文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
当社は「古いものに価値を、不動産にクリエイティブを、働き方に自由を」という企業理念を掲げております。
当社は、フレキシブルワークプレイス事業によって、主に都心部の築古ビルに対してリノベーションを行うことで付加価値を付与し、不動産価値の最大化を追求しながらも、テナントに対しては質の良いクリエイティブなオフィスを提供することで、自由な働き方に寄り添い、豊かな街づくりに貢献します。
当社は、企画・設計・デザイン、建設、リーシング、運営までワンストップで手がけるフレキシブルワークプレイス事業を行っております。また、事業展開のエリアを広げずに渋谷区、港区、目黒区を中心とした狭域エリア内で当社物件数を増やしていくというドミナント戦略を継続してまいります。
運営形態としては、今後もマスターリース契約におけるテナント賃料や、プロパティマネジメント契約における運営受託手数料を中心とした物件運営によって得られる安定的なストック型収入をメインとしながらも、マスターリース契約やプロパティマネジメント契約に付随して獲得する設計・施工請負から得られるフロー型収入を組み合わせることで事業規模拡大を狙っていきます。またサイバーエージェント社の子会社化及び株式上場を通じた与信力の向上による銀行融資を積極活用し、新規物件の取得を強化しております。
今後も優良物件の取得が重要となるため、強みである都心部中心のエリア展開というドミナント性は保ちつつ、ビルオーナーへの認知度・ブランド力の向上を通じて収益性の高い運営物件を増やしていくことが第一であると考えます。さらに、保有を含めた今後の事業規模拡大のためには、これまでの銀行借入による資金調達に加えて、株式市場を通じた資金調達等の調達手段を組み合わせることで、財務バランスを保ちながら、事業拡大に繋げていく方針です。
当社は、翌期以降3年間における売上高及び営業利益を重要な経営指標とし、中長期的に企業価値の最大化を図ってまいります。また、売上高及び営業利益を向上させるために、物件稼働率、平均坪単価を経営上の重要な指標とし、その他、運営面積、累計プロジェクト数、獲得済プロジェクト数、運営中物件数等の指標を定点監視しております。
2024年9月期
2025年9月期
※月末時点での数値を記載
※平均坪単価及び物件稼働率は、竣工後1年以上経過したML・保有物件について算出
※平均坪単価及び物件稼働率の算出にあたり、終了予定物件については除外
※各期末時点での数値を記載
※運営面積は、運営中物件のうちML・保有・PM物件が対象であり、共有面積を含めた床面積の総和を指す
※累計プロジェクトは、終了物件も含んだ累計プロジェクトを指す
※獲得済プロジェクトは、竣工前物件も含めたプロジェクトを指す
※運営中物件は、竣工後のML・保有・PM物件等を指す
(4) 中長期的な経営環境
当社はフレキシブルワークプレイス事業に係る事業環境を以下のように認識しています。
潜在的なオフィス市場の存在
ニッセイ基礎研究所による調査比較によれば(※1)、2024年のわが国の不動産投資市場規模において収益不動産は約315.1兆円であり、オフィスはそのうちの35%を占めるといわれています。コロナ禍を経て、当社に対して、ホテルや商業施設、住居内にオフィスを組み合わせたいなどの依頼が増えており、ホテルや商業施設等のオフィス以外からの用途変更等を鑑みれば、さらに大きな潜在市場が存在すると考えております。
都心部オフィス市場と事業拡大可能性
東京都都市整備局によれば(※2)、2024年1月時点での東京23区のオフィス床面積は約9,670万㎡です。その中でも当社のエリアターゲットである渋谷区は約641万㎡、港区は約1,900万㎡であります。2025年9月末時点で、当社の運営面積は約10.4万㎡であり、オフィス市況そのものが巨大なマーケットであるため、当社の発展的な事業拡大の余地は十分にあると考えております。
その中でも東京都心部のオフィス賃料の単価優位性は高く、特に渋谷区の優位性は顕著となっております。三鬼商事によれば(※3)、平均賃料については2025年9月度における都心5区の平均賃料が21,092円/坪であることに対し、渋谷区は24,248円/坪、稼働率については2025年9月度における都心5区の稼働率は97.3%であることに対し、渋谷区は97.9%と高い結果となっております。
競合他社との差別化という観点においても、渋谷区を中心とした狭域にて事業展開を行うことで、エリアニーズや需要の変化をいち早く掴み、新企画に反映できることからも渋谷区を中心とした狭域での事業展開をしていくことが差別化に繫がると考えております。
建築費・金利の上昇
近年、建築資材および人件費の高止まりにより建築費の高騰が続いておりますが、当社のような築古ビルの再生事業に与えるインパクトは新築開発と比べ、相対的に小さいと認識しております。新築は竣工まで2年~3年を要することも多く、その間の建築費高騰で当初の採算が損なわれるリスクがあります。一方で当社が主軸とする再生事業は竣工まで半年~1年と短いため、建築費の急激な変動によって事業全体の採算が大きく損なわれるリスクは限定的です。
また、金利上昇についても、新築開発は多額の建築費を含むため総事業費が大きく、金利変動が資金負担に直結しやすい構造となっております。一方で、当社の再生事業は総事業費が相対的に小さく、借入も抑制できることから、同じ金利上昇でも事業への影響は軽微です。さらに、再生事業は短期間で収益化できる点も金利リスクの低減に寄与しております。こうした建築費および金利の上昇局面では建替え判断が慎重化し、既存ストックを活用する再生ニーズが高まっており、当社にとっては追い風となる側面があると考えております。
