第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)  経営方針

当社グループは1906年の創業以来、化学品メーカーとして歩み続けてきました。現在は、「化学品事業を通じて地球環境と豊かな社会の創生に貢献する」を企業理念に掲げ、様々な製品の基礎原料として使われる苛性ソーダや殺菌、消毒に使われる次亜塩素酸ソーダをはじめとする「基礎化学品事業」、酢酸ナトリウム(食品用日持ち向上剤)、グルコサミンをはじめとする「機能化学品事業」、土壌殺菌剤として使われる農薬クロルピクリンをはじめとする「アグリ事業」、廃硫酸のリサイクルを中心とする「環境リサイクル事業」、及び塩の加工・販売に関する「各種塩事業」の5事業を展開しています。

特に、2013年にそれまでの親会社であった㈱中山製鋼所から独立したタイミングを機に、それまでの化学品のシナジーを生かしたプロダクトアウト型から、顧客のニーズをふまえ商品開発を行うマーケットイン型の企業へと大きく企業体質を転換しており、顧客に近接した工場立地と、硫黄、水素などの原料を自社製造できるコスト競争力を強みに、商品提案力に磨きをかけ、さらなる発展に繋げていく方針です。

 

(2)  経営環境及び中長期的な経営戦略

当社グループを取り巻く経営環境は、米中の貿易摩擦やロシアのウクライナ侵攻がもたらした国際情勢の極端な緊張と世界経済分断化リスクの増大や、一昨年来続いている新型コロナウイルス感染症の拡大による生活様式・国内製造業の変化を、十分に留意すべき局面にあります。当社においては、原材料価格や用益費の急激な増加を如何に吸収し、製品単価へ適正に転嫁することが安定的な収益の確保の喫緊の課題になっています。

そのような状況下、当社グループの経営方針において、「守りの成長」と「攻めの成長」に焦点をあて、既存ビジネスの事業基盤強化と新規ビジネスの成長へと導いていくことを目標とした取組みを実施し、これからも顧客を大切にしながら収益をあげる企業構造への転換に努めてまいります。具体的には、「環境に貢献する新規ビジネスによる成長分野の確立」、「新たな事業投資ポートフォリオによる強靭な企業集団の構築」、「生産性の向上と原価率の低減による事業基盤の確立」を企業経営方針と定め、既存ビジネスの拡大に加え、多種多様な新規事業の展開により売上増加を目指すとともに、採算性を重視し、グループ一丸となったコスト意識の徹底で経常利益を確保してまいります。

 

(3)  経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、企業価値の向上と株主利益の増大を図るため、事業の収益性と設備投資を効果的に実施しながら成長性を高めるため、主な経営指標として、売上高、経常利益及び資産効率を示すROA(総資産利益率)、ROE(自己資本利益率)を掲げております。

 

(4)  経営上及び財務上の対処すべき課題

当社グループでは、企業経営方針である「環境に貢献する新規ビジネスによる成長分野の確立」、「新たな事業投資ポートフォリオによる強靭な企業集団の構築」、「生産性の向上と原価率の低減による事業基盤の確立」を経営上及び財務上の対処すべき課題として認識しており、それぞれの課題の克服を目指し、以下のような取組みを実施しております。

 

①「環境に貢献する新規ビジネスによる成長分野の確立」

SDGsが企業・社会において一般化する中、環境を軸としたビジネスの深化と開発に注力していきます。当社グループが手掛ける硫酸リサイクル事業の基盤を強化するとともに、当社持分法適用関連会社であるサンワ南海リサイクル株式会社との連携を深めていきます。又、セメント会社の資源リサイクル比率向上に寄与する脱塩事業を土佐工場に新設し、さらには電池領域でのリサイクル技術の確立に向けて研究開発部門の充実を図り、将来のリサイクルビジネス拡大への布石作りをしております。

 

②「新たな事業投資ポートフォリオによる強靭な企業集団の構築」

戦略優位性の少ない事業の撤退も含めた方向性の確定とともに、エコ社会実現に貢献するビジネスに注力する等、グループ内の事業ポートフォリオの見直しを継続していきます。具体的には、当社青岸工場に立地する持分法適用関連会社ATNグラファイト・テクノロジー株式会社は、当社の原料優位性を活かして、自動車部品や建築資材の耐火・難燃性能を向上する特殊黒鉛の製造を行っていきます。又、青岸工場で製造する水硫化ソーダは、自動車部品の軽量化や耐熱性向上に繋がる高機能樹脂の原料として、エコ社会実現に貢献しています。

 

③「生産性の向上と原価率の低減による事業基盤の確立」

急激な為替変動と国際市況の高騰に対処すべく、仕入先及び販売先との取組みを強化するとともに、原料ソースの多角化を図り、生産性の向上と原価率の低減に努め、適正な収益基盤を維持してまいります。

具体的には、和歌山工場で生産される苛性ソーダを中心とした多品目商品群は近隣に位置する500か所程度の納入先への小ロット取引を展開し、収益地盤を固めております。

もう一つの主力工場である土佐工場で生産されるクロルピクリンと高度さらし粉は、競業メーカーが少ないニッチ商品であるため、生産能力増強等で安定供給に努め日本全国及び海外市場への展開を進めております。

又、原料ソースの多角化に対応するため、原料在庫スペースの増強を実施しております。

 

2 【事業等のリスク】

本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

当社グループでは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避や発生した場合の対応に最善を尽くす方針としております。

