第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものです。

 

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループは、「50代からの女性がよりよく生きることを応援します」を経営理念とし、シニア女性に「これからのために生きてきた」と感じて頂けるよう、以下のビジョンを掲げ、経営を行っております。

① シニア女性がよりよく生きるために必要な、さまざまなコンテンツを厳選して提供します。
② バリューチェーンのすべてを自社で行い、個々のお客様に最適なコンテンツを提供します。
③ 単にコンテンツを届けるだけでなく、シニア女性が安心・信頼できるコミュニティを作ります。
④ 当社グループのプラットフォームを活用して、自社コンテンツのみならず、他社の優れたコンテンツを厳選して提案し提供します。
⑤ グループ社員には、仕事の楽しさ・やりがいと生活の安定を提供します。

経営理念の実現のために、既存事業領域である「情報コンテンツ」「物販」「コミュニティ」の一層の強化に加え、終活を始めとした「サービス分野」への進出を開始しています。また、SDGsの社会課題の中でも、シニア女性を心身ともに健康にするための商品・サービスづくり、気候変動等の環境への配慮のためのリサイクルや環境にやさしい商品・サービスづくりに積極的に取り組んで参りたいと存じます。こうした取組みを実現するためにイノベーションを生み出す組織能力をより強化し、持続的な成長を可能にする事業ポートフォリオを構築していきます。

 

(2) 目標とする経営指標

当社グループは、シニア女性が人生のさまざまな場面で信頼し頼りにしてくださる、シニア女性向けビジネスNo.1企業を目指しております。そのため、現時点で当社グループが重視する経営指標は読者数(注1)と顧客数(注2)であります。

(注) 1.雑誌「ハルメク」の購読者数

2.当社グループのサービスを1年間で1回以上利用したことのある顧客数

 

(3) 経営環境、経営戦略等

① 経営環境

当社グループが対象としている50歳以上の女性人口は2020年の32百万人から2030年34百万人とゆるやかに増加していくことが見込まれています。(出所:国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(平成29年)」)

また、当社主要顧客である50歳以上の金融資産は約1,600兆円であると推計しており、50歳未満の金融資産約400兆円を大きく上回り、負債も少ないという特徴もあります(出所:日本銀行「資金循環統計」(2021年3月末)、内閣府「令和4年版高齢者白書」から当社推計)。

当社グループの情報コンテンツが属する紙の書籍・雑誌市場は2021年の市場規模では1.2兆円(前年比1%減)と2020年を底に下げ止まりをみせているものの、紙の雑誌(月刊誌)は前年5%減と下げ止まっておらず、紙を前提にしたコンテンツ提供は厳しい状況が続いています。(出所:出版科学研究所「日本の出版販売額」)

また、当社グループの物販が属する通販の市場規模は2021年度は11兆4,600億円と前年比7.8%増と前年の20%以上の伸長から例年並みの伸長に戻りました。メディア別では総合カタログ通販は苦戦し、ECやテレビ通販の伸長が予想されています。(出所:日本通信販売協会「2021年度通信販売市場売上高」)

 


 

シニアビジネスとして、ケアシニアサービスは増えつつありますが、ハルメクの事業領域は市場ポテンシャルが大きい「プレシニア~アクティブシニア市場」です。

 


 

② 顧客基盤

ハルメク事業顧客の平均年齢は71歳ですが、その顧客年齢分布は以下のとおりです。

 

(ハルメク事業における顧客年齢分布)

 


 

(注) ハルメクは2022年3月期に1度でもハルメク事業のサービスを利用したことがある顧客の年齢

ハルメクWEBは2022年3月末のMAU年齢別構成比を登録会員数に適用して推計したもの

 

ハルメク事業では、これらのシニア女性の生の声を聴きつつ、そのニーズを充足するサービスの提供に努めてまいりました。その結果として、顧客数(注)は2018年3月期の32万人から2022年3月期の75万人と4期にわたって年平均成長率+23%成長を実現しております。((出所)株式会社ハルメクホールディングス)。

 


 

(注) ハルメク事業のサービスを1年間で1回以上利用したことのある顧客数(ユニークユーザー数)

 

 

雑誌「ハルメク」の新規顧客獲得チャネルも従来の新聞・折込等の紙媒体からTVやWeb等への多様化も進んできています。

 


 

(注) 各事業年度において新規に契約した顧客につき、契約時に得た認知媒体の回答を集計

 

また、ハルメク事業の顧客の金融資産は、非顧客と比較して多いという特徴があります。これは、ハルメク事業が提供する商品及びサービスの質が支持され、中高価格帯のものでも販売力があることを表していると考えられます。このため、ハルメク事業の顧客数を増加させることは、収益性の向上にもつながることを意味しており、当社グループとしては如何にハルメク事業を強化するかが事業展開上の要点となります。

 

(ハルメク事業の顧客の金融資産)

 


 

(出所) 2022年7月に郵送・Webにて50歳~79歳の全国の女性の顧客812名・非顧客5,753名に対して実施した「ハルメクブランド調査2022」より抜粋

 

ハルメク事業の強みは、「情報コンテンツ」、「物販」及び「コミュニティ」の3つの事業の相乗効果によるものですが、顧客数の継続的な増加に向けてこの長所をさらに強化する必要があると考えております。

 

③ 経営戦略
(ア) 顧客エンゲージメントの更なる向上

当社グループの事業の基盤は、「思い込みを捨てる」「わかった気にならない」というポリシーに立脚してお客様の生の声を収集し、それらを活用することにあります。このポリシーに至った経緯として、シニア女性に対する以下のような「思い込み」を排除したことで当社グループの事業が成長軌道に乗ったという実体験が存在します。

・ 時間やゆとりがある

・ おしゃれや美容への関心が薄い

・ 和食が好き

・ 恋愛しない

・ 割引やお得になびきやすい

・ 孫が大好き

過去には事業を進めるにあたりこのような思い込みに基づき当社グループの一方的な方針で顧客へサービスを提供していた時代がありました。しかしながら、例えば雑誌「ハルメク」の購読部数の伸び悩み等が見られるようになり、お客様の生の声の重要性に気付くに至りました。それ以降は「思い込みを捨てる」「わかった気にならない」のポリシーのもと、顧客エンゲージメントを重視した事業を推進しております。お客様の生の声を収集するための具体的な施策には以下のようなものがあります。

・ お客様からのはがき(雑誌によるもの:月平均約3,000枚、商品によるもの:月平均約1,000枚)

・ お客様センターへ寄せられる声(月平均約20,000件)

・ アンケート調査(紙面調査16回、インターネット調査90回)

・ 座談会(48回)

・ モニターによる試作品の使用

・ 顧客宅の訪問調査

・ 当社グループの社員によるイベントへの参加

(注) 2022年3月期実績

 

さらに、「ハルトモ」と呼ばれる雑誌「ハルメク」の企画や商品開発等をサポートする人々の関与も当社グループの事業の質を高めるものとなっております。

これに加え、顧客理解を徹底するために「生きかた上手研究所」を設置し、その品質を担保しております。「生きかた上手研究所」では、PDCAの段階毎にハルトモを活用した調査やテストを実施し、お客様の信頼を裏切らない・期待を超える商品・サービスの提供に努めております。具体的には、「ハルトモ」約4,100名(2022年12月末時点)を活用し、以下のPDCAサイクルを実行しています。

企画

•グループインタビュー(生活調査等)

•コンセプト受容性調査(注)

制作・開発

•独自の厳しい品質基準への適合性の確認

•サンプルテスト

販売

•テストマーケティング

評価

•お客様の声ハガキ

•満足度調査アンケート

•クレームゼロ会議

改善

•顧客インサイトを組織知として共有・蓄積

 

(注) コンセプト受容性調査とは、新商品やサービスのアイディアが複数存在する際に、どの案が顧客に一番受け入れられるかを検証する調査方法のことをいいます。

 

 

これらの施策により当社グループの顧客エンゲージメントは高水準で維持できていると認識しております。現実として、当社グループのサービスを利用したお客様の満足度に関するアンケートでは、以下のような結果を得られています(出所はいずれも当社アンケート)。

