文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
(1)経営方針
当社は「世界を照らす」という経営理念を掲げ、「一人ひとりが商売を生み出し、拡大させ、経済を回すこと」、そして「人財自らも成長して輝き、世界を照らしていくこと」を目指して事業を展開しております。当社が持つマーケティング力によって、「まだ照らされていない商品やサービスを輝かせていく」ことで社会に貢献していきたいと考えております。
(2)経営環境
政府統計(注1)によれば、我が国において売上高が100億円を超える企業の数は4,119社であるのに対し、売上高1億円~100億円未満の企業の数は94,098社であります。当社はレベニューシェア型の報酬体系を採用しているため、当初から潤沢なマーケティング予算を確保しにくい中小・中堅企業を含め、企業規模を問わずマーケティングDXの支援が可能です。
また、2021年、我が国における物販系分野BtoC-EC市場規模は13.2兆円と対前年比成長率は8.6%である一方、EC化率は8.78%であり、まだ低水準にあるものと考えております(注2)。当社は独自のビジネスモデルを軸に、商品やサービスの分野を問わず様々な顧客企業に対してマーケティングDX支援を行うことにより、顕在化しているマーケティング支援へのニーズの取り込みに加えて、潜在的なニーズを掘り起こし、EC化率向上や国内消費者市場そのものの拡大を図っていきます。
なお、当社がターゲットとする市場は、化粧品、日用品、機能性表示食品、美容サロン、金融サービス等における、ウェブでの新規ユーザーの獲得ニーズであります。化粧品、日用品、健康食品のそれぞれの国内市場はそれぞれ2兆8,414億円(注3)、2兆635億円(注4)、8,880億円(注5)であり、これらにEC化率を乗じた市場規模はそれぞれ4,165億円(注6)、3,982億円(注7)、6,003億円(注8)です。顧客企業等へのヒアリングによれば、当社のレベニューシェア単価はLTV(顧客生涯価値)の30~50%を目安に設定されることが多いと見られることから、当社が直接的にターゲットとしている市場はEC化率を考慮した市場規模合計額14,151億円の40%と仮定した場合、5,660億円と推察されます。当社は、独自のビジネスモデルと高いマーケティング力により、消費市場全体とEC化率の両方を牽引することを目指しております。さらに、既に多数の問い合わせのある不動産、通信、人材、士業等のジャンルにもサービス展開していくことを計画しております。
(注)1.政府統計「経済構造実態調査 2020年経済構造実態調査(甲調査)二次集計 企業等に関する集計1」、製造業を集計
2.経済産業省「令和3年度 電子商取引に関する市場調査」
3.株式会社富士経済「新型コロナウイルスを契機に拡大する化粧品EC市場の現状と将来展望」化粧品市場の2021年見込数値
4.株式会社矢野経済研究所「2022年版 トイレタリー用品マーケティング総鑑」トイレタリーの2021年度の市場規模。トイレタリー市場は、主として日用雑貨ルートを通じて販売される製品、「衣料関連」、「ホームケア関連」、「フェイス・ボディケア関連」、「オーラルケア関連」、「サニタリー関連」の5分野合計50品目を対象として、メーカー出荷金額ベースで算出
5.株式会社矢野経済研究所「2022年版 健康食品の市場実態と展望~市場分析編~」健康食品市場の2021年度の見込数値。健康食品市場は、錠剤、カプセル、粉末、ミニドリンク形状等の健康維持・増進、美容等を目的とした食品を対象として、メーカー出荷金額ベースで算出
6.株式会社富士経済「新型コロナウイルスを契機に拡大する化粧品EC市場の現状と将来展望」化粧品EC市場の2021年見込数値
7.注4記載のトイレタリーの2021年度の市場規模に、株式会社博報堂「EC生活者調査」の日用品のEC購買シェア率19.3%を乗じて算出
8.注5記載の健康食品市場規模の2021年度見込数値に、株式会社博報堂「EC生活者調査」の健康食品・飲料のEC購買シェア率67.6%を乗じて算出
(3)経営戦略
当社収益を大きく支えるのは、当社の月次売上高10百万円以上の商材である「コア商材」であります。当社の一連のバリューチェーンを強く太くしていくことで、再現性をもってコア商材を生み出し、コア商材数と商材当たり売上高を引き上げていきます。
バリューチェーンの強化策として、主に以下の施策に取り組んでまいります。
① 人材採用と組織体制の強化
拡大する顧客企業からのニーズに応えるため、引き続き優秀な人材の確保と育成に注力していきます。
当社はこれまで新卒や未経験者を中心に採用活動を行ってきましたが、更にさらに採用活動を強化し採用数を拡大していきます。また、効率的な社内分業・連携体制やITツールの活用による業務効率化に加えて、ステップ毎に必要な知識やスキルを言語化・体系化した育成プログラムの拡充、成功失敗事例等のナレッジ共有体制の構築などにより、未経験者でも早期に戦力化する組織体制を更に強化してまいります。
上記施策により、マーケター人員数、マーケター1人当たり売上高(注)などのKPIを引き上げていく予定です。
(注) 売上高÷マーケター人員数にて算出しております。
② 商材パイプラインの拡充・コンサルティング力の強化
既存顧客からの売上拡大を図るとともに、広告代理店やEC支援コンサル等と連携し新規顧客を開拓していくと共に、販売先の分散によるリスク低減の観点からも新規顧客からの売上高増加に取り組んでまいります。また、新たな商材ジャンルにも展開していきます。
また、人員増を含む組織体制の見直しにより、新規顧客・ジャンルの開拓を進めてまいります。さらに、顧客LPや商品設計等の上流に関するコンサルティング力を強化することで、当社のマーケティング力、売上拡大力を向上させてまいります。
上記施策により、ランク別コア商材(注)数、ランク別コア商材に係る平均売上高、マーケター1人当たり売上高などのKPIを引き上げていく予定です。
(注) 当社ではコア商材について、平均月次売上高が100百万円以上の商材を「Aランク商材」、同50百万円以上100百万円未満の商材を「Bランク商材」、同25百万円以上50百万円未満の商材を「Cランク商材」、同10百万円以上25百万円未満の商材を「Dランク商材」として分類しております。なお、平均月次売上高の参照期間は四半期毎としております。
③ マーケティング手法の拡大
動画等の新しい広告フォーマットや、広告媒体や配信面の利用拡大により、マーケティング手法の拡大を図ります。近年、特にショート動画の再生回数は急増しており、2022年には動画広告市場は5,920億円(注)にまで急拡大しております。
当社はこれまでディスプレイ広告等で培ったマーケティング力を活用し、動画フォーマットの活用も積極的に進めてまいります。また、当社は、LINEやYahoo!、Pangleに加えて、Google、Facebook等、より幅広い広告媒体を更に活用してまいります。
上記施策により、ランク別コア商材数、ランク別コア商材に係る平均売上高、マーケター1人当たり売上高などのKPIを引き上げていく予定です。
(注) CCI/ D2C/電通/電通デジタル/セプテーニ・ホールディングス「2022年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析」ビデオ(動画)広告の2022年市場規模
