文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
当社は「古いものに価値を、不動産にクリエイティブを、働き方に自由を」という企業理念を掲げております。当社の提供するフレキシブルワークプレイス事業は、ビルオーナーの遊休不動産の有効活用をしたいというニーズと、個性的なオフィスを適正価格で借りたいというテナントニーズの双方に応えるソリューションを提供します。
「3 事業の内容 <社会的課題と解決>」でも記述のとおり、日本の不動産業界における社会的課題である、都心部における止まらない大規模開発と二次空室問題や、コロナ禍で進行した働き方改革や、大規模災害のたびに改正される建築基準法や消防法などに起因して生じる競争力を失った築古ビルは増加しており、特に都心部においては、今後もそのような築古ビルは増加傾向にあると認識しています。
当社は、フレキシブルワークプレイス事業によって、主に都心部の築古ビルに対してリノベーションを行うことで付加価値を付与し、不動産価値の最大化を追求しながらも、テナントに対しては質の良いクリエイティブなオフィスを提供することで、自由な働き方に寄り添い、豊かな街づくりに貢献します。
当社は、企画・設計・デザイン、建設、リーシング、運営までワンストップで手がけるフレキシブルワークプレイス事業を行っております。中小規模の築古ビルの再生をメインとしながらも、新築物件にフレキシブルワークプレイスを組み込む開発案件も手掛けております。コロナ禍における働き方改革など常に変化する入居テナントのニーズにワンストップ体制でより的確に応えながら、コストバランスを保った満足度の高い魅力的な物件を提供しつづけることで、コロナ禍においても高稼働率を維持しております。
また、事業展開のエリアを広げずに渋谷区・港区・目黒区を中心とした狭域エリア内で当社物件数を増やしていくというドミナント戦略を継続してまいります。北参道エリアや中目黒エリアなどで、当社の個性的な物件が複数点在することで、そこに人の流れができ、街の雰囲気・活気をつくり、更なる価値を生み出していきます。
運営形態としては、今後もマスターリース契約におけるテナント賃料や、プロパティマネジメント契約における運営受託手数料を中心とした物件運営によって得られる安定的なストック型収入をメインとしながらも、マスターリース契約やプロパティマネジメント契約に付随して獲得する設計・施工請負から得られるフロー型収入を組み合わせることで事業規模拡大を狙っていきます。また既存マスターリース物件の購入による保有切り替え及び新規物件取得を強化しております。具体的には2021年11月に既存マスターリース物件である「IVY WORKS」「THE MOCK-UP BY PORTAL POINT」の2物件を取得し、2023年3月に「ランディック原宿ビル」を新規取得しております。マスターリース物件を保有に切り替えることで賃料負担がなくなり利益率の改善が見込めます。また、新規で取得する物件に関しても、これまでの運営ノウハウを生かした改修によって資産価値の最大化を目指します。
今後も優良物件の仕入れが重要となるため、強みである都心部中心というエリア展開というドミナント性は保ちつつ、ビルオーナーへの認知度・ブランド力の向上を通じて収益性の高い運営物件を増やしていくことが第一であると考えます。さらに、保有を含めた今後の事業規模拡大のためには、これまでの銀行借入による資金調達に加えて、今後は株式市場を通じた資金調達等の調達手段を組み合わせることで、財務バランスを保ちながら、事業拡大に繫げていく方針です。
当社は、翌期以降3年間における売上高及び営業利益を重要な経営指標とし、中長期的に企業価値の最大化を図ってまいります。また、翌期以降3年間における売上高及び営業利益を向上させるために、運営面積(賃貸可能床面積、総床面積)、運営プロジェクト数(累計プロジェクト数、稼働中プロジェクト数、入居済物件数)、平均坪単価、物件稼働率を経営上の重要な指標としております。運営面積について、総床面積のみならず賃貸可能床面積を有用な経営指標として採用する理由としては、当社は専有部以外の共用部等を充実させ、施設全体の満足度を向上させることで、専有面積の坪単価及び物件稼働率の向上に繫げていることから、必ずしも賃貸可能床面積の最大化を目指すことが収益最大化に繫がるわけでないと考えており、総床面積と賃貸可能床面積の均衡を図りながら企画・設計を行っております。
(運営面積・運営プロジェクト数)
※最近日以外については、各期末時点での数値を記載
※運営面積とは、入居済物件の賃貸可能床面積(入居テナントの専有面積の総和)並びに総床面積(共有面積を含めた床面積の総和)を指す
※累計プロジェクトは、リーシングマネジメント物件等(テナント入居前物件もカウント)及び終了物件を含む
※稼働中プロジェクトは、リーシングマネジメント物件等(テナント入居前物件もカウント)を含むが終了物件は含まれない
※入居済物件は、ML、保有、PMについてテナント入居後の物件を指しリーシングマネジメント物件等は含まれない
(平均坪単価・物件稼働率)
2021年9月期
2022年9月期
2023年9月期
※月末時点での数値を記載
※平均坪単価及び物件稼働率は、竣工後1年以上経過したML・保有物件について算出
※平均坪単価及び物件稼働率の算出にあたり、終了予定物件については除外
※期変更に伴い2020年10月は2020年10月期であるが、上記においては2021年9月期に記載
(4) 中長期的な経営環境
当社はフレキシブルワークプレイス事業に係る事業環境を以下のように認識しています。
潜在的なオフィス市場の存在
ニッセイ基礎研究所による調査比較によれば(※1)、2022年のわが国の不動産投資市場規模において収益不動産は275.5兆円であり、オフィスはそのうちの38%を占めるといわれています。コロナ禍において、当社に対して、稼働率の低下したホテルをオフィスに用途変更したい、商業施設や住居内にオフィスを組み合わせたいなどの依頼が増えており、ホテルや商業施設等のオフィス以外からの用途変更等を鑑みれば、さらに大きな潜在市場が存在すると考えております。
都心部オフィス市場と事業拡大可能性
東京都都市整備局によれば(※2)、2021年1月時点での東京23区のオフィス床面積は約9,545万㎡です。その中でも当社のエリアターゲットである渋谷区は約621万㎡、港区は約1,836万㎡であります。2023年3月末時点で、当社の賃貸可能床面積は約6.2万㎡であり、オフィス市況そのものが巨大なマーケットであるため、当社の発展的な事業拡大の余地は十分にあると考えております。
なお、三鬼商事によれば(※3)、2023年3月度における東京ビジネス地区である都心5区(中央区、千代田区、港区、渋谷区、新宿区)の平均賃料は、19,991円/坪と、約2万円です。対して、その他主要都市のビジネスエリアの平均賃料は、横浜・名古屋・大阪・福岡であっても、1.1万円台から1.2万円台であり、東京都心部のオフィス賃料の単価優位性は高いといえます。
