第2 【事業の状況】

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営の基本方針

当社グループは「移動の進化を後押しする」というビジョンのもと、国内外の顧客企業に向けて、業務効率化による生産性向上やモビリティデータなどを活用した既存サービスの高付加価値化、新規サービスの創出、DX推進を後押しするべく、事業を展開しております。

 

(2) 経営上の目標の達成を判断するための客観的な指標等

当社グループは、持続的な成長と企業価値の向上を目指しており、主な経営指標として売上高を特に重視するとともに、適正な人員規模・人材配置による事業運営に努めております。

当社グループは、各種サービスを国内FO事業並びに国内AO事業を通じて提供しておりますが、いずれの売上についても顧客企業(国内AO事業におけるパートナー企業含む)との間の契約期間、ユーザー数及びデータ利用量に応じて定期定額契約(サブスクリプション)としてマネタイズすることで、継続的な収益(リカーリングレベニュー)を得ることができるビジネスモデルであるため、契約企業社数(エンドユーザー社数)を重視しております。

 

 (SmartDrive Fleetのエンドユーザー社数の推移)

 国内FO事業におけるエンドユーザーへの直接営業、及びパートナー企業を介したエンドユーザーへの拡販・共同営業、双方の商流における新規顧客開拓によって、SmartDrive Fleetのエンドユーザー社数は継続的に増加傾向にあり、2022年6月末における契約社数は800社超となっております。


 

(3)経営戦略等

  当社グループは、持続的な成長と企業価値の向上を達成するために、以下の計画を策定しております。

 ①国内FO事業

 営業車両や配送車両を用いて事業を行う様々な業種業態の顧客企業に対して、各種SaaSサービスや収集データの分析・解析支援等を提供し、顧客企業における営業効率改善、車両稼働率改善、燃費削減などコスト削減施策や収益性の向上をはじめ、安全運転推進や運転日誌等法定作成書類の自動作成などコンプライアンス推進に資するサービスを展開しております。

 具体的な販売戦略としましては、顧客リード(見込み客)を会社規模ごとに属性分けし、中小規模の顧客リードについては、リード獲得から育成、営業担当がアプローチ・商談するべきリードの特定・抽出といったマーケティング活動を自動化・効率化することによって、商談化率の向上や成約までの期間短縮、顧客の検討意向を上げる情報提供等を積極的に行い、新規顧客のさらなる獲得を目指します。

 また、大規模の顧客については、特定の顧客のみを対象に個社に最適なアプローチ・提案を行うべく、顧客企業が属する業界・ドメインに合ったソリューションを提案し、POCなどを介しながら導入支援を進めます。ENT顧客の場合、契約締結当初は部分導入に留まり、その後のPOCや導入後の継続的な商談を通じて徐々に本格導入されるケースが多いため、追加POCの実施などクロスセルの実現や本格導入に向けた取引ボリュームのさらなる拡大を目指します。

 

 ②国内AO事業

 アセットオーナー企業を主としたOEMパートナー企業が行うDX推進、並びにモビリティデータ等を用いた新規事業の立上げを技術的側面から後押しし、関係強化をすることで、同企業が有するエンドユーザー(法人顧客)への拡販を共同で推進します。

 また、自動車メーカーやリース会社、保険会社など、OEMパートナーになり得る大手企業の新規開拓を進めることで、国内AO事業のネットワーク拡大と、それに伴う高い成長性の確保と継続的な収益の確保を実現していきます。

 

 ③海外モビリティDX事業

 マレーシアでの事業展開を主としておりますが、市場特徴として社員の安全運転対策や社内向けの福利厚生サービスの充実を推進する企業が多いため、アカウントベースドマーケティングを前提に、顧客企業が属する業界・ドメインに合ったソリューションを個別提案し、POCなどを介しながら導入支援を進めます。

 

(4) 経営環境

 日本国内の経済環境は、生産年齢人口減少に伴う労働力不足が問題視され、政府主導による時間外労働時間の上限引き下げをはじめとした労働法規の改正等、働き方改革が推進される中、労働生産性の向上に向けたソリューションへの期待が高まっております。

 また、自社の競争優位性維持やビジネス変革、並びに新ビジネス創出の必要性を認識する企業は多く、その解決策として、データやデジタル技術を活用し、顧客や社会のニーズを適時に反映し、製品やサービス・ビジネスモデルの変革と業務そのものを変革し競争優位性を確立するデジタルトランスフォーメーション(DX)への関心、取組みへの必然性が高まっています。

 特に自動車産業においては、近年、CASE(注1)と称される技術変化の波に直面しており、元々変革を迫られていた自動車関連産業の産業構造変化を加速させ、あるいは後退させる両面のドライバーとなる可能性があるため、自動車会社のみならずサプライヤも含め、将来の競争力獲得に向けた投資や研究開発、新規事業の立上げの必然性とニーズが高まっているといえます。

 当社グループが現時点で対象とする主要なマーケットとして、国内FO事業においては国内業務用/MaaS(注2)車両向けコネクテッドサービス市場がありますが、2020年の同市場の規模は130億円と推計されております(株式会社矢野経済研究所「2021年度版 業務車両/MaaS車両向けコネクテッドサービス市場予測」)。 

