第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

当社は「smartなくらしをsupportする」という経営理念の下、不動産管理会社と入居者をつなぐことにより双方のコミュニケーションを向上させていくことを目指しております。

不動産管理会社が抱える課題の中でも特に入居者とのコミュニケーションは、設備のメンテナンスのお知らせや契約の更新・変更、滞納の督促等多岐にわたるため、不動産管理業態を理解した上でのサービス提供が必要不可欠であります。当社は不動産管理の経験やノウハウを活かして業界の発展に貢献していくために、一つのソリューションだけではなく、不動産管理会社が遭遇する課題を各場面で解決できるソリューションを複数提供することで、不動産管理会社の事業効率化や収益向上を図ってまいります。

 

(2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社は、持続的な成長と企業価値の向上のため、収益力を高めるとともに、経営の効率化を図ってまいります。客観的な指標として、当社の「スマサポサンキューコール」の契約管理会社数は2024年9月末現在で783社となっており、前期比7.7%増となっております。その契約不動産管理会社が管理する世帯数のうち、新入居する世帯数であるコンタクト数は301,787世帯となっております。2025年9月末時点での目標として契約不動産管理会社数900社、コンタクト数は304,750世帯としております。

また、各種サービスをデジタル化するコンテンツである入居者アプリ「totono」の2020年8月の提供開始以降、2024年9月末現在での契約不動産管理会社数は124社、2025年9月末時点の目標として契約不動産管理会社数は197社としております。

また、今後に関しても中期経営計画に基づき、以下のとおり基本方針を掲げ、更なる企業価値の向上を目指してまいります。当社が重要と考えている経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標の推移は下記のとおりであります。

a.スマサポサンキューコール

区  分

2021年9月

2022年9月

2023年9月

2024年9月

2025年9月末

(目標)

コンタクト数(件)

176,744

244,232

254,093

301,787

304,750

単価(円)

6,536

5,982

5,436

6,552

6,798

 

 

b.totono

区  分

2021年9月

2022年9月

2023年9月

2024年9月

2025年9月末

(目標)

契約不動産管理会社数(社)

39

72

104

124

197

導入社数(課金社数)(社)

9

40

63

89

127

MRR(千円)

5,498

23,850

29,050

34,302

46,454

 

(注)totono基本利用料以外にtotonoとの連携がベースとなっている商品についてもMRRに含めております。

 

 具体的な戦略は下記の3点であります。

① 「スマサポサンキューコール」の拡大による安定収益の強化

当社の「スマサポサンキューコール」は入居者に対して電話によりアンケート調査やライフラインの案内を行っており、2023年8月より大東建託パートナーズ(株)の稼働がスタートしました。安定稼働に注力しながら、安定収益の基盤となり、その他取引先の大型受注への展開も進めております。また、(株)リクルートの電子申込システム「申込サポート by SUUMO」との連携を2023年12月よりスタートさせ、より一層の取引先の拡大と安定収益の強化を図ります。

 

 

② 入居者アプリ「totono」の管理世帯数の増加による収益基盤の拡大

入居者アプリ「totono」の拡販を行うために、各種展示会への出展やセミナーの開催といった積極的な広告宣伝及び営業人員の増強による認知拡大とアフターフォロー体制の強化を図っております。また、開発人員の増強により充実した機能の開発を更に進めていきます。

不動産管理会社と入居者のコミュニケーションを円滑にするプラットフォームとなるシステムを構築し、業務をより一層効率化できるサービスを開発することで、管理世帯数を増加させ、安定的な収益の確保に努めてまいります。

 

③ 入居者アプリ「totono」の他社提携等による収益機会の拡大

入居者アプリ「totono」の利用者である入居者が生活をする上で、必要な情報や商品をタイムリーに提供するために、他業種との提携を強化してまいります。具体的には、家具のサブスクリプションサービスを提供する会社や自転車の購入時における自転車保険への加入等、くらしに密着したサービスを提供することで、サービス提供会社から収益を得る仕組みを充実させていきます。また、入居者アプリ「totono」の利用者である入居者から不動産管理会社へのチャットによる問い合わせへの対応業務に関して、不動産管理会社から業務委託により請け負うことで更なる収益確保を行ってまいります。このことにより、利用料以外の収益の機会を構築することで、長期的な収益の拡大を目指してまいります。

 

(3)経営環境

当事業年度におけるわが国経済は、社会・経済活動の持ち直しの傾向が続いている一方で、国際的な紛争の長期化や米国景気の後退懸念やそれに伴う為替相場の変動など依然として先行きが不透明な状況が続いております。当社が主にサービスを提供する不動産業界におきましては、特に東京や大阪などの主要都市において賃料水準の上昇の兆しがみられ、また、既存物件の入居率も入居者のライフスタイルの多様化などにより、引き続き堅調に推移すると見込んでおります。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当社が優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題は、以下のとおりです。

