当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1) 経営方針
①ミッション
当社は「先端技術を、経済実装する。」をミッションに掲げ、AIをはじめとした新たなソフトウエア技術を、いち早くビジネスの現場にインストールし、次世代の産業創出を加速させることを目的として事業を展開しております。
②バリュー
当社は上記のミッションを実現するために、4つのバリューを設定して行動しております。
1. Client First - すべてはお客様のために
お客様に最高の価値を提供し、期待を超えた感動を追求しよう。
2. Top Speed - 爆速、その先の成長
スピード感ある判断・行動を通じて、高い成長性を実現しよう。
3. Scientific Mindset - 科学者たれ
事実やデータに対して素直に向き合いながら、常に挑戦しよう。
4. One Aidemy – 信頼と尊敬
ミッションを達成するために、全員の力を合わせよう。
(2) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は、より高い成長性と収益性を実現するため、売上高・売上高成長率、売上総利益・売上総利益率、営業利益・営業利益率を重要な経営指標と位置づけ、各経営課題に取り組んでおります。
デジタル技術内製化に向けて必要なデジタル人材の育成支援を行うオンラインDXラーニング「Aidemy Business(アイデミービジネス)」では、社内でデジタル人材を育成したいエンタープライズ企業が主なターゲット顧客であり、数日間のトライアルを実施した上で本導入していただく販売形態であります。売上の計上方法については、「Aidemy Business」、「Aidemy Premium」それぞれの契約金額について、サービス提供期間で按分し、計上しております。また、テーマ選定、PoC開発、システム開発、運用までの全ての領域を「顧客伴走型」で支援する「Modeloy」では、顧客企業側で育成されたデジタル人材と、当社のプロフェッショナル人材が協働してプロジェクトを進行するプロジェクト伴走型支援を実施しております。
そのため、事業運営上重視する経営指標は、長期継続顧客数をKPI(Key Performance Indicators)としております。長期継続顧客数は、当四半期を含む過去4四半期間連続でサービス契約中の顧客企業数と定義しております。
サービス契約継続中の「長期継続顧客数」の推移(単位:社)
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2021年5月期 |
2022年5月期 |
2023年5月期 |
|||||||||
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1Q |
2Q |
3Q |
4Q |
1Q |
2Q |
3Q |
4Q |
1Q |
2Q |
3Q |
4Q |
|
|
長期継続顧客数 |
25 |
27 |
36 |
45 |
55 |
64 |
78 |
84 |
87 |
94 |
111 |
118 |
法人向け事業及び個人向け事業の売上高及び全社営業利益の推移(単位:百万円)
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2021年5月期 |
2022年5月期 |
2023年5月期 |
|||||||||
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1Q |
2Q |
3Q |
4Q |
1Q |
2Q |
3Q |
4Q |
1Q |
2Q |
3Q |
4Q |
|
|
法人向け売上高 |
82 |
92 |
115 |
125 |
173 |
221 |
235 |
284 |
324 |
351 |
343 |
364 |
|
個人向け売上高 |
44 |
35 |
46 |
61 |
62 |
56 |
52 |
69 |
74 |
73 |
63 |
70 |
|
営業利益 |
△32 |
△41 |
△50 |
△56 |
△114 |
46 |
37 |
18 |
59 |
31 |
58 |
88 |
(注)表中の金額は百万円未満を切り捨てとしているため、各期の売上高及び営業利益の金額の合計とは一致しませ
ん。
(3) 当社の特徴と優位性
①AI/DX市場の成長性及び事業成長を後押しする内製化ニーズの増加
近年、デジタル技術の活用は特に注目されており、そのデジタル技術を駆使するリテラシーの重要性、デジタル人材の育成の必要性が説かれることが多くなっております。近い将来、内閣府や経団連が提唱する"Society5.0"社会になると、どのような業種・業界であってもAI/DX人材が必要となり需要が高まると考えられ、AI/DX市場がさらに拡大すると予測しております。
当社ではAI/DXというテーマで、特にエンタープライズ企業に対して、デジタル技術の内製化を支援するアプローチを実行しております。日本だけでIT人材が78.7万人、AI人材が12.4万人不足すると言われており(出所:「みずほ情報総研 IT人材需給に関する調査報告書2019年3月」)、人材の質にも不足感があるという調査結果(出所:「IPA社会基盤センターIT人材白書2020」)が出ております。
特にコア技術に近い領域に対しては内製化の動きが見られ、DX取り組み企業の約7割は内製化を進めているというデータもあります(出所:「IPA社会基盤センターIT人材白書2020」)。当社は顧客企業内に必要なリソースや人材を揃えた上でシステム開発の内製化を支援しております。
②プロダクトとソリューションを両輪としたビジネス
当社のAI/DXプロダクトとAI/DXソリューションは相互にシナジーを発揮することで好循環するビジネスモデルであります。顧客企業にとって始めやすい価格であり導入ハードルが低いプロダクトである「Aidemy Business」をまず導入していただくことで、強固な顧客基盤を構築することが可能になるため、ドアノックツールとして機能しております。その上で、顧客企業のニーズやデジタル人材育成のノウハウが当社に蓄積されていきます。
デジタル人材育成に対する顧客企業の期待は、育成された人材が社内で活躍し、新たな価値を創出することであり、そのニーズに対して「Modeloy」を通じたサポートをすることでビジネスの共創が可能であります。当社のプロフェッショナル人材と共同で開発することで、当社も顧客企業の属する業界特有の課題を把握でき、顧客企業との強い信頼関係も構築できます。そして共同のプロジェクトを通じて得られたノウハウやナレッジを当社のプロダクトにも還元させ、さらに次の新規プロダクト開発に活かしていくことが可能であります。実際にそのようなノウハウやナレッジを「Aidemy Business」のコンテンツ制作に還元しており、また「Aidemy Business」に続く新規プロダクトの開発も進めております。