 将来的にはカーシェアリングなどのMaaSサービス事業者が保有するMaaS端末車両や次世代モビリティの普及が見込まれ、仮に国内に約2,000万台ある商用車・法人需要車両に導入されたと仮定した場合の、国内FO事業における潜在的な市場規模は6,000億円程度(注3)と推計しております。

 同様に、国内AO事業においてはCASEの中でも特に国内コネクテッドカー関連市場でのOEMパートナー企業を含む各事業者が行う「研究開発投資」領域も当社グループにおける主要マーケットに位置付けられますが、国内コネクテッドカー関連市場における各事業者の研究開発投資金額は2025年において5,660億円と予測されております(株式会社矢野経済研究所「VOL.1分析編 2017年度版 乗用車向けコネクテッドカーの事業モデル別2025年予測」)。

 さらに、当社グループが事業展開する東南アジア市場においても、テレマティクス保険、フリート/車両管理、テレマティクスメンテナンス、位置情報サービス、インフォテイメント、車載マーケティング、スマートコントラクトなど、自動車のテレマティクスに対する需要は高まっており、東南アジアの自動車テレマティクス市場の規模は2025年において57.8億USドルと予測されております(Report Ocean社「自動車OEMテレマティクス市場:ソリューション別、チャネル別、車両タイプ別。Southeast Asia Opportunity Analysis and Industry Forecast, 2021-2025」)。

 そのような環境下で、当社グループは、モビリティ分野に特化しながらもデータの利活用や分析に関する知見を有し、また、業務効率化や生産性向上に寄与する各種SaaSサービスを自社開発し、それらをパートナー企業向けにOEM提供・実装支援することや、パートナー企業におけるCASE関連の投資や研究開発、新規事業の立上げ支援を行い得るだけの技術的専門性を有すると自負しており、多種多様な顧客企業のニーズ、並びに上記外部環境における各種課題の解決に対応できるものと考えております。

(注1) 下記を総称した造語で、自動車の技術的進化を指します。

  C(Connected):自動車のIoT

  A(Autonomous):自動運転

       S(Shared & Services):所有から共有

       E(Electric):電気自動車

(注2) Mobility as a Serviceの略。公共交通機関等を利用して、出発地から目的地への移動を最適な交通手段による一つのサービスとして捉え、シームレスな交通を目ざす新たな移動の概念です。交通機関による移動とITサービスが融合し、移動手段がサービスとして最適化されることを意味します。

(注3) 金額換算は、当社サービスの年間平均利用料(車両1台あたり30,000円)×2,000万台(国内商用車数)にて試算。なお、当該金額はあくまでも上記の前提に基づく当社の試算値であり、高い不確実性を伴うものであって、実際の市場規模と大きく異なる可能性があります。

 

(5) 事業上及び財務上の対処すべき課題

当社グループが対処すべき課題は以下のとおりです。

① 既存サービスの強化による顧客満足度の向上と販売の拡大

当社グループの各種サービスが今後も継続的に成長するためには、より幅広い業種・業態の顧客企業に選ばれると共に、継続的に利用・支持される必要があります。そのためには当該サービスのユーザビリティの維持向上や顧客企業の事業の高付加価値化や新規事業創出に資する機能の充実が不可欠であると考えております。

そのため今後も、カスタマーサポートの品質向上により、顧客ニーズや各種業界の課題を適時適切に把握し、継続的なユーザーインターフェースの改善や各種機能強化に加えることで、顧客満足度の向上やそれに伴う販売の拡大に保持に努めます。

 

② OEMパートナー企業との関係強化

当社グループは、複数のOEMパートナー企業との連携並びに拡販を進めており、これらOEMパートナー企業との関係強化は当社グループの市場優位性を創出する源泉となっております。

今後も市場拡大が見込まれる中で、当社グループが更なる成長を実現していくためには、販売体制の強化及び知名度の向上が重要であり、そのためにはOEMパートナー企業の新規開拓及び既存パートナー企業との関係強化・深化により、販売体制の強化を図ってまいります。

 

③ 開発体制の強化及び優秀な人材の確保

オープンなデータプラットフォームの開発や、テレマティクス保険用リスクAIの開発などの技術は当社グループの競争力の源泉の1つであり、継続的な強化が重要であると認識しております。そのためにも、今後も卓越した能力を持つエンジニアの採用並びに育成に注力し、重点的に投資していきます。

 

④ 新規事業の創造  

当社グループのサービスは、特定の業種業態に限らず、事業で車両を利用する企業や、モビリティデータや営業データ等各種データを活用して事業を行う企業に向けて提供可能なものでありますが、今後更に当社グループの技術活用の場を広げていく上で、既存事業を介して培ったノウハウに加え、データプラットフォームやデータ解析・AI開発等の技術力を最大限に活かした新規事業を創造し、早期の事業化・収益化を図ってまいります。

 

⑤ 内部管理体制の強化

当社グループは、一層の事業拡大を見込む成長段階にあり、事業の拡大・成長に応じた内部管理体制の強化が重要な課題であるものと認識しております。経営の公正性・透明性確保のためにコーポレート・ガバナンスを強化し、適切な内部統制システムの構築を図ってまいります。