④ データ・ITツールの活用促進
独自データベースの構築やマーケティング効果測定ツール、自動トレーディングツール、クリエイティブの自動生成AI等、当社のマーケティング力を高めるとともに業務効率化に繋がるツールの開発を強化してまいります。また、独自ECカート、チャットボットの導入等による購買ページ・決済システムの改善によるマーケティング力の向上、及びこれらから得られるデータの利活用を推進してまいります。
上記施策により、ランク別コア商材数、ランク別コア商材に係る平均売上高、マーケター1人当たり売上高などのKPIを引き上げていく予定です。
(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は、ランク別コア商材数、ランク別コア商材に係る平均売上高、ROAS、広告利益、マーケター人員数及びマーケター1人当たり売上高を主要財務指標(KPI)としております。
当社はレベニューシェア型の報酬体系を採用していることから商材がヒットした場合に大きなアップサイドがあり、またヒットした商材に社内リソースを再配置していくことで、当社全体の収益の最大化を図っております。そのため、当社収益に占めるコア商材の寄与度が高くなる構造にあることから、当社業績の変動要因をランク別コア商材数とランク別コア商材に係る平均売上高を確認することで把握・分析しております。
また、当社は収益性を管理する観点でROAS及び広告利益を、人材の採用・育成は当社の成長ドライバーの一つであるため、マーケター人員数及びマーケター1人当たり売上高をKPIとしております。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社が優先的に対処すべきと考える事業上及び財務上の課題は以下のとおりであります。
① 顧客基盤の拡大と新規顧客からの売上高増加
当社はレベニューシェア型の報酬体系を採用しており、大ヒットを生み出した際にはその商材ひいては顧客企業による売上高は急速に増加することがあります。当社としては顧客との取引継続性を高め、また商材を分散させることにより事業上のリスクを低減することに努めておりますが、顧客基盤を拡大させることにより顧客別売上高についても分散させ、安定的な事業成長に努めていきます。
② 人材の採用と育成
当社は、拡大する顧客からのニーズに応え更なる事業拡大を実現していく上で、優秀な人材の確保が必要不可欠であると認識しております。このため、中途採用と新卒採用を積極的に行ってまいります。
また、教育プログラムの拡充やITツールの開発促進等にも取り組むことで、未経験の人材を早期に即戦力化し、急速な成長への対応とサービス品質の維持・向上を図ります。
③ 情報セキュリティ体制の更なる整備
当社は、顧客と取引を行うにあたり、顧客情報及び営業機密等の機密情報を取り扱うことがあります。
情報セキュリティ体制の整備を引き続き推進していくとともに、情報の取り扱いに関する社内規程の適切な運用、役職員の機密情報リテラシーの向上、役職員による機密情報の取り扱いに関する内部監査等を通じ、情報セキュリティ体制の強化を図ってまいります。
④ 内部管理体制の強化
当社は、急速な事業成長と外部環境の変化に適応し継続的な成長を維持していくために、内部管理体制の強化が重要であると認識しております。そのため、事業規模や成長ステージに合わせバックオフィス機能を拡充していくとともに、経営の公正性・透明性を確保するための内部管理体制強化に取り組んでまいります。具体的には、事業運営上のリスク管理や定期的な内部監査の実施によるコンプライアンス体制の強化、社外役員の登用・監査役監査の実施によるコーポレート・ガバナンス機能の充実及びITツールの拡充等による経営管理業務の効率化を進めることで迅速かつ適切な経営判断を行ってまいります。
⑤ 安定的な事業資金の確保
当社は、事業拡大のために広告宣伝費及び人材の採用・育成への投資を継続しております。これらの先行投資に必要な事業資金の調達を安定的に行うため、また、急激な資金需要や不測の事態に備えるため、2022年11月25日に金融機関に1,000,000千円のコミットメントラインを含む総額4,600,000千円のシンジケートローンを組成しております。今後も資金調達をはじめ、財務基盤の強化及び安定的に事業資金を確保するための諸施策を講じてまいります。
本書に記載した当社の事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項につきましても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示することとしております。
当社は、これらのリスク発生の可能性を十分に認識した上で、その発生の予防・回避及び発生した場合の対応に努める方針ではありますが、当社株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項以外の記載事項を慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。
(1) 事業環境について
① EC市場の動向及び競争環境について(発生可能性:中、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:小)
当社が主たる事業を展開するEC市場は成長を続けており、同市場が引き続き拡大することを見込んでおります。また、商材ジャンルを拡大・分散化しており、特定ジャンルの消費者動向に売上が依存しないよう、また新しいニーズの開拓により継続的な成長に努めております。しかしながら、消費者心理の冷え込み、同市場を巡る新たな規制の導入や何らかの予期せぬ要因により、市場規模が想定したほど拡大しなかった場合、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
また、依然として激しい競争環境の中で、当社は競争優位性を確立し競争力を高めるべく様々な施策を講じております。しかしながら、必ずしもこのような施策が奏功し競争優位性の確立につながるとは限らず、その場合、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
② 競合について(発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)
当社はレベニューシェア型の報酬体系を採用し、顧客企業にとっては初期費用が不要であり、また事前に新規ユーザー当たり獲得コスト(CPA)を確定できること、また利益相反がなく高いマーケティング力を有すること等により、当社サービスは競合他社と差別化できていると考えております。
また、レベニューシェア型ながら安定して業績を拡大し、損失リスクを抑えるため、当社では豊富な商材パイプラインの中から売上拡大余地の大きい商材を高い精度で選定し、優れたマーケティング戦略を構築の上、損益管理を徹底した広告運用を行っており、競争優位性を構築できているものと考えております。
しかしながら、将来、他社による同様のサービス展開等により競争が激化した場合には、当社が提供するサービスの優位性が保たれなくなる可能性があります。その場合、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 事業内容について
