文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
(1) 経営方針
①ミッション
当社は「先端技術を、経済実装する。」をミッションに掲げ、AIをはじめとした新たなソフトウェア技術を、いち早くビジネスの現場にインストールし、次世代の産業創出を加速させることを目的として事業を展開しております。
②バリュー
当社は上記のミッションを実現するために、4つのバリューを設定して行動しております。
1. Client First - すべてはお客様のために
お客様に最高の価値を提供し、期待を超えた感動を追求しよう。
2. Top Speed - 爆速、その先の成長
スピード感ある判断・行動を通じて、高い成長性を実現しよう。
3. Scientific Mindset - 科学者たれ
事実やデータに対して素直に向き合いながら、常に挑戦しよう。
4. One Aidemy – 信頼と尊敬
ミッションを達成するために、全員の力を合わせよう。
(2) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は、より高い成長性と収益性を実現するため、売上高・売上高成長率、売上総利益・売上総利益率、営業利益・営業利益率を重要な経営指標と位置づけ、各経営課題に取り組んでいます。
デジタル技術内製化に向けて必要なデジタル人材の育成支援を行うオンラインDXラーニング「Aidemy Business(アイデミービジネス)」では、社内でデジタル人材を育成したいエンタープライズ企業が主なターゲット顧客であり、数日間のトライアルを実施した上で本導入していただく販売形態であります。売上の計上方法については、「Aidemy Business」、「Aidemy Premium」それぞれの契約金額について、サービス提供期間で按分し、計上しております。また、テーマ選定、PoC開発、システム開発、運用までの全ての領域を「顧客伴走型」で支援する「Modeloy」では、顧客企業側で育成されたデジタル人材と、当社のプロフェッショナル人材が協働してプロジェクトを進行するプロジェクト伴走型支援を実施しております。
そのため、事業運営上重視する経営指標は、長期継続顧客数をKPI(Key Performance Indicators)としております。長期継続顧客数は、当四半期を含む過去4四半期間連続でサービス契約中の顧客企業数と定義しております。
サービス契約継続中の「長期継続顧客数」の推移(単位:社)
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2021年5月期 |
2022年5月期 |
2023年5月期 |
||||||||
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1Q |
2Q |
3Q |
4Q |
1Q |
2Q |
3Q |
4Q |
1Q |
2Q |
3Q |
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長期継続顧客数 |
25 |
27 |
36 |
45 |
55 |
64 |
78 |
84 |
87 |
94 |
111 |
法人向け事業及び個人向け事業の売上高及び全社営業利益の推移(単位:百万円)
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2021年5月期 |
2022年5月期 |
2023年5月期 |
||||||||
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1Q |
2Q |
3Q |
4Q |
1Q |
2Q |
3Q |
4Q |
1Q |
2Q |
3Q |
|
|
法人向け売上高 |
82 |
92 |
115 |
125 |
173 |
221 |
235 |
284 |
324 |
351 |
343 |
|
個人向け売上高 |
44 |
35 |
46 |
61 |
62 |
56 |
52 |
69 |
74 |
73 |
63 |
|
営業利益 |
△32 |
△41 |
△50 |
△56 |
△114 |
46 |
37 |
18 |
59 |
31 |
58 |
(注)表中の金額は百万円未満を切り捨てとしているため、各期の売上高及び営業利益の金額の合計とは一致しませ
ん。
(3) 当社の特徴と優位性
①AI/DX市場の成長性及び事業成長を後押しする内製化ニーズの増加
近年、デジタル技術の活用は特に注目されており、そのデジタル技術を駆使するリテラシーの重要性、デジタル人材の育成の必要性が説かれることが多くなっております。近い将来、内閣府や経団連が提唱する"Society5.0"社会になると、どのような業種・業界であってもAI/DX人材が必要となり需要が高まると考えられ、AI/DX市場がさらに拡大すると予測しております。
当社ではAI/DXというテーマで、特にエンタープライズ企業に対して、デジタル技術の内製化を支援するアプローチを実行しております。日本だけでIT人材が78.7万人、AI人材が12.4万人不足すると言われており(出所:「みずほ情報総研 IT人材需給に関する調査報告書2019年3月」)、人材の質にも不足感があるという調査結果(出所:「IPA社会基盤センターIT人材白書2020」)が出ております。
特にコア技術に近い領域に対しては内製化の動きが見られ、DX取り組み企業の約7割は内製化を進めているというデータもあります(出所:「IPA社会基盤センターIT人材白書2020」)。当社は顧客企業内に必要なリソースや人材を揃えた上でシステム開発の内製化を支援しております。
②プロダクトとソリューションを両輪としたビジネス
当社のAI/DXプロダクトとAI/DXソリューションは相互にシナジーを発揮することで好循環するビジネスモデルであります。顧客企業にとって始めやすい価格であり導入ハードルが低いプロダクトである「Aidemy Business」をまず導入していただくことで、強固な顧客基盤を構築することが可能になるため、ドアノックツールとして機能しております。その上で、顧客企業のニーズやデジタル人材育成のノウハウが当社に蓄積されていきます。
デジタル人材育成に対する顧客企業の期待は、育成された人材が社内で活躍し、新たな価値を創出することであり、そのニーズに対して「Modeloy」を通じたサポートをすることでビジネスの共創が可能であります。当社のプロフェッショナル人材と共同で開発することで、当社も顧客企業の属する業界特有の課題を把握でき、顧客企業との強い信頼関係も構築できます。そして共同のプロジェクトを通じて得られたノウハウやナレッジを当社のプロダクトにも還元させ、さらに次の新規プロダクト開発に活かしていくことが可能であります。実際にそのようなノウハウやナレッジを「Aidemy Business」のコンテンツ制作に還元しており、また「Aidemy Business」に続く新規プロダクトの開発も進めております。
③プロダクトアプローチに強みを持つユニークなモデル
当社はAI/DXプロダクトの売上高比率が約72%(2023年5月期第3四半期累計期間)であります。特に「Aidemy Business」という強力なプロダクトで、当社サービスの導入ハードルが低いことが強みであります。当社からすぐにサービスを提供でき、その後プロダクトを通じて顧客企業との長期接点が期待できます。
さらに、プロダクトを提供する中で顧客企業から課題をヒアリングでき、特定した課題をオーダーメイドで解決するソリューションを提案可能な体制となっております。ソリューション提供で得られたナレッジ・ノウハウをプロダクトにもフィードバック可能であり、サービスの起点がプロダクトにあることがユニークなポイントであります。