また、必ずしも事業上のリスクに該当しない事項であっても、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項については、投資者に対する情報開示の観点から積極的に開示しております。

なお、文中の将来に関する事項は、提出日現在において当社グループが判断したものであり、当社グループに係る全てのリスクを網羅したものではなく、記載された事項以外にも予測が困難な事業等のリスクがあるものと考えられます。

 

(1) 突発的な事故や災害の発生 影響度:大、発生可能性:低、発生時期:特定時期なし

当社グループでは、全ての製造設備を対象とした定期的な点検や必要に応じての修繕を行うことにより、安全かつ安定的な工場設備の操業に努めておりますが、不具合や事故による製造設備の損壊に起因する生産活動の中断により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

また、当社グループの製造拠点は主に和歌山県及び高知県に立地しており、南海トラフを震源とする地震災害の影響を受ける可能性があり、また台風による風水害の影響を受けやすいことからBCP策定ワーキンググループによる対策検討を実施し、その影響の最小化を図っておりますが、当該製造設備の損壊に起因する生産活動の中断により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 競争の激化 影響度:中、発生可能性:低、発生時期:短期

当社グループでは、総合化学メーカーとして苛性ソーダ、次亜塩素酸ソーダ、水処理剤など各種無機化学工業製品を取扱う基礎化学品事業、酢酸ナトリウム、グルコサミン、染料及び電子材料製品など有機化学工業製品を取扱う機能化学品事業、農薬を取扱うアグリ事業及び廃硫酸のリサイクルなどを取扱う環境リサイクル事業、塩製品を取扱う各種塩事業を営んでおり、古くからの関西地区をターゲットとした地域密着型の事業展開によって一定の存在感を確立しているという強みを有しております。しかしながら、近年の原材料や燃料等の高騰により、販売価格への転嫁が急務となっております。市況及び他社動向を注視しつつ適正な利潤を確保するため、販売先との価格交渉を継続的に実施しておりますが、調達価格と販売価格の価格変動にタイムラグが生じた場合は、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 原材料及び製商品に係る相場変動並びに原材料の減耗 影響度:中、発生可能性:大、発生時期:短期

当社グループでは、事業の特性上、恒久的に塩やニトロメタンを中心とした原材料の調達が必要となっております。このため、常時複数の調達チャネルを確保した上で調達価額の低廉化を主眼としつつ、全体最適を図りながら安定調達に努めておりますが、自助努力にてコントロールできない急激な為替変動や市況価格の変動により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。とりわけ原材料のうち塩につきましては、岸壁の貯塩場に大量に保管しており、シート掛けを行うなどの措置を講じておりますが、風雨により流出し減耗することで当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

また、製造の過程において電力を大量に使用することから、電力価格の変動により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があり、電力の安定的な供給が達成されない場合には、生産活動の中断により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 製造拠点の稼働 影響度:大、発生可能性:低、発生時期:特定時期なし

当社グループでは、営業部門からの需要動向や原材料の調達状況を踏まえ、生産計画を策定のうえ、製造設備の稼働を実施しております。さらに計画的な保全計画を策定実施し安定稼働に取り組んでおりますが、製造設備のトラブル等により生産が停止した場合には、製品供給がされず、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 製品の品質 影響度:小、発生可能性:低、発生時期:特定時期なし

当社グループでは、品質管理体制を整備し品質の維持に努めておりますが、予期できない品質トラブルが発生した場合には、顧客からの信用の低下や当社グループの社会的信用の低下を招く可能性があります。これらに対しては、製造物責任保険に加入し、影響額を最小限にとどめる取組みを行っているものの、損害賠償や補償の履行により当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(6) 知的財産の保護 影響度:大、発生可能性:低、発生時期:特定時期なし

当社グループでは、事業の優位性確保の観点から開発を通じて獲得した技術について、特許を出願するなど知的財産の保護に努めておりますが、開発した技術や各種ノウハウの外部への流出、知的財産権に係る係争案件や侵害の発生により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

また当社グループでは、各種製品の研究開発段階において、当社研究開発本部にて他の者が所有する知的財産権を侵害していないか確認並びに調査を実施しておりますが、結果として他の者が所有する知的財産権を侵害するに至った場合やその他知的財産権に係る紛争が発生した場合には、当社グループの製品の生産活動が制約を受けたり、損害賠償金の支払が発生することにより、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 事業の前提となる許認可、届出並びに法令や規則の遵守

 影響度:中、発生可能性:中、発生時期:特定時期なし

当社グループでは、各種工業化学製品の製造・販売を営んでおり、事業を遂行するために以下のような法令や規則に基づく許認可等を取得し、当該法令や規則の遵守徹底を基本として事業活動を行っております。

これらの許認可等については、各種法令にて定める手続きを適切に実施しなかった場合、その効力を喪失いたします。また、万が一各種法令に違反した場合、許認可等の取消や期間を定めて対象となる業務の全部若しくは一部の停止を命ぜられる旨が定められております。当社グループにおいては、現時点では許認可等の取消や業務の停止となる事実は存在しないものと認識しておりますが、将来許認可等の取消や業務の停止が命ぜられた場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(主な許認可等の取消や業務の停止事由)

セグメント

法令・許可証等

許認可等の取消や業務停止事由

化学品事業

毒物及び劇物取締法

・毒物劇物一般販売業登録

・毒物劇物製造業登録

製造業又は輸入業の登録は5年ごとに、販売業の登録は6年ごとに、更新を受けなければその効力を失う。また、都道府県知事は法令に定める基準に適合しなくなったと認めるときは登録の取消し、又は期間を定めて業務の停止を命ずることができる。

