第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)会社の経営方針

 当社グループは「もっと多くのビジネスパーソンが世界で活躍するために」をミッションに掲げ、言語・文化の壁を越えた相互理解の促進と、多様な人材の活躍を支援することにより、「人」と「企業」をつなぐ懸け橋となり、グローバルタレントと企業の成長をトータルサポートするソリューションを提供しております。

 

(2)経営戦略

① ランゲージソリューション事業

 当社グループとしては、引き続き効果的な広告宣伝や認知度の向上に通じる様々な施策への投資を積極的に行いつつ、サービスメニューの拡大やレッスン品質の向上を実現することにより、当社独自の事業方針であるビジネスの成功のための英会話レッスンの提供、即ち、「英語を話すことではなく、英語で仕事をすること。」をゴールに掲げ、独自の付加価値の創出に引き続き注力してまいります。

 

 具体的な戦略としては以下を進めていく方針であります。

a.顧客層の拡大

従来、当社の有料会員の英会話レベルは主に中級者層を中心としておりましたが、英会話スキル向上の潜在的ニーズが高い初心者層においても積極的なマーケティング活動や教材開発等を行い、新たな顧客層を拡大すべく施策等を推進してまいります。

 

b.コーチングマーケットの獲得

当社は2021年3月より日本人コンサルタントによるオンライン英語学習コーチング「Bizmates Coaching」の提供を開始しております。当サービスは継続し易い価格帯でコーチングを提供し、当社独自の学習コンテンツ「Bizmates」との組み合わせにより、より効果的な学習方法の確立を実現させることで、新たな付加価値を生み出し事業拡大につなげてまいります。

 

c.オフライン市場の開拓

昨今の旺盛なインバウンド需要の拡大を背景に、法人営業においてはオンライン英会話の提供のみならず、対面でのグループレッスンや集合研修等にも注力してまいります。加えて、当社の強みである商品開発力や商品カスタマイズ力を活かし、より積極的な営業活動により売上高拡大を目指してまいります。

 

d.テクノロジー活用

当社は日々、サービス品質向上のための改善や機能拡充等を行っておりますが、中期的視点においてもテクノロジーを活用することで、受講生の体験価値を最大化し顧客満足度のさらなる向上を図るため、生成AIによるオンライン英会話サービスの品質向上や、学習アプリサービス等の提供を行い、事業拡大に結び付けてまいります。

 

② タレントソリューション事業

「G Talent」

現在、当サービスは多国籍な環境で働きたいIT・機電エンジニアの方を中心に取り扱う人材紹介業でありますが、対象とする求職者層や職種を広げていくことで事業拡大を図り、グローバル人材の総合人材サービスを目指してまいります。

 

「GitTap」

本サービスはダイレクトリクルーティングプラットフォームを展開し、企業とグローバル人材を直接結びつける採用マッチングシステムを提供しておりますが、2020年11月より開始したサービスであり、当面は継続的な機能拡充を進めていくことが重要だと考えております。そのため、システム開発体制の強化を行っていくことで、顧客満足度を向上させ事業の拡大を進めてまいります。

 

(3)事業環境

① ランゲージソリューション事業

 オンライン語学学習市場においては、高品質で高速なインターネット通信やスマートフォンが普及したことや、コロナウイルス感染拡大の影響によりデジタルシフトの定着が進んだことにより、同市場は教室系の語学スクール市場の成長率を上回る水準で拡大しております。また、新たなテクノロジーである生成AIをオンライン英会話サービスの品質向上のために取り入れたり、英会話アプリの展開が活性化していることなどにより、矢野経済研究所「語学ビジネス徹底調査レポート2024」によれば、2023年度の当該市場の規模は、前年度比7.7%増の320億円となり、2024年度につきましては、前年度比6.3%増の340億円と予想されております。

 

② タレントソリューション事業

 デジタル人材紹介サービス市場は、予てからのIT人材不足を背景にIT・デジタル人材を確保(採用)する企業の動きは活発であり、当該市場は拡大成長を維持しています。

 IT・デジタル人材需要の拡大は、IT・デジタル技術の活用による業務プロセスの改善・効率化やビジネス変革の必要性が高まっていることが背景にあり、今後も需要は逼迫することが予想されます。

 そのため、デジタル人材紹介サービスは引き続き高いニーズを維持していくものと考えております。

 

(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループは、安定的な成長を図るため、成長性、収益性及び効率性を重視した経営が必要と認識しております。このため、当社グループでは、売上高、売上総利益、営業利益、売上総利益率、営業利益率及び連結売上高の大部分を占める「Bizmates」の累積有料会員数を経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標としております。