特に、渋谷区の優位性は顕著です。三鬼商事によれば(※3)、都心5区は他エリアに比べ平均賃料も稼働率も高水準を維持していますが、渋谷区はさらに高い水準で推移しています。平均賃料について、2023年3月度における都心5区の平均賃料が19,991円/坪であることに対し、渋谷区は21,450円/坪となっています。稼働率について、2023年3月度における都心5区の稼働率は93.6%であることに対し、渋谷区は96.1%です。渋谷区の平均賃料はコロナ禍前から都心5区よりも高い水準で推移していましたが、稼働率についてはコロナ禍を経て逆転し、5区よりも渋谷区が高い稼働率をキープするようになりました。コロナ禍を経て働き方改革が急速に進行したことで、渋谷区はますます需要が高いエリアになったと考えられます。なお、当社の渋谷区に位置する物件においても2023年3月度の平均賃料は30,312円/坪、稼働率は97.6%と、高い水準をキープしています。
競合他社との差別化という観点においても、渋谷区を中心とした狭域にて事業展開を行うことで、エリアニーズや需要の変化をいち早く掴み、改善策や新規企画に反映できることからも狭域での事業展開をしていくことが差別化に繫がると考えております。
競争力を失ったビルの増加と差別化の必要性
ザイマックス不動産総合研究所によると(※4)、2023年12月末時点で想定される東京都心5区(中央区、千代田区、港区、渋谷区、新宿区)のオフィスストックは賃貸面積ベースで981万坪と、東京23区全体のストック1,311万坪の75%を占めるとしています。うち、中小規模ビルは447万坪、平均築年数は34.2年であり、大規模ビルの平均築年数25.7年に比べ築年経過が進んでいるとされています。中小規模ビル447万坪のうち、当社の得意とするコンパクトな築20年以上の築古ビルはバブル時代に過剰供給されたことを背景に361万坪と81%の延床面積を占めており、当社の再生ソリューションの対象となる物件が豊富に存在しています。
対して、築20年未満の中小規模の築古ビルは86万坪存在します。現時点で築浅であるこれらのオフィスビルも、いずれ古くなり競争力を失っていきます。また、大規模ビルも同様に、経年による競争力の低下は避けられないため、いずれ古くなり競争力を失っていきます。特に、現時点で築20年未満の築浅大規模ビルは241万坪の延床面積を占めており、供給ストックの過剰さから競争が激化していくと考えております。
すなわち、中小規模ビル・大規模ビル問わず経年により競争力が失われていくことは明白なため、当社のフレキシブルワークプレイス事業の対象となる物件はさらに増えていくと考えております。

東京都心5区オフィスピラミッド2023(賃貸面積ベース)
<出典:ザイマックス不動産総合研究所「オフィスピラミッド2023」(※4)>
アフターコロナにおけるオフィス選別淘汰の潮流
コロナ禍によって、オフィスワークを取り巻く環境は大きく変化しました。ザイマックス不動産総合研究所の調査は(※5)、テレワークの浸透により働く場所と働き方を見直すこととなったため、コロナ前後で築年・規模別のオフィスビル需要に変化が生じた企業がメインオフィスについてリアルな場所としての役割・価値を求めるようになったと示唆しています。例えばコロナ禍前2020年第1四半期においては、築年・規模に関わらず高い稼働率でしたが、コロナ禍後2022年第3四半期においては、築浅で大規模なビルは高稼働率を維持していた一方で、中小規模ビルは低稼働率であったという結果が示されています。大規模ビルにおいては築21~30年のビルが他の築年のビルと比べて低稼働が目立つ結果が示されております。また、コロナ禍後も渋谷エリアなどは好調な一方、湾岸エリアなどは不調であるという、エリア差も明確化したという結果が示されています。
働き方改革の進行だけでなく労働人口の減少を鑑みれば、今後オフィス需要の継続的な拡大は期待できないことは明らかです。同調査はオフィスマーケットにおいて一定量の空室がある状態が常態化することで企業によるビルに選別が進行しており、現状においても築古オフィスビルは長期的に空室を多く抱えているものが一定量あることから、特にバブル期に供給された中小規模ビルの競争力の低下が社会問題となりつつあると指摘されております。
また、日本不動産研究所の調査において(※6)、東京ビジネス地区の賃料及び空室率について中長期予測(2024~2025年)が示されております。同調査によれば、2024年は新規供給が限られる見通しであるが需要の伸びも限定的で空室率は緩やかな改善に留まり、賃料指数はいったん下げ止まりの兆しを見せると予測されております。2025年は大規模な再開発の竣工が続き新規供給量が過去最大レベルとなるため、空室率は上昇し、賃料指数は空室率の上昇の影響もあり下落すると予測されております。つまり、稼働率はコロナ禍前のようには戻らず賃料指数も同様だというトレンドに加え、労働人口の減少に歯止めがかからない以上、2025年以降もオフィスの選別淘汰がますます進んでいくであろうことが予測できると考えております。
以上のことから、オフィスバブルの終焉ともいえるコロナ禍後のオフィス選別淘汰の潮流においては、オフィスの差別化がますます求められることとなるため、入居者ニーズにフレキシブルに応えた商品をスピーディーに提供できる当社にとっては、このような逆境もプラスに働くと考えております。
フレキシブルオフィス市場の拡大
フレキシブルオフィス市場は、企業がワーカーに働く場所の選択肢を与えることの重要性が増したことを背景に、拡大傾向が続いております。ザイマックス不動産総合研究所の調査(2022年10月~12月)によると(※7)、東京23区内のフレキシブルオフィスは1,260拠点あり、その総面積は約23.9万坪(東京23区内のオフィスストック1,311万坪の約1.8%)となっており、年々増加しております。また、総拠点数の66.3%、総面積の84.1%が東京都心5区(中央区、千代田区、港区、渋谷区、新宿区)に集中しています。オフィスはただの事務スペースからコミュニケーションを重視した空間へ変化していることからも、フレキシブルオフィス市場、特に東京都心5区においては今後も拡大傾向であると考えております。すなわち、当社のフレキシブルワークプレイス事業の需要は高まると考えております。
建築単価の上昇
建築単価の上昇によるリノベーションを視野に入れる企業が増加していることも挙げられます。国土交通省によると(※8)、2002年に180.4千円/㎡であった建築単価(事務所)は、2021年に350.5千円/㎡と大幅に上昇しています。建築単価の上昇を背景に、新築ではなくコストを抑制できるリノベーションを選択する企業が増加しております。今後も建築単価が大きく下落することはないと予測しておりますので、投下コスト抑制の観点から新築ではなく築古ビル再生を選択するビルオーナーは増えていくと考えております。
※1 ニッセイ基礎研究所「わが国の不動産投資市場規模(2022年)」https://www.nli-research.co.jp/files/topics/72315_ext_18_0.pdf