(第4条第3項、第19条)

消防法

法令又は法令に基づく処分に違反したとき等の場合、市町村長等は、製造所等の許可の取消し、又は期間を定めて製造所等の使用の停止を命ずることができる。

(第12条の2第1項)

食品衛生法

・食品添加物製造業営業許可

法令又は法令に基づく処分に違反したとき等の場合、都道府県知事は、許可を取り消し、又は営業の全部若しくは一部を禁止し、若しくは期間を定めて停止することができる。

(第60条及び第61条)

 

(許認可等の有効期限(注))

名称

認証機関

登録組織

有効期限

毒物劇物一般販売業登録

大阪市長

南海化学㈱営業本部

2024年5月26日

和歌山保健所長

南海化学㈱和歌山工場

2027年12月31日

高知市保健所長

南海化学㈱土佐工場

2029年2月9日

毒物劇物製造業登録

和歌山県知事

南海化学㈱和歌山工場

2026年11月30日

高知県知事

南海化学㈱土佐工場

2026年5月31日

食品添加物製造業営業許可

和歌山保健所長

南海化学㈱和歌山工場

2026年2月28日

高知市保健所長

南海化学㈱土佐工場

2027年2月28日

 

(注)当社グループの主要な製造拠点(当社和歌山工場及び土佐工場)と販売拠点(当社本社)につき、記載しています。

 

(8) 法的規制 影響度:中、発生可能性:中、発生時期:特定時期なし

「(7) 事業の前提となる許認可、届出並びに法令や規則の遵守」にも記載のとおり、当社グループは法令や規則の遵守徹底を基本として事業活動を行っておりますが、過失あるいは政策、実務慣行、解釈変更により発生する事態が、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、将来において当該法令や規制が強化されることも想定され、このような場合には事業活動に対する制約の拡大やコストの増加が発生し、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(9) 環境規制 影響度:中、発生可能性:中、発生時期:特定時期なし

当社グループでは、化学物質を製造し、又は取り扱う事業者として、自己決定・自己責任の原則に基づき、化学物質の開発から製造・流通・使用・最終消費を経て廃棄に至る全ライフサイクルにわたって「環境・安全・健康」を確保することを経営方針として公約し、環境・安全・健康面の対策を実行し、改善を図っていく自己管理活動である「レスポンシブル・ケア活動」を推進しておりますが、万が一、有害物質が当社グループ外に流出した場合には、損失補償や損害賠償の発生や生産活動の中断により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

また、当社グループは、土壌汚染・大気汚染・水質汚濁・産業廃棄物処理等各種の環境規制を遵守のうえ、業務を行っておりますが、これらの規制の動向により、過去、現在及び将来の当社グループの事業活動に関し、法的又は社会的責任の観点から対応を行う場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10) 借入金と金利変動について 影響度:小、発生可能性:低、発生時期:特定時期なし

当社グループは、設備投資資金、運転資金を銀行からの借入により賄っており、業容拡大等に伴う設備投資、運転資金の増加は今後も想定されます。当社グループは借入金比率の低減を図り財務体質の強化に努めてまいりますが、金利の上昇傾向が続いた場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(11) 借入金の期限の利益喪失について 影響度:小、発生可能性:低、発生時期:特定時期なし

当社グループは、複数の金融機関とコミットメントライン契約を締結しております。当該契約には以下の禁止事項及び財務制限条項が定められており、これらの条項に抵触した場合には、借入金を一括返済する可能性が生じるため、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

なお、当該コミットメントライン契約は2023年3月31日の期日満了をもって解除する予定です。

(禁止事項)

 ・全貸付人及びエージェントの事前の書面による承諾なく、本契約に基づく債務を除く借入人又は第三者の負担する債務(保証、借入金、社債を含むがこれに限らない)のために担保提供を行わないこと。

 ・全貸付人及びエージェントの事前の書面による承諾なく、一部の貸付人に対する本契約上の債務を被担保債務の全部又は一部とする担保提供を行わないこと。

 ・当社の主たる事業を営むのに必要な許可等を維持し、全ての法令等を遵守して事業を継続すること。

 ・主たる事業内容を変更しないこと。

 ・全貸付人及びエージェントの事前の承諾なく、本件関連契約上の義務の履行に重大な影響を及ぼす、若しくは及ぼす可能性のある以下の行為を行うこと。

a. 組織変更

b. 合併

c. 会社分割

d. 株式交換若しくは株式移転

e. その事業若しくは資産の全部若しくは一部の第三者への譲渡(セールアンドリースバックのための譲渡を含む)

f. 資本金の額の減少

g. 第三者の事業若しくは資産の全部若しくは一部の譲受

(財務制限条項)

・各事業年度末日における当社単体の損益計算書に記載される経常損益を2期連続して損失としないこと。

 

(12) 情報セキュリティ 影響度:中、発生可能性:中、発生時期:特定時期なし

当社グループでは、コンピュータシステムによって、販売・受注・出荷・生産・在庫・購買・給与・財務・経理といった事業活動に必要な業務情報の一元管理を行っており、当該管理体制には万全を期しております。さらに、情報セキュリティを含めたコンプライアンス研修などを実施しておりますが、予期せぬコンピュータシステムの停止、誤作動や不正使用、又は外部からのサイバー攻撃などにより、業務運営に支障をきたし、あるいは重要情報の漏えいや紛失による対外的信用の低下により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(13) 人材の採用及び育成 影響度:中、発生可能性:低、発生時期:特定時期なし