 

 

⑥ 海外での事業展開

当社グループは東南アジアを主とした海外での事業展開を進めております。今後も、特に東南アジア各国の規制や現地ニーズ等に合わせ、効率的かつ効果的な進出方法を検討し、推進していきたいと考えております。

 

⑦ 財務上の課題

当社グループは過年度において継続的な事業成長を図るため、積極的な人材採用と既存のサービス強化と新しいサービス・ソフトウェア開発等への投資、顧客基盤拡大のための積極的な広告宣伝活動を行った結果、利益面での損失計上、及び営業活動によるキャッシュ・フローのマイナスが継続しております。また、今後の計画が達成できない場合には赤字及び営業活動によるキャッシュ・フローのマイナスが継続する可能性があります。そのような場合に備え、常に一定水準の手元流動性を確保し、信用獲得に努めてまいります。手元流動性確保のため、金融機関との良好な取引関係の継続や内部留保の確保を継続的に行い、財務基盤の更なる強化を図ってまいります。また、2023年9月期において、新規株式公開に伴う資金調達を実施する予定であり、財務基盤の拡充を図ってまいります。

2 【事業等のリスク】

当社グループの事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる事項を以下記載しております。あわせて、必ずしもそのようなリスクに該当しない事項についても、投資家の判断にとって重要であると当社が考える事項については、積極的な情報開示の観点から記載しております。なお、本項の記載内容は当社株式の投資に関する全てのリスクを網羅しているものではありません。

当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存でありますが、当社株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項目以外の記載内容も併せて慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。

なお、本項記載の将来に関する事項は、本書提出日現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営環境の変化に関するリスク(顕在化可能性:低/影響度:大)

当社グループが事業を展開するモビリティDX市場は、コネクテッドカーによる業務の効率化や新規事業の開発に対する企業の期待や社会全体の注目度の高まりに伴って急速に成長しております。当社グループはこの傾向が今後も持続すると予測しており、新規製品及びサービスの研究開発を積極的に展開していく計画であります。しかしながら、経済情勢や景気動向の悪化により、企業の情報化投資が低迷し、モビリティDX市場の成長が鈍化するような場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 競合に関するリスク(顕在化可能性:中/影響度:中)

当社グループが提供するIoTデバイスによる自動車などの移動体にまつわるデータの収集・解析については、大手・中小問わず競合企業が存在しております。当社グループのサービスは、これらのデータを単に収集・解析するだけでなく、それらのデータをリアルタイムに可視化するとともに、ビッグデータを自由に活用可能なプラットフォームを提供することにより差別化を図っております。しかしながら、競合企業の技術力の向上や予期しないサービスの登場などにより競争が激化する場合には、当社グループの新規契約数が鈍化する可能性や既存契約先の解約数が増加する可能性など、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 情報管理体制に関するリスク(顕在化可能性:中/影響度:大)

当社グループでは、事業を通じて個人情報及び顧客企業の情報資産を取り扱っており、個人情報の保護に関する法律が定める個人情報取扱事業者に該当いたします。このため、「個人情報の保護に関する法律」等に則った個人情報保護方針及び情報セキュリティ基本方針を策定するとともに、2017年2月にISO/IEC27001:2013(情報セキュリティマネジメント)の認証を取得しております。しかしながら、何らかの理由により重要な個人情報又は情報資産が外部に漏洩するような場合には、当社グループの社会的信用の失墜、損害賠償責任の発生等により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(4) 製品・サービスの不具合の発生に関するリスク(顕在化可能性:中/影響度:大)

当社グループでは、製品・サービスの設計・開発の段階から社内の品質確認作業に加えて外部専門機関による信頼性試験・品質評価を実施しております。また、製品の製造委託にあたっては、ISO9001(品質マネジメント)認証企業を委託先選定の要件として委託開始後も認証取得状況を定期的に確認するとともに、完成品に対してJIS9015に基づく検査を実施しております。さらに、これらの品質マネジメントに対する取組み全体を社内に設置したリスクマネジメント委員会においてモニタリングを行うことで不具合等の発生防止に最大限の注意を払っております。しかしながら、当社グループ製品・サービスの不具合により顧客が損害を被った場合、損害賠償の被請求や当社グループに対する信頼性の喪失により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) システムトラブルに関するリスク(顕在化可能性:低/影響度:中)

当社グループのサービスは、その特性上、移動体通信事業者のネットワークを経由して提供しております。このため、移動体通信事業者の提供する電気通信サービスに障害が生じ、サービスが長時間にわたり中断する等の事態が生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 半導体を中心とした電子部品の需給逼迫(顕在化可能性:高/影響度:小)

 車載デバイスの調達について 世界的に半導体を中心とした電子部品の需給が逼迫している状況にあり、これら電子部品の需給逼迫の長期化によって、車載デバイスの入手が困難な状況が発生した場合、または調達先からの購入価格が高騰した場合、当グループの経営成績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 なお、当社グループではマルチデバイス対応を進めており複数の調達先を確保しているため、現時点における影響は軽微であると判断しております。

 