① レベニューシェア型による契約形態を展開するリスクについて(発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大)
当社のサービスに関わる対価は、顧客企業が売上を計上した場合に限りレベニューシェアの形で頂いております。これは、当社の行なうDX支援、マーケティング支援により、顧客企業が新規ユーザーを獲得した場合に当社が請求を行なう契約形態であり、顧客企業に売上が計上されない限り当社の売上高は発生いたしません。
そのため、当社は、顧客企業に対するマーケティングの成果を出すために、マーケティングノウハウの更なる蓄積と、人材採用・教育強化等の施策を行うことで売上増加を図る一方、見込まれたマーケティングの成果が出なかった場合のコストカットルールを社内に設ける等によりリスクのコントロールをしております。
しかしながら、これらの蓄積が進まない場合や施策の効果が発現しない場合及び、リスクコントロールが機能しなかった場合には、売上及び利益の成長率の低下を招き当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
② 運転資本の先行投資による財務的影響について(発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)
当社のビジネスモデルは、マーケティングコストやツール・システム導入に対する初期費用が先行して支出するモデルであり、継続的な成長には運転資本に対する先行投資が必要となります。当社では、事業拡大のために運転資本への投資を積極的に実施していくことが必要であると考え、今後も事業成長のための投資を進めていく方針であります。
当社では、今後も費用対効果を勘案しながら収益拡大を目指し、投資を継続する方針ではありますが、これらの先行投資が想定通りの成果に繋がらなかった場合や計画通りの収益が得られない場合等は、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③ 技術革新について(発生可能性:中、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)
広告業界においては新技術の開発及びそれに基づく新サービスの導入が相次いで行われており、非常に変化の激しい業界となっております。また、広告を表示するデバイス面においては、スマートフォンやタブレットなどの端末の普及が急速に進んでおり、新技術に対応した新しいサービスが相次いで展開されております。
そのため、当社は、人材育成の強化やマーケティングに関する技術、知見、ノウハウの習得に注力しております。
しかしながら、係る知見やノウハウの習得が予定通りに進まない場合、また技術革新に対する当社の対応が遅れた場合には、当社の競争力が低下する可能性があります。さらに、新技術への対応のために追加的なシステム、人件費などの支出が拡大する可能性があります。このような場合には、当社のサービス品質の低下、競争力の低下及び新技術への対応のための先行投資金額の増加による収益性の低下を招き、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 知的財産権について(発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:小)
当社は、当社が提供するサービスに関する第三者の知的財産権について侵害しないように留意しており、当社は現在まで第三者の知的財産権を侵害したとして損害賠償や使用差止めの請求を受けたことはありません。
しかしながら、第三者の知的財産権の完全な把握は困難であり、当社が認識せずに第三者の知的財産権を侵害してしまう可能性が残存します。このような場合、当社に対する訴訟等が発生し、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 特定の販売先への偏重について(発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大)
当社は、レベニューシェアによる収益獲得を前提としたマーケティング支援の契約を販売先と締結しております。その契約においてKPIの達成やユーザー獲得に対するコミットメントはしておらず、販売先が取扱う商材へのマーケティング支援の開始及び中止、また支援の規模については当社で柔軟に決定することができます。また、多数(2023年3月末時点で131企業と契約締結)の顧客企業を抱えており、幅広いジャンルのマーケティング支援が可能であることから、次なる商材のマーケティング支援の準備を開始し、安定した業績拡大に努めております。
しかしながら、インターネット広告代理業を営む主要販売先である株式会社アール(代表者:川上大輔)経由で支援を行う広告主の商材が潜在成長性の高い商材であったこと、また当社の支援によって当該商材の売上高成長に貢献できたことから、結果として当該企業関連の売上高比率が高まり、直近事業年度である2022年6月期の当社売上高の71.4%、進行年度である2023年6月期第3四半期累計の当社売上高の70.1%を占めております。
当社は、同社及びその広告主とは良好な関係にあり取引の継続性は高いと考えており、また新規ジャンルを含めた新規顧客企業へのサービス拡大に努めております。しかしながら、当該企業との契約内容に変更等が生じた場合や計画通りに新規顧客企業の獲得や取扱い商材のユーザー獲得が進まない場合には、当社の財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
また、株式会社アールとの取引における主な取扱商材は、特定の大手企業グループが企画・製造・販売する育毛剤、美容液、機能性表示食品等の数点の特定の商材となっています。そのため、当該企業グループの事情や消費者動向の影響等により、当該企業グループの商品開発、販売、広告に関する事業戦略が変更された場合には、当社の財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
⑥取引先に対する信用リスクについて(発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)
当社グループの販売先の中には、大口取引を継続している特定の顧客企業もあり、こうした企業の信用状態に重大な変動が生じた場合には、資金繰り面に支障が生じるとともに、回収不能な不良債権が発生することが予想されます。当社では、個別の販売先毎に財務状況等を勘案した与信限度額を設定するなど、適切な与信管理・債権管理を行いながら必要に応じ貸倒引当金を計上しておりますが、こうしたリスクが顕在化することにより、当社の経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(3)組織体制について
① 人材の確保及び育成について(発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)