 

① 営業力の強化

当社の収益の源泉において最も重要な存在は不動産管理会社であり、テレビCMやWeb広告等のマス向けプロモーションではなく、全国にある不動産管理会社に直接コンタクトを取り営業をしていく必要があります。そして、当社の経営方針にもあるように、一つのソリューションだけではなく、不動産管理会社が遭遇する課題を各場面で解決できるソリューションを複数提供することで、不動産管理会社の事業効率化や収益向上を図っていくことで不動産管理会社の満足度をあげる必要があります。そのためにはセミナーの開催を定期的に行う等、知名度を広めることで、スマサポサンキューコール、totono、SKB等の各商材の見込顧客である不動産管理会社の獲得を図っていくことが重要となります。

また、営業部門とカスタマーフォロー部門が緊密に連携することできめ細かいサービスを展開してまいります。

 

  収益基盤の強化

当社の事業は顧客である不動産管理会社の満足度によって支えられているものと考えております。継続的な取引を維持するために、不動産管理会社の満足度を向上させるためにも常にサービスの内容を更新するとともに、当社サービスの導入企業の中でも、特に、売上の大きな増加や経費・工数の削減が実現した他社取組における成功事例の共有会等を通じタイムリーな情報提供を行っております。

 

 

③ アプリ・サイトの安全性強化

インターネット技術の進化に伴い、インターネット上の情報共有の重要性は認識されてきておりますが、一方で、アプリ・サイトの安全性維持に対する社会的要請も一層高まりを見せてきております。当社が取得する個人情報は、不動産管理会社が保有する入居者の情報であり、その中には、住所・氏名はもちろん、勤務先、家族構成、年収といった極めて重要な個人情報が含まれております。そのため、当社が取り扱う情報が通常のインターネットサイトに比して、より重要であると認識しております。このため、サイトの信頼性・安全性強化を経営上の最重要課題として、今後も個人情報の保護に関する法律、消費者契約法、景品表示法等各種関連法規の遵守を徹底してまいります。

 

④ 優秀な人材の採用

当社は、入居者アプリ「totono」を中心とした不動産管理会社向けサービスを提供することを将来的な主力事業へ成長させる方針であり、その利便性及び機能の維持向上のためにも、アプリ構築を担当する技術者の安定的な採用が当社の事業成長にとっての課題であると認識しております。テクノロジーに対する専門性が高いことは当然のこと、不動産業に対する知見を有した人材は稀有でありそのような人材の採用は困難な場合があるため、近年採用コストは増加傾向にあります。

これらの課題に対処するため、従業員が高いモチベーションを持って働ける環境の整備や人事制度の整備を行い、必要な人材を適時に採用できるような組織体制の整備を進めてまいります。

 

⑤ 経営管理体制の強化

当社が継続的に不動産管理会社や入居者に対して安定的にサービスを提供し、企業価値を継続的に向上させるためには、経営管理体制の更なる強化が必要と認識しております。当社は、組織が健全かつ有効、効率的に運営されるように内部統制の整備、強化、見直しを行うとともに、コンプライアンスの強化に努めてまいります。

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社のサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

(1)ガバナンス

当社のガバナンスについては、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要」をご参照ください。

 

(2)戦略

人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略

人材の育成に関する方針については、従業員の多様性の尊重と確保が中長期的な企業価値の向上及び持続的成長に資するという考えに基づき、多様な人材が働き甲斐をもって活躍するための取組みを推進しております。また、社内環境整備に関する方針として、従業員の心身の健康・活力が事業活動の基盤であると考え健康経営に取組んでおり、3年連続で経済産業省及び日本健康会議の「健康経営優良法人2024(中小規模法人部門)」の認定を受けました。

 

(3)リスク管理

当社では、サステナビリティ関連リスク(気候変動リスク及び人的リスク等)については、「リスクマネジメント及びコンプライアンス規程」の枠組みに沿って、当社の経営に重大な影響がある他のリスクと併せてリスクコンプライアンス委員会及び経営企画本部主導のもと一元的に把握・評価しております。重大なリスクとして特定されたリスクは、同委員会で施策の検討及びモニタリングを実施し、当社の取締役会において審議をしております。

 

(4)指標及び目標

当社で、「(2)戦略」に記載した、人材の育成及び社内環境整備に関する方針に係る指標について、具体的な目標を設定しておりません。今後、関連する指標のデータ収集及び分析を進め、開示項目を検討してまいります。

 

3 【事業等のリスク】

以下において、当社の事業の状況及び経理の状況等に関する事項のうち、リスク要因となる可能性があると考えられる主な事項及びその他投資者の判断に重要な影響を及ぼすと考えられる事項を記載しております。当社は、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、当社株式に関する投資判断は、本項以外の記載内容も併せて、慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。