(7) 技術革新に関するリスク(顕在化可能性:低/影響度:大)

当社グループの属するモビリティDX関連産業においては、技術革新のスピードが早く、先端のニーズに合致させたシステムソリューションの構築を行うためには、常に先進の技術ノウハウを把握し、当社グループの技術に取り入れていく必要があります。

このため、エンジニアの採用や創造的な職場環境の整備等を通じて、最新の技術ノウハウの獲得に注力するとともに、開発環境の整備等を進めております。しかしながら、これらの対応に困難が生じ、技術革新に対する当社グループの対応が遅れた場合には、当社グループの競争力が低下する可能性があります。このような場合には、当社グループの技術力低下、それに伴う製品・サービスの質の低下、そして競争力の低下を招き、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります

 

(8) 知的財産に関するリスク(顕在化可能性:低/影響度:中)

当社グループは、提供する製品及びサービスにつき、商標登録を行うなど知的財産権の獲得に努めております。また、第三者の知的財産権を侵害しないように顧問弁護士等と連携し必要な措置を講じてまいります。しかしながら、万が一、当社グループが第三者の知的財産権を侵害した場合には、当該第三者が損害賠償請求や使用差止請求等の訴えを起こすことにより、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9) 法的規制に関するリスク(顕在化可能性:低/影響度:大)

本書提出日現在では、当社グループが行う事業の継続に直接的に著しい影響を及ぼす法規制はないものと認識しております。しかしながら、今後、当社グループが行う事業を規制する法令等が制定され、当社グループがそれに抵触するような事態が発生した場合には、当社グループの社会的信用が低下し事業活動及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10) 内部管理体制に関するリスク(顕在化可能性:低/影響度:小)

当社グループは、今後の事業拡大に対応するため、内部管理体制をさらに強化する必要があると認識しており、人材採用及び育成等により内部管理体制の強化を図っていく方針であります。しかしながら、事業の拡大ペースに応じた内部管理体制に遅れが生じた場合、当社グループの事業活動及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(11) 小規模組織であることに関するリスク(顕在化可能性:低/影響度:小)

当社グループの組織規模は小規模であり、業務執行体制及び内部管理体制もそれに準じたものとなっております。当社グループは今後の事業展開に応じて、採用・能力開発等によって業務執行体制及び内部管理体制の充実を図っていく方針であります。しかしながら、当社グループの事業領域の環境や競合状況が急変する場合、対応に要する経営資源が不十分となることにより、当社グループの事業活動及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(12) 人材の採用・育成に関するリスク(顕在化可能性:中/影響度:中)

当社グループは、今後急速な成長が見込まれる事業の展開や企業規模の拡大に伴い、継続的に幅広く優秀な人材を採用し続けることが必須であると認識しております。質の高いサービスの安定的な提供や競争力の向上にあたっては、開発部門を中心に高度な技術力・企画力を有する人材が要求されていることから、一定以上の水準を満たす優秀な人材を継続的に採用するとともに、成長ポテンシャルの高い人材の採用及び既存の人材の更なる育成・維持に積極的に努めていく方針です。しかしながら、当社グループにおいて優秀な人材の確保や人材の育成が計画通り進まなかった場合には、当社グループの事業活動及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(13) 社歴が浅いことに関するリスク(顕在化可能性:低/影響度:小)

当社グループは、2013年10月に設立された社歴の浅い会社であります。さらに、当社グループが事業を行うモビリティDX関連の市場自体も近年急速に拡大した流動的な状況であるため、当社グループにおける経営計画の策定には不確定事象が含まれざるを得ない状況にあります。

 

(14) 特定の経営者等への依存に関するリスク(顕在化可能性:低/影響度:中)

当社代表取締役社長北川烈は、当社グループの創業者であり、経営方針・経営戦略の策定や、業界における人脈の活用等、重要な役割を果たしております。当社グループは、経営管理体制の強化、経営幹部の育成等を図ることにより、同人への過度な依存の脱却に努めておりますが、現時点においては、未だ同人に対する依存度は高いと考えております。今後、何らかの理由により同人の当社グループの業務遂行が困難になる場合には、当社グループの事業展開等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(15) 配当政策について(顕在化可能性:低/影響度:小)

当社グループは現在成長過程にあり、財務体質の強化及び積極的な事業展開に備えるための内部留保の充実を優先させるため、当事業年度までの過去において配当を行っておりません。また、将来的には、毎期の経営成績並びに財政状態を勘案しつつ、配当による株主への利益還元を継続的に実施する方針ではありますが、現時点における当社グループの配当実施可能性及びその時期につきましては未定であります。

 

(16) 調達資金の使途について(顕在化可能性:低/影響度:小)

当社グループの公募増資による調達資金の使途については、車載デバイスの先行調達資金や広告宣伝費など事業拡大に伴う運転資金、ソフトウェア自社開発費及び研究開発費、及び連結子会社(SmartDrive Sdn. Bhd.)への投融資等に充当する予定であります。しかしながら、当社グループが属する業界において急速に事業環境が変化することも考えられ、現時点における資金使途計画以外の使途へ資金を充当する可能性があります。また、当初の計画に沿って資金を使用した場合においても当社グループにおいて想定した投資効果が得られない可能性もあります。なお、調達資金の使途を変更する可能性がある場合は、速やかにその旨の開示を行う予定であります。