当社の成長を支えている最大の資産は人材であり、当社にフィットした人材を採用し優秀なマーケターにまで育成し、雇用を維持することは当社にとって重要な成長戦略であると認識しております。そのため、新卒採用及び中途採用を重視するとともに、適切な分業体制や効率的な組織運営、研修制度の充実、プラクティスの共有等、人材の育成と生産性向上を図る様々な施策を行っております。
しかしながら、人材マーケットの需給バランスの変化や、事業規模の急拡大に伴う業務量の増加、その他何らかの要因により、必要な人材を確保できない、又は計画通りに人材育成が進まない場合、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
② 特定人物への依存について(発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)
当社の代表取締役社長である大平啓介は、当社の創業者であり、最高経営責任者であります。大平啓介は、インターネットにおけるマーケティング技術及びそれらに関する豊富な経験と知識を有しており、技術的判断、経営方針や事業戦略の決定及びその遂行において極めて重要な役割を果たしております。
当社は、大平啓介に過度に依存しない経営体制の整備を進め、人材の育成・強化に注力しておりますが、依然として経営判断、行動力等に一定程度依存している傾向にあるため、何らかの理由により大平啓介が当社の業務を継続することが困難になった場合、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 内部管理体制について(発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)
当社は、企業価値の持続的な増大を図るためにはコンプライアンスが有効に機能することが不可欠であるとの認識のもと、業務の適正性及び財務報告の信頼性の確保、さらに健全な倫理観に基づく法令遵守の徹底が必要と認識しており、内部管理体制の充実に努めております。しかしながら、事業の急速な拡大により、十分な内部管理体制の構築が追いつかないという状況が生じる場合には、適切な業務運営が困難となり、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
また、内部関係者の不正行為等が発生しないよう、国内外の法令・ルールの遵守及び定期的な内部監査等で遵守状況の確認を行っております。しかし、法令等に抵触する事態や内部関係者による不正行為が発生する可能性は完全には排除できないため、これらの事態が生じた場合には、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(4)その他
① 主要広告媒体のユーザー利用動向や利用規約の変更等について(発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)
当社は、主にLINE、Yahoo!、Google、Facebook、Tiktok等の広告媒体を活用したマーケティングを行っております。当社は、これら広告媒体のユーザー属性や利用動向、広告媒体における利用規約や広告出稿に関するアルゴリズムの変更等について情報収集を行っておりますが、これに対する当社の対応が遅れた場合、また業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
② 法規制について(発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)
当社は、直接規制対象となる法規として電気通信事業法、薬機法、医療広告ガイドライン及び健康増進法の適用を受けており、また顧客企業が直接規制対象となっており当社がこれに留意しながらサービス提供を行う必要がある法規として、景表法等の法令規則及び諸規制の適用を受けております。今後、適用を受けている法令の改正や新たな法令の制定等が行われ、又は既存の法令等の解釈に変化が生じたり、もしくは、法令等に準ずる位置付けで業界内の自主規制が制定されその遵守を求められたりするような状況が生じた場合には、当社の事業展開に影響を及ぼす可能性があります。
③ 不適切な広告配信に対する監視体制の強化について(発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)
当社は、顧客企業に提供する価値を担保するために、当社が配信する広告に係る品質管理の徹底が重要な課題であると認識しております。具体的には、景表法、薬機法、健康増進法並びに著作権法等の各種法令により一定の制約が掛けられており、広告を実施する事業者としてはこれらの法令に抵触することがないよう、広告内容の適法性の確保を図る必要があります。そのため、独自の広告審査体制を設けており、社内担当者のチェックに加えて、外部の弁護士や専門機関のレビューも受けることで、景表法や薬機法等の広告関連法令の遵守はもちろん、一般の消費者から見て誤認を招くことがないか等を広告配信前に確認しております。また、不正な広告表示、錯誤を誘発する広告表示及び違法コンテンツを掲載するインターネットメディアへの広告配信の監視、また、成人向け広告の取り扱いに関する社内方針を定め、該当する広告取引を行わないよう努めております。加えて、制作した広告については顧客企業の許諾を得たうえで配信することで、顧客企業のポリシーに準拠しない広告が配信されるリスクを最小限に抑えております。
しかしながら、予期せぬ要因により顧客の許諾前に配信するなど、これらの対応に不備が生じた場合、顧客への損害補填が必要となる等、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 訴訟の可能性について(発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)
当社は重大な人為的ミス等の予期せぬトラブルが発生した場合、また、取引先との関係に何らかの問題が生じた場合、これらに起因する損害賠償を請求される、あるいは訴訟を提起される可能性があります。損害賠償の金額、訴訟の内容及びその結果によっては、当社の業績及び財政状態や社会的信用に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 調達資金の使途について(発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:小)
当社が株式上場時に計画している公募増資による調達資金については、社内リソースの獲得のための人員の増員及び採用関連費用、マーケティング能力向上と業務効率化を目的とするITシステム投資等に充当する予定であります。
しかしながら、当社が属する業界においては変化が著しく、環境変化に柔軟に対応するため、調達資金を本書提出日現在における資金使途計画以外の使途へ充当する可能性があります。なお、資金使途や支出予定時期の変更を行う場合は、適切に開示を行います。
また、当初の計画に沿って調達資金を使用した場合でも、想定する投資効果を上げられない可能性もあります。
⑥ 配当政策について(発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:小)
