第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

 当社は創業以来、理念経営を推進しており、「人が活きる、人を活かす。 ~人的資本の最大化・最適化・再配置~」をミッションとし、ビジョン「事業を通じて、新しい価値を創造し、すべての人が活き活きと働く社会創りをめざします。」を掲げております。

 企業を取り巻く環境は大きく変化し、社会の課題解決と新しい価値やイノベーションの創出が求められております。当社グループは、そのような変化に向けて、私達が持続可能な未来に新しい企業価値を提供していくために、当社グループのパーパス(存在意義)をコーポレートステートメント「あらゆる課題は、人で解決する。」に込め、経営の基本方針として、あらゆる企業や組織の課題解決と価値創造のパートナーとして寄り添ってまいります。そして、働く一人ひとりに、柔軟な働き方や自律的なキャリア形成、活躍の場の広がりを提供してまいります。

 

<コーポレートステートメント>

 

「あらゆる課題は、人で解決する。」

 

私たちはこの日本の社会が抱える多くの課題を解決し、新しい価値の創造を促すことで

すべての人が幸福に暮らし、活き活きと働くことができる社会の実現に貢献したいと考えています。

 

そのためには人材を資源(Human Resources)より資本(Human Capital)と捉え、

この国で不足、偏在するコンサルタントなどの高いレベルの専門性と能力を持った人材を最適配置し、

企業や社会の課題解決、価値創造を推進、その価値がシェアされ

循環し続けてゆくような社会をつくる必要があります。

 

そこで当社は課題の発見、解決、さらに新しい価値の創造に答えるため

正社員採用、フリーコンサル、スポットコンサルなどの複合的なサービスを展開。

あらゆる企業や組織の課題解決と価値創造にパートナーとして寄り添うと同時に、

働く一人ひとりに柔軟な働き方や自律的なキャリア形成、活躍の場の広がりを提供しています。

 

これら活動を通じて課題解決につながるコンサルティングがもっと身近になり、

誰もが自由に活用できる世の中となることが、

企業、産業、社会の課題の解決と新しい価値やイノベーションの創出を促し、

この国によりよい未来をもたらすと、私たちは信じます。

 

(2)経営環境及び中長期的な経営戦略

 我が国における最近の人的資本をめぐる動きとして、2022年5月に経済産業省より「人的資本経営の実現に向けた検討会報告書 ~人材版伊藤レポート2.0~」が公表され、また、同年6月7日に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2022 新しい資本主義へ ~課題解決を成長のエンジンに変え、持続可能な経済を実現~」(骨太方針2022)が内閣府より公表されました。当社グループは、社会の課題解決と新しい価値やイノベーションの創出に向けた「人的資本」の重要性が高まっていると考えております。人材を資本として捉え、その価値を最大限に引き出すことで中長期的な企業価値向上につなげる人的資本経営においては、従来の雇用慣行から脱却し、多様性を尊重した個人と組織の自律的な関係構築が求められます。そのための、副業や兼業、フリーランス等を含めた多様な働き方を選択し活躍できる環境の整備が進み、企業の人的資本に関する情報開示も促進されております。今後、人的資本経営を踏まえた人事戦略は、あらゆる企業の持続的な成長において重要な位置づけになると考えております。

 デジタル化や脱炭素化という大きな変革の波のなか、人口減少に伴う労働力不足にも直面する我が国において、創造性を発揮して付加価値を生み出していく原動力は「人」であります。しかし、企業変革を推進する人材の状況について、日本企業では、量と質の両面で人材不足が課題であり(注1)、また、2030年には約45万人のIT人材が不足すると試算されております(注2)。他方で、国内のビジネスコンサルティング市場は、DXを進める企業のビジネス変革支援への需要がすべてのサービスセグメント/産業分野において継続し高成長を維持する見込みであります(注3)。加えて、従業員の副業・兼業を容認する企業は近年増加し、企業側も優秀な外部人材を活用することを模索する動きが進んでおります。これらのことから、ハイエンド人材領域の人材紹介及びスキルシェアのニーズは益々高まっていくと考えております。

 なお、当社グループが展開する事業の市場規模に関して、人材紹介に係る市場については、株式会社矢野経済研究所「人材ビジネス市場に関する調査(2022年)」(2022年10月19日発表)によると、2021年度の人材紹介業市場規模は2,960億円となっております。また、コンサルタントのスキルシェアに係る市場については、IDC Japan株式会社のプレスリリース(注3)によると、2021年の国内ビジネスコンサルティング市場規模は5,724億円になったとみられております。

(注)1.出典:独立行政法人情報処理推進機構「DX白書2021」 Copyright 2021 IPA

2.出典:経済産業省「IT人材需給に関する調査」2019年3月、IT人材需給に関する主な試算結果の中位シナリオ

3.出典:IDC Japanプレスリリース「国内ビジネスコンサルティング市場予測を発表」(2022年5月23日)

 