 

(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当社グループの展開する各事業を取り巻く環境については、日本企業におけるグローバル化の進展、英会話ニーズの多様化、新規参入企業の増加による競合の激化等、既存事業者との差別化や収益力の強化を行いより高い事業の成長を目指すため、以下の課題について重点的に取り組みを進めてまいります。

 

(全社)

① IT人材の確保

 競合企業とのサービスの差別化、競争優位性の確立を図るためには、新技術の開発及びそれに基づく新サービスの導入が不可欠であると考えております。これらを実現するためには優秀なITエンジニアの確保が必要になりますが、昨今のIT人材不足によりタイムリーな人材確保が困難な状況となっております。当社グループとしては採用力の強化を図りIT人材の充実化に努めてまいります。

 

② 認知度向上による新規顧客の獲得

 高い成長性を持続し事業を拡大していくためには、継続的に認知度の向上を図り、新規顧客を獲得していくことが必要であると考えております。これまでも各事業セグメントの事業特性に応じて適切な手法を選択し、積極的な広告宣伝活動等の認知向上施策を行って参りましたが、今後もWebマーケティングやターゲット含有率の高いメディア出稿等の効果的な広告宣伝等の活動に注力し、一層の新規顧客の獲得を実現してまいります。

 

③ 内部管理体制の強化

 当社グループとして中長期的に企業価値を向上させるためには経営管理体制の強化や、コーポレートガバナンスの充実に向けた取り組みを行うことが重要だと考えております。従って内部統制に係る体制や法令遵守の強化に向けた体制作りを行ってまいります。

 

④ 優秀な人材の採用と育成

 当社グループが、事業の成長及び経営体制の強化を実現していく上で、優秀な人材の確保・育成は不可欠であります。そこで、当社グループは社員研修制度の充実、公正な人事制度の確立等に取り組むことで、将来、当社グループの核となる優秀な人材の確保・育成を図ってまいります。

 

⑤ 財務体質の強化

優秀な人材の採用や継続的なシステム開発投資や広告宣伝活動等を行うため、事業資金の安定的な確保が必要であると考えております。当社グループは、運転資金は自己資金、金融機関からの借入及びエクイティファイナンス等で資金調達していくことを基本方針としております。なお、これらの資金調達方法の優先順位等に特段方針はなく、資金需要の額や使途に合わせて柔軟に検討を行う予定です。今後も有利子負債とのバランスを勘案しながら自己資本の拡充を図ってまいります。

 

(ランゲージソリューション事業)

① レッスン品質の向上及びサービス拡充

 ビジネス英会話においては今後も、その需要やニーズは拡大していくものと考えており、本事業の目標でもある「ビジネスで成果をあげるために必要なスキル」の提供を行うため、レッスン品質の向上が必要であると考えております。これに対して当社グループとしては、優良トレーナーの確保や継続的なトレーニングを実施し、現状よりもさらに高いクオリティーのレッスン提供を目指してまいります。また、多様化するビジネス英会話ニーズに対応すべく、より新しいコンテンツやレッスン形態を企画し、効果的なラーニング環境を提供するためのシステム開発等、サービスの拡充に積極的に努めてまいります。

 

(タレントソリューション事業)

① 収益化の確立

 本事業は転職エージェントを通じた人材紹介業「G Talent」に加え、自社開発した採用プラットフォーム「GitTap」により、企業とグローバル人材を直接結びつける採用マッチングサービスを展開しております。

 本サービスについてはシステム開発等、継続的に機能拡充を進めていくことが重要だと考えており、当面の間は投資費用が先行しセグメント損失を計上することとなりますが、当社グループの主要事業である「ランゲージソリューション事業」に続く当社グループの事業の第2の柱となることを目指しており、一定の投資期間の終了とともに、高い収益性を有した事業へと成長を遂げることが当社グループ全体の業容の拡大のために必要であると考えております。

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

<サステナビリティに関する考え方>

 当社グループは、「もっと多くのビジネスパーソンが世界で活躍するために」をビジョンに掲げ、企業価値の向上を図るべく各事業に取り組んでいます。

 当社グループにおけるサステナビリティとは、当社の各事業を通じて社会課題の解決に向けた価値を提供する事であり、当社グループの持続的な成長が社会の持続的な発展に貢献するものと考えています。

 事業を通じたサステナビリティに関する取組みにつきましては、当社ホームページ上に公開しております。

 https://www.bizmates.co.jp/sustainability/

 

