の減少23,202千円及びリース債務の減少16,081千円であります。
(純資産)
当事業年度末における純資産については、前事業年度末に比べ350,655千円増加し、1,900,114千円となりました。主な増加要因は、増資に伴う資本金及び資本剰余金の増加207,750千円及び当期純利益の計上に伴う増加142,905千円であります。
この結果、自己資本比率は71.8%と前事業年度末に比べ1.3ポイント増加しました。
第13期第3四半期累計期間(自 2022年1月1日至 2022年9月30日)
(資産)
当第3四半期会計期間末における総資産は、前事業年度末に比べ73,861千円増加し、2,720,093千円となりました。主な増加要因は、拠点移転に伴う有形固定資産の増加158,356千円であり、主な減少要因は現金及び預金の減少53,231千円であります。
(負債)
当第3四半期会計期間末における負債については、前事業年度末に比べ212,422千円増加し、958,539千円となりました。主な増加要因は、短期借入金の増加238,520千円であり、主な減少要因は、未払消費税等の減少30,668千円及び前受金の減少60,301千円であります。
(純資産)
当第3四半期会計期間末における純資産については、前事業年度末に比べ138,561千円減少し、1,761,553千円となりました。主な増加要因は、第三者割当増資等に伴う資本金及び資本準備金の増加133,088千円であり、主な減少要因は、四半期純損失の計上272,411千円であります。
この結果、自己資本比率は64.7%と前事業年度末に比べ7.1ポイント減少しました。
第12期事業年度(自 2021年1月1日至 2021年12月31日)
当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は、前事業年度末に比べ340,161千円増加し、1,613,040千円となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により得られた資金は161,537千円となり、前年同期と比べ455,539千円の収入の増加となりました。
この収入は主に、税引前当期純利益が144,914千円(前期は税引前当期純損失327,492千円)、助成金・補助金が82,853千円(前年同期比19,902千円増加)あった一方で、売上債権の増加額が37,701千円(前年同期比30,055千円増加)あったことなどによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により支出した資金は50,583千円となり、前年同期と比べ50,319千円の支出の増加となりました。この支出は主に、敷金の差し入れによる支出が50,583千円あったことなどによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により得られた資金は229,206千円となり、前年同期と比べ259,699千円の収入の減少となりました、この収入は主に、短期借入金の純増減額による69,201千円及び株式の発行が207,750千円あったことなどによるものです。
当社が提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、記載を省略しております。
当社が提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、記載を省略しております。
当社は、細胞製品等の研究開発及び製造販売並びにこれらの付随業務の単一セグメントであることから、第12期事業年度及び第13期第3四半期累計期間の販売実績を領域分野ごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.当事業年度において、販売実績に著しい変動がありました。これは、再生医療領域においてはパイプライン開発の進捗に伴う各種受託の増加及び権利に関する一時収益があったこと、創薬支援領域においては共同開発に係る各種受託件数が増加したこと、またデバイス領域においてはバイオ3Dプリンタ類の受注が増加したことによるものであります。
3.最近2事業年度及び第13期第3四半期累計期間の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りを行うにあたり、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる結果をもたらす場合があります。当社の財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載しております。
なお、特に以下の事項は、経営者の会計上の見積りの判断が財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼすと考えております。
固定資産の減損については、資産のグルーピングを行ったうえで、減損の兆候あり、かつ資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合に、減損損失を認識するものとしております。当社は、固定資産の金額的重要性が乏しいため、重要な会計上の見積りには該当しないと判断しております。
期末に税務上の繰越欠損金を有する場合の繰延税金資産の回収可能性の判断については、税務上の繰越欠損金が将来の一時差異等加減算前課税所得の見積額及び将来加算一時差異の解消見込額と相殺され、税金負担額を軽減することができると認められる範囲内で計上するものとされています。当社は、税務上の欠損金が継続しており、繰延税金資産の回収可能性を合理的に見積もることは困難と判断し、繰延税金資産を計上しておりません。
また、新型コロナウイルス感染症による今後の影響等を含む仮定に関する情報は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 (追加情報)」に記載しております。