③プロダクトアプローチに強みを持つユニークなモデル
当社はAI/DXプロダクトの売上高比率が約70%(2023年5月期)であります。特に「Aidemy Business」という強力なプロダクトで、当社サービスの導入ハードルが低いことが強みであります。当社からすぐにサービスを提供でき、その後プロダクトを通じて顧客企業との長期接点が期待できます。
さらに、プロダクトを提供する中で顧客企業から課題をヒアリングでき、特定した課題をオーダーメイドで解決するソリューションを提案可能な体制となっております。ソリューション提供で得られたナレッジ・ノウハウをプロダクトにもフィードバック可能であり、サービスの起点がプロダクトにあることがユニークなポイントであります。
収益構造も分散しており、「Aidemy Business」における上位10社累計の売上高構成比は約27%以下(2023年5月期)となっております。「Aidemy Business」の標準契約企業及びトライアル契約企業数の合計導入顧客企業数は215社(2023年5月期末時点)であり、エンタープライズ企業の割合は95%以上(2023年5月期末時点)となっております。
④「一気通貫」かつ「顧客伴走型」のAI/DXソリューションの高い競争力
AI/DXソリューションでは、主にエンタープライズ企業向けにテーマ選定、PoC開発、システム開発、運用までの全ての領域を「一気通貫」かつ「顧客伴走型」で支援する「Modeloy」のサービスを提供しております。従来型のAI/DXベンダーでは、人材育成のサービスがほとんど提供されていないと当社では考えております。また、テーマ選定、PoC開発、システム開発、運用などのフェーズごとに分断されたサービスが提供されていると当社では考えております。近年、一気通貫型のAI/DXベンダーが増えておりますが、顧客企業の関与が限定的で、仕組みがブラックボックス化しやすく顧客企業内でイニシアチブを取ってシステム開発がなされないため、顧客企業側に知見が残らないという懸念があると当社では認識しております。
一方、当社のアプローチは、まず「Aidemy Business」を使ってデジタル人材の育成を行い、後続工程では育成された人材に当社のプロフェッショナル人材が伴走してソリューションを提供することで、顧客企業内にデジタル知見をインストールします。こうした独特な開発プロセスが他社にはない特徴となっております。
⑤専門人材とのコラボレーション
当社では常に新しい技術をキャッチアップできる体制を構築しております。当社のAIコンサルタントやエンジニアは、日本を代表するデジタル企業から参画しており、多様なバックボーンを持つ社内人材が揃っております。これにより、顧客企業のニーズに対応した総合的なソリューションを提案することが可能であります。また、業界最先端の知見を有する東京大学の教授陣と提携しており、最新の技術動向についてフィードバックをいただいております。AI/DXソリューションのサービス提供にあたっては、外部パートナーとチームを組成することもあり、協働して最先端技術を提供できるチームを構築することが可能であります。外部パートナーは「Aidemy Business」のコンテンツを制作する際に協働した専門家や法人であります。
(4) 経営環境及び事業対象となる市場
当社が提供するAI/DXに関するプロダクト・ソリューション事業は、法人向けのAI/DXプロダクト、AI/DXソリューション、個人向けのAI/DXリスキリングに係るサービスを提供しており、AI/DXビジネスの国内市場に属しております。AI/DXビジネスの国内市場は成長を続けており、2030年度には5兆1,957億円にも及ぶ想定(出所:「富士キメラ総研 2022デジタルトランスフォーメーション市場の将来展望」)であり、国内におけるAI/DXビジネスの拡がりが見込まれます。特に製造業や金融業、サービス業など幅広い各産業でAI/DXの導入に向けた取り組みが進んでおります。また、国内外の競争力を維持・向上させるために、政府もデジタル変革を推進する施策を積極的に展開しております。
当社は、AI/DXプロダクトの分野での持続的な競争優位性を築くため、デジタル人材育成の領域において顧客企業のニーズを的確に捉えたコンテンツの開発力、顧客を第一に考えたUI/UX(ユーザーインターフェイス/ユーザーエクスペリエンス)を反映したシステム開発力が重要と考えており、これらの組織能力を築くための継続的な投資・改善に努めております。また、競争優位性を保つために、市場の動向を常に監視し、競合他社の戦略や新技術の出現に対して、適時かつ適切に対応する体制を構築しております。
そして、AI/DXソリューションでは、多くのAI/DXベンダーがサービスの一つとして類似のサービスを提供しております。当社は、他社との差別化としてAI/DXプロダクトでのデジタル人材育成を通じて把握した顧客企業のニーズをもとに、顧客企業のデジタル変革支援を提供しており、かつ伴走型支援とすることで顧客企業内にノウハウを残すことができます。これにより、顧客企業からの信頼を獲得し、長期的なビジネス関係を構築することができると考えております。
当社では、AI/DXプロダクト及びAI/DXソリューションにおいてコアなターゲット領域と位置づけているエンタープライズ企業数(従業員1,000名以上の企業数4,000社、当社定義)とそれら顧客企業の売上高の中央値(1,500億円)、売上高に占めるIT予算比率の中央値(1.0%、注1)、内製化率(70%、注2)から約4.2兆円を初期的な市場規模(TAM、注3)と想定しております。
また、TAMのうち、当社がターゲットとしている市場規模(SAM、注4)は、IT予算全体に占めるDX関連予算は23.3%(注5)であり、SOM(注6)は、コアなターゲット領域と位置づけているエンタープライズ企業数(4,000社)、内製化率、当社の1社当たり最大売上高5,000万円を元に想定しております。
(注)1.一般社団法人 日本情報システム・ユーザー協会(JUAS) 企業IT動向調査報告書 ~ユーザー企業のIT投
資・活用の最新動向(2020年度調査)
2.IT人材白書2020、調査対象:業界団体(JUAS、JEITA)の会員企業 /地域の業界団体の会員企業/民間データベ
ース登録企業(情報システム部門)
3.TAMはTotal Addressable Marketを表し、あるサービス・プロダクトにおいて様々な条件が満たされた時に実
現する最大の市場規模を意味しております。このため当社が掲載するTAMの数値は当社が本書提出日現在で営
む事業に係る客観的な市場規模を示すものではありません。当社グループの提供する各種サービス・プロダク
トのTAMは、外部の統計資料や公表資料を基礎として、当社社内の事業進捗や知見に基づく一定の前提を用い
て当社が推計した金額であるため、高い不確実性を伴うものであり、今後実際に実現する市場規模は大きく変
動する可能性があります。