収益構造も分散しており、「Aidemy Business」における上位10社累計の売上高構成比は約25%以下(2023年5月期第3四半期累計期間)となっております。「Aidemy Business」の標準契約企業及びトライアル契約企業数の合計導入顧客企業数は185社(2023年5月期第3四半期末時点)であり、エンタープライズ企業の割合は95%以上(2023年5月期第3四半期末時点)となっております。
④「一気通貫」かつ「顧客伴走型」のAI/DXソリューションの高い競争力
AI/DXソリューションでは、主にエンタープライズ企業向けにテーマ選定、PoC開発、システム開発、運用までの全ての領域を「一気通貫」かつ「顧客伴走型」で支援する「Modeloy」のサービスを提供しております。従来型のAI/DXベンダーでは、人材育成のサービスがほとんど提供されていないと当社では考えております。また、テーマ選定、PoC開発、システム開発、運用などのフェーズごとに分断されたサービスが提供されていると当社では考えております。近年、一気通貫型のAI/DXベンダーが増えておりますが、顧客企業の関与が限定的で、仕組みがブラックボックス化しやすく顧客企業内でイニシアチブを取ってシステム開発がなされないため、顧客企業側に知見が残らないという懸念があると当社では認識しております。
一方、当社のアプローチは、まず「Aidemy Business」を使ってデジタル人材の育成を行い、後続工程では育成された人材に当社のプロフェッショナル人材が伴走してソリューションを提供することで、顧客企業内にデジタル知見をインストールします。こうした独特な開発プロセスが他社にはない特徴となっております。
⑤専門人材とのコラボレーション
当社では常に新しい技術をキャッチアップできる体制を構築しております。当社のAIコンサルタントやエンジニアは、日本を代表するデジタル企業から参画しており、多様なバックボーンを持つ社内人材が揃っております。これにより、顧客企業のニーズに対応した総合的なソリューションを提案することが可能であります。また、業界最先端の知見を有する東京大学の教授陣と提携しており、最新の技術動向についてフィードバックをいただいております。AI/DXソリューションのサービス提供にあたっては、外部パートナーとチームを組成することもあり、協働して最先端技術を提供できるチームを構築することが可能であります。外部パートナーは「Aidemy Business」のコンテンツを制作する際に協働した専門家や法人であります。
(4) 経営環境及び事業対象となる市場
当社が提供するAI/DXに関するプロダクト・ソリューション事業は、法人向けのAI/DXプロダクト、AI/DXソリューション、個人向けのAI/DXリスキリングに係るサービスを提供しており、AI/DXビジネスの国内市場に属しております。AI/DXビジネスの国内市場は成長を続けており、2030年度には5兆1,957億円にも及ぶ想定(出所:「富士キメラ総研 2022デジタルトランスフォーメーション市場の将来展望」)であり、国内におけるAI/DXビジネスの拡がりが見込まれます。特に製造業や金融業、サービス業など幅広い各産業でAI/DXの導入に向けた取り組みが進んでおります。また、国内外の競争力を維持・向上させるために、政府もデジタル変革を推進する施策を積極的に展開しております。
当社は、AI/DXプロダクトの分野での持続的な競争優位性を築くため、デジタル人材育成の領域において顧客企業のニーズを的確に捉えたコンテンツの開発力、顧客を第一に考えたUI/UX(ユーザーインターフェイス/ユーザーエクスペリエンス)を反映したシステム開発力が重要と考えており、これらの組織能力を築くための継続的な投資・改善に努めております。また、競争優位性を保つために、市場の動向を常に監視し、競合他社の戦略や新技術の出現に対して、適時かつ適切に対応する体制を構築しております。
そして、AI/DXソリューションでは、多くのAI/DXベンダーがサービスの一つとして類似のサービスを提供しております。当社は、他社との差別化としてAI/DXプロダクトでのデジタル人材育成を通じて把握した顧客企業のニーズをもとに、顧客企業のデジタル変革支援を提供しており、かつ伴走型支援とすることで顧客企業内にノウハウを残すことができます。これにより、顧客企業からの信頼を獲得し、長期的なビジネス関係を構築することができると考えております。
当社では、AI/DXプロダクト及びAI/DXソリューションにおいてコアなターゲット領域と位置づけているエンタープライズ企業数(従業員1,000名以上の企業数4,000社、当社定義)とそれら顧客企業の売上高の中央値(1,500億円)、売上高に占めるIT予算比率の中央値(1.0%、注1)、内製化率(70%、注2)から約4.2兆円を初期的な市場規模(TAM、注3)と想定しております。
また、TAMのうち、当社がターゲットとしている市場規模(SAM、注4)は、IT予算全体に占めるDX関連予算は23.3%(注5)であり、SOM(注6)は、コアなターゲット領域と位置づけているエンタープライズ企業数(4,000社)、内製化率、当社の1社当たり最大売上高5,000万円を元に想定しております。
(注)1.一般社団法人 日本情報システム・ユーザー協会(JUAS) 企業IT動向調査報告書 ~ユーザー企業のIT投
資・活用の最新動向(2020年度調査)
2.IT人材白書2020、調査対象:業界団体(JUAS、JEITA)の会員企業 /地域の業界団体の会員企業/民間データベ
ース登録企業(情報システム部門)
3.TAMはTotal Addressable Marketを表し、あるサービス・プロダクトにおいて様々な条件が満たされた時に実
現する最大の市場規模を意味しております。このため当社が掲載するTAMの数値は当社が本書提出日現在で営
む事業に係る客観的な市場規模を示すものではありません。当社グループの提供する各種サービス・プロダク
トのTAMは、外部の統計資料や公表資料を基礎として、当社社内の事業進捗や知見に基づく一定の前提を用い
て当社が推計した金額であるため、高い不確実性を伴うものであり、今後実際に実現する市場規模は大きく変
動する可能性があります。
4.SAMはServiceable Available Marketを表し、TAMの中でターゲティングした部分の市場規模を意味しておりま
す。
5.一般社団法人 日本情報システム・ユーザー協会(JUAS) 企業IT動向調査報告書 ~ユーザー企業のIT投
資・活用の最新動向(2019年度調査)より、IT予算に占めるバリューアップ予算の割合をDX予算として想定し
ております。
6. SOMはServiceable Obtainable Marketを表し、実際に商品・サービスを市場に投入した時に、実際にアプロー
チして獲得できる可能性のある市場規模を意味しております。
当社では、このような環境下において、特にAI/DXの導入に注力するエンタープライズ企業を中心に、AIをはじめとした新たなソフトウェア技術を、いち早くビジネスの現場にインストールし、次世代の産業創出を加速させることが重要であると認識しており、AI/DX人材の育成及びAI/DXプロジェクトに貢献するサービスの開発、提供を目指してまいります。
(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
①「Aidemy Business」及び「Aidemy Practice」の強化