環境配慮に対する意識向上
環境配慮への関心の高まりからも、新築建替えではなく、使えるものは長く使う不動産再生への需要が増加しております。当社においても2024年7月リノベーション竣工したAMBRE(渋谷区千駄ヶ谷)においてDBJ Green Building認証を取得しておりますが、ビルオーナーにおいても同様に環境配慮の観点からも不動産再生を選択する機会が増加するものと考えております。
競争力を失ったビルの増加と差別化の必要性
ザイマックス不動産総合研究所によると(※4)、2025年12月末時点で想定される東京都心5区(中央区、千代田区、港区、渋谷区、新宿区)のオフィスストックは賃貸面積ベースで976万坪となっており、うち、中小規模ビルは438万坪、平均築年数は35.2年であり、大規模ビルの平均築年数26.1年に比べ築年経過が進んでいるとされております。中小規模ビル438万坪のうち、当社の得意とするコンパクトな築20年以上の築古ビルはバブル時代に過剰供給されたことを背景に350万坪と80%の延床面積を占めており、当社のリノベーションの対象となる物件が豊富に存在しております。
対して、築20年未満の中小規模の築古ビルは88万坪存在します。現時点で築浅であるこれらのオフィスビルも、いずれ古くなり競争力を失っていきます。また、大規模ビルも同様に、経年による競争力の低下は避けられないため、いずれ古くなり競争力を失っていきます。特に、現時点で築20年未満の築浅大規模ビルは233万坪の延床面積を占めており、供給ストックの過剰さから競争が激化していくと考えております。すなわち、中小規模ビル・大規模ビルを問わず経年により競争力が失われていくことと想定されるため、当社のフレキシブルワークプレイス事業の対象となる物件はさらに増えていくと考えております。

東京都心5区オフィスピラミッド2025(賃貸面積ベース)
<出典:ザイマックス不動産総合研究所「オフィスピラミッド2025」(※4)>
※1 ニッセイ基礎研究所「わが国の不動産投資市場規模(2024年)」https://www.nli-research.co.jp/report/detail/id=80603?site=nli
※2 東京都都市整備局「東京の土地2024」https://www.toshiseibi.metro.tokyo.lg.jp/about/chousa/shiryo2024
※3 三鬼商事「オフィスマーケット」 https://www.e-miki.com/rent/
※4 ザイマックス不動産総合研究所「オフィスピラミッド2025」 https://soken.xymax.co.jp/2025/01/15/2501-stock_pyramid_2025/
① 優良物件の仕入
当社の継続的な事業拡大のためには、価格や立地、規模等の観点で当社の仕入基準に合致する優良な新規物件にアプローチし、オーナーとの接点を増やすことで、新規物件を獲得していくことが必須となってきます。企画営業部員の仕入力を上げておくことが重要だと考えております。
② 財務体質の健全性向上
当社の事業は、不動産取得及び設備投資を行うための設備投資資金を必要とするビジネスモデルであります。手元資金の他、銀行借入により物件購入資金及び設備投資資金を調達しております。今後も物件購入を継続していく経営方針であるため、市況の変化に左右されずに安定的な資金調達を行うために財務基盤の強化が必要となります。そのため、定期的に金融機関への業績説明を行うことや、物件内覧等を通じて相互理解を深めることで取引がより強固となり、資金調達が円滑に行われるように意識しております。株式上場の実現により、自己資本を増強することで財務体質の健全性の向上を図るとともに、信用力向上による調達金利の抑制も見込まれるため、金利上昇局面においても金利負担軽減を図ることができると考えております。
③ 組織・ガバナンス体制の強化
当社は、宅地建物取引業免許、一級建築士事務所登録、特定建設業許可といった許認可に基づいた事業を行っており、業法違反等による事業活動の停止や資格はく奪、建設業による事故や損害賠償の発生などが生じた場合は事業に多大な影響を及ぼします。それに対処するために、規定上必要とされる人数を超えた有資格者の設置、コンプライアンス研修等の社員教育の実施、社外役員から牽制体制等を通じたガバナンス体制を強化することで、リスクを限りなく低減することが重要であると認識しています。
④ 社員研修・教育制度の充実化と人材確保
事業の発展のためには、継続的に優秀な人材を確保し、これを育成することが重要であると認識しております。社内教育制度の拡充や、独自のビジネスモデルやノウハウの浸透を図ることにより、社員一人一人のレベルアップを図るとともに、管理職層の育成を強化して事業拡大に伴う組織体制の整備を進めていく方針です。
当社のサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
当社においては、取締役会がサステナビリティ全般に関するリスク及び機会の監督に対する責任と権限を有しており、その対応方針及び実行計画等に関する経営上の重要事項を審議・監視いたします。詳細につきましては、
当社の競争力の源泉は人材であり、持続的な企業価値向上にあたって最も重要な経営資源と考えております。そのため、サステナビリティ関連の項目の中で、特に人的資本を重視しています。
当社における、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針は、以下のとおりです。