当社グループは、今後の事業展開に応じて、積極的な人材の採用及び育成に取り組む方針であり、新卒社員向けのメンター制度や階層別研修の実施などに取り組んでいるものの、人材の採用及び技術の継承が順調に進まなかった場合や、既存の人材が当社グループ外に流出した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

 

(14) 労働災害 影響度:小、発生可能性:中、発生時期:特定時期なし

当社グループでは、多くの生産設備や製造装置を用いて業務を行っており、従業員の安全管理が不可欠であると認識しております。このため、各製造拠点単位で安全衛生委員会を定期的に開催し、従業員への安全教育や危険予知活動といった啓発活動並びにトップ自らが点検パトロールを行い、事故防止の安全管理を徹底しております。しかしながら、万が一重大な事故や労働災害が発生し、一時的な復旧費用や補償金等の負担が生じた場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(15) 内部管理体制 影響度:小、発生可能性:低、発生時期:特定時期なし

当社グループは、「化学品事業を通じて地球環境と豊かな社会の創生に貢献する」の企業理念のもと、企業価値の継続的な向上を図るため、コーポレート・ガバナンスが有効に機能することが不可欠であると認識しております。業務の適正性及び財務報告の信頼性の確保のための内部統制システムの適切な運用、さらに健全な倫理観に基づく法令遵守を徹底するにあたり、現時点では十分な体制を構築していると考えておりますが、将来において法規制等が厳格化された場合や、事業環境の変化により内部管理体制の構築が追いつかない場合には、適切な業務運営が困難となり、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(16) 固定資産の投資 影響度:中、発生可能性:中、発生時期:特定時期なし

当社グループでは、各製造拠点から提出され、予算編成の過程での検討手続きを経た上で作成された設備投資計画に基づき、工場の建物や製造設備、工具器具備品に至るまで生産活動の維持・向上に必要な固定資産の投資を計画的かつ継続的に行っておりますが、何らかの要因により当該固定資産の投資がスケジュールどおりに完了しなかった場合、生産計画に影響を及ぼすため、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(17) 固定資産の減損 影響度:中、発生可能性:中、発生時期:特定時期なし

当社グループが保有する固定資産については、「固定資産の減損に関する会計基準」を適用しております。同会計基準では、減損の兆候が認められる資産又は資産グループについては、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回った場合に、帳簿価額を回収可能価額(当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額若しくは当該資産又は資産グループの正味売却価額のいずれか高い方の金額)まで減額し、減額した当該金額を減損損失として計上することとなります。

また、当社グループは、キャッシュ・フローを生み出す資産又は資産グループの最小単位として、製造拠点単位を基本とした資産のグルーピングを行っております。

このため、当該資産又は資産グループが属する製造拠点の経営環境の著しい変化や収益状況の悪化等により、固定資産の減損損失を計上する必要が生じた場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(18) 経営成績の季節変動 影響度:小、発生可能性:低、発生時期:特定時期なし

当社グループの事業は、融雪などに用いられる各種塩や、農薬などの取扱製品の特性上、冬期から春先(11月から翌年5月頃)にかけて売上高及び利益が計上される結果、第1四半期(4~6月期)、第3四半期(10~12月期)及び第4四半期(翌1~3月期)が堅調に推移する一方で、夏場である第2四半期(7~9月期)は一時的に売上高及び利益が落ち込む傾向となっております。これに対応するため、夏場に需要の高まる水処理剤の営業強化に努め、年度を通じて売上高及び利益が安定するよう取り組んでおりますが、特定の四半期業績のみによって通期の経営成績を判断することは困難であります。さらに、先に述べた取扱製品の需要動向については、各年の気象条件にも左右されることから、特定の年度の四半期の経営成績をもって通期の業績見通しを判断することは困難であります。

なお、第71期(2022年3月期)連結会計年度の当社グループの経営成績は以下のとおりであります。

第71期

(2022年3月期)

連結会計年度

第1四半期

連結会計期間

(4~6月期)

第2四半期

連結会計期間

(7~9月期)

第3四半期

連結会計期間

(10~12月期)

第4四半期

連結会計期間

(翌1~3月期)

通期

売上高(百万円)

3,931

3,546

4,503

5,451

17,434

構成比(%)

22.6

20.3

25.8

31.3

100.0

営業利益(百万円)

290

115

158

175

739

 

(注) 上記四半期連結会計期間の数値については、金融商品取引法第193条の2第1項に基づく仰星監査法人の四半期レビューは受けておりません。

 

 

(19) 資金使途 影響度:小、発生可能性:低、発生時期:特定時期なし

当社グループが計画している自己株式の処分による調達資金の使途については、各種事業における製造設備の新設及び更新のための設備投資に充当することを予定しております。しかしながら、市場動向や経済環境その他外的要因により予定どおりの資金調達が実施できなかった場合や、予定どおりの資金調達が実施できた場合でも、想定した投資効果が得られない可能性や、設備投資やシステム投資にかかる遅延等が発生し、予期しない費用負担を余儀なくされた場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。なお、設備投資やシステム投資の完了後には、償却負担を含む製造原価や経費の増加を見込んでおります。

 