4.SAMはServiceable Available Marketを表し、TAMの中でターゲティングした部分の市場規模を意味しておりま
す。
5.一般社団法人 日本情報システム・ユーザー協会(JUAS) 企業IT動向調査報告書 ~ユーザー企業のIT投
資・活用の最新動向(2019年度調査)より、IT予算に占めるバリューアップ予算の割合をDX予算として想定し
ております。
6. SOMはServiceable Obtainable Marketを表し、実際に商品・サービスを市場に投入した時に、実際にアプロー
チして獲得できる可能性のある市場規模を意味しております。
当社では、このような環境下において、特にAI/DXの導入に注力するエンタープライズ企業を中心に、AIをはじめとした新たなソフトウエア技術を、いち早くビジネスの現場にインストールし、次世代の産業創出を加速させることが重要であると認識しており、AI/DX人材の育成及びAI/DXプロジェクトに貢献するサービスの開発、提供を目指してまいります。
(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
①「Aidemy Business」及び「Aidemy Practice」の強化
当社の「Aidemy Business」及び「Aidemy Practice」はデジタル人材育成支援という特徴から、特定の産業に依存しないサービス展開ができております。また、既存の事業・サービスに限らず、まだAI/DX化が進んでいない新たな産業分野においても、サービス展開が可能であると考えております。また、当社は充実した法人顧客基盤から生じる顧客ニーズを取り入れたコンテンツの充実を図っております。具体的には、経済産業省のDXリテラシー標準に準拠したコンテンツを増加させております。当社は今後も、一層のシステム、コンテンツ、サポートの強化を図ることで今後課題となる可能性がある過剰な価格競争に陥ることなく、顧客満足度のさらなる拡大、提供するサービスの拡充による当社ブランドの確立に取り組んでまいります。
②「Modeloy」の拡大
当社は、「Aidemy Business」の顧客基盤を主なターゲット顧客として、テーマ選定、PoC開発、システム開発、運用までの全ての領域を「顧客伴走型」で支援しており、営業活動を展開しております。その結果として、「Modeloy」が売上高全体に占める割合は、2023年5月期末時点で約13%まで拡大しております。
今後も、顧客企業のデジタル変革ニーズを捉えるため、「Modeloy」における伴走型支援サービスを拡大し、新規プロダクトの開発につなげていきたいと考えております。
③優秀な人材の確保及び育成
「先端技術を、経済実装する。」というミッションに共感する優秀な人材を適時採用するとともに、持続的な成長を支える人材の育成を強化してまいります。また、当社の事業領域において市場のリーダーシップを構築していくため、新しい顧客価値を創造できる次世代を担うリーダーの育成にも注力してまいります。
また、カーボンニュートラル(炭素中立のための活動)やGX(グリーントランスフォーメーション、企業における温室効果ガスの排出源である化石燃料や電力の使用を、再生可能エネルギーや脱炭素ガスに転換することで、社会経済を変革させること)などに関連する新規事業の開発も進めており、その分野の専門知識を持った人材の採用も進めております。
これらの人材を確保及び育成することで、顧客企業のデジタル人材育成及びデジタル変革を伴走型で支援し、主にエンタープライズ企業のデジタル化を促進させてまいります。
④財務上の課題
当社は、自己資金及び営業キャッシュ・フローによる安定的な財務基盤を確保できているものと考えております。今後の成長戦略の展開に伴い、内部留保の確保と営業キャッシュ・フローの拡大で、さらに財務体質を強化するとともに、株式市場からの必要な資金確保と金融機関からの融資等を選択肢とすることにより多様な資金調達を図ってまいります。
当社は、「先端技術を、経済実装する。」をミッション掲げ、AIをはじめとした新たなソフトウエア技術を、いち早くビジネスの現場にインストールし、次世代の産業創出を加速させることを目的として事業を展開しております。
当社のサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)サステナビリティに関する考え方
当社にとってのサステナビリティとは、事業活動を通じて社会課題の解決に取り組むことであり、当社の持続的な成長が、社会の持続的な発展に貢献できることにあると考えております。その実現に向けては、あらゆるステークホルダーとのエンゲージメントが重要であると認識しており、公正かつ透明性の高い経営の実現と、多様な人材が活躍し、働きやすい環境の整備に取り組んでおります。
(2)ガバナンス体制及びリスク管理
取締役会を経営の基本方針や重要課題並びに法令で定められた重要事項を決定するための最高意思決定機関と位置づけ、原則月1回開催するとともに、事業経営にスピーディーな意思決定と柔軟な組織対応を可能にするため、常勤取締役(常勤監査役を含む)及び事業責任者等が出席する会議を原則週1回開催しております。加えて、監査役会を設置しており、業務執行に関する監視、コンプライアンスや社内規程の遵守状況、業務活動の適正性かつ有効性等を、監査役が取締役会に出席することで逐次確認しております。
詳細は「
サステナビリティ関連のリスク及び機会については、各部門責任者による情報共有及び週1回の会議を継続的に行い、リスクの早期発見に努めております。また、当社事業における重要リスクの一つである情報管理については、2020年12月にはプライバシーマーク(JISQ15001)を取得し、個人情報管理体制の強化に努めております。
(3)戦略(人的資本について)
当社は、人的資本への投資の重要性を認識しており、従業員の身体的・精神的・社会的な健康を実現することで、中長期的な企業価値向上に寄与するものと考えております。
多様な属性、才能、経験等をもった人材を積極的に採用し、業務に必要な知識習得に向けた自己研鑽を促進することで、継続的な人材育成に取り組んでおります。
また、テレワーク勤務、フルフレックス制度などにより柔軟な働き方を可能とするとともに、ストック・オプションをはじめとした従業員インセンティブの充実、各種福利厚生制度の拡充など、多様な人材が健康で、モチベーション高く、やりがいをもって働きやすい環境の整備に取り組んでおります。
(4)指標及び目標
当社では、
今後、関連する指標のデータの収集と分析を進め、目標を設定し、その進捗に合わせて開示項目を検討してまいります。
なお、女性管理職比率、男性育児休業等取得率、男女間賃金格差については、「
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある
事項には、以下のようなものがあります。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項についても、投資
