(1) 連結経営指標等
(注) 1.第9期連結会計年度が連結財務諸表の作成初年度であり、また、前連結会計年度末より連結財務諸表の作成が必要となったことから、第9期連結会計年度においては貸借対照表のみを連結しているため、連結貸借対照表項目及び従業員数のみを記載しております。
2.従業員数は就業人員数であり、従業員数の( )外書きは、臨時従業員(インターン、パートタイマー及び人材会社からの派遣社員を含む。)の年間の平均雇用人数であります。
(注) 1.持分法を適用した場合の投資利益については、関連会社が存在しないため記載しておりません。
2.当社は、2022年12月5日から12日付けですべてのA種優先株式及びB種優先株式を自己株式として取得し、対価として当該A種優先株式及びB種優先株式1株につき、それぞれ普通株式1株を交付しており、当社が取得したA種優先株式及びB種優先株式のすべてについて、2022年12月15日開催の取締役会決議により2022年12月16日付で消却しております。また、2022年12月27日開催の株主総会決議により、2023年1月4日付で株式10株を1株に併合しております。さらに2023年4月26日に東京証券取引所グロース市場に上場したことに伴う新株発行を行っております。これにより、発行済株式数は普通株式3,794,130株となっております。なお、当社は2022年12月27日開催の臨時株主総会において、種類株式を発行する旨の定款の定めを廃止しております。
3.潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、第6期及び第7期は潜在株式が存在するものの、当社株式は非上場であり、期中平均株価が把握できないため、また、第6期については1株当たり当期純損失であるため、記載しておりません。
4.1株当たり純資産額の算定にあたって、A種優先株式、B種優先株式に優先して配分される残余財産額を純資産の部の合計額から控除しております。
5.第6期及び第7期は株価収益率は当社株式が非上場であるため記載しておりません。
6.第7期は、大型のプロジェクトを受注したため売上高が大幅に増加しました。
7.第6期は、将来的な事業拡大のために収益を上回る規模で人件費等に対する先行投資を行ったため経常損失及び当期純損失となり、第6期の営業活動によるキャッシュ・フローもマイナスとなりました。
8.従業員数は就業人員数であり、従業員数の( )外書きは、臨時従業員(インターン、パートタイマー及び人材会社からの派遣社員を含む。)の年間の平均雇用人数であります。
9.当社は、2022年12月27日開催の株主総会決議により、2023年1月4日付で株式10株を1株に併合しておりますが、第6期の期首に当該株式併合が行われたと仮定し、1株当たり純資産額及び1株当たり当期純利益又は1株当たり当期純損失を算定しております。
10. 第10期より連結キャッシュ・フロー計算書を作成しているため、第10期のキャッシュ・フロー計算書に係る項目については記載しておりません。
11.2023年4月26日付をもって東京証券取引所グロース市場に株式を上場いたしましたので、第6期から第8期までの株主総利回り及び比較指標については記載しておりません。第9期の株主総利回り及び比較指標については2023年7月末を基準として算定しております。
12.最高株価及び最低株価は、東京証券取引所グロース市場におけるものであります。なお、2023年4月26日付をもって東京証券取引所グロース市場に株式を上場いたしましたので、それ以前の株価については記載しておりません。
提出会社は、2016年東京都千代田区永田町においてビジネスニーズに最適化したAI技術を提供することを目的として創業いたしました。
その後、2017年に本社を東京都千代田区大手町に移転し、AI分野でのコンサルティング及び開発事業の拡大を図っております。
設立以後の企業集団に係る経緯は、次のとおりであります。
当社グループは、当社と連結子会社1社(株式会社スターミュージック・エンタテインメント)の合計2社で構成されており、カスタムAIソリューション事業とデジタルマーケティング事業を展開しております。
当社グループは、様々な社会課題・顧客課題をAI・ディープラーニング等の先端技術を用いて解消するために、現場に入り込んだコンサルテーションに始まり、アセスメント、開発、導入、顧客による運用まで視野に入れた、実用的なソリューションを提供するテクノロジーカンパニーです。
当社グループの報告セグメントは、従来「カスタムAIソリューション事業」のみの単一セグメントでありましたが、前連結会計年度において株式会社スターミュージック・エンタテインメントの株式を取得し子会社化したことにより、当連結会計年度より「カスタムAIソリューション事業」及び「デジタルマーケティング事業」の2事業を報告セグメントとしております。