当社は、利益配分につきましては、今後の事業展開と財務体質強化のために必要な内部留保を確保しつつ、安定した配当を継続して実施していくことを基本方針としております。
しかしながら、事業が成長段階にあることから、内部留保の充実を図り、将来の事業展開及び経営体質の強化のための投資等に充当し、なお一層の事業拡大を目指すことが、株主に対する最大の利益還元につながると考えており、配当を行っておりません。今後の株主への剰余金の配当につきましては、業績の推移・財務状況、今後の事業・投資計画等を総合的に勘案し、内部留保とのバランスをとりながら検討していく方針でありますが、今後の配当実施の可能性及び実施時期については未定であります。
⑦ ストックオプションの行使による株式価値の希薄化について(発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:小)
当社は、当社の役職員及び社外協力者に対し、長期的な企業価値向上に対するインセンティブとしてストックオプションを付与しているほか、今後も優秀な人材確保のためストックオプションを発行する可能性があります。これらのストックオプションが権利行使された場合、当社株式が新たに発行され、既存の株主が有する1株当たりの株式価値を希薄化させる可能性があります。なお、本書提出日現在、これらのストックオプションによる潜在株式数は2,100,500株であり、発行済株式総数20,050,000株の10.5%に相当しております。
⑧ 自然災害について(発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:小)
当社が提供するサービスは、インターネットを介して提供されるため、基本的には自然災害発生時もサービスを提供することが可能であります。しかしながら、当社がサービス提供する顧客の事業拠点において、重大な自然災害が発生した場合に、商品生産量の減少や生産を中止することがあります。その結果、当社の財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります
⑨ 新型コロナウイルス等の感染拡大について(発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:小)
当社は本書提出日現在において、従業員数が90名程度の小規模組織であり、当社の役員及び従業員が新型コロナウイルス等に罹患した場合には、現行の事業遂行体制を維持することが困難となる可能性があります。そのため、新型コロナウイルス等の感染拡大局面においては従業員による在宅勤務の実施、不要不急の外出の禁止要請等を行い、新型コロナウイルス感染の予防に努めているところではありますが、想定する以上に当社内に感染が拡大した場合は、当社の事業活動、財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社がサービス提供する顧客の事業拠点において、新型コロナウイルスの感染が更に拡大し、長期間に亘る経済活動の縮小傾向の継続や更なる経済活動の冷え込みが進行した場合には、当社の財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑩ 当社株式の流動性について(発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)
当社の株主は、当社の代表取締役である大平啓介及びその資産管理会社である株式会社大平事務所等で構成されております。また、当社は東京証券取引所グロース市場への上場を予定しており、上場に際しては、公募増資及び売出しによって当社株式の流動性の確保に努めることとしておりますが、株式会社東京証券取引所の定める流通株式比率は新規上場時において25.0%にとどまる見込みです。
今後は、当社の事業計画に沿った成長資金の公募増資による調達、既存株主への一部売出しの要請、新株予約権の行使による流通株式数の増加等により流動性の向上を図っていく方針ではありますが、何らかの事情により上場時よりも流動性が低下する場合には、当社株式の市場における売買が停滞する可能性があり、それにより当社株式の需給関係にも悪影響を及ぼす可能性があります。
⑪ 財務制限条項に関するリスクについて(発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:低)
当社の事業資金の一部は、金融機関からの借入により調達しております。金融機関からの借入には財務制限条項が付されているものもあり、当該金融機関からの調達以降、本書提出日現在において財務制限条項には一度も抵触しておりませんが、仮に今後、当社の業績、財政状態等の要因でいずれかの財務制限条項への抵触が不可避な場合には、当該借入についての期限の利益を喪失し、借入金の一括返済を求められる可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
また、当社はシェアリング型統合マーケティング事業の単一セグメントのため、セグメント情報は記載しておりません。
なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。)等を当事業年度の期首から適用しております。この変更による当事業年度の財務諸表へ与える影響はありません。
① 財政状態の状況
第13期事業年度(自 2021年7月1日 至 2022年6月30日)
(資産)
当事業年度末における資産合計は前事業年度末より1,763,673千円増加し、5,992,828千円となりました。
流動資産は1,691,845千円増加し、5,587,086千円となりました。これは主に、現金及び預金が266,009千円増加、売上高増加に伴い売掛金が878,334千円増加、運用広告量増加に伴い前渡金が532,909千円増加したことによるものであります。
固定資産は71,828千円増加し、405,742千円となりました。これは主に本社移転により建物が91,366千円増加した一方で、評価損の計上等により投資有価証券が59,599千円減少したことによるものであります。
(負債)
当事業年度末における負債合計は前事業年度末より1,161,388千円増加し、4,233,049千円となりました。
流動負債は955,108千円増加し、2,612,356千円となりました。これは主に、売上規模拡大に伴い買掛金が318,671千円、未払金が181,351千円及び未払費用が281,512千円増加したことによるものであります。
固定負債は206,280千円増加し、1,620,693千円となりました。これは主に手許資金確保のため借入金が190,280千円及び社債が16,000千円増加したことによるものであります。
(純資産)
当事業年度末における純資産合計は前事業年度末より602,284千円増加し、1,759,779千円となりました。これは主に、繰越利益剰余金が621,724千円増加した一方で、その他有価証券評価差額金が20,543千円減少したことによるものであります。
第14期第3四半期累計期間(自 2022年7月1日 至 2023年3月31日)
(資産)
当第3四半期会計期間末における資産合計は前事業年度末より2,537,047千円増加し、8,529,876千円となりました。