(20) 訴訟等 影響度:中、発生可能性:中、発生時期:短期

当社グループは、事業又は企業活動に関連して、製造物責任、環境、労務、商取引等、様々な訴訟や紛争その他法的手段(以下、「訴訟等」という。)が提起される可能性があります。これに対応するため、当社グループではコンプライアンスの徹底が最重要かつ第一義であると役職員が認識した上で各自の職務にあたっております。具体的には、取引先と「取引基本契約書」を締結し、商取引のルールを明確化することにより、無用の訴訟等を生じさせない取組みを講じており、また不測の事態に備えて各種保険の付保を実施し、損失を最小限にとどめるよう努めておりますが、訴訟等が提起された場合は、その対応により当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(21) 新株予約権(ストック・オプション)による希薄化 影響度:小、発生可能性:低、発生時期:特定時期なし

当社グループは、当社及び当社グループの役員及び従業員などに対するインセンティブを目的として、新株予約権(ストック・オプション)を付与しております。また、資金調達を目的として第三者に対し新株予約権を発行することがあります。当該新株予約権の発行については、必要最小限にとどめるなど、その影響を考慮した各種検討や取組みを実施しておりますが、これらの新株予約権が行使された場合、当社株式が新たに発行され、既存の株主が有する株式の価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。本書提出日現在、新株予約権の潜在株式数は73,500株にて、発行済株式総数2,330,330株の3.2%に相当しております。

 

(22) 繰延税金資産の取崩し 影響度:小、発生可能性:低、発生時期:特定時期なし

当社グループは、税務上の繰越欠損金及び将来減算一時差異に対して、将来の課税所得を合理的に見積り、回収可能性を検討した上で繰延税金資産を計上しておりますが、実際の課税所得が見積りと異なり、回収可能性の見直しが必要となった場合、又は税率変更を含む税制の改正等があった場合には、繰延税金資産の取崩しが必要となり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営成績等の状況の概要

第71期連結会計年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う緊急事態宣言、並びにまん延防止等重点措置の断続的な発出により経済活動が制限され、引き続き厳しい状況で推移いたしました。ワクチン接種が進み感染者数の減少も一時的に見られましたが、変異株の出現等による感染者数の急増により新型コロナウイルス感染症の収束時期の見通しが立たない中、景気の先行きは厳しい状況が継続しております。一方、世界経済は、ワクチン接種が進んだ先進国での行動制限緩和に伴う経済活動正常化の兆しも一部で見られましたが、長引く米中の貿易摩擦とウクライナへ侵攻したロシアへの経済制裁等による世界経済分断化のリスクが増大する中、資源価格の上昇や物流の混乱も重なり、先行きの不透明感は一層高まっております。

このような環境の中、当連結会計年度は当社グループ中期経営計画「Fly Higher Nankai」の経営指針である「想定力の向上で守りの成長と攻めの成長を実現する」の達成に向け、事業基盤強化の諸施策の先行実施、不要資産の売却等による財務体質の改善、不採算事業の見直しを着実に進めると同時に、成長分野での販売拡大を積極的に実施いたしました。

以上の結果、当連結会計年度の経営成績につきましては、売上高は17,434百万円(前期比5.9%増)となり、損益面につきましては、営業利益は739百万円(前期比1.1%増)、経常利益は716百万円(前期比1.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は462百万円(前期比198.1%増)となりました。

なお、当連結会計年度におけるセグメントごとの経営成績は次のとおりであります。

 

<化学品事業>

基礎化学品につきましては、地域に根ざした販売体制のさらなる強化を図りつつ、新たな市場の開拓にも積極的に取り組んでまいりました。

機能化学品につきましては、受託製造の引受が前年度実績を上回って推移いたしました。

アグリにつきましては、安定供給体制の構築に向けて、サプライチェーンの整備の継続に努めてまいりました。

環境リサイクルにつきましては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響等を受けた石油精製事業者などの廃硫酸供給業者の設備稼働率が大幅に低下し、廃酸処理受注量が激減したことにより、前年実績を下回っての推移となりました。

以上の結果、化学品事業における当連結会計年度の売上高は14,145百万円(前期比2.8%増)、セグメント利益は1,520百万円(前期比2.3%増)となりました。

 

<各種塩事業>

各種塩事業には、塩の製造や加工、販売を営む各種塩事業が含まれております。新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、新規顧客への販売活動が制約を受けましたが、冬季の融雪塩が寒波の影響もあり好調だったことから、売上高は3,288百万円(前期比21.4%増)、セグメント利益120百万円(前期比199.1%増)となりました。

 

第72期第3四半期連結累計期間(自 2022年4月1日 至 2022年12月31日)

当第3四半期連結累計期間における世界経済は、ウクライナ情勢や中国におけるロックダウンの影響、原材料価格及び物流費の高騰と部材不足、世界的なインフレなどが継続し、景気の持ち直しに弱さが見られました。グローバルでの地政学リスクやインフレなどによる景気減速リスクは依然として高く、さらに日本国内においては、急速な円安の進行による経済への悪影響が懸念材料となるなど、先行きについて不透明な状況が続いております。

このような経済情勢のもと、経営指針である「想定力の向上で守りの成長と攻めの成長を実現する」の達成に向けた施策を進めております。

このような状況の下、当社グループは、原材料価格及び物流費の高騰への対応の一環として商品価格の改定を行うなど、長期安定的収益基盤強化に向けた取組みを進めました。

上記の結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は13,862百万円となり、損益面につきましては、営業利益は452百万円、経常利益は512百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は329百万円となりました。