 上述のとおり、人的資本経営が強く求められる潮流のなか、当社は創業当時から「人的資本の最大化・最適化・再配置」を標榜し、追究してまいりました。需要が高まっているハイエンド人材領域における人材紹介及びスキルシェアの各サービスを強化・拡大することで、我が国に不足しているハイエンド人材の最適配置が一層進むとともに、人材不足が予測されるデジタル・DX領域も含め、ハイエンド人材が持つ能力・スキルのシェアリングが拡大・浸透するものと考えております。これにより、企業や社会の課題解決と新しい価値やイノベーションの創出、そして我が国の人的資本経営の実現に貢献できるものと考えております。

 

 当社グループは、上記の経営の基本方針及び経営環境を踏まえ、経営戦略として、当社グループが持つ複合サービスを、より効率的且つ効果的に展開すべく、リカーリングビジネス推進による、スキルシェア及び事業会社向けサービスの拡大を図ってまいります。正社員採用サービスとフリーコンサルサービス「フリーコンサルBiz」に、スポットコンサルサービス「コンパスシェア」を加えた複合サービスとそのプラットフォームのデジタル化により、サービス利用が進むことでデータベースはさらに充実・拡大し、その利用率を高めて効率的且つ効果的にサービスの提供が可能になると考えております。

 

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(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 上記(2)の経営戦略を推進する上で、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題は以下のとおりであります。

① リカーリングビジネス推進に向けた事業投資

 当社グループが目指すリカーリングビジネスの推進によるトップライン成長のため、スキルシェアのサービス開発や機能改善を進め、事業会社のサービス利用を促進してまいります。具体的には、副業紹介サービスを起点としたハイエンド人材との接点機会を増加させることで、従来の転職やフリーランスにおける案件獲得よりも広く人材との接点を確保し、ハイエンド人材との継続的な関係構築と人材データベースの充実を図ります。また、事業会社向けサービスの拡大のため、各サービス間の連携を向上させ、アップセル・クロスセルを可能とするソリューション提案力の強化を図ります。加えて、蓄積されたハイエンド人材のデータベースを活かしたキャリアデザインサポートの充実や、機械学習による予測モデルの導入等に取り組むなど、リカーリングビジネスをさらに活性化させるためのデータベースの整備やサービス拡充目的のシステム投資も実施してまいります。

 

② 持続的な成長のための人的資本投資

 当社グループの事業を牽引する人材の確保と育成は当社グループの成長の礎であり、さらなる事業拡大及び経営体質の強化を図るうえで重要な経営課題であると認識しております。そのため、人材の採用強化及び育成を推進して生産性を高めるとともに、将来の経営を担う中核人材の育成等を進めてまいります。また、従業員がその能力を存分に発揮できるよう、業務効率化や勤務環境の整備等、働きやすい環境づくりを推進し、人的資本の価値最大化に努めてまいります。

 

③ 当社グループ及びサービスの認知度向上

 当社グループが持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を図るためには、当社グループ及び提供サービスの認知度を向上させ、継続的な顧客の獲得及び人材登録数の増加により、データベースを充実・拡大していくことが重要であります。そのため、企業顧客の獲得については、新規獲得を目的にWeb広告を中心としたプロモーション活動に積極投下してまいります。また、人材獲得については、転職・フリーランス・副業に興味を持つハイエンド人材を横断的に獲得するため、Web広告やメディア媒体等のチャネルを組み合わせた戦略的な広告を投下してまいります。加えて、当社グループの理念やビジョンを各ステークホルダーに伝えるべく、コーポレートブランディングや広報活動等を推進し、認知度向上に取り組んでまいります。

 

④ 内部管理体制の強化とコーポレート・ガバナンスの充実

 当社グループは、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を実現するためには、ステークホルダーからの信頼を得ることが不可欠であると考えております。そのため、経営の効率性及びリスク管理能力を高め、財務・非財務情報を適切に開示し、健全性及び透明性を確保できる管理体制の整備を行うことで、内部管理体制の強化及びコーポレート・ガバナンスの充実を進めてまいります。

 

⑤ 財務基盤の安定化と株主還元

 当社は純資産の積上げが十分でなく、今後の事業拡大や必要な投資等に備えるために財務基盤の安定性向上が必要であると認識しております。また同時に、株主還元も重要な課題であると認識しております。財務基盤の安定化のための内部留保の充実を勘案しつつ、株主還元との適切なバランスを模索してまいります。

 

(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループでは、正社員採用、フリーコンサル、スポットコンサルなどの複合サービスを展開しており、独自のポジショニングをさらに強固なものとしていくため、売上高を重要な経営指標と位置づけ、目標達成に向けて取り組んでおります。また、事業を継続的に発展させていくためには、収益力を高め、適正な利益確保を図ることも必要であることから、営業利益についても重要な経営指標と位置づけております。これに加え、正社員採用サービスにおいては入社決定数、フリーコンサルサービスにおいてはフリーコンサルタントの稼働人数を各サービスの売上成長を測定する指標として重視しております。

 

2【事業等のリスク】

 事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)事業環境の変化に関するリスク

① 経済状況変動・景気変動について

(発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)