※2 東京都都市整備局「東京の土地2021」https://www.toshiseibi.metro.tokyo.lg.jp/seisaku/tochi/index.html
※3 三鬼商事「オフィスマーケット」 https://www.miki-shoji.co.jp/rent/report
※4 ザイマックス不動産総合研究所「オフィスピラミッド2023」https://soken.xymax.co.jp/2023/01/18/2301-stock_pyramid_2023/
※5 ザイマックス不動産総合研究所「オフィスの未来」https://soken.xymax.co.jp/2023/05/08/2305-the_future_of_office_buildings/
※6 日本不動産研究所「東京のオフィス賃料予測(2022~2025年)」https://www.reinet.or.jp/?p=29067
※7 ザイマックス不動産総合研究所「フレキシブルオフィス市場調査2022」https://soken.xymax.co.jp/2022/02/25/2202-flexible_office_survey_2022/
※8 国土交通省「建築着工統計調査」https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?tclass=000001011993&cycle=8&year=20211
① 組織・ガバナンス体制の強化
当社は、宅地建物取引業免許、一級建築士事務所登録、特定建設業許可といった許認可に基づいた事業を行っており、業法違反等による事業活動の停止や資格はく奪、建設業による事故や損害賠償の発生などが生じた場合は事業に多大な影響を及ぼします。それに対処するために、規定上必要とされる人数を超えた有資格者の設置、コンプライアンス研修等の社員教育の実施、社外役員から牽制体制等を通じたガバナンス体制を強化することで、リスクを限りなく低減することが重要であると認識しています。
② 財務体質の健全性向上
当社の事業は、主に築古ビルを対象として、不動産取得及び設備投資を行うための設備投資資金を必要とするビジネスモデルであります。手元資金の他、銀行借入により物件購入資金及び設備投資資金を調達しております。今後も物件購入を継続していく経営方針であるため、市況の変化に左右されずに安定的な資金調達を行うために財務基盤の強化が必要となります。そのため、定期的に金融機関への業績説明を行うことや、物件内覧等を通じて相互理解を深めることで取引がより強固となり、資金調達が円滑に行われるように意識しております。株式上場の実現により、自己資本を増強することで財務体質の健全性の向上を図るとともに、信用力向上による調達金利の抑制も見込まれるため、金利上昇局面においても金利負担軽減を図ることができると考えております。
③ 認知度、ブランド力の向上
当社は、既存ビルオーナーからの継続的な案件依頼が多いことも特徴となっておりますが、今後の事業の継続的な成長のためには新規のビルオーナーとの取引が必要と考えております。そのために現在行っているビルオーナー向けのセミナー等の広報活動の強化等を通じて、ブランド力向上に取組んでまいります。また、株式上場により社会認知度の向上を図ることができると考えております。
④ 社員研修・教育制度の充実化と人材確保
事業の発展のためには、継続的に優秀な人材を確保し、これを育成することが重要であると認識しております。社内教育制度の拡充や、独実のビジネスモデルやノウハウの浸透を図ることにより、社員一人一人のレベルアップを図るとともに、管理職層の育成を強化して事業拡大に伴う組織体制の整備を進めていく方針です。
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が財政状態、業績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。また、必ずしもリスク要因に該当しない事項についても、投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資家の皆様に対する積極的な情報開示の観点から記載しております。当社は、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針であります。
当社では、「リスクマネジメント・コンプライアンス規程」を定め、経営会議において、リスクマネジメント・コンプライアンス事項について協議・決定を行う体制を整備しております。また実際にリスクが発生した場合は、速やかに代表取締役への報告を行い、代表取締役の指示の下、当該リスクへの対応を行うこととしております。
なお、文中の将来に関する事項は本書提出日現在において当社が判断したものであり、将来において発生可能性がある全てのリスクを網羅するものではありません。
(1) 経済状況及び不動産市況の影響について[顕在可能性:中、影響度:大]
当社のフレキシブルワークプレイス事業については、景気の後退、金利の上昇、消費税増税等の税制改正などが、当社の業績や財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。また、当社が運営する物件の主要なテナントはスタートアップ企業やベンチャー企業等の中小企業であるため、その需要は景気の動向に影響を受けやすい傾向にあります。こうした現状を踏まえ、当社はその時々においてスピード感をもってプロジェクトを進行し、経済状況及び不動産市況に応じた不動産の運用形態を柔軟に選択することができるよう努めておりますが、景気の後退やオフィス空間の供給過剰等により不動産市況が下落し、物件稼働率が著しく低下する場合には、マスターリース物件において、テナントより収受する賃料がオーナーへの支払賃料を下回るなど、当社の業績や財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 競合について[顕在可能性:中、影響度:中]
当社は、主に遊休不動産を再生しオフィス空間として提供するフレキシブルワークプレイス事業を展開しておりますが、企画・設計・デザイン、建設、リーシング、運営までワンストップで対応する体制を採用しております。そのため、事業計画の策定からエンドユーザーとなるテナントに対する提案まで迅速に行うことが可能であると考えております。当社のように東京都心部のコンパクトな築古ビルを対象に抜本的な不動産価値の向上を行う競合他社はないものと認識しております。しかし、昨今の時代背景から、大手不動産デベロッパーや不動産再生会社等によるオフィス事業等への参入が増えてきており、それによる競争の激化や、当社の優位性の確保が難しくなった場合、当社の業績や財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 物件の確保について[顕在可能性:中、影響度:中]
