第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

 当中間連結会計期間において、新たに発生した事業等の発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更はありません。

 なお、本文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において、当社グループが判断したものであります。

 

継続企業の前提に関する重要事象等について

 当社グループでは、前連結会計年度及び当中間連結会計期間において当期純損失(中間損失)及び営業キャッシュ・フローのマイナスを計上しております。

 2 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)当期の経営成績の概況に記載の通り、当中間連結会計期間において営業利益126,397千円を計上することはできましたが、金融費用(主に為替差損)の増加により中間損失265,918千円を計上していることに加え、取引金融機関より借入金元本の返済猶予を受けており、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況が存在しております。

 当該状況を解消するために以下の対応策を実施しております。

 

(1)事業の収益改善

 当社グループの強みとして確立されつつある、ヘルスケア及びライフサイエンス領域や金融領域に特化して案件獲得を強化していっております。重ねて、安定的な成長基盤構築の確立を目標として、位置情報や価格戦略などに関して差別化可能な自社テクノロジーへの投資を進めつつ、過去のDXプロジェクト実績をソリューション化し、グローバル展開を進めておりま す。さらに、当社が得意とするSoE領域の価値を高める、位置情報データ、価格感応度等の購買行動データなどのデータ領域の強化及び生成AIを活用したエンタープライズ システム開発強化を進めると共に、先進的テクノロジー企業やコンサルファーム、事業会社との出資・提携等を梃子に、技術力及び営業力の継続的な強化に努めております。

 

(2)事業を含む全社的な費用削減策について

 当社グループは、2024年5月31日付「連結子会社の人員削減等の合理化及び連結子会社の解散の方針決定に関するお知らせ」にて公表した通り、2024年12月31日までに、EMEA(欧州及び中東)事業の大幅な縮小など、グループ全体での人員削減と共に、固定費削減のためにオフィスの縮小やITコストの見直しを実施いたしました。その結果、事業を継続する連結子会社において、同中間連結会計期間での比較を実施した結果、前年同期比で販売費及び一般管理費が895,180千円減少しております。今後も引き続き、オフィスの縮小やITコストの見直しを進める事によりさらなる費用削減を図ってまいります。

 

(3)財務面について

 取引金融機関と弁済猶予依頼や事業計画及び資金計画の協議を実施し、借入金元本の返済猶予を受けておりますが、引き続き取引金融機関等と緊密な関係を維持し、継続的な支援をいただけるよう努めております。

 また、2025年6月23日付「第三者割当により発行された第81回新株予約権(行使価額修正条項付)の行使完了及び月間行使状況に関するお知らせ」にて公表した通り、エクイティファイナンスによる資本調達の実施や、2025年3月28日付「第三者割当による種類株式発行にかかる払込の完了および資本金および資本準備金の額の減少ならびに剰余金の処分の効力発生に関するお知らせ」にて公表した通り、株式会社山陰合同銀行を割当先とした総額3,300,000千円のA種種類株式の発行及び払込が完了した事に伴い、当中間連結会計期間末において資本1,234,807千円と、債務超過を解消しております。

 資金繰りに関しては、当中間連結会計期間末の現金及び現金同等物は4,131,709千円となり、継続的な事業運営に十分な資金を確保しております。

 

 以上により、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断しております。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)当期の経営成績の概況

 当社グループは、「多様性を活かし、テクノロジーで世界を変える」をミッションとし、世界の課題を解決するようなプロダクトやサービス、エコシステムをデジタルパートナーとしてクライアントと共に作り上げると同時に、国境を越えて「働く機会」「成長する機会」「世界の問題を解決するようなプロジェクトに参画する機会」などの「機会」を提供することで、より良い世界の実現に貢献することを目指しております。

 

 当中間連結会計期間における世界経済及びわが国経済は、インバウンド需要の拡大や賃上げによる所得環境の改善などにより、緩やかな回復基調となりました。しかしながら、ウクライナ情勢の長期化による物価上昇や、アメリカの今後の政策動向や金融資本市場の変動等もあり、国内外における経済的な見通しは不透明な状況が続いております。一方、IT業界におきましては、コロナ禍を契機とするデジタルシフトの機運も依然として衰える気配はなく、経営戦略に直結するデジタルトランスフォーメーション(DX)の需要が増加しており、企業のDXに対する投資意欲は引き続き旺盛な状況が続いております。

 

 こうした経営環境の中、当社グループは世界12の国と地域において、主に企業や自治体に対して事業課題や新規

事業のニーズに合わせてDXを支援するメイン事業「デジタルコンサルティング事業」およびプロダクト事業等の

「その他事業」を展開しております(2024年12月31日時点)。なお、当社グループではデジタルコンサルティング

事業を展開するエリアを、日本国内及びアジア・パシフィック地域、中東を指すAPAC、北米、中米及び南米地域を指すAMERの2つのリージョンに分類しております。

 

 当中間連結会計期間につきましては、2024年12月期を通じて推進した不採算拠点の撤退縮小、コスト最適化を中心とする抜本的な構造改革により、成長基盤構築を完了し利益を創出できる体質への転換を実現したことから営業利益の黒字化を達成することとなりました。APACにおいては生成AIを活用したアプローチ、データ・エンタープライズシステム案件への取り組みが順調に進み、データ・エンタープライズ領域の本格展開に向けては、存続組織の立ち上げや豊富な知見を有する統括責任者の参画により組織面からも着実に強化を進めております。成長戦略の柱の1つとしているAIによる生産性革新及びAIソリューションの提供への取り組みにおいては、開発プロセスのあらゆる領域でAIを活用することで、高品質化と高生産性を実現し、組織的なAI活用を推進するための社長直轄組織である、「センター・オブ・エクセレンス」を立ち上げております。