なお、以下の記載のうち将来に関する事項は、特段の記載がない限り、当事業年度末現在において当社が判断したものであり、不確実性が内在しているため、実際の結果と異なる可能性があります。

 

(1)事業環境について

① 景気の動向(景況感)等について

当社の「スマサポサンキューコール」は、入居者に対し、入居時のお礼や満足度アンケート調査の実施を代行するとともに、生活に必要な各種ライフラインサポート等の案内を手掛けるサービスであり、経済情勢の悪化、消費意識の低下による個人消費の低迷や取扱い商材に関連する市況の動向等によって、事業や経営成績に影響を与える可能性があります。

当社では、それらの顕在化リスクに備え収益性や健全性を確保するとともに、景気の動向(景況感)等の把握に努め、必要な対応を適時に取れる体制を構築してまいります。

 

② 不動産市況について

現在、当社の主要顧客は不動産管理会社となっております。当社の提供する主力サービスは、入居者に対する電話による新生活サポートを行う「スマサポサンキューコール」を受注することで業務改善や収益改善をもたらすものであり、不動産市況が冷え込むことによる新規入居者の減少により、新生活サポートにおける入居者情報の提供数が減少した場合には、当社の事業及び業績に大きな影響を与える可能性があるため、特に重要なリスクと認識しております。

当社では、不動産市況に大きな影響を受けないサービスである入居者アプリ「totono」の売上シェアを拡充させていくことでリスクの低減に努めてまいります。

 

③ 取次手数料について

当社は、外部委託先を通じて、サービス提供事業者への契約取次等を行うことにより、当該サービスを提供する事業者又は上位代理店から契約取次の対価として、外部委託先を通じて手数料を収受しております。販売手数料の取引条件は、事業者により異なり、事業者の経営方針の変更等により、大幅な取引条件の変更が生じた場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があるため、特に重要なリスクと認識しております。

当社では、多くの外部委託先やサービス提供事業者と取引を行うことで販売条件の有利な事業者との取引を継続できるようにするとともに、不動産管理会社からの顧客紹介料についても販売手数料の変更があった際には変更できるようにすることでリスクの低減に努めてまいります。

 

(2)事業内容について

① 入居者アプリ「totono」について

当社では、不動産管理会社と入居者との連絡を円滑にし、断水やエレベーターの点検等の必要な情報の提供や入居者からの相談事等を双方向で情報交換できる入居者アプリ「totono」の利用促進を図り、不動産管理会社の事業効率化を図っておりますが、入居者アプリ「totono」の普及が想定を下回る、或いは不動産管理会社や入居者のニーズを入居者アプリ「totono」の機能に十分に織り込めなかった場合には、当社の事業に影響を与える可能性があるため、重要なリスクと認識しております。

当社では、顧客ニーズの把握を徹底的に行うことで、当社の特徴でもある不動産管理会社が利用しやすい機能の拡充を行うことに努めてまいります。

 

② 競合について

当社が提供する入居者アプリ「totono」や入居者に対して電話による新生活サポートを行う「スマサポサンキューコール」を中心とする各種サービスは、当社と不動産管理会社との取引関係の中から浮き彫りになった様々な課題を解消することを主眼に開発されたものであり、一定の参入障壁があるものと考えております。しかしながら、資本力、マーケティング力、幅広い顧客基盤、高い知名度を有する同業他社による模倣や、資本力、マーケティング力を有する他業種企業等の参入によって、当社の競争優位性が低下又は競争が激化することにより、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。当社では、引続き不動産管理会社や入居者からの様々なニーズを把握し、それに応えていくために、顧客である不動産管理会社とのリレーション強化や組織体制の強化、入居者アプリ「totono」の開発力の強化等を図っておりますが、競合他社との比較優位を維持できなかった場合には、当社事業、経営成績、財政状態に影響を与える可能性があるため、特に重要なリスクと認識しております。

当社では、当社の特徴である不動産管理会社向けのソリューションをより拡充させることにより、単なるサービス提供会社ではないポジションを確立し競争優位性を保つことに努めております。

 

③ 代位弁済・求償債権の回収不能リスクについて

当社が提供するサービスの中で賃貸マンションの賃借人が負う家賃債務に対する保証商品においては、保証委託契約を締結した賃借人の家賃の滞納が発生した際に賃貸人に対して代位弁済を行っております。

そのため、国内外の経済環境や雇用環境等が著しく悪化し賃借人の家賃支払いに影響した場合、代位弁済が増加することがあります。また、代位弁済をすることで当社が保証契約に基づき取得する求償債権の全額が回収できるとは限らないため、賃借人の滞納家賃等の一部について未回収金が発生した場合、当社の業績や財政状態に影響を与える可能性があるため、重要なリスクと認識しております。

当社では、代位弁済額を抑制するため、蓄積してきた賃借人の属性、家賃支払状況等に係る顧客データベースを活用した属性分析による与信管理体制を構築し、滞納発生を抑えるようにコントロールすることに努めております。