 

(満足度推移)

雑誌                            通信販売

 



 

 

(注) 1.当社が2022年7月に郵送・Webにて50歳~79歳の全国の女性の顧客812名・非顧客5,753名に対して実施した「ハルメクブランド調査2022」より抜粋しております。

2.5段階評価で「大変よかった」及び「よかった」の比率の平均値の推移を記載しております。

 

講座や旅行

 


 

 

 

(注) 開催の都度調査を実施しており、5段階評価の平均値の推移を記載しております。

 

これらの施策の継続及び強化を図ることにより、顧客エンゲージメントをより強固なものとする必要があると考えており、ひいてはそれが当社グループの継続的な成長に寄与することとなります。

 

(イ) クロスセル及びLife Time Value(LTV)の強化

前述のとおり、当社グループの強みは、「情報コンテンツ」、「物販」及び「コミュニティ」の3つの事業が連動し相乗効果を生んでいることにあります。これを裏付けるものとして、事業利用数別の顧客単価、クロスセル率及びLTVの状況にも着目しております。

現状の事業利用数別単価(注1)、クロスセル率(注2)及びLTV(注3)は以下のようになっており、各数値は良好であると評価しております。他方で、これらの数値は引き上げの余地があるとも考えており、顧客エンゲージメントの強化により、これらの数値の更なる上昇を目指します。

(注) 1.情報コンテンツ又は物販のみの利用経験がある顧客を1事業、情報コンテンツと物販の利用経験がある顧客を2事業、情報コンテンツと物販とコミュニティの利用経験のある顧客を3事業とカウントした場合の1顧客当たりの年間売上金額(2022年3月期)

2.雑誌購読者が購読開始月から通販を一度でも利用した割合の月次累計(2020年3月期に獲得した12冊コース新規読者)

3.雑誌購読者の月次LTV(CFベース)=雑誌購読料(年)-雑誌原価(年)-初回獲得コスト+月次売上(雑誌除く)-原価(雑誌除く)-受注・物流・決済手数料-カタログコスト(印刷・配送)の累計(2020年3月期に獲得した12冊コース新規読者)

(事業利用数別の顧客単価)

 


 

(クロスセル率、雑誌読者が購読開始月から通販を利用する率)

 


 

 

(LTV、雑誌購読者のキャッシュ・フローベースの月次LTV)

 


 

(ウ) 3つの事業の進化及びサービス領域の強化

「情報コンテンツ」、「物販」及び「コミュニティ」の3つの事業については、現状に満足することなく強化を図ってまいります。「情報コンテンツ」については、リッチコンテンツ化を企図しサブスクリプション型のサービス「ハルメク365」を新たに立ち上げました。「物販」については、現在のオリジナル商品やナショナル・ブランドの取り扱いに加え、他社又は他ブランドとのコラボレーション商品の取り扱いを強化するほか、シェアリングサービスの導入なども検討してまいります。加えて、当社ブランドの靴、インナーのような特定商品の事業展開も進めてまいります。「コミュニティ」については、例えば習い事のマルチレイヤー組織の構築のような自己増殖するコミュニティの仕組みを開発しております。

これらに加え、ヘルスケア・終活分野の強化を含むシニア女性のニーズにより広く応えるサービスの導入を進めてまいります。例えば、相続、金融、保険、住宅、不動産、お見合い、婚活等のサービスを想定しております。これらのサービスは、自社開発によるだけでなく、他社又は他ブランドとのコラボレーションも含みます。

 


 

 

(エ) 新規事業(ハルメク365)

2022年8月より、サブスクリプション型の動画及び音声サービスをローンチし、情報コンテンツを強化いたしました。本サービスの目的としては、お客様のデジタルシフトに対応、プレシニア層(注)の獲得強化、より魅力的なコンテンツの提供、ハルメクで扱っている全ての商品・サービスの入口であるポータルサイト化、情報コンテンツビジネス単体の収益性強化等が挙げられます。サービス内容は以下のとおりです。

 


(注) 当社グループでは50~64歳をプレシニア層と定義づけております。

 

(オ) 既存ビジネスの更なる拡大とB2Bビジネスの強化

2022年8月に開始したハルメク365では、様々な顧客データを収集しています。ここで蓄積した顧客データを活用し、お客様の理解をより深化させ自社サービスの拡大と㈱ハルメク・エイジマーケティングで事業展開しているB2Bビジネスを他社とのアライアンスを含め、強化してまいります。ここでのデータとは基本属性、興味関心分野・テーマ、購読・購入履歴、接点履歴、価値観・趣味等を指します。これにより、情報コンテンツの強化、物販及びサービスの拡充、お客様の興味ないし関心別のアプローチ強化が当社の既存ビジネスで可能となり、コミュニティの多層化及び充実等によって得られる興味ないし関心がある記事のデータ、商品及びサービスの利用データ並びにロイヤリティの向上が期待できます。シニア向けの事業展開を希望する企業に対しては、エンゲージメントの強いシニア女性へのアクセス、顧客ニーズ及びインサイト並びにお客様の声に基づく継続的な改善についてのデータを提供し、当該企業に対するコンサルティングサービスの提供だけでなく、シニア向け新規事業の共同企画、商品及びサービスの共同開発並びに顧客接点又は販売チャネルの提供を受けることが可能となります。

 


 

(カ) 既存事業の収益性の強化及び先行投資事業の利益の創出

ハルメク事業のうち、「情報コンテンツ」、「物販」及び「コミュニティ」については既存事業と位置付けております。また、店舗、靴、新聞単品外販、ハルメクWEB/365、終活、株式会社ハルメク・エイジマーケティング及びハルメク・ベンチャーズ株式会社については先行投資事業として位置付けております。既存事業及び先行投資事業の収益性は以下の状況です。

 


 

(注) 1.上記の収益性の情報はハルメク事業の内訳を表示したものであり、売上収益合計額、EBITDA及びEBITDA率並びにこれらの内訳額については、PwCあらた有限責任監査法人による監査を受けておりません。

2.21/3期については、4月1日から8月3日までの(旧)株式会社ハルメクホールディングスを含む当社グループの数値と8月4日から3月31日まで(第2期)の数値を合算し、12ヶ月数値になるよう調整したものを記載しております。

3.18/3期から20/3期までの各数値は、(旧)株式会社ハルメクホールディングスの連結指標を記載しております。

4.当社ではEBITDA=営業利益+減価償却費・償却費と定義しており、各事業から生み出されるキャッシュ・フローの規模をより適切に把握することができるため、各事業の収益性を測るための指標として記載しております。

 

現在は「情報コンテンツ」及び「物販」の利益をもって先行投資事業の費用を賄っている状況です。このため、先行投資事業の早期の利益の創出はもちろんのこと、既存事業の収益性を高めることにより、当社グループの利益成長を推進してまいります。

 

 

(キ) セグメント別の業績

当社グループのセグメント別の業績については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 6.事業セグメント」に記載のとおりです。2022年3月期においては、ハルメク事業及び全国通販事業ともに増収増益となっておりますが、ハルメク事業については増収の傾向をさらに確固たるものにすることが、全国通販事業においては利益水準の強化がそれぞれ課題となっております。

ハルメク事業においては、現時点の収益源は物販です。雑誌「ハルメク」により獲得した読者の方々に雑誌の世界観を実体験して頂けるような商品を販売することで売上を伸ばし利益を拡大しております。重視していることは「シニア世代の信頼を裏切らない」ことです。品質管理を最重要視し、過剰表現は避け、一時的ではなく長く売れるものを中心にオリジナル商品を開発し販売することを基本戦略としております。雑誌と通信販売が事業推進における大きな両輪でありますが、他社とも協業しながら雑誌と連動した講座(オンライン/リアル)やイベント、旅行等を企画・開催することにも取り組んでおり、シニア女性に対してあらゆるものを提供するプラットフォームビジネスとして、事業拡大に注力しております。