① 人材の育成に関する方針
組織に不足するスキル・専門性の獲得を社員に促すにあたって、その成果に応じ、キャリアプランや報酬等の処遇に反映できるよう人事制度を構築しております。具体的には、手厚い資格制度(一級建築士4.5万円/月、宅地建物取引士3.5万円/月)や、人事考課制度における詳細な目標設定並びにフィードバックの実施などが挙げられます。また、OJTや上長との定期的な面談に加え、社内及び社外講師を招いた研修を実施することで、全社的なスキルアップ・業務知識の獲得を図っています。
② 社内環境整備に関する方針
性別や年齢などに関係なく様々な人材が活躍できる環境や仕組みを整備し、多様な人材が意欲をもって活躍する活力ある組織の構築を推進していくとともに、優秀な人材を確保するため、新卒を対象とした定期採用に加え、即戦力として期待できる中途採用も積極的に行っております。また、従業員から見た働きやすい職場環境を創出することが定着率並びに生産性の向上に繋がるという考えから、自律的キャリアの形成の観点での社内公募による異動制度の導入や、副業制度などを整備しております。
当社においては、サステナビリティ全般に関する機会を識別し評価できるよう、リスクマネジメント・コンプライアンス規程に基づき、リスク管理体制を整備しております。詳細につきましては、
当社は、「古いものに価値を、不動産にクリエイティブを、働き方に自由を」という企業理念のもと、人々の自由な働き方に寄り添い、豊かな街づくりに貢献していきます。そのために、「(2) 戦略」において記載した方針及びその他有効な戦略の追加・拡充の検討を重ねてまいります。
人材の育成及び社内環境整備に関する方針に関する定量的な指標として、生産性(一人当たり営業利益)の目標数値を定め、企業価値向上に取り組んでまいります。前年度において、2027年9月期の一人当たり営業利益目標を15.0百万円と定めましたが、物件保有の増加及びキャピタルゲインモデルによって生産性が大幅に向上しており、2025年9月期実績において、一人当たり営業利益11.2百万円と前事業年度と比べ増加している状況であります。3か年計画(2026年9月期~2028年9月期)と合わせて、一人当たり営業利益目標も大きく引き上げ、新目標とします。
※一人当たり営業利益は、期末時点における「営業利益÷従業員数」により算出
※従業員数は、「第1 企業の概況 5 従業員の状況」に記載した基準による
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が財政状態、業績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。また、必ずしもリスク要因に該当しない事項についても、投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資家の皆様に対する積極的な情報開示の観点から記載しております。当社は、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針であります。
当社では、「リスクマネジメント・コンプライアンス規程」を定め、経営会議において、リスクマネジメント・コンプライアンス事項について協議、決定を行う体制を整備しております。また実際にリスクが発生した場合は、速やかに代表取締役への報告を行い、代表取締役の指示の下、当該リスクへの対応を行うこととしております。
なお、文中の将来に関する事項は本書提出日現在において当社が判断したものであり、将来において発生可能性がある全てのリスクを網羅するものではありません。
(1) 経済状況及び不動産市況の影響について[顕在可能性:中、影響度:中]
当社のフレキシブルワークプレイス事業については、景気の後退、金利の上昇、消費税増税等の税制改正などが、当社の業績や財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。また、当社が運営する物件の主要なテナントはスタートアップ企業やベンチャー企業等の中小企業であるため、その需要は景気の動向に影響を受けやすい傾向にあります。こうした現状を踏まえ、当社はその時々においてスピード感をもってプロジェクトを進行し、経済状況及び不動産市況に応じた不動産の運用形態を柔軟に選択することができるよう努めておりますが、景気の後退やオフィス空間の供給過剰等により不動産市況が下落し、物件稼働率が著しく低下する場合には、マスターリース物件において、テナントより収受する賃料がオーナーへの支払賃料を下回るなど、当社の業績や財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 競合について[顕在可能性:中、影響度:中]
当社は、主に遊休不動産を再生しオフィス空間として提供するフレキシブルワークプレイス事業を展開しておりますが、企画・設計・デザイン、建設、リーシング、運営までワンストップで対応する体制を採用しております。そのため、事業計画の策定からエンドユーザーとなるテナントに対する提案まで迅速に行うことが可能であると考えております。当社のように東京都心部のコンパクトな築古ビルを対象に抜本的な不動産価値の向上を行う競合他社はないものと認識しております。しかし、昨今の時代背景から、大手不動産デベロッパーや不動産再生会社等によるオフィス事業等への参入が増えてきており、それによる競争の激化や当社の優位性の確保が難しくなった場合、当社の業績や財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 物件の確保について[顕在可能性:中、影響度:中]