 

④ システム障害等について

当社の運営するアプリ・サイトへのアクセスの急増等の一時的な過負荷や電力供給の停止、当社ソフトウエアの不具合、コンピューターウイルスや外部からの不正な手段によるコンピューターへの侵入、自然災害、事故等、当社の予測不可能な様々な要因によってコンピューターシステムがダウンした場合、当社の事業活動に支障をきたす可能性があります。現在、全てのサーバーに関してクラウドサービスへの移行を行っておりますが、クラウドサービス自体に障害が発生した場合は、当社サービスの提供に支障をきたす可能性があります。また、サーバーの作動不能や欠陥に起因して、当社の信頼が失墜し取引停止等に至る場合や、当社に対する損害賠償請求が発生する場合も想定され、このような場合には当社の事業及び業績に影響を与える可能性があるため、特に重要なリスクと認識しております。

当社では、事業を安定的に継続させるために、障害発生時の社内体制の構築等を行うことでリスク顕在化の際の影響度低減に努めております。

 

⑤ 技術革新について

当社が事業を展開するインターネットを活用したテクノロジー業界においては、事業に関連する技術革新のスピードや顧客ニーズの変化が速く、それに基づく新機能の導入が相次いで行われております。変化に対する適切な対応に支障が生じた場合、当社の業界における競争力が低下し、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があるため、重要なリスクと認識しております。

当社では、これらの変化に対応するため、技術者の確保や必要な研修活動を行うことや顧客ニーズを適正に把握することに努めてまいります。

 

 

⑥ 知的財産権について

当社が提供する入居者アプリ「totono」は独自性や利便性を高めるために日々機能改善に向けた開発を行っておりますが、開発技術には一般的なソフトウエア開発で用いられる技術を用いており、入居者アプリ「totono」に関する技術的な特許は取得しておりません。また、内覧時における鍵の管理をシステム化するサービスであるスマサポ内覧サービス「SKB」については、関連する知的財産権をサービス開発時の協業先であったIHI運搬機械株式会社から取得し、当社が管理しております。

当社による第三者の知的財産権侵害の可能性については、調査可能な範囲で対応を行っており、現時点において当該侵害の事実はないものと認識しております。しかしながら、当社の事業分野で当社の認識していない知的財産権が既に成立している可能性又は新たに当社の事業分野で第三者により知的財産権等が成立する可能性は否定できません。そのような場合においては、当社が第三者の知的財産権等を侵害することによる損害賠償請求や差止請求等、又はロイヤリティの支払い要求等を受けることにより、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。また、当社では当社の持つ商標権を侵害されないよう細心の注意を払っておりますが、他者からの侵害を把握しきれない、もしくは適切な対応ができない場合には、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があるため、重要なリスクと認識しております。

当社では知的財産権や商標権において、顧問弁護士の助言を受けた上で、経営会議やリスクコンプライアンス委員会で適切に対応してまいります。

 

⑦ 貸倒引当金について

当社は、貸倒懸念債権に対し個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を貸倒引当金として計上しております。

しかしながら、実際の貸倒れが貸倒引当金額を大幅に上回り、貸倒引当金以上の損失が計上される場合及び貸倒引当金の計上基準を見直す必要が生じた場合は、当社の業績や財政状態に影響を与える可能性があるため、重要なリスクと認識しております。

当社では、十分な督促回収業務を行える人員体制を整備しており、個別債権の回収率の向上に努めております。

 

⑧ 新規事業展開に伴うリスクについて

当社では、入居者アプリ「totono」によるサービスを中心として、新規事業を展開する可能性があります。新規事業の展開にあたってはその性質上、計画どおりに事業が展開できず投資を回収できなくなる可能性や、当社の業績に影響を与える可能性があるため、重要なリスクと認識しております。

当社では、新たなサービス等については、取締役会、経営会議での十分な議論の上で取組むことによりリスクの低減に努めてまいります。

 

⑨ 風評被害について

当社は、顧客への販売活動、IR、広報等のあらゆる情報発信においてコンプライアンスに沿った対応をすることを研修指導しておりますが、クレーム等の発生によりインターネット上の掲示板への書き込みや、それを起因とするマスコミ報道等によって、何らかの否定的な風評が広まった場合、その内容の正確性にかかわらず、企業イメージの毀損等により、当社の経営成績に影響を及ぼす可能性があるため、重要なリスクと認識しております。

当社では、取締役会、経営会議やリスクコンプライアンス委員会において風評の発見や対策等を行っており、リスクの低減に努めてまいります。

また、当社が提供する賃貸マンションの賃借人が負う家賃債務に対する保証商品においては、滞納者に対して督促活動を行っていく必要あります。そのため、当社及び当社が属する家賃債務保証業界に対して否定的な風評が広まった場合、その内容の真偽に関わらず、当社の評判や事業に対する信頼が低下する可能性があり、顧客や取引先からの信用を失い、当社の業績に影響を与える可能性があります。