 当社グループは、国内において人材紹介及びスキルシェアを展開していることから、国内景気の減速やそれに伴う採用動向が悪化した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 このリスクへの対応として、景気変動リスクを比較的受けにくいハイエンド人材を中心とした領域でサービスを展開するとともに、多様な業界での取引先開拓を進めております。

 

② 同業他社との競合について

(発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)

 当社グループが展開する人材紹介及びスキルシェアに類するサービスを個別で展開している企業は多数存在することから、今後それら企業による新たな付加価値の提供等により当社グループの競争力が低下した場合には、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 このリスクへの対応を強固なものとするために、当社グループが独自のポジションを築いているハイエンド人材領域における各サービスの機能強化とサービス間の連携向上に取り組んでまいります。またデジタルプラットフォームへの投資等を通じ、データベースを核としたリカーリングビジネスを推進することで、顧客の課題解決に寄り添い、長期的な収益獲得につなげてまいります。

 

③ 自然災害、有事及び未知の感染症等について

(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:小)

 当社グループの事業拠点の設備については、当社の本社所在地である東京都千代田区にあり、当該地区において大地震、台風等の自然災害及び事故、火災等により、業務の停止、設備の損壊や電力供給の制限等の不測の事態が発生した場合、当社グループの事業活動に支障をきたす可能性があることから、業績に影響を及ぼす可能性があります。また、テロリズム、戦争等の有事や未知の感染症の蔓延が生じた場合には、外出制限による事業活動の停滞、従業員の全面的な在宅勤務への移行等で当社グループの事業活動に支障をきたす可能性があるとともに、業績に影響を与える可能性があります。

 このリスクへの対応として、当社グループでは緊急事態対応規程で緊急事態発生時における対応を予め定めております。また平時より出社勤務と在宅勤務を組み合わせた働き方を取り入れており、緊急事態の発生により全面的な在宅勤務の移行が必要となる場合においても、事業活動が継続できる体制を構築しております。

 

(2)事業活動に関するリスク

① 登録者数・取引先企業数について

(発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大)

 当社グループの人材紹介及びスキルシェアにおいては、その事業の性格上、登録者の確保が非常に重要であることから、国内における少子高齢化による将来の労働人口の減少、または労働市場の変化等によって、企業からの求人を満足させる人材が確保できない場合には、成約数の減少により当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 このリスクへの対応として、当社グループではSNS等を活用した広告宣伝により新規登録者を獲得しておりますが、今後より積極的な広告宣伝活動により当社グループの認知度を向上させ、登録者及び取引先企業の確保に努めてまいります。

 

② 特定の取引先への依存について

(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大)

 当社グループは、ハイエンド人材領域における人材紹介及びスキルシェアを行っており、コンサルティングファームとの取引が多くなっております。当社グループはコンサルティングファームと良好な関係を構築していると考えておりますが、取引先上位のコンサルティングファームにおける予期せぬ方針の変更や業績不振等により、円滑な取引継続が困難な事態となった場合には、当社グループの事業活動及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。なお、最近2連結会計年度及び第22期第2四半期連結累計期間における販売実績の最上位先はPwCコンサルティング合同会社で、各年度及び期間の総販売実績に対する割合は第20期連結会計年度 23.2%、第21期連結会計年度 29.1%、第22期第2四半期連結累計期間 25.9%であります。

 このリスクへの対応として、コンサルティングファーム以外の事業会社向けサービスを拡大することで、相対的に特定の取引先への依存度を低下してまいります。

 

③ 特定の人物への依存について

(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)

 代表取締役社長 山尾幸弘は当社の創業者であり、経営方針や事業戦略等について、経営の重要な役割を果たしております。現在、当社では同氏に過度に依存しないよう、内部管理体制の整備、人材の育成等体制の整備に努めておりますが、現在の状況においては、何らかの理由により、同氏が当社の業務を遂行することが困難となった場合には、当社の事業活動及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ システムトラブル・データ管理について

(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)

 当社グループは、事業運営において社外のクラウドサービスを利用し情報システムを構築しております。このため、当該クラウドサービスでシステム障害が生じた場合や悪意ある第三者による不正アクセスを受けた場合など何らかのトラブルが発生することにより、当社グループのサービスの運営に障害が生じ、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 また、今後デジタルプラットフォームの開発等を進めていく中で、システムに関するリスクが増大していくことが見込まれることから、このリスクへの対応として、定期バックアップの実施や障害発生時の社内体制の構築精度を高めていくとともに、今後ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)認証を取得しリスクを適切に管理するIT統制の実効性向上と内容の充実を図ってまいります。

 

⑤ 機密情報の管理について

(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)

 当社グループの人材紹介及びスキルシェアは、顧客先において事業戦略策定や業務改革支援、新商品・サービス開発支援、大規模システム構築支援、基幹システム導入支援等に関与・従事しており、機密性の高い情報を取り扱っております。このため、顧客企業の機密情報等の流出が生じた場合には、当社グループに対する社会的信用が損なわれ、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 このリスクへの対応として、当社グループにおいては、全従業員及び業務を委託しているフリーコンサルタントに対して入社・登録時及び定期的に機密情報の取扱いに関する指導・教育を行っております。