第12期事業年度(自 2021年1月1日 至 2021年12月31日)
当事業年度における財政状態の分析については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ②財政状態の状況」に記載のとおりであります。
第13期第3四半期累計期間(自 2022年1月1日 至 2022年9月30日)
当第3四半期累計期間における財政状態の分析については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ②財政状態の状況」に記載のとおりであります。
第12期事業年度(自 2021年1月1日 至 2021年12月31日)
当事業年度における経営成績の分析については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載のとおりであります。
第13期第3四半期累計期間(自 2022年1月1日 至 2022年9月30日)
当第3四半期累計期間における経営成績の分析については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載のとおりであります。
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
経営者の問題認識と今後の方針については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
キャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社の運転資金需要の主なものは、パイプライン開発に係る研究開発費及び人材の獲得、維持にかかるシステム費等の営業費用であります。
当社では、今後、経済・金融環境の変化に備えて十分な手元流動性を確保し、中長期的な財務基盤の拡充をはかり、再生医療等製品の事業化(上市)に向けた開発を一切止めることなく達成するため、安定した資金力(キャッシュポジション)」を重視し、多様な資金確保手段を講じることとしております。具体的には、十分な資金を自己資金で確保しながらも、不測の事態を想定し、必要に応じてコミットメントライン等の与信枠を活用し銀行借入等による調達を行うことで現預金残高を維持していく方針であります。
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおり、様々なリスク要因が当社の経営成績に影響を与えるおそれがあることを認識しております。
これらリスク要因の発生を回避するためにも、運営する事業の強化、人員増強、財務基盤の安定化等、継続的な経営基盤の強化が必要であるものと認識し、実行に努めております。
経営者の問題意識と今後の方針については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき 課題等」をご参照ください。
当事業年度の研究開発活動においては、独自のプラットフォーム技術を用いた革新的な再生医療等製品や3D細胞製品の創出を通じて、新たな再生医療・細胞医療の実用化・産業化に貢献するべく、再生医療等製品の臨床開発及び技術開発を中核とする研究開発活動を推進してまいりました。
当社では、東京と福岡の2拠点に研究施設を有しており、基礎研究から非臨床研究段階及び臨床グレードの製造まで対応可能な自社が運営管理する研究施設を構築し、主として事業ステージや開発ステージに合わせた研究や製造等を行っております。サイフューズ東京(所在地:東京都港区三田)では、主に、臨床研究に入る前段階(基礎研究から非臨床研究段階)にある再生医療等製品の開発、機能性細胞製デバイス(FCD)の探索研究から製品製造までを担っております。サイフューズ福岡(所在地:福岡市中央区天神)では、主に、ヒト臨床試験の段階にある再生医療等製品の開発を担っております。このように、九州と東京の両拠点の人材及び施設にかかる利点を最大限に活用することで、効率的な研究開発及び事業活動を進めております。
当社の研究開発部門においては、複数のキャリアを有する人材を複数名配置し、かつ、様々なプロジェクトに横断的に従事させることで、業務の属人化を抑制するとともに、長期にわたって再生医療等製品の開発並びに当社製品の開発プロセスを熟知している研究開発者を中心として、研究開発部門の共通技術のレベルアップを図るなど、少数精鋭の専門人財によって研究開発体制が構築されております。
また、当社の実施するような革新的な細胞製品開発においては、バイオロジーのみならずエンジニアリングの力も必要になりますが、当社では社内にバイオロジー専門の研究開発者のみならず、機械工学やロボティクス等の高い専門性を有するエンジニアも所属していることにより、他社にはないワンストップでの研究開発及び技術開発を可能としております。
パイプラインの開発状況に関する詳細は「第1 企業の概況 3 事業の内容」をご参照ください。
第12期事業年度(自 2021年1月1日 至 2021年12月31日)
当事業年度の研究開発費の総額は
研究開発費の主な内容は、パイプライン開発の臨床試験費用及び非臨床試験費用に関わる外部委託費であります。
パイプライン開発状況につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載のとおりであります。
第13期第3四半期累計期間(自 2022年1月1日 至 2022年9月30日)
当第3四半期累計期間の研究開発費の総額は
研究開発費の主な内容は、パイプライン開発の臨床試験及び非臨床試験に関する外部委託費であります。
パイプライン開発状況につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載のとおりであります。なお、当第3四半期累計期間において、当社の研究開発活動の状況に重要な変更はありません。