者の判断上、重要であると考えられる事項については、積極的な情報開示の観点から記載しております。なお、本項
の記載内容は当社株式の投資に関するすべてのリスクを網羅しているものではありません。当社は、これらのリスク
発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の迅速な対応に努める方針ではありますが、当社株式に
関する投資判断は、本項及び本項以外の記載内容もあわせて慎重に検討した上で行われる必要があると考えておりま
す。なお、以下の記載事項は、本書提出日現在の事項であり、将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が
判断したものであります。
(1)市場について
発生可能性:低、顕在化する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大
当社はAI/DXに関するプロダクト・ソリューション事業を展開しており、デジタル技術を活用して企業のデジタル変革を支援しております。当社の属するAI/DXビジネスの国内市場は成長を続けており、2030年度には5兆1,957億円にも及ぶとの調査結果があります(出所:「富士キメラ総研 2022デジタルトランスフォーメーション市場の将来展望」)。今後国内においてAI/DX関連市場は拡大を続けるものと見込まれており、特に製造業や金融業、サービス業など幅広い産業でAI/DXの導入に向けた取り組みが進んでおります。また、国内外の競争力を維持・向上させるために、政府もデジタル変革を推進する施策を積極的に展開しております。しかしながら、市場の成長ペースが大きく鈍化した場合には、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。また、市場の拡大が進んだ場合であっても、当社が同様のペースで順調に成長しない可能性があります。
このようなリスクに対して、当社では市場動向を日々注視しながら、適宜当社の経営戦略に織り込み柔軟に対応できる体制構築に努めてまいります。
(2)競合について
発生可能性:中、顕在化する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大
複数の企業がオンラインでAI/DX人材育成のサービスを提供しており、当社のAI/DXプロダクトでは、競合企業が存在している状況であります。そのため当社は、持続的な競争優位性を築くために、AI/DX人材育成の領域において顧客企業のニーズを的確に捉えたコンテンツの開発力、顧客を第一に考えたUI/UX(ユーザーインターフェイス/ユーザーエクスペリエンス)を反映したシステム開発力が重要と考えており、これらの組織能力を築くための継続的な投資・改善に努めております。そのため、最新の技術トレンドを追跡し、継続的な研究開発により革新的なソリューションを創出することを目指しております。しかしながら、巨大資本等によるさらなる新規参入により、これらの組織能力を短期的に構築される脅威が発生する可能性があるため、市場の動向を常に監視し、競合他社の戦略や新技術の出現に対して、適時かつ適切に対応する体制構築を検討しております。しかし、当社が適時かつ適切に対応できなかった場合には、市場での競争力低下や、対応のための支出の増加により、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、AI/DXソリューションでは、多くのAI/DXベンダーがサービスの一つとして当該サービスを提供しております。当社は、他社との差別化としてAI/DXプロダクトでのデジタル人材育成を通じて把握した顧客企業のニーズをもとにデジタル変革プロジェクト支援を提供しており、かつ伴走型支援とすることで顧客企業内にノウハウを残すことができます。これにより、顧客企業からの信頼を獲得し、長期的なビジネス関係を構築することを目指しております。しかしながら、同様のビジネスを行うAI/DXベンダーなどが現れた場合には、市場での競争力低下により、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(3)技術革新について
発生可能性:低、顕在化する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大
当社が事業展開しているAI/DX関連市場では、技術革新や環境変化のスピードが非常に速く、関連事業の関係者はその変化に柔軟に対応する必要があります。当社においても、最新の技術動向等を常に把握し、技術を自社サービスに活用できる体制を構築するだけではなく、優秀な人材の確保及び教育等により技術革新や環境変化に柔軟に対応できるよう努めております。しかしながら、当社が、優秀な人材の確保を適時適切に行う事ができない場合、また、技術変化への対応のためにシステム投資や人件費等多くの費用を要する場合、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
このようなリスクに対して、当社は技術革新の動向を注視するとともに、それに追従するため、データサイエンティストやエンジニア人員を中心とした人材採用・育成や、顧客へのサービスを迅速に提供できる組織体制等の整備に努めることで、常に新しい技術やノウハウを獲得し、当社のサービス開発プロセスに取り入れてまいります。
(4)システム障害について
発生可能性:低、顕在化する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:小
当社のサービスは、外部クラウドサーバー(Google社が提供するGoogle Cloud Platformのサービス(以下、「GCP」という))にて提供しており、GCPの安定的な稼働が当社の事業運営上、重要な事項となっております。また、安定的なサービスの運営を行うために、セキュリティ強化及び監視体制の構築等により、システム障害に対し備えるよう努めております。しかしながら、GCPでの障害、自然災害やサイバー攻撃、その他何らかの要因等によりシステム障害やネットワークの切断等予測不能なトラブルが発生した場合には、社会的信用失墜等により、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
このようなリスクに対して、当社は安定的なサービス運営を行うために、セキュリティ対策の強化や障害発生時の社内体制の構築を行っております。
(5)人材の確保及び育成について
発生可能性:中、顕在化する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大
当社は、継続的な事業拡大のためには、優秀な人材の確保や育成が重要であると認識しており、人材の確保・育成に努めております。しかしながら、今後策定する人員採用計画に沿った人材採用が順調に進まなかった場合や、労働力市場の変化、及び経営環境等の変化による人材流出が進んだ場合には、当該影響による業務運営及び事業拡大に支障が生じる可能性があり、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
