第一部 【企業情報】

 

第1 【企業の概況】

 

1 【主要な経営指標等の推移】

 

回次

第9期

第10期

第11期

第12期

第13期

決算年月

2020年9月

2021年9月

2022年9月

2023年9月

2024年9月

売上高

(千円)

1,859,572

2,029,085

2,041,623

1,949,787

2,674,994

経常利益又は

経常損失(△)

(千円)

188,624

68,768

78,232

143,885

112,948

当期純利益又は

当期純損失(△)

(千円)

151,820

50,449

73,763

147,789

106,095

持分法を適用した

場合の投資利益

(千円)

506

5,565

資本金

(千円)

92,500

92,500

142,499

213,707

213,707

発行済株式総数

(株)

21,650

21,650

2,211,700

2,405,200

2,405,200

純資産額

(千円)

234,502

184,052

340,586

335,213

441,308

総資産額

(千円)

452,891

383,746

563,359

537,317

689,574

1株当たり純資産額

(円)

108.32

85.01

153.99

139.37

183.48

1株当たり配当額

(1株当たり中間配当額)

(円)

(-)

(-)

(-)

(-)

(-)

1株当たり当期純利益又は

1株当たり当期純損失(△)

(円)

71.68

23.30

33.64

62.77

44.11

潜在株式調整後

1株当たり当期純利益

(円)

43.56

自己資本比率

(%)

51.8

48.0

60.5

62.4

64.0

自己資本利益率

(%)

199.5

24.1

28.1

43.7

27.3

株価収益率

(倍)

22.8

配当性向

(%)

営業活動による

キャッシュ・フロー

(千円)

213,661

106,733

150,093

187,822

201,588

投資活動による

キャッシュ・フロー

(千円)

79,826

21,937

74,882

88,664

84,638

財務活動による

キャッシュ・フロー

(千円)

4,634

15,652

69,752

142,158

269

現金及び現金同等物

の期末残高

(千円)

271,460

158,442

303,405

169,076

285,757

従業員数
〔外、平均臨時雇用者数〕

(名)

41

56

63

67

62

12

12

11

7

3

株主総利回り

(%)

56.1

(比較指標:配当込みTOPIX)

(%)

(-)

(-)

(-)

(-)

(116.6)

最高株価

(円)

3,195

1,809

最低株価

(円)

1,158

830

 

(注) 1.当社は連結財務諸表を作成しておりませんので、連結会計年度に係る主要な経営指標等の推移については記載しておりません。

2.第9期から第11期の持分法を適用した場合の投資利益については、関連会社が存在しないため、記載しておりません。

 

3.潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、第9期については潜在株式が存在しないため、第10期については潜在株式は存在するものの、当社株式は非上場であり、期中平均株価が把握できないため、また1株当たり当期純損失であるため、第11期については潜在株式は存在するものの、当社株式は非上場であり、期中平均株価が把握できないため、第12期については潜在株式は存在するものの、1株当たり当期純損失であるため記載しておりません。

4.当社は、2022年7月2日付で株式1株につき100株の株式分割を行っておりますが、第9期の期首に当該株式分割が行われたと仮定し、1株当たり純資産額及び1株当たり当期純利益又は1株当たり当期純損失(△)を算定しております。

5.第9期から第11期の株価収益率については、当社株式は非上場でありましたので、記載しておりません。第12期の株価収益率については、1株当たり当期純損失であるため記載しておりません。

6.1株当たり配当額及び配当性向については、配当を実施していないため、記載しておりません。

7.第9期から第12期の株主総利回り及び比較指標については、2022年12月29日に東京証券取引所グロース市場に上場したため、記載しておりません。第13期の株主総利回り及び比較指標については、2023年9月期末の株価を基準として算定しております。

8.最高株価及び最低株価は、東京証券取引所グロース市場における株価を記載しております。なお、2022年12月29日付で同取引所に株式を上場したため、それ以前の株価については記載しておりません。

 