当社は、物件の情報を不動産業者、大手鉄道会社及び金融機関等のルートから入手しており、それら不動産業者等との信頼関係の構築及び維持に努めております。しかしながら、当不動産業界が共有する問題である不動産市況の変化あるいは物件の取得競争の激化等により、不動産業者等からの優良な情報が減少した場合、又は優良な物件を仕入れることが困難となった場合等には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
地震、暴風雨、洪水等の自然災害、戦争、暴動、テロ、火災等の人災が発生した場合、当社が所有する不動産の価値が著しく下落する可能性があり、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社が保有する不動産は、経済規模や入居テナントのニーズを考慮に入れ、東京都心部を中心としており、当該地域における地震その他の災害、首都圏経済の悪化等により、業績に影響を及ぼす可能性がありますが、当社は、自然災害等の発生に備え、人的被害の回避を最優先としつつ事業継続を図るため、災害発生時マニュアルの整備及び訓練等によって、リスク回避と被害最小化に努めております。
当社の主要なテナントは、スタートアップ企業やベンチャー企業の中小企業であり、新型コロナウイルス感染拡大に伴いこれらのテナントの業績が悪化した場合、解約や滞納等が発生し収益確保が困難になることが考えられ、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、当社の従業員に新型コロナウイルス等の感染が拡大した場合にも、一時的に事業を停止するなど、業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。当社ではこれらのリスクに対応するため、予防や拡大防止に対して適切な管理体制を構築しておりますが、2023年3月末現在、新型コロナウイルス感染による社会の混乱自体が収束に向かっており、影響は限定的と考えております。
(6) 法的規制について[顕在可能性:小、影響度:中]
当社は、事業を行う上で、宅地建物取引業法、建築基準法、建築士法及び消防法等の法令の他、関連する条例等多岐に渡る規制の適用を受けております。法改正等の改廃については法務部門にて定期的に情報収集を行い、適宜所管部署と連係を図っておりますが、これらの法規制が改廃された場合又は新たな規制が導入された場合は対応に要するコストの増加や受注できない業務の発生などにより当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、宅地建物取引業法をはじめ、建築基準法、都市計画法、建設業法、建築士法等による法的規制を受けております。当社では、これらの許認可等を受けるための諸条件及び関連法令の遵守に努めており、現状において当該許認可等が取消となる事由は発生しておりません。今後、これらの関連法令が改廃された場合や新たな法的規制が設けられた場合、又はこれらの法令等の規制について遵守できなかった場合や新たな有資格者等の設置義務が発生する場合には、当社の業績及び事業の展開に影響を及ぼす可能性があります。
(8) 知的財産権について[顕在可能性:小、影響度:中]
当社は、会社名や運営するサイト及び運営物件の名称等について商標登録を行っており、今後新たなサービスの展開を行っていくに際しても関連する名称の商標登録を行っていく方針です。 一方、他社の著作権や肖像権を侵害しないようサイト等に掲載する画像等については十分な監視・管理を行っており、現在、当社は第三者の知的財産権を侵害していないものと認識しております。しかしながら、今後も当社に対して知的財産権の侵害を理由とする訴訟やクレームが提起されないという保証はなく、そのような事態が発生した場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(9) 訴訟の可能性について[顕在可能性:小、影響度:大]
当社が企画又は管理運営している不動産については、入居トラブル等によって取引先又は顧客等による訴訟その他の請求が発生する可能性があります。クレーム対応マニュアルの策定や人材育成を通じてトラブルの発生を防止するとともに、顧問弁護士等と連係をとれる体制を整備することでリスク軽減に努めておりますが、これらの訴訟等の内容及び結果によっては、当社の業績と財務内容に影響を及ぼす可能性があります。
当社は元請業者として、廃棄物処理法において排出事業者の責務を負っております。排出事業者責任の明確化のために、排出事業者が他社に処理を委託する場合には、当該産業廃棄物について、発生から最終処分が終了するまでの一連の処理が適正に行われるために必要な措置を講ずるよう努めなければなりません。産業廃棄物処理が適正に行われるために、電子マニフェストを導入することで常時モニタリングを実施する他、建設マネジメント部内で産業廃棄物処理の手続きが適正に進められているかどうかを定期的に確認する体制をとっています。現在、万が一、当社が排出事業者として責任を負う建設廃棄物について、適切に処理委託等されず不法投棄されていた事実が発覚した場合、その処分費用が発生する可能性があります。現在まで、これらの違反について行政処分や係争、紛争はございませんが、その応対等により、当社の風評、事業及び業績に影響を与える可能性があります。
当社は、工事・施工を協力会社に外注しております。協力会社の管理を徹底するよう努めておりますが、万が一協力会社の管理が徹底できないことによる施工品質の低下や現場における事故、廃棄物処理法の違反等の協力会社による不正行為が発生した場合、当社の信用度の低下及び損害賠償責任の負担等により、当社の業績に影響を与える可能性があります。また、外注費の高騰及び工期の延長等が発生した場合、価格転嫁リスクの負担及び利益率の低下により、当社の業績に影響を与える可能性があります。
当社の業績拡大のためには新規物件の獲得は必須となっておりますが、獲得した建物はその大半が老朽化が進んだ築古ビルであるため、安全性や遵法性を保ち、かつ当社のブランドイメージに沿う空間へと作り変え、資産価値を向上する必要があります。物件の契約前には十分な事前調査を実施しておりますが、工事を進めていく段階で建物に構造上や耐震上の問題等が発生するケースがあります。この場合、再度調査し別途工事を実施する必要があるため、工事費用の増大や竣工スケジュールに遅れが生じ、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、高いデザイン性を実現しつつも、高い安全性と品質にこだわった設計・施工を心掛けております。しかしながら、当社が設計・施工した物件に不具合や老朽化による修繕の必要性が生じる可能性は否定できず、その際の手直しに要する追加の施工費、重大な瑕疵による損害賠償等は、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。また、人身や施工物等に係る重大な事故の発生も損害賠償金の支払い等により当社の信用が著しく毀損した場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、初期投資を当社が負担するケース、あるいは、ビルオーナーが負担するケースがあり、各々の物件により、対応は異なっております。このため必要に応じて、一部の不動産オーナーに対して、当社が敷金及び保証金を差し入れるケースがあります。この場合、契約終了に伴って、契約条項に基づき、敷金及び保証金の返還を受けることとなります。当社では、敷金及び保証金を差し入れている不動産オーナーに対して信用調査を定期的に行っております。しかしながら、倒産等不測の事態により、不動産オーナーから敷金及び保証金を回収できなくなる場合は、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