当社の「Aidemy Business」及び「Aidemy Practice」はデジタル人材育成支援という特徴から、特定の産業に依存しないサービス展開ができております。また、既存の事業・サービスに限らず、まだAI/DX化が進んでいない新たな産業分野においても、サービス展開が可能であると考えております。また、当社は充実した法人顧客基盤から生じる顧客ニーズを取り入れたコンテンツの充実を図っております。具体的には、経済産業省のDXリテラシー標準に準拠したコンテンツを増加させております。当社は今後も、一層のシステム、コンテンツ、サポートの強化を図ることで今後課題となる可能性がある過剰な価格競争に陥ることなく、顧客満足度のさらなる拡大、提供するサービスの拡充による当社ブランドの確立に取り組んでまいります。
②「Modeloy」の拡大
当社は、「Aidemy Business」の顧客基盤を主なターゲット顧客として、テーマ選定、PoC開発、システム開発、運用までの全ての領域を「顧客伴走型」で支援しており、営業活動を展開しております。その結果として、「Modeloy」が売上高全体に占める割合は、2023年5月期第3四半期末時点で約11%まで拡大しております。
今後も、顧客企業のデジタル変革ニーズを捉えるため、「Modeloy」における伴走型支援サービスを拡大し、新規プロダクトの開発につなげていきたいと考えております。
③優秀な人材の確保及び育成
「先端技術を、経済実装する。」というミッションに共感する優秀な人材を適時採用するとともに、持続的な成長を支える人材の育成を強化してまいります。また、当社の事業領域において市場のリーダーシップを構築していくため、新しい顧客価値を創造できる次世代を担うリーダーの育成にも注力してまいります。
また、カーボンニュートラル(炭素中立のための活動)やGX(グリーントランスフォーメーション、企業における温室効果ガスの排出源である化石燃料や電力の使用を、再生可能エネルギーや脱炭素ガスに転換することで、社会経済を変革させること)などに関連する新規事業の開発も進めており、その分野の専門知識を持った人材の採用も進めております。
これらの人材を確保及び育成することで、顧客企業のデジタル人材育成及びデジタル変革を伴走型で支援し、主にエンタープライズ企業のデジタル化を促進させてまいります。
④財務上の課題
当社は、自己資金及び営業キャッシュ・フローによる安定的な財務基盤を確保できているものと考えております。今後の成長戦略の展開に伴い、内部留保の確保と営業キャッシュ・フローの拡大で、さらに財務体質を強化するとともに、株式市場からの必要な資金確保と金融機関からの融資等を選択肢とすることにより多様な資金調達を図ってまいります。
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある
事項には、以下のようなものがあります。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項についても、投資
者の判断上、重要であると考えられる事項については、積極的な情報開示の観点から記載しております。なお、本項
の記載内容は当社株式の投資に関するすべてのリスクを網羅しているものではありません。当社は、これらのリスク
発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の迅速な対応に努める方針ではありますが、当社株式に
関する投資判断は、本項及び本項以外の記載内容もあわせて慎重に検討した上で行われる必要があると考えておりま
す。なお、以下の記載事項は、本書提出日現在の事項であり、将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が
判断したものであります。
(1)市場について
発生可能性:低、顕在化する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大
当社はAI/DXに関するプロダクト・ソリューション事業を展開しており、デジタル技術を活用して企業のデジタル変革を支援しております。当社の属するAI/DXビジネスの国内市場は成長を続けており、2030年度には5兆1,957億円にも及ぶとの調査結果があります(出所:「富士キメラ総研 2022デジタルトランスフォーメーション市場の将来展望」)。今後国内においてAI/DX関連市場は拡大を続けるものと見込まれており、特に製造業や金融業、サービス業など幅広い産業でAI/DXの導入に向けた取り組みが進んでおります。また、国内外の競争力を維持・向上させるために、政府もデジタル変革を推進する施策を積極的に展開しております。しかしながら、市場の成長ペースが大きく鈍化した場合には、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。また、市場の拡大が進んだ場合であっても、当社が同様のペースで順調に成長しない可能性があります。
このようなリスクに対して、当社では市場動向を日々注視しながら、適宜当社の経営戦略に織り込み柔軟に対応できる体制構築に努めてまいります。
(2)競合について
発生可能性:中、顕在化する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大
複数の企業がオンラインでAI/DX人材育成のサービスを提供しており、当社のAI/DXプロダクトでは、競合企業が存在している状況であります。そのため当社は、持続的な競争優位性を築くために、AI/DX人材育成の領域において顧客企業のニーズを的確に捉えたコンテンツの開発力、顧客を第一に考えたUI/UX(ユーザーインターフェイス/ユーザーエクスペリエンス)を反映したシステム開発力が重要と考えており、これらの組織能力を築くための継続的な投資・改善に努めております。そのため、最新の技術トレンドを追跡し、継続的な研究開発により革新的なソリューションを創出することを目指しております。しかしながら、巨大資本等によるさらなる新規参入により、これらの組織能力を短期的に構築される脅威が発生する可能性があるため、市場の動向を常に監視し、競合他社の戦略や新技術の出現に対して、適時かつ適切に対応する体制構築を検討しております。しかし、当社が適時かつ適切に対応できなかった場合には、市場での競争力低下や、対応のための支出の増加により、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、AI/DXソリューションでは、多くのAI/DXベンダーがサービスの一つとして当該サービスを提供しております。当社は、他社との差別化としてAI/DXプロダクトでのデジタル人材育成を通じて把握した顧客企業のニーズをもとにデジタル変革プロジェクト支援を提供しており、かつ伴走型支援とすることで顧客企業内にノウハウを残すことができます。これにより、顧客企業からの信頼を獲得し、長期的なビジネス関係を構築することを目指しております。しかしながら、同様のビジネスを行うAI/DXベンダーなどが現れた場合には、市場での競争力低下により、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(3)売上高の下期偏重について
発生可能性:高、顕在化する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中
当社は、エンタープライズ向けの売上高の割合が大きく、エンタープライズ企業の決算期が3月に集中しているため、2月や3月に新規契約を締結し4月からサービス提供するケースが多い傾向にあります。また、エンタープライズ企業向けでは新卒DX研修が4月、5月に実施されるケースも多くなっております。これらの理由から、当社の第4四半期である3月から5月に売上高が集中する傾向があり、通期売上高の3割程度(2022年5月期実績)を占めております。