・カスタムAIソリューション事業
「データ・AIを駆使した最先端技術とビジネス知見を用いて、未解決の課題に挑み、新しい社会を実現する」をミッションとして掲げ、顧客の目的から現場のプロセス、課題を理解し、様々なデータに対応したAIを組み合わせた最適なAIソリューションを提案し、実装することを目指す事業です。
・デジタルマーケティング事業
主要な動画配信プラットフォーム企業と提携し、企業向けマーケティングコンサルティングとクリエイターネットワークを活用した高品質かつ迅速な広告事業、及び独自の原盤配信ビジネスや著作権ビジネスを行う音楽レーベル機能に加え、プラットフォームへの楽曲提供、企業向け広告の楽曲制作を手掛けている事業です。
当社グループは、カスタムAIソリューション事業として、コンサルテーション・プランニングからサービスの実現までを支援するフルカスタムAIの受託研究開発を実施しています。業界のキープレイヤーとの協業によって、個社課題にとどまらずに、業界全体のAI・DX化を進めるAI活用コンサルティング・AI開発サービスを行っており、現状はこのサービスが売上の70%程度を占めております。次に、そのAI活用コンサルティング・AI開発サービスで培った高品質のAIエンジンを、顧客のサービスやSaaSなどのプラットフォーマーへ迅速に提供するとともに、受託開発したシステムの保守等を担うAI保守運用サービスを行っております。
また、データの取り扱いに専門的なノウハウが必要な人工衛星データの解析や関連するアルゴリズムを開発する人工衛星データAI解析サービスを行っております。

当社グループはこれらのサービスを展開することで、顧客企業の様々なAI活用に関する課題を解決するためのAIサービスを、戦略策定から開発、保守運用、そしてライセンス提供による顧客企業との共同事業化までを行っております。当社グループの事業は、AI活用コンサルティング・AI開発サービスを中心としたフロー収益を主とし、個別の顧客企業ごとのプロジェクト提供により知見と独自のアルゴリズムを蓄積して、それらを応用するとともに、受託開発したシステムの保守を担うAI保守運用サービスとしてストック収益を得るビジネスモデルとなっております。
当社グループの顧客企業については、特定の業界に特化しておりませんが、AIの活用ニーズが高く、またコアなビジネスの現場で利用されるソリューションの開発のため大手製造業が多くなっております。
当社グループはカスタムAIソリューション事業において、AI・エンジニアリング・ビジネスの3つの強みに精通したプロフェッショナルが、1つの課題にワンチームとなって挑む体制になっております。これにより、コンサルティングから開発まで一気通貫でのサービス提供が可能となっております。特に日本においてはAI導入率が低い状況ですが、当社グループは各プロフェッショナルが連携することでコンサルティング及び開発フェーズの切れ目でプロジェクトが継続運用されるよう取り組んでおります。
また、デジタルマーケティング事業(ソーシャルメディアマーケティングサービス及び音楽サービス)を展開する子会社が加わったことにより、広告代理店や企業向けにマーケティング等を提供するサービスも行っております。
カスタムAIソリューション事業の主要サービスであるAI活用コンサルティング・AI開発サービスは、AIの活用ニーズを持つ企業に対して目的・課題に合わせたAIソリューションの提案をもとにコンサルティングや開発を行うビジネスです。当社グループは、顧客企業が現場で効果を体感できるまで開発から導入展開までを一気通貫でサービスを行っております。
先端技術の導入、データを主軸としたビジネス・オペレーション変革には既存システムの変更など大きな困難が伴い、プロジェクト期間中でも状況に応じて柔軟に新しい手法を取り入れる局面も出てまいります。当社ではクライアントとの強い信頼関係を醸成することで、経営レベルでの意思決定支援から現場での開発スタッフとの連携、そして運用スタッフへの技術や知識の移転まで一貫して支援し、開発期間中の方向転換などを柔軟に調整しながら、クライアント内での継続的な運用と実用性の高い価値の創造を実現しております。
当社グループは、AI(機械学習・深層学習)ですべての課題が解決できるとは考えておりません。AI技術、ルールベースの既存技術(注1)、人による運用のすべてが調和したときに、クライアントにとっての持続的な価値創造が実現できます。当社グループが行うコンサルティングでは、それぞれの技術特性と限界を見極めた上で、システム導入に留まらない最適なビジネス・オペレーションの実現を支援しております。