物件の取得資金や建築費等の資金調達においては、特定の金融機関に依存することなく、案件毎に金融機関に対して融資を打診し、融資実行を受けた後に各プロジェクトを進行させております。今後、新たに計画した資金調達が不調に終わった場合には、当社の業績及び事業展開に影響を及ぼす可能性があります。また、一部の金融機関との契約には財務制限条項が付されており、財務制限条項に抵触し、一括返済が必要となった場合には、当社の財政状態、業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、事業の運営資金を主に金融機関からの借入金及び社債の発行によって調達しております。当社は特定の金融機関に依存することなく借入金の調達を行っておりますが、金融情勢や経済情勢等により金利水準や金融環境等に変動があった場合、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、「固定資産の減損に係る会計基準」及び「固定資産の減損に係る会計基準の適用指針」を適用しております。当社では、遊休不動産への設備投資等により、有形固定資産が増加傾向にあります。今後資産の利用状況及び資産から得られるキャッシュ・フローの状況等が悪化し、減損処理が必要となった場合、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、物件売却の際には、当該売上高及び売上原価は物件の引渡時に計上されます。また、一取引当たりの金額は、他のストック型収入に比較して高額となっており、単発の物件売却取引の有無によって各期の業績は変動します。したがって、物件売却の有無、予定していた物件の引渡及び売却金額が想定どおりに行われなかった場合等、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、工事請負契約について、取引開始から完全に履行義務を充足すると見込まれる時点までの期間がごく短い場合には、完全に履行義務を充足した時点で収益を認識しております。そのため、当社に起因しない何らかの事情により、工事遅延等が発生した場合、当初予定の売上計上時期がずれ、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
親会社である株式会社サイバーエージェントの決算期末日が9月30日であることから、当社は、2021年9月14日開催の臨時株主総会決議において、決算期末日を10月31日から9月30日に変更しました。この変更により、第13期は2020年11月1日から2021年9月30日までの11ヶ月間の変則決算となり、第14期との適切な比較対照が困難となっております。そこで、当社は、投資情報として期間比較可能性を担保するための補足的情報を提供することを目的に、「みなし要約損益計算書(未監査)」を以下のとおり、開示しております。 「みなし要約損益計算書(未監査)」は、第14期が12ヶ月決算であるのに対して、第13期が11ヶ月決算であることから、2020年10月1日から2020年10月31日までの1か月間の損益計算書を第13期の損益計算書に合算し作成したものであります。
なお、「みなし要約損益計算書(未監査)」は法定の財務諸表ではないため、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査や、その他いかなる監査も受けていないことにご留意下さい。 「みなし要約損益計算書(未監査)」の数値を基に、第13期の主要な業績の比較を掲げると、以下のとおりとなります。
(単位:千円)
当社は、従業員90名(2023年3月31日時点)であり、従業員一人当たりの業務領域が広汎に亘ることがあります。不動産業界の競争激化の中での事業拡大を図るためには、従業員全てが業務の各段階において当社独自の遂行方法を基本とした専門的なスキルを持つスペシャリスト性や全体を統括できるゼネラリスト性を発揮する必要があり、これらの能力を兼ね備えた人材の確保が重要であると言えます。当社には宅地建物取引士45名、一級建築士7名、1級建築施工管理技士6名(2023年3月31日時点)が在籍しておりますが、退職等によって有資格者の人数が減少することで案件受注に影響を及ぼす場合があります。そのため、人材確保のために中途採用を積極的に実施し、また教育研修を充実することにより、人材の育成に努める方針であります。しかしながら、人材の確保、育成が適切に行えなかった場合には、当社の今後の事業展開に影響を与える可能性があります。
当社の創業者であり、代表取締役である岩本裕は、その企画・営業力、技術力、知識ノウハウ、経営判断能力を生かして、当社の経営方針や戦略の決定及び事業推進において重要な役割を果たしております。当社は特定の人物へ過度に依存することなく、より組織的な経営体制を目指し、人材採用・育成に力を入れ、経営リスクの軽減を図る所存でありますが、何らかの要因により、取締役としての執行が困難となった場合には、当社の業績及び今後の事業展開に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、企業価値の継続的な向上のため、コーポレート・ガバナンスが有効に機能することが不可欠であると認識しております。業務の適正性及び財務報告の信頼性の確保のための内部統制システムの適切な運用、さらに健全な倫理観に基づく法令遵守を徹底するため、内部管理体制の充実を図ってまいります。しかしながら、業務の急速な拡大により、十分な内部管理体制の構築が追いつかないという状況が生じる場合には、適切な業務運営が困難となり、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。
自然災害、停電等様々な原因により、当社のサーバーがシステムダウンを起こし、業務ができない等の障害が発生する可能性があります。当社では、システムのバックアップを行うとともに、緊急時の対応については、システム会社等による早期の復旧を図る体制を構築しておりますが、万が一想定を超えるシステム障害が発生した場合には、業務負荷に伴い当社サービスの低下等が発生し、当社の業績に影響を与える可能性があります。