当社は、物件の情報を不動産業者、大手鉄道会社及び金融機関等のルートから入手しており、それら不動産業者等との信頼関係の構築及び維持に努めております。しかしながら、当不動産業界が共有する問題である不動産市況の変化あるいは物件の取得競争の激化等により、不動産業者等からの優良な情報が減少した場合、又は優良な物件を仕入れることが困難となった場合等には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
昨今の気候変動等により地球規模での自然災害が発生しておりますが、特に日本においては地震の多発化、温暖化による集中豪雨の発生、台風の大型化等が見受けられます。自然災害によって当社が所有する不動産の価値が著しく下落することで、当社の業績に影響を及ぼす可能性がありますが、当社は、自然災害等の発生に備え、人的被害の回避を最優先としつつ事業継続を図るため、災害発生時マニュアルの整備及び訓練等によって、リスク回避と被害最小化に努めております。
(5) 地域の偏在について[顕在可能性:中、影響度:大]
当社が運営する不動産は、経済規模や顧客のニーズを考慮に入れ、東京を中心とする首都圏エリアが中心であり、当該地域における地震その他の災害、首都圏経済の悪化等により、業績に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 法的規制について[顕在可能性:小、影響度:中]
当社は、事業を行う上で、宅地建物取引業法、建築基準法、建築士法及び消防法等の法令の他、関連する条例等多岐に渡る規制の適用を受けております。法改正等の改廃については法務部門にて定期的に情報収集を行い、適宜所管部署と連係を図っておりますが、これらの法規制が改廃された場合又は新たな規制が導入された場合は対応に要するコストの増加や受注できない業務の発生などにより当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、宅地建物取引業法をはじめ、建築基準法、都市計画法、建設業法、建築士法等による法的規制を受けております。当社では、これらの許認可等を受けるための諸条件及び関連法令の遵守に努めており、現状において当該許認可等が取消となる事由は発生しておりません。今後、これらの関連法令が改廃された場合や新たな法的規制が設けられた場合、又はこれらの法令等の規制について遵守できなかった場合や新たな有資格者等の設置義務が発生する場合には、当社の業績及び事業の展開に影響を及ぼす可能性があります。
(8) 知的財産権について[顕在可能性:小、影響度:中]
当社は、会社名や運営するサイト及び運営物件の名称等について商標登録を行っており、今後新たなサービスの展開を行っていくに際しても関連する名称の商標登録を行っていく方針です。 一方、他社の著作権や肖像権を侵害しないようサイト等に掲載する画像等については十分な監視・管理を行っており、現在、当社は第三者の知的財産権を侵害していないものと認識しております。しかしながら、今後も当社に対して知的財産権の侵害を理由とする訴訟やクレームが提起されないという保証はなく、そのような事態が発生した場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(9) 訴訟の可能性について[顕在可能性:小、影響度:大]
当社が企画又は管理運営している不動産については、入居トラブル等によって取引先又は顧客等による訴訟その他の請求が発生する可能性があります。クレーム一覧の管理や人材育成を通じてトラブルの発生を防止するとともに、顧問弁護士等と連係をとれる体制を整備することでリスク軽減に努めておりますが、これらの訴訟等の内容及び結果によっては、当社の業績と財務内容に影響を及ぼす可能性があります。
当社は元請業者として、廃棄物処理法において排出事業者の責務を負っております。排出事業者責任の明確化のために、排出事業者が他社に処理を委託する場合には、当該産業廃棄物について、発生から最終処分が終了するまでの一連の処理が適正に行われるために必要な措置を講ずるよう努めなければなりません。産業廃棄物処理が適正に行われるために、電子マニフェストを導入することで常時モニタリングを実施する他、建設マネジメント部内で産業廃棄物処理の手続きが適正に進められているかどうかを定期的に確認する体制をとっております。現在、万が一、当社が排出事業者として責任を負う建設廃棄物について、適切に処理委託等されず不法投棄されていた事実が発覚した場合、その処分費用が発生する可能性があります。現在まで、これらの違反について行政処分や係争、紛争はありませんが、その応対等により、当社の風評、事業及び業績に影響を与える可能性があります。
当社は、工事・施工を協力会社に外注しております。協力会社の管理を徹底するよう努めておりますが、万が一協力会社の管理が徹底できないことによる施工品質の低下や現場における事故、廃棄物処理法の違反等の協力会社による不正行為が起こった場合、当社の信用度の低下及び損害賠償責任の負担等により、当社の業績に影響を与える可能性があります。また、当社の仕入れ物件の増加により同時期に多数の工事を発注する場合に対応できる施工会社の確保が難しい場合、建築資材や労務費の高騰による外注原価の増加、不測の事態における工期の延長等が発生した場合も同様です。