 

(17) 株主構成について(顕在化可能性:中/影響度:中)

本書提出日現在において、当社発行済株式総数5,816,430株のうち、計2,010,150株(34.6%)はベンチャーキャピタル及びベンチャーキャピタルが組成した投資事業有限責任組合等の金融投資家(以下、「VC等」という。)が所有しております。当社グループの株式上場後において、当社株式の株価推移によっては、VC等が所有する株式の全部又は一部を売却する可能性が考えられ、その場合、株式市場における当社株式の需給バランスが短期的に偏り、当社株式の市場価格に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(18) 新株予約権の行使による株式価値の希薄化(顕在化可能性:低/影響度:中)

当社グループは役員及び従業員に対し、長期的な企業価値向上に対するインセンティブとして新株予約権を付与しております。また、今後も優秀な人材確保のため新株予約権を活用したインセンティブプランを活用していく方針であります。これらの新株予約権が行使された場合、当社株式が新たに発行され、既存の株主が有する株式の価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。

なお、本書提出日時点でこれらの新株予約権による潜在株式数は596,790株であり、発行済株式総数5,816,430株の10.3%に相当しております。

 

(19) 過年度の経営成績及び税務上の繰越欠損金について(顕在化可能性:低/影響度:中)

当社は、過年度において、親会社株主に帰属する当期純損失を計上していたため、第8期事業年度末において税務上の繰越欠損金が2,684,631千円存在しております。現時点において、税務上の繰越欠損金は、将来の課税所得から控除することにより将来の税額を減額することができるものの、今後の税制改正の内容によっては、納税額を減額できない可能性があり、その場合は当社グループの経営成績及びキャッシュ・フローに影響を与える可能性があります。また、上記繰越欠損金が解消された後は、通常の税率に基づく法人税等が発生するため、現時点よりも税額負担が増加するという観点で、当社グループの経営成績及びキャッシュ・フローに影響を与える可能性があります。

 

(20) 過年度における継続的な損失計上について(顕在化可能性:中/影響度:中)

当社グループは、過年度において、継続的な事業成長を図るため、積極的な人材採用と既存のサービス強化と新しいサービス・ソフトウェア開発等への投資、顧客基盤拡大のための積極的な広告宣伝活動を実施しており、「第二部 企業情報 第1 企業の概況 1主要な経営指標等の推移」に記載のとおり、2020年9月期(第7期)から最近事業年度である2021年9月期(第8期)において、継続的な売上高拡大が図られたものの、先行投資と位置付けられる研究開発費や一部の人件費、広告宣伝費の計上により、利益面で損失計上が継続しております。また、当社グループのサービスは主に顧客企業の利用期間やユーザー数等に応じてサブスクリプションとして課金され継続して利用されることで収益が積みあがるストック型の収益モデルである一方で、上記広告宣伝費などの顧客獲得費用や研究開発費用は先行して計上される性質の費用であるため、今後も短期的には赤字が継続する可能性があります。

なお現時点において、当社グループ売上全体に占めるリカーリング売上の比率・構成比は、2020年9月月次の21%から2021年9月月次で41%に増加しており(2022年6月月次は56%まで増加)、結果としての経常損失額も2020年9月期の755,836千円から2021年9月期の321,728千円に改善しております。

 

(21) 特定の取引先への依存について(顕在化可能性:低/影響度:中)

当社グループは国内AO事業として、モビリティデータを活用して自社の既存事業の高付加価値化や新規事業創出を目指すパートナー企業に向けて、SmartDrive Fleet をOEM提供するなど、パートナー企業における新規事業の立上げ支援を行っております。その中で、主要顧客であるスズキ株式会社・出光興産株式会社・住友三井オートサービス株式会社との取引が当社グループの総売上高に占める割合は上昇傾向にあり、2021年9月期(第8期)においては約3割の依存関係となっております。当社グループとこれらの特定の取引先とは、現時点においては緊密かつ良好な関係にあり、今後もこれまでの取引関係を維持・発展させていく方針でありますが、特定の取引先の今後の経営方針が当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

これに対応するために、国内FO事業の拡大や新規顧客の開拓など上記主要顧客以外の顧客との間の取引比率の上昇や提供サービスの多様化等を推進することで、収益基盤の安定化と上記主要顧客への依存度の低減につとめております。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。

 

 ① 財政状態及び経営成績の状況

 a. 経営成績

第8期連結会計年度(自 2020年10月1日 至 2021年9月30日)

当連結会計年度におけるわが国の経済は、引き続き新型コロナウイルス感染症の影響はあるものの、ワクチン接種進展による経済活動正常化への動きなどから、国内企業の景況感にも改善が見られるなど、緩やかな回復傾向となりました。また、コロナ禍での安定的な業務継続のためのデータやデジタル技術の積極的活用を行うDXの推進や、労働生産性向上のためのIT・IOT・AI等の省人化投資等は引き続き加速していくものとみられます。