 

 

セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。

 

<化学品事業>

電解事業を基礎とする苛性ソーダをはじめとした各種工業薬品につきましては、商品価格の改定を行うとともに、地域に根ざした販売体制のさらなる強化を図りつつ、新たな市場の開拓にも積極的に取り組んでおります。

上記の結果、売上高は12,118百万円、セグメント利益は1,125百万円となりました。

 

<各種塩事業>

各種塩事業には、塩の製造や加工、販売を営む各種塩事業が含まれております。売上高は1,743百万円、セグメント損失は19百万円となりました。

 

(2) 財政状態及び経営成績の状況

① 財政状態の状況

第71期連結会計年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)

(資産)

当連結会計年度末の資産合計は16,982百万円となり、前連結会計年度末に比べ859百万円増加しました。流動資産につきましては、現金及び預金が173百万円、受取手形、電子記録債権、売掛金が149百万円増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ371百万円増加し8,634百万円となりました。また固定資産につきましては、投資有価証券が270百万円、繰延税金資産が93百万円増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ488百万円増加し8,347百万円となりました。

(注)連結貸借対照表上、前連結会計年度は「受取手形及び売掛金」、当連結会計年度は「受取手形」、「電子記録債権」、「売掛金」として表示されております。

 

(負債)

当連結会計年度末の負債合計は12,306百万円となり、前連結会計年度末に比べ219百万円増加しました。流動負債につきましては、買掛金が204百万円、未払法人税等が151百万円、賞与引当金が108百万円増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ662百万円増加し8,338百万円となりました。また固定負債につきましては、長期借入金が428百万円減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べ442百万円減少し3,967百万円となりました。

 

(純資産)

当連結会計年度末における純資産合計は4,676百万円となり、前連結会計年度末に比べ640百万円増加しました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益の計上等により利益剰余金が443百万円増加したことや、その他有価証券評価差額金が106百万円増加したことなどによるものであります。

 

 

第72期第3四半期連結累計期間(自 2022年4月1日 至 2022年12月31日)

(資産)

当第3四半期連結会計期間末における総資産は、18,866百万円となりました。

流動資産につきましては、前連結会計年度に比べ、主に現金及び預金が333百万円、受取手形及び売掛金が614百万円、商品及び製品が229百万円、原材料及び貯蔵品が458百万円増加したことなどにより、10,295百万円となりました。

固定資産につきましては、前連結会計年度に比べ、主に有形固定資産が147百万円、投資その他の資産が29百万円増加したことなどにより、8,551百万円となりました。

繰延資産につきましては、社債発行費が発生したことにより19百万円となりました。

 

(負債)

当第3四半期連結会計期間末における負債合計は、13,781百万円となりました。

流動負債につきましては、前連結会計年度に比べ、買掛金が946百万円増加した一方で、短期借入金が664百万円、賞与引当金が136百万円それぞれ減少したことなどにより、8,341百万円となりました。

固定負債につきましては、前連結会計年度に比べ、社債が900百万円、長期前受金が1,300百万円増加した一方で、長期借入金が736百万円減少したことなどにより、5,439百万円となりました。

 

(純資産)

当第3四半期連結会計期間末における純資産は、5,084百万円となりました。

前連結会計年度に比べ、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上等による利益剰余金310百万円、為替換算調整勘定85百万円がそれぞれ増加したことにより、5,084百万円となりました。

 

② 経営成績の状況

当社グループの売上高、売上総利益、営業利益、経常利益及び親会社株主に帰属する当期純利益は以下のとおりとなりました。

 

第71期連結会計年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)

(売上高)

当連結会計年度の売上高は17,434百万円(前年同期比5.9%増)となりました。新型コロナウイルス感染症拡大の影響による農薬の出荷減少などの減収要因があったものの、連結子会社である㈱エヌエムソルトにおいて、降雪量の増加を背景とした融雪塩の出荷増により、各種塩事業が前年同期を大きく上回りました。

 

(売上原価、売上総利益)

当連結会計年度の売上原価は13,306百万円(前年同期比5.7%増)、売上総利益は4,127百万円(前年同期比6.7%増)となりました。売上高増加に伴う原材料使用数量等が増加しました。

 

(販売費及び一般管理費、営業利益)

当連結会計年度の販売費及び一般管理費は3,388百万円(前年同期比8.0%増)、営業利益は739百万円(前年同期比1.1%増)となりました。製品発送費をはじめとする販売費や、人員増加による人件費が増加しました。

 

(営業外損益、経常利益)

当連結会計年度の経常利益は716百万円(前年同期比1.2%増)となりました。営業外損益におきましては、営業外収益は為替差益35百万円の計上などにより前年同期比28百万円の増加、営業外費用は持分法による投資損失30百万円や寄付金25百万円の計上により前年同期比28百万円の増加となりました。

 

(特別損益、税金等調整前当期純利益)

当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は463百万円(前年同期比571.4%増)となりました。特別損益におきましては、特別利益は固定資産売却益905百万円の計上により前年同期比859百万円の増加、特別損失は減損損失362百万円や関係会社整理損失引当金繰入額111百万円の計上により、前年同期比473百万円の増加となりました。

 

(親会社株主に帰属する当期純利益)

当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は462百万円(前年同期比198.1%増)となりました。法人税、住民税及び事業税144百万円、法人税等調整額△153百万円の計上により法人税等合計は前年同期比75百万円増加しました。