全国通販事業の主要顧客はハルメク事業同様にシニア女性となります。ただし対象は「60歳代以上の女性」としているなど、ややハルメクよりも年齢が高い方々にご支持頂いているほか、ハルメク事業に比べるとお求めやすい価格帯での商品提供を行っております。また、ファッション/アパレル商品をハルメク・全国通販ともに主力商材として販売しておりますが、ナチュラル志向の商品が多いハルメクに対し、全国通販の商品はよりトレンドを重視したものとなっているなど、取扱商品のテイストが異なることも両事業の違いとなっております。

全国通販事業の場合、ハルメク事業のような集客はありませんが、1970年の創業以来ご支持頂いてきたお客様が多くいらっしゃることから、通信販売でありながらも外商営業的な要素も取り入れた独自のスタイルで「今いるお客様を最大限に大切にする」という「顧客満足経営」を基本戦略とし、その中で経営基盤を確立したうえで、顧客理解に基づき商品選定やお客様のライフスタイルを提案するカタログ誌面の魅力の向上及びサービスレベルの向上により、新規顧客獲得を進め、事業拡大を図ってまいります。

 

(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
① 人材の確保・育成

当社グループは急速に事業成長を続けていることから、優秀な人材の確保・育成が大きな課題となっております。採用力の強化を図り、魅力的な人事制度を導入することで、優秀な人材の確保に取り組むと共に、社内外の教育・研修により優秀な人材の育成にも取り組んでまいります。

② 新規事業の展開

当社グループは将来に向けての持続的な成長を実現するため、シニア女性をターゲットとしたプラットフォームビジネスの拡大に注力しております。そのプラットフォーム上で新たに取り扱う新規事業を生み出すため、株式会社ハルメクホールディングスに新規事業開発を専任で検討する組織を設置している他、グループ会社としてもハルメク・ベンチャーズ株式会社を擁するなど、新規事業を生み出す様々な仕組みを組み込んでおります。これらの仕組みを生かし、当社グループがプラットフォーマーとして飛躍できるよう、取組みを進めてまいります。

③ 財務体質の強化

当社グループは2009年に民事再生法の申請を経験した企業グループであります。その後の経営再建により業績を伸ばし、財務体質の改善にも取り組んでまいりましたが、いまだ道半ばであります。引き続き財務体質を強化し、積極的な事業投資により更なる事業拡大を図れるよう努めてまいります。

 

 

2 【事業等のリスク】

本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

当社のリスク管理体制に関しましては、「4 コーポレート・ガバナンスの状況等、(1)コーポレート・ガバナンスの概要、② 企業統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由、ⅵ リスク・コンプライアンス委員会」に記載のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経済状況・競合に関するリスク

当社グループの主要顧客であるシニア女性を含むシニア市場は、高齢化の進展に伴い拡大し続けている成長市場であり、その傾向は今後も当面の間は継続する見通しであります。シニア市場の中でも介護、葬式、お墓等に代表されるライフエンディングサービスは近時において企業の参入が増えつつあるとの認識ですが、当社グループの事業領域は50代から70代までを中心としたアクティブな女性をターゲットとしており、成長市場でありつつも競合他社が少ないところと考えております。その成長市場において、当社グループは雑誌「ハルメク」を中心に認知度を高め、シェアを拡大しておりますが、当社グループの提供する雑誌及び通信販売のシナジーを生かした事業展開の有用性を低下させるような法規制の変化や、IT技術の進化などが起こった場合、もしくは当社が提供する情報や商品、サービスを凌ぐ画期的な情報媒体、商品もしくはサービスを具備した競合の参入などがあった場合、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。これらのリスクが顕在化する可能性は高くないと認識しておりますが、顕在化に備え収益性や健全性を確保するとともに、事業環境についてはマーケティング部門が、法規制については法務部門が最新の情報や将来の見通しの把握に努め、必要な対応を適時にとれる体制を構築してまいります。

 

(2) システムに関するリスク

① セキュリティに関するリスク

当社のサービスはコンピュータシステムを結ぶ通信ネットワークを利用して提供されており、商品の調達や販売等多岐にわたるオペレーションをコンピュータシステム上で実施しております。そのため、当社では、それらのシステム全体にセキュリティ対策を施し、かつシステム部門において最新のセキュリティリスク情報を毎週集約し、バッチプログラムの実行などの必要な措置を講じております。また、当社は毎年、外部機関のセキュリティアセスメントを受けており、その指摘に従い、セキュリティ強化方針を見直したうえで、更なるセキュリティ強化を進めております。セキュリティの保全状態及び強化の進捗状況は四半期に一度、リスク・コンプライアンス委員会で報告・討議され、改善が必要な事象が認識された場合、システム部門を中心として改善対応が実施されております。しかし、IT関連の技術革新により、不正アクセスやハッキング等の行為を完全に排除することはできません。第三者からのサイバー攻撃によるシステム障害、情報漏洩等の問題が発生した場合、業務停止等の事態が生じる可能性があり、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

② システム障害に関するリスク

当社のシステムは、定期的なデータバックアップ等の対策を講じており、システム上のトラブルが発生しても日常の業務に影響が起こらないような対策を講じておりますが、故意、過失に関わらず、大規模なシステム障害等が発生した場合、業務を停止せざるを得ず、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。これらのリスクが顕在化する可能性は高くなく、発生したとしてもバックアップデータのリストアにより影響を小さく抑えられると認識しておりますので、顕在化に備え、バックアップデータからのリストア訓練などを定期的に実施しております。

 

(3) 特定人物への依存に関するリスク

当社グループの運営は、代表取締役社長である宮澤孝夫に大きく依存しております。当社は事業の拡大に伴い、過度に経営陣に依存しない体制を構築すべく、経営組織の強化を図っており、少なくとも短期間の不在であれば問題なく事業運営が行える体制になっておりますので、現時点において顕在化のリスクは高くないと考えておりますが、何らかの理由により、突然、長期的に当人の業務遂行が困難となった場合、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) レピュテーションリスク

当社グループに関して様々な情報が流れることがあります。この情報については必ずしも事実に基づいているとは限りませんが、真偽に関わりなくステークホルダーを含む第三者の行動に影響を与える可能性があります。この場合、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。当社に関する風評状況については毎月モニタリングしており、問題となるような風評がネット空間などで流されていないことは確認できておりますので、このリスクが顕在化する可能性は高くないと認識しておりますが、今後も日頃から風評の発見及び影響の極小化に努め、当社グループ又は当社グループが提供する商品・サービスについて否定的な風評が拡大した場合には、リスク・コンプライアンス委員会での討議を経て対応にあたる方針となっております。

 

(5) 自然災害等に関するリスク

地震、台風、津波等の自然災害、火災、各種感染症の拡大等が発生した場合、当社グループの事業運営に深刻な影響を及ぼす可能性があります。特に大規模な自然災害が発生した場合、正常な事業運営が行えなくなる可能性があり、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。一部地域において、これらのリスクが顕在化する可能性はある程度高くございますが、顧客接点であるお客様センターを東京・大阪・鹿児島・秋田に設置することで、一部地域が機能不全となっても、他の地域で補完できる体制にするなど、グループ全体に与える影響を極小化する対策を進めております。

 

(6) 新型コロナウイルス感染症に関するリスク

当社グループの従業員や取引先等で新型コロナウイルス感染者が発生した場合、一部商品もしくはサービスの提供停止、もしくは業務の部分的な停止等の事態が生じる可能性があります。当社グループにおいては、マスク着用やうがい、手洗い、アルコール消毒などの対策を徹底すると共に、テレワークやWEB会議等による接触機会の低減を図っておりますが、当社グループの従業員や取引先等で新型コロナウイルス感染者が大規模に発生した場合、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。このリスクが顕在化する可能性は一定程度ありますが、取引先国の分散や国内取引先の活用、グループ内拠点の分散配置など、一部地域が機能不全となっても、他の地域で補完できるようにする対策を進めており、適切にリスクをコントロールできていると認識しております。

 