 

2 【沿革】

 

年月

概要

2012年4月

不動産業におけるインターネットを活用した人材紹介事業を行うために、大阪府大阪市中央区に株式会社宅都ホールディングス(現 株式会社TAKUTO INVESTMENT)の100%子会社として株式会社グローバルエージェント(資本金10,000千円)を設立

2014年6月

本社を東京都品川区東品川へ移転

2016年9月

株式会社スマサポに商号変更

2016年9月

株式会社宅都ホールディングス(現 株式会社TAKUTO INVESTMENT)より株式会社スマサポコールセンターを買収し、入居者満足度調査サービス「スマサポサンキューコール」の提供を開始するとともに、不動産管理会社向けソリューション提供事業を開始

2017年1月

新電力サービス「スマサポでんき」の提供開始

2017年2月

本社を東京都豊島区池袋へ移転

2017年9月

賃貸不動産内覧サポートのスマサポ内覧サービス「SKB」の提供開始

2018年1月

株式会社宅都プロパティ(現 株式会社TAKUTO)より株式会社JEIを買収し、家賃保証サービス「sumai保証」の提供を開始

2018年4月

株式会社JEI及び株式会社スマサポコールセンターを吸収合併

2018年8月

本社を東京都中央区八重洲へ移転

2019年4月

本社を東京都中央区日本橋へ移転

2019年10月

不動産管理会社向けソリューション提供事業を強化するにあたり、不動産管理業である株式会社宅都ホールディングス(現 株式会社TAKUTO INVESTMENT)より独立

2020年8月

and factory株式会社との業務提携により、不動産管理会社と入居者のコミュニケーションを円滑に進めるための入居者アプリ「totono」の提供開始

2021年6月

和歌山県西牟婁郡白浜町に和歌山白浜オフィスを新設

2021年6月

北海道札幌市中央区に北海道オフィスを新設

2021年8月

「totono」事業を加速させるため、and factory株式会社から「totono」事業を譲受

2022年4月

福岡県福岡市中央区に福岡オフィスを開設

2022年7月

デジタル分野での協業強化を目的として大東建託パートナーズ株式会社と資本業務提携契約を締結

2022年8月

「スマサポサンキューコール」の商材強化を目的としてENECHANGE株式会社と資本業務提携契約を締結

2022年12月

東京証券取引所グロース市場に株式を上場

2023年8月

「スマサポサンキューコール」の販路拡大を目的として株式会社リクルートと業務提携

2024年1月

「sumai保証」の効率的な運営を目的として、株式会社エポスカードと業務提携

2024年9月

大阪オフィス内のチャット返信専用のセンターを開設し、入居者アプリにおけるチャット対応などを受託する新サービスの提供を開始

 

 

 

3 【事業の内容】

(1)ミッション

当社は、「smartなくらしをsupportする」という経営理念の下、これまでアナログであった「不動産管理会社」と「入居者」のコミュニケーション領域をデータ・テクノロジーの活用によって新たな価値を提供することを目的としております。

 

(2)不動産業界の課題

当社の顧客である不動産管理会社が属する不動産業界は、電話や書面、FAXによるやり取りが中心で、非効率的なやり方が依然として続いております。不動産業界には、不動産オーナー、不動産管理会社、不動産仲介会社、入居者などさまざまなプレイヤーが存在しますが、そのプレイヤー間のコミュニケーションがアナログであるためにさまざまな問題やトラブルが発生しています。当社は、これらの課題に対してソリューションサービスを提供することで解決していきたいと考えております。

 

(3)創業の背景

当社の前身は、大阪府を中心とした関西基盤の不動産管理会社である株式会社宅都ホールディングス(現 株式会社TAKUTO INVESTMENT)(※)の経営企画部門であり、前述のような不動産管理会社の課題を解決するソリューションを自社内に提供していました。