このようなリスクに対して、当社はエージェントからの紹介だけではなく、スカウトツールの活用、リファラル採用の強化など様々な採用手法を活用することで人員採用計画に沿った採用を進めてまいります。また、従業員の待遇や福利厚生を充実させることで、労働力市場の変化や経営環境の変化による人材流出を抑制してまいります。
(6)知的財産管理について
発生可能性:中、顕在化する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:小
当社は、特許権や商標権等の知的財産権に関して、外部の弁理士等を通じて調査する等、その権利を侵害しないように留意するとともに、必要に応じて知的財産権を登録することにより、当社権利の保護にも留意するよう努めております。しかしながら、当社の認識していない第三者の知的財産権が既に成立している又は今後成立する可能性があり、仮に当社が第三者の知的財産権を侵害した場合には、当該第三者により損害賠償請求、使用差止請求又はロイヤルティ支払要求等が発生する可能性があり、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(7)訴訟について
発生可能性:低、顕在化する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中
当社は、事業活動を行う上で取引先や従業員などから訴訟などを提起されるリスクが存在します。社内ではマネジメントトレーニングを通じて管理職の能力向上と従業員とのコミュニケーションの円滑化に努めております。また、取引先との関係では、正当な目的、内容、対価の確認を稟議承認で確認することでリスクの抑制に努めております。
しかしながら、訴訟の完全回避は困難であり、一度起こった場合には予想困難な結果や多額の費用がかかり、事業に影響する可能性があります。また、当社の責任が問われるような判断がなされた場合は、財政状態や経営成績に影響する可能性があります。
(8)風評被害について
発生可能性:中、顕在化する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中
ソーシャルメディアの急速な普及に伴い、インターネット上の投稿や、それを原因とするマスコミ報道などによって、風評被害が発生した場合、企業のイメージが損なわれ、社会的な信頼や事業への信用が低下する可能性があります。弊社は「リスク管理・コンプライアンス規程」を設け、リスク・コンプライアンス研修を実施し、従業員のコンプライアンス意識を養成し、リスク管理やリスク発生の抑制、リスク発生時の対応を行っておりますが、それにも関わらず従業員の不正や不適切な行為が発生したり、否定的な風評が拡散した場合、顧客の離脱や影響が出ることも想定され、当社の財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(9)情報セキュリティ体制について
発生可能性:中、顕在化する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:小
当社は、受講者の個人情報等を保有しております。当社では、代表取締役を筆頭に、情報セキュリティ管理体制を構築しております。また、2020年12月にはプライバシーマーク(JISQ15001)を取得し、個人情報管理体制の強化に努めております。しかしながら、万一、個人情報への不正アクセス等により情報漏洩が起きた場合、受講者及び取引先の信頼が失墜し、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(10)経営管理体制の確立について
発生可能性:低、顕在化する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中
当社は、業容の拡大及び従業員の増加に合わせて内部管理体制の整備を進めており、今後も一層の充実を図るよう努めております。しかしながら適切な人的・組織的な対応ができずに、事業規模に応じた事業体制、内部管理体制の構築が追いつかない場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
このようなリスクに対して、当社は業務の適正性及び財務報告の信頼性の確保のための内部統制システムの適切な整備・運用、更に法令・定款・社内規程等の遵守を徹底してまいります。
(11)特定の人物への依存について
発生可能性:低、顕在化する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大
当社代表取締役である石川聡彦は、当社の設立者であるとともに、大株主であり、経営方針や事業戦略の決定において重要な役割を果たしております。このため、当社は、特定の人物に過度に依存しない体制を作るために、取締役会等における役員間の相互の情報共有や経営組織の強化に努めております。しかし、現状において、何らかの理由により当人が当社の業務を継続することが困難になった場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(12)新株予約権の新たな発行による株式価値の希薄化について
発生可能性:高、顕在化する可能性のある時期:5年以内、影響度:小
当社は、当社の役員並びに従業員に対するインセンティブを目的とし、新株予約権を付与しております。当社は今後も役員並びに従業員に対するインセンティブとして、新株予約権を付与する可能性があり、それにより株式が新たに発行された場合、既存の株主が有する株式の価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。なお、本書提出日時点でこれらの新株予約権による潜在株式数は458,000株であり、発行済株式総数3,967,600株の11.5%に相当しております。
ただし、新株予約権による潜在株式には新株予約権信託320,000株が含まれており、うち150,000株については東京証券取引所グロース市場に上場した日から2年6か月が経過した日、プライム市場に上場した日から6か月が経過した日、又は2027年5月31日のいずれか早い日に信託期間が満了しその後6か月が経過した日以降に順次希薄化が生じ、うち170,000株については、プライム市場に上場した日から6月が経過した日又は2030年5月31日のいずれか早い日に信託期間が満了しその後6か月が経過した日以降に順次希薄化が生じるため、数年にわたって徐々に希薄化することで、その影響は抑えられる構造となっております。
(13)資金使途について
発生可能性:低、顕在化する可能性のある時期:3年以内、影響度:小