 AMERにおいては継続性の高い案件により、安定的な売上及び利益積上げが実現しており、盤石な事業基盤が構築できております。既存大手クライアントを中心に安定的なパイプラインを構築しており事業環境は良好であり、2024年12月期第3四半期に営業黒字化を達成して以来、継続して営業黒字を計上してきております。

 

 以上の結果、当中間連結会計期間の当社グループの売上収益は3,778,949千円(前年同期比34.0%減)、営業利益は126,397千円(前年同期は6,990,797千円の営業損失)、税引前中間損失は358,770千円(前年同期は5,773,852千円の税引前中間損失)、親会社の所有者に帰属する中間損失は253,387千円(前年同期は5,894,047千円の親会社の所有者に帰属する中間損失)となりました。

 

 デジタルコンサルティング事業におけるリージョン別の業績は以下のとおりであります。

 

1. APAC

 当中間連結会計期間は、売上収益は3,053,363千円(前年同期比4.1%減)、営業利益は116,635千円(前年同期比3,621.0%増)となりました。なお、左記数値に関しては前年の日本国内及びアジア・パシフィック地域によって構成されるAPACとの比較としております。

 顧客における年度の切り替わりにより第2四半期では例年売上の減少が起こっていたものの、当第2四半期会計期間ではほぼ前四半期並みの売上収益を維持した結果、前年同四半期比では売上が増加しており、前年中間連結会計期間比においてもほぼ横ばいとなっております。生成AI関連の案件の獲得も進んでおり、成長戦略を着実に遂行しつつあります。

 

2. AMER

 当中間連結会計期間では、売上収益は512,178千円(前年同期比11.4%増)、営業利益は48,855千円(前年同期は289,745千円の営業損失)となりました。

 既存大手クライアントを中心に安定的なパイプラインを構築しており事業環境に推移しております。今後は引き続きペイメントソリューション企業との提携を活かすと共に、マーケティング活動の本格化によって更なる成長に向けたパイプライン強化を図ります。

 

(2)当期の財政状態の概況

 当中間連結会計期間末における各項目の状況は、次のとおりです。

 

(流動資産)

 流動資産の残高は5,431,517千円(前連結会計年度末は2,723,335千円)となりました。主な内訳は、現金及び現金同等物4,131,709千円(前連結会計年度末は1,550,889千円)、営業債権及びその他の債権808,052千円(前連結会計年度末は733,683千円)等であります。

 

(非流動資産)

 非流動資産の残高は4,292,400千円(前連結会計年度末は4,865,784千円)となりました。主な内訳は、のれん699,354千円(前連結会計年度末は699,354千円)、その他の金融資産2,874,551千円(前連結会計年度末は3,213,434千円)等であります。

 

(流動負債)

 流動負債の残高は2,011,562千円(前連結会計年度末は5,710,500千円)となりました。主な内訳は、営業債務及びその他の債務592,588千円(前連結会計年度末は694,227千円)、社債及び借入金32,988千円(前連結会計年度末は3,372,457千円)、その他の流動負債947,218千円(前連結会計年度末は1,095,464千円)等であります。

 

(非流動負債)

 非流動負債の残高は6,477,547千円(前連結会計年度末は6,655,339千円)となりました。主な内訳は、社債及び借入金5,848,505千円(前連結会計年度末は5,808,099千円)、リース負債199,480千円(前連結会計年度末は265,114千円)等であります。

 

(資本合計)

 資本合計は1,234,807千円(前連結会計年度末は△4,776,719千円)となりました。主な内訳は、資本金1,153,281千円(前連結会計年度末は2,175,325千円)、資本剰余金1,954,338千円(前連結会計年度末は10,896,713千円)、利益剰余金△2,636,793千円(前連結会計年度末は△18,505,948千円)等であります。

 

 

(3)当期のキャッシュ・フローの概況

 当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、4,131,709千円(前連結会計年度末は1,550,889千円)となりました。

 当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりです。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果、資金は△149,300千円の支出(前年同期は△2,543,634千円の支出)となりました。これは主に、税引前中間損失(△358,770千円(前年同期は△5,773,852千円))による資金の減少、為替差損益(208,937千円(前年同期は△1,175,377千円))、営業債権及びその他の債権の増減(△162,532千円(前年同期は306,080千円))、契約資産の増減(△65,833千円(前年同期は△142,810千円))、引当金の増減(122,576千円(前年同期は301,896千円))、法人所得税の支払額(△74,407千円(前年同期は△86,877千円))により資金が減少したこと等によるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果、資金は75,406千円の収入(前年同期は△120,948千円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出(△896千円(前年同期は△24,285千円))、無形資産の取得による支出(△14,947千円(前年同期は△85,990千円))、持分法で会計処理されている投資の売却による収入(91,007千円(前年同期はゼロ))等によるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果、資金は2,743,615千円の収入(前年同期は1,989,121千円の収入)となりました。これは、短期借入金の純増減額(△2,633,764千円(前年同期は2,812,279千円))、長期借入金の返済による支出(△666,236千円(前年同期は△377,172千円))、リース負債の返済による支出(△102,307千円(前年同期は△195,986千円))、増資による収入(6,213,084千円(前年同期はゼロ))、非支配持分からの子会社持分取得による支出(△67,160千円(前年同期はゼロ))によるものです。

(4)経営方針・経営戦略等

 当中間連結会計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(5)研究開発活動

 当中間連結会計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

3【経営上の重要な契約等】

 当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定または締結等はありません。