そのような状況下で当社グループは、国内FO事業として、様々な事業規模・業界の顧客向けに法人向けクラウド型車両管理サービスの提供やドライバーエンゲージメントサービス・データ分析レポート等の提供を通じて、顧客企業のDX対応や安全運転管理や法令遵守等コンプライアンス対応の推進を支援するとともに、国内AO事業として、モビリティデータを活用して自社の既存事業の高付加価値化や新規事業創出を目指すリース会社や自動車メーカー等のパートナー企業との間で、エンドユーザー(パートナー企業の既存顧客)に向けたテレマティクスサービスの提供・導入支援、並びにデータ分析サービスの提供を行うなど、当社国内FO事業における既存サービスをOEM提供する形で、共同での顧客開拓や拡販を進めてまいりました。

特に、スズキ株式会社との間で自動車コネクテッドサービス事業に関する基本合意書を締結し、同社が新たなOEMパートナー企業に加わったこと、並びに出光興産株式会社との間で新型車両向けシステム開発支援や事業化立上げ支援に関する取引が開始されるなど、国内AO事業においても大きな進展がありました。

その結果、当社グループの当連結会計年度の経営成績につきましては、売上高は827,667千円(前年同期比107.7%増)、営業損失は362,380千円(前連結会計年度は799,409千円)、経常損失は321,728千円(前連結会計年度は755,836千円)、親会社株主に帰属する当期純損失は327,893千円(前連結会計年度は763,822千円)となりました。

なお、当社グループは「国内FO事業」、「国内AO事業」及び「海外モビリティDX事業」を有機的に結合させたサービスを展開しているため、モビリティDX事業の単一セグメントとしております。

 

第9期第3四半期連結累計期間(自 2021年10月1日 至 2022年6月30日)

当第3四半期連結累計期間におけるわが国の経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化する中、国内におけるワクチン接種の促進や各種政策の効果もあり、一部で持ち直しの動きがみられるものの、変異株の流行によって社会経済活動の制限が余儀なくされ、依然として景気の先行きは厳しい状況が続いております。

一方で、このような状況下にあっても、コロナ禍におけるニューノーマルが定着し、労働生産性向上のためにIT・IOT・AI等の省人化投資等へのニーズが強まるとともに、コロナ禍での安定的な業務継続のために、データやデジタル技術の積極的活用を行うDXの推進は今後も加速していくものとみられます。

そのような状況下で、当社グループは、引き続き国内FO事業として様々な事業規模・事業セクターの顧客企業向けにSaaS型車両管理サービスの提供やドライバーエンゲージメントサービスの提供、走行データ等の分析解析サービスの提供、顧客企業が保有するデータの利活用提案・DX推進を行うとともに、国内AO事業としてデータを活用した新たな事業モデルの構築を図るリース会社や自動車メーカーとの間で、エンドユーザー(リース会社や自動車メーカーが持つ法人顧客)に対するテレマティクスサービスの提供・導入支援、並びに当社データプラットフォームやデータ分析解析サービスの提供を行うなど、当社既存サービスのOEM提供と共同での顧客開拓や拡販を進めてまいりました。

また、海外においては、連結子会社SmartDrive Sdn. Bhd.がマレーシアの現地企業に向けてドライバーエンゲージメントサービス等の提供を進めてまいりました。

その結果、当社グループの当第3四半期連結累計期間の経営成績につきましては、売上高は891,324千円、営業損失は247,244千円、経常損失は227,764千円、親会社株主に帰属する四半期純損失は229,000千円となりました。

なお、第1四半期連結会計期間の期首より「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」という。)等を適用しております。

当社グループは「国内FO事業」、「国内AO事業」及び「海外モビリティDX事業」を有機的に結合させたサービスを展開しているため、モビリティDX事業の単一セグメントとしております。

 

b. 財政状態

第8期連結会計年度(自 2020年10月1日 至 2021年9月30日)

  (資産)

 当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ895,158千円増加し、1,510,282千円となりました。流動資産は、前連結会計年度末より903,280千円増加し、1,505,925千円となりました。これは主に現金及び預金が853,098千円増加したことによるものであります。

 (負債)

 当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ372,005千円増加し、947,041千円となりました。流動負債は、前連結会計年度末より72,005千円増加し、317,041千円となりました。これは主に受注残高の増加に伴い前受金が80,769千円増加したことによるものであります。固定負債は、前連結会計年度末より300,000千円増加し、630,000千円となりました。これは長期借入金の増加によるものであります。

 (純資産)

 当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べ523,152千円増加し、563,240千円となりました。これは主に第三者割当増資による株式の発行850,000千円及び親会社株主に帰属する当期純損失の計上327,893千円によるものであります。なお、自己資本比率は36.8%となっております。

 

第9期第3四半期連結累計期間(自 2021年10月1日 至 2022年6月30日)

(資産)

 当第3四半期連結会計期間末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ199,911千円減少し、1,310,370千円となりました。流動資産は、前連結会計年度末より203,293千円減少し、1,302,631千円となりました。これは主に現金及び預金が248,150千円減少したことによるものであります。固定資産は、前連結会計年度末より3,382千円増加し、7,739千円となりました。

 (負債)