(1)ガバナンス

 当社グループでは、企業価値の持続的な成長を通じた社会課題の解決を目指しており、企業価値向上の観点からもサステナビリティを巡る課題に対する取組みの重要性を高く認識しております。サステナビリティの観点を含めた戦略決定、重要な業務執行の判断に関しては、取締役会にて行っております。また、当社グループは、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要」に記載のコーポレート・ガバナンス体制及びリスク管理体制を構築しております。

 

(2)戦略

 当社グループの人材の採用・育成及び社内環境整備に関する方針は以下の通りです。

 

① 人材育成方針

 「もっと多くのビジネスパーソンが世界で活躍するために」というミッションの実現に向けて、人、IT、グローバルをキーワードに事業を展開し、成長してきた当社においては、従業員ひとり一人の成長こそが今後の更なる会社の成長に向けた重要な資産であると位置づけています。したがって、従業員教育に対して積極的な取り組みを進めております。

 具体的には、英語のスピーキング力向上に向け、自社オンライン英会話サービス「Bizmates」の1日1回の無料受講制度の提供、加えて外国人人材には自社オンライン日本語サービス「Zipan」の無料受講の機会を提供しています。その他にもビジネススキルの底上げに向けたイーラーニング環境の整備、役職、職種に必要となる能力開発に向けた階層別・職種別研修の計画立案と実施に取り組んでおり、今後も継続的なキャリア形成に向けた教育の計画的実施を予定しています。

 

② 社内環境整備方針

 当社グループでは、社内において国籍や年齢・性別だけでなく、多様な価値観を持つ従業員が働いており、多様性ある従業員ひとり一人の成長が当社のミッション・ビジョンの実現に必要不可欠であると考えています。当社グループで働くひとり一人の従業員が成長し、個々の能力を最大限発揮できる各種制度の仕組みづくりや職場環境づくりを推進します。

 

(3)リスク管理

 当社グループでは、リスク管理体制の充実徹底を図るためリスクコンプライアンス委員会を設置しております。リスクコンプライアンス委員会は、サステナビリティ課題を含む事業等のリスク管理及びコンプライアンス体制の強化・推進を図るため、半期に1回開催されます。

 

(4)指標及び目標

 当社グループでは、人材戦略の浸透度を定量的に図る指標と目標を以下の通り設定しています。

指標

目標

実績

女性管理職比率

30

22.6

平均勤続年数

3.5

2.2

有給休暇取得率

現状水準を維持

85.3

 

3【事業等のリスク】

 本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。また、必ずしもリスク要因には該当しない事項につきましても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。

 また、当社グループでは、リスクコンプライアンス委員会を設置し、定期的に各リスクの発生可能性と経営に対する影響度を勘案し、リスク低減のための施策を通じて、リスクの発生の回避とともに、発生した場合の対応に努めております。

 なお、文中の将来に関する事項は本書提出日現在において当社グループが判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありませんのでご留意下さい。

 

(1)事業環境について

(ランゲージソリューション事業)

① オンライン語学学習市場について

  発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大

 一般家庭の高速通信環境整備の普及やオンライン語学学習の認知拡大により、市場規模は堅調に拡大していく傾向が予想されております。当社としては当該ニーズに対応するため引き続きサービス拡充等を行い顧客満足度の最大化に向けて注力していきますが、当該市場の成長速度が鈍化した場合、または縮小した場合は当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

② 競合について

  発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中

 当社グループはビジネスに特化したオンライン英会話レッスンを提供する会社として、英語力向上のみならず、グローバル人材育成のための独自の付加価値を創出し他社との差別化を図っておりますが、オンライン英会話事業に進出する会社が今後も増加することにより競合他社との競争が激化し、その環境変化への対応や独自の事業モデルの優位性を維持できなくなる場合は、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

(タレントソリューション事業)

① 景気の変動について

  発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中

 転職市場は景気変動に伴う採用動向の変化により影響を受ける傾向にあります。当社としては求職者ネットワークの拡充やシステム開発等によりハイスキルなIT人材の確保に引き続き努めてまいりますが、景気が想定を超えて変動した場合には、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

② 在留外国人数の変動について

  発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中

 当社グループは、外国人ITエンジニアやグローバルIT人材にフォーカスした人材紹介サービス等を提供しており、自社サイトの機能拡充などにより求職者登録数の充実化を図っておりますが、感染症拡大防止等を初めとする何らかの要因により海外人材の流動化が停滞し国外流出が想定以上に長期間にわたり影響を与える場合、外国人人材登録者数が減少し、当社グループの事業に影響を与える可能性があります。

 

③ 競合について

  発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中

 人材紹介やマッチングプラットフォームに関する事業は競合企業が多い状況の中、当社は引き続き「G Talent」や「GitTap」のサービス拡充等を行っておりますが、将来、当社独自のサービス展開や特色を活かせず競合他社との間で差別化を図ることができなくなる場合、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