AIでは、目的に応じて様々な手法を選定し組み合わせる必要があります。公開API(注2)や、大手プラットフォームのアプリケーションも日々進化しておりますが、個別ニーズをすべてカバーすることはできません。当社グループでは、クライアントの目的に応じて最適な精度・計算速度・冗長性などのトレードオフを見極めながら、ベストなバランスの性能をもつカスタマイズAIを提供しております。
(注) 1.ルールベースの既存技術
人の手によって記述されたルールやロジックのみに従って動くプログラム全般のこと。
2.公開API
まず、APIとはアプリケーション・プログラミング・インターフェースの略で、あるアプリケーションの機能や管理するデータ等を他のアプリケーションから呼び出して利用するための接続仕様・仕組みを指します。公開APIとは、そうした接続仕様・仕組みを他の企業に公開することを意味します。
当社グループは特定の業界に特化していないため、様々な業界のテーマに対してソリューションを提案しております。ただし、これまでの実績によりAIの活用ニーズが高い日本の製造業の顧客が多くなっております。当社グループのAI開発の特徴として、製造業を中心に熟練者・ベテランがもっている技術や知見をAIに実装することで、省人化・後継者問題の解消・業界全体の品質を上げていくことをテーマとしたものが多くあります。

当社グループのアプローチの特徴は、顧客企業の目的・業界・課題・プロセスの深い理解を行った上で、様々なデータと技術を組み合わせたAIソリューションの提案をもとに開発を行うことにあります。また、プロジェクトによっては、顧客企業の投資対効果の実現と当社のストック収益を見据えた長期的なパートナーシップに基づきAIサービスの共同開発を行っております。
当社グループのAI/DXプロジェクトの流れは、戦略策定、データ収集及びアセスメント、開発及びシステム連携、運用保守となっております。戦略策定は、AIの正しい共通理解の醸成を行いながら顧客企業のDX戦略、業務改善、AI実行テーマの選定支援を行っており、AI知識のあるコンサルタントが顧客企業の業界知見や現場課題を深く理解しつつ支援を行っております。その戦略策定をもとにコンサルタントとAIエンジニアが協力してデータ収集及びアセスメントを行っており、当社グループが多く扱う画像データだけでなく、それ以外の様々なデータを組み合わせたAIを組み込んだシステムの全体像を設計します。次にアセスメントに基づいてPoC(実証実験)や本格開発を行います。本格開発はAIに精通した人材を含むエンジニアが中心となり、運用までを含めた全体設計支援を行いながら顧客企業のシステムと連携したAI開発により実用化を目指します。最後の運用保守では、AI稼働状況のモニタリングツールの開発、運用プロセス策定や運用に向けたツールの整備、顧客企業のAI教育など、開発したAIの運用を顧客企業が行うためのシステム開発と支援を行っております。
当社グループは顧客のニーズに応じて、主にディープラーニング等の技術を中心に、顧客の課題や目的に合わせてディープラーニング以外の技術も組み合わせたAIソリューションの開発を行っており、画像・動画・音声など複数のデータ種類に対応したAIの開発実績があります。
直近では、1つのディープラーニング技術だけでは解けない課題も多くなってきており、マルチモーダルAIの開発に取り組んでおります。

マルチモーダルAIとは、複数種類のデータと複数のAI技術を組み合わせて1つのAIソリューションとするものです。当社グループの顧客企業からは、製造現場のベテランの知見や作業をディープラーニング等の技術を組み合わせて再現したい、といった1つのディープラーニングでは解けない課題がでてきております。こうした課題には、画像や音声など複数データと複数のAI技術を組み合わせたマルチモーダルAIが必要となります。当社グループはこれまで画像データや動画データの取扱いに実績と強みを持っていますが、音声や数値データにも対応してきており、今までは解決できなかった課題がマルチモーダルAIにより解決できる可能性があります。
また、当社グループはデータ取得に必要なセンシング方法についてもパートナー企業と協力することで、顧客企業のニーズに合ったデータ取得ができるように様々なデータ種類に対応するセンシング機器の取扱いの知見を増やしております。加えて、計算環境や出力方法も顧客企業に合った方法をソリューションとして提案できるようにしております。このように、最新技術を柔軟に取り入れたマルチモーダルAIにより顧客の課題に対応することに当社グループの特徴があります。
カスタムAIソリューション事業のサービスのひとつにAIライセンス提供サービスがあります。当社グループはAI活用コンサルティング・AI開発サービスにおいて、AIの知見や経験をもとにして顧客との事業連携・製品開発を通じたカスタマイズ開発を行っております。このカスタマイズ開発や顧客との連携で培った高難易度のAI技術やノウハウをもとにして、その顧客が位置する業界の共通ニーズを狙ったAIエンジンの利用ライセンスやプロダクトの提供を行っております。このため、当社グループのAIエンジンやプロダクトの提供については、パートナー企業の製品やサービスとともに顧客企業へ提供されるものが主となっております。
