第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

当中間連結会計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクのついての重要な変更はありません。

 

継続企業の前提に関する重要事象等

当社グループは、2024年12月期において、2期連続で営業損失、経常損失、親会社株主に帰属する当期純損失を計上しております。また、2期連続で営業キャッシュ・フローのマイナスも計上しております。加えて、当中間連結会計期間においても営業損失、経常損失、親会社株主に帰属する中間純損失を計上しております。当該事象により、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせる事象又は状況が存在しております。

当該状況を解消するため当社グループは、収益獲得の拡大、売上総利益率の向上、営業利益の黒字化に向けて、「XR CLOUD」を軸としたソリューション提供を進めるとともに、AIとXRの融合を活かした新たなソリューションの開発にも注力してまいります。

なお、資金繰りについては、現金及び預金残高は1,522,577千円と十分であることに加え、取引金融機関とは良好な関係を維持しており、今後1年間の資金繰りに懸念はないと判断しております。

以上のことから、継続企業の前提に関して重要な不確実性は認められないと判断しております。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1)財政状態及び経営成績の状況

当中間連結会計期間における当社を取り巻く環境は、インバウンド増加と国内需要の回復による社会経済活動の正常化が進み、緩やかに回復してまいりました。一方で、緊迫した世界情勢に加え、物価の高騰を背景とした生活防衛意識の高まりなど、依然として厳しい状況が続いております。

このような経済環境の中、当社グループは「先進技術で社会の未来を創造する。」を企業理念に掲げ、オンラインゲーム開発で培った大規模通信技術とAI技術をコアとして、あらゆる産業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を支援するXR事業を展開しています。メタバースプラットフォーム「XR CLOUD」をOEM提供し、クライアント独自のメタバースを構築するメタバースサービス、「XR CLOUD」上で社内イベントや展示会、各種カンファレンス等のクライアントの要望に沿った多様なイベントを企画・制作・運営するXRイベントサービス、「XR CLOUD」に限らずXR全体の幅広いニーズに応えるXR周辺サービスを提供してまいりました。

当中間連結会計期間の当社グループの経営成績は、売上高639,951千円(前年同期比115,417千円減)、営業損失109,103千円(前年同期比12,944千円増)、経常損失105,625千円(前年同期比22,824千円増)となりました。親会社株主に帰属する中間純損失は、連結子会社モリカトロン株式会社の株式譲渡に伴う関係会社売却益を特別利益に計上したこと等により46,297千円(前年同期比267,650千円増)となりました。

なお、当社グループは、XR事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載はしておりません。

 

(資産)

当中間連結会計期間末における総資産は1,715,166千円(前連結会計年度末比160,037千円減)となりました。

流動資産は1,651,614千円(前連結会計年度末比147,495千円減)となりました。主な増減要因は、「現金及び預金」が220,629千円増加したことと、「売掛金及び契約資産」が348,333千円減少したことによるものであります。

固定資産は63,552千円(前連結会計年度末比12,542千円減)となりました。前連結会計年度末に引き続き、固定資産の減損処理を行っております。

 

(負債)

当中間連結会計期間末における負債合計は201,110千円(前連結会計年度末比113,758千円減)となりました。

流動負債は160,332千円(前連結会計年度末比103,580千円減)となりました。主な減少要因は、「買掛金」が30,280千円減少したことと、「1年内返済予定の長期借入金」が36,474千円減少したことによるものであります。

固定負債は40,777千円(前連結会計年度末比10,177千円減)となりました。主な減少要因は、「長期借入金」が5,600千円減少したことと、「資産除去債務」が4,577千円減少したことによるものであります。

 

(純資産)

当中間連結会計期間末における純資産合計は1,514,056千円(前連結会計年度末比46,279千円減)となりました。主な減少要因は、親会社株主に帰属する中間純損失を46,297千円計上したことによるものであります。なお、資本金及び資本準備金の額の減少並びにその他資本剰余金の処分を行った影響により、資本金1,007,835千円並びに資本準備金1,701,106千円を減少し、その他資本剰余金へ振替え、その他資本剰余金1,857,133千円を繰越利益剰余金へ振替えております。

 

企業の安定性を示す自己資本比率は、当中間連結会計期間末は88.3%であります。また、支払い能力を示す流動比率は、1,030.1%となっております。

 

(2)キャッシュ・フローの状況

当中間連結会計期間における「現金及び現金同等物の中間期末残高」は、1,492,577千円(前連結会計年度末比220,629千円増)となりました。これは、営業活動によるキャッシュ・フロー198,333千円の収入(前年同期比234,318千円増)、投資活動によるキャッシュ・フロー64,439千円の収入(前年同期比92,507千円増)に対し、財務活動によるキャッシュ・フロー42,144千円の支出(前年同期比994,411千円減)によるものです。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当中間連結会計期間における営業活動によるキャッシュ・フローは、198,333千円の収入(前年同期比234,318千円増)となりました。

主な増加要因は売上債権の減少335,916千円であります。

一方で減少要因は、税金等調整前中間純損失43,824千円及び、関係会社株式の売却益83,474千円の減少要因があったことを主な理由とするものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当中間連結会計期間における投資活動によるキャッシュ・フローは、64,439千円の収入(前年同期比92,507千円増)となりました。

主な増加要因は、連結範囲の変更を伴う子会社株式の売却による収入46,032千円、また、みなし連結除外後に連結子会社であったモリカトロン株式会社から貸付金を回収したことによる収入41,000千円であります。

一方で減少要因は、無形固定資産の取得による支出15,512千円を主な理由とするものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当中間連結会計期間における財務活動によるキャッシュ・フローは、42,144千円の支出(前年同期比994,411千円減)となりました。

これは長期借入金の返済による支出42,074千円を主な理由とするものです。

 

(3)経営方針・経営戦略等

当中間連結会計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(5)研究開発活動

当中間連結会計期間における当社グループの研究開発活動の金額は、37,425千円であります。なお、当中間連結会計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

3【経営上の重要な契約等】

 当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等は以下のとおりです。

 

当社は、2025年6月17日開催の取締役会において、当社の連結子会社であるモリカトロン株式会社の全株式を譲渡することを決議し、2025年6月20日付で株式譲渡を完了いたしました。詳細につきましては、「第4 経理の状況 1 中間連結財務諸表」の「注記事項(企業結合等関係)」に記載のとおりであります。