流動資産は2,610,198千円増加し、8,197,284千円となりました。これは主に、現金及び預金が3,001,141千円増加した一方で、単月売上高減少に伴い売掛金が252,130千円減少、及び前入金の運用広告量減少に伴い前渡金が140,248千円減少したことによるものであります。
固定資産は73,150千円減少し、332,591千円となりました。これは主に、保険の解約に伴う積立の取崩61,801千円減少、及び取引形態変更に伴い営業保証金が37,000千円減少したことによるものであります。
(負債)
当第3四半期会計期間末における負債合計は前事業年度末より1,429,676千円増加し、5,662,725千円となりました。
流動負債は350,369千円増加し、2,962,725千円となりました。これは主に業績好調に伴い未払法人税等が275,106千円、未払消費税等が97,588千円増加したことによるものであります。
固定負債は1,079,307千円増加し、2,700,000千円となりました。これは主に、手許資金確保のため借入金が2,201,307千円増加した一方で、借換えに伴い社債が1,122,000千円減少したことによるものであります。
(純資産)
当第3四半期会計期間末における純資産合計は前事業年度末より1,107,370千円増加し、2,867,150千円となりました。これは主に、利益剰余金が1,103,438千円増加したことによるものであります。
② 経営成績の状況
第13期事業年度(自 2021年7月1日 至 2022年6月30日)
当事業年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症に関してはワクチンなどの対応に伴い、経済行動に大きな影響はなかったものの、ウクライナ情勢やアメリカの長期金利の引き上げによる市況悪化等に伴い、景気の後退懸念が見られ、将来の経済動向は不透明であります。
このような状況下、当社におきましてはいわゆる「巣ごもり需要」などによるオンラインでの購買活動活発化などの背景もあり、将来の加速度的な成長促進を見込んだ採用強化を行い、人員の増大を図ることで、クライアント数の増加、取扱商材の拡大などの施策を実行し、事業規模を拡大してまいりました。
この結果、当事業年度の業績につきましては、売上高14,606,744千円(前年同期比79.3%増)、営業利益1,027,366千円(前年同期比32.0%増)、経常利益1,002,897千円(前年同期比38.7%増)、当期純利益621,724千円(前年同期比41.0%増)となりました。
第14期第3四半期累計期間(自 2022年7月1日 至 2023年3月31日)
当第3四半期累計期間におけるわが国経済は、ウクライナ情勢の長期化、原材料価格の高騰及び円安の進行等により依然として不透明な状況が続いておりますが、各種政策の効果や経済活動の段階的な再開に伴って、持ち直しの動きが続くことが期待されております。
このような状況下、当社に置きましてはいわゆる「巣ごもり需要」などによるオンラインでの購買活動活発化などの背景もあり、将来の加速度的な成長促進を見込んだ採用強化を行い、人員拡大をすることで、取扱商材の増加、1商材当たりにおける配信媒体数の拡大などの施策を行うことで事業規模を拡大してまいりました。
この結果、当第3四半期累計期間の業績につきましては、売上高12,265,051千円、営業利益1,781,556千円、経常利益1,787,037千円、四半期純利益1,103,438千円となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
第13期事業年度(自 2021年7月1日 至 2022年6月30日)
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は前事業年度末に比べ264,809千円増加し、2,639,391千円となりました。なお、当事業年度におけるキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、獲得した資金は60,980千円(前年同期は470,210千円の獲得)となりました。こちらは税引前当期純利益976,391千円(前年同期は713,740千円の獲得)及び買掛金の増加額318,671千円(前年同期は247,912千円の獲得)、未払金の増加額181,351千円(前年同期は152,916千円の獲得)、及び未払費用の増加額281,512千円(前年同期は4,123千円の獲得)があった一方で、売上債権の増加額878,334千円(前年同期は269,371千円の支出)、前渡金の増加額532,909千円(前年同期は424,743千円の支出)及び法人税等の支払額345,381千円(前年同期は126,795千円の支出)が発生したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、支出した資金は124,058千円(前年同期は143,253千円の支出)となりました。こちらは本社オフィス移転に伴う有形固定資産の取得による支出120,801千円(前年同期は10,867千円の支出)が発生したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、獲得した資金は327,887千円(前年同期は751,780千円の獲得)となりました。こちらは長期借入金の借入れによる収入(純額)212,937千円(前年同期は470,248千円の支出)及び社債の発行による収入(純額)97,187千円(前年同期は1,205,028千円の獲得)が発生したことによるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社は生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。
b.受注実績
当社で行う事業は、提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
c.販売実績
第13期事業年度及び第14期第3四半期累計期間の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
第13期事業年度 (自 2021年7月1日 至 2022年6月30日) |
第14期第3四半期累計期間 (自 2022年7月1日 至 2023年3月31日) |
|
|
売上高(千円) |
前年同期比 (%) |
売上高(千円) |
|
|
シェアリング型 統合マーケティング事業 |
14,606,744 |
179.3 |
12,265,051 |
|
合計 |
14,606,744 |
179.3 |
12,265,051 |
(注)1.シェアリング型統合マーケティング事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
2.最近2事業年度及び第14期第3四半期累計期間の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
|
相手先 |
第12期事業年度 (自 2020年7月1日 至 2021年6月30日) |
第13期事業年度 (自 2021年7月1日 至 2022年6月30日) |