このサービスでは主に2つのサービス提供方法があります。1つはAI開発サービスを提供した顧客企業が直接利用し、顧客企業の利用に合わせてAI利用ライセンス代を対価として受け取るものと、もう1つはすでにサービスを持っているプラットフォーム企業にAIエンジンを提供し、ユーザー企業の利用量に応じて対価を受け取るものがあります。更に、このサービスには受託開発したシステムの保守業務も含まれます。

カスタムAIソリューション事業のサービスのひとつに人工衛星データAI解析サービスがあり、人工衛星データの収集からAIによる解析を行っております。地球を網羅的に捉える衛星データと、顧客が保有する地上データを組み合わせた独自の教師データを作成し、AIにより解析したレポートの提供を行っております。また、継続的に人工衛星データを解析したい顧客に対しては、解析ツールの開発も行っております。これによって、自然災害や社会活動などの環境リスクを可視化しビジネスニーズやSDGsに関する活動に貢献することを目指しております。
今後は、人工衛星解析市場の拡大に合わせ、環境テーマ等の様々なニーズを先読みし、官公庁と民間へのアプローチの両輪でサービスを展開していく方針です。
デジタルマーケティング事業のサービスのひとつに音楽制作配信サービスがあり、独自の原盤配信ビジネスや著作権ビジネスを行う音楽レーベル機能に加え、プラットフォームへの楽曲提供など豊富な経験をもつ200名以上の音楽クリエイターと提携し、あらゆるニーズに対応できる楽曲制作体制を構築しております。音楽サービスの収益源はデジタルでの原盤配信(印税収入)と楽曲著作権の使用料であり、保有するIP数の蓄積とともに収益が積みあがるビジネスモデルとなっております。
デジタルマーケティング事業のサービスのひとつにソーシャルメディアマーケティングサービスがあり、主要な動画配信プラットフォーム企業と提携し、企業向けマーケティングコンサルティングと、1,000名以上が所属するクリエイターネットワークを活用した高品質かつ迅速な広告事業を展開しております。2018年からはショート動画市場で強固な地位を確立し、100社以上の企業に対して広告制作や媒体買付けなどのプランニング支援を行っております。
今後は、カスタムAIソリューション事業の専門性を広告のマーケティングや制作・媒体配信の領域にも広げ、顧客企業のマーケティング支援や広告制作・配信に特化したAIソリューションなどを新たに展開することや、多くのクリエイターネットワークに対して、生成AI活用や配信支援AIなど、クリエイター向けAIプラットフォームの提供等を行っていく方針です。

(用語の説明)
当社の事業に関わる用語の定義は以下のとおりです。
(注)1.有価証券届出書又は有価証券報告書を提出している会社はありません。
2.特定子会社であります。
3.2025年5月に当社が株式会社スターミュージック・エンタテインメントの株式を追加取得しております。
4.株式会社スターミュージック・エンタテインメントについては、売上高(連結会社相互間の内部売上高を除く)の連結売上高に占める割合が10%を超えております。
主要な損益情報等 ① 売上高 1,312,998千円
② 経常利益 161,288千円
③ 当期純利益 105,725千円
④ 純資産額 778,243千円
⑤ 総資産額 986,052千円
(注) 1.従業員数は就業人員数であり、従業員数の( )外書きは、臨時従業員(インターン、パートタイマー及び人材会社からの派遣社員を含む。)の年間の平均雇用人数であります。
(注) 1.従業員数は就業人員数であり、従業員数の( )外書きは、臨時従業員(インターン、パートタイマー及び人材会社からの派遣社員を含む。)の年間の平均雇用人数であります。
2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金等を含んでおります。
3.当社は、カスタムAIソリューション事業の単一セグメントのため、セグメント別の記載を省略しております。
労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円満に推移しております。
提出会社及び連結子会社は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(2015年法律第64号)及び「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(1991年法律第76号)の規程による公表義務に基づく公表項目としてこれらを選択していないため、記載を省略しております。