 当第3四半期連結会計期間末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ242,457千円増加し、1,189,499千円となりました。流動負債は、前連結会計年度末より342,457千円増加し、659,499千円となりました。これは主に、収益認識会計基準等の適用による累積的影響額213,853千円を契約負債に計上したことによるものであります。

 (純資産)

 当第3四半期連結会計期間末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べ442,369千円減少し、120,871千円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する四半期純損失の計上229,000千円及び収益認識会計基準等の適用による累積的影響額213,853千円を第1四半期連結会計期間の期首の利益剰余金に加減したことによるものであります。なお、自己資本比率は8.6%となっております。

 

 ② キャッシュ・フローの状況

第8期連結会計年度(自 2020年10月1日 至 2021年9月30日)

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ853,098千円増加し、1,307,149千円となりました。なお、当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動によるキャッシュ・フローは、主に税金等調整前当期純損失の計上により、268,266千円の支出(前年同期は665,258千円の支出)となりました。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動によるキャッシュ・フローは、主に敷金の回収により、3,333千円の収入(前年同期は34,873千円の支出)となりました。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動によるキャッシュ・フローは、主に株式の発行による収入により、1,116,985千円の収入(前年同期は207,700千円の収入)となりました。

 

(2) 生産実績

当社の事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため当該記載を省略しております。

 

(3) 受注実績

当連結会計年度における受注実績は、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

モビリティDX事業

1,427,675

136.7

924,062

185.2

合計

1,427,675

136.7

924,062

185.2

 

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(4) 販売実績

第8期連結会計年度及び第9期第3四半期連結累計期間における販売実績は、次のとおりであります。なお、当社はモビリティDX事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりません。

セグメントの名称

第8期連結会計年度

(自 2020年10月1日

至 2021年9月30日)

第9期第3四半期連結累計期間

(自 2021年10月1日

至 2022年6月30日)

販売高(千円)

前年同期比(%)

販売高(千円)

モビリティDX事業

827,667

207.7

891,324

合計

827,667

207.7

891,324

 

(注) 最近2連結会計年度及び第9期第3四半期連結累計期間の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

 

相手先

第7期連結会計年度

(自 2019年10月1日

至 2020年9月30日)

第8期連結会計年度

(自 2020年10月1日

至 2021年9月30日)

第9期第3四半期連結累計期間

(自 2021年10月1日

至 2022年6月30日)

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

スズキ㈱

12,114

3.0

94,619

11.4

142,077

15.9

出光興産㈱

3,577

0.9

31,145

3.8

118,832

13.3

住友三井オートサービス㈱

23,261

5.8

109,063

13.2

87,017

9.8

損害保険ジャパン日本興亜㈱

45,454

11.4

0.0

0.0

 

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3.第9期連結会計年度の期首から「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号2020年3月31日)等を適用しております。このため最近2連結会計年度は収益認識会計基準の適用前、第9期第3四半期連結累計期間は収益認識会計基準の適用後の実績となっております。

 

(5) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。

 

 ① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成に当たり、資産及び負債又は損益の状況に影響を与える会計上の見積りは、過去の実績等の連結財務諸表作成時に入手可能な情報に基づき合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

当社グループの連結財務諸表の作成に当たって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。

なお、固定資産の減損損失計上の要否について会計上の見積及び仮定を用いて検討を行っておりますが、検討の結果、割引前将来キャッシュ・フローの総額が固定資産帳簿価額を上回ると判断されたため、減損損失は計上しておりません。これらの見積りについては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表 (2)その他 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載しております。

 

 ② 経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 a.当連結会計年度の経営成績の分析

第8期連結会計年度(自 2020年10月1日 至 2021年9月30日)

経営成績等の状況に関する分析・検討内容については、「(1)経営成績等の状況の概要」にも記載しておりますが、売上高は827,667千円(前年同期比107.7%増)となりました。

これは主に、契約企業社数(エンドユーザー社数)の増加によるもの、及びスズキ株式会社や出光興産株式会社などパートナー企業との協業進展によるものであります。

売上原価は、契約企業社数の増加等に伴い販売対象となったデバイス売上原価が増加したこと、並びにサービス提供に伴うSIM通信コストやサーバーコスト等の通信費が増加したこと、さらに国内AO事業におけるパートナー企業向けのPOC実施等に伴い労務費や外注加工費が計上されたこと等から、274,211千円(前年同期比123.3%増)となりました。

販売費及び一般管理費は、915,836千円(前年同期比14.8%減)となりました。これは主に、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化する中で、各種展示会やイベントの開催・出展頻度が減少したことに伴い広告宣伝費が減少したこと、従業員のリモートワーク推奨とそれに伴う本社オフィススペースの縮小によって賃借料が減少したこと、並びに同感染症の影響が更に長期化することを見据えてコスト管理を徹底し、採用活動の縮小や社外への業務委託の削減を推進した結果、採用教育費や外注費が減少したことによるものであります。