当社の業績拡大のためには新規物件の獲得は必須となっておりますが、獲得した建物はその大半が老朽化が進んだ築古ビルであるため、安全性や遵法性を保ち、かつ当社のブランドイメージに沿う空間へと工事し、資産価値を向上させる必要があります。物件の契約前には十分な事前調査を実施しておりますが、工事を進めていく段階で建物に構造上や耐震上の問題等が発生するケースや、重要な事故が発生する可能性があります。この場合、工事費用の増大や竣工スケジュールに遅れが生じ、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、高いデザイン性を実現しつつも、高い安全性と品質にこだわった設計・施工を心掛けております。しかしながら、当社が設計・施工した物件に不具合や老朽化による修繕の必要性が生じる可能性は否定できず、その際の手直しに要する追加の施工費、重大な瑕疵による損害賠償等は、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。また、人身や施工物等に係る重大な事故の発生も損害賠償金の支払い等により当社の信用が著しく毀損した場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、初期投資を当社が負担するケース、あるいは、ビルオーナーが負担するケースがあり、各々の物件により、対応は異なっております。このため必要に応じて、一部の不動産オーナーに対して、当社が敷金及び保証金を差し入れるケースがあります。この場合、契約終了に伴って、契約条項に基づき、敷金及び保証金の返還を受けることとなります。当社では、敷金及び保証金を差し入れている不動産オーナーに対して信用調査を定期的に行っております。しかしながら、倒産等不測の事態により、不動産オーナーから敷金及び保証金を回収できなくなる場合は、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
物件の取得資金や建築費等の資金調達においては、特定の金融機関に依存することなく、案件毎に金融機関に対して融資を打診し、融資実行を受けた後に各プロジェクトを進行させております。今後、新たに計画した資金調達が不調に終わった場合には、当社の業績及び事業展開に影響を及ぼす可能性があります。また、一部の金融機関との契約には財務制限条項が付されており、財務制限条項に抵触し、一括返済が必要となった場合には、当社の財政状態、業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、事業の運営資金を主に金融機関からの借入によって調達しております。当社は特定の金融機関に依存することなく借入金の調達を行っておりますが、金融情勢や経済情勢等により金利水準や金融環境等に変動があった場合、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社の主たる事業である不動産再生事業は、新築事業と比較して費用・工期ともに抑えられることから、金利上昇局面においても優位性を持っております。しかしながら、今後更なる金利の引き上げが継続された場合、支払利息の増加等を通じて当社の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、「固定資産の減損に係る会計基準」及び「固定資産の減損に係る会計基準の適用指針」を適用しております。当社では、自社保有物件の増加及びマスターリースサービスにおいて遊休不動産への設備投資等により、有形固定資産が増加傾向にあります。今後資産の利用状況及び資産から得られるキャッシュ・フローの状況等が悪化し、減損処理が必要となった場合、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、物件売却の際には、当該売上高及び売上原価は物件の引渡時に計上されます。また、一取引当たりの金額は、他のストック型収入に比較して高額となっており、単発の物件売却取引の有無によって各期の業績は変動します。したがって、物件売却の有無、予定していた物件の引渡及び売却金額が想定どおりに行われなかった場合等、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、工事請負契約について、取引開始から完全に履行義務を充足すると見込まれる時点までの期間がごく短い場合には、完全に履行義務を充足した時点で収益を認識しております。そのため、当社に起因しない何らかの事情により、工事遅延等が発生した場合、当初予定の売上計上時期がずれ、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、従業員93名(2025年9月30日現在)であり、従業員一人当たりの業務領域が広汎に亘ることがあります。不動産業界の競争激化の中での事業拡大を図るためには、従業員全てが業務の各段階において当社独自の遂行方法を基本とした専門的なスキルを持つスペシャリスト性や全体を統括できるゼネラリスト性を発揮する必要があり、これらの能力を兼ね備えた人材の確保が重要であると言えます。このような人材確保のために、中途採用を積極的に実施しております。また、全従業員に対する教育研修を充実することにより、人材の育成に努める方針であります。しかしながら、人材の確保、育成が適切に行えなかった場合には、当社の今後の事業展開に影響を与える可能性があります。