(2)事業について

(ランゲージソリューション事業)

① レッスン提供時のインターネット環境について

  発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大

 当社グループは自社開発した通信システム等を使用し、トレーナーから日本の受講生へオンライン英会話レッスンを提供しており、当事業の継続的な拡大発展のためには、更なるインターネット環境の整備や利便性の向上が必要と考えております。当社グループとしては外部クラウドサーバーの内部で複数のアベイラビリティゾーンの利用による冗長化の確保やシステム稼働状況の監視等を行っておりますが、インターネットの利用等に関する新たな規制の導入や技術革新、電力供給不足、災害や事故等によって通信ネットワークやサーバーが利用できなくなった場合、コンピュータウイルスによる被害にあった場合、あるいは自社開発のソフトウエアに不具合が生じた場合等によって、オンライン英会話レッスンの提供が困難になった場合には当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

② ソフトウエア開発について

  発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中

 当社グループは、競争優位性を高めるために、新サービスの開発や機能追加を行っておりますが、サービス品質の向上やレッスンの充実のため、今後においてもソフトウエア資産の増加が見込まれております。当社としては特定プロジェクトのシステム開発が開始する都度、将来にわたる収益効果や開発計画の妥当性の検証を慎重に行っておりますが、想定を超えるソフトウエアの開発が必要となった場合には、減価償却費の増加が利益を圧迫する可能性があるほか、想定どおりの収益を獲得できず、営業損失を計上することとなった場合等には減損損失が発生する可能性があります。また、オンライン語学学習におけるAI化など、サービス提供に関するテクノロジーの発展に対応できない、もしくは対応が遅れる場合、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

③ レッスン頻度に係る収益の特徴について

  発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中

 当社グループは英会話レッスンの提供において、有料会員より月額定額料金収入を得ておりますが、レッスン提供費用についてはそのレッスン数に応じてトレーナーへ業務委託料を支払っております。

 今後、オンライン環境での教育提供のニーズがさらに高まり、有料会員1人あたりの平均受講頻度が当社グループの想定以上に増加した場合、トレーナーへの業務委託料が増加することにより、売上原価率が上昇し、当社グループの利益を圧迫する可能性があります。

 反対に語学学習ニーズの低下等、何らかの要因により平均受講頻度が減少した場合、一時的にはトレーナーへの業務委託費用が減少し、利益率は上昇する傾向となりますが、レッスン数と継続率には一定の相関関係が認められるため、有料会員の継続率が低下し、売上高が減少する可能性があります。

 

④ トレーナーの確保及びレッスン品質の維持について

  発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大

 当社グループはビジネス英会話に特化したレッスンを提供するため、今後も高いスキルをもったトレーナーを確保し、品質を維持していくことを基本方針としております。当社グループとしてはトレーナーに対して適宜レッスンフィードバックや品質向上のためのセッション等を設けることによりレッスン品質の維持を図っておりますが、フィリピン国内の経済環境や事業環境の変化等により、十分な人材の確保ができなくなる場合は、レッスン品質の低下を招き当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

⑤ フィリピンのカントリーリスクについて

  発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中

 当社グループはフィリピン在外子会社Bizmates Philippines, Inc.において、主にフィリピン在住のトレーナーの確保、管理を行い日本人受講生へオンライン英会話レッスンを提供しており、また、フィリピン人エンジニアによるシステム開発も行っております。

 フィリピンにおいては実質GDPも順調に成長しており、経済活動も活発化しておりますが、今後、関連法令・税制・政策の制定、改正又は廃止、並びに解釈の相違、政治経済情勢・外交関係の変化、電力・輸送・通信等のインフラの停止・遅延、人件費の上昇、テロ、戦争、伝染病、大規模な台風等の自然災害等が発生し、現地での事業活動に悪影響が生じる場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループとしてはこれらのリスクに対応するため、在外子会社とのコミュニケーションを活発に行い、現地法令等の改正状況の注視や事業環境の変化等を速やかに察知できる体制を構築しております。

 

⑥ 特定サービスへの依存について

  発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大

 当社グループの連結売上高はランゲージソリューション事業に大きく依存しております。したがって、事業環境の変化等への対応が適切でなく同事業の成長が鈍化または低下した場合は、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループとしては、既存事業である同事業の強化及び拡大は今後も継続的に行ってまいりますが、新規事業であるタレントソリューション事業に関しても第2の事業の柱とすべく、積極的な体制強化やシステム開発の促進等を行い、事業拡大に注力してまいります。