 

⑥ コンプライアンス遵守について

(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)

 当社グループは、関係者の不正行為等が発生しないよう、国内外の法令及び社内規程、ルール等のコンプライアンス遵守を行動基準として定め、内部監査等で遵守状況の確認を行っております。しかしながら、法令等に抵触する事態や関係者による不正行為が発生する可能性は否定できず、これらの事態が生じた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑦ 労務管理について

(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)

 労働時間・環境の管理についての労働基準監督署等の調査の結果、当社グループに違反等が認められ、当社グループが行政指導を受けた場合には、当社グループの事業運営に大きな支障をきたすとともに、業績及び財務状況に大きな影響を与える可能性があります。

 このリスクへの対応として、社会保険労務士法人と顧問契約を締結し、人事労務問題全般について助言・指導を受け法令に則り適正な対応を行っております。また、時間外労働時間の管理や年次有給休暇の取得状況については、関係部署に勤怠等の状況を定期的に配信することで違反の未然防止を図るとともに、経営会議で結果を報告することにより、法令遵守に努めております。

 

⑧ 人材の確保及び育成について

(発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)

 当社グループは、事業拡大のために優秀な人材の確保及び育成が重要な課題であると認識しており、当社グループが求める人材を適切な時期に確保、育成ができなかった場合、また、社外流出等の事由により既存の人材が業務に就くことが困難になった場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 このリスクへの対応として、人材の採用強化及び社内研修プログラム等による育成を推進するとともに、多様な働き方を支える人事制度導入に向けて取り組んでいく方針であります。

 

⑨ 内部管理体制について

(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)

 当社グループは、今後の事業運営及び事業拡大に対応すべく、管理部門の人員を増加していくことで内部管理体制について一層の充実を図る方針であります。しかしながら、事業規模に適した内部管理体制の構築に遅延が生じた場合、当社グループの事業展開及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑩ 大株主について

(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:小)

 当社の代表取締役である山尾幸弘及び同氏の資産管理会社である株式会社創が、本書提出日現在で発行済株式総数の91.8%を所有しており、本売出しによって所有株式の一部を売却する予定ではありますが、引き続き大株主となる見込みです。同氏は、安定株主として引き続き一定の議決権を保有し、その議決権行使にあたっては、株主共同の利益を追求するとともに、少数株主の利益にも配慮する方針であります。同氏は、当社の代表取締役であることから、当社といたしましても安定株主であると認識している一方、将来的に何らかの事情により同氏により当社株式が売却された場合には、当社株式の市場価格及び流通状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑪ 求職者の自己都合退職による求人企業への返金について

(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:小)

 当社グループの人材紹介においては、求職者が求人企業に入社後一定期間内に自己都合により退職した場合、紹介手数料の一部を返金する契約を締結しております。何らかの理由により早期自己都合退職者が増加した場合には、返金額の増加により当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 このリスクに対応するため、当社グループでは転職のその次までをスコープに入れたキャリアパスを、転職希望者のキャリアプランに照らして提案を行っており、求人企業でご活躍いただけるよう努めております。

 

⑫ 転職サイト運営企業の利活用について

(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大)

 当社グループでは当社グループのウェブサイトへ直接、会員のご登録いただくほかに、他社が運営する転職サイトを利活用して求職者の転職をご支援しております。このため、何らかの理由により他社が運営する転職サイトが停止または廃止となった場合には、ご支援できる求職者数の減少により当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 このリスクに対応するため、今後より積極的な広告宣伝活動により当社グループの認知度を向上させ、会員登録者数の増加に努めてまいります。

 

(3)財務活動に関するリスク

① 新株予約権の行使による株式価値の希薄化について

(発生可能性:高、発生する可能性のある時期:数年以内、影響度:小)

 当社グループは役員及び従業員に対し、長期的な企業価値向上に対するインセンティブとして新株予約権を付与しております。このため、現在付与している新株予約権について行使が行われた場合には、保有株式の価値が希薄化する可能性があります。なお、本書提出日現在、新株予約権による潜在株式数は302,820株であり、発行済株式総数及び潜在株式の合計4,322,820株の7.0%に相当しております。

 

② 配当政策について

(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:小)

 当社は、株主への利益還元を重要な課題として認識しております。現在当社グループは成長過程にあり、財務基盤の安定化のための内部留保の充実を勘案しつつ、事業の拡充や組織体制の整備への投資に充当していくことが株主への利益還元につながると考え、配当を実施しておりません。今後、事業基盤の整備等を進め、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況を勘案し、株主に対して利益還元策を実施していく方針でありますが、現時点において配当の実施時期等については未定であります。

 

③ 当社株式の流動性について

(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:小)

 当社の株主構成は、当社の代表取締役である山尾幸弘、同氏の資産管理会社である株式会社創及び当社役員等であり、本公募及び売出しによって当社株式の流動性の確保に努めることとしておりますが、株式会社東京証券取引所の定める流通株式比率は新規上場時において26.9%にとどまる見込みです。