当社の創業者であり、代表取締役である岩本裕は、その企画・営業力、技術力、知識ノウハウ、経営判断能力を生かして、当社の経営方針や戦略の決定及び事業推進において重要な役割を果たしております。当社は特定の人物へ過度に依存することなく、より組織的な経営体制を目指し、人材採用・育成に力を入れ、経営リスクの軽減を図る所存でありますが、何らかの要因により、取締役としての執行が困難となった場合には、当社の業績及び今後の事業展開に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、企業価値の継続的な向上のため、コーポレート・ガバナンスが有効に機能することが不可欠であると認識しております。業務の適正性及び財務報告の信頼性の確保のための内部統制システムの適切な運用、さらに健全な倫理観に基づく法令遵守を徹底するため、内部管理体制の充実を図ってまいります。しかしながら、業務の急速な拡大により、十分な内部管理体制の構築が追いつかないという状況が生じる場合には、適切な業務運営が困難となり、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。
自然災害、停電等様々な原因により、当社のサーバーがシステムダウンを起こし、業務ができない等の障害が発生する可能性があります。当社では、システムのバックアップを行うとともに、緊急時の対応については、システム会社等による早期の復旧を図る体制を構築しておりますが、万が一想定を超えるシステム障害が発生した場合には、業務負荷に伴い当社サービスの低下等が発生し、当社の業績に影響を与える可能性があります。
当社は、多数のお客様の個人情報をお預かりしている他、様々な経営情報を保有しております。これらの情報の管理に関しては、社内の情報管理システムを強化するとともに、従業員等に対する教育・研修等により情報管理の重要性の周知徹底を図っております。しかし、これらの対策にも関わらず重要な情報が外部に漏洩した場合には、当社の社会的信用等に影響を与え、業績に影響を及ぼす可能性があります。
本書提出日現在において、当社の親会社である株式会社サイバーエージェントは当社発行済み普通株式の63.74%を所有し、当社の経営において、親会社の承認を必要とする事項は存在しておりませんが、当社取締役の選解任、合併その他の組織再編の承認、重要な事業の譲渡、当社定款の変更及び剰余金の決定に関して、他の株主の意向に関わらず株式会社サイバーエージェントが影響を与える可能性があります。また、当社業容の変化や市場環境による影響等により、株式会社サイバーエージェントが当社株式売却等を行った場合には、当社の資本構成等に影響を及ぼす可能性があります。
当社の親会社である株式会社サイバーエージェント及び親会社グループ会社との本書提出日現在における重要な取引関係はありません。親会社及び親会社グループと多額の取引を行う場合には、取引を行うこと自体に合理性(事業上の必要性)があること、及び取引条件の妥当性(他の取引先と同等の条件であり、個別にその条件の妥当性が確認できる)があることが担保される場合に限り、取締役会決議により取引の開始・変更の決定を行っております。
当社取締役6名のうち、取締役(非常勤)である中山豪氏は、親会社である株式会社サイバーエージェントの取締役 専務執行役員を兼ねております。当該兼務は、同氏が株式会社サイバーエージェントにおいて培ってきた豊富な経営経験から、当社に関する助言を得ることを目的として当社が招聘したものであります。
当社は親会社グループにおいて、メディア&IP事業に区分されております。同社グループにおいて、当社と同様の事業領域において事業を展開しているグループ企業はなく、グループ内における競合は生じておりません。しかしながら、将来において同社グループの事業戦略や当社の位置付け等に著しい変更が生じた場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。当社としては、築古ビルに対して耐震補強や増築、用途変更などを通じて抜本的な資産価値の向上を提供する事業を展開しており、不動産取得及び設備投資を行うための資金を必要とする事業のため、上場による資金調達力の強化、知名度や社会的信用度が向上することで、より多くの事業展開が可能になると判断し、上場を選択しております。
当社は、役職員の会社業績の向上に対する意欲や士気を高めることを目的として、ストック・オプション制度を導入しております。当事業年度末時点において、新株予約権の株数は312,400株であり、当社発行済株式数の5,746,900株に対する潜在株式比率は5.4%に相当しております。今後、行使がなされた場合には、当社の1株当たりの株式価値は希薄化する可能性があります。
当事業年度末において、株式会社東京証券取引所の定める当社の流通株式比率は29.0%となっております。今後は、当社の事業計画に沿った成長資金の公募増資による調達、ストック・オプションの行使による流通株式数の増加、親会社他既存株主からの売出等の施策を組み合わせることで、流動性の向上を図っていく方針ではありますが、何らかの事情により流動性が低下する場合には、当社株式の市場における売買が停滞する可能性があり、それにより当社株式の需給関係にも悪影響を及ぼす可能性があります。
当社は、株主に対する利益還元を経営の重要課題の一つとして位置付けておりますが、財務体質の強化に加えて事業拡大のための内部留保の充実等を図り、収益基盤の多様化や収益力強化のための投資に充当することが株主に対する最大の利益還元に繋がると考えております。
(1) 経営成績等の状況の概要