 

(タレントソリューション事業)

① 紹介手数料について

  発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中

 本事業は、求人先企業に主に外国人ITエンジニア等の登録者を紹介し、雇用開始日をもって手数料を請求・売上計上しております。求人先企業とは登録者を紹介する前に契約書により手数料率、自己都合退職による返金の取り決めを行っておりますが、人材紹介サービスを行う企業間での競争の激化により、この手数料率、自己都合退職による返金の取り決めに関して大きな変更があった場合には、売上請求金額等が変動し、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

② 紹介後の自己都合退職について

  発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:低

 当社グループは、登録者の意向をもとに就職先を紹介し、求人内容、就職先の状況等の説明を行い、納得して転職いただけるよう心がけております。しかしながら、登録者が自己都合により入社後早期に退職した場合、紹介手数料の一部を返金しているため、雇用状況の変化等により、早期自己都合退職の比率が変動する場合には、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

③ 先行投資について

  発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大

 同事業は、ランゲージソリューション事業に続く第2の収益基盤の柱とすべく必要となる投資等を継続しております。今後も引き続き、事業規模の拡大と収益源の多様化を実現するためにサービスの拡大等に取り組んでいくこととしており、当社グループとしてはシステム開発等が開始する都度、将来にわたる収益効果や開発計画の妥当性の検証を慎重に行っておりますが、これらに関しては、新しい領域であるがためにシステム開発やマーケティング費用、人件費等の追加的な支出が発生し、当社グループの利益率が低下する可能性があります。また、当初の予測とは異なる状況が発生し、計画通りに進まない場合には投資を回収できなくなる可能性があり、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)組織について

① 特定の経営者への依存について

  発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大

 当社グループは、創業者である代表取締役社長 鈴木伸明に経営の重要な部分を依存しております。現在、当社グループは、特定の人物に依存しない体制を構築するべく、幹部社員の育成と情報共有、権限委譲を進めておりますが、何らかの理由により同人が当社グループの業務を遂行することができなくなった場合には、当社グループの事業運営に大きな支障をきたす可能性があります。

 

② 小規模組織であることについて

  発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中

 当社グループは、当連結会計年度末現在、取締役4名、監査役3名、従業員(正社員及び契約社員)182名で事業を運営しており、現在の人員構成における最適と考えられる内部管理体制及び業務執行体制を構築しております。今後の事業の成長に応じて、人材の採用・育成を行うと共に、一層の内部管理体制及び業務執行体制の充実を図っていく方針でありますが、これらの施策が適切なタイミングで実施できなかった場合、又は人材が社外に流出した場合は、内部管理体制及び業務執行体制が有効に機能せず、当社グループの事業運営に大きな支障をきたす可能性があります。

 

③ 人材の確保及び育成について

  発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中

 継続的な事業拡大や新規事業の推進のためには、優秀な人材の確保、育成及び定着が重要であると認識しております。当社グループとしては採用力の強化を図るためのオウンドメディア等での積極的な発信や、社員育成や定着率向上のための施策等を行っておりますが、当社が求める優秀な人材が必要な時期に十分に確保・育成できなかった場合や人材流出が進んだ場合には、経常的な業務運営及び新規事業の拡大等に支障が生じ、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

(4)コンプライアンスについて

① 法的規制について

  発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大

 当社グループは、日本国内においては「職業安定法」、「特定商取引に関する法律」、「消費者契約法」、「不当景品類及び不当表示防止法」、「個人情報保護に関する法律」等、フィリピン国における子会社においても個人情報保護に関する法律等の法的規制を受けております。当社グループは、社内の管理体制の構築等によりこれらの法令を遵守する体制を整備・強化しておりますが、不測の事態により、万が一当該規制等に抵触しているとして何らかの行政処分等を受けた場合、また、今後これらの法令等が強化され、もしくは新たな法令等が定められ事業が制約を受ける場合、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

② 事業運営に必要な許可について

  発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大

 当社グループのタレントソリューション事業は、職業安定法に基づき、有料職業紹介事業として厚生労働大臣の許可を受けて行っている事業であり、有料職業紹介事業者の許可の取消については、職業安定法第32条の9に欠格事項が定められております。現時点において認識している限りでは、当社グループは法令に定める欠格事由に該当する事実を有しておりません。また、今後においても定期的に法令遵守状況を確認していくことにより、当該許認可を維持していく方針ですが、将来、何らかの理由により許可の取消等が発生した場合、また職業安定法の改正により法的規則が変更された場合には、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