その結果、営業損失は362,380千円(前連結会計年度は799,409千円)と改善しております。

営業外収益は47,901千円(前年同期比4.9%増)となりました。

営業外費用は7,249千円(前年同期比248.4%増)となりました。これは第三者割当増資による株式の発行に伴い株式交付費が計上されたことによるものです。

特別損失は固定資産に対する減損損失を3,874千円(前連結会計年度は5,655千円)計上しております。

これらの結果、親会社株主に帰属する当期純損失は327,893千円(前連結会計年度は763,822千円)と改善しております。

また、経営成績等に重要な影響を与える要因については、「2『事業等のリスク』」に記載しております。

 

第9期第3四半期連結累計期間(自 2021年10月1日 至 2022年6月30日)

 経営成績等の状況に関する分析・検討内容については、「(1)経営成績等の状況の概要」にも記載しておりますが、売上高は891,324千円となりました。

これは主に、契約企業社数(エンドユーザー社数)の増加によるもの、及びスズキ株式会社や出光興産株式会社などパートナー企業との協業進展によるものであります。

 売上原価は335,575千円となりました。これは、販売対象となったデバイス売上原価の計上や、サービス提供に伴うSIM通信コストやサーバーコスト等の通信費の計上、及び国内AO事業におけるパートナー企業向けのPOC実施等に伴う労務費や外注加工費の計上によるものです。

 販売費及び一般管理費は802,993千円となりました。これは給料及び手当、外注費、広告宣伝費等の計上によるものです。

 結果、営業損失は247,244千円となりました。

 営業外収益は22,989千円、営業外費用は3,510千円、特別損失は固定資産に対する減損損失を838千円計上しております。

 これらの結果、親会社株主に帰属する四半期純損失は229,000千円となりました。

また、経営成績等に重要な影響を与える要因については、「2『事業等のリスク』」に記載しております。

 

b.資本の財源及び資金の流動性についての分析

当社グループの資本の財源及び資金の流動性について、当社グループの主な資金需要は、車載デバイスの先行調達資金や広告宣伝費など事業拡大に伴う運転資金、ソフトウェア自社開発費及び研究開発費などの営業費用であります。これらについて、現時点においては営業キャッシュ・フローがマイナスであることから、資本調達資金及び借入調達資金から資金充当、拠出しております。


c.目標とする経営指標

経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、「第2『事業の状況』1『経営方針、経営環境及び対処すべき課題等』」に記載のとおりであります。

 

  d.経営者の問題認識と今後の方針

今後におきましては、特に国内FO事業におけるMM市場(MMとは、Mid Market Businessの略称。中堅企業の意味であり、当社グループにおいては社員数が数百人規模の会社を指します。)、ENT市場(Enterpriseの略称。大手企業や公的機関など大規模組織の意味であり、当社グループにおいては社員数1,000人以上の規模の会社を指します。)、並びに国内AO事業にフォーカスします。国内FO事業のMM・ENT市場においては既存サービスのクロスセルや提供サービスの拡充によって、新規顧客の獲得、及び既存顧客企業内における弊社サービスの導入を部分的なものから本格導入へと移行し顧客単価増加を目指します。

また、OEM市場においては既存OEMパートナーとの協調によるエンドユーザーに向けた拡販の実現、及び新規OEMパートナー企業の新規開拓によって、今後の売上高の更なる拡大と、着実な売上総利益の確保を目指してまいります。

 

 ③ 売上高に係る参考情報

当社は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (会計方針の変更) 当第3四半期累計期間(自 2021年10月1日 至 2022年6月30日)」に記載のとおり、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」という。)等を、第9期の期首から適用している影響で、自社製デバイスの物品販売について、従来は製品の出荷時点で収益を認識しておりましたが、顧客との契約における履行義務の充足に伴い、一定期間にわたり収益認識する方法に変更しております。その結果、第8期から第9期にかけて、売上高が従来の方法に比して減少しております。

各期の売上高に係る比較可能性を担保するための参考情報として、以下をご参照ください。

(単位:千円)

 

第4期

第5期

第6期

第7期

第8期

第9期

第3四半期

累計期間

決算年月

2017年9月

2018年9月

2019年9月

2020年9月

2021年9月

2022年9月

売上高

(注)1

8,728

97,969

191,264

398,547

827,667

891,324

売上高

(注)2

8,728

97,969

165,372

347,231

691,020

891,324

 

(注)1.収益認識会計基準等を第9期の期首より適用した財務諸表上の売上高であります。

   2.収益認識会計基準等を第4期の期首より適用したと仮定した場合の売上高であります。

   3.(注)2の数値に関しては、有限責任 あずさ監査法人の監査を受けておりません。

   4.第4期から第6期は、提出会社の財務諸表上の売上高であります。

 

 

4 【経営上の重要な契約等】

   該当事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

 当社グループはモビリティデータプラットフォームやソフトウェアの開発、並びにプラットフォームを通じて収集したモビリティデータを基に安全運転評価技術といったデータ解析・AI開発の研究開発に取り組み、既存サービスの高付加価値化や新規サービスの創造につなげる活動を行なっております。

 

第8期連結会計年度(自 2020年10月1日 至 2021年9月30日)

 当連結会計年度における研究開発費の総額は24,671千円であります。

 

第9期第3四半期連結累計期間(自 2021年10月1日 至 2022年6月30日)

 当第3四半期連結累計期間において実施した研究開発費の総額は16,830千円であります。