当中間会計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当中間会計期間の末日現在において判断したものであります。なお、当社は、前中間会計期間については中間財務諸表を作成していないため、前年同期累計期間との比較分析は行っておりません。
(1)財政状態の状況
(資産)
当中間会計期間末における流動資産は4,571,861千円となり、前事業年度末に比べ726,701千円減少いたしました。これは主として、前事業年度末に完了した案件の代金回収により受取手形、売掛金及び契約資産が705,038千円減少したことによるものであります。固定資産は1,258,796千円となり、前事業年度末に比べ41,779千円増加いたしました。これは主として、2025年10月のWindows10のサポート終了を見据えた段階的な業務用パソコンの入替えにより有形固定資産が16,961千円、前年度より進めてまいりました品質管理システムの更新により無形固定資産が22,757千円増加したことによります。
この結果、総資産は5,830,657千円となり、前事業年度末に比べ684,922千円減少いたしました。
(負債)
当中間会計期間末における流動負債は2,399,873千円となり、前事業年度末に比べ661,695千円減少いたしました。これは主として、前事業年度の大型案件で調達した商品等の支払いにより買掛金が452,889千円、前事業年度末の繁忙期に発生した社員立替金等の精算に伴い未払費用が108,760千円減少したことによります。固定負債は1,548,295千円となり、前事業年度末に比べ8,825千円増加いたしました。これは主として、退職給付引当金の積立て10,233千円によるものであります。
この結果、負債合計は3,948,169千円となり、前事業年度末に比べ652,869千円減少いたしました。
(純資産)
当中間会計期間末における純資産合計は1,882,488千円となり、前事業年度末に比べ32,052千円減少いたしました。これは主として、中間純利益114,664千円及び剰余金の配当146,717千円によるものであります。
この結果、自己資本比率は32.3%(前事業年度末は29.4%)となりました。
(2)経営成績の状況
当中間会計期間におけるわが国経済は、一部に足踏みが残るものの、緩やかに回復しております。個人消費は物価高の影響を受けつつも、持ち直しております。また、設備投資は高水準の企業収益を背景に底堅く推移しております。
当社を取り巻くIT市場では、企業や社会が抱えるさまざまな課題解決を目的として、業種を問わずDX関連への投資が増加しております。
このような環境の中、当社では前中期経営計画1年目の進捗で明らかになった課題への対策を検討したうえで見直しを図り、2025年3月期から2027年3月期を対象とした新中期経営計画を策定し、2024年7月25日に発表いたしました(https://ssl4.eir-parts.net/doc/7120/tdnet/2477747/00.pdf)。新中期経営計画では、3ヶ年の最重要テーマを「成長と収益力向上」と定め、売上高CAGR(年平均成長率)5.6%、2027年3月期には営業利益率5.2%を目指してまいります。
当事業年度は、2024年4月に新入社員77名を迎えてスタートいたしました(前事業年度は47名)。6月の営業部門及び事務部門への配属を皮切りに、7月以降に各支店にカスタマエンジニアとして配属された従業員は、現場OJTを開始しております。また、23名が社内研修と必要資格取得を完了し、取引先への派遣を開始しました。当中間会計期間においては、新入社員の研修期間中の人件費等の増加により、営業利益が前年比で減少しておりましたが、新入社員の本配属等により今後は回復していく見込みです。
当中間会計期間においては、2024年6月に開始し、同年12月に義務化される訪問看護ステーションにおけるオンライン資格確認及びオンライン請求の導入に必要なレセプト(医療機関等が保険者に医療費を請求するために発行する診療報酬明細書)作成用のソフト、パソコン、ネットワーク回線整備の需要が多くありました。これらは、引き続き保守の受託にもつながっております。
また、2025年10月にWindows10のサポートが終了することに伴い、パソコンの新規導入や入替とそれに伴うキッティングの依頼が増加してまいりました。
2024年2月に移転・拡充したテクニカルセンターは、当社が保守を受託している自動錠剤包装機、注射薬払出機、適温配膳車等の実機やスマートグラスを用いた遠隔支援システムのデモンストレーション、コールセンターの様子等をご覧いただくことが可能なショールーム仕様となっております。積極的なプロモーションを図り、当中間会計期間においては、45件の見学会を実施いたしました。テクニカルセンターは、その物流の優位性、コールセンターメンバーの正社員比率の高さ、遠隔作業支援システムを活用した保守、自家用非常用発電機による停電対策、多様な機器への保守対応が可能という点について、既存取引先のみならず新規取引先からも好評を得ており、新規案件創出に繋がっております。
この結果、当中間会計期間の業績は、売上高7,605,681千円(前年同中間期比0.9%増)、営業利益173,646千円(前年同中間期比14.0%減)、経常利益178,579千円(前年同中間期比13.6%減)、中間純利益114,664千円(前年同中間期比13.8%減)となりました。業績に関しては、当事業年度の計画に対して順調に推移しております。
なお、当社ではソリューション事業における官公庁・自治体等向けの売上高が年度末に集中するため、上半期と比較して下半期の特に2月と3月の売上高が多くなるといった業績の季節的変動があります。
セグメントの業績は、次の通りであります。
なお、「セグメント利益」は、本源的な事業の業績を図るために、本社管理部門の販売費及び一般管理費配賦前の営業損益を示しており、各報告セグメントの全社への貢献を明確化した利益指標であります。
保守サービス事業
事業の主軸であるウィーメックス株式会社(PHC株式会社メディコム事業部とPHCメディコム株式会社が2023年4月に統合)製電子カルテシステム、レセプトコンピュータの保守は、既存顧客の機器リプレース時に契約形態を当社と顧客がメディコムハード保守契約を直接締結する方式から、顧客とベンダーが保守契約を締結し、ベンダーから当社がハードに係る保守を受託し保守料を受領するシステムサポート契約方式への切り替えが、当中間会計期間においても進んだため、売上実績は減少傾向にあります。一方でこの契約方式になることで、これまで未契約であった顧客との契約締結が促進されていることから、契約件数は増加傾向にあり、利益は増加しております。