第14期第3四半期 累計期間 (自 2022年7月1日 至 2023年3月31日) |
|||
|
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
|
株式会社アール |
4,813,001 |
59.1 |
10,427,631 |
71.4 |
8,603,528 |
70.1 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
この財務諸表の作成にあたっては、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り、予測を必要としております。当社は、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り、予測を行っております。そのため実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社の財務諸表の作成に当たって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等(1) 財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載しており、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち特に重要なものについては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等(1) 財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載の通りであります。
② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
第13期事業年度(自 2021年7月1日 至 2022年6月30日)
a 財政状態
財政状態の分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態の状況」に含めて記載しております。
b 経営成績
(売上高)
当事業年度の売上高は、前事業年度に比べ6,461,652千円増加し、14,606,744千円(前年同期比79.3%増)となりました。これは主にAランク商材が年間平均で1.5商材増加して3.5商材となったことが要因です。
(売上原価、売上総利益)
当事業年度の売上総利益は、前事業年度に比べ604,523千円増加し、2,159,536千円(前年同期比38.9%増)となりました。これは主に、売上高増加要因と同様にAランク商材の増加が要因です。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当事業年度の営業利益は、前事業年度に比べ249,576千円増加し、1,027,366千円(前年同期比32.0%増)となりました。これは主に、売上総利益の増加があったものの、採用教育費への投資を行い販売費及び一般管理費が増加したことが要因です。
(営業外収益、営業外費用、経常利益)
当事業年度の営業外収益は2,297千円(前期比51.4%減)、営業外費用は26,767千円(前期比55.2%減)となりました。営業外収益が増加した主な要因は、受取配当金が283千円減少したことによるものであり、営業外費用が減少した主な要因は、社債発行費が26,158千円減少したことによるものです。この結果、当事業年度の経常利益は1,002,897千円(前期比38.7%増)となりました。
(当期純利益)
当事業年度において、特別利益は3,500千円(前期比75.0%増)、特別損失は30,006千円(前期比173.7%増)となりました。特別利益が増加した主な要因は、償却債権取立益が1,500千円増加したことによるものであり、特別損失は投資有価証券評価損が22,708千円増加したことによるものであります。また、当事業年度における法人税等合計は、前事業年度に比べ81,744千円増加し354,666千円となりました。この結果、当事業年度の当期純利益は621,724千円(前期比41.0%増)となりました。
c キャッシュ・フローの状況の分析
キャッシュ・フローの状況の分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
第14期第3四半期累計期間(自 2022年7月1日 至 2023年3月31日)
a 財政状態
財政状態の分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態の状況」に含めて記載しております。
b 経営成績
(売上高)
当第3四半期累計期間の売上高は12,265,051千円となりました。これは主にAランク商材が第3四半期累計期間平均で6商材と増加したことが要因です。
(売上原価、売上総利益)
当第3四半期累計期間の売上総利益は2,709,131千円となりました。これは主に、売上高増加要因と同様にAランク商材の増加が要因です。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当第3四半期累計期間の販売費及び一般管理費は、業容拡大に伴う人員の強化やオフィススペースの拡大により927,574千円となりました。この結果、当第3四半期累計期間の営業利益は1,781,556千円になりました。
(営業外収益、営業外費用、経常利益)
当第3四半期累計期間の営業外収益は、主に保険解約返戻金54,121千円の発生により、54,787千円となりました。また、当第3四半期累計期間の営業外費用は、主にシンジケートローン等に係る融資手数料31,666千円及び支払利息12,768千円の発生により、49,306千円となりました。この結果、当第3四半期累計期間の経常利益は、1,787,037千円となりました。
(四半期純利益)
当第3四半期累計期間において、特別利益及び特別損失は発生しておりません。また、当第3四半期累計期間の法人税等合計は675,168千円となりました。この結果、当第3四半期累計期間の四半期純利益は1,103,438千円となりました。
③ 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等について
経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標につきましては、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」をご参照ください。
当該指標の推移については以下のとおりであります。
|
指標 |
第12期事業年度 (自 2020年7月1日 至 2021年6月30日) |
第13期事業年度 (自 2021年7月1日 至 2022年6月30日) |
第14期第3四半期累計期間 (自 2022年7月1日 至 2023年3月31日) |
|
|
各指標数値 |
各指標数値 |
成長率(%) |
各指標数値 |
|
|
売上高 |
8,145,092千円 |
14,606,744千円 |
79.3 |
12,265,051千円 |
|
広告利益 |
1,737,461千円 |
2,517,876千円 |