 

 

第72期第3四半期連結累計期間(自 2022年4月1日 至 2022年12月31日)

(売上高)

当第3四半期連結累計期間の売上高は、農薬の駆け込み需要増加に伴う出荷の増加や、殺菌剤の増産による販売の増加等により、13,862百万円となりました。

 

(売上原価、売上総利益)

当第3四半期連結累計期間の売上原価、売上総利益は、殺菌剤の増産と円安メリットにより増益となりましたが、無機製品や農薬の原材料価格高騰や電力コスト上昇による影響があり、売上原価は10,670百万円、売上総利益は3,191百万円となりました。

 

(販売費及び一般管理費、営業利益)

当第3四半期連結累計期間の販売費及び一般管理費、営業利益は、運送費や人員増加による人件費の増加等もあり、販売費及び一般管理費は2,738百万円、営業利益は452百万円となりました。

 

(営業外損益、経常利益)

当第3四半期連結累計期間の経常利益は512百万円となりました。営業外損益におきましては、営業外収益は賃貸収入等の計上により185百万円、営業外費用は支払利息や賃貸収入原価等の計上により126百万円となりました。

 

(特別損益、税金等調整前四半期純利益)

当第3四半期連結累計期間の税金等調整前四半期純利益は401百万円となりました。特別損益におきましては、特別利益は受取保険金等の計上により12百万円、特別損失は固定資産除却損や減損損失等の計上により123百万円となりました。

 

(親会社株主に帰属する四半期純利益)

当第3四半期連結累計期間の親会社株主に帰属する四半期純利益は、法人税等75百万円の計上により、329百万円となりました。

 

③ キャッシュ・フローの状況

第71期連結会計年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は1,281百万円となり、前連結会計年度末と比較して173百万円の増加となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動により得られた資金は1,587百万円(前年同期は1,261百万円の収入)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益463百万円、減価償却費975百万円などによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動により支出した資金は614百万円(前年同期は1,807百万円の支出)となりました。これは主に有形固定資産の売却による収入907百万円、有形固定資産の取得による支出1,195百万円、貸付けによる支出200百万円などによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動により支出した資金は858百万円(前年同期は893百万円の収入)となりました。これは主に短期借入金の純増減額の減少250百万円、長期借入金の返済による支出1,078百万円などによるものであります。

 

 

(3) 生産、受注及び販売の実績

① 生産実績

第71期連結会計年度及び第72期第3四半期連結累計期間における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

第71期連結会計年度

(自 2021年4月1日

至  2022年3月31日)

第72期第3四半期連結累計期間

(自 2022年4月1日

至  2022年12月31日)

金額(百万円)

前年同期比(%)

金額(百万円)

化学品事業

9,344

103.5

7,556

各種塩事業

1,177

133.4

856

報告セグメント計

10,521

106.2

8,412

合計

10,521

106.2

8,412

 

(注)1.金額は製造原価によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.第71期連結会計年度において、各種塩事業の生産実績に著しい変動がありました。これは豪雪天候による融雪塩の需要増加に対応したことによるものであります。

 

② 受注実績

当社グループは見込生産を行っていることから、当該記載を省略しております。

 

③ 販売実績

第71期連結会計年度及び第72期第3四半期連結累計期間における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

第71期連結会計年度

(自 2021年4月1日

至  2022年3月31日)

第72期第3四半期連結累計期間

(自 2022年4月1日

至  2022年12月31日)

金額(百万円)

前年同期比(%)

金額(百万円)

化学品事業

14,145

102.8

12,118

各種塩事業

3,288

121.4

1,743

報告セグメント計

17,434

105.9

13,862

合計

17,434

105.9

13,862

 

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.第71期連結会計年度において、各種塩事業の販売実績に著しい変動がありました。これは冬季の融雪塩が寒波の影響もあり好調だったことによるものであります。

 

 

(4) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

財政状態及び経営成績の状況につきましては、「(2) 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

キャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「(2) 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。

当社グループは、化学工業薬品の製造・販売業務を営んでおり、原材料の仕入れから製造工程を経て販売に至るまでにおいて支払と売上代金回収の間には一定期間タイムラグが生じることから、運転資金が必要となっております。また、製造においては設備投資が発生するため設備資金が必要となっており、これらの所要資金については、銀行からの借入を基本としております。

運転資金については、毎月月末に資金繰りを勘案した上で当座貸越により調達しております。また設備資金については、大規模な設備投資が発生した場合に設備投資の支払時期に長期借入金にて調達することを基本としております。

上記記載のとおり、当社グループの事業運営を円滑に遂行するための資金調達チャネルは十分に確保されており、適正な水準の資金の流動性を維持・確保できているものと認識しております。

 

③ 重要な会計方針及び見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、会計上の見積りを行う必要があり、固定資産の減損会計、繰延税金資産の回収可能性の判断、環境対策引当金等の検討や見積りについては、過去の実績や合理的な基準に基づいて実施しておりますが、見積りには不確実性があるため、実際の結果は、前提条件や事業環境の変化により見積りと将来の実績が異なる場合があります。会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

なお、新型コロナウイルス感染症の影響につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載のとおりであります。

 

④ 経営成績に重要な影響を与える要因

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

⑤ 経営戦略の現状と見通し

経営戦略の現状と見通しについては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。

 