 今後は、当社役員等への一部売出しの要請、新株予約権の行使による流通株式数の増加等により流動性の向上を図っていく方針ではありますが、何らかの事情により上場時よりも流動性が低下する場合には、当社株式の市場における売買が停滞する可能性があり、それにより当社株式の需給関係にも悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)法的規制・訴訟に関するリスク

① 法的規制について

(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大)

 当社グループは、職業安定法に基づいて事業を営んでおり、有料職業紹介事業者として、厚生労働大臣の許可を受けて事業を行っております。本書提出日現在における当該許可にかかる有効期限は、当社が2025年6月30日まで、当社子会社の株式会社ケンブリッジ・リサーチ研究所が2026年5月31日までで、継続して有効期限を適宜更新しております。当社グループは関係法令を遵守して事業を運営しており、現時点において同許可の継続に支障を来す要因は発生しておりませんが、職業安定法第32条の9に定める有料職業紹介事業者としての欠格事由に該当もしくは法令に違反する事項が発生した場合、事業の停止や有料職業紹介事業者の許可の取り消しをされる可能性があり、その場合には当社グループの事業運営に大きな支障を来す結果、業績及び財政状態に大きな影響を及ぼす可能性があります。また、将来これらの法令ならびにその他の関係法令が、労働市場をとりまく社会情勢の変化などに伴って、改正若しくは解釈の変更などがあり、それが当社グループの営む事業に不利な影響を及ぼすものであった場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 個人情報について

(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大)

 当社グループは、事業運営にあたり多くの求職者に関する個人情報を保有しており、何らかの原因により個人情報が外部に流出した場合は、当社グループの信用低下を招くとともに損害賠償請求訴訟の提起等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 このリスクへの対応として、「個人情報の保護に関する法律」(平成17年4月施行)の規定に則って作成したプライバシーポリシー等の規程に沿って個人情報を管理し、また、従業員に対する個人情報の取り扱いに関する教育を行い、個人情報の適切な取り扱いに努めております。またプライバシーマークの付与認定取得(当社は2006年10月、株式会社ケンブリッジ・リサーチ研究所は2018年5月に取得し以後2年毎に更新)等、情報セキュリティ対策の強化に取り組んでおります。

 

③ クレーム・訴訟の発生

(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)

 当社グループは、コンプライアンス研修の推進等、役職員の法令違反等の低減努力を実施しております。しかしながら、当社グループの役職員の法令違反等の有無にかかわらず、取引先、その他第三者との予期せぬトラブル、訴訟等が発生する可能性があり、これらに起因した損害賠償の請求、訴訟を提起される可能性があります。その場合、損害賠償の金額、訴訟内容及び結果によっては、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

① 経営成績の状況

第21期連結会計年度(自 2021年7月1日 至 2022年6月30日)

 当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の再拡大懸念や資源価格高騰等により先行きが不透明な状態が続きましたが、経済社会活動の正常化が進むなかで、持ち直しの動きがみられました。このような環境のなか、当社グループは、企業のDXに向けた取り組みの拡大等による堅調なハイエンド人材の需要を背景に、人材紹介及びスキルシェアともに好調に推移しました。

 この結果、当連結会計年度における当社グループの売上高は3,513,146千円(前期比59.5%増)、営業利益は501,150千円(同59.0%増)、経常利益は493,279千円(同60.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は324,965千円(同35.9%増)となりました。なお、当社グループはヒューマンキャピタル事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。

 

第22期第2四半期連結累計期間(自 2022年7月1日 至 2022年12月31日)

 当第2四半期連結累計期間における我が国経済は、緩やかな持ち直し傾向にあるものの、ウクライナ情勢の長期化や物価上昇による影響も懸念され、先行き不透明な状況が続いております。

 このような環境のなか、当社グループは、企業におけるDXを軸としたビジネスの変革と創造に係るコンサルティング需要が高まっていることや、産業や社会課題の解決に向けた取り組みの活発化の動きが見られるなど、引き続き堅調に推移しているハイエンド人材の需要を背景に、人材紹介及びスキルシェアともに好調に推移しました。

 この結果、当第2四半期連結累計期間における当社グループの売上高は2,092,031千円、営業利益は441,028千円、経常利益は439,283千円、親会社株主に帰属する四半期純利益は293,696千円となりました。

 なお、当社グループはヒューマンキャピタル事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。

 

② 財政状態の状況

第21期連結会計年度(自 2021年7月1日 至 2022年6月30日)

 当連結会計年度末における流動資産は1,926,494千円となり、前連結会計年度末に比べ562,204千円増加いたしました。これは主に現金及び預金が457,841千円増加したことによるものです。固定資産は178,227千円となり、前連結会計年度末に比べ56,337千円増加いたしました。これは主に繰延税金資産が51,418千円増加したことによるものです。この結果、資産合計は2,104,722千円となり、前連結会計年度末に比べて618,541千円増加いたしました。