44.9 |
3,259,910千円 |
|
ROAS |
127% |
121% |
△4.7 |
136% |
|
Aランク商材数 (注)2 |
2.0件 |
3.5件 |
75.0 |
6.0件 |
|
Bランク商材数 (注)2 |
1.5件 |
2.8件 |
83.3 |
2.3件 |
|
Cランク商材数 (注)2 |
2.8件 |
3.8件 |
36.4 |
0.7件 |
|
Dランク商材数 (注)2 |
3.5件 |
4.0件 |
14.3 |
2.3件 |
|
Aランク商材平均売上高(注)2 |
2,353,729千円 |
2,723,480千円 |
15.7 |
2,191,800千円 |
|
Bランク商材平均売上高(注)2 |
744,176千円 |
863,275千円 |
16.0 |
833,582千円 |
|
Cランク商材平均売上高(注)2 |
438,449千円 |
412,102千円 |
△6.0 |
529,564千円 |
|
Dランク商材平均売上高(注)2 |
197,435千円 |
202,248千円 |
2.4 |
199,190千円 |
|
マーケター人員数 (注)3 |
30.9人 |
45.0人 |
45.6 |
64.7人 |
|
マーケター1人当たり 売上高 |
263,453千円 |
324,594千円 |
23.2 |
252,453千円 |
(注)1.第11期事業年度は決算期変更により2020年1月1日から2020年6月30日までのため前年比較情報は記載していません。
2.各ランクの商材数はランク別四半期商材数の平均(通期÷累計四半期会計期間)を、各ランクの平均売上高は1商材当たりの通期平均売上高(ランク別売上高通期合計÷四半期商材数の平均)を記載しております。
3.マーケター人員数は、当社マーケティング事業部の通期平均人員数を記載しております。
また、ランク別コア商材数及びランク別コア商材に係る平均売上高における四半期推移は以下のとおりであります。
<ランク別コア商材数>
|
(件) |
2021年6月期実績 |
2022年6月期実績 |
2023年6月期実績 |
||||||||
|
第1四半期 |
第2四半期 |
第3四半期 |
第4四半期 |
第1四半期 |
第2四半期 |
第3四半期 |
第4四半期 |
第1四半期 |
第2四半期 |
第3四半期 |
|
|
Aランク |
1 |
2 |
2 |
3 |
2 |
3 |
4 |
5 |
7 |
5 |
6 |
|
Bランク |
2 |
1 |
3 |
0 |
4 |
2 |
2 |
3 |
1 |
3 |
3 |
|
Cランク |
1 |
3 |
0 |
7 |
2 |
3 |
5 |
5 |
1 |
1 |
0 |
|
Dランク |
4 |
2 |
4 |
4 |
5 |
6 |
3 |
2 |
3 |
2 |
2 |
|
合計 |
8 |
8 |
9 |
14 |
13 |
14 |
14 |
15 |
12 |
11 |
11 |
<ランク別コア商材に係る平均売上高>
|
(百万円) |
2021年6月期実績 |
2022年6月期実績 |
2023年6月期実績 |
||||||||
|
第1四半期 |
第2四半期 |
第3四半期 |
第4四半期 |
第1四半期 |
第2四半期 |
第3四半期 |
第4四半期 |
第1四半期 |
第2四半期 |
第3四半期 |
|
|
Aランク |
960 |
1,180 |
939 |
1,627 |
1,171 |
1,661 |
2,397 |
4,302 |
4,159 |
3,118 |
2,585 |
|
Bランク |
335 |
152 |
628 |
0 |
857 |
440 |
390 |
685 |
172 |
643 |
643 |
|
Cランク |
123 |
273 |
0 |
809 |
255 |
306 |
456 |
527 |
133 |
131 |
0 |
|
Dランク |
193 |
92 |
205 |
199 |
287 |
280 |
147 |
93 |
142 |
128 |
78 |
|
合計 |
1,612 |
1,699 |
1,772 |
2,635 |
2,572 |
2,688 |
3,391 |
5,607 |
4,606 |
4,021 |
3,307 |
④ 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」をご参照ください。
⑤ 資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社の主な資金需要は、広告掲載に係る売上原価、人件費、及び人員拡大のための採用コストになります。財政状態と投資のバランスを重視しつつ、事業活動に必要な運転資金及び新規事業等に対する投資コストは、主として手許の自己資金、金融機関からの借入により調達いたします。
⑥ 経営者の問題意識と今後の方針
「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、当社の経営陣は、今後更なる業容拡大と成長を遂げるには、様々な課題に対処していくことが必要であると認識しております。そのためには、収益性のさらなる向上、特定の商材やクライアントへの偏りの解消といった事業面と、内部管理体制の強化といった組織面の双方の強化を図り、事業展開を行ってまいります
(シンジケートローン契約の締結)
当社は、2022年11月25日付で、株式会社みずほ銀行をアレンジャーとする金融機関7行からなるシンジケート団とシンジケートローン契約を締結しております。
(1) シンジケートローン契約締結の目的
当契約は、既存の借入金の返済及び社債の償還並びに安定的かつ効率的な運転資金の調達等を目的としております。
(2) シンジケートローン契約の概要
|
アレンジャー兼エージェント |
みずほ銀行 |
|
コ・アレンジャー |
りそな銀行 |
|
契約締結日 |
2022年11月25日 |
|
担保 |
無担保 |
|
保証 |
無保証 |
|
財務制限条項 |
① 2023年6月期決算以降、各年度の決算期の末日における単体の貸借対照表上の純資産の部の金額を2022年6月決算期末日における単体の貸借対照表上の純資産の部の金額の75%および直前の決算期末日における単体の貸借対照表上の純資産の部の金額の75%のいずれか高い方の金額以上に維持すること。 ② 2023年6月期決算以降の決算期を初回の決算期とする連続する2期について、各年度の決算期における単体の損益計算書に示される経常損益が2期連続して損失とならないようにすること。 |
貸付A(コミットメントライン)
|
組成金額 |
1,000,000千円 |
|
コミットメント期間 |
2022年11月30日~2023年11月30日(但し、当社に1年間の延長オプションが付与されており、オプションを実行した場合には、2022年11月30日~2024年11月30日へ延長可能) |
|
コミットメントフィー |
年率0.1% |
貸付B(タームローン)
|
組成金額 |
3,600,000千円 |
|
実行日 |
2022年11月30日 |
|
最終弁済期日 |
2027年11月30日 |
|
利率 |
基準金利にスプレッドを加算した利率 |
該当事項はありません。