当中間会計期間は、ソリューション事業において訪問看護ステーションにおけるオンライン資格確認及びオンライン請求の導入に係る案件が増加しておりますが、その後の機器の保守についても引き続き受託できております。
また、新たに空港内システムの保守を開始いたしました。その他、既存取引先であるメーカーからの保守エリア拡大要請、医療機器メーカー等の新規取引先からの保守やヘルプデスク等の運用保守依頼も増加傾向にあり、事業全体は順調に成長しております。
更に、スマートグラスを用いた遠隔支援システムを利用したテクニカルセンターからのエンジニアの作業支援により、業務効率化や出動回数の低減が実現し、セグメント利益率が前年よりも向上しております。
この結果、当中間会計期間の業績は、売上高2,415,451千円(前年同中間期比2.3%増)、セグメント利益432,266千円(前年同中間期比5.6%増)となりました。
ソリューション事業
ソリューション事業では、2024年12月に訪問看護ステーションにおけるオンライン資格確認及びオンライン請求が義務化されるのに伴い、導入に必要なレセプト作成用のソフト、パソコン、ネットワーク回線整備の需要が増加し、本社及び全国の拠点において対応してまいりました。また、2025年10月にWindows10のサポートが終了するため、パソコンの新規導入や入替えに係る案件も徐々に増えております。
また、政府が推進する医療DXの施策の1つである、電子カルテ情報共有サービスの実現に向けて、電子カルテの新規導入支援及びクリニック内のネットワーク構築の案件が増加しております。
2023年5月に「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン第6.0版」が策定されました。これは、ネットワークに接続する機会が増えた保険医療機関・薬局におけるセキュリティ対策に関するガイドラインであります。当社が提供するMSK@クラウド及びMSK@あんしんバックアップサービスは、本ガイドラインの要件を満たしたセキュリティ製品であることから、クリニック等からの問合せ及び導入依頼が増えてまいりました。
これらの他、情報通信量の増加に伴い、低軌道衛星を用いてどこでも大容量通信ができる「Starlink」の設置工事への対応機会も増加傾向にあります。
この結果、当中間会計期間の業績は、売上高4,117,352千円(前年同中間期比0.2%減)、セグメント利益250,685千円(前年同中間期比3.3%減)となりました。
前中間会計期間は、2023年9月末を導入期限とする全国の医療機関や薬局におけるオンライン資格確認導入のための機器の設置作業や薬局向け経営管理ソフト等の販売案件多くあり、例年と比較して上半期の売上高の割合が大きくなりました。当中間会計期間は、前年同中間期比では売上高、セグメント利益共に減少しておりますが、計画比ではいずれも上振れしており、事業は順調に進捗しております。
人材サービス事業
人材サービス事業では、2024年9月30日時点で274名が従事しております。4月に入社した新入社員は、教育研修を終了し、7月以降各配属先にて就業を開始しました。よって、従事者数は2024年6月30日時点よりも27名増加しております。
前事業年度中に派遣単価交渉が成立した取引先へは、4月より改定後の価格での派遣を開始しております。それにより売上高、セグメント利益共に前年同期を上回る結果となっております。
この結果、当中間会計期間の業績は、売上高1,072,877千円(前年同中間期比1.9%増)、セグメント利益162,700千円(前年同中間期比9.2%増)となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況
当中間会計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、1,511,742千円となり、前事業年度末に比べ2,361千円増加いたしました。当中間会計期間における各キャッシュ・フローの状況及びそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、313,962千円(前年同期は、1,251,009千円の獲得)となりました。これは主として、税引前中間純利益178,564千円の収入、前事業年度末大型案件の代金回収に伴う売上債権の減少による収入705,038千円、同案件に伴う仕入債務の減少による支出452,889千円があったことによります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、151,820千円(前年同期は、50,141千円の使用)となりました。これは主として、テクニカルセンターの移転に伴う支出87,209千円、品質管理システム更新に伴う支出41,994千円があったことによります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、159,780千円(前年同期は、429,416千円の使用)となりました。これは主として配当金の支払いによる支出146,031千円があったことによります。
(4)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(5)経営方針・経営戦略等
当中間会計期間において、当社が定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(6)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当中間会計期間において、当社が優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(7)研究開発活動
該当事項はありません。
(8)経営成績に重要な影響を与える要因
前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」中の経営成績に重要な影響を与える要因について重要な変更はありません。
(9)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社の運転資金、設備資金等の所要資金につきましては、営業活動で得られた資金を財源としております。大規模なシステム・整備への投資に伴い資金の不足が見込まれる場合には金融機関からの借入による手当を想定しております。また、ソリューション事業の拡大に伴い、大型案件の商品調達に係る資金需要が見込まれますが、こちらについても金融機関からの借入により所要資金の確保を行ってまいります。
また、当社の現金及び現金同等物により、現在必要とされる資金水準を満たす流動性を保持していると考えております。
当中間会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。