(7) 仕入に関するリスク

当社グループが取り扱う商品の価格は国内外の商品市況や為替変動の影響を受けて、上下することがあります。また、近年においては仕入先の地域や国における新型コロナウイルス感染拡大により、仕入先の工場の稼働が影響を受けることがあります。当社グループは、こうした影響を極力抑えるため、早い段階で発注を行い、価格変動リスクを負う期間を短縮し、欠品リスクを低減させるような取り組みを行っております。しかし、想定を超える大幅な市況の変化や為替変動が生じた場合や、工場の長期停止などが起こった場合には、仕入れ価格の高騰や欠品により、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。これらのリスクが顕在化する可能性は一定程度ありますが、仕入先国の分散や国内取引先の活用により、影響を極小化する対策を進め、リスクを低減できていると認識しております。

 

(8) 在庫に関するリスク

当社グループでは、仕入・販売・在庫計画の精緻化や在庫コントロールの強化など、在庫の抑制、商品回転率の向上に努めると共に、毎年2回のセール期間(6月、11~12月)の後に、毎年2回(8月、2月)のアウトレットセールにより在庫を圧縮するプロセスを導入していることから、適切にリスクはコントロールできていると認識しておりますが、販売の予期せぬ変動により在庫が過剰となった場合、その削減が進まなければ廃棄処分や評価損によって、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9) 業績の季節的変動

当社グループは、第1四半期(6月)と第3四半期(11月・12月)に大きなセールを行うことから、第1四半期と第3四半期の売上収益及び利益が大きくなる一方で、第2四半期(8月)と第4四半期(2月)においてはアウトレットセールを行うことも加わり、売上収益及び利益が小さくなる傾向があり、四半期ごとの業績に季節的変動があります。

 

(10) 商品の品質に関するリスク  

当社グループは、お客様の信頼を第一に考え、関連法規を遵守した安全な高品質な商品の提供に努めております。その実現のため、当社に設置した品質管理室が、各子会社が提供する商品の品質を確認しております。新型コロナウイルスの感染拡大期など真にやむを得ない理由がある場合を除いて、工場監査も実施し、書面による確認と合わせて事前チェックを念入りに行うと共に、商品提供開始後においては、毎週のクレームゼロ会議においては、当社代表取締役社長も出席する中で、お客様から頂いたクレームを確認し、「お客様からの信頼第一」を判断の基軸にしながら対応を検討・決定しております。これらの取り組みにより、商品の品質に関するリスクは大きく低減できていると認識しておりますが、商品の品質に関する大きな問題が発生してしまった場合においては、当社グループのイメージ低下による売上高の減少などにより、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(11) 配送に関するリスク

当社グループは、商品の配送を全面的に外部の運送業者へ委託しております。全般に運送業者とは良好な関係を構築しておりますが、運送業者における人手不足が大きく深刻化した場合などには、当社グループが負担する配送費の大幅増や、商品を配送する運送業者を確保できなくなることによる配送不能等により、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。これらのリスクが顕在化する可能性は高くはありませんが、顕在化した場合に備え、複数の運送業者と取引をし、状況の変化に柔軟に対応できる体制の構築を進めております。

 

(12) 法的規制等に関するリスク

当社グループは、商品の販売などを行うにあたり、景品表示法、特定商取引法、薬機法等、非常に多くの法的規制を受けております。当社グループにおいては、コンプライアンスの重要性についての教育を行い、日常行動の基本的な考え方や判断基準を定めたコンプライアンス規程に基づき行動しております。また、商品やサービスの選定においては「シニア世代の信頼を裏切らない」ことを最重要基準として判断しております。更に、今後の法的規制等の検討状況についても、法務部門を中心に情報収集し、事前に対応策の検討を進めております。しかし、今後これらの法的規制の強化や新たな規制により事業活動が制限された場合、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。これらのリスクが顕在化する可能性は低いと考えておりますが、顕在化した場合、「シニア世代の信頼を裏切らない」ことを最重要判断基準として、誠実な対応を行う方針であります。

 

(13) 個人情報に関するリスク

当社グループは事業を通じて取得した個人情報を所有しております。個人情報の管理は厳重に行っており、「個人情報の保護に関する法律」の規定に則って作成した個人情報保護規程に沿って管理すると共に、必要なグループ企業においては「プライバシーマーク」の付与認定を受け、個人情報の保護に取り組んでおりますが、故意、過失もしくはサイバー攻撃などにより個人情報が漏洩した場合や、個人情報の収集過程で問題が生じた場合、当社グループへの損害賠償請求や社会的信用の失墜、業務停止などの損害が発生し、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。これらのリスクが顕在化しないよう、「(2)システムに関するリスク」に記載のとおり、セキュリティ対策を講じ、顕在化リスクの低減に努めております。

 

(14) 減損に関するリスク

当社グループが保有する資産のうち、減損リスクがあると考えられる資産として、有形固定資産、使用権資産、のれん及び無形資産(商標権、ソフトウエア等)があります。

この中でも、のれんについては当第3四半期連結会計期間末現在4,452百万円計上しており、総資産に占める割合が20.3%と高くなっております。

当社グループはIFRSを採用しているため当該のれんの毎期の償却負担は発生しませんが、対象となる事業の収益力が低下し、減損損失を計上するに至った場合には、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。これらのリスクが顕在化する可能性は高くないと認識しておりますが、顕在化に備え収益性や健全性を確保してまいります。

 

(15) 借入金及び財務制限条項について

当社は、2022年3月29日付で金融機関との間で金銭消費貸借契約を締結しております。当該契約には、財務制限条項が定められており、2022年3月期以降の各決算期末における、連結損益計算書に示される営業利益が二期連続で損失となる状態を生じさせないこと、2022年3月期以降の各決算期末の連結財政状態計算書上の資本合計の金額を、直近の各決算期末における連結財政状態計算書上の資本合計の金額の80%以上に維持すること等をそれぞれ求められております。これらの財務制限条項に抵触した場合には、借入金を一括返済する可能性があります。

当該リスクを低減するための取り組みとして、予算統制の強化に取り組んでおり、財務制限条項の見直し交渉も実施しておりますので、現時点においては当該リスクが顕在化する可能性は低いと判断しておりますが、リスクが顕在化した場合には、当社グループの財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(16) 人材確保・育成に関するリスク

当社グループが長期的な成長を続けるためには、優秀な人材の確保と育成が不可欠であると考えています。このため、当社グループの将来を担う優秀な人材を積極的に採用すると共に、社内外での教育・研修を実施し、社員の育成を図っております。特に、当社グループのお客様が主に50代以上の女性であることを鑑み、管理職である課長以上における女性の比率も重視しており、本書提出日現在における比率は31.6%であり、この数値の引き上げも並行して目指してまいります。これらの取り組みから、顕在化するリスクは高くないと判断しておりますが、当社グループの求める優秀な人材が十分に確保できなかった場合、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(17) 新株予約権に関するリスク

当社グループは、企業価値の向上を意識した経営の推進を図ると共に、当社グループの業績に対する役職員の意欲を高めることを目的として、新株予約権を発行しております。本書提出日現在、発行済株式総数8,000,000株に対する割合は9.7%となっております。これらの新株予約権の行使がなされた場合、1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。

 

(18) 当社株式の流動性について

当社は、東京証券取引所グロース市場への上場を予定しており、上場に際しては、公募増資及び売出しによって当社株式の流動性の確保に努めることとしておりますが、取引所の定める流通株式比率は新規上場時において26.0%にとどまる見込みです。

今後は、当社の事業計画に沿った成長資金の公募増資による調達、大株主への一部売出の要請、ストック・オプションの行使による流通株式数の増加等により、流動性の向上を図っていく方針でありますが、何らかの事情により上場時よりも流動性が低下する場合には、当社株式の市場における売買が停滞する可能性があり、それにより当社株式の需給関係にも悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(19) 新規事業について

当社グループは、事業規模の拡大と収益源の多様化を実現するために、新規事業への取り組みを進めていく方針です。新規事業が安定して収益を生み出すまでには一定の期間と投資を要することが予想され、全体の利益率を低下させる可能性があります。また、将来の事業環境の変化等により、新規事業が当初の計画どおりに推移せず、新規事業への投資に対し十分な回収を行うことができなくなる可能性があります。予算統制により、新規事業から発生する損失は一定額以下にコントロールしているため、これらのリスクが顕在化する可能性は高くはないですが、顕在化した場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(20) M&A及び資本業務提携等のリスク