③ 知的財産管理について

  発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中

 当社グループは、特許権や商標権等の知的財産権に関して、外部の弁理士等を通じて調査する等、その権利を侵害しないように留意するとともに、必要に応じて知的財産権を登録することにより、当社グループの権利の保護にも留意しております。

 しかしながら、当社グループの認識していない第三者の知的財産権が既に成立している、又は今後成立する可能性があり、仮に当社が第三者の知的財産権を侵害した場合には、当該第三者により損害賠償請求、使用差止請求等が発生する可能性があり、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

(5)その他

① 情報セキュリティについて

  発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大

 当社グループのシステム内には受講生や求職者の情報等の個人情報が蓄積されるため、情報の保護が重要になります。そのため、当社グループでは情報の消失や外部への漏洩がないよう、ファイアーウォールの設置や侵入検知、データベースの暗号化等の不正アクセスの防止を行っております。しかしながら、不測の事態により情報の消失や外部への漏洩事故が発生した場合には、当社グループの信用が失墜し、企業イメージが低下することにより、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

② 新株予約権の行使による株式価値の希薄化について

  発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:小

 当社グループは、役員及び従業員に対して、業績向上に対する意欲を高めることを目的としたストックオプション(新株予約権)を発行しております。ストックオプションが権利行使された場合には、当社株式が新たに発行され、既存の株主が有する株式の価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。なお、本書提出日現在、新株予約権による潜在株式数は25,125株であり、発行済株式総数1,608,125株の1.56%に相当しております。

 

③ 資金使途について

  発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中

 公募増資による調達資金の使途については、幹部人材の採用費や人件費、ランゲージソリューション事業においては受講管理システムの機能強化に関する開発や認知度向上のための広告施策、タレントソリューション事業においては各種サービスの機能強化に関する開発へ充当する予定であります。しかしながら、変化する経営環境に柔軟に対応するため、現時点での計画以外の使途にも充当される可能性があります。その場合は速やかに資金使途の変更について開示を行う予定であります。

 また、当初の計画に沿って資金を使用した場合においても、想定どおりの投資効果を上げられない可能性があります。

 

④ 為替相場の変動について

  発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中

 当社グループはフィリピン国において連結子会社を有しており、連結財務諸表を作成するにあたっては現地通貨を円換算する必要があり、換算時に使用する為替レートによっては当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 また、当社グループは主にフィリピン在住のフィリピン人トレーナーに対して、レッスン提供に関する業務委託費をフィリピンペソ建てで支払っており、日本円からフィリピンペソへの換算時に使用する為替レートによっては為替差損が発生する可能性があります。これらの取引に対しては必要に応じて為替予約によるヘッジを行うこととなっており、為替変動リスクを最小限に止める努力をしておりますが、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

⑤ 自然災害、事故について

  発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中

 当社グループは、自然災害や大規模な事故に備え、定期的なバックアップや稼働状況の監視によりシステムトラブルの事前防止または回避に努めておりますが、当社グループの重要施設は東京都内にあり、当地域内における地震、津波等の大規模災害の発生や事故により本社が被害を受けた場合、事業を円滑に運営できなくなる可能性があり、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

⑥ 当社株式の流動性について

発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中

 当社の株主構成は代表取締役社長である鈴木伸明と同人の資産管理会社により、議決権の過半数を所有されている会社となっており、上場時の公募及び売出しによって当社株式の流動性の確保に努めることとしておりましたが、㈱東京証券取引所の定める流通株式比率は本書提出日現在において31.53%となります。今後は、既存株主への一部売出しの要請、新株予約権の行使による流通株式数の増加分を勘案し、これらの組み合わせにより、流動性の向上を図っていく方針ではありますが、何らかの事情により上場時よりも流動性が低下する場合には、当社株式の市場における売買が停滞する可能性があり、それにより当社株式の需給関係にも悪影響を及ぼす可能性があります。

 

⑦ 訴訟について

 当社は、事業運営にあたり、取引先および従業員等からの訴訟を含む法的手続の当事者となる可能性がございます。

 当社内においては、入社時および定期的なコンプライアンス研修等により各従業員の意識醸成を図るとともに、社内手続フローを厳格にすることで当該リスクの抑制を図っております。

 しかしながら、訴訟等を完全に回避することは困難であり、訴訟発生時には費用支出が多額となる他、事業運営に影響を及ぼす可能性があります。

 このような場合、当社の責めに帰すべき事由が存すると判断されたときには、財務・経営状況に影響を及ぼす可能性があります。

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度における我が国経済は、外国人旅行者の増加に伴う好調なインバウンド需要などの経済活動の活性化を背景に、景気は緩やかな回復基調で推移しましたが、ウクライナ情勢の長期化によるエネルギー価格の高騰や、米国の金融引き締め策による円安の影響を受け、先行きは不透明な状況にて推移しました。