このようなリスクに対して、当社は契約締結のタイミングを分散させることで売上の偏りを緩和し安定的に収益を確保できるように提案活動を実施しております。また、営業・提案活動により通年の研修需要を広げることで、売上高の分散を図っております。
(4)技術革新について
発生可能性:低、顕在化する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大
当社が事業展開しているAI/DX関連市場では、技術革新や環境変化のスピードが非常に速く、関連事業の関係者はその変化に柔軟に対応する必要があります。 当社においても、最新の技術動向等を常に把握し、技術を自社サービスに活用できる体制を構築するだけではなく、優秀な人材の確保及び教育等により技術革新や環境変化に柔軟に対応できるよう努めております。しかしながら、当社が、優秀な人材の確保を適時適切に行う事ができない場合、また、技術変化への対応のためにシステム投資や人件費等多くの費用を要する場合、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
このようなリスクに対して、当社は技術革新の動向を注視するとともに、それに追従するため、データサイエンティストやエンジニア人員を中心とした人材採用・育成や、顧客へのサービスを迅速に提供できる組織体制等の整備に努めることで、常に新しい技術やノウハウを獲得し、当社のサービス開発プロセスに取り入れてまいります。
(5)システム障害について
発生可能性:低、顕在化する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:小
当社のサービスは、外部クラウドサーバー(Google社が提供するGoogle Cloud Platformのサービス(以下、「GCP」という))にて提供しており、GCPの安定的な稼働が当社の事業運営上、重要な事項となっております。また、安定的なサービスの運営を行うために、セキュリティ強化及び監視体制の構築等により、システム障害に対し備えるよう努めております。しかしながら、GCPでの障害、自然災害やサイバー攻撃、その他何らかの要因等によりシステム障害やネットワークの切断等予測不能なトラブルが発生した場合には、社会的信用失墜等により、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
このようなリスクに対して、当社は安定的なサービス運営を行うために、セキュリティ対策の強化や障害発生時の社内体制の構築を行っております。
(6)人材の確保及び育成について
発生可能性:中、顕在化する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大
当社は、継続的な事業拡大のためには、優秀な人材の確保や育成が重要であると認識しており、人材の確保・育成に努めております。しかしながら、今後策定する人員採用計画に沿った人材採用が順調に進まなかった場合や、労働力市場の変化、及び経営環境等の変化による人材流出が進んだ場合には、当該影響による業務運営及び事業 拡大に支障が生じる可能性があり、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
このようなリスクに対して、当社はエージェントからの紹介だけではなく、スカウトツールの活用、リファラル採用の強化など様々な採用手法を活用することで人員採用計画に沿った採用を進めてまいります。また、従業員の待遇や福利厚生を充実させることで、労働力市場の変化や経営環境の変化による人材流出を抑制してまいります。
(7)知的財産管理について
発生可能性:中、顕在化する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:小
当社は、特許権や商標権等の知的財産権に関して、外部の弁理士等を通じて調査する等、その権利を侵害しないように留意するとともに、必要に応じて知的財産権を登録することにより、当社権利の保護にも留意するよう努めております。しかしながら、当社の認識していない第三者の知的財産権が既に成立している又は今後成立する可能性があり、仮に当社が第三者の知的財産権を侵害した場合には、当該第三者により損害賠償請求、使用差止請求又はロイヤルティ支払要求等が発生する可能性があり、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(8)訴訟について
発生可能性:低、顕在化する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中
当社は、事業活動を行う上で取引先や従業員などから訴訟などを提起されるリスクが存在します。社内ではマネジメントトレーニングを通じて管理職の能力向上と従業員とのコミュニケーションの円滑化に努めております。また、取引先との関係では、正当な目的、内容、対価の確認を稟議承認で確認することでリスクの抑制に努めております。
しかしながら、訴訟の完全回避は困難であり、一度起こった場合には予想困難な結果や多額の費用がかかり、事業に影響する可能性があります。また、当社の責任が問われるような判断がなされた場合は、財政状況や経営成績に影響する可能性があります。
(9)風評被害について
発生可能性:中、顕在化する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中
ソーシャルメディアの急速な普及に伴い、インターネット上の投稿や、それを原因とするマスコミ報道などによって、風評被害が発生した場合、企業のイメージが損なわれ、社会的な信頼や事業への信用が低下する可能性があります。弊社は「リスク管理・コンプライアンス規程」を設け、リスク・コンプライアンス研修を実施し、従業員のコンプライアンス意識を養成し、リスク管理やリスク発生の抑制、リスク発生時の対応を行っておりますが、それにも関わらず従業員の不正や不適切な行為が発生したり、否定的な風評が拡散した場合、顧客の離脱や影響が出ることも想定され、当社の財政状況や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(10)情報セキュリティ体制について
発生可能性:中、顕在化する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:小
当社は、受講者の個人情報等を保有しております。当社では、代表取締役を筆頭に、情報セキュリティ管理体制を構築しております。また、2020年12月にはプライバシーマーク(JISQ15001)を取得し、個人情報管理体制の強化に努めております。しかしながら、万一、個人情報への不正アクセス等により情報漏洩が起きた場合、受講者及び取引先の信頼が失墜し、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(11)経営管理体制の確立について
発生可能性:低、顕在化する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中
当社は、業容の拡大及び従業員の増加に合わせて内部管理体制の整備を進めており、今後も一層の充実を図るよう努めております。しかしながら適切な人的・組織的な対応ができずに、事業規模に応じた事業体制、内部管理体制の構築が追いつかない場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
このようなリスクに対して、当社は業務の適正性及び財務報告の信頼性の確保のための内部統制システムの適切な整備・運用、更に法令・定款・社内規程等の遵守を徹底してまいります。