当社グループは、持続的な成長のため、M&Aや資本業務提携等を行うことがあります。これらの実施にあたっては、事前に対象企業の財務内容や契約内容等の審査を十分に行い、各種リスクの低減に努める方針です。しかしながら、これらの調査後の事業環境の変化等により、当初想定していた成果が得られない場合や、資本業務提携等を解消・変更する場合等には、当社グループの財務状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

当該リスクが顕在化する可能性は、当該M&Aが実施される時期及びM&A実施後の事業展開に起因することから、合理的な予測は困難であると認識しております。当社では当該リスクに対し、継続的な業績のモニタリングを行っており、のれんや固定資産に関する減損損失が発生する前に対策を講じるように努めております。

 

(21) 大株主との関係について

当社の大株主である松島陽介氏、山元雄太氏はエンジェル投資家であり、松島氏は1,900,000株(発行済株式総数の23.8%)、山元氏は1,520,000株(同19.0%)を所有しております。両氏は安定株主として引き続き一定の議決権を有し、その議決権行使に当たっては、株主共同の利益を追求するとともに、少数株主の利益にも配慮する方針を有しております。また、当社といたしましても、両氏は安定株主であると認識しておりますが、将来的に何らかの事情により大株主である両氏の保有株式数が減少した場合には、当社株式の市場価格及び議決権行使の状況等に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。

① 財政状態の状況及び経営成績の状況

第3期連結会計年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)

当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルスの感染拡大とそれに伴う緊急事態宣言の発出、まん延防止等重点措置の適用などが続き、経済活動および社会活動が大きく制限される状態が1年のうち大部分を占めることとなりました。2022年3月にまん延防止等重点措置が解除され、直接的な制限が解除された後も、新型コロナウイルス陽性判明者数は高止まりが続いており、自主的に外出自粛を続ける方も存在するなど、依然として経済活動および社会活動の正常化からは遠い状態にあります。

このような環境のもと、当社グループにおきましては、定期購読の雑誌「ハルメク」の読者数が40万人を超えました。新規読者の大量獲得ができる特集が増えてきたところに加え、TV放映の影響もあり、大きく過去最高を更新し、女性誌発行部数No.1の座をより強固なものとしております。更に通信販売も新聞広告などで顧客数を増やし、大きく売上を伸ばすことができました。

以上の結果、当連結会計年度における経営成績は、売上収益25,233百万円(前連結会計年度比66.7%増)、営業利益1,358百万円(前連結会計年度比125.8%増)、税引前利益1,172百万円(前連結会計年度比147.1%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益796百万円(前連結会計年度比163.7%増)となりました。なお、前連結会計年度は2020年8月4日を移行日とした2020年8月4日から2021年3月31日までのIFRSに基づく経営成績となっております。

 

セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。

なお、セグメント別の売上収益及びセグメント利益又は損失は社内の迅速な意思決定に資するため、会計処理の一部について、IFRSと異なる処理を採用しております。

 

a.ハルメク事業セグメント

ハルメク事業は、雑誌「ハルメク」により獲得した読者の方々に雑誌の世界観を実体験して頂けるような商品を通信販売や店舗で販売することや、オンラインを含む各種イベントにご参加頂くことで収益を得ている事業となります。そのほか、シニア女性へのアプローチを行いたい法人から広告出稿を頂くなどの取引をしております。

当連結会計年度においては、雑誌「ハルメク」が過去最高読者数を更新したほか、新聞広告による集客も好調に推移し、売上収益18,779百万円(前連結会計年度比74.6%増)、セグメント利益767百万円(前連結会計年度比184.7%増)となりました。

 

b.全国通販事業セグメント

全国通販事業は、新聞広告などで集客したお客様へ通販カタログ「ことせ」を送付し、通信販売で商品等を提案・販売し、収益を獲得している事業となります。こちらもハルメク事業同様にシニア女性をターゲットとしておりますが、販売している商品の価格がハルメク事業とは異なっており、主に商品の価格帯によってハルメク事業との棲み分けを行っております。2020年3月期まで3期連続で赤字が続いてしまった事業でありましたが、前連結会計年度よりカタログの配布方針の見直しなど、収益改善に取り組んでおります。

当連結会計年度においては、収益性を確保しながら顧客数獲得を進めた結果、売上収益6,757百万円(前連結会計年度比47.3%増)、セグメント利益97百万円(前連結会計年度比763.5%増)となりました。

 

また、財政状態については次のとおりであります。

(資産)

当連結会計年度末における資産合計は18,304百万円となり、前連結会計年度末に比べ475百万円増加いたしました。

流動資産は8百万円減少し、4,843百万円となりました。主な要因は、売上の増加に伴う棚卸資産の増加353百万円、配当金受取額増加に伴う源泉所得税額の増加などによる未収法人所得税の増加187百万円、資本付随費用の繰延などによるその他の流動資産の増加174百万円、売上の増加に伴う営業債権の増加147百万円、次期システム投資や借入金の返済などによる現金及び現金同等物の減少870百万円であります。

非流動資産は483百万円増加し、13,460百万円となりました。主な要因は、次期システム投資による無形資産の増加393百万円、オフィス増床に伴う有形固定資産の増加53百万円、繰延税金資産の減少49百万円等であります。

 

(負債)

当連結会計年度末における負債合計は16,480百万円となり、前連結会計年度末に比べ317百万円減少いたしました。

流動負債は749百万円増加し、8,255百万円となりました。主な要因は、新規借入による借入金の増加397百万円、読者の増加などによる契約負債の増加345百万円等であります。

非流動負債は1,067百万円減少し、8,225百万円となりました。主な要因は、返済による借入金の減少804百万円、支払によるリース債務の減少163百万円等であります。

 

(資本)

当連結会計年度末における資本合計は1,823百万円となり、前連結会計年度末に比べ792百万円増加いたしました。これは主に親会社の所有者に帰属する当期利益を796百万円計上したことによるものです。

 

第4期第3四半期連結累計期間(自 2022年4月1日 至 2022年12月31日)

当第3四半期連結累計期間における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の感染再拡大があったものの、ウィズコロナの生活様式が浸透してきたことや、水際対策の大幅な緩和も受けて、国内消費に持ち直しの兆しが見られました。しかしながら、ウクライナ情勢の長期化や、急激な円安の進行により、原材料やエネルギー価格及び物流コストの高騰を背景とした物価上昇が加速しており、景気の先行きは依然として不透明な状況が続いております。

このような環境のもと、当社グループにおきましては、雑誌「ハルメク」で多くの新規読者を獲得できる特集が増えてきたことや、2022年1月および5月の雑誌「ハルメク」編集長TV出演の後押しを受け、前期に引き続き読者数を大きく伸ばしております。その結果、2022年1月~6月における一般社団法人日本ABC協会「発行社レポート」において、コミック誌を除く雑誌全体の販売部数で1位(44万部)を獲得いたしました。更にその後も順調に読者数を伸ばしており、2022年12月号においては定期購読者数が初めて50万人を突破するなど、好調に推移しております。

また物販におきましても、「ものは少なく、暮らしは豊かに♪」という通販コアバリューを新たに定め、「ハルメク通販5つのお約束」に沿った商品をお客様にお届けすることで、売上を伸ばしております。

 

通販コアバリュー(ハルメク通販5つのお約束):ものは少なく、暮らしは豊かに♪

① たくさんの商品から選んで頂くのではなく、「最もいいものだけ」をご提案します。

② 50代からの女性が「これがほしかった」と思える唯一無二のものを作ります。

③ 「安心して長く使える」ように、ハルメク基準で厳しく品質管理します。

④ 売ったら終わりではなく、皆さまのお声で改良。「ずっとご愛用いただける」ように。

⑤ 「もったいない」の気持ちを大切に、使わなくなったものは社会と環境のために役立てます。

 