当社では、訪問時間等コンプライアンスを重視した督促、回収活動を徹底するよう努めております。

 

 

⑩ 業務委託先・外注先との契約の持続性について

当社の入居者に対して新生活サポートを行う「スマサポサンキューコール」においては年間約30万コールの架電を行っております。大量の架電を要することから当社自社コールセンターだけでなく、複数の業務委託先に架電業務を委託しております。その業務委託先との契約関係が何らかの事情により持続されない場合には、業務フローの引き継ぎやフリーダイヤルの再設定等を他の業務委託先に対して行う必要があるため、業務継続に負荷がかかることから、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があるため、重要なリスクと認識しております。

当社では、複数の業務委託先コールセンターとの関係を良好に保つようにすることでリスクの低減に努めてまいります。

 

(3)法的規則について

① 個人情報保護法について

当社は、不動産管理会社が所有する入居者の氏名、住所、年齢、連絡先等の情報を、入居者の同意を得た上で不動産管理会社から直接、若しくは代理店等を通じて取得しております。取得した情報は、当社のコールセンター若しくは委託により外部のコールセンターを通じて、入居者へのアンケート並びに生活向けのサービスのご案内に活用しております。取得した個人情報の漏えいや不正利用、消失、改ざん等の事象が生じた場合には、個人情報保護法に基づく罰則の適用や信用失墜により、当社事業、経営成績及び財政状態に深刻な影響を与える可能性があるため、極めて重要なリスクと認識しております。

当社では、ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)認証を取得し、国際規格である「ISO27001」に適合した情報の安全な管理体制を構築しており、個人情報保護法第27条の規定に則り、個人情報の取得から委託、並びに委託先への管理を厳正に行うほか、特定個人情報等取扱規程の制定・運用並びに内部監査での確認、社内教育の徹底を行っております。また、当社は、2018年6月に「個人情報保護マネジメントシステム‐要求事項(JISQ15001:2006)」を満たす企業として、一般財団法人日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)より「プライバシーマーク」の認定を受け、その後2020年6月より2年毎に登録を更新しております。このプロセスの中で、全役職員の研修、教育を徹底することでリスクを低減させることに努めております。

 

② 特定商取引法について

当社は入居者に対して新生活サポートを行う「スマサポサンキューコール」サービスを提供しております。当サービスでは電話にて入居者の新生活に対する調査(物件を決めた経緯等)を行うとともに、インターネットやライフライン、ウォーターサーバー等の勧誘を行っております。電話における勧誘行為について定めた特定商取引法の規制に該当する勧誘が発生した場合、当社事業の継続、経営成績、財政状態に深刻な影響を与える可能性があるため、極めて重要なリスクと認識しております。

当社では、定期的な研修を実施しコンプライアンス意識を向上させることにより、法令に沿った販売活動を行っていくことでリスクの低減に努めてまいります。

 

③ それ以外の各種規制について

当社が運営している不動産管理会社向けソリューション提供事業においては、入居者に対して新生活サポートを行う「スマサポサンキューコール」や入居者対応業務を円滑にするための入居者アプリ「totono」等を提供しております。これらのサービスは各種法的規制を受けており、具体的には、特に、「特定商取引法」、「個人情報保護法」の規制に関しては極めて重要であり、それ以外にも、「電子消費者契約法」、「不正アクセス行為の禁止等に関する法律」、「消費者契約法」、「不当景品類及び不当表示防止法」等といった法的規制の対象となっております。また、当社は、外部委託先を中心に事業を展開しているため、これら法的規則は外部委託先にも及びます。

今後インターネット関連事業者やコールセンター事業者を対象として法的規制の制定又は改正がなされることで、当社の業務の一部が制約を受ける場合、又は新たな対応を余儀なくされる場合、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があるため、特に重要なリスクと認識しております。

当社では、各種法的規制に関して、法令遵守体制の整備・強化、社員教育を行うことにより、コンプライアンス体制の強化に努めるとともに、外部委託先に対する、個人情報管理体制等のチェックを強化し、業務監査を定期的に実施することで、品質管理・品質確保を図ることに努めております。

 

 

④ 訴訟について

当事業年度末現在において、当社が当事者として関与している訴訟手続きはありません。しかしながら、当社の今後の事業展開において、第三者への権利侵害があった場合等には、当社に対して、損害賠償請求等の訴訟その他の法的手続きが行われる可能性があります。その訴訟等の内容や、損害賠償の金額によっては、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があるため、重要なリスクと認識しております。

当社では、取締役会や経営会議、リスクコンプライアンス委員会においてトラブル等の内容を共有しており、今後の訴訟発展に至るリスクを低減させるよう努めております。

 