公募増資による調達資金の使途については、「Aidemy Business」及び「Modeloy」における人材の採用、育成等に係る人件費やマーケティング等の運転資金、コンテンツ開発投資に充当する予定であります。しかしながら、変化する経営環境に柔軟に対応するため、現時点での計画以外の使途にも充当される可能性があります。また、当初の計画に沿って資金を使用した場合においても、想定どおりの投資効果を上げられない可能性もあります。
このようなリスクに対して、当社を取り巻く外部環境や経営環境の変化については適時その動向を注視するとともに、公募増資による資金調達の使途が変更になった場合には、適時適切に開示を行います。
(14)税務上の繰越欠損金について
発生可能性:高、顕在化する可能性のある時期:3年以内、影響度:小
当社には、税務上の繰越欠損金が存在しております。これは法人税負担の軽減効果があり、今後も当該欠損金の繰越期間の使用制限範囲内においては納税額の減少により、キャッシュ・フロー改善に貢献することになりますが、当社の業績が順調に推移するなどして繰越欠損金が解消した場合には、通常の税率に基づく法人税等が計上されることとなるため、当社の業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(15)継続的な投資について
発生可能性:中、顕在化する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中
当社は、AI/DXプロダクトの「Aidemy Business」による顧客獲得を皮切りに、AI/DXソリューションへのクロスセルを行う、プロダクトを起点にしたアプローチに強みをもつビジネスモデルを有しております。そのため、当社の成長においては、「Aidemy Business」における顧客基盤の強化及び「Modeloy」による伴走型支援の拡大が重要であると考えております。当社としては継続的な投資により顧客基盤を拡大させる方針で、新規顧客獲得のためのマーケティング投資、新規顧客獲得及び取引継続率向上にむけたコンテンツの質・量の拡充に係る投資、「Modeloy」による伴走化支援ニーズの拡大に対応ができるよう、プロジェクトマネージャー、データサイエンティスト、エンジニア等の優秀な人材の獲得に係る採用費及び人件費への投資を予定しております。しかしながら、これらの投資を上回る収益が創出できない場合は、当社の財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
このようなリスクに対して、当社は「Aidemy Business」における契約状況等を経営上の重要なKPIとして、その達成状況を取締役会等においてモニタリングし、必要に応じて追加の施策を実行してまいります。
(1)経営成績等の状況の概要
当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
a.財政状態の状況
(資産)
当事業年度末における流動資産は1,344,877千円となり、前事業年度末に比べ284,579千円増加いたしました。これは主に、現金及び預金が312,712千円増加したことによるものであります。固定資産は106,819千円となり、前事業年度末に比べ78,056千円増加いたしました。これは主に、当事業年度より計上することとなった自社開発のソフトウエアやコンテンツの無形固定資産が43,825千円増加し、繰延税金資産の計上により50,955千円増加した一方で、敷金及び保証金が本社移転に伴い15,525千円減少したことによるものであります。
この結果、総資産は、1,451,696千円となり、前事業年度末に比べ362,635千円増加いたしました。
(負債)
当事業年度末における流動負債は547,601千円となり、前事業年度末に比べ72,373千円増加いたしました。これは主に、売上代金を事前に回収する事業を主としていることから受注の増加に伴い前受金が38,287千円増加、人員の増加による給与等の人件費の増加により未払費用が21,653千円増加したことによるものであります。
この結果、負債合計は、547,601千円となり、前事業年度末に比べ72,373千円増加いたしました。
(純資産)
当事業年度末における純資産合計は904,095千円となり、前事業年度末に比べ290,261千円増加いたしました。これは、当期純利益290,261千円の計上により利益剰余金が増加したことによるものであります。
b.経営成績の状況
当社は「先端技術を、経済実装する。」をミッションに掲げ、AIをはじめとした新たなソフトウエア技術を、いち早くビジネスの現場にインストールし、次世代の産業創出を加速させることを目的として事業を展開しております。
当社は、主にAI/DXに関するプロダクト・ソリューション事業を展開しており、法人向けのAI/DXプロダクト、AI/DXソリューション、個人向けのAI/DXリスキリングから成り立っております。
AI/DXプロダクトでは、主にエンタープライズ企業(従業員1,000名以上の企業約4,000社、当社定義)のデジタル変革を行う土台づくりやデジタル技術内製化のために、デジタル人材の育成支援を行うオンラインDXラーニング「Aidemy Business(アイデミービジネス)」及び講師を派遣し研修を実施する講師派遣型デジタル人材育成研修「Aidemy Practice(アイデミープラクティス)」を提供しております。
AI/DXソリューションでは、主にエンタープライズ企業向けに様々な現場のデジタル変革に必要なテーマ選定、PoC開発、システム開発、運用までの全ての領域を顧客企業に伴走しながら支援する「Modeloy(モデロイ)」のサービスを提供しております。
AI/DXリスキリングでは、個人領域におけるデジタル人材育成支援プログラム「Aidemy Premium(アイデミープレミアム)」のサービスを提供し、個人のリスキリングを支援しております。
当事業年度(2022年6月1日から2023年5月31日)におけるわが国の経済状況は、新型コロナウイルス感染症の影響や、ウクライナ問題をはじめとした世界情勢の悪化、世界的なインフレの進行により、依然として先行きが不透明な状況にあります。一方でデジタル市場においては、働き方改革に伴う生産性向上や業務効率化の需要拡大、ソフトウエアを活用した新規ビジネス展開が求められる中、企業は既存のビジネスモデルや組織の変革に迫られ、社会におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)の必要性が高まっており、当社にとって追い風とも言える事業環境が継続しています。また、最近ではChatGPTを始めとした生成AIのビジネス活用ニーズが高まっており、当社においても社内の業務効率改善や新規ビジネスへの応用など、追い風となっております。