上記通販コアバリューに基づき生み出した商品は、雑誌「ハルメク」読者への販売のほか、新聞広告や自社ECサイトを通じて読者以外のお客様への販売を増やすことにも成功しております。また、新型コロナウイルス感染症影響の軽減により店舗への来店客も大きく増加し、売上を順調に伸ばしております。新型コロナウイルス感染症に関わる行動制限の解除を受け、リアルイベントを再開し、直接お客様にハルメクの世界観を体験頂ける機会が増加してきたことだけでなく、コロナ禍の行動制限下において培った充実したオンラインイベント、リアルイベントとオンラインイベントを組み合わせたハイブリッド型のイベントなども実施し、ご好評を頂いております。

さらに8月にはWeb新サービス「ハルメク365」をリリースしております。「ハルメク365」は「観る・聴く・学ぶ・つながる」をテーマに、24時間・365日いつでもどこでも楽しめる月額定額制のサービスです。これまで雑誌で提供していた「読んで役立つ」コンテンツに加え、ファッション・美容・料理レシピ・脳トレ・エクササイズなど、毎日が楽しくなる動画を大幅に追加しております。そのほか、雑誌「ハルメク」の人気講師陣によるリアル&オンライン講座も毎月開催するなど、文字通り365日飽きることなく楽しめるコンテンツ作りに取り組んでおります。

以上の結果、当第3四半期連結累計期間の売上収益は、22,966百万円(前年同期比3,050百万円増、15.3%増)、営業利益は2,138百万円(前年同期比762百万円増、55.4%増)、税引前四半期利益は、2,009百万円(前年同期比772百万円増、62.5%増)、親会社の所有者に帰属する四半期利益は、1,346百万円(前年同期比507百万円増、60.4%増)となりました。

 

セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。

なお、セグメント別の売上収益及びセグメント利益又は損失は社内の迅速な意思決定に資するため、会計処理の一部について、IFRSと異なる処理を採用しております。

 

a.ハルメク事業セグメント

当第3四半期連結累計期間においては、深い顧客理解に基づく読者に寄り添った誌面作りに加え、TV放映の後押しも受け、雑誌「ハルメク」の読者数を大きく伸ばしたこと、通販コアバリューに沿った、ライフスタイル提案としての商品提供が進んだこと、個別商品の新聞広告により読者以外の顧客獲得も大きく伸長したことなどから、売上を大きく伸ばすことができました。また販売費及び一般管理費についても、値上げ局面のなかで適切に抑制できたことにより、セグメント利益につきましても大幅に増加しております。

以上の結果、売上収益は17,584百万円(前年同期比2,753百万円増、18.6%増)、セグメント利益は1,552百万円(前年同期比707百万円増、83.6%増)となりました。

 

b.全国通販事業セグメント

当第3四半期連結累計期間においては、アパレルを中心に魅力的なオリジナル商品を増やしたことと、積極的な新聞広告投資を行ったことにより、顧客数は順調に増加し、売上も伸ばすことができました。一方、今後の事業成長に向け、新規顧客獲得に向けた新聞広告投資を進めたことから、セグメント利益は前年同期比で減少しております。

以上の結果、売上収益は5,592百万円(前年同期比341百万円増、6.5%増)、セグメント利益は111百万円(前年同期比17百万円減、13.8%減)となりました。

 

また、財政状態については次のとおりであります。

(資産)

当第3四半期連結会計期間末における資産合計は、前連結会計年度末と比べ3,654百万円増加し21,958百万円となりました。

流動資産は3,720百万円増加し、8,563百万円となりました。主な要因は、営業債権の増加1,732百万円、現金及び現金同等物の増加1,636百万円、棚卸資産の増加506百万円であります。いずれも11月から12月にかけて大きな売上を計上する感謝市を行っていることに伴うものであり、12月に売上収益が増加したことにより、営業債権、現金及び現金同等物が増加しております。また、在庫を豊富に用意し、お客様からのご注文に備えていることにより、棚卸資産も増加しております。

非流動資産は65百万円減少し、13,394百万円となりました。主な要因は、無形資産の減少46百万円、使用権資産の減少23百万円、有形固定資産の減少17百万円、保証金の差入などによるその他の金融資産の増加41百万円等であります。減少理由についてはいずれも減価償却によるものであります。

 

 

(負債)

当第3四半期連結会計期間末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ2,305百万円増加し18,786百万円となりました。

流動負債は1,628百万円増加し、9,883百万円となりました。主な要因は、営業債務及びその他の債務の増加2,748百万円、契約負債の増加202百万円、未払法人所得税の増加155百万円、償還による償還条項付優先株式の減少1,030百万円、返済による借入金の減少257百万円等であります。営業債務及びその他の債務の増加は、11月から12月にかけて感謝市を行っていることに伴い、多くの商品を仕入れていることによるものであります。また、契約負債の増加は、雑誌「ハルメク」読者数の増加に伴うものであります。

非流動負債は676百万円増加し、8,902百万円となりました。主な要因は、新規借入による借入金の増加640百万円等であります。

 

(資本)

当第3四半期連結会計期間末における資本合計は、前連結会計年度末に比べ1,349百万円増加し3,172百万円となりました。主な要因は、親会社の所有者に帰属する四半期利益の計上によるものであります。

 

② キャッシュ・フローの状況

第3期連結会計年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ870百万円減少し、964百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

なお、前期は2020年8月4日を移行日とした2020年8月4日から2021年3月31日までのIFRSに基づくキャッシュ・フローとなっております。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果、得られた資金は881百万円(前連結会計年度は870百万円の獲得)となりました。主な増加要因は税引前利益1,172百万円(前連結会計年度比698百万円増)、減価償却費及び償却費628百万円(前連結会計年度は398百万円)であり、主な減少要因は法人所得税等の支払額549百万円(前連結会計年度は200百万円)、棚卸資産の増加額353百万円(前連結会計年度は301百万円)であります。減価償却費及び償却費は固定資産の取得により増加しております。なお、前連結会計年度は2020年8月4日を移行日とした2020年8月4日から2021年3月31日までの8ヶ月間であり、これが前連結会計年度との主な変動要因であります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果、使用した資金は773百万円(前連結会計年度は215百万円の使用)となりました。主な内訳は、次期システム投資などによる無形資産の取得600百万円(前連結会計年度は150百万円)、オフィス増床に伴う有形固定資産の取得103百万円(前連結会計年度は38百万円)であります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果、使用した資金は978百万円(前連結会計年度は438百万円の使用)となりました。これは主に長期借入金の返済による支出838百万円(前連結会計年度は201百万円)によるものであります。なお、前連結会計年度は2020年8月4日を移行日とした2020年8月4日から2021年3月31日までの8ヶ月間であり、これが前連結会計年度の使用との主な変動要因であります。

 

第4期第3四半期連結累計期間(自 2022年4月1日 至 2022年12月31日)

当第3四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ1,636百万円増加し、2,601百万円となりました。

当第3四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果、得られた資金は2,901百万円(前年同期は1,079百万円の獲得)となりました。主な増加要因は、税引前四半期利益2,009百万円(前年同期比772百万円増)、営業債務及びその他の債務の増加額2,784百万円(前年同期は1,769百万円)、減価償却費及び償却費507百万円(前年同期は468百万円)、法人所得税の還付額193百万円(前年同期は25百万円)等であり、主な減少要因は営業債権の増加額1,732百万円(前年同期は1,295百万円)、法人所得税の支払額585百万円(前年同期は444百万円)等であります。いずれも、前年同期との主な変動要因は売上の増加によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果、使用した資金は323百万円(前年同期は651百万円の使用)となりました。主な内訳は、基幹システムの更新に伴う無形資産の取得による支出266百万円(前年同期は505百万円)、有形固定資産の取得による支出16百万円(前年同期は86百万円)等であります。前年同期との主な変動要因は、前年同期において大きなシステム投資やオフィスの増床を行ったことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果、使用した資金は940百万円(前年同期は678百万円の使用)となりました。支出の内訳は、償還条項付優先株式の償還による支出1,000百万円(前年同期の支出はありません)、短期借入金の返済による支出830百万円(前年同期の支出はありません)、リース負債の返済による支出309百万円(前年同期は284百万円)、長期借入金の返済による支出201百万円(前年同期は637百万円)であり、収入の内訳は、長期借入れによる収入1,000百万円(前年同期の収入はありません)、短期借入れによる収入400百万円(前年同期は242百万円)であります。