当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当事業年度末における流動資産は4,472,266千円となり、前事業年度末に比べ1,054,367千円減少いたしました。これは、主に販売用不動産で保有する「(仮称)目黒区大橋1丁目新築プロジェクト」の土地及び「OMB MEGURO NAKACHO」の売却により、販売用不動産が926,507千円減少したこと等によるものです。固定資産は16,792,466千円となり、前事業年度末に比べ6,424,380千円増加いたしました。これは主に「(仮称)中目黒1丁目再生PJ」、「OMB北参道」、「OMB東麻布」、「(仮称)港区芝5丁目再生PJ」及び「(仮称)千駄ヶ谷1丁目再生PJ」の取得等による土地の増加5,578,057千円、建物の増加496,301千円等によるものです。
この結果、資産合計は21,264,732千円となり、前事業年度末に比べて5,370,013千円増加いたしました。
当事業年度末における流動負債は3,901,427千円となり、前事業年度末に比べ1,936,202千円減少いたしました。これは主に、借入金の返済により1年内返済予定の長期借入金が2,480,180千円減少したこと等によるものです。固定負債は14,011,697千円となり、前事業年度末に比べ6,666,259千円増加いたしました。これは主に、新規の物件取得等により長期借入金が6,711,065千円増加したこと等によるものです。
この結果、負債合計は17,913,124千円となり、前事業年度末に比べて4,730,056千円増加いたしました。
当事業年度末における純資産合計は3,351,607千円となり前事業年度末に比べて639,956千円増加いたしました。これは主に、当期純利益の計上により利益剰余金が559,220千円増加したこと等によるものであります。
当事業年度におけるわが国の経済は、社会経済活動の正常化及びインバウンド需要の拡大を背景に、緩やかな回復基調が続いております。一方で、米国の経済政策に関する不確実性、海外情勢の不安定化、インフレ進行などにより、景気の先行きは依然として不透明な状況となっております。
こうした環境のもと、当社が主力事業とするオフィス賃貸業界においては、平均空室率の改善に見られるとおりオフィス需要全体が堅調に推移しております。特に当社が強みを持つ渋谷エリアでは、スタートアップ企業の活発な需要を背景に、当社運営の既存物件は高稼働率を維持し、賃料も上昇傾向にあります。また、建築費高騰や金利上昇を受け、新築開発が困難となったビルオーナーによる既存ビル活用のニーズが高まっており、築古ビルの再生に強みを持つ当社にとっては引き続き有利な事業環境となっております。
こうした追い風を受け、当社は既存運営物件の高稼働率を維持し、安定的なストック型収入の積み上げを継続するとともに、前事業年度に獲得した新規物件についてもリーシングが好調に推移したことで、ストック型収入は計画を大きく上回る結果となったほか、収益性の高い保有物件の増加により営業利益率も向上する結果となりました。また、上期において当期に予定していた販売物件2件の売却が全て完了し、フロー型収入も順調に推移しました。これらを背景に、第4四半期まで積極的な仕入活動を継続した結果、当事業年度においては、新たに7物件(うち、保有物件3件、マスターリース物件3件、プロパティマネジメント物件1件)を獲得したほか、マスターリース中の2物件を取得する等、来期以降の継続的な成長に向けた先行投資も着実に実施しております。これにより、前事業年度の実績と比べ、積極的な先行投資費用を負担しつつも、目標としていた営業利益の30%成長を大きく上回る、36%増での過去最高の営業利益を達成しております。
なお、インフレ進行による更なる金利上昇リスクについても、不動産再生に係る工期は新築と比べ短く、賃料の上昇により回収可能であることから、当社の業績に与える影響は限定的であると見込んでおります。
その結果、当事業年度の業績につきましては、売上高は9,791,998千円(前年同期比23.2%増)、営業利益は1,043,179千円(前年同期比36.0%増)、経常利益は827,039千円(前年同期比31.3%増)、当期純利益は559,220千円(前年同期比47.0%増)となりました。
当社の事業セグメントは、フレキシブルワークプレイス事業のみの単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。
当事業年度における現金及び現金同等物の期末残高は947,147千円となりました。各キャッシュ・フローの状況とその主な要因は以下のとおりです。
営業活動の結果得られた資金は、3,560,622千円(前年同期は1,332,824千円の支出)となりました。これは主に、税引前当期純利益796,906千円(前年同期は551,577千円)、減価償却費398,754千円(前年同期は369,555千円)の計上に加え、販売用不動産の売却を行ったことにより、販売用不動産の増減額(△は増加)1,975,980千円(前年同期は△2,308,269千円)が計上されたこと等によるものです。
投資活動の結果使用した資金は、7,926,270千円(前年同期は3,382,402千円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出7,739,481千円(前年同期は3,197,148千円の支出)等が計上されたことによるものです。
財務活動の結果得られた資金は、4,182,443千円(前年同期は3,882,825千円の獲得)となりました。これは主に、不動産取得のための長期借入れによる収入9,890,000千円(前年同期は7,333,000千円の獲得)が計上された他、長期借入金の返済による支出が5,661,186千円(前年同期は1,557,670千円の支出)計上されたこと等によるものです。