しかし、不動産業界の会合や他社見学等を通じ、同じような課題を他の不動産管理会社も抱えていると感じていたことから、1社だけへのサービス提供だけではなく他の不動産管理会社へのサービス提供を行うことで、業界全体の生産性向上を目指すべく、2016年にグループ内で業界内の人材交流を目的として設立されていた株式会社グローバルエージェントの社名を「株式会社スマサポ」に変更するとともに現経営陣による経営体制を確立しました。更に、2019年には、不動産管理会社向けソリューション提供事業を強化するにあたり、不動産管理会社を顧客として事業展開する当社が不動産管理の実業を営むグループに存しないようにするために株式会社宅都ホールディングス(現 株式会社TAKUTO INVESTMENT)から独立するに至りました。

 

※ 株式会社宅都ホールディングス(現 株式会社TAKUTO INVESTMENT)

  設立:2011年12月

 資本金:1億円 

事業内容:不動産事業者。不動産開発、ホテル運営等を営む。グループ会社に不動産管理事業を営む株式会社宅都プロパティ(現 株式会社TAKUTO)がある。

株式会社宅都プロパティ(現 株式会社TAKUTO)

  設立:1999年5月

 資本金:1億円

 事業内容:不動産管理会社

 

 

(4)事業の概要

当社は不動産管理会社と入居者のコミュニケーションを包括して、課題を解決していくといったビジネスモデルを掲げております。不動産管理会社と入居者のコミュニケーションを活発化させることで、不動産管理会社がこれまで得られなかった収益を得ることや貼り紙や電話での連絡によるコミュニケーションをデジタル化することで不動産管理会社の業務負担を改善することができます。

当社が提供するサービスは不動産管理会社向けソリューション提供事業であり、詳細なサービス内容は以下のとおりであります。なお、現状の売上構造の大半はスマサポサンキューコールが占めておりますが、将来的に入居者アプリ「totono」を核とした種々のサービス提供を企図しております。

 

①入居者満足度調査サービス「スマサポサンキューコール」

スマサポサンキューコールは、従来不動産管理物件の新規入居者との接点を持たなかった不動産管理会社に対して、入居者との継続的な関係を築く契機として、入居時のお礼や満足度アンケート調査の実施を代行するとともに、生活に必要な各種ライフラインサポート等の案内を手掛けるサービスです。

具体的には、新たに入居された方のご同意をいただいた上で、不動産管理会社から当社へ情報をご提供いただき、不動産管理会社に代わって、入居者へのご挨拶を行うとともに、仲介店舗のスタッフの接客やお店の雰囲気等のアンケートを行っております。当該アンケート結果は、定期的に不動産管理会社にフィードバックを行い、不動産管理会社の業務改善等にお役立ていただいております。また、アンケートを行った入居者のご意向を伺い、新電力、インターネット回線、ウォーターサーバー等の新生活に供するサービスのご案内を行い、ご同意をいただいた上で、新電力やインターネット回線、ウォーターサーバー等の商材提供事業者へのお取次ぎ等を行っております。

当社は不動産管理会社から提供される入居者情報に対し、対価を支払うとともに、外部委託先(販売先・外注先)から顧客紹介手数料、及び各種サービス(商材等)提供会社から取次手数料等を収受しております。そのため、取次手数料を得る当社と、情報提供元である不動産管理会社の両社に収益が生まれます。なお、当社では入居者に対しての架電業務を自社のコールセンターだけでなく、複数の業務委託先コールセンターに委託することで多くの入居者に対しての架電業務を円滑に行っております。

 


 


 

②入居者アプリ「totono」

入居者アプリ「totono」は、不動産管理会社と入居者のコミュニケーションをデジタル化するアプリです。

具体的には、入居者が賃貸借契約を締結してから発生する「入居時点検」「駐車場・駐輪場契約、更新、退去等の各種申請」や「近隣トラブルの相談」等はこれまで紙やFAX、電話で行われていましたが、「totono」を活用することでデジタル化が図れるようになります。