(12)特定の人物への依存について
発生可能性:低、顕在化する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大
当社代表取締役である石川聡彦は、当社の設立者であるとともに、大株主であり、経営方針や事業戦略の決定において重要な役割を果たしております。このため、当社は、特定の人物に過度に依存しない体制を作るために、取締役会等における役員間の相互の情報共有や経営組織の強化に努めております。しかし、現状において、何らかの理由により当人が当社の業務を継続することが困難になった場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(13)新株予約権の新たな発行による株式価値の希薄化について
発生可能性:高、顕在化する可能性のある時期:5年以内、影響度:小
当社は、当社の役員並びに従業員に対するインセンティブを目的とし、新株予約権を付与しております。当社は今後も役員並びに従業員に対するインセンティブとして、新株予約権を付与する可能性があり、それにより株式が新たに発行された場合、既存の株主が有する株式の価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。なお、本書提出日時点でこれらの新株予約権による潜在株式数は458,000株であり、発行済株式総数3,917,600株の11.6%に相当しております。
ただし、新株予約権による潜在株式には新株予約権信託320,000株が含まれており、うち150,000株については東京証券取引所グロース市場に上場した日から2年6か月が経過した日、プライム市場に上場した日から6か月が経過した日、又は2027年5月31日のいずれか早い日に信託期間が満了しその後6か月が経過した日以降に順次希薄化が生じ、うち170,000株については、プライム市場に上場した日から6月が経過した日又は2030年5月31日のいずれか早い日に信託期間が満了しその後6か月が経過した日以降に順次希薄化が生じるため、数年にわたって徐々に希薄化することで、その影響は抑えられる構造となっております。
(14)資金使途について
発生可能性:低、顕在化する可能性のある時期:3年以内、影響度:小
今回計画している公募増資による調達資金の使途については、「Aidemy Business」及び「Modeloy」における人材の採用、育成等に係る人件費や広告宣伝費等の運転資金、プロダクト開発投資に充当する予定であります。しかしながら、変化する経営環境に柔軟に対応するため、現時点での計画以外の使途にも充当される可能性があります。また、当初の計画に沿って資金を使用した場合においても、想定どおりの投資効果を上げられない可能性もあります。
このようなリスクに対して、当社を取り巻く外部環境や経営環境の変化については適時その動向を注視するとともに、公募増資による資金調達の使途が変更になった場合には、適時適切に開示を行います。
(15)税務上の繰越欠損金について
発生可能性:高、顕在化する可能性のある時期:3年以内、影響度:小
当社には、税務上の繰越欠損金が存在しております。これは法人税負担の軽減効果があり、今後も当該欠損金の繰越期間の使用制限範囲内においては納税額の減少により、キャッシュ・フロー改善に貢献することになりますが、当社の業績が順調に推移するなどして繰越欠損金が解消した場合には、通常の税率に基づく法人税等が計上されることとなるため、当社の業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
(16)ベンチャーキャピタル等の株式所有割合に伴うリスクについて
発生可能性:高、顕在化する可能性のある時期:1年以内、影響度:中
当社の発行済株式に対するベンチャーキャピタル及びベンチャーキャピタルが組成した投資事業組合(以下 「ベンチャーキャピタル等」という。)の所有割合は本書提出日現在33.9%であります。当社の株式公開後において、当社株式の株価推移によっては、ベンチャーキャピタル等が所有する株式の全部又は一部を売却する可能性が考えられ、その場合、株式市場における当社株式の需給バランスが短期的に損なわれ、当社株式の市場価格に影響を及ぼす可能性があります。
このようなリスクに対しては、ベンチャーキャピタル等にロックアップを付けることで、影響を緩和させております。
(17)継続的な投資について
発生可能性:中、顕在化する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中
当社は、AI/DXプロダクトの「Aidemy Business」による顧客獲得を皮切りに、AI/DXソリューションへのクロスセルを行う、プロダクトを起点にしたアプローチに強みをもつビジネスモデルを有しております。そのため、当社の成長においては、「Aidemy Business」における顧客基盤の強化及び「Modeloy」による伴走型支援の拡大が重要であると考えております。当社としては継続的な投資により顧客基盤を拡大させる方針で、新規顧客獲得のためのマーケティング投資、新規顧客獲得及び取引継続率向上にむけたコンテンツの質・量の拡充に係る投資、「Modeloy」による伴走化支援ニーズの拡大に対応ができるよう、プロジェクトマネージャー、データサイエンティスト、エンジニア等の優秀な人材の獲得に係る採用費及び人件費への投資を予定しております。しかしながら、これらの投資を上回る収益が創出できない場合は、当社の財務状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
このようなリスクに対して、当社は「Aidemy Business」における契約状況等を経営上の重要なKPIとして、その達成状況を取締役会等においてモニタリングし、必要に応じて追加の施策を実行してまいります。
(18)当社株式の流動性について
発生可能性:中、顕在化する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中
当社株式は、代表取締役である石川聡彦により議決権の40%以上を保有されており、本公募及び売出しによって当社株式の流動性の確保に努めることとしておりますが、東京証券取引所の定める流通株式比率に係る上場維持基準は25%であるところ、新規上場時において25.0%にとどまる見込みであります。今後は、既存株主への一部売出しの要請、新株予約権の行使による流通株式数の増加分を勘案し、これらの組み合わせにより、流動性の向上を図っていく方針ではありますが、何らかの事情により上場時よりも流動性が低下する場合には、当社株式の市場における売買が停滞する可能性があり、それにより当社株式の需給関係にも悪影響を及ぼす可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
a.財政状態の状況
第8期事業年度(自 2021年6月1日 至 2022年5月31日)
(資産)
当事業年度末における流動資産は1,060,298千円となり、前事業年度末に比べ239,934千円増加いたしました。これは主に、第三者割当増資の実施により現金及び預金が178,244千円増加したことによるものであります。また、固定資産は28,763千円となり、前事業年度末に比べ3,753千円減少いたしました。これは主に資産除去債務の計上により敷金及び保証金が3,679千円減少したことによるものであります。
この結果、総資産は1,089,061千円となり、前事業年度末に比べ236,180千円増加いたしました。
(負債)