 

③ 生産、受注及び販売の状況

a.仕入実績

第3期連結会計年度及び第4期第3四半期連結累計期間における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

第3期連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

第4期第3四半期連結累計期間

(自 2022年4月1日

至 2022年12月31日)

仕入高(百万円)

前期比(%)

仕入高(百万円)

ハルメク事業

6,856

170.8

6,671

全国通販事業

3,001

149.5

2,473

合計

9,857

163.7

9,143

 

(注) 1.金額は、仕入価格によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3.第3期連結会計年度における前期比の算出に用いた数値は2020年8月4日を移行日とした2020年8月4日から2021年3月31日までのIFRSに基づく仕入実績であります。

4.第3期連結会計年度における仕入高増加の主な要因は、注3に記載のとおり前期比の算出に2020年8月4日から2021年3月31日の8ヶ月間の数値を用いていること、および売上の増加に伴う商品仕入の増加によるものであります。

 

b.受注実績

受注生産を行っておりませんので、受注実績に関する記載はしておりません。

 

c.販売実績

第3期連結会計年度及び第4期第3四半期連結累計期間における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

第3期連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

第4期第3四半期連結累計期間

(自 2022年4月1日

至 2022年12月31日)

販売高(百万円)

前期比(%)

販売高(百万円)

ハルメク事業

18,779

174.6

17,584

全国通販事業

6,757

147.3

5,592

報告セグメント計

25,536

166.4

23,177

調整額

△303

△210

合計

25,233

166.7

22,966

 

(注) 1.総販売金額に対する割合が10%以上を超える相手先はありません。

2.第3期連結会計年度における前期比の算出に用いた数値は2020年8月4日を移行日とした2020年8月4日から2021年3月31日までのIFRSに基づく販売実績であります。

3.第3期連結会計年度における販売高増加の主な要因は、注2に記載のとおり前期比の算出に2020年8月4日から2021年3月31日の8ヶ月間の数値を用いていること、および顧客数の増加によるものであります。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、IFRSに基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、決算日における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような会計上の見積り及び判断を必要としております。当社グループは、過去の実績や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、会計上の見積りを行っておりますが、見積りの不確実性により、実際の結果がこれら見積りと異なる可能性があります。

なお、当社グループの連結財務諸表の作成にあたって用いた重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載しております。

 

② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績

第3期連結会計年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)

(売上収益)

売上収益は25,233百万円(前連結会計年度比66.7%増)となりました。これは主に定期購読の雑誌「ハルメク」の読者数が40万人と大きく過去最高を更新し、更に通信販売も新聞広告などで顧客数を増やしたことによるものです。なお、前連結会計年度は2020年8月4日を移行日とした2020年8月4日から2021年3月31日までのIFRSに基づく経営成績となっております。

(売上原価・売上総利益)

売上収益の増加により、売上原価は10,942百万円(前連結会計年度比61.6%増)となり、売上総利益は14,290百万円(前連結会計年度比70.8%増)となりました。

(販売費及び一般管理費・その他の収益・その他の費用・営業利益)

広告宣伝費が1,816百万円増加したこと、従業員給付費用が1,295百万円増加したことなどから、販売費及び一般管理費は12,950百万円(前連結会計年度比66.6%増)となりました。その他の収益は55百万円(前連結会計年度比34.3%増)、その他の費用は37百万円(前連結会計年度比17.7%増)となり、営業利益は1,358百万円(前連結会計年度比125.8%増)となりました。

(金融収益・金融費用・税引前利益)

金融収益は0百万円(前連結会計年度比7.75%減)、金融費用は186百万円(前連結会計年度比46.5%増)となりました。これは当連結会計年度における借入期間が前年同期比で長いことから、借入金に対する支払利息が22百万円増加したことによるものです。

以上の結果、税引前利益は1,172百万円(前連結会計年度比147.1%増)となりました。

(法人所得税費用・親会社の所有者に帰属する当期利益)

法人所得税費用は376百万円(前連結会計年度比118.0%増)となり、親会社の所有者に帰属する当期利益は796百万円(前連結会計年度比163.7%増)となりました。

 

なお、セグメントごとの経営成績は以下のとおりであります。

なお、セグメントごとの売上収益及びセグメント利益又は損失は社内の迅速な意思決定に資するため、会計処理の一部について、IFRSと異なる処理を採用しております。

 

[ハルメク事業]

雑誌販売および通信販売を中心とするハルメク事業の売上収益は18,779百万円、営業利益は767百万円となりました。

当連結会計年度においては、事前想定よりも長期化した新型コロナウイルスの感染拡大に伴う通信販売への顧客流入を最大限取り込むべく、積極的な広告展開を行い、通信販売顧客数を大きく伸ばし、売上を伸長すると共に、雑誌「ハルメク」においてはコンテンツ強化や雑誌「ハルメク」編集長のTV出演などの広報活動拡大により、雑誌「ハルメク」読者数は創業以来初の40万人を超すことができました。これら施策の結果、売上収益は前年比で大きく伸長することができましたが、新規読者・顧客獲得のための先行投資的支出により広告宣伝費等が増加し、営業利益は前年並みとなっております。

 

 

[全国通販事業]

通信販売を行っている全国通販事業の売上収益は6,757百万円、営業利益は97百万円となりました。

全国通販事業においては、3期連続で続いていた赤字からの脱却を果たした前期の黒字体質を維持しつつ、顧客獲得を進めることを第3期連結会計年度における最大の課題として取り組みました。その結果、顧客数および売上収益は前年比で伸長に転じることができ、営業利益も前年並み水準を確保できております。

 

第4期第3四半期連結累計期間(自 2022年4月1日 至 2022年12月31日)

(売上収益)

売上収益は22,966百万円(前年同期比15.3%増)となりました。これは主に定期購読の雑誌「ハルメク」の読者数が50万人と大きく過去最高を更新し、更に通信販売においても新聞広告や自社ECサイトを通じて顧客数を増やしたことによるものです。

(売上原価・売上総利益)

売上収益の増加により、売上原価は10,024百万円(前年同期比16.4%増)となり、売上総利益は12,942百万円(前年同期比14.5%増)となりました。

(販売費及び一般管理費・その他の収益・その他の費用・営業利益)

広告宣伝費が757百万円増加したことから、販売費及び一般管理費は10,803百万円(前年同期比8.8%増)となりました。その他の収益は8百万円(前年同期比65.9%減)、その他の費用は8百万円(前年同期比67.9%減)となり、営業利益は2,138百万円(前年同期比55.4%増)となりました。

(金融収益・金融費用・税引前四半期利益)

金融収益は0百万円(前年同期比44.1%減)、金融費用は129百万円(前年同期比7.5%減)となりました。

以上の結果、税引前四半期利益は2,009百万円(前年同期比62.5%増)となりました。

(法人所得税費用・親会社の所有者に帰属する四半期利益)

法人所得税費用は662百万円(前年同期比66.9%増)となり、親会社の所有者に帰属する四半期利益は1,346百万円(前年同期比60.4%増)となりました。

 

なお、セグメントごとの経営成績は以下のとおりであります。

 

[ハルメク事業]

当第3四半期連結累計期間においては、深い顧客理解に基づく読者に寄り添った誌面作りに加え、TV放映の後押しも受け、雑誌「ハルメク」の読者数を大きく伸ばしたこと、通販コアバリューに沿った、ライフスタイル提案としての商品提供が進んだこと、個別商品の新聞広告により読者以外の顧客獲得も大きく伸長したことなどから、売上を大きく伸ばすことができました。また販売費及び一般管理費についても、値上げ局面のなかで適切に抑制できたことにより、セグメント利益につきましても大幅に増加しております。