(4)組織体制について

① 小規模組織であること

当社は、小規模な組織であり、現在の内部管理体制もこれに応じたものになっております。そのため、代替性等の面で十分な人員、体制とは言えず、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。また、現在当社は従業員の多くが近接した地域に在住しているため、自然災害や火災等の大きなアクシデントが起きた場合、損害が集中しやすく、事業の継続に影響が出る可能性があるため、重要なリスクと認識しております。

今後の事業拡大に応じて、従業員の育成、人員の採用を行うとともに業務執行体制の充実を継続的に図っていくとともに、リモートワークの推奨や業務互換性の向上等を平時から行うことでリスクの低減に努めてまいります。

 

② 特定人物への依存について

当社代表取締役社長である小田慎三をはじめとする経営陣は、不動産管理業界に精通し、多くのノウハウを有しております。また、経営戦略及び事業戦略の決定等において、重要な役割を有しております。小田慎三をはじめとする経営陣が何らかの理由により退任、退職等をした場合には当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があるため、重要なリスクと認識しておりますが、その顕在性は低いものと認識しております。

当社では、他の社員への権限委譲や、ノウハウの組織知化を推進することで、できる限り当社の事業に対する影響を軽減できるような体制を構築することに努めてまいります。

 

③ 大株主について

当社では、太田卓利氏、同氏と近親者が株式を有する株式会社CABO DA ROCA、及び太田玲氏が、当事業年度末現在において当社の発行済株式数の53.90%を保有しております。今後何らかの事情により、大株主である同人の株式が減少した場合には、当社株式の市場価格及び議決権行使の状況等に影響を及ぼす可能性があるため、重要なリスクと認識しております。

 

④ 関連当事者取引について(TAKUTOグループとの取引について)

当社は、2019年9月まで株式会社宅都ホールディングス(現 株式会社TAKUTO INVESTMENT)の100%子会社でありました。株式会社TAKUTO INVESTMENTの株主は太田卓利氏であり、当事業年度末現在においても同社及びそのグループ会社との取引は関連当事者取引に該当します。その取引条件等が恣意的に決定された際には、財務諸表に虚偽表示が発生する可能性があるため、重要なリスクと認識しております。

当社では、関連当事者取引の必要性、またその取引条件の妥当性、合理性について取締役会で当該関連当事者取引の発生時及び継続的取引においても年に一度の入念な協議の上、承認を行うことでリスクの低減に努めてまいります。

 

⑤ IT人材の確保について

当社では、人材採用及び人材育成を重要な課題と位置付けており、特に、今後当社が成長する上で重要なサービスである入居者アプリ「totono」は更なる機能拡充が求められていることから、ITに精通した人材の確保が重要だと認識しております。IT人材はその希少性から市場においても確保することが困難になっており、想定する人材が確保できない場合には当社の事業及び業績に影響を与える可能性があるため、重要なリスクと認識しております。

当社では、IT人材を含めた人材を確保し、かつ離職を防ぐために、ホワイト企業アワード認定や健康経営優良法人の認定等の外部機関からも評される環境を整えることにより、優秀な人材を安定的に雇用し続けることを実現し、リスクの低減に努めてまいります。

 

(5)その他

① 配当政策について

当社は、株主に対する利益還元を重要な経営課題と認識しており、経営成績及び財政状態を勘案し、利益還元策を決定していく所存であります。しかしながら、当社は未だ内部留保が充実しているとはいえず、創業以来配当を行っておりません。また、当社は現在、成長過程にあると考えており、内部留保の充実を図り、事業の効率化と事業拡大のための投資等に充当し、なお一層の業容拡大を目指すことが、株主に対する最大の利益還元に繋がると考えております。将来的には、各期の経営成績及び財政状態を勘案しながら株主への利益還元を検討していく方針でありますが、現時点において配当実施の可能性及びその実施時期等については未定であります。

 

② 新株予約権の行使による株式価値の希薄化について

当事業年度末現在におけるストック・オプションによる新株予約権の個数は1,600個であり、発行済株式総数2,405,200株の6.65%に相当しております。当社の株価が行使価額を上回り、かつ権利行使についての条件が満たされ、これらの新株予約権が行使された場合には、1株当たりの株式価値が希薄化することになります。

 

③ 自然災害等について

当社拠点や従業員の居住地に甚大な被害をもたらす災害の発生時には、当社事業も大きな影響を受け、円滑な事業活動に支障を来たす可能性があるため、重要なリスクと認識しております。

当社では、地震、台風等の自然災害等の事象が発生する場合に備えて、事業継続計画(BCP)を策定し、定期的に社内研修等を実施しております。また、複数拠点を有しており、平常時からリモートワーク等を含めた柔軟な働き方を行うことでリスクの低減に努めてまいります。

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概況

当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態の状況

(資産)