不動産管理会社にとっては、基幹システムと連携することで、電話やFAXで受けていた各種情報を入力する手間が省けたり、これまで物件の掲示板に貼り出していた「断水のお知らせ」等の連絡を入居者に直接届けたりできるようになるため、業務の効率化が図れるようになるとともに、入居者にとっても各種申請作業やトラブルの相談等を手軽に行うことができるようになることで満足度向上につながっていきます。具体的には、入居者にとっては350項目以上あるQ&Aリストをそのまま活用できるので、部屋の不具合に対する自己解決が可能となります。それでも解決しなかったものはアプリ内のチャット上に画像をアップロードすることで的確に不具合の状況を伝えることができるため、トラブルの早期解決につながります。併せて、チャット対応を行うリソースが不足している不動産管理会社に対しては、代行してチャットの返信を行うチャットセンターの運営を行っております。また、入居者からの問い合わせの膨大なデータを分析・解析し業務改善に繋げております。

このように「totono」を導入することによるメリットは不動産管理会社にとって大きいことから、アプリダウンロード者である入居者からは利用料等は収受せず、ご利用いただく不動産管理会社から初期導入料及び毎月の利用料を収受しております。当社はその利用料を収受するために、自社の開発人員においてアプリの機能開発を行う他、外部開発会社に開発のためのコストを支払っております。

 


 


 

③スマサポ内覧サービス「SKB」

「SKB」は、Sumasapo Key Boxの略称であり、賃貸物件の内覧時における鍵の管理業務効率化を図るためのキーボックスです。

これまでは、不動産仲介会社が内覧する際には不動産管理会社に鍵を取りに行き、内覧が終われば鍵を返しに行くというやりとりが必須であり、鍵の管理が極めて煩雑でした。本サービスでは内覧用の鍵を空室のドアに設置したキーボックス内に格納し、そのキーボックスの開閉はアプリによって行われるようになるため、鍵の管理を行う必要がなくなります。

アプリによるキーボックスの開閉は不動産管理会社が承認をした時に限られるため、セキュリティ面の強化が図れます。また、内覧履歴が残るようになっているので、どの部屋がいつ誰によって開閉されたのかが分かるため、不動産管理会社はそのデータを活用しリーシングの強化を行うことができます。

このように、不動産管理会社の鍵の管理業務を効率化するサービスであり、導入する不動産管理会社から導入時に機器代を収受するほか、システム利用の対価として月額利用料も収受しております。当社では、安定的に商品を供給するために、当該機器はメーカーに作成依頼をしており、一定数を在庫として保有しております。なお、サービス利用者である不動産仲介会社は、あくまで、本サービスを利用することで内覧の鍵を利用することができるだけの存在であり、手数料等は収受しておりません。

 


 


 

④家賃保証サービス「sumai保証」

家賃保証サービス「sumai保証」は、入居者の連帯保証人を代行するサービスです。

入居者にとっては、保証料を支払うことで連帯保証人を立てる必要がなくなり、不動産管理会社にとっては、規定する保証の範囲内で滞納賃料や原状回復費用の未回収分等の立替えを受けることができます。

 


 

 

4 【関係会社の状況】

名称

住所

資本金
(百万円)

主要な事業
の内容

議決権の所有(又は被所有)
割合(%)

関係内容

(関連会社)

 

 

 

 

 

株式会社プラスサムジャパン

福岡県福岡市博多区

50

コールセンターの運営等

29.0

当社のチャット代行業を委託しております。

 

(注) 有価証券届出書又は有価証券報告書を提出している会社はありません。

 

5 【従業員の状況】

(1) 提出会社の状況

 

 

 

 

2024年9月30日現在

従業員数(名)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

62

(3)

34.9

3.7

4,654

 

(注)1.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数(契約社員、パートタイマー、人材会社からの派遣社員を含む。)

    は、年間の平均人員を( )外数で記載しております。

  2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

  3.当社は単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。

 

(2) 労働組合の状況

労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円満に推移しております。