当社が提供するサービスの性格上、生産実績及び受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
販売実績は、次のとおりであります。なお当社はフレキシブルワークプレイス事業の単一セグメントであるため、サービス別に記載しております。
(注)主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合
(注)前事業年度におけるSanyoホールディングス株式会社及び東急株式会社に対する販売実績は、当該販売実績の総販売実績に対する割合が10%未満であるため記載を省略しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
ストック型収入についてはマスターリース物件の賃貸におけるテナントからの賃料収受売上は5,049,875千円、自社保有物件の賃貸におけるテナントからの賃料収受売上は506,908千円、プロパティマネジメント売上は532,978千円、リーシング報酬といったその他売上は28,538千円となっております。またフロー型収入として、設計・施工請負契約売上428,742千円、販売用不動産の売却による売上3,244,955千円が計上されております。その結果として、売上高は9,791,998千円(前年同期比23.2%増)となりました。当社は、ストック型収入の安定的な積み上げをベースとしつつも、マスターリース物件やプロパティマネジメント契約の受託に付随する形で設計・施工請負の受託による設計・施工請負契約売上が発生しております。また2023年より販売用不動産を売却し、売却後もマスターリースないしプロパティマネジメント契約を受託することで安定的なストック型収入に繋げております。
売上原価は運営物件数の増加、建設請負案件にかかる請負原価及び販売用不動産の売却原価により8,114,912千円(前年同期比21.9%増)となりました。販売費及び一般管理費は好調な新規保有物件仕入れに伴う租税公課の増加等により633,906千円(前年同期比20.6%増)となりました。結果として、営業利益は1,043,179千円(前年同期比36.0%増)となりました。
営業外収益は受取利息の増加等により、6,531千円(前年同期比214.3%増)となりました。営業外費用は主に不動産購入及び設備投資にかかる借入に伴う支払利息の発生等により、222,671千円(前年同期比60.3%増)となりました。その結果、経常利益は827,039千円(前年同期比31.3%増)となりました。
特別利益は前事業年度に受領した受取補償金の反動により減少し、617千円(前年同期比93.5%減)となりました。特別損失は主に固定資産の減損損失の減少により30,750千円(前年同期比65.0%減)、税引前当期純利益は796,906千円(前年同期比44.5%増)、当期純利益は559,220千円(前年同期比47.0%増)となりました。
当社の資本の財源及び資金の流動性について、当社の事業活動における運転資金需要の主なものは、運営物件にかかる支払賃料、管理経費及び人件費等の販売費及び一般管理費となります。投資資金需要のうち主なものは、物件の購入費用及びリノベーション設備投資によるものであります。また、投資資金は金融機関からの長期借入を基本としております。
当事業年度末における借入金残高は13,937,697千円(前年同期比43.6%増)となっております。
なお、財政状態の分析については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態の状況」に、キャッシュ・フローの状況については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
この財務諸表の作成にあたりまして、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項」に記載のとおりであります。
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりとなります。
経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおり、売上高及び営業利益を最重要の経営指標としつつも、売上高及び営業利益を向上させるための指標として物件稼働率、平均坪単価等を月次確認しております。
目標達成のための項目として、ストック型収入に繋がる既存物件における稼働率の維持と賃料適正化(平均坪単価のアップ)、新規物件の早期リーシング、保有物件の計画的な売却、設計・施工請負業務の進捗等がポイントとなり、当項目を確実に達成していくことを重要視しております。
(財務制限条項が付された借入金契約)
当社が締結している財務制限条項が付された借入金契約の契約に関する内容等は次の通りであります。
※ 財務制限条項の特約要件は以下となります。
A.貸借対照表について、純資産の部の金額をマイナスとしないこと
B.貸借対照表について、事業年度末の純資産額が、直前事業年度末の純資産額の75%以上を維持すること
C.損益計算書について、経常損益が2期連続で損失とならないこと
D.純有利子負債EBITDA倍率が、25倍を超えない、もしくはマイナスとならないこと
(ただし、純有利子負債がマイナスの場合を除く)
E.純有利子負債EBITDA倍率が、10倍を超えない、もしくはマイナスとならないこと
(ただし、純有利子負債がマイナスの場合を除く)
該当事項はありません。