  ⑥ 経営者の問題意識と今後の方針

当社の経営者は、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、当社グループが今後さらなる成長を遂げるためには、様々な課題に対処することが必要であると認識しております。

 

 

4 【経営上の重要な契約等】

当社の経営上の重要な契約は以下のとおりであります。

契約相手先

契約当事者

契約締結日

契約期間

契約内容

㈱三井住友銀行

㈱紀陽銀行

㈱三菱UFJ銀行

㈱四国銀行

㈱福岡銀行

当社

2021年3月26日

2年間

コミットメントライン契約

(1) 借入極度額:15億円

(契約相手先5行合計)

(2) コミットメントライン期間開始日

2021年3月31日

(3) コミットメントライン期間満了日

2023年3月31日

中外製薬㈱

富士アミドケミカル㈱

2022年10月28日

不動産売買契約

(1) 売主:富士アミドケミカル㈱

(2) 買主:中外製薬㈱

(3) 連帯保証人:南海化学㈱

(4) 売却額:6,500百万円

 

(注) 中外製薬㈱との契約締結日に手付金20%が入金済みで、2025年9月30日の引渡しと引換えに残代金が入金される予定であります。当社として、一切の契約不適合責任は負わず、契約不履行による契約解除の場合は手付金相当額の売買代金20%を請求できることとなっております。

 

 

5 【研究開発活動】

第71期連結会計年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)

当社グループにおける研究開発は、当社研究開発本部及び土佐工場品質技術部にて実施しております。研究開発本部は和歌山研究開発部と東京研究開発部で構成され、新規事業に関する調査・研究業務、受託品の合成検討・中規模試作業務、既存製品の改善業務及び製品分析業務を当社グループより受託し、当社グループの顧客の要望にいち早く応えるべく、スピーディーな対応に努めております。また当社土佐工場については、顧客へのよりスピーディーな対応と研究開発業務のさらなる効率化を目的として品質技術部技術開発グループを設置し、対応力の向上を図っております。なお、研究開発業務に従事する人員は、研究開発本部については本部長以下17名、土佐工場品質技術部技術開発グループについては部長以下5名となっており、当連結会計年度の研究開発費の総額は195百万円であります。

なお、研究開発活動が各セグメント別に関連づけられないものもあるため、セグメント別の研究開発費の金額は記載しておりません。

 

 当社グループは、既存事業の強化を図る目的で、既存事業の周辺領域への展開も含めた以下の研究開発テーマに取り組んでおります。

(1) ニッチ市場に特化した事業の強化・新製品開発

 工場排水や下水排水に利用されている水処理凝集剤については、顧客側での水処理凝集剤の使用量を減らし利便性を高める製品開発を行っております。健康食品関連食品用の日持ち向上剤分野においては、顧客側での利用対象食品の拡大が可能となる研究開発を実施しております。また、他社からの製造開発委託案件の事業化検討にも取り込んでおります。

 

(2) 既存製品の抜本的なコスト低減技術・安定製造化技術の開発

 当社グループは塩水の電気分解により生成される苛性ソーダ、併産される塩素や水素を活用した各種製品の製造及び販売を行っており、この電解時の苛性ソーダ・塩素・水素の生成比率に応じた新規誘導体開発の研究を実施し、事業全体の生産量拡大によるコスト低減を目指しております。

 

(3) 廃硫酸・硫酸リサイクル領域への展開(新技術導入)

 石油精製業者などの廃硫酸供給業者より廃硫酸を引き取り、硫酸を精製し、各種メーカーへ販売する現行のリサイクル事業に加え、新技術導入による処理量並びに受入れ廃硫酸の種類を広げることを目的とした研究開発を実施しております。

 

(4) 脱塩素セメント原料リサイクル事業の開始

 セメント工場から排出される焼却飛灰の塩素・重金属を除去し、セメント原料としてリサイクルするための脱塩事業用設備を新設しており、2024年3月期中の事業開始を予定しておりますが、これに加えて、地方公共団体から排出される一般廃棄物由来の飛灰をリサイクルする際の技術を確立すべく、研究開発を実施しております。

 

(5) 当社製造製品販売後の回収・再利用検討

 当社製造品目として販売を行っている水硫化ソーダ・水酸化アルミ・酢酸ナトリウムについて、顧客側で廃棄される廃棄物を引き取り、当社製造時の原料としてリサイクルするための研究開発を進めております。ラボベースですが、一部製品はリサイクルを実証済みであり、今後、事業化の可能性検討とマーケティングを並行して実施しております。

 

(6) 次世代電池領域でのリサイクル

 次世代電池の開発時及び普及後に排出される廃棄物の処理には、硫黄化合物やナトリウム化合物の処理が課題となるため、現在、電池一般のリサイクルの将来像調査、レアメタル回収事業調査を産学連携のもとで実施しております。

 

(7) 各種塩事業における生産性向上技術検討、新用途の開発支援

 品揃え充実を目指し、微粒塩や飼料塩等の製造技術確立に向けた研究を実施しております。

 

第72期第3四半期連結累計期間(自 2022年4月1日 至 2022年12月31日)

当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、133百万円であります。

なお、2023年3月末の富士アミドケミカル㈱操業停止に伴い、同社内に位置する東京研究開発部の業務内容の取捨選択を実施し、人員・必要機器の和歌山研究開発本部への集結を実施しています。同社研究開発業務に従事する人員は、研究開発本部については本部長以下18名、土佐工場品質技術部技術開発グループについては部長以下5名となっております。