 当事業年度末における資産合計は、前事業年度末に比べ152,256千円増加し、689,574千円となりました。

 流動資産は、前事業年度末に比べ109,719千円増加し、438,943千円となりました。これは主に、その他が12,386千円減少した一方で、現金及び預金が116,680円、売掛金が9,454千円増加したこと等によります。

 固定資産は、前事業年度末に比べ42,536千円増加し、250,630千円となりました。これは主に、工具、器具及び備品(純額)が5,397千円減少した一方で、ソフトウエアが36,547千円、繰延税金資産が15,513千円増加したこと等によります。

 

(負債)

 当事業年度末における負債合計は、前事業年度末に比べ46,161千円増加し、248,265千円となりました。

 流動負債は、前事業年度末に比べ49,402千円増加し、243,931千円となりました。これは主に、前受収益が27,571千円減少した一方で、未払法人税等が27,272千円、未払消費税等が32,485千円、預り金が7,458千円、賞与引当金が8,325千円増加したこと等によります。

 固定負債は、前事業年度末に比べ3,241千円減少し、4,334千円となりました。これは主に、保証履行引当金が3,103千円減少したこと等によります。

 

 (純資産)
 当事業年度末における純資産合計は、前事業年度末に比べ106,095千円増加し、441,308千円となりました。これは、繰越利益剰余金が106,095千円増加したことによります。

 

② 経営成績の状況

当事業年度における我が国経済は、社会・経済活動の持ち直しの傾向が続いている一方で、国際的な紛争の長期化や米国景気の後退懸念やそれに伴う為替相場の変動など依然として先行きが不透明な状況が続いております。当社が主にサービスを提供する不動産業界におきましては、特に東京や大阪などの主要都市において賃料水準の上昇の兆しがみられ、また、既存物件の入居率も入居者のライフスタイルの多様化などにより、引き続き堅調に推移すると見込んでおります。

このような状況の下、当社の主力サービスである「スマサポサンキューコール」及び入居者アプリ「totono」の需要は高く推移しており、受注拡大に向け注力いたしました。「スマサポサンキューコール」においては、㈱リクルートの電子申込システム「申込サポートby SUUMO」との連携を2023年12月よりスタートさせ、より一層の取引先の拡大と安定収益の強化を図るとともに、収益率の改善を図るため既存顧客との取引条件の見直しを進めてまいりました。今後は、totonoの販売拡大に加え、管理会社における入居者からの問い合わせを削減するためのチャットセンターの充実にも取組んでまいります。

以上の結果、当事業年度の売上高は2,674,994千円(前期比37.2%増)、営業利益は108,419千円(前期は営業損失133,180千円)、経常利益は112,948千円(前期は経常損失143,885千円)、当期純利益は106,095千円(前期は当期純損失147,789千円)となりました。

なお、当社は不動産管理会社向けソリューション提供事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。

 

 

 ③ キャッシュ・フローの状況

 当事業年度における現金及び現金同等物の残高は前事業年度末に比べて、116,680千円増加し、285,757千円となり

 ました。

各活動区分別のキャッシュ・フローの状況及び主な要因は以下のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度における営業活動によるキャッシュ・フローは201,588千円の収入(前事業年度は187,822千円の支出)となりました。これは主に、税引前当期純利益112,948千円の計上、減価償却費57,913千円の計上、未払消費税等の増加32,485千円等によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、84,638千円の支出(前事業年度は88,664千円の支出)となりました。これは主に、無形固定資産の取得による支出81,659千円等によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、269千円の支出(前事業年度は142,158千円の収入)となりました。これは、リース債務の返済による支出269千円によるものであります。

 

④ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 該当事項はありません。

 

b.受注実績

 該当事項はありません。

 

c.販売実績

 当事業年度における販売実績は次のとおりであります。なお、当社は不動産管理会社向けソリューション提供事業のみの単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。

 

セグメントの名称

金額(千円)

前年同期比(%)

不動産管理会社向けソリューション提供事業

2,674,994

137.2

合計

2,674,994

137.2

 

 

(注)1.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合

相手先

前事業年度

(自  2022年10月1日

 至  2023年9月30日)

当事業年度

(自  2023年10月1日

 至  2024年9月30日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

株式会社アライアンステクノロジー

641,552

24.0

株式会社ストエネ

514,938

19.3

株式会社すまえる

594,287

30.5

406,269

15.2

ENECHANGE株式会社

267,698

13.7

株式会社ラストワンマイル

241,003

12.4

 