当社は、多数のお客様の個人情報をお預かりしている他、様々な経営情報を保有しております。これらの情報の管理に関しては、社内の情報管理システムを強化するとともに、従業員等に対する教育・研修等により情報管理の重要性の周知徹底を図っております。しかし、これらの対策にも関わらず重要な情報が外部に漏洩した場合には、当社の社会的信用等に影響を与え、業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、2009年8月に設立された社歴の浅い会社であります。マスターリース開始が2012年であり、また一級建築士事務所登録が2017年、特定建設業許可の取得が2020年となっており、不動産再生の総合デベロッパーとしての社歴は浅いと考えております。さらに、当社が事業を行うフレキシブルワークプレイス市場についても新興マーケットであることから、当社における経営計画の策定には不確定事象が含まれざるを得ない状況にあります。
本書提出日現在において、当社の親会社である株式会社サイバーエージェントは当社発行済株式総数の91.5%を所有し、当社の経営において、親会社の承認を必要とする事項は存在しておりませんが、当社取締役の選解任、合併その他の組織再編の承認、重要な事業の譲渡、当社定款の変更及び剰余金の決定に関して、他の株主の意向に関わらず株式会社サイバーエージェントが影響を与える可能性があります。また、株式会社サイバーエージェントは、当社株式について上場後も長期保有を目的としておりますが、当社業容の変化や市場環境による影響等により当社株式売却等を行った場合には、当社の資本構成等に影響を及ぼす可能性があります。
当社の親会社である株式会社サイバーエージェント及び親会社グループ会社との本書提出日現在における取引関係に該当する項目はありません。
なお、当社では、親会社及び親会社グループと取引を行う際には、取引条件の経済的合理性を保つために、市場原理に基づき、その他第三者との取引条件との比較などからその取引の是非を慎重に検討し、判断しております。
当社取締役6名のうち、取締役(非常勤)である中山豪氏は、親会社である株式会社サイバーエージェントの常務取締役を兼ねております。当該兼務は、同氏が株式会社サイバーエージェントにおいて培ってきた豊富な経営経験から、当社に関する助言を得ることを目的として当社が招聘したものであります。
当社は親会社グループにおいて、その他事業に区分されております。同社グループにおいて、当社と同様の事業領域において事業を展開しているグループ企業はなく、グループ内における競合は生じておりません。しかしながら、将来において同社グループの事業戦略や当社の位置付け等に著しい変更が生じた場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。当社としては、築古ビルに対して耐震補強や増築、用途変更などを通じて抜本的な資産価値の向上を提供する事業を展開しており、不動産取得及び設備投資を行うための資金を必要とする事業のため、上場による資金調達力の強化、知名度や社会的信用度が向上することで、より多くの事業展開が可能になると判断し、上場を選択しております。
今回計画している公募増資による調達資金の使途につきましては、土地建物取得費用及び付随する改修工事費用等に充当する予定であります。しかしながら、経営環境の急激な変化等により、上記の資金使途へ予定どおり資金投入したとしても、想定どおりの投資効果を上げられない可能性があります。また、新たに取得を予定する目黒区大橋1丁目PJ(仮称)は売主と不動産売買契約を締結しておりますが、2024年3月を予定する不動産の引渡時までに何らかの契約解除条項に抵触した場合等は当該契約が破棄される可能性があります。その場合は他の新規物件取得費用及び付随する改修工事費用等に充当することとし、速やかに資金使途の変更について開示を行う予定であります。
当社は、役職員の会社業績の向上に対する意欲や士気を高めることを目的として、ストック・オプション制度を導入しております。本書提出日現在、新株予約権の株数は269,300株であり、当社発行済株式数の2,000,000株に対する潜在株式比率は13.4%に相当しております。今後、行使がなされた場合には、当社の1株当たりの株式価値は希薄化する可能性があります。
当社グループは、株式会社東京証券取引所への上場を予定しており、上場に際しては、公募増資によって当社株式の流動性の確保に努めることとしておりますが、株式会社東京証券取引所の定める流通株式比率は新規上場時において25.09%にとどまる見込みです。今後は、当社の事業計画に沿った成長資金の公募増資による調達、ストック・オプションの行使による流通株式数の増加、親会社他既存株主からの売出等の施策を組み合わせることで、流動性の向上を図っていく方針ではありますが、何らかの事情により上場時よりも流動性が低下する場合には、当社株式の市場における売買が停滞する可能性があり、それにより当社株式の需給関係にも悪影響を及ぼす可能性があります。
当社は、株主に対する利益還元を経営の重要課題の一つとして位置付けておりますが、財務体質の強化に加えて事業拡大のための内部留保の充実等を図り、収益力強化のための投資に充当することが株主に対する最大の利益還元に繫がると考えております。将来的には、収益力の強化や事業基盤の整備を実施しつつ、内部留保の充実状況及び当社を取り巻く事業環境を勘案した上で、株主に対して安定的かつ継続的な利益還元を実施する方針ではありますが、現時点において配当実施の可能性及びその実施時期等については未定であります。
(1) 経営成績等の状況の概要
当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当事業年度末における流動資産は2,043,317千円となり、前事業年度末に比べ940,466千円増加いたしました。これは主に不動産取得による販売用不動産が589,453千円、利益計上により現金及び預金が248,729千円増加したこと等によるものです。固定資産は5,716,793千円となり、前事業年度末に比べ1,911,163千円増加いたしました。これは主に当事業年度より築古物件購入を強化する方針のもと「IVY WORKS」「THE MOCK-UP BY PORTAL POINT」の取得等による土地の増加1,044,473千円、建物の増加1,305,088千円の一方、減価償却及び減損損失の計上により、減価償却累計額及び減損損失累計額が676,026千円増加したこと等によるものです。
この結果、資産合計は7,760,110千円となり、前事業年度末に比べて2,851,630千円増加いたしました。
当事業年度末における流動負債は1,973,719千円となり、前事業年度末に比べ209,721千円増加いたしました。これは主に物件取得等に伴う長期借入金の増加により1年内返済予定の長期借入金が168,830千円増加したこと等によるものです。固定負債は5,049,475千円となり、前事業年度末に比べ2,600,457千円増加いたしました。これは主に「IVY WORKS」「THE MOCK-UP BY PORTAL POINT」取得等に伴い長期借入金が2,389,130千円増加したこと等によるものです。
この結果、負債合計は7,023,194千円となり、前事業年度末に比べて2,810,179千円増加いたしました。