当事業年度末における流動負債は475,227千円となり、前事業年度末に比べ102,267千円増加いたしました。これは主に、売上代金を事前に回収する事業を主としていることから受注の増加に伴い前受金が89,390千円増加したことによるものであります。
この結果、負債合計は、475,227千円となり、前事業年度末に比べ102,267千円増加いたしました。
(純資産)
当事業年度末における純資産合計は613,833千円となり、前事業年度末に比べ133,913千円増加いたしました。これは、当期純損失8,957千円の計上により利益剰余金が減少した一方で、第三者割当増資の実施により資本金及び資本準備金がそれぞれ71,435千円増加したことによるものであります。
第9期第3四半期累計期間(自 2022年6月1日 至 2023年2月28日)
(資産)
当第3四半期会計期間末における流動資産は1,095,386千円となり、前事業年度末に比べ35,088千円増加いたしました。これは主に、現金及び預金が26,089千円増加したことによるものであります。固定資産は40,581千円となり、前事業年度末に比べ11,818千円増加いたしました。これは主に、第9期より計上することとなった自社開発のソフトウェアやコンテンツの無形固定資産が28,830千円増加、敷金及び保証金が本社移転に伴い15,525千円返還されたため減少したことによるものであります。
この結果、総資産は、1,135,967千円となり、前事業年度末に比べ46,906千円増加いたしました。
(負債)
当第3四半期会計期間末における流動負債は372,378千円となり、前事業年度末に比べ102,848千円減少いたしました。これは主に、新規契約や更新のタイミングが3月であることから季節要因により前受金が108,397千円減少したことによるものであります。
この結果、負債合計は、372,378千円となり、前事業年度末に比べ102,848千円減少いたしました。
(純資産)
当第3四半期会計期間末における純資産合計は763,588千円となり、前事業年度末に比べ149,755千円増加いたしました。これは、四半期純利益149,755千円の計上により利益剰余金が増加したことによるものであります。
b.経営成績の状況
第8期事業年度(自 2021年6月1日 至 2022年5月31日)
当事業年度におけるわが国の経済状況は、新型コロナウイルス感染症の影響や、世界情勢の悪化、インフレの進行により依然として厳しい状況にある中、持ち直しの動きが続いているものの、一部で弱さが増している状況であります。一方でデジタル市場においては、働き方改革に伴う生産性向上や業務効率化の需要拡大、テレワークの導入拡大等が求められる中、企業はビジネスモデルや組織の変革に迫られ、社会におけるDXの必要性が高まっており、当社にとって追い風とも言える事業環境が継続しております。
当事業年度につきまして、法人向けのAI/DXプロダクト「Aidemy Business」においては、前事業年度に引き続き新規コンテンツの作成や既存コンテンツの改善、アップデートに注力いたしました。ユーザー数も順調に拡大しており、2022年5月には累計9万人(個人向けと合わせると累計17万人)を突破しました。コンテンツはエンジニア向け講座だけでなく、近年顧客ニーズが高まっている文系人材向けのDXリテラシー向上を目的とした講座を多数リリースいたしました。また新たな取り組みでは、カーボンニュートラル(炭素中立のための活動)やGX(グリーントランスフォーメーション、企業における温室効果ガスの排出源である化石燃料や電力の使用を、再生可能エネルギーや脱炭素ガスに転換することで、社会経済を変革させること)などのコンテンツもリリースしており、提供可能なコンテンツの領域を拡大しております。また、カスタマーサクセスによる手厚いサポートは顧客企業から好評を得ております。
法人向けにテーマ選定、PoC開発、システム開発、運用までの全ての領域を「顧客伴走型」で支援するAI/DXソリューション「Modeloy」においては、提供可能なサービス領域の拡張や既存顧客からの受注に注力いたしました。
以上の結果、2022年5月末時点の長期継続顧客数は84社(前期比39社増)となり、順調に拡大しました。また、法人向け売上高は915,892千円(前期比120.4%増)となりました。
個人領域におけるAI/DX人材育成支援プラットフォーム「Aidemy Premium」においても、前事業年度に引き続きチューターによるサポート体制の充実、既存コンテンツのアップデート、Webマーケティングの強化などに注力いたしました。2020年10月から一部の講座が厚生労働省の教育訓練給付金の対象講座に認定されており、利用者も増加しております。
以上の結果、個人向け売上高は240,166千円(前期比27.5%増)となりました。
このような状況の中、当事業年度の業績は売上高1,156,059千円(前期比91.4%増)となりましたが、今後の成長を見据えたシステムやコンテンツの開発、及び来期以降の売上増の基盤となる顧客を獲得するための広告宣伝費の先行投資等により、営業損失は12,069千円(前期は181,058千円の損失)、経常損失は8,425千円(前期は177,703千円の損失)、当期純損失は8,957千円(前期は178,229千円の損失)となりました。
なお 、当社はAI/DXに関するプロダクト・ソリューション事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。
第9期第3四半期累計期間(自 2022年6月1日 至 2023年2月28日)
当第3四半期累計期間におけるわが国の経済状況は、新型コロナウイルス感染症の影響や、世界情勢の悪化、インフレの進行により、依然として厳しい状況にある中、持ち直しの動きが続いているものの、一部で弱さが増している状況であります。一方でデジタル市場においては、働き方改革に伴う生産性向上や業務効率化の需要拡大、テレワークの導入拡大等が求められる中、企業はビジネスモデルや組織の変革に迫られ、社会におけるDXの必要性が高まっており、当社にとって追い風とも言える事業環境が継続しております。
当第3四半期累計期間につきまして、法人向けのAI/DXプロダクト「Aidemy Business」においては、前事業年度に引き続き新規コンテンツの作成や既存コンテンツの改善、アップデートに注力いたしました。ユーザー数も順調に拡大しており、2023年2月には累計13万人(個人向けと合わせると累計21万人)を突破しました。コンテンツはエンジニア向け講座だけでなく、近年顧客ニーズの強いいわゆる文系人材向けのDXリテラシー向上を目的とした講座を多数リリースしました。また新たな取り組みでは、カーボンニュートラル(炭素中立のための活動)やGX(グリーン・トランスフォーメーション、企業における温室効果ガスの排出源である化石燃料や電力の使用を、再生可能エネルギーや脱炭素ガスに転換することで、社会経済を変革させること)などのコンテンツもリリースしており、提供可能なコンテンツの領域を拡大しております。また、カスタマーサクセスによる手厚いサポートは顧客企業から好評を得ております。
講師派遣型研修ではデジタル時代に必要なDX・ITスキルを実戦形式の研修で提供しており、「DX事業立案ワークショップ」「AI活用企画ワークショップ」「新入社員向けDXプログラム」「Power BIローコードデータ可視化研修」等を顧客ニーズに応じて研修内容を柔軟にカスタマイズして提供いたしました。
法人向けにテーマ選定、PoC開発、システム開発、運用までの全ての領域を「顧客伴走型」で支援するAI/DXソリューション「Modeloy」においては、提供可能なサービス領域の拡張や既存顧客からの受注に注力いたしました。既存顧客からの受注も順調に拡大し、1社当たりの受注額も増加しております。