 当連結会計年度末における流動負債は1,075,683千円となり、前連結会計年度末に比べ421,766千円増加いたしました。これは主に企業認知度向上やコーポレートブランディングに係る広告宣伝費の計上等により未払金が197,011千円増加したこと及び人員増強に伴う従業員賞与の増加等により未払費用が90,796千円増加したことによるものです。固定負債は166,361千円となり、前連結会計年度末に比べ128,189千円減少いたしました。これは主に長期借入金が122,104千円減少したことによるものです。この結果、負債合計は1,242,045千円となり、前連結会計年度末に比べ293,576千円増加いたしました。

 当連結会計年度末における純資産合計は862,677千円となり、前連結会計年度末に比べ324,965千円増加いたしました。これは利益剰余金が324,965千円増加したことによるものです。

 

第22期第2四半期連結累計期間(自 2022年7月1日 至 2022年12月31日)

 当第2四半期連結会計期間末における流動資産は1,842,791千円となり、前連結会計年度末に比べ83,702千円減少いたしました。これは主に現金及び預金が137,069千円減少したことによるものです。固定資産は177,774千円となり、前連結会計年度末に比べ453千円減少いたしました。これは主に、減価償却の進行などにより有形固定資産が1,144千円減少、無形固定資産が1,413千円減少した一方で、繰延税金資産が2,122千円増加したことによるものです。この結果、資産合計は2,020,566千円となり、前連結会計年度末に比べて84,156千円減少いたしました。

 当第2四半期連結会計期間末における流動負債は743,938千円となり、前連結会計年度末に比べ331,744千円減少いたしました。これは主に企業認知度向上やコーポレートブランディングに係る広告宣伝費の支出等により未払金が173,082千円減少、従業員賞与の支出等により未払費用が61,030千円減少及び未払法人税等が27,743千円減少したことによるものです。固定負債は120,253千円となり、前連結会計年度末に比べ46,108千円減少いたしました。これは主に長期借入金が42,562千円減少したことによるものです。この結果、負債合計は864,192千円となり、前連結会計年度末に比べ377,852千円減少いたしました。

 当第2四半期連結会計期間末における純資産合計は1,156,374千円となり、前連結会計年度末に比べ293,696千円増加いたしました。これは親会社株主に帰属する四半期純利益の計上により利益剰余金が293,696千円増加したことによるものです。

 

③ キャッシュ・フローの状況

第21期連結会計年度(自 2021年7月1日 至 2022年6月30日)

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の期末残高は1,485,322千円(前連結会計年度末は1,027,480千円)となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果、増加した資金は657,378千円(前連結会計年度は214,598千円の収入)となりました。これは主に、堅調なハイエンド人材の需要を背景に人材紹介及びスキルシェアともに好調に推移したこと等で税金等調整前当期純利益493,279千円を計上したこと、主に未払金の増加によるその他の負債の増加額283,664千円、仕入債務の増加額63,857千円によるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果、減少した資金は33,353千円(前連結会計年度は16,246千円の収入)となりました。これは主に、情報管理システムの改修や従業員向けPCの購入に伴う有形及び無形固定資産の取得による支出33,055千円によるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果、減少した資金は166,183千円(前連結会計年度は155,500千円の支出)となりました。これは主に、長期借入れによる収入50,000千円及び長期借入金の返済による支出205,208千円によるものです。

 

第22期第2四半期連結累計期間(自 2022年7月1日 至 2022年12月31日)

 当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の当第2四半期連結会計期間末残高は1,348,253千円となりました。当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果、減少した資金は44,012千円となりました。これは主に、引き続き堅調に推移しているハイエンド人材の需要を背景に人材紹介及びスキルシェアともに好調に推移したこと等で税金等調整前四半期純利益439,283千円を計上した一方で、法人税等の支払額186,472千円、主に未払金の減少によるその他の負債の減少額229,246千円が生じたことによるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果、減少した資金は2,256千円となりました。これは情報管理システムの改修に伴う無形固定資産の取得を含む、有形及び無形固定資産の取得による支出2,256千円によるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果、減少した資金は90,800千円となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出85,309千円によるものです。

 

④ 生産、受注及び販売の状況

a.生産実績

 当社の行う事業は提供するサービスの性質上、生産実績の記載になじまないため、記載を省略致します。

 

b.仕入実績

 当社の行う事業は提供するサービスの性質上、仕入実績の記載になじまないため、記載を省略致します。

 

c.受注実績

 人材紹介において該当事項はございません。また、スキルシェアにおいては、受注から売上計上までのリードタイムが短く、事業年度において受注高と売上高に重要な乖離は生じないため、当該記載を省略しております。

 

d.販売実績

 第21期連結会計年度及び第22期第2四半期連結累計期間における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

第21期連結会計年度

(自 2021年7月1日

至 2022年6月30日)

第22期第2四半期連結累計期間

(自 2022年7月1日

 至 2022年12月31日)

金額(千円)

前年同期比(%)

金額(千円)