 そういった状況の中、当社グループの主力事業であるランゲージソリューション事業は、「ビジネス特化型オンライン英会話」の一層の認知拡大を目指すと共に、グローバルIT人材の採用・転職支援等を行うタレントソリューション事業との相互補完関係の強化を図り全社的な事業拡大を推進しております。

 

 以上の結果、売上高は3,474,071千円(前年同期比10.8%増)、営業利益は378,879千円(前年同期比8.7%増)、経常利益は340,272千円(前年同期比7.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は229,849千円(前年同期比15.3%増)となりました。

 

 セグメントの経営成績は以下のとおりであります。

 

(ランゲージソリューション事業)

 積極的な人材投資や広告投資を行ったことで費用が増加したものの、主にオンラインビジネス英会話「Bizmates」において、インバウンド需要の拡大等により新規受注の獲得が好調に推移したことや、テクノロジーを活用したサービス品質の向上や機能拡充により、法人顧客を中心に事業拡大した結果、売上高は3,250,224千円(前年同期比8.4%増)、セグメント利益は1,038,030千円(前年同期比0.8%減)となりました。

 

(タレントソリューション事業)

 昨今のIT人材不足を背景にIT・デジタル人材を採用する企業の動きは活発ですが、当事業は、現状は先行投資期間と捉えており、売上高は223,847千円(前年同期比65.2%増)、セグメント損失は70,443千円(前年同期はセグメント損失162,773千円)となりました。

 

 財政状態については以下の通りであります。

 

(資産の部)

 当連結会計年度末における流動資産は1,812,114千円となり、前連結会計年度末に比べ225,508千円増加いたしました。これは主に現金及び預金が177,656千円増加したことによるものであります。

 固定資産は883,951千円となり、前連結会計年度末に比べ415,310千円増加いたしました。これは主に建物が225,213千円増加、ソフトウエアが110,525千円増加したことによるものであります。

 この結果、総資産は2,696,065千円となり、前連結会計年度末に比べ640,818千円増加いたしました。

 

(負債の部)

 当連結会計年度末における流動負債は729,924千円となり、前連結会計年度末に比べ193,405千円増加いたしました。これは主に未払金が158,314千円増加、契約負債が71,937千円増加したことによるものであります。

 固定負債は210,074千円となり、前連結会計年度末に比べ196,966千円増加いたしました。これは主に資産除去債務が108,728千円増加、長期借入金が90,002千円増加したことによるものであります。

 この結果、負債合計は939,998千円となり、前連結会計年度末に比べ390,372千円増加いたしました。

 

(純資産の部)

 当連結会計年度末における純資産合計は1,756,066千円となり、前連結会計年度末に比べ250,446千円増加いたしました。これは主に利益剰余金が229,849千円増加したことによるものであります。

 

② キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ189,351千円増加し、1,657,759千円となりました。キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果得られた資金は430,917千円(前年同期は253,674千円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益335,138千円、減価償却費111,899千円によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果支出した資金は365,760千円(前年同期は202,576千円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出225,128千円、無形固定資産の取得による支出140,472千円によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果得られた資金は114,412千円(前年同期は519,933千円の獲得)となりました。これは主に、長期借入れによる収入160,000千円、長期借入金の返済による支出53,336千円によるものであります。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当社グループは、インターネットを利用したオンラインレッスンの提供や人材紹介業等を事業としており、提供するサービスには生産に該当する事項はありませんので、生産実績に関する記載はしておりません。

 

b.受注実績

 当社グループは、受注生産を行っていないため、受注実績に関する記載はしておりません。

 

c.販売実績

 当連結会計年度における販売実績は次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2024年1月1日

至 2024年12月31日)

販売高(千円)

前年同期比(%)

ランゲージソリューション事業

3,250,224

108.4

タレントソリューション事業

223,847

165.2

合計

3,474,071

110.8

(注)1.セグメント間取引については相殺消去しております。

2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、総販売実績に対する割合が10%以上を占める相手先がいないため記載を省略しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

(a)財政状態の分析

 財政状態の分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。

 

(b)経営成績の分析

(売上高)

 売上高は3,474,071千円となり、前連結会計年度と比較して338,928千円増加(前年同期比10.8%増)となりました。これは主に、主要事業であるランゲージソリューション事業において、オンライン環境での教育ニーズの増加や、営業体制の強化等の影響により有料会員数が増加したことによるものであります。

 

(売上原価、売上総利益)