以上の結果、売上収益は17,584百万円(前年同期比2,753百万円増、18.6%増)、セグメント利益は1,552百万円(前年同期比707百万円増、83.6%増)となりました。

 

[全国通販事業]

当第3四半期連結累計期間においては、アパレルを中心に魅力的なオリジナル商品を増やしたことと、積極的な新聞広告投資を行ったことにより、顧客数は順調に増加し、売上も伸ばすことができました。一方、今後の事業成長に向け、新規顧客獲得に向けた新聞広告投資を進めたことから、セグメント利益は前年同期比で減少しております。

以上の結果、売上収益は5,592百万円(前年同期比341百万円増、6.5%増)、セグメント利益は111百万円(前年同期比17百万円減、13.8%減)となりました。

 

b.財政状態の分析

財政状態の分析については、「(1)経営成績等の状況の概要①財政状態の状況及び経営成績の状況」に含めて記載しております。

c.キャッシュ・フローの状況の分析

キャッシュ・フローの状況の分析については、「(1)経営成績等の状況の概要②キャッシュ・フローの状況」に含めて記載しております。

d.経営成績に重要な影響を与える要因

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」及び「第2 事業の状況1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。

 

③ 資本の財源及び資金の流動性

当社グループの運転資金需要の主なものは、商品仕入れ代金、用紙等仕入れ代金、人件費等であります。資金の流動性を安定的に確保することを目的とし、資金需要の額や使途に合わせて自己資金、金融機関からの借入及びエクイティファイナンス等で資金調達することを基本方針としております。なお、これらの資金調達方法の優先順位等に特段の方針はなく、資金需要の額や使途に合わせて柔軟に検討を行う予定です。

 

④ 経営方針、経営戦略又は経営上の目標の達成を判断するための客観的な指標等の分析

経営方針、経営戦略又は経営上の目標の達成を判断するための客観的な指標等につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、読者数と顧客数を経営指標として重視しております。読者数を重視する理由は、雑誌「ハルメク」の読者は、ハルメクの世界観に共感して頂いている非常にロイヤリティが高いお客様であり、「物販」「コミュニティ」といった他事業とのクロスセル率が高い、もしくは、今後、そういったお客様になって頂ける可能性が高い、非常に重要なお客様であるためであります。顧客数を重視する理由は、当社の経営理念である「50代からの女性がよりよく生きることを応援します」であるのですが、顧客数は「実際に応援できている50代からの女性の人数」を表しているものであるためであります。

 

各指標の実績等は以下のとおりであります。

経営指標

2018年3月期

2019年3月期

2020年3月期

2021年3月期

2022年3月期

2022年12月末

実績

(万人)

前期比

(%)

実績

(万人)

前期比

(%)

実績

(万人)

前期比

(%)

実績

(万人)

前期比

(%)

実績

(万人)

前期比

(%)

実績

(万人)

読者数

18

25

136

31

126

38

121

42

112

50

顧客数

87

95

109

82

86

90

110

110

122

127

ハルメク事業

32

37

116

45

120

59

131

75

127

89

全国通販事業

55

58

106

37

64

31

83

35

114

38

 

 

読者数は、顧客のインサイトに基づくコンテンツの絶え間ない磨き上げ及びマーケティング手法の開拓、PRの強化により堅調に推移していると認識しております。

顧客数についても、全国通販事業の構造改革により、2020年3月期に減少したものの回復傾向にあり、ハルメク事業は読者数及び新聞単品外販の好調により、堅調に推移していると認識しております。

 

4 【経営上の重要な契約等】

(1) 当社と株式会社みずほ銀行との間のタームローンに関する契約

当社は2022年3月29日付で株式会社みずほ銀行をエージェントとする金銭消費貸借契約(以下「タームローン契約」という。)を締結しております。当該タームローン契約の主な契約内容は、以下のとおりであります。

 

① 契約の相手先

株式会社みずほ銀行、その他3社

② 借入金額

タームローンA 当初借入金額 1,814百万円

タームローンB 当初借入金額 3,480百万円

タームローンC  当初借入金額 1,000百万円

コミットメントライン 設定枠 1,000百万円

なお、タームローンC及びコミットメントラインについては2022年3月末時点で貸付に係る借入の申込が行われていないため、残高はありません。

③ 返済期限

タームローンA:2026年7月末日を最終返済日とする分割返済

タームローンB:2026年7月末日に一括返済

タームローンC:2026年7月末日を最終返済日とする分割返済

コミットメントライン:1年間(自動更新)

④ 利率

TIBOR(東京銀行間取引金利)+スプレッド

スプレッドは、タームローン契約において予め定められた料率

⑤ 主な借入人の義務
イ.借入人グループ会社の決算書類を提出する義務
ロ.財務制限条項を遵守すること

 

当社の借入金について財務制限条項が付されており、当該条項に抵触した場合、当社は期限の利益を喪失し、借入先の要求に基づいて借入金を一括返済する可能性があります。

当社の借入金に付されている財務制限条項は、以下のとおりであります。

a 2022年3月期以降の各決算期末(直近12ヶ月)における借入人を頂点とする連結ベースの営業利益が2期連続して損失とならないこと。

b 2022年3月期以降の各決算期末における借入人を頂点とする連結ベースの資本合計が直前の決算期末における借入人を頂点とする連結ベースの資本合計の80%以上であること。

c 2022年3月期以降の各決算期末における借入人を頂点とする連結ベースの債務償還年数(※)を10年以下に維持すること。

 

(※)債務償還年数=((A+B)-(C+D))÷(E+F+G)

A=基準日現在における対象会社グループ会社の有利子負債

B=基準日現在におけるA種優先株式の取得請求権・取得条項に係る取得価額

C=基準日現在における対象会社グループ会社の正常運転資金

D=基準日現在における対象会社グループ会社の現預金

E=基準日から直近12ヶ月間における対象会社グループ会社の当期利益(2021年3月期については、本MBO取引に係る買収関連諸費用(当期利益の計算上、控除されており、かつ、当初プロジェクションに記載されているものに限る。))を足し戻すものとする。

F=基準日現在における対象会社グループ会社の減価償却費

G=基準日現在における対象会社グループ会社ののれん償却費

 

 

正常運転資金(C)=H+I-J

H=基準日現在における対象会社グループ会社の売掛債権の残高

I=基準日現在における対象会社グループ会社の棚卸資産の残高

J=基準日現在における対象会社グループ会社の買掛債務の残高

 

(2) 当社と(旧)株式会社ハルメクホールディングスとの間の吸収合併に関する契約

当社は、2021年7月19日開催の取締役会において、当社を存続会社、(旧)株式会社ハルメクホールディングスを消滅会社とすることを決議し、同日付で吸収合併契約を締結し、2021年10月1日付で実行いたしました。

 

上記の企業結合の詳細等につきましては、「第5 経理の状況 2 財務諸表等 注記事項 企業結合等関係」に記載のとおりであります。

 

5 【研究開発活動】

第3期連結会計年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)

当連結会計年度の研究開発活動におけるセグメントごとの研究開発活動を示すと次のとおりであります。

(1) ハルメク事業

新たなデジタルコンテンツプラットフォーム(ハルメク365)に関する研究開発活動をしております。又、通販事業では新商品開発に関する研究開発活動をしております。当連結会計年度における研究開発費の金額は84百万円であります。

(2) 全国通販事業

通販事業で新商品開発に関する研究開発活動をしております。当連結会計年度における研究開発費の金額は1百万円であります。

 

第4期第3四半期連結累計期間(自 2022年4月1日 至 2022年12月31日)

当第3四半期連結累計期間の研究開発活動におけるセグメントごとの研究開発活動を示すと次のとおりであります。

(1) ハルメク事業

通販事業で新商品開発に関する研究開発活動をしております。当第3四半期連結累計期間における研究開発費の金額は49百万円であります。

(2) 全国通販事業

通販事業で新商品開発に関する研究開発活動をしております。当第3四半期連結累計期間における研究開発費の金額は0百万円であります。