ヒューマンキャピタル事業

3,513,146

159.5

2,092,031

 (注)1.当社グループはヒューマンキャピタル事業の単一セグメントであります。

2.最近2連結会計年度及び第22期第2四半期連結累計期間の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

第20期連結会計年度

(自 2020年7月1日

至 2021年6月30日)

第21期連結会計年度

(自 2021年7月1日

至 2022年6月30日)

第22期第2四半期連結累計期間

(自 2022年7月1日

 至 2022年12月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

PwCコンサルティング合同会社

510,460

23.2

1,022,030

29.1

541,275

25.9

アビームコンサルティング株式会社(注4)

338,430

16.2

デロイトトーマツコンサルティング合同会社(注4)

245,405

11.7

3.上記金額には、消費税等は含まれておりません。

4.第20期連結会計年度及び第21期連結会計年度の販売実績及び総販売実績に対する割合については、総販売実績に対する割合が100分の10以上ではないため、記載を省略しております。

 

 なお、サービス別売上高は以下の通りです。

サービスの名称

第21期連結会計年度

(自 2021年7月1日

至 2022年6月30日)

第22期第2四半期連結累計期間

(自 2022年7月1日

至 2022年12月31日)

金額(千円)

前年同期比(%)

金額(千円)

人材紹介

2,340,181

145.1

1,385,820

スキルシェア

1,172,964

199.9

706,211

(注)第21期連結会計年度及び第22期第2四半期連結累計期間における人材紹介及びスキルシェアは、堅調に推移しているハイエンド人材の需要を背景に好調に推移しました。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。

① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づいて作成されており、その作成にあたっては、経営者による会計方針の選択と適用を前提として、資産・負債及び収益・費用の金額に影響を与える見積りを必要とします。当社グループの連結財務諸表の作成にあたり採用した重要な会計方針と会計上の見積りの詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項」の(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)及び(重要な会計上の見積り)に記載しております。

 なお、引当金の計上や資産の評価等の見積りについては、当社グループにおける過去の実績や将来の計画を勘案し判断しておりますが、見積り特有の不確実性が存在するため、実際の結果とは異なる場合があります。当社グループの連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。

 

(繰延税金資産の回収可能性)

 繰延税金資産は、将来減算一時差異の解消により、将来の税金負担額を軽減する効果を有すると認められる範囲を回収可能性があると判断し計上しております。具体的には、将来の一時差異回収スケジュール、タックス・プランニング及び収益力に基づく課税所得の見積り等に基づいて判断しております。課税所得の見積りは、事業計画を基礎としており、人材紹介の市場動向、正社員採用サービスにおける入社決定数、スキルシェアにおけるフリーコンサルタントの稼働人数を主要な仮定として、将来の収益及び費用の見積りを行っております。また、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大に伴う経済情勢や事業環境の変化による影響が懸念されるものの、当社グループの事業活動へ与える影響は軽微であり重要な影響がみられないことから、新型コロナウイルス感染症による重要な影響はないものと仮定して会計上の見積りを行っております。ただし、実際の経済環境や損益の状況がこれらの仮定と大きく乖離した場合には、翌連結会計年度以降の繰延税金資産の回収可能性に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・結果内容

第21期連結会計年度(自 2021年7月1日 至 2022年6月30日)

a 売上高

 当連結会計年度の売上高は、人材紹介及びスキルシェアともに好調に推移しました。人材紹介につきましては、コンサルティングファームにおいて新型コロナウイルス感染症により縮小していた若手の採用が再開したことに加え、採用需要が高いクライアントに注力するなど戦略的なアカウントマネジメントを徹底して入社決定数を大きく伸ばしたことにより、売上高は2,340,181千円(前期比45.1%増)となりました。スキルシェアにつきましては、戦略的に案件獲得を進め、稼働人数を大幅に増加させたことにより、売上高は1,172,964千円(同99.9%増)となりました。この結果、当連結会計年度における当社グループの売上高は3,513,146千円(同59.5%増)となりました。

 

b 売上総利益

 当連結会計年度の売上原価は、人材紹介における他社転職サイトの求職者情報登録者の転職決定に伴う手数料及びスキルシェアにおけるフリーコンサルタントへの業務委託費用等によって構成され、各サービスの売上高の増加と売上構成の変化により、1,271,933千円(前期比91.4%増)となり、売上原価率は36.2%(前期より6.0ポイント増)となりました。この結果、売上総利益は2,241,212千円(前期比45.7%増)となりました。

 

c 販売費及び一般管理費、営業利益

 当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、企業認知度向上やコーポレートブランディングに係る広告宣伝を強化したこと及び人員増強に伴い人件費が増加したこと等により、1,740,062千円(前期比42.2%増)となり、売上高販管費比率は49.5%(前期より6.0ポイント減)となりました。この結果、営業利益は501,150千円(前期比59.0%増)となりました。

 

d 経常利益

 当連結会計年度の営業外収益は受取保険金を計上したこと等により、2,282千円となり、営業外費用は支払利息を4,858千円計上したこと等により、10,153千円となりました。この結果、経常利益は493,279千円(前期比60.4%増)となりました。