PoC開発支援では、顧客から課題を抽出し伴走型で付加価値向上のためのシステムを共同開発しております。事業ドメイン特化型のシステムになっており、今後の新たなプロダクトに向けて開発を進めております。
以上の結果、2023年2月末時点の長期継続顧客数は111社となり、順調に拡大しました。法人向け売上高は1,020,331千円となりました。
個人領域におけるAI/DXリスキリング「Aidemy Premium」においても、前事業年度に引き続きチューターによるサポート体制の充実、既存コンテンツのアップデート、Webマーケティングの強化などに注力いたしました。2020年10月から一部の講座が厚生労働省の教育訓練給付金に認定されており、利用者も増加しております。
以上の結果、2023年2月末時点の個人向け売上高は211,120千円となりました。
このような状況の中、当第3四半期累計期間の業績は売上高は1,231,453千円、営業利益は149,221千円、経常利益は150,386千円、四半期純利益は149,755千円となりました。
② キャッシュ・フローの状況
第8期事業年度(自 2021年6月1日 至 2022年5月31日)
当事業年度末における現金及び現金同等物は、第三者割当増資による資本金及び資本準備金の増加等により前事業年度末より178,244千円増加し、934,958千円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において営業活動の結果増加した資金は、42,507千円(前期は15,832千円の減少)となりました。これは主に、税引前当期純損失8,425千円の計上がありましたが、代金を事前に収受して開始される事業形態であることから受注増による前受金の増加額89,390千円があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において投資活動の結果減少した資金は、6,512千円(前期は6,496千円の増加)となりました。これは主に、本社賃貸物件の造作を実施したため有形固定資産の取得による支出7,482千円があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において財務活動の結果増加した資金は、142,250千円(前期は21,837千円の増加)となりました。これは主に、第三者割当増資の実施に伴う株式の発行による収入142,340千円があったことによるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社が提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、記載を省略しております。
b.受注実績
当社が提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、記載を省略しております。
c.販売実績
販売実績は、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
第8期事業年度 (自2021年6月1日 至2022年5月31日) |
第9期第3四半期累計期間 (自2022年6月1日 至2023年2月28日) |
|
|
販売高(千円) |
前年同期比(%) |
販売高(千円) |
|
|
AI/DXに関するプロダクト・ソリューション事業 (千円) |
1,156,059 |
191.4 |
1,231,453 |
(注)1.当社は、AI/DXに関するプロダクト・ソリューション事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりません。(増加理由については、下記事業領域の注記をご確認下さい。)
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、総販売実績に対する割合が10%以上の相手先がいないため記載を省略しております。
当社は、AI/DXに関するプロダクト・ソリューション事業の単一セグメントであり、主要な顧客との契約から生じる収益を分解した情報は、以下のとおりであります。
|
事業領域 |
第8期事業年度 (自2021年6月1日 至2022年5月31日) |
第9期第3四半期累計期間 (自2022年6月1日 至2023年2月28日) |
|
|
販売高(千円) |
前年同期比(%) |
販売高(千円) |
|
|
AI/DXプロダクト(千円) |
855,253 |
226.6 |
887,844 |
|
AI/DXソリューション (千円) |
60,639 |
158.8 |
132,487 |
|
AI/DXリスキリング (千円) |
240,166 |
127.5 |
211,120 |
(注)各事業領域の増加理由について
・AI/DXプロダクト
AI/DX推進の流れやDX/AI人材の不足といった外部環境が非常に良好であること及びコンテンツの拡充、カスタマ
ーサクセスによるアップセルが寄与したことによります。
・AI/DXソリューション
法人向けにテーマ選定、PoC開発、システム開発、運用までの全ての領域を「顧客伴走型」で支援する
「Modeloy」においては、提供可能なサービス領域の拡張や既存顧客からの受注に注力したことによります。
・AI/DXリスキリング
チューターによるサポート体制の充実、既存コンテンツのアップデート、Webマーケティングの強化などに注力
しました。また、2020年10月から一部の講座が厚生労働省の教育訓練給付金の対象講座に認定されており、利用
者が増加したことも要因であります。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
1 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。
この財務諸表を作成するに当たり重要となる会計方針については「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 「注記事項」(重要な会計方針)」に記載のとおりであります。また、財務諸表の作成にあたっては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて、当社の実態等を勘案して合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる場合があります。
財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等(1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
(固定資産の減損処理)
当社は、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当社の将来の事業計画を基に、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上することとしております。
将来の事業計画や市場環境の変化により、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、減損損失を計上する可能性があります。
(繰延税金資産)
繰延税金資産については、当社の将来の課税所得見込みや想定実効税率等、現状入手可能な将来情報に基づき、合理的に将来の税金負担を軽減する効果を有し、回収可能性があると考えられる範囲内で計上することとしております。
繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、繰延税金資産の計上額に影響する可能性があります。