2.販売実績が総販売実績の100分の10未満の相手先については記載を省略しております。

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概況 ①財政状態の状況、②経営成績の状況」に含めて記載しております。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

a.キャッシュ・フローの状況

キャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概況 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

b.資本の財源及び資金の流動性

当社の資本の財源及び資金の流動性については、販売費及び一般管理費等の運転資金需要及びシステムやソフトウエア等への設備投資需要に対して、主として営業活動により得られた資金で対応しております。また、売掛金の未回収等の突発的な事象に備え、取引金融機関と当座貸越契約、コミットメントライン契約の締結により必要資金を調達できる体制をとっております。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づき作成しております。繰延税金資産の回収可能性や固定資産の減損損失の判定に使用する事業計画については「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載したとおり、今後も継続し業績が拡大するとの仮定のもと作成しております。ただし、景気の動向や事業環境の変動等により当初見込んでいた収益が得られなかった場合、実際の結果は見積りと異なる場合があります。

財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。

a.繰延税金資産の回収可能性

当社は、将来の利益計画に基づいた課税所得の見積りを行い、将来減算一時差異等に対して繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は決算時点で入手可能な情報や資料に基づき合理的に判断しておりますが、消費の動向や市場環境の変化、競合他社の参入等により、売上計画等の見直しが必要となった場合、当社の翌事業年度以降の財務諸表において繰延税金資産の金額に重要な影響が及ぶ可能性があります。

 

b.固定資産の減損損失

当社は、固定資産の収益性の低下により、固定資産の回収可能価額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては決算時点で入手可能な情報や資料に基づき慎重に検討し、各資産又は資産グループともに減損の兆候はないと判断しておりますが、消費の動向や市場環境の変化、競合他社の参入等により、当初見込んでいた収益が得られなかった場合や将来の売上計画等に変更があった場合、当社の翌事業年度以降の財務諸表において減損損失が発生する可能性があります。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

当社が締結している重要な契約

契約の相手方

契約名

契約期間

契約の目的

大東建託パートナーズ株式会社

資本業務提携契約

(注1)

2022年7月22日から

2023年7月21日まで

以後1年ごとの自動更新

・不動産管理業界におけるDX推進

・両社が有する各種商材販売の代行・委託による収益の相互拡大

・コールセンターの協業

・当社から大東建託パートナーズ株式会社に対する管理受託案件並びに事業譲渡案件の情報提供

・両社の継続的な発展

・その他、両社が合意した事項

株式会社リクルート

業務提携契約

(注2)

2023年8月23日から

2024年8月22日まで

以後1年ごとの自動更新

次の提携業務に関する推進

・顧客送客業務

・入居申込者送客支援業務

株式会社エポスカード

保証人代行サービス利用に関する契約書(注3)

2024年1月1日から2024年12月31日まで

以後1年ごとの自動更新

 次の提携業務に関する推進

・保証業務手続き

・督促対応等

 

(注1)

大東建託パートナーズ株式会社との間で資本業務提携を締結しております。その主たる目的は、両社が協業し、不動産管理業界におけるDX推進を目指すものであります。具体的には、大東建託パートナーズ株式会社の商材である「ruum」と当社の入居者アプリ「totono」を接続することでより、不動産管理会社にとっても入居者にとっても利便性を高めていくことを目的としております。

 更に、大東建託パートナーズ株式会社との間で、当社が有する各種商材の販売も進行しているところであります。具体的には、2022年9月には当社の内覧サービスである「SKB」を販売しております。また、2023年8月より「スマサポサンキューコール」の導入も開始されております。

 このように、当社にとって大東建託パートナーズ株式会社との取引ボリュームは大きくなってくることが想定され、その開始時期や想定取引量によっては、当社の業績に影響を与えることから重要な契約であるものと考えております。

 

(注2)

株式会社リクルートとの間で業務提携契約を締結しております。本契約の主たる目的は、以下の提携業務を協力して推進することを目的とするものであります。当社にとって「スマサポサンキューコール」は重要なサービスの一つであり、そのサービスを推進していくための業務提携であることから重要な契約であるものと考えております。

 (1)顧客送客業務

当社及び株式会社リクルートが、自身の顧客に対し相手方が提供するサービスを紹介し、当該顧客を相手方に送客すること。

 (2)不動産管理会社から当社への入居者送客支援業務

入居申込者が「申込サポートbySUUMO」を通して管理会社に対して物件の入居申込を行い、入居申込時に当社による付帯サービスの紹介を希望した場合、管理会社から当社に対して入居申込者を送客した上で当社が入居申込者に対して「スマサポサンキューコール」により入居時の付帯サービスの紹介を行っております。

 

(注3)

株式会社エポスカードとの間で保証人代行サービスの利用に関する契約書を締結しております。本提携により、家賃保証サービスにおいて、保証契約手続き・督促対応等の業務を株式会社エポスカードと連携して行うことで、当社における保証業務の効率化を実現させることを目的としております。また、両社のもつ営業基盤を活用して新規開拓にも注力することで取引ボリュームが大きくなっていくことが予想されることから重要な契約であるものと考えております。

 

 

6 【研究開発活動】

  該当事項はありません。