 

e 特別損益、親会社株主に帰属する当期純利益

 当連結会計年度において特別利益、特別損失は発生しておりませんが、法人税、住民税及び事業税を219,732千円、税効果会計による法人税等調整額を△51,418千円計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は324,965千円(前期比35.9%増)となりました。

 

第22期第2四半期連結累計期間(自 2022年7月1日 至 2022年12月31日)

a 売上高

 当第2四半期連結累計期間の売上高は、人材紹介及びスキルシェアともに好調に推移しました。人材紹介につきましては、主にコンサルティングファームを中心とした採用需要の高いクライアントへの取り組みに注力し、入社決定数が順調に推移するとともに、採用難易度が高いコンサルティングファームのマネージャー以上の案件が好調であったこと等により、売上高は1,385,820千円となりました。スキルシェアにつきましては、既存案件の継続と新規案件獲得に努めたことに加え、登録フリーコンサルタントも増加したこと等により、稼働人数が順調に推移し、売上高は706,211千円となりました。この結果、当第2四半期連結累計期間における当社グループの売上高は2,092,031千円となりました。

 

b 売上総利益

 当第2四半期連結累計期間の売上原価は、人材紹介における他社転職サイトの求職者情報登録者の転職決定に伴う手数料及びスキルシェアにおけるフリーコンサルタントへの業務委託費用等によって構成され、各サービスの売上高の増加と売上構成の変化により、725,556千円となり、売上原価率は34.7%となりました。この結果、売上総利益は1,366,474千円となりました。

 

c 販売費及び一般管理費、営業利益

 当第2四半期連結累計期間の販売費及び一般管理費は、人員増強に伴う人件費の増加及びマーケティング施策のための広告宣伝費を計上したこと等により、925,446千円となり、売上高販管費比率は44.2%となりました。この結果、営業利益は441,028千円となりました。

 

d 経常利益

 当第2四半期連結累計期間の営業外収益は受取補填金を1,536千円計上したこと等により、2,011千円となり、営業外費用は上場関連費用を2,000千円、支払利息を1,646千円計上したこと等により、3,755千円となりました。この結果、経常利益は439,283千円となりました。

 

e 特別損益、親会社株主に帰属する四半期純利益

 当第2四半期連結累計期間において特別利益、特別損失は発生しておりませんが、法人税等を145,586千円計上した結果、親会社株主に帰属する四半期純利益は293,696千円となりました。

 

③ キャッシュ・フローの状況

 キャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

④ 資本の財源及び資金の流動性

(資金需要)

 当社グループの運転資金の主なものは、従業員の人件費、スキルシェアにおける登録コンサルタントへの業務委託費用、当社サービス浸透のための広告宣伝費、及び今後展開していくデジタルプラットフォームに係るシステム開発費等であります。

 

(財務政策)

 当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と財源を安定的に確保しながら、必要な資金は、自己資金、金融機関からの借入による資金調達を基本とし、新規サービスの展開等の初期開発費用等がかかるものについては、必要に応じてエクイティファイナンス等による資金調達を検討する予定です。当連結会計年度末における流動比率は179.1%であり、十分な流動性を確保していると認識しております。しかし、今後の一層の事業拡大やそのための投資を想定しますと、予定されている株式上場時の公募増資などにより財務基盤の増強が必要であると認識しております。

 

⑤ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループでは、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおり、売上高及び営業利益を重要な経営指標と位置づけております。これに加え、正社員採用サービスにおいては入社決定数、フリーコンサルサービスにおいてはフリーコンサルタントの稼働人数を各サービスの売上成長を測定する指標として重視しております。当連結会計年度(第21期連結会計年度)においては、正社員採用サービスの入社決定数が前期比28.6%増となり、フリーコンサルサービスの稼働人数が前期比90.0%増となりました。堅調なハイエンド人材の需要を背景に各サービスともに成長しており、売上高及び営業利益も伸長し、当社グループの経営上の目標の達成に向け順調に推移しているものと認識しております。

 各指標の推移は以下のとおりです。

(単位:千円)

 

 

第20期連結会計年度

(2021年6月期)

第21期連結会計年度

(2022年6月期)

第22期第2四半期

連結累計期間

(2023年6月期)

実績

実績

実績

売上高

2,203,203

3,513,146

2,092,031

営業利益

315,144

501,150

441,028

(正社員採用サービス)

入社決定数(人)(注1)

493

634

329

(フリーコンサルサービス)

稼働人数(人)(注2)

401

762

404

(注)1.求職者が求人企業に入社後一定期間内に自己都合により退職した場合、紹介手数料の一部を返金する契約を締結しておりますが、当該返金対象となった場合も入社決定数に含めております。なお、正社員採用サービスの一部取引について外部提携する場合がありますが、当該提携先で決定した場合は、入社決定数に含めておりません。

2.フリーコンサルタントの月次の稼働人数の合計

 

4【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

5【研究開発活動】

 該当事項はありません。