 売上原価につきましては、832,714千円となり、前連結会計年度と比較して51,058千円増加(前年同期比6.5%増)となりました。主な要因は、ランゲージソリューション事業においてオンライン英会話レッスンの提供回数が増えたことにより、トレーナーへの業務委託費が増加したことによるものであります。

 この結果、売上総利益は前連結会計年度と比較して287,870千円増加し、2,641,356千円(前年同期比12.2%増)となりました。

 

(販売費及び一般管理費、営業利益)

 販売費及び一般管理費は前連結会計年度と比較して257,597千円増加し、2,262,477千円(前年同期比12.8%増)となりました。これは主に、事業拡大に伴う人件費の増加によるものであります。

 この結果、営業利益は378,879千円(前年同期比8.7%増)となりました。

 

(営業外収益、営業外費用、経常利益)

 当連結会計年度の営業外収益は767千円(前年同期比165.0%増)、営業外費用は39,374千円(前年同期比27.7%増)となりました。これは主に、和解金16,227千円を計上したことによるものであります。

 この結果、経常利益は340,272千円(前年同期比7.0%増)となりました。

 

(法人税等合計、親会社株主に帰属する当期純利益)

 法人税、住民税及び事業税につきましては、102,678千円(前年同期比17.8%減)となりました。

 この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は229,849千円(前年同期比15.3%増)となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性

(キャッシュ・フローの状況)

 各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因については、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。

 

(資本の財源及び資金の流動性)

 当社グループの主な資金需要は、業容拡大に対応するための人件費の増加、英会話レッスン提供に係る業務委託報酬の支払いや、ブランド力や認知度向上のための広告宣伝費支出等となります。また、サービス品質向上やIT基盤、セキュリティ強化のためのシステム開発投資なども積極的に行っておりますが、これらにつきましては、基本的には営業活動によるキャッシュ・フローや金融機関からの借入等により対応していくこととしております。

 なお、現在の現金及び現金同等物の残高、営業活動から得る現金及び現金同等物の水準については、当面事業を継続していくうえで十分な流動性を確保しているものと考えております。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、決算日における財政状態、経営成績に影響を与えうるような見積り・予測を必要としております。当社グループは、過去の実績や将来における発生の可能性等を勘案し合理的に判断しておりますが、判断時には予期しえなかった事象等の発生により、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは、「第5経理の状況 1連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりです。

 

(繰延税金資産の回収可能性)

当社グループは、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異等について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。

 

(無形固定資産の減損)

当社グループは、減損損失の認識の判定及び測定を行う単位として、無形固定資産のグルーピングを行い、減損損失を認識する必要のある資産又は資産グループについて、その帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上することとしております。将来の当該資産又は資産グループを取り巻く経営環境の変化による収益性の変動や市況の変動により、回収可能価額を著しく低下させる変化が見込まれた場合、減損損失の金額に影響を与える可能性があります。

 

④ 経営成績に重要な影響を与える要因について

 当社グループの将来の財政状態及び経営成績に重要な影響を与えるリスク要因については、「3 事業等のリスク」に記載しております。

 

⑤ 経営者の問題認識と今後の方針について

 経営者の問題認識と今後の方針については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。

 

⑥ 経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおり、主な経営指標として売上高、売上総利益、売上総利益率、営業利益、営業利益率及びビジネス特化型オンライン英会話レッスン「Bizmates」の累積有料会員数を重視しております。

 

各指標の推移は以下のとおりであります。

 

2023年12月期

2024年12月期

前年同期比

売上高(千円)

3,135,142

3,474,071

+10.8%

売上総利益(千円)

2,353,486

2,641,356

+12.2%

売上総利益率

75.1%

76.0%

+0.9ポイント

営業利益(千円)

348,606

378,879

+8.7%

営業利益率

11.1%

10.9%

△0.2ポイント

 

 「Bizmates」の累積有料会員数については当社の主要サービスの売上高を構成する要素の中でも、主要な経営指標として考えております。2024年度は前期比で18,450人増・116.8%となり、依然高い伸び率を示していると考えており、当該指標は堅調に推移しているものと認識しておりますが、今後もWebマーケティングやターゲット含有率の高いメディア出稿等、効果的な広告宣伝等の活動により新規会員を獲得していくことや、システム開発等によるサービス拡充により顧客満足度の最大化に努め、累積有料会員数の増加を図ってまいります。

 

累積有料会員数推移(単位:人)

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※累積有料会員数は新規有料会員獲得数の積上げで算定しており、会員登録後、休会・退会となった人数が含まれております。

   また、法人契約は契約アカウント数を集計しております。

 

5【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6【研究開発活動】

該当事項はありません。