当事業年度につきまして、法人向けAI/DXプロダクトの「Aidemy Business」においては、前事業年度に引き続き新規コンテンツの作成や既存コンテンツの改善、アップデート、カスタマーサクセスの充実に注力いたしました。ユーザー数も順調に拡大しており、2023年5月には累計14万人(個人向けと合わせると累計22万人)を突破しました。コンテンツはエンジニア向け講座だけでなく、近年顧客ニーズの強いいわゆる文系人材向けのDXリテラシー向上を目的とした講座を多数リリースしました。また新たな取り組みでは、カーボンニュートラル(炭素中立のための活動)やグリーン・トランスフォーメーション(企業における温室効果ガスの排出源である化石燃料や電力の使用を、再生可能エネルギーや脱炭素ガスに転換することで、社会経済を変革させること)などのコンテンツや生成AI関連のコンテンツもリリースしており、提供可能なコンテンツの領域を拡大しています。また、カスタマーサクセスによる手厚いサポートは顧客企業から好評を得ています。
「Aidemy Practice」ではデジタル時代に必要なAI/DXスキルを実践形式の研修で提供しており、「DX事業立案ワークショップ」「AI活用企画ワークショップ」「現場で活きる!新入社員向けDXプログラム」「Power BIローコードデータ可視化研修」等を顧客ニーズに応じて研修内容を柔軟にカスタマイズして提供いたしました。
法人向けAI/DXソリューションの「Modeloy」においては、当社のプロフェッショナル人材が、「Aidemy Business」によって育成された顧客企業側のデジタル人材とともにプロジェクトを立ち上げ、デジタル変革を推進し、顧客企業内にノウハウが蓄積する形でデジタル技術内製化の支援を行っています。提供可能なサービス領域の拡張や既存顧客からの受注に注力した結果、既存顧客からの受注も順調に拡大し、1社あたりの受注額も増加しております。
「Modeloy」による新たな取り組みとして、デジタル変革伴走型支援を通じて、大手材料メーカーとともに新たなデジタルプロダクトを共同開発しております。具体的には、顧客企業側のデジタル人材と当社のプロフェッショナル人材が協力して、材料開発を効率化するための新しいプロダクト「Lab Bank」を開発しております。このプロダクトは、ビッグデータやAIを使って、材料の製造方法を予測することができます。顧客企業側のデジタル人材はペアプログラミング(初心者と上級者又は上級者同士でペアを組み行う開発)などの方法で、スキルを向上させることも可能であります。顧客企業が保有する材料開発や研究に関する実験データをもとに、データを構造化するためのデータベースやアプリケーション等の管理システムを構築し、蓄積したデータを利活用することができます。そして、原材料や配合割合から素材加工メーカーでの製造結果を予測するマテリアルズ・インフォマティクス(ビッグデータ、AIなどのデジタル技術の活用により、材料の製造方法を予測するなど、材料開発の効率化を図る取り組み)の基礎モデルの開発を顧客企業と共同で進める体制を構築しております。
以上の結果、当事業年度末時点の長期継続顧客数は118社(前期比+34社)となり、順調に拡大しました。法人向け売上高は1,385,008千円となりました。
個人向けAI/DXリスキリングの「Aidemy Premium」においても、前事業年度に引き続きチューターによるサポート体制の充実、既存コンテンツのアップデート、Webマーケティングの強化などに注力いたしました。2020年10月から一部の講座が厚生労働省の教育訓練給付制度の対象となっており、利用者も増加しています。
以上の結果、個人向け売上高は281,610千円となりました。
このような状況の中、当事業年度の経営成績は売上高1,666,618千円(前期比44.1%増)となりましたが、今後の成長を見据えたシステムやコンテンツの開発、新規事業の開発、人材採用への先行投資等により、営業利益は
238,207千円(前期は12,069千円の損失)、経常利益は240,070千円(前期は8,425千円の損失)、当期純利益は
290,261千円(前期は8,957千円の損失)となりました。
なお 、当社はAI/DXに関するプロダクト・ソリューション事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。
② キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物は、前事業年度末より312,712千円増加し、1,247,670千円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において営業活動の結果増加した資金は、350,877千円(前事業年度は42,507千円の増加)となりました。これは主に、税引前当期純利益の計上239,838千円、代金を事前に収受して開始される事業形態であることから受注増による前受金の増加額38,287千円、人員の増加による給与等の人件費の未払費用の増加額19,302千円や減価償却費の計上15,956千円があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において投資活動の結果減少した資金は、38,164千円(前事業年度は6,512千円の減少)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出10,498千円、当事業年度より計上することとなった自社開発のソフトウエアやコンテンツの無形固定資産の取得による支出45,332千円があった一方で、敷金及び保証金が本社移転に伴い返還された20,122千円の収入があったことによるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社が提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、記載を省略しております。
b.受注実績
当社が提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、記載を省略しております。
c.販売実績
販売実績は、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当事業年度 (自2022年6月1日 至2023年5月31日) |
|
|
販売高(千円) |
前年同期比(%) |
|
|
AI/DXに関するプロダクト・ソリューション事業 |
1,666,618 |
144.1 |
(注)1.当社は、AI/DXに関するプロダクト・ソリューション事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりません。(増加理由については、下記事業領域の注記をご確認下さい。)
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
|
販売先 |
前事業年度 |
当事業年度 |
||
|
販売高(千円) |
割合(%) |
販売高(千円) |
割合(%) |
|
|
日本ゼオン株式会社 |
39,744 |
3.4 |
182,257 |
10.9 |