当事業年度末における純資産合計は736,915千円となり前事業年度末に比べて41,451千円増加いたしました。これは当期純利益を計上したこと等により利益剰余金合計が36,099千円増加したことによるものであります。
当第2四半期会計期間末における流動資産は1,368,980千円となり、前事業年度末に比べ674,336千円減少いたしました。これは主に前事業年度に取得した販売用不動産の売却により、販売用不動産が589,453千円減少したこと等によるものです。固定資産は8,078,359千円となり、前事業年度末に比べ2,361,565千円増加いたしました。これは主に前事業年度からの築古物件購入を強化する方針のもと「ランディック原宿ビル」の取得等による土地の増加1,566,011千円、建物の増加604,821千円等によるものです。
この結果、資産合計は9,447,340千円となり、前事業年度末に比べて1,687,229千円増加いたしました。
当第2四半期会計期間末における流動負債は4,042,369千円となり、前事業年度末に比べ2,068,649千円増加いたしました。これは主に「ランディック原宿ビル」の取得に伴うつなぎ融資を実行したことで短期借入金が1,842,000千円増加したこと等によるものです。固定負債は4,418,566千円となり、前事業年度末に比べ630,908千円減少いたしました。これは主に販売用不動産売却に伴う長期借入金返済等に伴い長期借入金が678,081千円減少したこと等によるものです。
この結果、負債合計は8,460,935千円となり、前事業年度末に比べて1,437,741千円増加いたしました。
(純資産)
当第2四半期会計期間末における純資産合計は986,404千円となり、前事業年度末に比べて249,488千円増加いたしました。これは主に、四半期純利益の計上により利益剰余金が249,488千円増加したことによるものであります。
当事業年度におけるわが国の経済は、度重なる感染拡大の波や食品・エネルギー価格の高騰により個人消費が影響を受けておりますが、企業業績については緩やかな回復の途上にあり、日銀の金融緩和政策による景気の下支えも継続していることから、経済全体としては緩やかな回復が期待されております。当社の主たる事業である不動産賃貸業界におきましては、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う都心部の空室率の上昇には歯止めがかかっております。一方でテレワークが定着するなど、オフィスの在り方は多様化を見せており、とりわけ大型オフィスビルの分散化や低稼働率に悩むホテルや商業施設からオフィスへの用途変更やサテライトオフィスの需要拡大など、働き方や働く場所の多様化が進むことによって、新たなオフィス需要が生まれております。
このような状況の中、当社は技術力・企画力・運営力を柱に、時代のニーズを敏感に捉えながら、競争力の低下した不動産をフレキシブルなワークプレイスへと再生させ、新たな価値を生み出してまいりました。実績により蓄積されたソリューション力は、築古ビルのみに留まらず、新築物件や競争力の低下したホテルや商業施設につきましても需要が高まり、順調に事業を拡大しております。また、当事業年度においては設計・施工請負の増加や、自社保有の開始などが収益に貢献しております。
その結果、当事業年度の業績につきましては、売上高は5,843,209千円、営業利益は429,306千円、経常利益は387,594千円、当期純利益は36,099千円となりました。なお、前事業年度である2021年9月期は決算期変更により、11ヶ月間の変則決算となっておりますので、対前事業年度との比較については記載しておりません。
当社の事業セグメントは、フレキシブルワークプレイス事業のみの単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。
当第2四半期累計期間(2022年10月1日~2023年3月31日)におけるわが国の経済は、依然として、ロシア・ウクライナ問題の長期化や金融政策等を背景とした世界的な資源価格の高騰、急激な円安の進行や物価の上昇等により、依然として景気の先行きは不透明な状況が続いております。一方で、新型コロナウイルス感染症の影響が和らぎ、社会経済活動の正常化が進んでいることから、当社を取り巻く事業環境は改善傾向にあります。
こうした状況のもと、当社の主たる事業である不動産賃貸業界においても、東京都心部のオフィス空室率が回復基調をみせるなど、緩やかに需要が戻ってきております。その一方で、低稼働に悩むホテルや商業施設からオフィスへの用途変更やサテライトオフィスの需要拡大をはじめとした、働き方・働く場所の多様化の進行によって、新たなオフィス需要が生まれております。
このような状況の中、当社の強みである技術力・企画力・運営力を活かし、時代のニーズを敏感に捉えながら、競争力の低下した不動産をフレキシブルなワークプレイスへと再生させ、新たな価値を生み出してまいりました。築古ビルの再生案件のみにとどまらず、新築物件といった開発案件についても実績を積み上げており、着実に事業を拡大しております。
以上の取組みの結果、当第2四半期累計期間の業績は、売上高3,894,067千円、営業利益413,545千円、経常利益393,835千円、四半期純利益は249,488千円となりました。
当社の事業セグメントは、フレキシブルワークプレイス事業のみの単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。
当事業年度における現金及び現金同等物の期末残高は642,939千円となりました。各キャッシュ・フローの状況とその主な要因は以下のとおりです。なお、前事業年度である2021年9月期は決算期変更により、11ヶ月間の変則決算となっておりますので、対前事業年度との比較については記載しておりません。
営業活動の結果得られた資金は、410,604千円となりました。これは主に、減価償却費372,773千円や、減損損失329,526千円等が計上されたことによるものです。
投資活動の結果使用した資金は、2,528,670千円となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出2,255,840千円等が計上されたことによるものです。
財務活動の結果得られた資金は、2,376,795千円となりました。これは主に、長期借入れによる収入3,181,000千円等が計上されたことによるものです。
当第2四半期累計期間における現金及び現金同等物の四半期末残高は309,479千円となりました。各キャッシュ・フローの状況とその主な要因は以下のとおりです。
営業活動の結果得られた資金は、1,012,708千円となりました。これは主に、販売用不動産の増減額(△は増加)586,688千円や、減価償却費176,751千円等が計上されたことによるものです。
投資活動の結果使用した資金は、2,537,178千円となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出2,427,256千円等が計上されたことによるものです。