なお、当事業年度の繰延税金資産の計上はありません。
2 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績の分析
第8期事業年度(自 2021年6月1日 至 2022年5月31日)
当事業年度の業績は売上高1,156,059千円(前期比91.4%増)となりました。これは、デジタル市場において
は、働き方改革に伴う生産性向上や業務効率化の需要拡大、テレワークの導入拡大等が求められる中、企業はビ
ジネスモデルや組織の変革に迫られ、社会におけるDXの必要性が高まっており、当社にとって追い風とも言える
事業環境が継続していることが要因と考えております。
今後の成長を見据えたシステムやコンテンツの開発、及び来期以降の売上増の基盤となる顧客を獲得するため
の広告宣伝費の先行投資等により、営業損失は12,069千円(前期は181,058千円の損失)、経常損失は8,425千円
(前期は177,703千円の損失)、当期純損失は8,957千円(前期は178,229千円の損失)となりました。
第9期第3四半期累計期間(自 2022年6月1日 至 2023年2月28日)
当第3四半期累計期間の業績は売上高1,231,453千円となりました。これは前事業年度と同様にデジタル市場
においては、働き方改革に伴う生産性向上や業務効率化の需要拡大、テレワークの導入拡大等が求められる中、
企業はビジネスモデルや組織の変革に迫られ、社会におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)の必要性
が高まっており、当社にとって追い風とも言える事業環境が継続していることが要因と考えております。
この結果、営業利益は149,221千円、経常利益は150,386千円、四半期純利益は149,755千円となりました。
b.財政状態の分析
前述の「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 a財政状態の状況」をご参照ください。
c.キャッシュ・フローの分析
前述の「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
3 資本の財源及び資金の流動性
資金需要
資金については、現金及び預金が当事業年度末は934,958千円と前事業年度末に比べ178,244千円増加してお
り、営業活動から得る現金及び現金同等物の水準については、当面事業を継続していく上で十分な流動性を確
保しているものと考えております。
当社の運転資金需要のうち主なものは、従業員の給与及び手当の他、販売費及び一般管理費の営業費用であり
ます。また、今後の成長を見据えたシステムやコンテンツの開発、人材採用及び売上増の基盤となる顧客を獲得
するための広告宣伝費の先行投資等で活用してまいります。
財務政策
当社は、事業運営上必要な資金を安定的に確保するために、必要な資金は自己資金、エクイティファイナンス
等でバランスよく調達していくことを基本方針としております。
4 経営成績に重要な要因を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。また、今後の経営成績に影響を与える課題につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
5 経営者の問題意識と今後の方針に関して
経営者の問題意識と今後の方針については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
6 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおり、主な経営指標として売上高・売上高成長率、売上総利益・売上総利益率、営業利益・営業利益率を経営上重要な指標と位置付けております。また、事業運営上重視する経営指標は、長期継続顧客数をKPI (Key Performance Indicators)としております。
第8期事業年度については、長期継続顧客が84社(前期比86.6%増)、法人向け売上高の増加率が120.4%となりました。これらの結果、売上高552,295千円増加(前期比91.4%増)、売上総利益478,322千円増加(前期比128.3%増)、営業損失△12,069千円(前期は△181,058千円)となりました。
第9期第3四半期累計期間については、長期継続顧客が111社、法人向け売上高1,020,331千円となりました。これらの結果、売上高1,231,453千円、売上総利益935,680千円、営業利益149,221千円となりました。
顧客企業が「Aidemy Business」を最初に導入することで、強固で長期的な顧客基盤を構築できるため、ドアノックツールとして機能しております。これにより、顧客企業のニーズやデジタル人材育成のノウハウが当社に蓄積されております。デジタル人材育成に対する顧客企業の期待は、育成された人材が社内で活躍し、新たな価値を創出することであります。当社は「Modeloy」を通じて顧客企業の新規事業創出のニーズに対応し、ビジネスの共創を実現しております。当社のプロフェッショナル人材と共同開発することで、業界特有の課題を把握し、顧客との長期的な信頼関係を築くことができます。共同プロジェクトを通じて得られたノウハウやナレッジは、当社のプロダクトに還元され、新規プロダクト開発に活用されております。
AI/DXプロダクトとAI/DXソリューションが相互にシナジーを発揮することで、当社の好循環なビジネスモデルが実現しており、長期継続顧客がその基盤になっております。
該当事項はありません。
第8期事業年度(自 2021年6月1日 至 2022年5月31日)
当社は機械学習やデータマイニングなどの知識の調査・探求及びその結果を受けた製品化の試行を行っております。当事業年度は「Aidemy Business」の学習ログデータを元にした新しい知識の調査・探求を実施しました。具体的には下記のとおりであります。
1. 受講者の学習行動の分析
目的: 受講者の学習行動を分析することで、学習の効率化や教材の改善に役立てること。
課題: 学習ログデータは蓄積しているものの、当該データを顧客に対する価値に変換することができておりませんでし
た。
成果: 演習の正答率からコースごとの難易度を算出することが可能になりました。また、動画コンテンツの場合、視聴
の進捗が芳しくない層が一定数いることも可視化できました。これらの成果をもとに、教材の改善や顧客への学
習アドバイスに役立てております。
研究体制: 1名のデータサイエンティストとインターン学生が担当
2. 教材ごとの類似度の測定
目的: 教材のデータそのものを用いてコース同士の類似度を測定可能にすることで、顧客への学習カリキュラムの提案
に役立てること。
課題: コースの数が増加したことで全体像を把握することが難しくなり、顧客に対して最適な学習カリキュラムを提案
することが難しくなっておりました。
成果: 既存コースの類似度を測定することができました。また、ツール化することでデータサイエンティストではなく
コンテンツ作成者自身が類似度の測定をすることが可能になりました。これらの成果をもとに、顧客への学習カ
リキュラムの提案だけでなく教材の改善にも役立てております。
研究体制: 1名のデータサイエンティストとインターン学生が担当
また、当事業年度における研究開発費の総額は
なお、当社の事業はAI/DXに関するプロダクト・ソリューション事業の単一セグメントであるため、セグメント別の
記載は省略しております。
第9期第3四半期累計期間(自 2022年6月1日 至 2023年2月28日)
当第3四半期累計期間における研究開発費はありません。