当社は、AI/DXに関するプロダクト・ソリューション事業の単一セグメントであり、主要な顧客との契約から生じる収益を分解した情報は、以下のとおりであります。
|
事業領域 |
当事業年度 (自2022年6月1日 至2023年5月31日) |
|
|
販売高(千円) |
前年同期比(%) |
|
|
AI/DXプロダクト |
1,160,787 |
135.7 |
|
AI/DXソリューション |
224,220 |
369.8 |
|
AI/DXリスキリング |
281,610 |
117.3 |
(注)各事業領域の増加理由について
・AI/DXプロダクト
AI/DX推進の流れやDX/AI人材の不足といった外部環境が非常に良好であること及びコンテンツの拡充、カスタマ
ーサクセスによるアップセルが寄与したことによります。
・AI/DXソリューション
法人向けにテーマ選定、PoC開発、システム開発、運用までの全ての領域を「顧客伴走型」で支援する
「Modeloy」においては、提供可能なサービス領域の拡張や既存顧客からの受注に注力したことによります。
・AI/DXリスキリング
チューターによるサポート体制の充実、既存コンテンツのアップデート、Webマーケティングの強化などに注力
しました。また、2020年10月から一部の講座が厚生労働省の教育訓練給付金の対象講座に認定されており、利用
者が増加したことも要因であります。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
1 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。
この財務諸表を作成するに当たり重要となる会計方針については「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 「注記事項」(重要な会計方針)」に記載のとおりであります。また、財務諸表の作成にあたっては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて、当社の実態等を勘案して合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる場合があります。
財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等(1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
2 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績の分析
当事業年度の業績は売上高1,666,618千円(前期比44.1%増)となりました。これは、デジタル市場において
は、働き方改革に伴う生産性向上や業務効率化の需要拡大、テレワークの導入拡大等が求められる中、企業はビ
ジネスモデルや組織の変革に迫られ、社会におけるDXの必要性が高まっており、当社にとって追い風とも言える
事業環境が継続していることが要因と考えております。
今後の成長を見据えたシステムやコンテンツの開発、及び来期以降の売上増の基盤となる顧客を獲得するため
の広告宣伝費の先行投資等により、営業利益は238,207千円(前期は12,069千円の損失)、経常利益は240,070千
円(前期は8,425千円の損失)、当期純利益は290,261千円(前期は8,957千円の損失)となりました。
b.財政状態の分析
前述の「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 a財政状態の状況」をご参照ください。
c.キャッシュ・フローの分析
前述の「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
3 資本の財源及び資金の流動性
資金需要
資金については、現金及び預金が当事業年度末は1,247,670千円と前事業年度末に比べ312,712千円増加してお
り、営業活動から得る現金及び現金同等物の水準については、当面事業を継続していく上で十分な流動性を確
保しているものと考えております。
当社の運転資金需要のうち主なものは、従業員の給与及び手当の他、販売費及び一般管理費の営業費用であり
ます。また、今後の成長を見据えたシステムやコンテンツの開発、人材採用及び売上増の基盤となる顧客を獲得
するための広告宣伝費の先行投資等で活用してまいります。
財務政策
当社は、事業運営上必要な資金を安定的に確保するために、必要な資金は自己資金、エクイティファイナンス
等でバランスよく調達していくことを基本方針としております。
4 経営成績に重要な要因を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。また、今後の経営成績に影響を与える課題につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
5 経営者の問題意識と今後の方針に関して
経営者の問題意識と今後の方針については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
6 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおり、主な経営指標として売上高・売上高成長率、売上総利益・売上総利益率、営業利益・営業利益率を経営上重要な指標と位置付けております。また、事業運営上重視する経営指標は、長期継続顧客数をKPI(Key Performance Indicators)としております。
当事業年度については、長期継続顧客が118社(前期末は84社)、法人向け売上高の増加率が51.2%となりました。これらの結果、売上高510,559千円増加(前期比44.1%増)、売上総利益388,801千円増加(前期比45.6%増)、営業利益238,207千円(前期は△12,069千円)となりました。
顧客企業が「Aidemy Business」を最初に導入することで、強固で長期的な顧客基盤を構築できるため、ドアノックツールとして機能しております。これにより、顧客企業のニーズやデジタル人材育成のノウハウが当社に蓄積されております。デジタル人材育成に対する顧客企業の期待は、育成された人材が社内で活躍し、新たな価値を創出することであります。当社は「Modeloy」を通じて顧客企業の新規事業創出のニーズに対応し、ビジネスの共創を実現しております。当社のプロフェッショナル人材と共同開発することで、業界特有の課題を把握し、顧客との長期的な信頼関係を築くことができます。共同プロジェクトを通じて得られたノウハウやナレッジは、当社のプロダクトに還元され、新規プロダクト開発に活用されております。
AI/DXプロダクトとAI/DXソリューションが相互にシナジーを発揮することで、当社の好循環なビジネスモデルが実現しており、長期継続顧客がその基盤になっております。
該当事項はありません。
該当事項はありません。