財務活動の結果得られた資金は、1,191,009千円となりました。これは主に、短期借入金の純増減額(△は減少)1,842,000千円等が計上されたことによるものです。
当社が提供するサービスの性格上、生産実績及び受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
販売実績は、次のとおりであります。なお当社はフレキシブルワークプレイス事業の単一セグメントであるため、サービス別に記載しております。
(注) 第13期は、決算期変更により、2020年11月から2021年9月までの11か月間となっております。そのため、前期比の記載を省略しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
ストック型収入についてはマスターリース物件の賃貸におけるテナントからの賃料収受売上は3,848,972千円、自社保有物件の賃貸におけるテナントからの賃料収受売上は174,599千円、プロパティマネジメント売上は392,661千円、リーシング報酬といったその他売上は12,490千円となっております。またフロー型収入として、設計・施工請負契約売上1,414,485千円が計上されております。その結果として、売上高は5,843,209千円となりました。当社は、ストック型収入の安定的な積み上げをベースとしつつも、特定建設業許可の取得以降、マスターリース物件やプロパティマネジメント契約の受託に付随する形で継続的に設計・施工請負を受託しており、ストック型収入に連動し、設計・施工請負契約売上が安定的に発生しております。
なお、第13期は、決算期変更により、2020年11月から2021年9月までの11か月間となっております。そのため、前期比の記載を省略しております。
運営物件数の増加、建設請負案件にかかる請負原価及び事業部門の人員増加等により売上原価は5,054,530千円、業容拡大に伴う管理部門の人員増加等により販管費は359,373千円となりました。結果として、営業利益は429,306千円となりました。なお、第13期は、決算期変更により、2020年11月から2021年9月までの11か月間となっております。そのため、前期比の記載を省略しております。
営業外収益は664千円と大きな発生はないものの、営業外費用は主に不動産購入及び設備投資にかかる借入に伴う支払利息の発生等により、42,375千円となりました。その結果、経常利益は387,594千円となりました。なお、第13期は、決算期変更により、2020年11月から2021年9月までの11か月間となっております。そのため、前期比の記載を省略しております。
特別利益は497千円と大きな発生はないものの、特別損失は主に固定資産の減損損失を計上したこと等により347,911千円、税引前当期純利益は40,180千円、当期純利益は36,099千円となりました。なお、第13期は、決算期変更により、2020年11月から2021年9月までの11か月間となっております。そのため、前期比の記載を省略しております。
ストック型収入についてはマスターリース物件の賃貸におけるテナントからの賃料収受売上は2,131,733千円、自社保有物件の賃貸におけるテナントからの賃料収受売上は102,726千円、プロパティマネジメント売上は234,712千円、リーシング報酬といったその他売上は8,449千円となっております。またフロー型収入として、設計・施工請負契約売上715,430千円、販売用不動産の売却に701,015千円が計上されております。その結果として、売上高は3,894,067千円となりました。フロー型収入の販売用不動産の売却は単発取引であるものの、売却後に設計・施工請負契約及びプロパティマネジメント契約を締結しており、その後のストック型収入に繫がります。
運営物件数の増加、建設請負案件にかかる請負原価の発生、及び販売用不動産の売却等により売上原価は3,273,321千円、本社移転に伴う地代家賃の増加等により販管費は207,200千円となりました。結果として、営業利益は413,545千円となりました。
営業外収益は1,428千円と大きな発生はないものの、営業外費用は主に不動産購入及び設備投資にかかる借入に伴う支払利息の発生等により、21,138千円となりました。その結果、経常利益は393,835千円となりました。
特別利益の発生はないものの、特別損失は主に損害補償損失を計上したこと等により13,351千円、税引前四半期純利益は380,484千円、四半期純利益は249,488千円となりました。
当社の資本の財源及び資金の流動性について、当社の事業活動における運転資金需要の主なものは、運営物件にかかる支払賃料、管理経費及び人件費等の販売費及び一般管理費となります。投資資金需要のうち主なものは、新規物件契約に伴う保証金及びリノベーション設備投資によるものであります。また、投資資金は金融機関からの長期借入を基本としております。
当事業年度末における借入金残高は4,138,297千円となっております。
なお、財政状態の分析については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態の状況」に、キャッシュ・フローの状況については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
この財務諸表の作成に当たりまして、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項」に記載のとおりであります。
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりとなります。
経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおり、売上高及び営業利益を最重要の経営指標としつつも、売上高及び営業利益を向上させるための客観的な指標として運営面積、運営プロジェクト数、平均坪単価、物件稼働率を重要な経営指標と位置付けています。
当重要な経営指標について個別に目標値は設定しておりません。運営面積、運営プロジェクト数については2023年3月時点においても「ランディック原宿ビル」の取得をはじめ、安定的に新規案件が獲得できている一方で、2023年3月までにプロパティマネジメント契約の終了となった物件があることから、2023年3月末時点の運営面積(賃貸可能床面積62,388㎡、総床面積84,850㎡)は2022年9月期末の運営面積(賃貸可能床面積62,187㎡、総床面積84,565㎡)と比べて増加は限定的となっております。また平均坪単価、稼働率については、2023年3月末時点(平均坪単価25,109円、稼働率96.8%)と2022年9月期末時点(平均坪単価24,332円、稼働率95.8%)と比較して指標の改善がみられ、期間を通じて安定的な推移となっております。
該当事項はありません。
該当事項はありません。